JP3508204B2 - 自動変速機の変速ショック低減装置 - Google Patents

自動変速機の変速ショック低減装置

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JP3508204B2
JP3508204B2 JP10757094A JP10757094A JP3508204B2 JP 3508204 B2 JP3508204 B2 JP 3508204B2 JP 10757094 A JP10757094 A JP 10757094A JP 10757094 A JP10757094 A JP 10757094A JP 3508204 B2 JP3508204 B2 JP 3508204B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の変速ショ
ック低減装置、特に変速時に入力トルクを低下させるこ
とにより変速ショックを低減するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車などに搭載される自動変速機は、
エンジンの出力トルクが入力されるトルクコンバータ
と、該コンバータの出力によって駆動される変速機構と
を組み合わせ、この変速機構の動力伝達経路をクラッチ
やブレーキなどの複数の摩擦要素の選択的作動により切
り換えて、運転者の要求や運転状態に応じて所定の変速
段へ自動的に変速させるように構成したものであるが、
この種の自動変速機においては、例えば車速とエンジン
負荷とをパラメータとして変速マップを設定すると共
に、現実の運転状態(車速及びエンジン負荷)を上記変
速マップに照らし合わせて変速するか否かを判定して、
その判定結果に応じて出力される変速段が実現されるよ
うに、上記各摩擦要素の締結状態が切り換えられるよう
になっている。その場合に、変速過程で不快な変速ショ
ックが発生する場合がある。
【0003】例えば当該自動車がエンジン出力で駆動さ
れる正駆動状態でのシフトアップ変速時においては、ま
ず、新たに締結される摩擦要素の締結動作に従って変速
機構ないし当該自動変速機の出力軸に制動力が作用し
て、出力トルクが一時的に低下し(トルクフェーズ)、
その後上記変速機構の回転変化に起因する慣性トルク
(イナーシャトルク)によって出力トルクが増大するこ
とになる(イナーシャフェーズ)。そして、この間の出
力トルクの変動が変速ショックとして現れ、乗員に不快
感を与えるのである。
【0004】この問題に対しては、例えば特公平4−6
7058号公報に開示されているように、変速時にエン
ジン出力を一時的に低下することにより変速機構の入力
トルクを低下させるようにしたものがある。これによれ
ば、入力トルクが低下した分だけ変速ショックが低減さ
れることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術においては、変速時のトルクダウン量
が一律に設定されるようになっているため、次のような
不都合を発生する可能性がある。
【0006】つまり、変速中に例えばアクセル操作が行
われる場合がある。このような場合には、エンジンの出
力トルクが変動することから、それに伴って当該自動変
速機への入力トルクが変動することになって、変速ショ
ックを効果的に抑制できないことになる。
【0007】この発明は、変速時に入力トルクを低下さ
せるようにした自動変速機における上記の問題に対処す
るもので、変速ショックを安定して抑制するようにする
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)は、エンジンの出力
トルクが入力されるトルクコンバータと、該コンバータ
の出力によって駆動される変速機構とが組み合わされた
自動変速機において、シフトアップ変速時に、変速前後
のタービン回転数の回転変化量を算出するタービン回転
変化量算出手段と、タービントルクを算出するタービン
トルク算出手段と、上記手段で算出されたタービントル
クとタービン回転変化量とに基づいてエンジンの変速時
目標トルクを設定する変速時目標トルク設定手段と、上
記手段で設定された変速時目標トルクが実現するように
変速時にエンジンの出力トルクを低減させるトルクダウ
ン手段とを設けると共に、上記手段で設定された変速時
目標トルクと上記手段で算出されたタービン回転変化量
とに基づいて変速時目標ライン圧を算出する変速時目標
ライン圧算出手段と、上記手段で算出された変速時目標
ライン圧が実現するように変速時にライン圧を制御する
ライン圧制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】そして、本願の請求項2の発明(以下、第
2発明という)は、エンジンの出力トルクが入力される
トルクコンバータと、該コンバータの出力によって駆動
される変速機構とが組み合わされた自動変速機におい
て、シフトダウン変速時に、変速前後のタービン回転数
の回転変化量を算出するタービン回転変化量算出手段
と、エンジントルクを算出するエンジントルク算出手段
と、上記手段で算出されたエンジントルクとタービン回
転変化量とに基づいてエンジンの変速時目標トルクを設
定する変速時目標トルク設定手段と、上記手段で設定さ
れた変速時目標トルクが実現するように変速時にエンジ
ンの出力トルクを低減させるトルクダウン手段とを設け
ると共に、上記手段で算出されたエンジントルクとター
ビン回転変化量とに基づいて変速時目標ライン圧を算出
する変速時目標ライン圧算出手段と、上記手段で算出さ
れた変速時目標ライン圧が実現するように変速時にライ
ン圧を制御するライン圧制御手段とを設けたことを特徴
とする。
【0010】また、本願の請求項3の発明(以下、第3
発明という)は、上記第1又は第2発明の構成におい
て、トルクダウン手段は、トルクダウン開始時、エンジ
ンの出力トルクを変速時目標トルクに漸減させるように
構成したことを特徴とする。
【0011】さらに、本願の請求項4の発明(以下、第
4発明という)は、上記第1〜第3発明の構成におい
て、トルクダウン手段は、トルクダウン終了時、エンジ
ンの出力トルクをトルクダウンを行わない場合のエンジ
ントルクに漸増させるように構成したことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0013】すなわち、第1〜第4発明のいずれにおい
ても、自動変速機に入力される入力トルクと当該変速機
の変速機構の回転の変化に伴うイナーシャトルクとに基
づいて変速時の目標入力トルクを設定するようにしてい
るので、変速時の入力トルクが一定に調整されることに
なり、これによって変速ショックを安定して抑制するこ
とができる。
【0014】しかも、上記目標入力トルクと一致するよ
うに実際の入力トルクが調整されることから、シフトア
ップ変速時における制御性が向上することになる。
【0015】特に、第発明によれば、シフトアップ変
速時の入力トルクが、トルクコンバータから変速機構に
入力されるタービントルクに基づいて決定されるように
なっているので、目標入力トルクが精度良く設定される
ことになる。
【0016】また、第発明によれば、シフトダウン変
速時における入力トルクがエンジントルクに基づいて決
定されるようになっているので、目標入力トルクがトル
クコンバータの出力回転数の過渡変化のバラツキに影響
されることなく適切に設定されることになる。
【0017】そして、第発明によれば、トルクダウン
開始時には、エンジンの出力トルクが変速時目標トルク
に漸減していくことから、エンジントルクが上記目標ト
ルクよりも低下しすぎることがなく、また、第4発明に
よれば、トルクダウン終了時には、エンジンの出力トル
クがトルクダウンを行わない場合のエンジントルクに漸
増していくことから、エンジントルクが本来のエンジン
トルクよりも上昇しすぎることがない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0019】図1に示すように、本発明が適用される自
動車1は、左右の前輪2a,2bが駆動輪とされている
と共に,エンジン3の出力トルクが自動変速機4から差
動装置5及び左右の駆動軸6a,6bを介して前輪2
a,2bに伝達されるようになっている。エンジン3に
は、各気筒ごとに点火プラグ7…7が設けられている。
【0020】一方、上記自動変速機4は、図2にも示す
ように、エンジン3の出力軸8に連結されたトルクコン
バータ20と、その出力トルク(タービントルク)が入
力される変速機構30と、該機構30の動力伝達経路を
切り換えるクラッチやブレーキなどの複数の摩擦要素4
1〜46及びワンウェイクラッチ51,52と、上記摩
擦要素41〜46に選択的にライン圧を供給することに
より上記変速機構30の変速比(変速段)を切り換える
油圧制御ユニット60とを有し、これらにより走行レン
ジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの
1〜4速、Sレンジでの1〜3速、Lレンジでの1〜2
速が得られるようになっている。
【0021】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸8に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設されると共に変速
機ケース9にワンウェイクラッチ24を介して支持され
てトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース2
1とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介
してエンジン出力軸8とタービン23とを直結するロッ
クアップクラッチ26とで構成されている。そして、上
記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して
変速機構30側に出力されるようになっている。ここ
で、上記エンジン出力軸8にはタービンシャフト27内
を貫通するポンプシャフト10が連結され、該シャフト
10により変速機4の反エンジン側端部に備えられたオ
イルポンプ11が駆動されるようになっている。
【0022】一方、上記変速機構30はラビニョ型プラ
ネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト27
上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、該サ
ンギヤ31の反エンジン側において同じくタービンシャ
フト27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32
と、上記スモールサンギヤ31に噛合された複数個のシ
ョートピニオンギヤ33と、エンジン側の半部が該ショ
ートピニオンギヤ33に噛合され、反エンジン側の半部
が上記ラージサンギヤ32に噛合されたロングピニオン
ギヤ34と、該ロングピニオンギヤ34及び上記ショー
トピニオンギヤ33を回転自在に支持するキャリヤ35
と、ロングピニオンギヤ34に噛合されたリングギヤ3
6とで構成されている。
【0023】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース9との間には、該キャリ
ヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ52
と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ46
とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ3
6が出力ギヤ12に連結され、該出力ギヤ12から差動
装置5を介して左右の前輪2a,2bに回転が伝達され
るようになっている。
【0024】ここで、上記各クラッチやブレーキなどの
摩擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52
の作動状態と変速段との関係をまとめると、次の表1に
示すようになる。
【0025】
【表1】 さらに、上記エンジン3及び自動変速機4を統合制御す
るコントロールユニット(以下、ECUという)70が
備えられ、このECU70は、当該自動車1の車速を検
出する車速センサ71からの信号、エンジン3のスロッ
トルバルブの開度を検出するスロットルセンサ72から
の信号、エンジン3の吸入空気量を検出するエアフロー
センサ73からの信号、エンジン回転数を検出するエン
ジン回転センサ74からの信号、エンジン3の冷却水温
度を検出する水温センサ75からの信号、トルクコンバ
ータ20の出力回転数(タービン回転数)を検出するタ
ービン回転センサ76からの信号、変速機構30の出力
回転数を検出する出力回転センサ77からの信号、セレ
クトレバー13によるシフト位置(レンジ)を検出する
シフト位置センサ78からの信号、自動変速機4の作動
油温度を検出する油温センサ79からの信号などを入力
して、自動変速機4に対しては、油圧制御ユニット60
に備えられた変速用ソレノイドバルブ61…61による
変速制御と、同じく油圧制御ユニット60に備えられた
デューティソレノイドバルブ62によるライン圧制御を
行うと共に、エンジン3に対しては点火プラグ7…7に
対する点火制御などを行うようになっている。
【0026】ここで、ECU70が行う点火制御の概略
を説明すると、ECU70は、エアフローセンサ73か
らの信号が示す吸入空気量Qとエンジン回転センサ74
からの信号が示すエンジン回転数Neとを読み込んだ上
で、これらの値に基づいて空気充填効率Ceを演算する
と共に、この空気充填効率Ceと上記エンジン回転数N
eとを予め設定した基本点火時期のマップに当てはめる
ことにより、現時点の基本点火時期を設定する。次い
で、水温センサ75からの信号などに応じて上記基本点
火時期を補正することにより最終点火時期を設定する。
そして、この最終点火時期で点火されるように点火時期
制御信号を点火プラグ7…7に出力する。
【0027】なお、この実施例においては、変速時に点
火制御によりエンジン3の出力トルクを低減させる制御
が行われる。
【0028】次に、上記油圧制御ユニット60における
ライン圧制御部分の構成について説明する。
【0029】図3に示すように、上記オイルポンプ11
から吐出される作動油の圧力を所定のライン圧に調整す
るレギュレータバルブ63と、該レギュレータバルブ6
3に制御圧を供給するスロットルモデュレータバルブ6
4とが備えられている。このスロットルモデュレータバ
ルブ64には、上記オイルポンプ11からの作動油が吐
出されるメインライン65から該作動油を一定圧に減圧
するレデューシングバルブ66を介して導かれた一定圧
ライン67が接続されていると共に、該モデュレータバ
ルブ64から上記レギュレータバルブ63の一端に設け
られた増圧ポート63aに増圧ライン68が導かれてい
る。また、該スロットルモデュレータバルブ64の一端
の制御ポート64aには、上記一定圧ライン67から分
岐された制御圧ライン69が接続されている。
【0030】そして、この制御圧ライン69に、図1に
示したライン圧制御用のデューティソレノイドバルブ6
2が設置されて、該デューティソレノイドバルブ62の
デューティ率に応じた制御圧が上記スロットルモデュレ
ータバルブ64の制御ポート64aに導入されることに
より、上記ライン67から制御圧ライン69を介して給
圧された一定圧が、該パイロット圧ないし上記デューテ
ィ率に応じた圧力に調整された上で、増圧ライン68を
介してレギュレータバルブ63の増圧ポート63aに給
圧されるようになっている。したがって、このレギュレ
ータバルブ63によって圧力が調整されたライン圧は上
記デューティ率に応じた圧力となる。
【0031】次に、本発明の特徴部分である変速時のラ
イン圧制御とトルクダウン制御とを説明すると、例えば
シフトアップ変速時におけるライン圧制御は、具体的に
は図4、図5に示すフローチャートに従って次のように
行われる。
【0032】すなわち、ECU70は、ステップS1で
各種信号を読み込んだ上で、ステップS2でシフトアッ
プフラグFupが1にセットされているか否かを判定す
る。シフトアップフラグFupが1にセットされている
ときには、ステップS3で次の関係式(1)に従って変
速前後のタービン回転数Ntの回転変化量ΔNtを算出
すると共に、ステップS4で関係式(2)に従ってター
ビントルクTtを算出する。
【0033】 ΔNt=Nts−Nos・Go …(1) Tt=t・Te …(2) ここで、Ntsは変速判定時のタービン回転数、Nos
は同じく変速機構30の出力回転数、Goは変速終了後
のギヤ比、Teはエンジントルク、tはトルクコンバー
タ20のトルク増大係数を示す。なお、エンジントルク
Teは、後述するように、吸入空気量、エンジン回転
数、点火時期などをパラメータとして算出されるように
なっている。
【0034】次いで、ECU70はステップS5に進ん
でエンジン3がトルクダウンが可能な運転状態か否かを
判定する。なお、ECU70は、例えば水温センサ75
からの信号が示す冷却水温度がエンジン3の暖機状態を
示すときにトルクダウンが可能と判定するようになって
いる。
【0035】ECU70は、上記ステップS5において
トルクダウンが可能であると判定したときには、ステッ
プS6を実行してトルクコンバータ20のロックアップ
クラッチ26がOFF状態か否かを判定する。ECU7
0は、ロックアップクラッチ26がOFF状態、つまり
トルクコンバータ20が作動流体を介してトルクの伝達
を行うコンバータ状態であると判定したときには、ステ
ップS7に進んで予めタービントルクTtと回転変化量
ΔNtとシフトパターン(変速の種類)Psとをパラメ
ータとして設定されたトルクダウン時用目標変速時間マ
ップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステッ
プS8で次の関係式(3)に従って目標角加速度Amを
演算する。
【0036】 Am=|ΔNt/Ts| …(3) つまり、変速前後の回転変化量ΔNtを目標変速時間T
sで徐算した値を目標角加速度Amとするのである。
【0037】次に、ECU70は、ステップS9を実行
してシフトアップフラグFupが非変速状態を示す0か
ら変速状態を示す1に切り換わった直後か否かを判定す
る。つまり、変速判定が行われた直後か否かを判定する
のである。ECU70はシフトアップフラグFupが0
から1に切り換わった直後であると判定したときには、
ステップS10で予めタービントルクと角加速度とをパ
ラメータとして設定したマップに従って、現実のタービ
ントルクTtと目標角加速度Amとに対応する変速時目
標トルクTmを設定すると共に、ステップS11を実行
してエンジントルクTeが上記変速時目標トルクTmよ
りも大きいか否かを判定する一方、シフトアップフラグ
Fupが0から1に切り換わった直後ではないと判定し
たときには、上記ステップS10をスキップしてステッ
プS11に進み、エンジントルクTeが上記変速時目標
トルクTmよりも大きいか否かを判定する。つまり、変
速判定時にのみ、そのときのタービントルクTtと角加
速度Arとに基づいて変速時目標トルクTmが設定され
ることになる。
【0038】ECU70は、上記ステップS11におい
てエンジントルクTeが変速時目標トルクTmよりも大
きくないと判定したときには、ステップS12に進んで
上記エンジントルクTeを変速時目標トルクTmとして
セットした上で、ステップS13に進んで変速時目標ト
ルクTmに対応する入力トルク油圧Ptを設定すると共
に、エンジントルクTeが変速時目標トルクTmよりも
大きいと判定したときには、ステップS12をスキップ
してステップS13を実行して変速時目標トルクTmに
対応する入力トルク油圧Ptを設定する。つまり、EC
U70は、例えば図6に示すように、予め入力トルクを
パラメータとしてシフトパターンごとに設定された入力
トルク油圧設定マップに、変速時目標トルクTmを当て
はめることにより、該目標トルクTmに対応する値を入
力トルク油圧Ptとして読み出すようになっている。そ
の場合に、上記入力トルク油圧設定マップは、変速時目
標トルクTm(入力トルク)が増大するほど該入力トル
ク油圧Ptが増加するように設定されている。
【0039】また、ECU70はステップS14を実行
して、図7に示すように、角加速度をパラメータとして
シフトパターンごとに設定されたイナーシャトルク油圧
設定マップに基づいて、目標角加速度Amに対応するイ
ナーシャトルク油圧Piを設定する。この場合において
も、上記イナーシャトルク油圧設定マップは、目標角加
速度Amが増大するほどイナーシャトルク油圧Piが増
加するように設定されている。
【0040】そして、ECU70はステップS15を実
行して、次の関係式(4)に従って、入力トルク油圧P
tとイナーシャトルク油圧Piとから目標締結圧Pcl
を演算する。
【0041】 Pcl=Pt+Pi …(4) 次に、ECU70はステップS16に進んで、上記目標
締結圧Pclに油温補正を行うことにより、最終的な目
標ライン圧Pを演算する。
【0042】つまり、一般に、摩擦要素は摩擦部材同士
が摩擦接触することにより締結されることになるが、対
接する摩擦部材の接触面ないし摺動面の摩擦係数は、両
摩擦部材間の作動油温度Toによって左右される。具体
的には、作動油温度Toが低いほど摩擦係数μが増大す
る。したがって、例えば図8に示すように、作動油温度
をパラメータとして設定した油温補正係数のテーブルか
ら、現在の作動油温度Toに対応する油温補正係数Kμ
を読み出した上で、この補正係数Kμと上記目標締結圧
Pclとを次の関係式(5)に代入することにより、上
記最終目標ライン圧Pを求めるのである。
【0043】P=Pcl・Kμ …(5) そして、ECU70はステップS17を実行して、この
目標ライン圧Pと上記変速時目標トルクTmとを出力す
る。
【0044】したがって、自動変速機4においては、上
記目標ライン圧Pが得られるようにデューティソレノイ
ドバルブ62がデューティ制御されることになる。
【0045】また、ECU70は上記ステップS6にお
いてロックアップクラッチ26のOFF状態ではないと
判定したとき、つまりトルクコンバータ20のロックア
ップ状態であると判定したときには、ステップS18へ
分岐して予めタービントルクTtと回転変化量ΔNtと
シフトパターン(変速の種類)Psとをパラメータとし
て設定されたロックアップ用トルクダウン時用目標変速
時間マップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、
ステップS8で上記関係式(3)に従って目標角加速度
Amを演算する。その場合に、上記ロックアップ用トル
クダウン時用目標変速時間マップは、非ロックアップ用
のトルクダウン時用目標変速時間マップに比べて目標変
速時間が長くなるように設定されている。したがって、
上記関係式(3)に従って演算される目標角加速度Am
は、コンバータ状態に比べて相対的に小さな値となる。
【0046】このようにトルクダウン可能時において
は、目標角加速度AmとタービントルクTtとに基づい
てエンジン3の変速時目標トルクTmが設定されると共
に、変速機構30の入力トルクに対応する入力トルク油
圧Ptが上記変速時目標トルクTmに基づいて設定され
ることになるので、該入力トルク油圧Ptが変速時にお
ける変速機構30への実際の入力トルクに精度よく対応
することになる。
【0047】一方、ECU70は、上記ステップS5に
おいてエンジン3のトルクダウンが可能ではないと判定
したときには、図5のフローチャートのステップS19
へ移って、トルクコンバータ20のロックアップクラッ
チ26がOFF状態か否かを判定する。ECU70は、
ロックアップクラッチ26がOFF状態、つまりトルク
コンバータ20がコンバータ状態であると判定したとき
には、ステップS20に移って予めタービントルクTt
と回転変化量ΔNtとシフトパターンPsとをパラメー
タとして設定された非トルクダウン時用目標変速時間マ
ップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステッ
プS21で回転変化量ΔNtと目標変速時間Tsとを上
記関係式(3)に代入することにより、目標角加速度A
mを演算する。その場合に、上記非トルクダウン時用目
標変速時間マップは、非ロックアップ用の上記トルクダ
ウン時用目標変速時間マップに対して目標変速時間が長
くなるように設定されている。
【0048】そして、ECU70は、ステップS22を
実行して、エンジントルクTeを変速時目標トルクTm
としてセットした上で、図4のフローチャートのステッ
プS13に移って、以下の各ステップを実行する。した
がって、この場合にはエンジン3のトルクダウンが行わ
れない。
【0049】また、ECU70は上記ステップS19に
おいてロックアップクラッチ26のOFF状態ではない
と判定したときには、ステップS23へ分岐して予めタ
ービントルクTtと回転変化量ΔNtとシフトパターン
(変速の種類)Psとをパラメータとして設定されたロ
ックアップ用非トルクダウン時用目標変速時間マップに
従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステップS2
1で上記関係式(3)に従って目標角加速度Amを演算
する。その場合に、上記ロックアップ用非トルクダウン
時用目標変速時間マップは、非ロックアップ用の非トル
クダウン時用目標変速時間マップに比べて目標変速時間
が長くなるように設定されている。したがって、上記関
係式(3)に従って演算される目標角加速度Amは、コ
ンバータ状態に比べて相対的に小さな値となる。
【0050】次に、上記シフトアップ変速時のトルクダ
ウン制御を図9のフローチャートを参照して説明する。
【0051】すなわち、ECU70はステップT1で各
種信号を読み込んだ上で、ステップT2でシフトアップ
フラグFupが1にセットされているか否かを判定し
て、該フラグFupが1にセットされていればステップ
T3に進んで、トルクダウンフラグFtdが1にセット
されているか否かを判定する。ここで、トルクダウンフ
ラグFtdはトルクダウン実行時に1にセットされると
共に、トルクダウン終了時に0にリセットされるように
なっている。
【0052】ECU70は、上記ステップT3において
トルクダウンフラグFtdが1にセットされていないと
判定したときには、ステップT4に進んでタービン回転
数Ntと出力回転数Noとから求めた現実のギヤ比Gr
が、所定のトルクダウン開始判定値g1(Nt)よりも
小さいか否かを判定し、YESと判定した時点でステッ
プT5を実行してトルクダウンフラグFtdを1にセッ
トした後、ステップT6に進む。ここで、上記トルクダ
ウン開始判定値g1(Nt)は変速前のギヤ比よりもわ
ずかに小さな値に設定されている。したがって、例えば
タービン回転数Ntが変速前の回転数よりもわずかに低
下したとき、すなわちタービン回転数Ntが低下し始め
たときにトルクダウンフラグFtdが1にセットされる
ことになる。
【0053】一方、ECU70は上記ステップT3にお
いてトルクダウンフラグFtdが1にセットされている
と判定したときには、ステップT7に移ってギヤ比Gr
が所定のトルクダウン終了判定値g2(Nt)よりも小
さいか否かを判定し、YESと判定した時点でステップ
T8を実行してトルクダウンフラグFtdを0にリセッ
トした後、ステップT6に進む。ここで、上記トルクダ
ウン終了判定値g2(Nt)は変速後のギヤ比よりもや
や大きな値に設定されている。したがって、例えばター
ビン回転数Ntが変速後の回転数に接近したとき、すな
わち変速動作が終了する直前でトルクダウンフラグFt
dが0にリセットされることになる。
【0054】ECU70は上記ステップT6に進むと、
トルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)が1であ
るか否かの判定を行うと共に、今回値Ftd(J)が1で
あると判定したときにはステップT9に進んで、該フラ
グFtdの前回値Ftd(J-1)が0か否かを判定する。
すなわち、トルクダウンフラグFtdが0から1に切り
換わった直後か否かを判定するのである。そして、EC
U70はトルクダウンフラグFtdの前回値Ftd
(J-1)が0であると判定したとき、つまりトルクダウン
フラグFtdが1にセットされた直後であると判定した
ときには、ステップT10に進んでエンジントルクTe
が目標トルクTmよりも大きいか否かを判定し、エンジ
ントルクTeが目標トルクTmよりも大きいと判定した
ときにステップT11を実行して、次の関係式(6)に
従って目標エンジントルクMteを算出した上で、ステ
ップT12で該目標エンジントルクMteを出力する。
【0055】 Mte=Te−(Te−Tm)・K1 …(6) なお、K1(<1)は所定の定数である。
【0056】ECU70は、上記ステップT9において
トルクダウンフラグFtdの前回値Ftd(J-1)が0で
はないと判定したときには、ステップT13に進んでエ
ンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きいか否か
を判定し、エンジントルクTeが目標トルクTmよりも
大きいと判定したときにステップT14を実行して、次
の関係式(7)に従って目標エンジントルクMteを算
出する。
【0057】 Mte=max[Tm,(Mte(J-1)−K2)] …(7) この関係式(7)において、max[α,β]はαとβ
のうちの大きい方の値を採用するということを示してい
る。また、Mte(J-1)は前回の目標エンジントルクM
teを示し、K2はMteの減少率を示す定数である。
【0058】一方、ECU70は、上記ステップT6に
おいてトルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)
1ではないと判定したときには、ステップT16に進ん
で該フラグFtdの前回値Ftd(J-1)が1か否かを判
定する。すなわち、トルクダウンフラグFtdが1から
0に切り換わった直後か否かを判定するのである。そし
て、ECU70はトルクダウンフラグFtdの前回値F
td(J-1)が1であると判定したとき、つまりトルクダ
ウンフラグFtdが0にリセットされた直後であると判
定したときには、ステップT16に進んでエンジントル
クTeが目標トルクTmよりも大きいか否かを判定し、
エンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きいと判
定したときにステップT17を実行して、次の関係式
(8)に従って目標エンジントルクMteを算出する。
【0059】 Mte=(Te−Tm)・K3+Tm …(8) なお、K3(<1)は所定の定数である。
【0060】ECU70は、上記ステップT9において
トルクダウンフラグFtdの前回値Ftd(J-1)が1で
はないと判定したときには、ステップT18に進んでエ
ンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きいか否か
を判定し、エンジントルクTeが目標トルクTmよりも
大きいと判定したときにステップT19を実行して、次
の関係式(9)に従って目標エンジントルクMteを算
出する。
【0061】 Mte=min[Te,(Mte(J-1)+K4)] …(9) この関係式(9)において、min[α,β]は,αと
βのうちの小さい方の値を採用するということを示して
いる。また、K4はMteの増加率を示す定数である。
【0062】そして、ECU70は上記ステップT2に
おいてシフトアップフラグFupが1ではないと判定し
たときには、ステップT20に移って目標エンジントル
クMteとしてエンジントルクTeをセットした上で、
ステップT12でその目標エンジントルクMteを出力
する。
【0063】そして、この実施例においては、上記ステ
ップT10,T13,T16,T18において、エンジ
ントルクTeが目標トルクTmよりも大きくないと判定
されたときにも、上記ステップT20が実行されて目標
エンジントルクMteとしてエンジントルクTeがセッ
トされるようになっている。したがって、エンジントル
クTeが目標トルクTmよりも小さいときには、エンジ
ントルクの制御が行われないことになる。
【0064】ここで、ECU70が行うエンジントルク
制御を説明すると、この実施例においては図10のフロ
ーチャートに従ってエンジントルク制御が次のように行
われる。
【0065】すなわち、ECU70はステップU1で基
本点火時期Igoを読み込むと共に、ステップU2でエ
ンジントルク特性を読み込んだ上で、ステップU3でこ
れらの値に基づいてエンジントルクTeを演算する。
【0066】つまり、正駆動状態でのエンジントルクT
eは、図11に示すように点火時期Igについての2次
関数として近似することができ、これを式で示せば次の
関係式(10)となる。
【0067】 Te=−a(Ig−b)2+c …(10) ここで、a,b,cは、エンジン3の運転状態に応じて
変化する係数であって、それぞれ図12〜図14に示す
ように、エンジン回転数Neと空気充填効率Ceとをパ
ラメータとするマップとして設定されている。その場合
に、係数aを表す関数Fa(Ne,Ce)は、図12に
示すように、エンジン回転数Neが増大するほどaの値
が小さく、また空気充填効率Ceが増大するほどaの値
が増大するように設定されている。また、係数bを表す
関数Fb(Ne,Ce)は、図13に示すように、エン
ジン回転数Neが増大するほどbの値が大きく、また空
気充填効率Ceが増大するほどbの値が減少するように
設定されている。そして、係数cを表す関数Fc(N
e,Ce)は、図14に示すように、エンジン3の出力
トルクの特性に相似するように設定されている。
【0068】ECU70は上記の各マップから読み出し
た係数a,b,cと上記マップから読み出した現時点の
基本点火時期Igoとを上記関係式(10)に代入する
ことによりエンジントルクTeを演算する。これによ
り、トルクダウンを行わない場合のエンジントルクが求
められることになる。そして、このようにして求められ
たエンジントルクTeが各種の演算の基礎として用いら
れるようになっている。
【0069】ECU70は、上記ステップU3において
エンジントルクTeを演算すると、ステップU4に進ん
で目標トルクTmを読み込むと共に、ステップU5でエ
ンジントルクTeが該目標トルクTmよりも大きいか否
かを判定する。エンジントルクTeが目標トルクTmよ
りも大きいときには、ステップU6で目標エンジントル
クMteを読み込んだ上で、ステップU7で上記関係式
(10)を変形した関係式(11)に従って目標点火時
期Migを算出する。
【0070】 Mig=b−[(c−Mte)/a]1/2 …(11) そして、ECU70はステップU8を実行して、上記目
標点火時期Migに従って点火時期制御信号を出力す
る。
【0071】一方、ECU70は上記ステップU5にお
いてエンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きく
ないと判定したときには、ステップU9に移って上記基
本点火時期Igoを目標点火時期Migとしてセットし
た上で、上記ステップU8を実行して、該目標点火時期
Migに従って点火時期制御信号を出力する。
【0072】このような構成によれば次のような作用が
得られる。
【0073】今、トルクダウンが可能な状態でシフトア
ップ変速が行われるものとすると、図15に示すよう
に、シフトアップ判定が行われた時点t1で、シフトア
ップフラグFupが1にセットされると同時に、符号ア
で示すように、変速時目標トルクTmが設定されると共
に、該変速時目標トルクTmに基づいて設定された入力
トルク油圧と、イナーシャトルク油圧設定マップから目
標変速時間Tsに対応して求められたイナーシャトルク
油圧Piとにより、符号イで示すように目標ライン圧P
が設定される。
【0074】変速動作が開始してギヤ比Grが上記トル
クダウン開始判定値g1(Nt)よりも低下した時点t
2で、符号ウで示すようにトルクダウンフラグFtdが
1にセットされると同時に、目標エンジントルクMte
が、符号エで示すようにステップ状に低下した後、符号
オで示すように漸減して最終的に上記目標トルクTmに
収束する。その場合に、目標エンジントルクMteが漸
減していくことから、エンジントルクが上記目標トルク
Tmよりも低下しすぎることがない。そして、目標エン
ジントルクMteが目標トルクTmに一致した状態が、
ギヤ比Grが上記トルクダウン終了判定値g2(Nt)
よりも低下するまで継続する。
【0075】このようにタービン回転数Ntが変化する
イナーシャフェーズのほぼ全期間にわたって目標エンジ
ントルクMteが一定に制御されることから、変速機構
30に入力されるタービントルクTtも一定に制御され
ることになって、変速ショックの少ない滑らかな変速動
作が行われることになる。
【0076】ギヤ比Grが上記トルクダウン終了判定値
2(Nt)よりも低下した時点t3で、符号カで示す
ようにトルクダウンフラグFtdがリセットされると同
時に、目標エンジントルクMteが、符号キで示すよう
にステップ状に上昇した後、符号クで示すように漸増し
て最終的にトルクダウンを行わない場合の上記エンジン
トルクTeに収束する。その場合に、目標エンジントル
クMteが漸増していくことから、エンジントルクが本
来のエンジントルクTeよりも上昇しすぎることがな
い。
【0077】なお、シフトアップフラグFupは、ギヤ
比Grが上記トルクダウン終了判定値g2(Nt)より
も低下した時点t3から所定時間taが経過した時点t
4でリセットされることになる。
【0078】次に、シフトダウン変速時におけるトルク
ダウン制御とライン圧制御とを説明すると、このシフト
ダウン変速時のトルクダウン制御は、具体的には図16
に示すフローチャートに従って次のように行われる。
【0079】すなわち、ECU70はステップT21で
各種信号を読み込んだ上で、ステップT22でシフトダ
ウンフラグFdwが1にセットされているか否かを判定
して、該フラグFdwが1にセットされていればステッ
プT23に進んで、トルクダウンが可能か否かを判定す
る。ECU70は、トルクダウンが可能であると判定し
たときには、ステップT24に進んでトルクダウンフラ
グFtdが1にセットされているか否かを判定する。
【0080】ECU70は、上記ステップT24におい
てトルクダウンフラグFtdが1にセットされていない
と判定したときには、ステップT25に進んでタービン
回転数Ntと出力回転数Noとから求めた現実のギヤ比
Grが、所定のトルクダウン開始判定値g3(Nt)よ
りも大きいか否かを判定し、YESと判定した時点でス
テップT26を実行してトルクダウンフラグFtdを1
にセットした後、ステップT27に進む。
【0081】一方、ECU70は上記ステップT24に
おいてトルクダウンフラグFtdが1にセットされてい
ると判定したときには、ステップT28に移ってギヤ比
Grが所定のトルクダウン終了判定値g4(Nt)より
も小さいか否かを判定し、YESと判定した時点でステ
ップT29を実行してトルクダウンフラグFtdを0に
リセットした後、ステップT27に進む。その場合に、
上記トルクダウン終了判定値g4(Nt)は変速後のギ
ヤ比よりもやや小さな値に設定されている。ここで、上
記トルクダウン開始判定値g3(Nt)はトルクダウン
終了判定値g4(Nt)よりも若干小さな値に設定され
ている。したがって、変速末期の短時間の間だけトルク
ダウンが行われることになる。
【0082】ECU70は上記ステップT27に進む
と、トルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)が1
であるか否かの判定を行うと共に、今回値Ftd(J)
1であると判定したときにはステップT30に進んで、
エンジントルクと変速前後のタービン回転数Ntの回転
変化量とをパラメータとしてシフトパターンごとに設定
されたマップに従って変速時目標トルクTmを設定す
る。上記マップは、図17に示すように、回転変化量Δ
Ntが大きくなるほど目標トルクTmが小さく、またエ
ンジントルクTeが増大するほど目標トルクTmが増大
するように設定されている。その場合に、トルクダウン
量(=Te−Tm)が回転変化量ΔNtが大きくなるほ
ど小さくなるように目標トルクTmが設定されると共
に、エンジントルクTeが増大するほど上記トルクダウ
ン量が増大するように目標トルクTmが設定されてい
る。したがって、エンジントルクTeが大きくなってイ
ナーシャトルクを代表する変速機構30の角加速度が増
大したとしても、それに伴ってトルクダウン量も増大す
ることになって変速ショックが抑制されることになる。
【0083】ECU70は、ステップT30で変速時目
標トルクTmを設定すると、ステップT31に進んで上
記目標トルクTmを目標エンジントルクMteとしてセ
ットした上で、ステップT32で該目標エンジントルク
Mteを出力する。
【0084】一方、ECU70は、上記ステップT27
においてトルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)
が1ではないと判定したときには、ステップT33に進
んで該フラグFtdの前回値Ftd(J-1)が1か否かを
判定する。そして、ECU70はトルクダウンフラグF
tdの前回値Ftd(J-1)が1であると判定したとき、
つまりトルクダウンフラグFtdが0にリセットされた
直後であると判定したときには、ステップT34に進ん
で、次の関係式(12)に従って目標エンジントルクM
teを算出する。
【0085】 Mte=(Te−Tm)・K5+Tm …(12) なお、K5(<1)は所定の定数である。
【0086】ECU70は、上記ステップT33におい
てトルクダウンフラグFtdの前回値Ftd(J-1)が1
ではないと判定したときには、ステップT35に進ん
で、次の関係式(13)に従って目標エンジントルクM
teを算出する。
【0087】 Mte=min[Te,(Mte(J-1)+K6)] …(13) なお、K6はMteの増加率を示す定数である。
【0088】そして、ECU70は上記ステップT22
においてシフトダウンフラグFdwが1ではないと判定
したとき、もしくはステップT23においてトルクダウ
ンが可能でないと判定したときには、ステップT36で
目標エンジントルクMteとしてエンジントルクTeを
セットした上で、ステップT32でその目標エンジント
ルクMteを出力する。
【0089】また、シフトダウン変速時におけるライン
圧制御は、具体的には図18に示すフローチャートに従
って次のように行われる。
【0090】すなわち、ECU70はステップS31で
各種信号を読み込んだ上で、ステップS32でシフトダ
ウンフラグFdwが1にセットされているか否かを判定
する。そして、シフトダウンフラグFdwが1にセット
されているときには、ステップS33を実行してエンジ
ントルクTeと変速前後のタービン回転数Ntの変化量
とをパラメータとしてシフトパターンごとに設定された
目標ライン圧のマップに従って目標ライン圧Pを設定し
た上で、ステップT34に進んで該目標ライン圧Pを出
力する。その場合に、上記マップは、図19に示すよう
に、回転変化量ΔNtが大きくなるほど目標ライン圧P
が低く、またエンジントルクTeが増大するほど目標ラ
イン圧Pが高くなるように設定されている。なお、もち
ろん、目標ライン圧Pはトルクダウンを考慮して設定さ
れるものである。
【0091】このような構成によれば次のような作用が
得られる。
【0092】今、トルクダウンが可能な状態でシフトダ
ウン変速が行われるものとすると、図20に示すよう
に、シフトダウン判定が行われた時点t5で、シフトダ
ウンフラグFdwが1にセットされると同時に、符号サ
で示すように、図19のマップから求められた変速時の
目標ライン圧Pが設定される。
【0093】変速動作が開始してギヤ比Grが上記トル
クダウン開始判定値g3(Nt)を超えた時点t6で、
符号シで示すようにトルクダウンフラグFtdが1にセ
ットされると同時に、符号スで示すように目標エンジン
トルクMteが上記目標トルクTmにまで一挙に低下さ
れる。そして、目標エンジントルクMteが目標トルク
Tmに一致した状態が、ギヤ比Grが上記トルクダウン
終了判定値g4(Nt)を超えるまで継続する。
【0094】ギヤ比Grが上記トルクダウン終了判定値
4(Nt)を超えた時点t7で、符号セで示すように
トルクダウンフラグFtdがリセットされると同時に、
目標エンジントルクMteが、符号ソで示すようにステ
ップ状に上昇した後、符号タで示すように漸増して最終
的にトルクダウンを行わない場合の上記エンジントルク
Teに収束する。その場合に、目標エンジントルクMt
eが漸増していくことから、エンジントルクが本来のエ
ンジントルクTeよりも上昇しすぎることはない。
【0095】なお、シフトダウンフラグFdwは、ギヤ
比Grが上記トルクダウン終了判定値g4(Nt)を超
えた時点t7から所定時間tbが経過した時点t8でリ
セットされることになる。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自動変速
機に入力される入力トルクと当該変速機の変速機構の回
転の変化に伴うイナーシャトルクとに基づいて変速時の
目標入力トルクを設定するようにしているので、変速時
の入力トルクが一定に調整されることになり、これによ
って変速ショックを安定して抑制することができる。
【0097】しかも、上記目標入力トルクと一致するよ
うに実際の入力トルクが調整されることから、シフトア
ップ変速時における制御性が向上することになる。
【0098】特に、第発明によれば、シフトアップ変
速時の入力トルクが、トルクコンバータから変速機構に
入力されるタービントルクに基づいて決定されるように
なっているので、目標入力トルクが精度良く設定される
ことになる。
【0099】また、第発明によれば、シフトダウン
速時における入力トルクがエンジントルクに基づいて決
定されるようになっているので、目標入力トルクがトル
クコンバータの出力回転数の過渡変化のバラツキに影響
されることなく適切に設定されることになる。
【0100】そして、第発明によれば、トルクダウン
開始時には、エンジンの出力トルクが変速時目標トルク
に漸減していくことから、エンジントルクが上記目標ト
ルクよりも低下しすぎることがなく、また、第4発明に
よれば、トルクダウン終了時には、エンジンの出力トル
クがトルクダウンを行わない場合のエンジントルクに漸
増していくことから、エンジントルクが本来のエンジン
トルクよりも上昇しすぎることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジン及び自動変速機の制御システム図で
ある。
【図2】 自動変速機の骨子図である。
【図3】 油圧制御ユニットのライン圧制御部分を示す
回路図である。
【図4】 シフトアップ変速時におけるライン圧制御の
一部を示すフローチャート図である。
【図5】 同じくライン圧制御の一部を示すフローチャ
ート図である。
【図6】 該制御で用いるマップの説明図である。
【図7】 同じく該制御で用いるマップの説明図であ
る。
【図8】 同じく該制御で用いるマップの説明図であ
る。
【図9】 該制御と並行して行われるトルクダウン制御
を示すフローチャート図である。
【図10】 エンジントルク制御を示すフローチャート
図である。
【図11】 エンジントルクの点火時期に対する特性図
である。
【図12】 エンジントルクの近似式における係数を求
めるマップの説明図である。
【図13】 同じくエンジントルクの近似式における係
数を求めるマップの説明図である。
【図14】 同じくエンジントルクの近似式における係
数を求めるマップの説明図である。
【図15】 シフトアップ変速時の変速動作とエンジン
トルクとの関係を示すタイムチャート図である。
【図16】 シフトダウン変速時のトルクダウン制御を
示すフローチャート図である。
【図17】 該制御で用いるマップの説明図である。
【図18】 該制御と並行して行われるライン圧制御を
示すフローチャート図である。
【図19】 該制御で用いるマップの説明図である。
【図20】 シフトダウン変速時の変速動作とエンジン
トルクとの関係を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
3 エンジン 4 自動変速機 7 点火プラグ 30 変速機構 70 ECU 73 エアフローセンサ 74 エンジン回転センサ 76 タービン回転センサ 77 出力回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 隆司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 西里 鉄也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−198529(JP,A) 特開 平5−319144(JP,A) 特開 昭62−286846(JP,A) 特開 平4−337158(JP,A) 特開 平2−308934(JP,A) 特開 平7−83321(JP,A) 特開 平6−101512(JP,A) 特開 平3−168466(JP,A) 特開 昭63−266255(JP,A) 特開 昭61−119433(JP,A) 特開 平4−265431(JP,A) 特開 平3−275950(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 B60K 41/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力トルクが入力されるトル
    クコンバータと、該コンバータの出力によって駆動され
    る変速機構とが組み合わされた自動変速機の変速ショッ
    ク低減装置であって、シフトアップ変速時に、変速前後
    のタービン回転数の回転変化量を算出するタービン回転
    変化量算出手段と、タービントルクを算出するタービン
    トルク算出手段と、上記手段で算出されたタービントル
    クとタービン回転変化量とに基づいてエンジンの変速時
    目標トルクを設定する変速時目標トルク設定手段と、上
    記手段で設定された変速時目標トルクが実現するように
    変速時にエンジンの出力トルクを低減させるトルクダウ
    ン手段とが設けられていると共に、上記手段で設定され
    た変速時目標トルクと上記手段で算出されたタービン回
    転変化量とに基づいて変速時目標ライン圧を算出する変
    速時目標ライン圧算出手段と、上記手段で算出された変
    速時目標ライン圧が実現するように変速時にライン圧を
    制御するライン圧制御手段とが設けられていることを特
    徴とする自動変速機の変速ショック低減装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力トルクが入力されるトル
    クコンバータと、該コンバータの出力によって駆動され
    る変速機構とが組み合わされた自動変速機の変速ショッ
    ク低減装置であって、シフトダウン変速時に、変速前後
    のタービン回転数の回転変化量を算出するタービン回転
    変化量算出手段と、エンジントルクを算出するエンジン
    トルク算出手段と、上記手段で算出されたエンジントル
    クとタービン回転変化量とに基づいてエンジンの変速時
    目標トルクを設定する変速時目標トルク設定手段と、上
    記手段で設定された変速時目標トルクが実現するように
    変速時にエンジンの出力トルクを低減させるトルクダウ
    ン手段とが設けられていると共に、上記手段で算出され
    たエンジントルクとタービン回転変化量とに基づいて変
    速時目標ライン圧を算出する変速時目標ライン圧算出手
    段と、上記手段で算出された変速時目標ライン圧が実現
    するように変速時にライン圧を制御するライン圧制御手
    段とが設けられていることを特徴とする自動変速機の変
    速ショック低減装置。
  3. 【請求項3】 トルクダウン手段は、トルクダウン開始
    時、エンジンの出力トルクを変速時目標トルクに漸減さ
    せるように構成されていることを特徴とする請求項1
    は請求項2に記載の自動変速機の変速ショック低減装
    置。
  4. 【請求項4】 トルクダウン手段は、トルクダウン終了
    時、エンジンの出力トルクをトルクダウンを行わない場
    合のエンジントルクに漸増させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記
    載の自動変速機の変速ショック低減装置。
JP10757094A 1994-04-22 1994-04-22 自動変速機の変速ショック低減装置 Expired - Fee Related JP3508204B2 (ja)

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