JP3536344B2 - エンジン及び自動変速機の制御装置 - Google Patents

エンジン及び自動変速機の制御装置

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JP3536344B2 JP10756994A JP10756994A JP3536344B2 JP 3536344 B2 JP3536344 B2 JP 3536344B2 JP 10756994 A JP10756994 A JP 10756994A JP 10756994 A JP10756994 A JP 10756994A JP 3536344 B2 JP3536344 B2 JP 3536344B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両用パワープラント
におけるエンジン及び自動変速機の制御装置、特に摩擦
要素の締結力を油圧によって制御するようにしたものに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などに搭載される自動変速機は、
エンジン出力が入力されるトルクコンバータと、該コン
バータの出力によって駆動される変速機構とを組み合わ
せ、この変速機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ
などの複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、
運転者の要求や運転状態に応じて所定の変速段へ自動的
に変速させるように構成したもので、この種の自動変速
機においては、上記摩擦要素を締結するためのライン圧
を生成する油圧制御回路が備えられる。その場合に、こ
の油圧制御回路によって生成されるライン圧が摩擦要素
への入力トルクに対して低すぎると、該摩擦要素のトル
ク伝達容量が不足して、所要のトルクを確実に伝達でき
ず、例えば変速時に摩擦要素が不必要にスリップして変
速フィーリングを悪化させたり、摩擦要素の耐久性を損
なわせることにもなる。逆に、上記ライン圧が高すぎる
と、例えば変速時に過大な変速ショックを生じさせた
り、オイルポンプを駆動するためのトルクが必要以上に
大きくなってエンジン出力が徒に消費されることにな
り、燃費性能を悪化させることになる。
【0003】これに対しては、例えば特開平3−249
46号公報に記載されているように、入力トルクに基
づいてライン圧を設定する一方、変速中には入力トルク
を変速動作が開始する直前の値に固定してライン圧を制
御すると共に、スロットルの変化割合に応じてライン圧
を補正するようにしたものがある。これによれば、変速
中のライン圧がエンジンの出力トルクにほぼ対応して制
御されることから、良好な変速特性を得ることが期待さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術においては、変速時にエンジンの出力
トルクを調整するようにはなっていないから、変速ショ
ックを効果的に抑制できないことになる。
【0005】この発明は、エンジンと自動変速機とが組
み合わされた車両用パワープラントにおける上記の問題
に対処するもので、変速ショックを効果的に抑制するよ
うにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)は、出力トルクが調
整可能なエンジンと、該エンジンの出力トルクが入力さ
れる自動変速機とが組み合わされた車両用パワープラン
トにおいて、上記自動変速機に入力される入力トルクと
変速機構の回転の変化に伴うイナーシャトルクとに基づ
いて変速時の目標入力トルクを設定する目標入力トルク
設定手段と、設定された目標入力トルクと上記イナーシ
ャトルクとに基づいて変速時の摩擦要素締結用作動油圧
目標油圧を設定する目標油圧設定手段と、変速中に上
記入力トルクが目標入力トルクとなるようにエンジント
ルクを低下させるエンジントルク制御手段と、変速中の
摩擦要素締結用作動油圧が上記目標油圧となるように該
作動油圧を制御すると共に、実入力トルク目標入力ト
ルクよりも小さくなったときは、実入力トルクと上記イ
ナーシャトルクとに基づいて設定した値に制御する油圧
制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)は、上記第1発明の構成において、目標油
圧設定手段は、ロックアップクラッチが備えられている
場合に、該クラッチがオフか否かに応じて目標油圧を設
定することを特徴とする。
【0008】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)は、上記第1、第2発明の構成におい
て、入力トルクを少なくともエンジンの吸入空気量を含
むパラメータに基づいて判定するように構成したことを
特徴とする。
【0009】さらに、本願の請求項4の発明(以下、第
4発明という)は、上記第1〜第3発明におけるエンジ
ントルク制御手段を、イナーシャフェーズにおいて実入
力トルクが目標入力トルクよりも大きいときに、エンジ
ントルクを目標入力トルクに対応する所定値に固定する
ように構成したことを特徴とする。
【0010】また、本願の請求項5の発明(以下、第5
発明という)は、上記第1〜第4発明の構成に加えて、
変速前後における変速機構の入力側回転数の変化量と入
力トルクとに基づいて目標変速時間を設定する目標変速
時間設定手段を設けると共に、該設定手段で設定された
目標変速時間内で変速動作が完了する入力側回転数の変
化率をイナーシャトルクの代用値として採用したことを
特徴とする。
【0011】さらに、本願の請求項6の発明(以下、第
6発明という)は、上記第1〜第5発明の構成に加え
て、変速中に実入力トルクに応じて目標変速時間を変更
する目標変速時間変更手段と、変更された目標変速時間
が長くなるほどイナーシャトルクに対応するイナーシャ
トルク油圧を小さく変更するイナーシャトルク油圧変更
手段とを設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0013】すなわち、第1〜第6発明のいずれにおい
ても、自動変速機に入力される入力トルクと当該変速機
の変速機構の回転の変化に伴うイナーシャトルクとに基
づいて目標入力トルクが設定されると共に、該目標入力
トルクと上記イナーシャトルクとに基づいて摩擦要素締
結用作動油圧の目標油圧が設定されることになるので、
変速時に目標入力トルクを低下させることにより、トル
クダウンを行いつつ作動油圧を摩擦要素の要求油圧に適
切に対応させることが可能となって、変速ショックが効
果的に抑制されることになる。
【0014】特に、第1発明によれば、変速中の摩擦要
素締結用作動油圧の目標油圧を、実入力トルク目標入
力トルクよりも小さくなったときは、実入力トルクと上
記イナーシャトルクとに基づいて設定した値に制御す
ので、例えば変速中にスロットル操作が行われて実入力
トルクが目標入力トルクよりも低下したとしても、それ
に伴って摩擦要素締結用作動油圧も低下されることにな
り、これによって変速終了時のトルクショックが抑制さ
れることになる。
【0015】また、第2発明によれば、ロックアップク
ラッチが備えられている場合に、該クラッチがオフか否
かに応じて目標油圧を設定するようにしているので、上
記第1発明と同様な作用が得られることになる。
【0016】そして、第3発明によれば、上記入力トル
クを少なくとも吸入空気量を含むパラメータに基づいて
判定するようにしているので、作動油圧が要求油圧に精
度よく対応して制御されることになって、変速ショック
を効果的に防止することができる。
【0017】一方、第4発明によれば、イナーシャフェ
ーズにおいて実入力トルクが目標入力トルクよりも大き
いときには、エンジントルクが目標入力トルクに対応す
る所定値に固定されるようになっているので、滑らかな
変速動作が行われることになる。
【0018】また、第5発明によれば、変速前後におけ
る変速機構の入力側回転数の変化量と入力トルクとに基
づいて目標変速時間を設定すると共に、該目標変速時間
内で変速動作が完了する入力側回転数の変化率をイナー
シャトルクの代用値としているので、変速時の目標入力
トルク及び目標油圧を簡単かつ精度よく運転状態に対応
させて設定することができる。
【0019】さらに、第6発明によれば、変速中に実入
力トルクに応じて目標変速時間が変更されると共に、変
更された目標変速時間が長くなるほどイナーシャトルク
に対応するイナーシャトルク油圧が小さく変更されるこ
とになるので、変速終了時のトルクショックがより一層
軽減されることになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】図1に示すように、本発明が適用される自
動車1は、左右の前輪2a,2bが駆動輪とされている
と共に,エンジン3の出力トルクが自動変速機4から差
動装置5及び左右の駆動軸6a,6bを介して前輪2
a,2bに伝達されるようになっている。エンジン3に
は、各気筒ごとに点火プラグ7…7が設けられている。
【0022】一方、上記自動変速機4は、図2にも示す
ように、エンジン3の出力軸8に連結されたトルクコン
バータ20と、その出力トルク(タービントルク)が入
力される変速機構30と、該機構30の動力伝達経路を
切り換えるクラッチやブレーキなどの複数の摩擦要素4
1〜46及びワンウェイクラッチ51,52と、上記摩
擦要素41〜46に選択的にライン圧を供給することに
より上記変速機構30の変速比(変速段)を切り換える
油圧制御ユニット60とを有し、これらにより走行レン
ジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの
1〜4速、Sレンジでの1〜3速、Lレンジでの1〜2
速が得られるようになっている。
【0023】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸8に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設されると共に変速
機ケース9にワンウェイクラッチ24を介して支持され
てトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース2
1とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介
してエンジン出力軸8とタービン23とを直結するロッ
クアップクラッチ26とで構成されている。そして、上
記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して
変速機構30側に出力されるようになっている。ここ
で、上記エンジン出力軸8にはタービンシャフト27内
を貫通するポンプシャフト10が連結され、該シャフト
10により変速機4の反エンジン側端部に備えられたオ
イルポンプ11が駆動されるようになっている。
【0024】一方、上記変速機構30はラビニョ型プラ
ネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト27
上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、該サ
ンギヤ31の反エンジン側において同じくタービンシャ
フト27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32
と、上記スモールサンギヤ31に噛合された複数個のシ
ョートピニオンギヤ33と、エンジン側の半部が該ショ
ートピニオンギヤ33に噛合され、反エンジン側の半部
が上記ラージサンギヤ32に噛合されたロングピニオン
ギヤ34と、該ロングピニオンギヤ34及び上記ショー
トピニオンギヤ33を回転自在に支持するキャリヤ35
と、ロングピニオンギヤ34に噛合されたリングギヤ3
6とで構成されている。
【0025】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース9との間には、該キャリ
ヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ52
と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ46
とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ3
6が出力ギヤ12に連結され、該出力ギヤ12から差動
装置5を介して左右の前輪2a,2bに回転が伝達され
るようになっている。
【0026】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52の
作動状態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示
すようになる。
【0027】
【表1】 さらに、上記エンジン3及び自動変速機4を統合制御す
るコントロールユニット(以下、ECUという)70が
備えられ、このECU70は、当該自動車1の車速を検
出する車速センサ71からの信号、エンジン3のスロッ
トルバルブの開度を検出するスロットルセンサ72から
の信号、エンジン3の吸入空気量を検出するエアフロー
センサ73からの信号、エンジン回転数を検出するエン
ジン回転センサ74からの信号、エンジン3の冷却水温
度を検出する水温センサ75からの信号、トルクコンバ
ータ20の出力回転数(タービン回転数)を検出するタ
ービン回転センサ76からの信号、変速機構30の出力
回転数を検出する出力回転センサ77からの信号、セレ
クトレバー13によるシフト位置(レンジ)を検出する
シフト位置センサ78からの信号、自動変速機4の作動
油温度を検出する油温センサ79からの信号などを入力
して、自動変速機4に対しては、油圧制御ユニット60
に備えられた変速用ソレノイドバルブ61…61による
変速制御と、同じく油圧制御ユニット60に備えられた
デューティソレノイドバルブ62によるライン圧制御を
行うと共に、エンジン3に対しては点火プラグ7…7に
対する点火制御などを行うようになっている。さらに、
この実施例においては、変速時に点火制御によりエンジ
ン3の出力トルクを低減させる制御が行われる。
【0028】ここで、上記油圧制御ユニット60におけ
るライン圧制御部分の構成について説明する。
【0029】図3に示すように、上記オイルポンプ11
から吐出される作動油の圧力を所定のライン圧に調整す
るレギュレータバルブ63と、該レギュレータバルブ6
3に制御圧を供給するスロットルモデュレータバルブ6
4とが備えられている。このスロットルモデュレータバ
ルブ64には、上記オイルポンプ11からの作動油が吐
出されるメインライン65から該作動油を一定圧に減圧
するレデューシングバルブ66を介して導かれた一定圧
ライン67が接続されていると共に、該モデュレータバ
ルブ64から上記レギュレータバルブ63の一端に設け
られた増圧ポート63aに増圧ライン68が導かれてい
る。また、該スロットルモデュレータバルブ64の一端
の制御ポート64aには、上記一定圧ライン67から分
岐された制御圧ライン69が接続されている。
【0030】そして、この制御圧ライン69に、図1に
示したライン圧制御用のデューティソレノイドバルブ6
2が設置されて、該デューティソレノイドバルブ62の
デューティ率に応じた制御圧が上記スロットルモデュレ
ータバルブ64の制御ポート64aに導入されることに
より、上記ライン67から制御圧ライン69を介して給
圧された一定圧が、該パイロット圧ないし上記デューテ
ィ率に応じた圧力に調整された上で、増圧ライン68を
介してレギュレータバルブ63の増圧ポート63aに給
圧されるようになっている。したがって、このレギュレ
ータバルブ63によって圧力が調整されたライン圧は上
記デューティ率に応じた圧力となる。
【0031】次に、本発明の特徴部分である変速時のラ
イン圧制御とトルクダウン制御とを説明すると、例えば
スケジュールアップ変速時におけるライン圧制御は、具
体的には図4、図5に示すフローチャートに従って次の
ように行われる。
【0032】すなわち、ECU70は、ステップS1で
各種信号を読み込んだ上で、ステップS2でシフトアッ
プフラグFupが1にセットされているか否かを判定す
る。シフトアップフラグFupが1にセットされている
ときには、ステップS3で次の関係式(1)に従って変
速前後のタービン回転数Ntの回転変化量ΔNtを算出
すると共に、ステップS4で関係式(2)に従ってター
ビントルクTtを算出する。
【0033】 ΔNt=Nts−Nos・Go …(1) Tt=t・Te …(2) ここで、Ntsは変速判定時のタービン回転数、Nos
は同じく変速機構30の出力回転数、Goは変速終了後
のギヤ比、Teはエンジントルク、tはトルクコンバー
タ20のトルク増大係数を示す。なお、エンジントルク
Teは、後述するように、吸入空気量、エンジン回転
数、点火時期などをパラメータとして算出されるように
なっている。
【0034】次いで、ECU70はステップS5に進ん
でエンジン3がトルクダウンが可能な運転状態か否かを
判定する。なお、ECU70は、例えば水温センサ75
からの信号が示す冷却水温度がエンジン3の暖機状態を
示すときにトルクダウンが可能と判定するようになって
いる。
【0035】ECU70は、上記ステップS5において
トルクダウンが可能であると判定したときには、ステッ
プS6を実行してトルクコンバータ20のロックアップ
クラッチ26がOFF状態か否かを判定する。ECU7
0は、ロックアップクラッチ26がOFF状態、つまり
トルクコンバータ20が作動流体を介してトルクの伝達
を行うコンバータ状態であると判定したときには、ステ
ップS7に進んで予めタービントルクTtと回転変化量
ΔNtとシフトパターン(変速の種類)Psとをパラメ
ータとして設定されたトルクダウン時用目標変速時間マ
ップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステッ
プS8で次の関係式(3)に従って目標角加速度Amを
演算する。
【0036】 Am=|ΔNt/Ts| …(3) つまり、変速前後の回転変化量ΔNtを目標変速時間T
sで算した値を目標角加速度Amとするのである。
【0037】次に、ECU70は、ステップS9を実行
してシフトアップフラグFupが非変速状態を示す0か
ら変速状態を示す1に切り換わった直後か否かを判定す
る。つまり、変速判定が行われた直後か否かを判定する
のである。ECU70はシフトアップフラグFupが0
から1に切り換わった直後であると判定したときには、
ステップS10で予めタービントルクと角加速度とをパ
ラメータとして設定したマップに従って、現実のタービ
ントルクTtと目標角加速度Amとに対応する変速時目
標トルクTmを設定すると共に、ステップS11を実行
してエンジントルクTeが上記変速時目標トルクTmよ
りも大きいか否かを判定する一方、シフトアップフラグ
Fupが0から1に切り換わった直後ではないと判定し
たときには、上記ステップS10をスキップしてステッ
プS11に進み、エンジントルクTeが上記変速時目標
トルクTmよりも大きいか否かを判定する。つまり、変
速判定時にのみ、そのときのタービントルクTtと角加
速度Aとに基づいて変速時目標トルクTmが設定され
ることになる。
【0038】ECU70は、上記ステップS11におい
てエンジントルクTeが変速時目標トルクTmよりも大
きくないと判定したときには、ステップS12に進んで
上記エンジントルクTeを変速時目標トルクTmとして
セットした上で、ステップS13に進んで変速時目標ト
ルクTmに対応する入力トルク油圧Ptを設定すると共
に、エンジントルクTeが変速時目標トルクTmよりも
大きいと判定したときには、ステップS12をスキップ
してステップS13を実行して変速時目標トルクTmに
対応する入力トルク油圧Ptを設定する。つまり、EC
U70は、例えば図6に示すように、予め入力トルクを
パラメータとしてシフトパターンごとに設定された入力
トルク油圧設定マップに、変速時目標トルクTmを当て
はめることにより、該目標トルクTmに対応する値を入
力トルク油圧Ptとして読み出すようになっている。そ
の場合に、上記入力トルク油圧設定マップは、変速時目
標トルクTm(入力トルク)が増大するほど該入力トル
ク油圧Ptが増加するように設定されている。
【0039】また、ECU70はステップS14を実行
して、図7に示すように、角加速度をパラメータとして
シフトパターンごとに設定されたイナーシャトルク油圧
設定マップに基づいて、目標角加速度Amに対応するイ
ナーシャトルク油圧Piを設定する。この場合において
も、上記イナーシャトルク油圧設定マップは、目標角加
速度Amが増大するほどイナーシャトルク油圧Piが増
加するように設定されている。
【0040】そして、ECU70はステップS15を実
行して、次の関係式(4)に従って、入力トルク油圧P
tとイナーシャトルク油圧Piとから目標締結圧Pcl
を演算する。
【0041】 Pcl=Pt+Pi …(4) 次に、ECU70はステップS16に進んで、上記目標
締結圧Pclに油温補正を行うことにより、最終的な目
標ライン圧Pを演算する。
【0042】つまり、一般に、摩擦要素は摩擦部材同士
が摩擦接触することにより締結されることになるが、対
接する摩擦部材の接触面ないし摺動面の摩擦係数は、両
摩擦部材間の作動油温度Toによって左右される。具体
的には、作動油温度Toが低いほど摩擦係数μが増大す
る。したがって、例えば図8に示すように、作動油温度
をパラメータとして設定した油温補正係数のテーブルか
ら、現在の作動油温度Toに対応する油温補正係数Kμ
を読み出した上で、この補正係数Kμと上記目標締結圧
Pclとを次の関係式(5)に代入することにより、上
記最終目標ライン圧Pを求めるのである。
【0043】 P=Pcl・μ …(5) そして、ECU70はステップS17を実行して、この
目標ライン圧Pと上記変速時目標トルクTmとを出力す
る。
【0044】したがって、自動変速機4においては、上
記目標ライン圧Pが得られるようにデューティソレノイ
ドバルブ62がデューティ制御されることになる。
【0045】また、ECU70は上記ステップS6にお
いてロックアップクラッチ26のOFF状態ではないと
判定したとき、つまりトルクコンバータ20のロックア
ップ状態であると判定したときには、ステップS18へ
分岐して予めタービントルクTtと回転変化量ΔNtと
シフトパターン(変速の種類)Psとをパラメータとし
て設定されたロックアップ用トルクダウン時用目標変速
時間マップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、
ステップS8で上記関係式(3)に従って目標角加速度
Amを演算する。その場合に、上記ロックアップ用トル
クダウン時用目標変速時間マップは、非ロックアップ用
のトルクダウン時用目標変速時間マップに比べて目標変
速時間が長くなるように設定されている。したがって、
上記関係式(3)に従って演算される目標角加速度Am
は、コンバータ状態に比べて相対的に小さな値となる。
【0046】このようにトルクダウン可能時において
は、目標角加速度AmとタービントルクTtとに基づい
てエンジン3の変速時目標トルクTmが設定されると共
に、変速機構30の入力トルクに対応する入力トルク油
圧Ptが上記変速時目標トルクTmに基づいて設定され
ることになるので、該入力トルク油圧Ptが変速時にお
ける変速機構30への実際の入力トルクに精度よく対応
することになる。
【0047】一方、ECU70は、上記ステップS5に
おいてエンジン3のトルクダウンが可能ではないと判定
したときには、図5のフローチャートのステップS19
へ移って、トルクコンバータ20のロックアップクラッ
チ26がOFF状態か否かを判定する。ECU70は、
ロックアップクラッチ26がOFF状態、つまりトルク
コンバータ20がコンバータ状態であると判定したとき
には、ステップS20に移って予めタービントルクTt
と回転変化量ΔNtとシフトパターンPsとをパラメー
タとして設定された非トルクダウン時用目標変速時間マ
ップに従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステッ
プS21で回転変化量ΔNtと目標変速時間Tsとを上
記関係式(3)に代入することにより、目標角加速度A
mを演算する。その場合に、上記非トルクダウン時用目
標変速時間マップは、非ロックアップ用の上記トルクダ
ウン時用目標変速時間マップに対して目標変速時間が長
くなるように設定されている。
【0048】そして、ECU70は、ステップS22を
実行して、エンジントルクTeを変速時目標トルクTm
としてセットした上で、図4のフローチャートのステッ
プS13に移って、以下の各ステップを実行する。した
がって、この場合にはエンジン3のトルクダウンが行わ
れない。
【0049】また、ECU70は上記ステップS19に
おいてロックアップクラッチ26のOFF状態ではない
と判定したときには、ステップS23へ分岐して予めタ
ービントルクTtと回転変化量ΔNtとシフトパターン
(変速の種類)Psとをパラメータとして設定されたロ
ックアップ用非トルクダウン時用目標変速時間マップに
従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステップS2
1で上記関係式(3)に従って目標角加速度Amを演算
する。その場合に、上記ロックアップ用非トルクダウン
時用目標変速時間マップは、非ロックアップ用の非トル
クダウン時用目標変速時間マップに比べて目標変速時間
が長くなるように設定されている。したがって、上記関
係式(3)に従って演算される目標角加速度Amは、コ
ンバータ状態に比べて相対的に小さな値となる。
【0050】次に、上記シフトアップ変速時のトルクダ
ウン制御を図9のフローチャートを参照して説明する。
【0051】すなわち、ECU70はステップT1で各
種信号を読み込んだ上で、ステップT2でシフトアップ
フラグFupが1にセットされているか否かを判定し
て、該フラグFupが1にセットされていればステップ
T3に進んで、トルクダウンフラグFtdが1にセット
されているか否かを判定する。ここで、トルクダウンフ
ラグFtdはトルクダウン実行時に1にセットされると
共に、トルクダウン終了時に0にリセットされるように
なっている。
【0052】ECU70は、上記ステップT3において
トルクダウンフラグFtdが1にセットされていないと
判定したときには、ステップT4に進んでタービン回転
数Ntと出力回転数Noとから求めた現実のギヤ比Gr
が、所定のトルクダウン開始判定値g1(Nt)よりも
小さいか否かを判定し、YESと判定した時点でステッ
プT5を実行してトルクダウンフラグFtdを1にセッ
トした後、ステップT6に進む。ここで、上記トルクダ
ウン開始判定値g1(Nt)は変速前のギヤ比よりもわ
ずかに小さな値に設定されている。したがって、例えば
タービン回転数Ntが変速前の回転数よりもわずかに低
下したとき、すなわちタービン回転数Ntが低下し始め
たときにトルクダウンフラグFtdが1にセットされる
ことになる。
【0053】一方、ECU70は上記ステップT3にお
いてトルクダウンフラグFtdが1にセットされている
と判定したときには、ステップT7に移ってギヤ比Gr
が所定のトルクダウン終了判定値g2(Nt)よりも小
さいか否かを判定し、YESと判定した時点でステップ
T8を実行してトルクダウンフラグFtdを0にリセッ
トした後、ステップT6に進む。ここで、上記トルクダ
ウン終了判定値g2(Nt)は変速後のギヤ比よりもや
や大きな値に設定されている。したがって、例えばター
ビン回転数Ntが変速後の回転数に接近したとき、すな
わち変速動作が終了する直前でトルクダウンフラグFt
dが0にリセットされることになる。
【0054】ECU70は上記ステップT6に進むと、
トルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)が1であ
るか否かの判定を行うと共に、今回値Ftd(J)が1で
あると判定したときにはステップT9に進んで、該フラ
グFtdの前回値Ftd(J-1)が0か否かを判定する。
すなわち、トルクダウンフラグFtdが0から1に切り
換わった直後か否かを判定するのである。そして、EC
U70はトルクダウンフラグFtdの前回値Ftd
(J-1)が0であると判定したとき、つまりトルクダウン
フラグFtdが1にセットされた直後であると判定した
ときには、ステップT10に進んでエンジントルクTe
が目標トルクTmよりも大きいか否かを判定し、エンジ
ントルクTeが目標トルクTmよりも大きいと判定した
ときにステップT11を実行して、次の関係式(6)に
従って目標エンジントルクMteを算出した上で、ステ
ップT12で該目標エンジントルクMteを出力する。
【0055】 Mte=Te−(Te−Tm)・K1 …(6) なお、K1(<1)は所定の定数である。
【0056】ECU70は、上記ステップT9において
トルクダウンフラグFtdの前回値Ftd(J-1)が0で
はないと判定したときには、ステップT13に進んでエ
ンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きいか否か
を判定し、エンジントルクTeが目標トルクTmよりも
大きいと判定したときにステップT14を実行して、次
の関係式(7)に従って目標エンジントルクMteを算
出する。
【0057】 Mte=max[Tm,(Mte(J-1)−K2)] …(7) この関係式(7)において、max[α,β]はαとβ
のうちの大きい方の値を採用するということを示してい
る。また、Mte(j-1)は前回の目標エンジントルクM
teを示し、K2はMteの減少率を示す定数である。
【0058】一方、ECU70は、上記ステップT6に
おいてトルクダウンフラグFtdの今回値Ftd(J)
が1ではないと判定したときには、ステップT1に進
んで該フラグFtdの前回値Ftd(J−1)が1か否
かを判定する。すなわち、トルクダウンフラグFtdが
1から0に切り換わった直後か否かを判定するのであ
る。そして、ECU70はトルクダウンフラグFtdの
前回値Ftd(J−1)が1であると判定したとき、つ
まりトルクダウンフラグFtdが0にリセットされた直
後であると判定したときには、ステップT16に進んで
エンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きいか否
かを判定し、エンジントルクTeが目標トルクTmより
も大きいと判定したときにステップT17を実行して、
次の関係式(8)に従って目標エンジントルクMteを
算出する。
【0059】 Mte=(Te−Tm)・K3+Tm …(8) なお、K3(<1)は所定の定数である。
【0060】ECU70は、上記ステップT15におい
てトルクダウンフラグFtdの前回値Ftd(J−1)
が1ではないと判定したときには、ステップT18 に
進んでエンジントルクTeが目標トルクTmよりも大き
いか否かを判定し、エンジントルクTeが目標トルクT
mよりも大きいと判定したときにステップT19を実行
して、次の関係式(9)に従って目標エンジントルクM
teを算出する。
【0061】 Mte=min[Te,(Mte(J-1)+K4)] …(9) この関係式(9)において、min[α,β]は,αと
βのうちの小さい方の値を採用するということを示して
いる。また、K4はMteの増加率を示す定数である。
【0062】そして、ECU70は上記ステップT2に
おいてシフトアップフラグFupが1ではないと判定し
たときには、ステップT20に移って目標エンジントル
クMteとしてエンジントルクTeをセットした上で、
ステップT12でその目標エンジントルクMteを出力
する。
【0063】そして、この実施例においては、上記ステ
ップT10,T13,T16,T18において、エンジ
ントルクTeが目標トルクTmよりも大きくないと判定
されたときにも、上記ステップT20が実行されて目標
エンジントルクMteとしてエンジントルクTeがセッ
トされるようになっている。したがって、エンジントル
クTeが目標トルクTmよりも小さいときには、エンジ
ントルクの制御が行われないことになる。
【0064】ここで、ECU70が行うエンジントルク
制御を説明すると、この実施例においては図10のフロ
ーチャートに従ってエンジントルク制御が次のように行
われる。
【0065】すなわち、ECU70はステップU1,U
2で吸入空気量Qとエンジン回転数Neとを読み込んだ
上で、これらの値に基づいて空気充填効率Ceを演算す
る。ECU70は、ステップU3で、図11に示すよう
に、予めエンジン回転数と空気充填効率とをパラメータ
として設定した基本点火時期のマップに、現実のエンジ
ン回転数Neと空気充填効率Ceとを当てはめて、これ
らに対応する基本点火時期Igoを読み込む。その場合
に、上記基本点火時期のマップは、エンジン回転数Ne
が高くなるほど進角量が大きく、また空気充填効率Ce
が大きくなるほど進角量が小さくなるように設定されて
いる。
【0066】そして、ECU70はステップU4でエン
ジントルク特性を読み込んだ上で、ステップU5でエン
ジントルクTeを演算する。
【0067】つまり、正駆動状態でのエンジントルクT
eは、図12に示すように点火時期Igについての2次
関数として近似することができ、これを式で示せば次の
関係式(10)となる。
【0068】 Te=−a(Ig−b)2+c …(10) ここで、a,b,cは、エンジン3の運転状態に応じて
変化する係数であって、それぞれ図13〜図15に示す
ように、エンジン回転数Neと空気充填効率Ceとをパ
ラメータとするマップとして設定されている。その場合
に、係数aを表す関数Fa(Ne,Ce)は、図13に
示すように、エンジン回転数Neが増大するほどaの値
が小さく、また空気充填効率Ceが増大するほどaの値
が増大するように設定されている。また、係数bを表す
関数Fb(Ne,Ce)は、図14に示すように、エン
ジン回転数Neが増大するほどbの値が大きく、また空
気充填効率Ceが増大するほどbの値が減少するように
設定されている。そして、係数cを表す関数Fc(N
e,Ce)は、図15に示すように、エンジン3の出力
トルクの特性に相似するように設定されている。
【0069】ECU70は上記の各マップから読み出し
た係数a,b,cと上記マップから読み出した現時点の
基本点火時期Igoとを上記関係式(10)に代入する
ことによりエンジントルクTeを演算する。これによ
り、トルクダウンを行わない場合のエンジントルクが求
められることになる。そして、このようにして求められ
たエンジントルクTeが各種の演算の基礎として用いら
れるようになっている。
【0070】ECU70は、上記ステップU5において
エンジントルクTeを演算すると、ステップU6に進ん
で目標トルクTmを読み込むと共に、ステップU7でエ
ンジントルクTeが該目標トルクTmよりも大きいか否
かを判定する。エンジントルクTeが目標トルクTmよ
りも大きいときには、ステップU8で目標エンジントル
クMteを読み込んだ上で、上記関係式(10)を変形
した関係式(11)に従って目標点火時期Migを算出
する。
【0071】 Mig=b−[(c−Mte)/a]1/2 …(11) そして、ECU70はステップU10を実行して、上記
目標点火時期Migに従って点火時期制御信号を出力す
る。
【0072】一方、ECU70は上記ステップU7にお
いてエンジントルクTeが目標トルクTmよりも大きく
ないと判定したときには、ステップU11に移って上記
基本点火時期Igoを目標点火時期Migとしてセット
した上で、上記ステップU10を実行して、該目標点火
時期Migに従って点火時期制御信号を出力する。
【0073】次に、実施例の作用を説明する。
【0074】今、トルクダウンが可能な状態でシフトア
ップ変速が行われるものとすると、図16に示すよう
に、シフトアップ判定が行われた時点t1で、シフトア
ップフラグFupが1にセットされると同時に、符号ア
で示すように、変速時目標トルクTmが設定されると共
に、該変速時目標トルクTmに基づいて設定された入力
トルク油圧Ptと、イナーシャトルク油圧設定マップか
ら目標変速時間Tsに対応して求められたイナーシャト
ルク油圧Piとにより、符号イで示すように目標ライン
圧Pが設定される。そして、符号ウで示すように出力軸
トルクが一時的に低下するトルクフェーズTを経た後、
符号エで示すように出力トルクが上昇するイナーシャフ
ェーズIに移行した時点t2で、符号オで示すように上
記目標トルクTmが実現されるようにエンジントルクが
低下されることになる。
【0075】ところで、変速途中に例えばアクセルペダ
ルが戻されて、符号カで示すように、スロットル開度θ
が低下する場合がある。この場合、スロットルバルブの
閉動に伴って吸入空気量が減少することになるから、
該吸入空気量Qをパラメータとして演算されるエンジン
トルクTeも低下することになる。その場合に、符号キ
で示すようにエンジントルクTeが目標トルクTmより
も低くなるような運転状態においては、トルクダウン制
御がキャンセルされると共に、上記エンジントルクTe
に基づいて入力トルク油圧Ptが設定されることにな
る。したがって、符号クで示すように、エンジントルク
Teの低下に応じて入力トルク油圧Ptが低下すること
になる。
【0076】そして、この実施例においては、エンジン
トルクTeの減少に伴って目標変速時間Tsが延長され
ると共に、該目標変速時間Tsの延長に応じてイナーシ
ャトルク油圧Piも減少されることになる。したがっ
て、エンジントルクTeが目標トルクTmよりも低下し
た後には、符号ケで示すようにタービン回転数Ntの減
少率が低減されることになって、その結果、変速動作が
当初よりも緩やかに進行することになる。これにより、
イナーシャフェーズIの後半における出力軸トルクが、
符号コで示すように緩やかに低下することになって、出
力軸トルクがイナーシャフェーズが終了した時点t3か
ら変速後のギヤ比に対応するトルクに落ち着くまでのト
ルク段差ΔTは、イナーシャフェーズの全期間にわたっ
てエンジントルクTeを目標トルクTmに制御する場合
のトルク変化(符号サ参照)に比べて著しく小さなもの
となる。
【0077】なお、シフトアップフラグFupはイナー
シャフェーズIが終了した時点t3から所定時間taが
経過した時点t4でリセットされることになる。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自動変速
機に入力される入力トルクと当該変速機の変速機構の回
転の変化に伴うイナーシャトルクとに基づいて目標入力
トルクが設定されると共に、該目標入力トルクと上記イ
ナーシャトルクとに基づいて摩擦要素締結用作動油圧の
目標油圧が設定されることになるので、変速時に目標入
力トルクを低下させることにより、トルクダウンを行い
つつ作動油圧を摩擦要素の要求油圧に適切に対応させる
ことが可能となって、変速ショックが効果的に抑制され
ることになる。
【0079】特に、第1発明によれば、変速中の摩擦要
素締結用作動油圧の目標油圧を、実入力トルク目標入
力トルクよりも小さくなったときは、実入力トルクと上
記イナーシャトルクとに基づいて設定した値に制御す
ので、例えば変速中にスロットル操作が行われて実入力
トルクが目標入力トルクよりも低下したとしても、それ
に伴って摩擦要素の作動油圧も低下されることになり、
これによって変速終了時のトルクショックが抑制される
ことになる。
【0080】また、第2発明によれば、ロックアップク
ラッチが備えられている場合に、該クラッチがオフか否
かに応じて目標油圧を設定するようにしているので、こ
の場合においても変速終了時のトルクショックが抑制さ
れることになる。
【0081】そして、第3発明によれば、上記入力トル
クを少なくとも吸入空気量を含むパラメータに基づいて
判定するようにしているので、作動油圧が要求油圧に精
度よく対応して制御されることになって、変速ショック
を効果的に防止することができる。
【0082】一方、第4発明によれば、イナーシャフェ
ーズにおいて実入力トルクが目標入力トルクよりも大き
いときに、エンジントルクが目標入力トルクに対応する
所定値に固定されるようになっているので、滑らかな変
速動作が行われることになる。
【0083】また、第5発明によれば、変速前後におけ
る変速機構の入力側回転数の変化量と入力トルクとに基
づいて目標変速時間を設定すると共に、該目標変速時間
内で変速動作が完了する入力側回転数の変化率をイナー
シャトルクの代用値としているので、変速時の目標入力
トルク及び目標油圧を簡単かつ精度よく運転状態に対応
させて設定することができる。
【0084】さらに、第6発明によれば、変速中に実入
力トルクに応じて目標変速時間が変更されると共に、変
更された目標変速時間が長くなるほどイナーシャトルク
に対応するイナーシャトルク油圧が小さく変更されるこ
とになるので、変速終了時のトルクショックがより一層
軽減されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジン及び自動変速機の制御システム図で
ある。
【図2】 自動変速機の骨子図である。
【図3】 油圧制御ユニットのライン圧制御部分を示す
回路図である。
【図4】 スケジュールアップ変速時におけるライン圧
制御の一部を示すフローチャート図である。
【図5】 同じくライン圧制御の一部を示すフローチャ
ート図である。
【図6】 該制御で用いるマップの説明図である。
【図7】 同じく該制御で用いるマップの説明図であ
る。
【図8】 同じく該制御で用いるマップの説明図であ
る。
【図9】 該制御と並行して行われるトルクダウン制御
を示すフローチャート図である。
【図10】 エンジントルク制御を示すフローチャート
ずである。
【図11】 該制御で用いるマップの説明図である。
【図12】 エンジントルクの点火時期に対する特性図
である。
【図13】 エンジントルクの近似式における係数を求
めるマップの説明図である。
【図14】 同じくエンジントルクの近似式における係
数を求めるマップの説明図である。
【図15】 同じくエンジントルクの近似式における係
数を求めるマップの説明図である。
【図16】 実施例の作用を示すタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
3 エンジン 4 自動変速機 30 変速機構 60 油圧制御ユニット 62 デューティソレノイドバルブ 63 レギュレータバルブ 70 ECU 74 エンジン回転センサ 76 タービン回転センサ 77 出力回転センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:38 F16H 59:38 (72)発明者 上野 隆司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 西里 鉄也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−26341(JP,A) 特開 平2−120561(JP,A) 特開 平3−209048(JP,A) 特開 平3−249468(JP,A) 特開 平5−248531(JP,A) 特開 平6−193717(JP,A) 特開 平7−127727(JP,A) 特開 平3−189452(JP,A) 実開 平6−27290(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 F16H 61/00 F02D 29/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力トルクが調整可能なエンジンと、該
    エンジンの出力トルクが入力される自動変速機とが組み
    合わされた車両用パワープラントにおけるエンジン及び
    自動変速機の制御装置であって、上記自動変速機に入力
    される入力トルクと変速機構の回転の変化に伴うイナー
    シャトルクとに基づいて変速時の目標入力トルクを設定
    する目標入力トルク設定手段と、設定された目標入力ト
    ルクと上記イナーシャトルクとに基づいて変速時の摩擦
    要素締結用作動油圧の目標油圧を設定する目標油圧設定
    手段と、変速中に上記入力トルクが目標入力トルクとな
    るようにエンジントルクを低下させるエンジントルク制
    御手段と、変速中の摩擦要素締結用作動油圧が上記目標
    油圧となるように該作動油圧を制御すると共に、実入力
    トルク目標入力トルクよりも小さくなったときは、実
    入力トルクと上記イナーシャトルクとに基づいて設定
    た値に制御する油圧制御手段とが設けられていることを
    特徴とする車両用パワープラントにおけるエンジン及び
    自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 目標油圧設定手段は、ロックアップクラ
    ッチが備えられている場合に、該クラッチがオフか否か
    に応じて目標油圧を設定することを特徴とする請求項1
    に記載の車両用パワープラントにおけるエンジン及び自
    動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 入力トルクが少なくともエンジンの吸入
    空気量を含むパラメータに基づいて判定されるように構
    成されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項
    2のいずれかに記載の車両用パワープラントにおけるエ
    ンジン及び自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジントルク制御手段は、イナーシャ
    フェーズにおいて実入力トルクが目標入力トルクよりも
    大きいときに、エンジントルクを目標入力トルクに対応
    する所定値に固定するように構成されていることを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用
    パワープラントにおけるエンジン及び自動変速機の制御
    装置。
  5. 【請求項5】 変速前後における変速機構の入力側回転
    数の変化量と入力トルクとに基づいて目標変速時間を設
    定する目標変速時間設定手段が設けられていると共に、
    該設定手段で設定された目標変速時間内で変速動作が完
    了する入力側回転数の変化率がイナーシャトルクの代用
    値として採用されていることを特徴とする請求項1から
    請求項4のいずれかに記載の車両用パワープラントにお
    けるエンジン及び自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 変速中に実入力トルクに応じて目標変速
    時間を変更する目標変速時間変更手段と、変更された目
    標変速時間が長くなるほどイナーシャトルクに対応する
    イナーシャトルク油圧を小さく変更するイナーシャトル
    ク油圧変更手段とが設けられていることを特徴とする請
    求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用パワープ
    ラントにおけるエンジン及び自動変速機の制御装置。
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