JP3508078B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3508078B2
JP3508078B2 JP20964295A JP20964295A JP3508078B2 JP 3508078 B2 JP3508078 B2 JP 3508078B2 JP 20964295 A JP20964295 A JP 20964295A JP 20964295 A JP20964295 A JP 20964295A JP 3508078 B2 JP3508078 B2 JP 3508078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機や静電
プリンタ等の静電記録方式の画像形成装置に関し、像担
持体上の潜像を現像して形成されたトナー像を、回転す
る転写ベルトを有するベルト転写装置により記録材上に
物理的手段によって転写したのち、トナー像の付着した
記録材を搬送して定着装置により定着を行う画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機やプリンタ等の画像形成
装置にあっては、帯電器によって像担持体である例えば
感光体ドラム周面に一様に帯電した後、感光体ドラム周
面に像露光を行い静電的な潜像を形成する。この潜像は
現像手段によって現像・顕像化されてトナー像となる。
この感光体ドラム周面に形成されたトナー像はタイミン
グを合せて給送される記録材(記録紙)上に物理的手段
によって転写され、トナー像の転写を受けた記録材は感
光体ドラムから分離され、定着手段に搬送され、そのト
ナー像は記録材上に定着されたのち装置外に排出され
る。
【0003】この感光体ドラム周面に付着したトナー像
は、転写放電器によって、トナーの帯電極性とは逆極性
の電荷が記録材に対して背面から付与されて記録材上へ
転写され、しかる後、交流の高電圧が印加された記録材
は分離器によって除電され、感光体ドラムから分離する
ことがなされている。しかし多色トナー像が直径100
mm相当の外径の感光体ドラムに積層されて形成されて
いるカラートナー像を確実に記録材に転写し、かつ感光
体ドラムから安定して分離するのに難しさがあり、トナ
ー像の転写を終了した記録材が分離されないまま感光体
ドラムに巻き付き、紙詰り等を起し易いという欠点を有
している。特に、75%RH以上の高湿環境下で16〜
20ポンド紙のような相対的に薄い記録材を使用した場
合には、その傾向が顕著であり鮮やかなカラー像の転写
する条件と白紙の分離する条件が両立しないという欠点
を有している。この欠点を改善した技術としてベルト転
写装置が用いられる。
【0004】ベルト転写装置では、複数の保持ローラ
(駆動ローラ、従動ローラ)によって張設された転写搬
送ベルト(以下、転写ベルトとも称す)を感光体ドラム
と同速度をもって回転するようにする。記録材は該転写
ベルトと密着しながら搬送し、転写部を通過し転写部で
は転写ベルトと一体的に感光体ドラムに接触するように
構成されている。そして転写部では転写ベルトの内側に
設けられた転写電極(コロナ放電極、ローラ状電極或い
はブラシ状電極)によって転写ベルトにトナー極性とは
逆極性の電荷が付与され、感光体ドラム上のトナー像が
記録材に転写するように構成されている。かかるベルト
転写装置では転写部において優れた転写効率、分離効果
を得ることができる。
【0005】上記ベルト転写装置は感光体ドラム上にト
ナー像を重ねて形成して一度に記録材に転写を行うよう
にしたカラー画像記録装置では特に好ましい装置として
用いられる。かかるカラー画像記録装置では感光体ドラ
ム上でトナー像を重ねるため複数の現像器を感光体ドラ
ム周縁部に備えるためドラム径は大きくなり、従来の静
電転写分離方式では十分な分離性能が得られないのでよ
り確実な分離性能を必要とすることと、トナー像を重ね
る方式ではトナー付着量が2〜3倍と多くなるため、転
写電荷量は付着量にほぼ比例して大きくなり、単色に比
較して2〜3倍に大きくすることが必要となる。以上の
2点の要件に対して、ベルト転写装置は以下の理由で優
れている。ベルト転写装置では、記録材は感光体に転写
ベルトを介して密着された状態でベルトに転写電荷が付
与されるため、転写ベルトで十分な転写電荷を保持する
ことができ、確実な転写が得られる。しかも記録材は転
写ベルト内の転写電荷に静電的に吸引されながら感光体
ドラムから離れるために十分な転写力を保持しながら確
実な分離性能が得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルト転写装
置を備えた画像記録装置においては、転写部での記録材
のジャム発生、記録材の領域外のカブリ等により、像担
持体から転写ベルトに転移したトナーをクリーニングす
る必要を生じる。このためのクリーニング方式が多く提
案されている。例えば、特開平3−116174号公報
におけるブレードクリーニング方式や、特開平6−59
581号公報,特開平6−59586号公報における静
電回収ローラクリーニング方式等がある。しかしこれら
は転写ベルトにブレードやローラを圧接させるために、
軸方向への転写ベルトの片寄り、転写ベルト速度ムラに
よる転写ズレ、或いはブレードや転写ベルト等の部品の
劣化といった課題を残している。また転写装置自体が複
雑になり信頼性の管理面或いは製造コストの上昇といっ
た課題もある。
【0007】更に、画質面においても次のような課題が
ある。
【0008】高湿環境下で、白粒状に転写ヌケした画像
が発生し、湿度の上昇に伴い、トナー像全体にわたって
激しく霜降状の転写不良になることもある。紙種の変化
により、発生条件及び発生レベルも異なる。これを通称
「転写ハジキ」と呼ぶ。これはコロナ転写極により与え
られた電荷がベルト及び記録紙を媒介として転写進入部
に流れ込み、進入部の電位が転写極部に近づき、像担持
体と記録紙との間の間隙電位がパッシェン臨界を越えて
起こす気中放電が原因である。
【0009】常温常湿でも転写ハジキに至らないまで
も、文字の周辺にトナーが飛び散る「文字チリ」、「画
像ニジミ」が発生する。これは前述の間隙電位の上昇に
より記録紙が像担持体に密着する前に像担持体上のトナ
ーが記録紙側に静電力で飛翔することに起因している。
【0010】本発明者は、先に出願した特願平7−35
361号明細書において、転写ニジミの対策として、通
紙時に転写前ローラにトナーと同極性のバイアスを印加
する技術を提案した。また、特願平7−38583号明
細書において、クリーニング手段として、非通紙時に転
写電極のバイアス電圧をオフし、転写前ローラの同極性
バイアスのみオンすることにより転写ベルトにトナーと
同極性の電荷を注入し、転写ベルト上の残余トナーを像
担持体に逆転移するベルト転写のクリーニングについて
提案した。しかし、このクリーニングに関しても、なお
下記の問題点がある。即ち、転写材のタイミング不良や
ジャムを発生した場合は、転写ベルトに多量のトナーが
転移し付着するような事態になり、特に、カラープリン
ターの場合は、単色プリントに比較して2ないし3倍に
もなる。多量のトナーを転写ベルトから像担持体に逆転
移させるために、転写電極(第2の電極)の上流に位置
する転写前電極(第1の電極)から転写ベルトにトナー
と同極性の電荷を付与し、転写部で転写ベルトに残余す
るトナーが像担持体側へ転移するような電界を形成して
いるが、完全に転移できないで、僅かなトナーが残る。
このため、次の転写材の裏面に薄い画像汚れが現れる。
強い電界のもとで転写ベルトは像担持体から離され、離
間側では気中放電が併発するために、転移できず転写ベ
ルトに残余するトナーは転写ベルトに注入した電荷とは
逆の極性に帯電することになる。従って、更に転写ベル
トの周回を繰り返しても、トナーには逆に転写ベルト側
への電気力が作用するため、トナーの像担持体側への転
移は期待できない。また、剥離時に気中放電が起きない
ように、トナー付着量に適合させて注入電荷量を適正化
する方法も考えられるが、環境の変化、転写ベルトの抵
抗率の変化等の影響を受け易く、常に安定したクリーニ
ング性能を得る上で課題が多く、製造コスト面でも問題
がある。
【0011】本発明はベルト転写装置のクリーニング機
構の改良によって、前述に示したクリーニング課題を解
決し、転写ズレ、ピッチムラ、ベルトの片寄りといった
問題もなく、構造的にシンプルで安価で装置としての寿
命も高いベルト転写装置を提供するとともに、画像ニジ
ミや転写ハジキ等の転写不良の発生を防止し、重ね合せ
によって形成されたトナー像を転写する場合でも色調を
損なうことなく記録材上に高品質のカラー画像として転
写することの出来るベルト転写装置を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する
トナー像形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介し
て対向する回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面
側に設けられた転写電極により前記トナー像を前記記録
材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置におい
て、前記転写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転
写ベルトの内面側に転写前電極を配設し、前記記録材が
前記転写手段を通過しない時に、前記転写ベルトを前記
像担持体の周面に接触させた状態で複数回周回させる間
に、前記転写電極と転写前電極から該転写ベルトに注入
する総和の電荷量の極性が該転写ベルトの周回毎に交互
に切り替わるように、前記転写電極と転写前電極とに印
加するバイアス電圧を制御することを特徴とするもので
ある。
【0013】 また、上記目的を達成する本発明の画像
形成装置は、像担持体上にトナー像を形成するトナー像
形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介して対向す
る回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面側に設け
られた転写電極により前記トナー像を前記記録材に転写
する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記転
写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転写ベルトの
内面側に転写前電極を配設し、前記画像形成装置への電
源投入時あるいはジャム発生後の再起動時に、前記転写
ベルトを前記像担持体の周面に接触させた状態で複数回
周回させる間に、前記転写電極と転写前電極から該転写
ベルトに注入する総和の電荷量の極性が該転写ベルトの
周回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極と転写
前電極とに印加するバイアス電圧を制御することを特徴
とするものである。
【0014】 さらに、上記目的を達成する本発明の画
像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成するトナー
像形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介して対向
する回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面側に設
けられた転写電極により前記トナー像を前記記録材に転
写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記
転写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転写ベルト
の内面側に転写前電極を配設し、前記転写手段により像
担持体からトナー像を記録材に転写した後、前記転写ベ
ルトを前記像担持体の周面に接触させた状態で複数回周
回させる間に、前記転写電極と転写前電極から該転写ベ
ルトに注入する総和の電荷量の極性が該転写ベルトの周
回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極と転写前
電極とに印加するバイアス電圧を制御することを特徴と
するものである。
【0015】
【実施例】実施例の説明に先立ってベルト転写装置を備
える画像形成装置の構成とその作用について述べる。
【0016】図1は本発明に係る画像形成装置の1実施
例としてカラー画像形成装置(カラープリンタ)の全体
構成図である。
【0017】(帯電・除電)図において10は像担持体
である感光体ドラムで、OPC感光層をドラム上に塗布
したもので接地されて時計方向に駆動回転される。12
はスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10周面に対し
Hの一様な帯電をVGに電位保持されたグリッドとコロ
ナ放電ワイヤによるコロナ放電によって与えられる。こ
のスコロトロン帯電器12による帯電に先だって、前プ
リントまでの感光体の履歴をなくすために発光ダイオー
ド等を用いた帯電前露光手段(PCL)11による露光
を行って感光体周面の除電をしておく。
【0018】(露光)感光体ドラムへの一様帯電ののち
像露光手段13により画像信号に基づいた像露光が行わ
れる。像露光手段13は図示しないレーザダイオードを
発光光源とし回転するポリゴンミラー131、コリメー
トレンズ132等を通過し、反射ミラー133A,13
3Bにより光路を曲げられ、fθレンズ134を経て走
査がなされるもので、感光体ドラム10の回転(副走
査)によって潜像が形成される。本実施例では文字部に
対して露光を行い、文字部の方が低電位VLとなるよう
な反転潜像を形成する。
【0019】(現像)感光体ドラム10周縁にはイエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)
等のトナーとキャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵
した現像器14Y,14M,14C,14Kが設けられ
ていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤
を保持して回転する現像スリーブ141によって行われ
る。現像剤はフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁
性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを
主材料として色に応じた顔料と荷電制御剤、シリカ、酸
化チタン等を加えたトナーとからなるもので、現像剤は
層形成棒142によって現像スリーブ141上に300
〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され
る。
【0020】現像域における現像スリーブ141と感光
体ドラム10との間隙は層厚(現像剤)よりも大きい
0.4〜1.0mmとして、この間にVACのACバアイ
スとVDCのDCバイアスが重畳して印加される。VDC
H、トナーの帯電は同極性であるため、VACによって
キャリアから離脱するきっかけを与えられたトナーはV
DCより電位の高いVHの部分には付着せず、VDCより電
位の低いVL部分に付着し顕像化(反転現像)が行われ
る。
【0021】1色目の顕像化が終った後2色目の画像形
成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器12による一
様帯電が行われ、2色目の画像データによる潜像が像露
光手段13によって形成される。このとき1色目の画像
形成行程で行われたPCL11による除電は、1色目の
画像部に付着したトナーがまわりの電位の急激な低下に
より飛び散るため行わない。
【0022】再び感光体ドラム10周面の全面に亘って
Hの電位となった感光体のうち、1色目の画像のない
部分に対しては1色目と同様の潜像がつくられ現像が行
われるが、1色目の画像がある部分に対し再び現像を行
う部分では、1色目の付着したトナーにより遮光とトナ
ー自身のもつ電荷によってVM′の潜像が形成され、V
DCとVM′の電位差に応じた現像が行われる。この1色
目と2色目の画像の重なりの部分では1色目の現像をV
Lの潜像をつくって行うと、1色目と2色目とのバラン
スが崩れるため、1色目の露光量を減らしてVH>VM
Lとなる中間電位とすることもある。
【0023】3色目、4色目についても2色目と同様の
画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4
色の顕像が形成される。
【0024】(給紙)一方、給紙カセット21より給紙
され給紙ローラ221,222によって給送された記録
材Pは、転写ベルト31を張架したベルト転写装置30
によって転写域へと給送され、感光体ドラム10周面上
の多色像が一括して記録材P上に移される。223はレ
ジストシャッタ、224は記録材先端通過検知センサで
ある。
【0025】(転写)図2は転写ベルト31が記録材P
を介して感光体ドラム10に当接した転写時の状態を示
すベルト転写装置30の断面図である。図3は転写ベル
ト31が感光体ドラム10の周面から離間した状態を示
す断面図である。前記の転写ベルト装置30に使用した
転写ベルト31は、ウレタンゴムの基体の外側にFLC
層を形成された1010〜1011Ω・cm(20℃,60
%RH)の体積抵抗率をもち、厚さ0.61mm、周長
(直径)52cmの無端状のゴムベルトであり、駆動ロ
ーラ33と従動ローラ(転写前ローラ)32との間に張
架されてテンションローラ35の付勢により伸長率3%
で使用される。
【0026】なお、上記体積抵抗率は、転写ベルト31
を電極でサンドイッチして電極間に2kVを印加し、3
00msec経過したのちの電流値から算出した値であ
る。但しこの体積抵抗値は環境依存性が大きく、環境、
特に温度により2桁程度の変動があるから、機内湿度モ
ニターにより転写ベルト31に注入する電荷を所望の範
囲に設定するために電極に印加する電圧を切り換え制御
することが一層望ましい。
【0027】前記の転写前ローラ32と駆動ローラ33
ならびにテンションローラ35は、ベルト転写装置30
の外枠30aに収容された内枠30bに支持されてい
て、圧縮バネ30cにより駆動ローラ33の軸33aを
支点として反時計方向に付勢されている。
【0028】前記転写前ローラ32は、両端の軸に備え
られた突当コロ(図示せず)を感光体ドラム10側縁部
の非画像領域に当接することによって巻回する転写前ロ
ーラ32と感光体ドラム10の周面との距離が所定の値
に規制されるように支持され、転写ベルト31の搬送に
従動して回転される。該転写前ローラ32にはバイアス
電圧印加が可能になっている。
【0029】一方、前記の駆動ローラ33は、装置本体
の動力系に接続して反時計方向へと駆動回転される外径
15.3mmのローラであって、Rmax.55〜85
μmの表面粗度を備えることによって転写ベルト31と
スリップすることなく確実に反時計方向へと循環し、感
光体ドラム10の周速に同期して搬送する。
【0030】前記の転写ベルト31は、第1の電極に該
当する転写前ローラ32と駆動ローラ33の間のベルト
面を感光体ドラム10の周面に圧接してニップ部Nを形
成し、それに対向する転写ベルト31の内側に第2の電
極に該当するコロナ放電器34を配置してトナー像の転
写域を構成している。
【0031】前記コロナ放電器34は、WO3を材料と
する線径0.08mmの転写ワイヤ34aと、該転写ワ
イヤ34aに対するサイドプレートの間隔を7.5mm
に設定したステンレス鋼板SUS304を材料とする電
極プレート34bとから構成されていて、感光体ドラム
10面に対し前記の転写ワイヤ34aを7mm隔てて対
向配置されている。
【0032】前記コロナ放電器34と転写前ローラ32
との間は、絶縁性部材37に仕切られていて、コロナ放
電器34による放電電荷が直接転写前ローラ32に直接
流れ込むのを防止している。該絶縁性部材37はポリエ
チレンテレフタレート(PET)の薄板で作られ、前記
電極プレート34bに固定されている。
【0033】また前記転写前ローラ32は、前述した突
当コロの外径寸法の設定によって、巻回する転写ベルト
31の外周がその下流側にわたってドラム面に間隙から
過剰な圧力を生じないような接触状態となるように、ニ
ップ部で転写ベルト31を適度に挟圧している。
【0034】前記コロナ放電器34の転写ワイヤ34a
には転写電極電源HV1により+3.5〜+7.5kV
の範囲で可変の電圧が印加され、前記の転写前ローラ3
2の軸32aにはバイアス電源HV2により−1000
〜−2500Vの範囲で可変の電圧VPRが印加される
ようになっている。
【0035】転写に際しては、転写電極電源HV1と、
バイアス電源HV2を作動にするが、転写コロナ放電器
から転写ベルトに注入する電荷(+)を転写前ローラ3
2から転写ベルトに注入する電荷(−)より大きくする
ことにより、転写ベルト31に総和として+電荷を注入
させ、記録材Pにトナーを転写している。転写電極電源
HV1からの出力電圧は記録材Pの厚みや材質或いは環
境条件により適宜調整可能になっている。非通紙時に
は、転写電極電源HV1を不作動にし、バイアス電源H
V2を作動にすることにより、転写ベルト31に総和と
してマイナス電荷を注入させ、像担持体10上の不要ト
ナーが転写ベルト31に付着するのを防止したり、或い
は転写ベルト31に付着している残余トナーを像担持体
10に逆転移させ、転写ベルトを常時クリーニングして
いる。ジャムした直後或いは電源投入直後には、転写ベ
ルト31に不要トナーが付着していると想定して、この
非通紙時の状態にし、つまりベルト転写装置30を転写
ベルト31が像担持体10に当接するような圧着状態に
し、かつ転写電極電源HV1を不作動にし、バイアス電
源HV2を作動にし転写ベルト31を周回させることに
より転写ベルト31をクリーニングしている。このと
き、感光体ドラム10の表面電位は帯電器12や除電器
15により、画像形成時の電位に維持されている方がク
リーニング安定性の面でより好ましい。
【0036】次に、本発明の請求項1ないし4によるベ
ルト転写装置を以下の実施例1および実施例2により説
明する。
【0037】(実施例1)本発明の請求項1ないし4に
よるベルト転写装置は、像担持体上10に形成されたト
ナー像を転写部において記録材Pに転写して搬送するベ
ルト転写装置30を備えた画像形成装置において、像担
持体10に対向する転写ベルト31の裏面側に、上流側
の第1の電極32と下流側の第2の電極34とを転写ベ
ルトの移動方向に交差して配列し、第2の電極34に
は、記録材Pが転写部を通過する時にのみ、像担持体1
0の電位に対しトナーと逆特性となる電位を印加し、第
1の電極32には、記録材Pの通紙時および非通紙時に
おいて、像担持体10の電位に対しトナーと同極性の電
圧を印加するものである。
【0038】また、画像形成装置への電源投入時あるい
はジャム発生後の再起動時に、転写ベルト31を像担持
体10の周面に接触させた状態で複数回周回させる間
に、転写ベルト31に注入する電荷の極性が転写ベルト
31の周回毎に交互に切り替わるように、転写電極34
と転写前電極32とに印加するバイアス電圧を制御す
る。例えば転写電極は奇数周回時は電極バイアスをオフ
し、偶数周回時にはオンする。
【0039】さらに、転写手段により像担持体10から
トナー像を記録材Pに転写した後、転写ベルト31を像
担持体10の周面に接触させた状態で複数回周回させる
間に、転写ベルト31に注入する電荷の極性が転写ベル
ト31の周回毎に交互に切り替わるように、同様に転写
電極34と転写前電極32とに印加するバイアス電圧を
制御する。
【0040】即ち、複数枚の記録材Pに連続してプリン
トする時には、該記録材Pが転写部を通過した後に、転
写ベルト31をそのまま複数回以上周回させて、第1周
目は像担持体10上の現像されたトナー像の極性と同極
性の電荷を転写ベルト31に注入し、第2周面には前記
トナー像の極性と異極性の電荷を転写ベルト31に注入
する。以下、転写前電極32はトナーと同極性の電圧を
常時印加し、転写ベルト31の周回毎に転写ベルト31
上の残余トナーの極性の変更に対応して転写電極34へ
のバイアス電圧をオン、オフするようにして、連続プリ
ント中に常に転写ベルト31を高いレベルで清掃され、
転写ベルト31上に残余するトナーを像担持体10に逆
転移されて転写ベルト31をクリーニングする。また像
担持体10上のトナーが転写ベルト31に付着すること
を防止している。像担持体10上に転移したトナーは下
流のクリーニング装置16により清掃される。
【0041】ジャム発生後の画像形成装置の再起動時に
は、必ず転写ベルト31を像担持体に接触させた状態で
複数回以上周回させ、その間に上述に示したように注入
電荷の極性を切り替え制御する。画像形成装置への電源
投入時にも、転写ベルト31上にトナーが付着している
ものと仮定して、上述と同様の動作を行う。ジャム等で
転写ベルト31上にトナーが残余する場合にも、同様の
転写ベルトクリーニング工程を実施することで、転写ベ
ルト31を高いレベルで清掃する。なお、転写ベルト3
1周回数に応じてクリーニング性は向上する。
【0042】像担持体10を複数回周回させる間に、多
色トナー像を像担持体10上に形成する画像形成装置で
複数枚の記録材Pを連続してプリントする場合には、記
録材Pが転写部を通過した後に転写ベルト31を複数回
周回させ、上述のように注入電荷の極性を切り替え制御
する。しかる後、更に転写ベルト31を像担持体10の
周面から離間し、次に後続ページの画像の潜像形成が開
始するように制御する。かくして像担持体10及び転写
ベルト31の各表面を高いレベルで清掃し、更に像担持
体10の駆動負荷が安定したところで、次ページの潜像
形成工程を開始する。
【0043】一般に、転写ベルト31の周長は短い程良
いが、連続プリント時のプリント速度を犠牲にしないよ
うに適宜決めれば良い。特に、像担持体31を複数回周
回させる間に像担持体上に多色トナー像を形成するカラ
ー画像形成装置の場合には、プリント当たりの像担持体
の周回数を、4回転から5回転へ、または5回転から6
回転へと増大することに伴い、設計的に転写ベルトの周
長は決められる。
【0044】上記の機能を実現する条件について以下に
説明する。
【0045】最初に、どの程度の電荷を転写ベルト31
に注入すればよいかを、モデルを構築して求めてみた。
【0046】前記像担持体10上には2層のトナーが付
着していて、このトナーを転写ベルト31に付着させな
いようにするために必要な転写ベルト31への電荷量を
求めてみた。
【0047】図4は、像担持体(感光体ドラム)10、
トナー層、転写ベルト31の三者の電荷分布を表す図で
ある。像担持体10のドラム基体10b上の感光層10
aの表面には電荷密度σpが帯電している。転写ベルト
31には電荷密度σbが注入される。σtはトナー層の単
位面積当たりの電荷量である。εpは感光層10aの電
束密度、εtはトナー層Tの電束密度を示す。
【0048】図5は層厚方向xの電束密度εEを示す特
性図である。Dpは感光層10aの層厚、Dtはトナー層
の層厚である。x=0はドラム基体10bの表面の位
置、x=Dpは感光層10aの位置、x=Dp+Dtはト
ナーと転写ベルト31との接触界面の位置をそれぞれ示
す。
【0049】次に、転写ベルト31表面に作用する力F
tを考察する。
【0050】 Ft=qt・Et(Dt+Dp)+Fad (1) εt・Et(Dt+Dp)=σb (2) qt :トナー1個の電荷量 Et(Dt+Dp) :x=Dt+Dpの電界 ε :トナー層の誘電率 (ここでは3ε0,ε0は真空誘電率8.85×10-12
F/m) 上式において、Fadはトナーとベルトとの付着力であ
り、一般的にファンデンワールズ力が支配的であると言
われている。これを実験的に求めてみた。トナーと転写
ベルト31に付着させたサンプルを遠心力を作用させて
トナーが分離するに要する力を求めることにより得るこ
とができる。今回の実験で使用したトナーは、20md
ynの力で、95%が分離できることが判った。以降F
ad≒20mdynとして扱う。
【0051】転写ベルト31に付着しない条件は、Fad
>0とすると、 σb<Fad・εt/qt (3) 今回使用したトナーは、二成分現像剤で、重量当たりの
電荷量は20μC/grであり、平均粒径が15μmで
あり、qtは−3.5×10-14クローンとなる。(3)
式に上記数値を代入すると、 σb<−51μC/m2 (4) が得られた。
【0052】転写前ローラ32から転写ベルト31に注
入する電流Ibは次式で表せる。
【0053】 Ib=σb・W・VL (5) W :有効画像幅(ドラム軸方向)、実施例では300
mm VL :プロセス速度、 実施例では74m
m/sec 上記実施例W,VLを(5)式に代入すると、付着防止
に必要な注入電流は次の通り得られる。
【0054】 Ib<−1.12μA (6) つまり、像担持体10上のトナーが付着しないようにす
るには、転写ベルト31に1.12μA以上の負極性の
電流を注入することが必要であるという結果が得られ
た。
【0055】転写ベルト31への注入電流とベルト転移
トナーとの関係を示す実験結果を図6に示す。
【0056】(条件)図1に示す画像形成装置を用いた
実施例で、5cm×2cmのRed像を形成した。まず
Y色トナー像を形成し、その上にM色トナー像を重複形
成した。付着量は、2.0mg/cm2±0.3mg範
囲に制御されている。
【0057】プロセス速度、画像幅は、前述に示した通
りである。転写前ローラ32、像担持体10に対する押
圧荷重は、500〜700gf/(全幅当たり)であ
る。転写前には再帯電されており、トナーの有無に拘ら
ず、像担持体10の表面は−650Vに均一に帯電され
ている。転写ベルト31への注入電流は、転写前ローラ
32とバイアス電源との間に電流計を接続して測定し
た。
【0058】パラメータは別紙に示した表面状態の異な
る半導電性ウレタンゴム製の転写ベルト31を用いた時
の関係を表している。図6から転写ベルト電流の増加に
より転写ベルト31上の付着量は低減でき、1〜2μA
程度の電流が必要であるという結果が得られた。これは
(6)式と略一致する。ウレタンゴム単層の場合は、表
面粗さ(Rz)8μm程度を有し、より多くの電流を必
要とし、しかも電流を増加しても解決できない残余トナ
ーが多くなる傾向が見られる。前述のトナーとの間の付
着力Fadを実験的に求めた転写ベルト31は、フッ素樹
脂コート層を有する転写ベルトである。
【0059】転写前ローラ32に印加するバイアス電圧
と転写ベルト31の体積抵抗率ρbとの関係について説
明する。ここではまず、転写ベルト31に注入される電
荷密度σbについて、モデルを構築して必要な印加電圧
を求めた。更に体積抵抗率ρbとσbとの関係について考
察した。
【0060】導電性ゴムローラから成る転写前ローラ3
2から転写ベルト31に注入される電荷/電流のモデル
を図7に示した。ニップ幅Wを通過する間に転写ベルト
31に注入される過程の等価回路を図8に示した。
【0061】転写前ローラ32の表面には、105〜1
7Ω・cmの体積抵抗率を有するゴムを被覆してあ
り、対策としている転写ベルト31の体積抵抗率が10
9〜1011Ω・cmオーダーであることから、転写前ロ
ーラ32のゴム層は無視している。
【0062】転写ベルト31に注入する電荷密度を求め
ると、転写ベルト31の内部に注入し、像担持体10側
の転写ベルト表面に蓄えている電荷密度のσb2と転写ベ
ルト31から分離する時に転写前ローラ32側の面の転
写ベルトに帯電する電荷密度σb1との総和になる。
【0063】なお、転写前ローラ32と転写ベルト31
との間には、帯電開始する電位閾値Vzがある。
【0064】 σb=σb1+σb2 (7) 次に、図8の等価回路について説明する。
【0065】Cpは感光層10aの容量、Ctはトナー層
Tの容量、Cbは転写ベルト31層の容量、Vzは転写前
ローラ32と転写ベルト31間の帯電開始閾値電位、R
bは転写ベルト31の抵抗値である。E0はローラ表面に
印加されたバイアス電圧、Vpは転写前の像担持体10
の電位、Vtはトナー層Tの電位、Vp+Vtはトナー層
Tを有する像担持体10の表面電位である。ニップ幅W
を通過するのに要する時間をtnとする。
【0066】図8には2箇所にスイッチSWがある。転
写部のニップに入る前はスイッチSWは実線の状態で、
転写ベルト31が転写部のニップ内にあるときは、スイ
ッチSWは破線の状態にある。スイッチSWが実線状態
になってから時間tn後の電荷密度σb1,σb2を求める
ことにより転写ベルト31への注入電荷量σbが求めら
れる。
【0067】
【数1】
【0068】単位面積当たりで考えると、 Cp=εp/Dp , Ct=εt/Dt , Rb=σbb となり、(9),(10)は次式のようになる。
【0069】
【数2】
【0070】(12)式より、下に示す実施定数を代入
すると、転写ベルト電荷密度は、図9に示すような体積
抵抗率に関する依存性を示す。
【0071】Vp+Vt=−650V V0 =−1650V Vz =−400V(文献より入手) Dp =21μm Dt =30μm(トナー層2層を想定) Db =0.6×10−4m εp =3ε0 εt =2ε0 εb =6ε0(文献より入手) ε0 =8.85×10-12F/m t0 =1.6×10-2sec ウレタンゴムにカーボンを分散した半導電性ベルト(最
近電子写真装置に使用されている)は、温度や湿度の環
境により図10に示すように体積抵抗率が変化する。
【0072】転写ベルト31上に2.0mg/cm2
度付着したトナーを像担持体10に逆転移するのに必要
な転写前ローラ32のバイアス電圧を体積抵抗率σp
る転写ベルト31に対して、実験的に求めた結果を図1
1に示した。
【0073】特性曲線はクリーニング良否の境界線であ
り、右上側が不良(No−good)領域であり、左下
側がクリーニング良好(Good)領域である。図11
は例えば、109〜1012Ω・cmの転写ベルト31に
対して、バイアス電圧を−1800V以上印加すれば良
いことを示している。ベルト抵抗率により印加電圧を下
げることができることも示している。例えば109Ω・
cmの転写ベルト31では、−1350V以上であれば
良好であることを示している。
【0074】図12はバイアス電圧−2000Vの定電
圧の固定電源にした時に転写ベルト31が直接接触した
像担持体10表面の電位上昇を調べた結果である。横軸
が転写ベルト31の体積抵抗率σb(Ω・cm)であ
り、縦軸が像担持体10の転写後の電位である。
【0075】像担持体10は転写前には、−650Vに
帯電されている。像担持体10の表面電位は、転写ベル
ト31の体積抵抗率が低下すると注入電荷の増大により
上昇し、σb<1010Ω・cmで急激に上昇することが
示されている。像担持体10の表面電位を−900V程
度に上昇させることは、耐久性の面や繰り返しメモリー
の面で好ましくない。なお、実施例で使用している転写
ベルト31は環境条件(湿度)により、体積抵抗率が2
桁オーダーで変動する。このため通常では1010〜10
11Ω・cmオーダーで適した特性を備えているベルトで
も高温高湿的には109Ω・cmオーダーに体積抵抗率
σbが低下し、固定電圧電源では像担持体10の表面電
位上昇させるという課題を有している。また、109Ω
・cm付近で−2000Vのバイアス印加時には転写前
ローラ32の転写ベルト31進入部で間隙放電が発生
し、ポチ状の微小な逆転移不良が転写ベルト31上に起
きていることが確認された。これらの事から転写ベルト
の体積抵抗率の変化に応じてバイアス電圧を可変制御す
ることが好ましいことが判った。
【0076】次に、もう一つの特長について説明する。
【0077】先ず、転写ハジキ防止の原理の説明をす
る。
【0078】従来法のコロナ転写とローラ転写では、高
湿条件下では、転写紙(記録材)の抵抗が9乗オーダ程
度にまで低下するため、転写紙の電位はドラムに接触す
る進入部と転写電極のある転写部とで略等しくなる。そ
の結果、転写部での転写紙電位を高くすると、転写紙進
入部の電位までが高くなってしまい、これが転写性能と
転写ニジミや転写ハジキの防止との両立を難しくする要
因となっている。また転写紙進入ガイド板の電位を規制
したり、フローティングすることも重要なポイントであ
った。図1に示すようなカラー画像形成装置において、
多色画像を形成する場合、感光体ドラム上には2色以上
のトナーが重層されており、単色転写と比較して2倍以
上の転写電荷密度、すなわち転写間隙電界を必要とし、
両立を一層難しくしている。
【0079】特開平6−59586号公報に示した画像
形成装置では、ベルト転写を採用しているが、この問題
は解決していない。その理由は上記と同一であるが、そ
の状況を以下に詳細に説明する。
【0080】まず、転写紙は転写ベルトに静電吸着され
て搬送されてくる。そして転写前ローラ部で感光体ドラ
ムとの間隙は、0.2mmに規制され、20mm程度下
流部の転写部に進行する間で感光体ドラムに接触するよ
うに構成されている。しかも転写前ローラは接地されて
いる。採用されている転写ベルトの体積抵抗率は108
〜1010Ω・cm、比誘電率は6程度であることから、
コロナ放電から転写ベルトに注入した転写電荷は転写紙
の界面にあると推定される。他方、転写紙は上記の抵抗
をとることから、転写紙は転写部からその上流側に渡っ
てほぼ等電位に展開している。このために上流側で転写
紙が感光体ドラムから離間すると、次式で決まる間隙電
位は増加し、パッシェンの曲線を越えるようになる。
【0081】 Vg=(Vm−Vh)×G/(Dp+Dt+G) Vg;間隙電位 Vm;転写紙電位 Vh;トナー層を有する感光体表面電位 G ;間隙長 Dp;感光層/感光層誘電率 Dt;トナー層厚/トナー層誘電率 今回の対策は進入部で感光体ドラムと転写前ローラとの
間隙を転写ベルトの厚みより同等以下にし、更に転写前
ローラに負電位を印加することにより、定常的に転写ベ
ルトに、場合によっては転写紙にまで負電荷を注入さ
せ、一方転写側ではその注入負電荷を補償する分の正電
荷を転写ベルトに付与しようとするものである。負電荷
を転写ベルト側から転写紙に注入する方式としては、転
写ベルトと転写紙(導電紙というイメージ)との間に強
い接触状態で高い電位差を与える方式と、感光体と接触
する転写紙の背面とベルトとの間に隙間を形成して定常
的なパッシェン放電が起させる方式と考えられる。いず
れにしても、転写領域で転写紙の中に進入部から転写極
側に向けて転写極性と逆極性の電荷を移動させることに
より転写部の転写紙電位と進入部の転写紙電位との電位
差を形成し高湿条件下でも転写ハジキもなく転写不良も
なく安定した転写性能が得られるようにした。
【0082】次に図5ないし図10で示したような転写
ベルトを使用したベルト転写装置で実際の高湿条件下で
の転写性に関する状況を考察してみた。
【0083】転写部においては、転写ベルトと転写紙と
の間隙の電界Eは2層トナーの転写を前提にすると、5
6Mv/m程度であると推察され、転写紙電位は次式か
ら算出される。
【0084】 Vm=E×(Dp+Dt+g+Dm+g)+Vh ただし Dm=0 (転写紙の体積抵抗率が109オーダーであると考える
と、転写紙の厚みは無視できる程小さい) Dtは真空間隙で8〜15μm、Vmは300〜800
vとなる。
【0085】また、進入部での転写紙と感光体ドラムと
の間隙で放電が起きない条件(厳密には放電によりトナ
ーの極性が反転しない条件)を求めると、トナー層厚に
より異なるが、Vmは−100V〜+200Vと推定さ
れた。
【0086】転写紙の表面抵抗を3000MΩと仮定す
ると30cmの画像幅で100MΩとなり、進入部で転
写紙に注入され転写部に移動する電流は4〜6μAは必
要となる。転写紙注入電荷密度にすると180〜270
μC/cmとかなりの量になる。
【0087】次に、転写ベルトの層内を横方向に移動す
る電流量を考えると、次式により得られる。
【0088】 Ib=(Vbt−Vr−Vz)×W×Db/σb×L =(800+1100−400)×30×0.06/3×109 =0.9μA Vbt;転写部のベルト電位 Vr ;転写前ローラ(ここでは−1100V印加を想
定した) Vz ;ローラと転写ベルト間の接触電位差〔文献から
400V〕 Db ;転写ベルトの厚み0.06cm σb ;転写ベルトの体積抵抗率〔Ωcm〕3×109
と想定 更に、転写ベルトの転写紙の界面に溜っている電荷密度
−70μC/cm程度と推測され、電流に換算すると、
1.5μAとなる。このことは転写前ローラから転写ベ
ルト側に6.5μA〜8.5μA程度の電流を流入させ
ることが必要であることを意味している。
【0089】低湿時には転写ベルトの体積抵抗率が3×
1011Ωcmと高くなるため、上記に示した転写前ロー
ラ部での転写ベルト流れ込み電流および転写紙注入電流
はきわめて小さく、1μA以下であり無視できること、
転写に必要な電荷を電流に換算すると11μA程度であ
ることを考慮すると、30℃80%高湿時には、コロナ
放電極から転写ベルト側へ流れ込む電流は17.4〜1
9μAと推定され、これは低湿時と比較して2倍程度の
電流が必要になることを意味する。
【0090】しかし低湿と比較して高湿では転写ベルト
の体積抵抗率が2桁低下するために転写ベルト層自身の
電位は無視できる程小さくなるため、高湿時にコロナ電
極から転写ベルト側に2倍電流を流すのにコロナ電極の
条件(トータル電流あるいは放電ワイヤー電圧)は低湿
に対しそれ程変える必要はなく、電極形状あるいは寸法
の調整で同等にすることは可能である。
【0091】(実施例2)図13は本発明の第2実施例
としてカラー画像形成装置(カラープリンタ)の全体構
成図である。
【0092】この実施例は、画像形成装置の本体内に湿
度センサ39を固設し、該湿度センサ39による本体内
湿度をモニターし、この湿度検知信号をCPUにより制
御して、表1に示すように転写前ローラ32のバイアス
印加電圧を切り換え、制御するものである。湿度センサ
39はベルト転写装置30の近傍に設置されている。な
お、ベルト転写装置30の構造は前述の第1実施例と共
通である。このようにして湿度変化に対応して転写前ロ
ーラ32へのバイアス印加電圧を複数段階に切り換え、
可変制御することにより、転写前ローラ32への過剰バ
イアスによる転写ベルト31の体積抵抗率変動による粒
状のクリーニング不良防止や、像担持体10の表面電位
上昇の防止が可能になった。又この湿度センサーによ
り、同時に第2の電極即ちコロナ放電器34等の出力を
適宜切り換え制御するようにして、低湿から高湿に渡る
広い環境条件の基で、安定した転写性能を同時に得るよ
うにしてもよい。
【0093】例えば湿度センサ39により機内湿度変化
を検知して下表のように転写前ローラ32の印加電圧を
制御する。
【0094】
【表1】
【0095】使用した転写ベルト31は、湿度20〜8
0%の変化で、5×109〜5×1010Ω・cmの範囲
で変動するものである。
【0096】湿度センサ39として、感湿高分子材を用
いたインピーダンス変化型湿度センサ素子を用いた。こ
の湿度センサ39のセンサ素子のインピーダンス変化
は、線型であり、線型化回路により直線化し、湿度補正
を行った上でフルスケールとなるよう出力する。
【0097】図14は、従来方法による画像形成装置内
の湿度条件と転写性の関係を示す特性図である。すなわ
ち、機内湿度条件と転写電流許容領域を示す実験結果で
ある。実験条件を下記に示す。
【0098】転写前ローラのバイアス電圧:0v 再帯電:有 VH=−650V 2色トナー付着パターン 転写紙:Xerox社製4024(20lb紙)〔各環
境に8時間以上さらした転写紙〕 図14に示す折線Aの上部は転写ハジキを発生する領域
を示し、特に折線Aの左上部の斜線を施した部分は、高
圧異常放電発生領域である。また、折線Bの下部は転写
不良領域である。従って折線Aと折線Bに挟まれた狭い
中間領域が転写可能な領域である。
【0099】図15は本発明による画像形成装置内の湿
度条件と転写性の関係を示す特性図である。すなわち、
機内湿度条件と転写電流許容領域を示す実験結果であ
る。実験条件は前記図12における場合とほぼ同一であ
るが、転写前ローラにバイアス電圧を−900Vを印加
したことを特徴とする。
【0100】図15に示す折線Cの上部は転写ハジキを
発生する領域を示し、特に折線Cの左上部の斜線を施し
た部分は、高圧異常放電発生領域である。また、折線D
の下部は転写不良領域である。従って折線Cと折線Dに
挟まれた広い中間領域が転写可能な領域である。この転
写可能領域は、前記図12に示す転写可能領域に比して
広く、かつ20〜80%RHの湿度範囲で安定した転写
電流が得られる。但し、70〜80%RHの高湿下で
は、転写電流値の範囲が狭くなる。
【0101】ここに示すように転写前ローラで転写ベル
トを感光体ドラムに接触させるようにし、かつ転写前ロ
ーラにトナーと同極性の電位を印加するようにした本発
明の方が従来方式に比較して、広い環境下で安定した転
写性能を有していることを示している。
【0102】図14に示す折線Eの上部は高圧異常放電
発生領域で、折線Fの下部は転写不良発生領域であり、
折線Eと折線Fに挟まれた広い中間領域が転写可能領域
である。
【0103】上記の高圧異常放電発生領域では、転写ベ
ルトの表面に高電圧が印加され、コロナ放電器の放電ワ
イヤ電圧が過大となり、コロナ放電器のサイドプレート
等にリークしている状態である。但し、コロナ放電器の
形状や、転写ベルトの体積抵抗率や転写ベルトの厚さ等
の変更により、上記高圧異常放電発生領域は変化する。
【0104】図16は画像形成装置内が低温低湿下にな
ったときの、転写前ローラに印加するバイアス電圧とコ
ロナ放電器による転写許容条件との関係を示す実験結果
により得られた特性図である。実験条件を下記に示す。
【0105】VH=−650V 再帯電:有 2色トナー付着パターン 転写紙:Xerox社製4024(20lb紙)〔各環
境に8時間以上さらした転写紙〕 環境条件:低温(15℃)、低湿(20%RH) 図16に示すように、低温低湿下では、転写可能領域は
広く、転写前ローラに印加する転写前ローラのバイアス
電圧およびコロナ放電器に印加する転写電流値は広い範
囲に設定可能である。
【0106】図17は画像形成装置内が高温高湿下にな
ったときの転写前ローラに印加するバイアス電圧とコロ
ナ放電器による転写許容条件との関係を示す実験結果に
より得られた特性図である。実験条件は前記図14にお
ける場合とほぼ同一である。
【0107】図17に示す折線Gの上部は転写ハジキを
発生する領域、折線Hの下部は転写不良を発生する領域
であり、折線Gと折線Hに挟まれた狭い中間領域が転写
可能領域である。高温高湿下では転写可能領域は、極め
て狭い範囲であるから、バイアス電圧およびコロナ放電
電流値の設定は極端に限定される。
【0108】ここに示すように、転写前ローラに印加す
るトナーと同極性の電圧を強めれば、徐々に転写可能領
域が増感することを示している。しかも高湿下では転写
前ローラの印加電圧にも適正な値があり、今回実施した
条件では−800V〜−1500Vの範囲が適正である
ことを示している。
【0109】以上の低温低湿から高温高湿に至る広範囲
の環境条件で、転写紙が転写部を通過しない時に、転写
ベルトを像担持体の周面に接触させた状態で複数回周回
させる間に印加される転写前ローラへのバイアス電圧お
よびコロナ放電器の電流値の仕様を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】表2に示すように、転写前ローラに印加す
るバイアス電圧を、転写紙が転写部を通過しない時に異
なる電圧値に制御した。即ち、通紙時または偶数周回目
の非通紙時に−900V、第1周目または奇数周回目の
非通紙時に−1500Vと−2000Vに設定した。
【0112】また、コロナ放電器に印加する電流値を、
転写紙の非通紙時には、第1周目または奇数周回目の非
通紙時には異なる電流値に制御した。即ち、通紙時また
は偶数周回目の非通紙時に350μA,400μA、非
通紙時で第1周目または奇数周回目の非通紙時には0μ
Aに設定した。
【0113】さらに、通紙時または偶数周回目の非通紙
時にコロナ放電器に、高温高湿時(HH)には、常温常
湿(NN)、低温低湿(LL)時に比し、小さな電流値
を通電するようにした。即ち、NN,LL条件下で40
0μAに対して、HH条件下で350μAを出力するよ
うに制御している。
【0114】また、第1周目または奇数周回目の非通紙
時には、転写前ローラに対してNN,LL条件下で−2
000Vに対してHH条件下で−1500Vになるよう
にバイアス電圧値を出力するように制御した。
【0115】図18はモノクロモードにおける画像形成
装置の画像形成プロセス作動を示すタイミングチャート
である。なお、このタイミングチャートでは、A4サイ
ズの記録材Pに連続5枚黒色プリントするときのモード
を示す。このモードでは、黒色トナーを有する現像器1
4Kによる黒現像のみの作動であり、かつ転写ベルト3
1及びクリーニングブレード16は常時作動している。
また、転写前ローラ(前ローラ)32のバイアス電圧印
加は、転写ベルト31が像担持体10に圧接する作動状
態の時には、常時オンしてもよいが、ここでは記録材P
が通紙しない時には、転写ベルト31をクリーニングす
るのに十分な電荷(トナーと同極性の)を転写ベルト3
1に注入するための電位を印加する。この非通紙時のオ
ンタイミングにおける転写前ローラ32のバイアス印加
電圧は、環境条件に対応して制御している。例えば常温
常湿(NN)、低温低湿(LL)時には−2000V、
高温高湿(HH)時には−1500Vに切り換えてい
る。通紙時には全ての環境条件に対して、バイアス電圧
−900Vを印加している。
【0116】コロナ放電器(転写極)34は、記録材P
が転写部を通過するときのみ、オンにして、像担持体1
0上のトナーを記録材Pに転移できるだけの電荷(トナ
ーと異極性の)を転写ベルト31に注入するための高圧
電位を印加する。このオンタイミングにおけるコロナ放
電器(転写極)34には、NN,LL環境下では250
μA,HH環境下では200μAを通電するよう制御す
る。
【0117】そして、記録材Pの非通過時に、転写ベル
ト31を直接像担持体10に接触させるように転写ベル
ト31の内側を押圧する転写前ローラ32(第1の電
極)には、像担持体10上のトナーが転写ベルト31に
付着するのを防止できるだけの電荷(トナーと同極性
の)を転写ベルト31に注入する電圧が印加される。ま
た、記録材Pの非通紙時に像担持体10からトナーを転
移するのを阻止するだけでなく、同時に転写ベルト31
上のトナーを像担持体10上に転移させて(ほぼ完全に
逆転移させて)、該像担持体10のトナーをクリーニン
グ装置16により清掃除去することも実現した。又、転
写前ローラ32の印加電圧は、転写ベルト31が像担持
体10に当接する直前の進入部で間隙放電が起きないよ
うな範囲が選定され、ポチ状のクリーニング不良の発生
を防止している。
【0118】更に、像担持体10に直接接触することに
よる像担持体10の表面電位上昇を防止する或いは間隙
放電を防止するために、抵抗率の変動に応じて転写前ロ
ーラ32への印加電圧を可変制御すると、体積抵抗率の
湿度依存性の大きな転写ベルトを使用した場合でも、ク
リーニングシステムはあらゆる環境下において一層安定
化でき、かつ、低湿から高湿に渡る広い環境条件の基で
転写ハジキ、転写不良のない安定した転写性能を得るこ
とを可能にした。
【0119】通紙時又は非通紙時に拘らず、転写前ロー
ラ32に常時バイアス電圧を印加する場合には、非通紙
時にのみ印加する場合に比較して、第2の電極即ちコロ
ナ放電器34の電圧を高くして転写前ローラ32から注
入される負電荷分を打ち消すためにコロナ放電器34か
ら注入される電荷を大きくすることが必要であるが制御
がシンプルになる等の利点がある。
【0120】図19は4色トナーによるフルカラーモー
ドにおける画像形成装置の画像形成プロセス作動を示す
タイミングチャートである。なお、このタイミングチャ
ートでは、A4サイズの記録材Pに4色のカラープリン
トを連続してプリントするときのモードを示す。このモ
ードでは、転写前ローラ31のバイアス電圧印加は、記
録材の通過が終了した時点からオンし、転写ベルト31
が1周回以上継続作動した時点でオフする。また転写ベ
ルト31の圧着解除タイミングは、画像の先端より上流
側の像担持体10の周面に圧接し、転写前ローラ32の
バイアス電圧がオンしてから転写ベルト31が1周回以
上移動の経過後、バイアス電圧のオフとほぼ同時に像担
持体10から離間させる。なお、クリーニング装置16
のブレード16aの像担持体10への圧着解除タイミン
グは、前プリントでブレード16aが解除した像担持体
点より上流側で圧接開始し、転写ベルト31の離間した
像担持体点より下流側の像担持体点で離間する。このよ
うにして転写ベルト31は1プリント毎に確実にクリー
ニングされる。又転写ベルト31から逆転移した像担持
体10上のトナーも1プリント毎に確実にブレード16
aによって像担持体10から除去される。
【0121】感光体ドラム10より分離した記録材P
は、転写ベルト31を張架する下流側の駆動ローラ33
の軸33aを対向電極としてACコロナ放電による除電
を受けたのち、あるいはACコロナ放電を受けながら転
写ベルト31から分離する。このベルト転写装置30の
転写ベルト31は多色像形成中は下流側の駆動ローラ3
3の軸33aを回動中心として感光体ドラム10より離
間されている。
【0122】クリーニング時のバイアスオンタイミング
では、常温常湿(NN)、低温低湿(LL)で−200
0Vに設定し、高温高湿(HH)時には−1500Vに
切り換え制御する。またコロナ放電器34にはNN,L
L環境下では400μA、HH環境下では350μAを
通紙時に通電するよう制御する。
【0123】ベルト転写装置30から分離した多色像を
保持した記録材Pは、少くとも一方のローラ内部にヒー
タを有する2本の圧着ローラからなる定着装置23へと
搬送され、圧着ローラ間で熱と圧力を加えられることに
より付着トナーは溶融し、記録紙P上に固定されたの
ち、装置外へ排出される。
【0124】転写後の感光体ドラム10周面上に残った
残留トナーはACコロナ放電器を用いた除電器15によ
り除電を受けたのち、クリーニング装置16にいたり感
光体に当接したゴム材から成るクリーニングブレード1
6aによってクリーニング装置16内に掻き落とされ、
スクリュー等により排出後、回収ボックスへ貯留され
る。なお上記の除電器15はその配置によっては、転写
ベルト上の密着した記録紙を分離するための記録紙の除
電を兼ねることが可能である。
【0125】クリーニング装置16によって残留トナー
を除去された感光体ドラム10はPCL11による露光
を受けたのちスコロトロン帯電器12によって一様帯電
を受け、次の画像形成サイクルにはいる。多色像形成中
はクリーニングブレード16aは感光体表面から離間さ
れ、除電器15によるAC除電はオフ状態に保たれる。
【0126】(実施例3)図20は本発明による画像形
成装置のさらに実施例を示すタイミングチャートであ
る。本実施例はフルカラーモードにおける転写ベルト3
1のクリーニングと転写ハジキの防止を目的とする。
【0127】・転写条件 転写電極:コロナ放電器34、定電流電圧切替え 転写前ローラ32:導電性ゴム、直径10mm、電圧切
替え 転写ベルト31:半導電性ウレタンゴム、体積抵抗率1
9〜1012Ω・cm、厚み0.06mm ・動作条件:フルカラーモード 転写前ローラ32はバイアス電圧切替え制御 通紙時と非通紙時の切替え 転写電極(34)オン・オフタイミング制御 転写ベルト(31)およびクリーニングブレード(16
a)圧着タイミング制御 ・転写動作:A4判サイズの記録材Pを用い、連続プリ
ントするとき、前記記録材Pが転写手段を通過しない時
に、転写ベルト31を像担持体10の周面に接触させた
状態で複数回周回させる間に、前記転写電極と該転写ベ
ルト31に注入する電荷の極性が該転写ベルト31の周
回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極34と前
電極32とに印加するバイアス電圧を制御するようにす
る。
【0128】図21はジャム発生後または電源投入時の
初期動作を示すタイムチャートである。
【0129】電源投入時あるいはジャム発生後の起動時
に、前記転写ベルト31を前記像担持体10の周面に接
触させた状態で複数回周回させる間に、前記転写電極と
該転写ベルト31に注入する電荷の極性が該転写ベルト
31の周回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極
34と前電極32とに印加するバイアス電圧を制御す
る。
【0130】(実施例4)図22に示すベルト転写装置
の回路構成図は、転写前ローラ32に印加する電源とし
てスコロトロン帯電器12のコロナ電流を利用する共通
化電源構成にしたことを特徴とし、かつ転写ハジキ防止
を目的とするスコロトロン帯電器12は、バックプレー
ト121、帯電極ワイヤ122、グリッド123、絶縁
板124、イオン流電極125から成り、バックプレー
ト121と絶縁板124とにはイオン通過穴121aが
穿設されている。
【0131】上記帯電極ワイヤ122は帯電電源126
に接続し、グリッド123はグリッド電源127に接続
している。また、イオン流電極125は抵抗R1,R2
介して転写前ローラ32に接続している。VZは定電圧
素子128の電圧値である。
【0132】上記各構成部材の諸元を下記に示す。
【0133】 帯電電源126:−5.0〜6.0KV,−40μA グリッド電源127:−650V(0〜−700V,出
力可変) 抵抗R1:10MΩ 抵抗R2:10MΩ 電流値IZ:10〜50μA 電圧値VZ:−700〜−1000V 図23に示すベルト転写装置の回路構成図は、転写前ロ
ーラ32に印加する電源として、スコロトロン帯電器1
2のグリッド電源127を利用する構成にしたものであ
る。各構成部材の諸元を下記に示す。
【0134】帯電電源126:−5.0〜6.0KV グリッド電源127:−650V(−622〜−702
V) 抵抗RL:10MΩ (実施例5) ・転写条件 転写電極:コロナ放電器34、定電流電圧切替え 転写前ローラ32:導電性ゴム、直径10mm、固定電
圧(帯電極と共通電源) 転写ベルト31:半導電性ウレタンゴム、体積抵抗率1
9〜1012Ω・cm、厚み0.06mm ・動作条件:フルカラーモード 転写前ローラ32は固定制御 通紙時と非通紙時とで共通電位 転写電極(34)オン・オフタイミング制御 転写ベルト(31)およびクリーニングブレード(16
a)圧着タイミング制御 ・転写動作:A4判サイズの記録材Pを用い、連続プリ
ントするとき、前記記録材Pが転写手段を通過しない時
に、転写ベルト31を像担持体10の周面に接触させた
状態で複数回周回させる間に、前記転写電極と該転写ベ
ルト31に注入する電荷の極性が該転写ベルト31の周
回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極34に印
加するバイアス電圧をオン・オフ切替制御するようにす
る。
【0135】電源投入時あるいはジャム発生後の起動時
に、前記転写ベルト31を前記像担持体10の周面に接
触させた状態で複数回周回させる間に、前記転写電極と
該転写ベルト31に注入する電荷の極性が該転写ベルト
31の周回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極
34に印加するバイアス電圧をオン・オフ切替制御す
る。
【0136】転写前ローラ32に印加する電源として、
スコロトロン帯電器12のコロナ電流を利用する共通電
源構成にしたもので(図21参照)、グリッド電圧を非
画像領域で適当な電位に切り替える。
【0137】図24はモノクロモードにおける画像形成
装置の画像形成プロセス作動を示すタイミングチャート
である。なお、このタイミングチャートでは、A4サイ
ズの記録材Pに連続5枚黒色プリントするときのモード
を示す。このモードでは、黒色トナーを有する現像器1
4Kによる黒現像のみの作動であり、なお転写ベルト3
1及びクリーニングブレード16は常時作動している。
しかも画像領域の通過時にのみ作動し、非作動時には現
像ローラ141は停止していて、いかなる潜像電位でも
現像されない状態になっている。さらにACバイアス電
源をオフすれば、より完全に現像を防止できる。また、
転写前ローラ(前ローラ)32のバイアス電圧印加は、
転写前ローラ32のバイアス電圧は、画像部または非画
像部に拘わらず常時オンになっていて、スコロトロン帯
電器12のタイミングと同時である。
【0138】転写極34は画像部が通過するときのみオ
ンになる。そして非画像領域に対応する像担持体10周
面が通過するときに、グリッド電圧を切り替え制御する
ことで可能なように、像担持体10の表面電位を0〜−
650Vの範囲の任意の値で制御することができ、転写
前ローラ32に印加する電源が図21に示すような定電
圧電源であっても、非画像領域における転写前ローラ3
2と像担持体10との間の電位差をクリーニングに適し
た値に自由に切替制御することができるようになってい
る。
【0139】以上述べたようにこの実施例の特徴は、
通紙時より非画像領域すなわち非通紙時において、転写
前ローラ32と像担持体10との間の電位差を強めるこ
とができる。該電位差をグリッド電圧を切り替えるこ
とにより、自由に可変できることである。
【0140】図25は4色トナーによるフルカラーモー
ドにおける画像形成装置の画像形成プロセス作動を示す
タイミングチャートである。なお、このタイミングチャ
ートでは、A4サイズの記録材Pに4色のカラープリン
トを連続してプリントするときのモードを示す。
【0141】(1)このモードでは、転写前ローラ32
のバイアス電圧印加は、像担持体10の回転時に常時オ
ンになし、スコロトロン帯電器12の作動タイミングと
同時である。
【0142】(2)転写ベルト31の圧着解除タイミン
グは、像担持体10上の画像の先端部が転写極34を通
過する前に、像担持体10に圧接する。画像の後端より
転写ベルト31の周長以上の下流側の像担持体10が転
写前ローラ32の位置を通過した時点で転写ベルト31
は像担持体10から離間される。
【0143】(3)クリーニング装置16のクリーニン
グブレード16aの圧着解除は、前プリントのクリーニ
ングブレード16aの解除した位置の上流側の像担持体
10の周面にクリーニングブレード16aを圧着する。
転写ベルト31が離間した位置より下流側の像担持体1
0の周面で離間させる。
【0144】本実施例による転写前ローラ32のバイア
ス電圧を定電圧にし、非画像部の帯電電位を切替制御す
る方式の特徴を下記に列挙する。
【0145】1)実施例のような定電圧電源で転写前ロ
ーラ32の専用の切替可能な電源を採用することもな
く、転写前ローラ32と像担持体10との電位差を画像
部と非画像部とで切り替えることができる。
【0146】2)グリッド電圧を切替制御することによ
り、非画像領域での転写前ローラ32と像担持体10と
の電位差を自由に強度を切り替えることができる。
【0147】3)従来のように非画像部の電位を画像部
と同一にした場合には、バイアスが強すぎると像担持体
10が過大に帯電した。この方式により、この問題は完
全に解消した。
【0148】4)実施例のように転写前ローラ32に電
源として帯電極12のイオンを利用する共通電源でも転
写ベルト31上トナーをクリーニングするためのバイア
スの強度を環境条件や転写ベルト31の抵抗率の変化に
対応して適宜選択することができるようになった。
【0149】この画像形成装置は、前記転写手段により
像担持体10からトナー像を転写材Pに転写した後、前
記転写ベルト31を前記像担持体10の周面に接触させ
た状態で複数回周回させる間に、前記転写電極と該転写
ベルトに注入する電荷の極性が該ベルトの周回毎に交互
に切り替わるように、前記転写電極に印加するバイアス
電圧をオン/オフ制御するようにすることを特徴とす
る。
【0150】
【発明の効果】本発明により、クリーニング機構を廃止
することができ、簡単な構造で、製造原価を低減できる
画像形成装置を提供されることとなった。またこれによ
って、転写ベルト及びクリーニング部品の劣化問題が解
消され、かつ回収トナーの処理等も必要がなくなり、転
写ユニットの寿命を飛躍的に向上させることができた。
また、転写進入部における像担持体面からのトナーの飛
翔が防止されていわゆる転写ニジミ等の発生が回避さ
れ、その結果条件の悪い高湿度環境下においても記録材
に対し画像ハジキを伴わない色調の鮮かなカラー画像を
転写することが出来た。なお、このような発明の効果は
第2の電極が転写ベルトに接触して電荷を付与する導電
性ブラシ状の電極あるいは導電性ローラ電極であっても
印加する電圧値等は異なるが同様に得られることは言う
までもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベルト転写装置を備えたカラー画像形
成装置の全体構成図。
【図2】ベルト転写装置の断面図。
【図3】転写ベルトが像担持体表面より離間した状態を
示す断面図。
【図4】像担持体、トナー層、転写ベルトの電荷分布を
表す図。
【図5】層厚方向の電束密度を示す特性図。
【図6】転写ベルトへの注入電流とトナー付着量の特性
図。
【図7】導電性ゴムローラから転写ベルトに注入される
電荷のモデル図。
【図8】転写ベルトへの電荷注入の等価回路。
【図9】転写ベルトの体積抵抗率と電荷密度の特性図。
【図10】転写ベルトの体積抵抗率の温湿度依存特性
図。
【図11】転写ベルトの体積抵抗率と転写前ローラのバ
イアス電圧との特性図。
【図12】転写ベルトの体積抵抗率と転写後の像担持体
表面電位との特性図。
【図13】本発明のベルト転写装置を備えたカラー画像
形成装置の第2の実施例を示す全体構成図。
【図14】従来方法による画像形成装置内の湿度条件と
転写性の関係を示す特性図。
【図15】本発明による画像形成装置内の湿度条件と転
写性を示す特性図。
【図16】低温低湿下での転写前ローラ電圧と転写許容
条件との関係を示す特性図。
【図17】高温高湿下における転写前ローラ印加電圧と
転写許容条件との関係を示す特性図。
【図18】モノクロモードにおける第1,第2転写電極
制御のタイミングチャート。
【図19】フルカラーモードにおける第1,第2転写電
極制御のタイミングチャート。
【図20】本発明による画像形成装置の更に他の実施例
を示すタイミングチャート。
【図21】ジャム発生後または電源投入時の初期動作を
示すタイミングチャート。
【図22】ベルト転写装置の回路構成図。
【図23】ベルト転写装置の他の回路構成図。
【図24】モノクロモードにおける画像形成プロセスの
タイミングチャート。
【図25】フルカラーモードにおける画像形成プロセス
のタイミングチャート。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(像担持体) 12 スコロトロン帯電器(帯電極) 122 帯電極ワイヤ 123 グリッド 126 帯電電源 127 グリッド電源 13 像露光手段 14Y,14M,14C,14K 現像器 16 クリーニング装置 224 記録材先端通過検知センサ(スイッチSW) 30 ベルト転写装置 31 転写ベルト 32 第1の電極(転写前ローラ、従動ローラ) 33 駆動ローラ 34 第2の電極(コロナ放電器、転写電極) 35 テンションローラ 37 絶縁性部材(放電防止板) 39 湿度センサ P 記録材(転写紙)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 - 15/16 103 G03G 21/10 - 21/12 G03G 15/00 303 G03G 21/00 370 - 540 G03G 21/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にトナー像を形成するトナー
    像形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介して対向
    する回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面側に設
    けられた転写電極により前記トナー像を前記記録材に転
    写する転写手段とを備えた画像形成装置において、 前記転写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転写ベ
    ルトの内面側に転写前電極を配設し、前記記録材が前記
    転写手段を通過しない時に、前記転写ベルトを前記像担
    持体の周面に接触させた状態で複数回周回させる間に、
    前記転写電極と転写前電極から該転写ベルトに注入する
    総和の電荷量の極性が該転写ベルトの周回毎に交互に切
    り替わるように、前記転写電極と転写前電極とに印加す
    るバイアス電圧を制御することを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 像担持体上にトナー像を形成するトナー
    像形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介して対向
    する回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面側に設
    けられた転写電極により前記トナー像を前記記録材に転
    写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記転写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転写ベ
    ルトの内面側に転写前電極を配設し、 前記画像形成装置
    への電源投入時あるいはジャム発生後の再起動時に、前
    記転写ベルトを前記像担持体の周面に接触させた状態で
    複数回周回させる間に、前記転写電極と転写前電極から
    該転写ベルトに注入する総和の電荷量の極性が該転写ベ
    ルトの周回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極
    と転写前電極とに印加するバイアス電圧を制御すること
    を特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 像担持体上にトナー像を形成するトナー
    像形成手段と、前記像担持体に対し記録材を介して対向
    する回動可能なエンドレス状の転写ベルトの内面側に設
    けられた転写電極により前記トナー像を前記記録材に転
    写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記転写電極のトナー像搬送方向上流でかつ前記転写ベ
    ルトの内面側に転写前電極を配設し、 前記転写手段によ
    り像担持体からトナー像を記録材に転写した後、前記転
    写ベルトを前記像担持体の周面に接触させた状態で複数
    回周回させる間に、前記転写電極と転写前電極から該転
    写ベルトに注入する総和の電荷量の極性が該転写ベルト
    の周回毎に交互に切り替わるように、前記転写電極と転
    写前電極とに印加するバイアス電圧を制御することを特
    徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トナー像形成手段が、前記像担持体
    を複数回周回させる間に、複数の現像器により前記像担
    持体上に多色のトナー像を形成するトナー像形成手段で
    あることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に
    記載の画像形成装置。
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