JP3507715B2 - 超音波探触子 - Google Patents
超音波探触子Info
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Description
上の技術分野とし、特に圧電素子の有効長を制御した超
音波探触子に関する。 【0002】(発明の背景)超音波探触子は医用等の超
音波診断装置に超音波の送受波部として広く用いられて
いる。例えば圧電素子を幅方向に並べてリニアやセクタ
駆動したり、コンベックス(凸曲面)上に並べてリニア
駆動させたりする。これらのものでは、通常、圧電素子
の長さや音響レンズの曲率を代えて、超音波の焦点距離
を制御している。 【0003】(従来技術の一例)第5図及び第6図は一
従来例を説明する超音波探触子の図で、第5図は正断面
図、第6図は側断面図である。超音波探触子は、矩形状
とした複数の圧電素子1をバッキング材2上に幅方向に
並べてなる。圧電素子1は両主面に電極2(ab)を有
する。そして、送受波面(前面)には例えば2層とした
音響整合層4を有し、さらに音響レンズ5が被せられ
る。音響レンズ5は圧電素子1の長さ方向(短軸方向)
に凸面とする。なお、圧電素子1の後面からはフレキシ
ブル基板により電極2aを導出され、前面には共通線路
により電極2bを共通接続してアース電位に接地する
(未図示)。 【0004】このようなものでは、圧電素子1の長さが
大きいと超音波Pの収束する焦点距離Fが遠く、短いと
近くなる。また、音響レンズの曲率が大きいと焦点距離
Fが遠く、小さいと近くなる。一般には、これらを仕様
に応じて適宜選定し、焦点距離Fを設定している。そし
て、図示しない診断装置からのパルス電圧を同軸ケーブ
ルを経て印加され、圧電及び逆圧電現象による超音波及
び電気信号を被検出体(生体)内との間で送受する。こ
れにより、焦点距離F近傍での診断像を得る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の超音波探触子では、同軸ケー
プを経てパルス電圧を印加される。そして、第7図
(a)に示すように、同軸ケープル6は芯線6aとアー
ス被覆線6bとの間で容量(線間容量とする)C1を有
する。一方、被検出体の表面近傍に焦点距離(深度)F
を設定する場合は、音響レンズ5のみでは充分ではな
く、圧電素子1の長さを短くする必要がある。 【0006】しかし、圧電素子1の長さを短くすると両
主面の電極間による容量「電極間容量とする、第7図
(b)」C0が小さくなる。そして、第8図に示したよ
うに、パルス電圧Epの印加時は、圧電素子1(電極間
容量C0)と同軸ケーブル6の線間容量C1は並列接続に
なる。したがって、圧電素子1の電極間容量C0が小さ
くなる(インピーダンス増加する)と、同軸ケーブル6
の線間容量C1による電流の漏れが大きくなる。 【0007】このことから、パルス電圧Epによって供
給される圧電素子1への駆動電力は実質的に低下する。
したがって、駆動電力の低下により、圧電素子1からの
超音波の放射エネルギーも減少し、これに対応して反射
波のレベルも小さくなる。 【0008】また、一般には、第9図に示したように、
受信時には、反射波によって生じた圧電素子3の端子間
電圧Esを負荷抵抗RLにより検出する。この場合、圧電
素子3は電極間容量C0を内部抵抗(インピーダンス)
rとした電圧源eとなる。したがって、圧電素子3の電
極間容量C0が小さくなると内部インピーダンス1/j
ωCが大きくなって、端子間電圧Esに損失を生ずる。
このことから、負荷抵抗RLでの受信電圧も小さくな
る。 【0009】したがって、送信時及び受信時のいずれに
おいても、電極間容量C0が小さくなることによって悪
影響を及ぼし、送信時のパルス電圧Epに対する受信電
圧を低下させ、結果的に実質的な感度を低下させる問題
があった。 【0008】(発明の目的)本発明は、焦点距離を制御
してしかも感度を良好とした超音波探触子を提供するこ
とを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、圧電素子の端
部に質量を付加して振動を抑制して圧電素子における超
音波送受部の有効長を制御したことを基本的な解決手段
とする。 【0010】 【作用】本発明では、圧電素子の有効長を端部に付加し
た質量により制御するので、圧電素子の長さを変えるこ
となく、焦点距離を制御できる。そして、圧電素子の長
さを一定とするので、電極間容量を小さくすることもな
い。以下、本発明の一実施例を説明する。 【0011】 【実施例】第1図及び第2図は本発明の一実施例を説明
する超音波探触子の図で、第1図は音響整合層及び音響
レンズを除く平面図、第2図は断面図である。なお、前
従来例図と同一部分には同番号を付与してその説明は簡
略又は説明する。超音波探触子は、前述同様に、電極2
(ab)を有する複数の圧電素子1をバッキング材2上
に並べ、送受波面(前面)には音響整合層4及び音響レ
ンズ5を設けてなる。 【0012】この実施例では、圧電素子1の両端側に質
量としての半田7(ab)を塗布する。そして、音響整
合層4としての一層目4aをガラスの貼着として、2層
目の樹脂4bを半田7(ab)を含めて全面的に塗布す
る。そして、表面を研磨して半田7(ab)とともに二
層目4aを平坦にする。一層目4a及び2層目4bとも
に超音波周波数のλ/4の厚みとし、半田7(ab)の
厚みをλ/2とする。 【0013】このようなものでは、圧電素子1の両端側
は半田を付加され、音響整合層4の形成された中央部分
より、質量が増大する。したがって、圧電素子1の振動
領域は中央部分が支配的となり、両端側は質量負荷によ
り振動を抑制される。これにより、圧電素子1における
超音波送受波領域の有効長は中央部分となる。 【0014】このことから、圧電素子1の長さを短くし
たことと等価になり、音響レンズ5とともら焦点距離F
を小さくできる。また、圧電素子1の長さ自体は変わる
ことがないので、電極間容量C0は一定に維持できる。
したがって、電極間容量C0の減少による、送信時のパ
ルス電圧の漏れ及び受信時の内部抵抗の増大を来すこと
なく、近距離の断層像を得ることができてしかも感度を
高めることができる。 【0015】 【他の事項】上記実施例では、圧電素子1の両端側に半
田7(ab)を塗布したが、一端部であったとしてもよ
い。但し、超音波探触子の対称性からすると、両端側に
均等に設けた方がよい。また、質量はり半田7(ab)
としたが、これに限らず基本的には音響整合層4より比
重の大きい材料であればよい。 【0016】また、音響整合層4は一層目4aをガラス
の貼着とし二層目4bを樹脂のコーティングとしたが、
例えば樹脂のコーティングによる一層としても三層以上
としてもよい。また、半田7(ab)の間に一層目4a
を設けて二層目4bを形成してもよい。 【0017】また、音響整合層4上に音響レンズ5を設
けて構成したが、両端側の半田7(ab)の塗布領域を
大きくして、圧電素子3の超音波送受波領域の有効長を
短くして近距離音場特性を得るようにしてもよい。この
場合、音響レンズ5を除去できる。 【0018】また、超音波探触子として説明したが、こ
れらは形状的には平面状であっても曲面状であっても、
また駆動方式としてはセクタでもリニアでもそれ以外で
もよく、形状及び駆動方式には拘わらず適用できる。 【0019】本発明は、要するに圧電素子1の少なくと
も一端側を質量負荷により抑制して、超音波送受波領域
の有効長を実質的減少してこれにより感度を維持したこ
とを趣旨とするもので、このような趣旨に基づくもの本
発明の技術的範囲に基本的に属する。 【0019】 【発明の効果】本発明は、圧電素子の端部に質量を付加
して振動を抑制し、圧電素子の超音波送受波部の有効長
を制御したので、焦点距離を制御してしかも感度を良好
とした超音波探触子を提供できる。
面図である。 【図2】本発明の一実施例を説明する超音波探触子の側
断面図である。 【図3】本発明の他の実施例を説明する超音波探触子の
側断面図である。 【図4】本発明のさらに他の実施例を説明する超音波探
触子の側断面図である。 【図5】従来例を説明する超音波探触子の正断面図であ
る。 【図6】従来例を説明する超音波探触子の側断面図であ
る。 【図7】同図(a)は同軸ケーブルの図、同図(b)は
圧電素子の断面図である。 【図8】従来例の問題点を説明する模式的な回路図であ
る。 【図9】従来例の問題点を説明する模式的な回路図であ
る。 【符号の説明】 1 圧電素子、2 バッキング材、3 電極、4 音響
整合層、5 音響レンズ、6 同軸ケーブル、7 半
田.
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】圧電素子の端部に質量を付加して振動を抑
制し、前記圧電素子における超音波送受波部の有効長を
制御したことを特徴とする超音波探触子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35391498A JP3507715B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 超音波探触子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35391498A JP3507715B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 超音波探触子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000157543A JP2000157543A (ja) | 2000-06-13 |
JP3507715B2 true JP3507715B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=18434084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35391498A Expired - Fee Related JP3507715B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 超音波探触子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3507715B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP2003000591A (ja) * | 2001-06-18 | 2003-01-07 | Ueda Japan Radio Co Ltd | 超音波振動子、及びその製造方法 |
DE102008009626A1 (de) * | 2008-02-18 | 2009-08-27 | Advalytix Ag | Verfahren zur Zustandsüberprüfung einer Pipette, Pipettierverfahren, Pipettiervorrichtung und Saugrohr für eine Pipettiervorrichtung |
-
1998
- 1998-11-27 JP JP35391498A patent/JP3507715B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000157543A (ja) | 2000-06-13 |
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