JP3507461B2 - 錫−ビスマス合金メッキ装置及びメッキ方法 - Google Patents

錫−ビスマス合金メッキ装置及びメッキ方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被メッキ部材に錫
−ビスマス合金メッキを施す錫−ビスマス合金メッキ装
置及びメッキ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業の発達に伴い、I
C(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の電子部
品を実装するプリント配線板の需要が急激に増加してい
るが、電子機器の小型化、軽量化、高機能化が要望さ
れ、これら電子部品の実装方法として、最近ではTAB
テープ、T−BGAテープおよびASICテープ等の電
子部品実装用フィルムキャリアテープを用いた実装方式
が採用されている。特に、パーソナルコンピュータなど
のように、高精細化、薄型化、液晶画面の額縁面積の狭
小化が要望されている液晶表示素子(LCD)を使用す
る電子産業や、最近ではインクジェットプリンターのヘ
ッド搭載部においてもTABテープ等の電子部品実装用
フィルムキャリアテープが使用されている。
【0003】ここで、このような電子部品実装用フィル
ムキャリアテープの一例として、TABテープについて
説明する。
【0004】TABテープとしては、一般的に、連続し
た絶縁フィルム上に極めて薄い導電層を、金属箔を接着
又はスパッタリングや真空蒸着法あるいは無電界メッキ
により設け、この導電層を所定形状にパターニングした
ものに電気メッキを施すことにより導電層上にメッキ層
を設け、これにより絶縁フィルム上に導電層及びメッキ
層からなる配線パターンが形成されたものが知られてい
る。
【0005】このような電気メッキによるメッキ層は、
従来では錫−鉛合金で形成していたが、国際的な鉛フリ
ー化によって錫−ビスマス合金に変更されてきた。
【0006】従来の錫−鉛合金のメッキ層の形成では、
メッキ装置に錫−鉛合金アノードを用いてメッキ液中の
金属を補充するのに対し、この錫−ビスマス合金による
メッキ層の形成では、メッキ装置に純錫のアノードを用
いて、ビスマスを化合物としてメッキ液中に補充してメ
ッキ層を形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の錫−ビスマス合
金からなるメッキ層では、ビスマスを低濃度(約2〜5
%)の組成で形成していたが、ビスマスを高濃度(約1
0〜20%)の組成で形成してメッキ層の融点を下げた
いという要望がある。
【0008】しかしながら、錫−ビスマス合金のビスマ
スを高濃度の組成で形成するためには、メッキ液中のビ
スマスを高濃度にしなくてはならないが、ビスマスを高
濃度にするとメッキ液中のビスマスは純錫のアノードに
置換析出してしまい、メッキ液中の錫−ビスマスの比率
が変化してメッキ層の組成を一定にすることができない
という問題がある。
【0009】また、メッキ液中に溶け出さない不溶性の
アノードを用いたメッキ装置では、ビスマスのアノード
への置換析出は防止できるものの、錫も化合物としてメ
ッキ液に補充する必要がありメッキ液の組成管理が煩雑
になると共に錫が酸化されて沈殿となってメッキ液中に
浮遊する等の問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、ビスマ
スを高濃度の組成で形成することができると共に安定し
たビスマス濃度の錫−ビスマス合金メッキを施すことが
できる錫−ビスマス合金メッキ装置及びメッキ方法を提
供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬
されるアノードとカソードとを具備し、前記アノード及
びカソードに電圧を印加することにより前記メッキ液中
に保持した被メッキ部材に錫−ビスマス合金メッキを施
す錫−ビスマス合金メッキ装置において、前記アノード
が、錫製の錫アノードと前記メッキ液中に溶け出さない
不溶性アノードとからなり、前記不溶性アノードの面積
が全体のアノード面積の70〜90%であることを特徴
とする錫−ビスマス合金メッキ装置にある。
【0012】かかる第1の態様では、錫アノードにビス
マスが置換析出される量を減少させて、メッキ液中のビ
スマス濃度及び錫濃度を常に安定させて、ビスマス濃度
が高濃度で組成の安定した錫−ビスマス合金からなるメ
ッキ層を容易に形成することができる。
【0013】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記被メッキ部材が、連続する絶縁フィルムの表面
に導電層からなる配線パターンが設けられたフィルムキ
ャリアテープであることを特徴とする錫−ビスマス合金
メッキ装置にある。
【0014】かかる第2の態様では、フィルムキャリア
テープの配線パターン上に容易に且つ確実に錫−ビスマ
ス合金からなるメッキ層を形成することができる。
【0015】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記メッキ装置が前記メッキ槽に保持したメッキ液
に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に亘って搬
送する搬送手段を有し、該搬送手段により搬送しながら
前記導電層上に連続的に錫−ビスマス合金メッキを施す
ことを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ装置にある。
【0016】かかる第3の態様では、フィルムキャリア
テープの配線パターン上に錫−ビスマス合金メッキから
なるメッキ層を連続して形成することができ、製造工程
を簡略化して製造時間を短縮することができる。
【0017】本発明の第4の態様は、メッキ槽に保持し
たメッキ液に浸漬されるアノードとカソードとを具備
し、前記アノード及びカソードに電圧を印加することに
より前記メッキ液中に保持した被メッキ部材に錫−ビス
マス合金メッキを施す錫−ビスマス合金メッキ方法にお
いて、前記アノードが、錫製の錫アノードと前記メッキ
液中に溶け出さず且つ全体のアノード面積の70〜90
%の面積である不溶性アノードとからなり、前記メッキ
液にビスマス化合物の補充を行いながらメッキ加工を施
すことを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ方法にあ
る。
【0018】かかる第4の態様では、錫アノードにビス
マスが置換析出される量を減少させて、メッキ液中のビ
スマス濃度及び錫濃度を常に安定させて、ビスマス濃度
が高濃度で組成の安定した錫−ビスマス合金からなるメ
ッキ層を容易に形成することができる。
【0019】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記被メッキ部材が、連続する絶縁フィルムの表面
に導電層からなる配線パターンが設けられたフィルムキ
ャリアテープであることを特徴とする錫−ビスマス合金
メッキ方法にある。
【0020】かかる第5の態様では、フィルムキャリア
テープの配線パターン上に容易に且つ確実に錫−ビスマ
ス合金からなるメッキ層を形成することができる。
【0021】本発明の第6の態様は、第5の態様におい
て、前記被メッキ部材を前記メッキ槽に保持したメッキ
液に浸漬させた状態で当該メッキ槽の長手方向に亘って
搬送しながら前記導電層上に連続的に錫−ビスマス合金
メッキを施すことを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ
方法にある。
【0022】かかる第6の態様では、フィルムキャリア
テープの配線パターン上に錫−ビスマス合金メッキから
なるメッキ層を連続して形成することができ、製造工程
を簡略化して製造時間を短縮することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0024】(実施形態)図1は、一実施形態に係る錫
−ビスマス合金メッキ装置の概略斜視図であり、図2
は、錫−ビスマス合金メッキ装置の上面図である。
【0025】図1及び2に示すように、本実施形態の錫
−ビスマス合金メッキ装置40は、メッキ液41を保持
するメッキ槽42を具備する。
【0026】このメッキ槽42は、略矩形断面形状で長
手方向に延びる樋形状に形成されている。このようなメ
ッキ槽42には、フィルムキャリアテープなどのテープ
状の被メッキ部となる配線パターン等を有する被メッキ
体1が、その内部で起立した状態でメッキ液41中に浸
漬されながら、図示しない搬送手段によって連続的に搬
送される。具体的には、メッキ槽42の長手方向両側の
壁41a、41bには、それぞれ、スリット部42A、
42Bが設けられており、被メッキ体1は、このメッキ
槽42の一方の壁41aに設けられたスリット部42A
からメッキ槽42内の幅方向略中央を長手方向に亘って
搬送され、他方の壁41bに設けられたスリット部42
Bを介してメッキ槽42の外側に搬送されるようになっ
ている。
【0027】また、メッキ槽42内には、被メッキ体1
の両側に、被メッキ体1の表面に対峙するように所定の
距離離間して、陽極(アノード)43を構成する錫製の
錫アノード44と、メッキ液中に溶け出さない不溶性ア
ノード45とが設けられている。
【0028】錫製の錫アノード44は、メッキ液41中
に溶け出してメッキ層21bを形成するものであり、例
えば、99.9〜99.5%の純錫で形成されている。
【0029】また、不溶性アノード45は、メッキ液4
1に溶け出さない電極であれば、特に限定されず、例え
ば、チタン、白金メッキチタン及びステンレス等を挙げ
ることができる。
【0030】このような不溶性アノード45のメッキ液
41中に浸漬される部分の全面積は、アノード43全体
のメッキ液41中に浸漬された部分の全面積に対して7
0〜90%が好ましい。この不溶性アノード45以外が
錫アノード44の面積となる。すなわち、錫アノード4
4のメッキ液41中に浸漬される部分の面積は、アノー
ド43全体のメッキ液41中に浸漬された部分の全面積
に対して10〜30%となる。
【0031】このような錫アノード44及び不溶性アノ
ード45は、複数に分割されて交互に配置されており、
別途図示しない電源に接続されている。ここで、錫アノ
ード44と不溶性アノード45とで構成されるアノード
43の長手方向の長さは、メッキ槽42の長手方向の長
さよりも短く、メッキ槽42の長さの50〜80%が好
ましく、特に60〜70%が好適である。
【0032】また、このような錫−ビスマス合金メッキ
装置40では、陰極(カソード)は、被メッキ体1上に
設けられる配線パターンなどの被メッキ部であり、被メ
ッキ部は、メッキ槽42の外側に設けられたロール状の
コンタクトロール46を介して図示しない電源にそれぞ
れ接続されている。
【0033】このような錫−ビスマス合金メッキ装置4
0では、図示しない搬送手段によって被メッキ体1を移
動させて、アノード43を構成する錫アノード44及び
不溶性アノード45と、コンタクトロール46を介して
カソードとなる被メッキ部との間に電圧を印加すること
により、被メッキ部上に錫−ビスマス合金からなるメッ
キ層を形成することができる。
【0034】また、このような錫−ビスマス合金メッキ
装置40では、メッキ液41のビスマスがメッキ層とし
て被メッキ部上に析出されるため、常に一定のビスマス
濃度のメッキ層を形成するにはメッキ液41にビスマス
化合物を補充する必要がある。このビスマス化合物とし
ては、例えば、アルカンスルホン酸系またはアルカノー
ルスルホン酸系の3価のビスマス化合物を挙げることが
できる。このようなビスマス化合物をメッキ液41中に
補充することにより、一定のビスマス濃度(約10〜2
0%)の組成である錫−ビスマス合金からなるメッキ層
を容易に形成することができる。
【0035】ここで、本発明の錫−ビスマス合金メッキ
装置40によってメッキされる被メッキ体となる半導体
パッケージの一例について説明する。
【0036】図3は、一実施形態に係る電子部品実装用
フィルムキャリアテープの一例を示す概略平面図であ
り、図4は、図3のフィルムキャリアテープに電子部品
を実装した状態のA−A′断面図である。
【0037】図3及び図4に示すように、本実施形態の
フィルムキャリアテープ10は、TABテープであり、
テープ状の絶縁フィルム11の一方面に、複数の配線パ
ターン12が連続的に形成されている。絶縁フィルム1
1は、幅方向両側に移送用のスプロケット孔13を一定
間隔で有し、一般的には、移送されながらIC等の電子
部品30が実装され、電子部品30実装後、各配線パタ
ーン12毎に切断される。なお、このようなフィルムキ
ャリアテープ10は、電子部品30が実装された後、各
配線パターン12毎に切断される場合と、各配線パター
ン12毎に切断された後、電子部品30が実装される場
合がある。
【0038】また、絶縁フィルム11の幅方向両端部に
は、スプロケット孔13が設けられているが、絶縁フィ
ルム11にスプロケット孔13と共に位置合わせのため
の貫通孔、不良パッケージ表示、パッケージ外形などの
種々の目的に合わせた貫通孔を形成することもできる。
【0039】この配線パターン12は、実装する電子部
品30と接続するデバイス側接続端子14と、外部と接
続する入力側外部接続端子15及び出力側外部接続端子
16とを除く領域が、ソルダーレジスト層17によって
覆われている。
【0040】ここで、絶縁フィルム11としては、可撓
性を有すると共に耐薬品性及び耐熱性を有する材料を用
いることができる。かかる絶縁フィルム11の材料とし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等を挙げ
ることができ、特に、ビフェニル骨格を有する全芳香族
ポリイミド(例えば、商品名:ユーピレックス;宇部興
産(株))が好ましい。なお、絶縁フィルム11の厚さ
は、一般的には、25〜125μm、好ましくは、50
〜75μmである。
【0041】このような絶縁フィルム11は、配線パタ
ーン12の所定の領域にデバイスホール18がパンチン
グにより形成されている。配線パターン12のデバイス
側接続端子14は、デバイスホール18の縁部からデバ
イスホール18内に突出するように設けられており、こ
のデバイス側接続端子14には、例えば、金(Au)か
らなるバンプ31を介して電子部品30が接続されてい
る。詳しくは、電子部品30は、デバイスホール18よ
りも小さな外形を有し、電子部品30の電極32に施さ
れたバンプ31を介してデバイスホール18内に突出し
たデバイス側接続端子14と電気的に接続されている。
【0042】配線パターン12は、絶縁フィルム11に
形成されたデバイスホール18及びスプロケット孔13
などが形成された一方の面に、一般的には、銅やアルミ
ニウムからなる導電体箔などの導電層20をパターニン
グすることにより形成される。このような導電層20
は、絶縁フィルム11上に直接積層しても、接着剤層を
介して熱圧着等により形成してもよい。導電層20の厚
さは、例えば、6〜70μm、好ましくは、8〜35μ
mである。導電体箔からなる導電層20としては、銅
箔、特に、エッチング特性、操作性などを考慮すると、
電解銅箔が好ましい。
【0043】なお、絶縁フィルム11上に導電体箔を設
けるのではなく、導電体箔に、例えば、ポリイミド前駆
体を塗布し、焼成してポリイミドフィルムからなる絶縁
フィルムとすることもできる。
【0044】また、絶縁フィルム11上に設けられた導
電層20は、フォトリソグラフィー法により、デバイス
側接続端子14、入力側外部接続端子15及び出力側外
部接続端子16を含む配線パターン12としてパターニ
ングされる。すなわち、フォトレジスト層を塗布した
後、フォトレジスト層をフォトマスクを介してエッチン
グ液で化学的に溶解(エッチング処理)して除去し、さ
らにフォトレジストをアルカリ液等にて溶解除去するこ
とにより導電体箔をパターニングする。
【0045】次いで、このようにエッチングによりパタ
ーニングされた配線パターン12上には、ソルダーレジ
スト材料塗布液が塗布され、所定のパターニングによ
り、ソルダーレジスト層17が形成される。
【0046】さらに、ソルダーレジスト層17により覆
われていない配線パターン12上、すなわち、デバイス
側接続端子14、入力側外部接続端子15及び出力側外
部接続端子16上には、メッキ層21が形成される。具
体的には、デバイス側接続端子14上には、錫からなる
メッキ層21aが設けられ、入力側外部接続端子15及
び出力側外部接続端子16上には、錫からなるメッキ層
21aとこの上に錫−ビスマス合金からなるメッキ層2
1bとが設けられている。この錫−ビスマス合金からな
るメッキ層21bは、上述した錫−ビスマスメッキ装置
40によってビスマス濃度が高濃度(約10〜20%)
の組成で形成されており、これにより、メッキ層21b
の融点を下げることができる。
【0047】そして、本実施形態では、錫−ビスマス合
金メッキ装置40によって入力側外部接続端子15及び
出力側外部接続端子16に錫−ビスマス合金からなるメ
ッキ層21bが形成されるため、このメッキ層21bに
よってこれら各接続端子15及び16と、駆動素子及び
回路基板等とを容易に且つ確実に接続することができ
る。
【0048】なお、絶縁フィルム11上に設けられた配
線パターン12には、絶縁フィルム11の幅方向両側
に、入力側外部接続端子15及び出力側外部接続端子1
6のそれぞれに亘ってメッキリード12aが形成される
ようにパターニングされている。
【0049】この絶縁フィルム11の幅方向両側に設け
られたメッキリード12aは、絶縁フィルム11上で導
通するように設けられている。本実施形態では、例え
ば、各配線パターン12の間に導電層20をパターニン
グすることにより導通部12bを形成して両側のメッキ
リード12aを導通し、メッキリード12aを上述した
錫−ビスマス合金メッキ装置40のコンタクトロール4
6と接触させることにより、コンタクトロール46を介
して配線パターン12に給電するようになっている。
【0050】ここで、このように絶縁フィルム11上の
ソルダーレジスト層17によって覆われていない配線パ
ターン12、すなわち、デバイス側接続端子14、入力
側外部接続端子15及び出力側外部接続端子16上にメ
ッキ層21を施す方法についてついて詳しく説明する。
なお、図5は、錫−ビスマス合金メッキ装置に絶縁フィ
ルムを搬送した際の長手方向の断面図である。
【0051】まず、配線パターン12上、すなわち、デ
バイス側接続端子14、入力側外部接続端子15及び出
力側外部接続端子16上に、従来のメッキ装置によって
錫からなるメッキ層21aを形成する。このメッキ層2
1aを形成した後、図5に示すように、錫−ビスマス合
金メッキ装置40によって、入力側外部接続端子15及
び出力側外部接続端子16上に形成されたメッキ層21
a上に、錫−ビスマス合金からなるメッキ層21bを形
成する。
【0052】このようなメッキ槽42内に起立した状態
で搬送された絶縁フィルム11は、配線パターン12の
幅方向の入力側外部接続端子15又は出力側外部接続端
子16の何れか一方がメッキ液41に浸漬されるように
なっている。すなわち、本実施形態の錫−ビスマス合金
メッキ装置40では、メッキ槽42内には、メッキ液4
1の液面が絶縁フィルム11のデバイスホール18より
下となる量で保持されており、入力側外部接続端子15
及び出力側外部接続端子16上の両方にメッキ層21b
を形成するには、二度絶縁フィルム11を錫−ビスマス
合金メッキ装置40に通してメッキ加工を施す必要があ
る。
【0053】また、コンタクトロール46は、別途図示
しない電源に接続されており、絶縁フィルム11上に設
けられたメッキリード12aに接触することで、導通部
12bを介して配線パターン12に給電するようになっ
ている。すなわち、本実施形態では、配線パターン12
がメッキ層21bを形成するための陰極(カソード)で
ある被メッキ部となっている。
【0054】このようにすることで、配線パターン12
のソルダーレジスト層17が形成されていない領域、す
なわち、メッキ液41に浸漬された被メッキ部である入
力側外部接続端子15及び出力側外部接続端子16上に
錫−ビスマス合金メッキからなるメッキ層21bを容易
に形成することができる。
【0055】なお、本実施形態では、錫−ビスマス合金
メッキ装置40によってメッキされる被メッキ体1とし
てフィルムキャリアテープであるTABテープを例示し
たが、勿論、これに限定されず、本発明の錫−ビスマス
合金メッキ装置及びメッキ方法をT−BGA(Tape Bal
l Grid Array)テープ、テープCSP(Chip Size Pack
age)、ASIC(Application Specific Integrated C
ircuit)テープなどの各種半導体パッケージ等に適用で
きることは言うまでもない。
【0056】以下に、上述した一実施形態の錫−ビスマ
ス合金メッキ装置40の錫アノード44と不溶性アノー
ド45との面積比を変更した実施例1、2及び比較例1
〜4を例示し、それぞれの装置で形成されるメッキ層2
1bの組成の計測を行った。このような実施例、比較例
及び試験例を以下に詳細に説明する。
【0057】(実施例1)実施例1では、上述した一実
施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40のアノード4
3全体がメッキ液41中に浸漬される部分の全面積に対
して、不溶性アノード45のメッキ液41中に浸漬され
る部分の面積を70%とし、錫アノード44のメッキ液
41中に浸漬される部分の面積を30%とした。
【0058】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0059】(実施例2)実施例2では、上述した一実
施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40のアノード4
3全体がメッキ液41中に浸漬される部分の全面積に対
して、不溶性アノード45のメッキ液41中に浸漬され
る部分の面積を90%とし、錫アノード44のメッキ液
41中に浸漬される部分の面積を10%とした。
【0060】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0061】(比較例1)比較例1では、比較のため、
上述した一実施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40
に不溶性アノード45を設けずに、錫アノード44のみ
を設けた。すなわち、不溶性アノード45がメッキ液4
1中に浸漬される部分の面積を0%とし、錫アノード4
4がメッキ液41中に浸漬される部分の面積を100%
とした。
【0062】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0063】(比較例2)比較例2では、比較のため、
上述した一実施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40
のアノード43全体がメッキ液41中に浸漬される部分
の全面積に対して、不溶性アノード45のメッキ液41
中に浸漬される部分の面積を30%とし、錫アノード4
4のメッキ液41中に浸漬される部分の面積を70%と
した。
【0064】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0065】(比較例3)比較例3では、上述した一実
施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40のアノード4
3全体がメッキ液41中に浸漬される部分の全面積に対
して、不溶性アノード45のメッキ液41中に浸漬され
る部分の面積を60%とし、錫アノード44のメッキ液
41中に浸漬される部分の面積を40%とした。
【0066】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0067】(比較例4)比較例4では、比較のため、
上述した一実施形態の錫−ビスマス合金メッキ装置40
に錫アノード44を設けずに、不溶性アノード45のみ
を設けた。すなわち、不溶性アノード45がメッキ液4
1中に浸漬される部分の面積を100%とし、錫アノー
ド44がメッキ液41中に浸漬される部分の面積を0%
とした。
【0068】このときのメッキ液41の組成は、錫55
g/L、ビスマス36g/Lとした。
【0069】(試験例1)上述した実施例1及び2と比
較例1〜4との錫−ビスマス合金メッキ装置40に、被
メッキ体として配線パターン12の形成された絶縁フィ
ルム11を浸漬させ、5AH/L(メッキ液1Lに対し
て、5Aの電流を1時間流した)後のメッキ液中の金属
濃度の分析と、錫アノード44に置換析出されたビスマ
スの組成の分析と、配線パターン12上に形成されたメ
ッキ層21bのメッキ直後及び5AH/L後のビスマス
濃度の分析とを行った。この結果を下記表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1に示すように、実施例1及び2では、
錫アノード44にビスマスが殆ど置換されていないこと
が分かる。また、実施例1及び2では、5AH/L後の
メッキ層21bでもビスマス濃度を15%に保つことが
できた。これに対して、比較例1〜3では、メッキ液4
1中のビスマスが殆ど錫アノード44に置換析出されて
しまい、メッキ始めではメッキ層21bのビスマス濃度
は16%だが、錫アノード44に多くのビスマスが置換
析出されたことによりメッキ液41中のビスマスが著し
く減少して、5AH/L後のメッキ層21bのビスマス
濃度が5〜12%となりメッキ層21bのビスマス濃度
の組成にバラツキが発生してしまう結果となった。
【0072】また、比較例4では、錫アノード44にビ
スマスは殆ど置換析出されないものの、錫が著しく減少
すると共にメッキ液41が白濁してしまい、メッキ液4
1中に錫の補充が必要となってしまう。この錫の補充で
は、メッキ液41の液管理が煩雑となってしまった。
【0073】また、上述した実施例1及び2の錫−ビス
マス合金メッキ装置において、メッキ液41にビスマス
化合物を補充しながら、1000AH/Lメッキ加工を
行ったが、メッキ液41中の錫濃度の変化はなく、白濁
も見られなかった。また、メッキ層21bのビスマス濃
度も16%とメッキ始めに比べて変動が起きなかった。
【0074】このように、不溶性アノード45のメッキ
液41中に浸漬される面積を、全体のアノード43のメ
ッキ液41中に浸漬される面積に対して70〜90%と
することで、錫アノード44に置換析出するビスマスを
減少させてビスマス濃度が高濃度(約16%)で安定し
た錫−ビスマス合金からなるメッキ層21bを容易に形
成することができる。また、メッキ液41の組成管理が
煩雑になることがなく、メッキ工程を簡略化することが
できる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、アノ
ードとして錫からなる錫アノードとメッキ液に溶け出さ
ない不溶性アノードとを設け、不溶性アノードのメッキ
液中に浸漬した部分の面積をアノード全体のメッキ液中
に浸漬された部分の全面積の70〜90%としたため、
錫アノードに置換析出される錫を減少させて、ビスマス
濃度が高濃度で組成の安定したメッキ層を容易に且つ確
実に形成することができる。また、メッキ液の組成管理
が煩雑になることがなく、メッキ工程を簡略化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る錫−ビスマス合金メ
ッキ装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る錫−ビスマス合金メ
ッキ装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープの概略構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープに電子部品を実装した際の断面図で
あり、図3のA−A′断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る錫−ビスマス合金メ
ッキ装置に絶縁フィルムを搬送した際の長手方向の断面
図である。
【符号の説明】
1 被メッキ体 10 フィルムキャリアテープ 11 絶縁フィルム 12 配線パターン 12a メッキリード 12b 導通部 13 スプロケット孔 14 デバイス側接続端子 15 入力側外部接続端子 16 出力側外部接続端子 17 ソルダーレジスト層 20 導電層 21、21a、21b メッキ層 30 電子部品 40 錫−ビスマス合金メッキ装置 41 メッキ液 42 メッキ槽 43 アノード 44 錫アノード 45 不溶性アノード 46 コンタクトロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−144240(JP,A) 特開 平2−88790(JP,A) 特開 平2−175894(JP,A) 特開 昭50−149545(JP,A) 特開2001−40497(JP,A) 特開 平6−146087(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 7/06 C25D 7/12 C25D 17/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬され
    るアノードとカソードとを具備し、前記アノード及びカ
    ソードに電圧を印加することにより前記メッキ液中に保
    持した被メッキ部材に錫−ビスマス合金メッキを施す錫
    −ビスマス合金メッキ装置において、 前記アノードが、錫製の錫アノードと前記メッキ液中に
    溶け出さない不溶性アノードとからなり、前記不溶性ア
    ノードの面積が全体のアノード面積の70〜90%であ
    ることを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記被メッキ部材
    が、連続する絶縁フィルムの表面に導電層からなる配線
    パターンが設けられたフィルムキャリアテープであるこ
    とを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記メッキ装置が前
    記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当該
    メッキ槽の長手方向に亘って搬送する搬送手段を有し、
    該搬送手段により搬送しながら前記導電層上に連続的に
    錫−ビスマス合金メッキを施すことを特徴とする錫−ビ
    スマス合金メッキ装置。
  4. 【請求項4】 メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬され
    るアノードとカソードとを具備し、前記アノード及びカ
    ソードに電圧を印加することにより前記メッキ液中に保
    持した被メッキ部材に錫−ビスマス合金メッキを施す錫
    −ビスマス合金メッキ方法において、 前記アノードが、錫製の錫アノードと前記メッキ液中に
    溶け出さず且つ全体のアノード面積の70〜90%の面
    積である不溶性アノードとからなり、前記メッキ液にビ
    スマス化合物の補充を行いながらメッキ加工を施すこと
    を特徴とする錫−ビスマス合金メッキ方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記被メッキ部材
    が、連続する絶縁フィルムの表面に導電層からなる配線
    パターンが設けられたフィルムキャリアテープであるこ
    とを特徴とする錫−ビスマス合金メッキ方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記被メッキ部材を
    前記メッキ槽に保持したメッキ液に浸漬させた状態で当
    該メッキ槽の長手方向に亘って搬送しながら前記導電層
    上に連続的に錫−ビスマス合金メッキを施すことを特徴
    とする錫−ビスマス合金メッキ方法。
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