JP3506409B2 - スプール型流量制御弁 - Google Patents
スプール型流量制御弁Info
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Description
とスリーブの円周溝による弁空間に、制御流れがスプー
ルのステムから制御オリフィスを介して流入する流路構
造の流量制御弁の流体力補償方法およぴスプール型流量
制御弁に関する。
スプールの摺動性を向上させるために、静圧軸受によっ
てスプールを支持する方法が知られている。例えば、本
出願人は静圧軸受を用いた液圧電磁比例制御弁を特願平
8−182016号(特開平10−26251号公報)
にて提案している。
一例を示す断面図である。図13において、スプール1
がスリーブS内に摺動自在に嵌装され、スプールの両端
部には静圧軸受19が設けられている。静圧軸受19に
ポートPからの圧力流体を分岐して供給することによ
り、スプールをスリーブとは非接触になるよう支持して
いる。スプール1はソレノイド等のスプール駆動手段D
により図示の中立位置から左右方向に駆動され、ランド
2、2a、2bによって弁開度を調整し、各ポートP、
17、18間を流れる流量を制御している。
と中央部とに大径のランド2、2a及び2bと小径のス
テム3、3aとを有し、ランド2、2bが静圧軸受によ
り支持される。なお、図11に示したスプールは一般的
な形状で、後記する流体力補償をしていないものであ
る。
るとき、弁を閉じようとする方向に流体力が作用する。
図12はスプールが中立位置から右方向に移動し、ポー
ト17から18に流体が流れている状態を示している。
図12において、弁空間15内を流体が矢印fのように
流れるとき、スプール1のステム3を挾む両壁面に異な
る圧力分布が生じる。この圧力分布の不均衡が結果とし
てスプール1に弁を閉じようとする方向の力Fとしてス
プールに作用する。
から変位させるために大きな力が必要になり、スプール
を駆動するために出力が大な駆動手段が必要になる。駆
動出力が不十分な場合は、スプールを移動させることが
できず、弁の動作不良という問題が生じる。
起こして弁機能に支障を来たす場合がある。
スプールのランドに周溝を形成し、スリーブとの円周溝
によって形成されるバケットと称される弁空間に旋回流
を生じさせる方法が知られている。この方法の場合、旋
回流が生じない場合には流体力を補償することはできな
い。
ブの円周溝やスプール周溝の形状、すなわち、バケット
の形状を種々変えて、所望の旋回流が得られるように試
みられているが、形状が複雑になり、正確に加工するの
は厄介であり面倒な作業であった。特に、スリーブの円
周溝は内円筒面への加工であるため、製作が困難であ
る。
複雑な形状にすることなく、所望の旋回流を生じさせる
ことができるスプール型流量制御弁を提供することを目
的としている。
ル(1)をスリーブ(S)内に支持する静圧軸受(1
9)を備えたスプール型流量制御弁において、スプール
(1)の両端のランド(2、2b)にはそれぞれ周溝
(4、4b)が形成されており、前記ランド(2、2
b)とスリーブ(S)の周溝(12)とによる弁空間
(16)に対してスプール(1)のステム(3)から制
御オリフィス(21)を介して流入する流れ(h)と前
記静圧軸受(19)からの流れ(g)が流入する流路構
造を有し、前記両端のランド(2、2b)に設けた周溝
(4、4b)は前記弁空間(16)に位置しており、そ
の周溝(4、4b)の静圧軸受(19)側の壁面(1
0)が中立位置においてスリーブ(S)の弁空間(1
6)の静圧軸受(19)側の壁面(12)より静圧軸受
(19)側に位置し、以って前記静圧軸受(19)から
の流れ(g)がスプールの周溝(4、4b)の底部
(7)に向って流れ、弁空間(16)において、制御流
れが旋回流を形成して周溝(4、4b)に静圧軸受(1
9)側の力(Fr)が生ずるようになっている。
の制御オリフィス側に傾斜面を設けてある。
実施の形態を説明する。
弁のスプールを示し、全体を符号1で示すスプールは両
端のランド2、2b及びセンタのランド2aとステム
3、3aとから構成されており、ランド2及び2bのセ
ンタのランド2a側には周溝4、4bが形成されてい
る。
納めた状態を示す部分拡大断面図である。ランド2に設
けられた全体を符号4で示す周溝は、制御オリフィス部
21側(センタランド側)に設けられており、ランド2
と同径の平行部5を残し、周溝4の底部7に穏やかな傾
斜でつながる傾斜部6と、底部7と円弧状部8で接続さ
れるランド2の周溝壁面10とで形成されている。
プール1の周溝4の周溝壁面10はスリーブSの円周溝
壁面12より距離dだけ外側になるように構成されてい
る。
はランドの弁空間、17は戻りポート、18は制御ポー
ト、19は静圧軸受のポケット、20は静圧軸受絞りを
それぞれ示している。
について説明する。
含む断面(図4のA−A断面)における流れの状態を示
している。制御ポート18からの圧力流体がスプール1
のステムの弁空間15に流れ(圧力流体の流れは矢印で
示す)、制御オリフィス部21を介して、ランド2の弁
空間16へfで示すように流出し、戻りポートヘ流れ
る。ここで、符号gはスプールの両端に設けた静圧軸受
から弁空間16へ流れる軸受流れを示している。
面)での流れの状態を示している。先ず軸受流れgは周
溝4の壁面10がスリーブSの円周溝壁面12より静圧
軸受19側に位置しているので、スプールの軸心へ向か
う流れとなっている。一方、ステムの弁空間15から制
御オリフィス21を介して流出する制御流れhは一旦ス
リーブSの円周溝の底部22に沿ってスリーブの円周溝
壁面21に向かって流れ、次にスプール軸心へ向かう軸
受流れgによって内側へ引き込まれ円弧状部8と底部7
及び傾斜部6に沿う流れが形成される。すなわち、弁空
間16に旋回流が形成される。このように、軸心へ向か
う軸受流れgが、制御流れhを旋回させる補助的な流れ
として作用する。
スプール1の周溝4の周溝壁面10がスリーブSの円周
溝壁面12より外側になるように構成されているためで
ある。スプールが中立位置にあるときにスプールの周溝
壁面10がスリーブの円周溝壁面12より外側になるよ
うに各溝の寸法を決定すれば、スプールが中立位置から
移動して弁が開き、制御流れが形成される側の弁空間に
おいて、常に軸受流れを軸心へ向かう流れにすることが
できる。
り、図6に示すようにスプールの周溝の壁面12と傾斜
面6とに圧力分布が生じる。壁面10と傾斜面6に沿う
流れの速度はほぼ同じであるが、流れる角度が異なり、
緩やかな傾斜面6に沿う流れは、スプール軸方向の速度
成分が大きいため、静圧としては小さな圧力分布f1が
作用する。これに対し、壁面10では、軸方向の速度成
分が小さな流れになるため、静圧としては軸方向に大き
な圧力成分f2を有する分布になる。
布flおよびf2は図6で右方向の流体力Frとしてス
プールに作用する。この右方向の力Frが、ステムの弁
空間15内での流体力Fを打ち消すため、全体として左
向きの流体力Fを低減することができる。
部8は、流れを反転させ、傾斜部6に沿わせるための形
状であり、周溝の底部7の近くでは、穏やかな傾斜部を
有する。しかしながら、穏やかな傾斜部の軸方向への投
影面積(低圧の圧力分布が作用する面積)が小さいため
に、実質的には垂直な壁面と変わらない力が作用する。
このため、この部分に円弧状部を形成することは、流体
力の補償効果への影響を抑えながら、旋回流を生じ易く
するという効果を奏する。
かかる流体力、横軸に流量を示した特性図の一例であ
り、図7は図11で示した従来のスプールの特性、図8
は本発明のスプールを使用した場合の特性である。これ
らの特性から解る通り、従来のスプールを使用した場合
の流体力に比し、本発明においては、流体力が約1/4
に低減されている。すなわち、従来に比し、1/4の発
生力によりスプールを駆動することができる。
下流との差圧を3.5MPaとした場合を示している。
実施の形態を示し、図9は静圧軸受のスリーブ側がテー
パ状Tに形成されたテーパランド軸受であり、図10は
静圧軸受のスリーブ側に段部Vが形成された段付軸受の
場合を示している。
との隙間が大であるD2側から隙間が小であるD1側に
流れる流れによって生じるスプール周方向の圧力分布を
利用して、スプールをスリーブの中心に保つようにして
いるもので、旋回流を形成する補助的な流れである軸受
流れgは第1の実施の形態と同様であり作用効果に変わ
りがない。
弁は供給ポート、戻りポート、および2つの制御ポート
からなる4ポート弁について説明したが、供給ポート、
戻りポート、および1つの制御ポートからなる3ポート
の流量制御弁にも適用することができる。
スプールの軸心へ向かう流れが制御流れを旋回させる補
助的な流れとして作用するため、単純なバケット形状で
安定した旋回流が得られ、スプールの流体力補償が容易
に実現できる。
を小型にすることができ、スプール弁全体を小型軽量に
することができる。
がなくなり、安定して使用することが可能になる。
より大量の流量を制御することが可能になる。
図。
スリーブとの拡大断面図。
説明する図。
Claims (2)
- 【請求項1】 スプール(1)をスリーブ(S)内に支
持する静圧軸受(19)を備えたスプール型流量制御弁
において、スプール(1)の両端のランド(2、2b)
にはそれぞれ周溝(4、4b)が形成されており、前記
ランド(2、2b)とスリーブ(S)の周溝(12)と
による弁空間(16)に対してスプール(1)のステム
(3)から制御オリフィス(21)を介して流入する流
れ(h)と前記静圧軸受(19)からの流れ(g)が流
入する流路構造を有し、前記両端のランド(2、2b)
に設けた周溝(4、4b)は前記弁空間(16)に位置
しており、その周溝(4、4b)の静圧軸受(19)側
の壁面(10)が中立位置においてスリーブ(S)の弁
空間(16)の静圧軸受(19)側の壁面(12)より
静圧軸受(19)側に位置し、以って前記静圧軸受(1
9)からの流れ(g)がスプールの周溝(4、4b)の
底部(7)に向って流れ、弁空間(16)において、制
御流れが旋回流を形成して周溝(4、4b)に静圧軸受
(19)側の力(Fr)が生ずることを特徴とするスプ
ール型流量制御弁。 - 【請求項2】 前記スプールの周溝(4、4b)の制御
オリフィス(21)側に傾斜面(6)を設けた請求項1
に記載のスプール型流量制御弁。
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