JP5982832B2 - ソレノイドバルブ - Google Patents
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Description
具体的には、通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、取付対象物に挿入しつつ取り付けるスリーブと、このスリーブの内部で前記プランジャの作用で往復移動するバルブとを備える。スリーブは筒状であり、その周壁部には複数の流体連通開口を有する。バルブの外周面には、環状に突出する複数のランドが形成してあり、スリーブの往復移動によって前記流体連通開口を連通・遮断して所定の流体供給箇所に対流体の供給制御を行う。
ここでは、樹脂材料として例えばカーボンファイバを添加したポリフェニレンサルファイド樹脂を用いている。樹脂を射出成形してバルブを形成する場合、例えば、射出後の各部の冷却条件が異なるため、完成したバルブに変形が生じる場合がある。この不都合を防止するためにこの従来技術では、内側の金型温度を外側の金型温度に対して10〜40℃低く設定しておき、冷却時の内側の金型への放熱量を多くして、内外双方の金型への放熱量を等しくする手法を採用している。
本発明に係るソレノイドバルブの第1特徴構成は、通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、取付対象物に挿入した状態で取り付けられ、周壁部に複数の流体連通開口を有する筒状のスリーブと、前記プランジャの移動に伴ない、前記スリーブの内周面に沿って摺動可能な、樹脂で構成された筒状のバルブとを備え、
前記バルブが、自身の外周部に環状に突出形成した複数のランドであって、当該複数のランドのうち前記バルブの軸方向に沿って最も外側に位置して前記スリーブの内周面に摺接しない小径ランドと、前記スリーブの内周面に摺接する他の大径ランドと、前記小径ランドとこれに隣接する大径ランドとの間の筒壁部に前記バルブの中央空間と連通するよう形成した第1ドレン孔とを備え、
前記第1ドレン孔に対向する前記スリーブの周壁部に、前記取付対象物の側の空間と連通する第2ドレン孔を形成した点にある。
本構成のごとく、バルブに複数のランドを形成し、そのうち最も外側のランドを小径ランドとすることで、ソレノイドバルブの使用中に仮にバルブに曲がり変形が生じても、スリーブに対するバルブの干渉を抑制することができる。
本発明のソレノイドバルブの第2の特徴構成は、前記バルブが、前記樹脂に強化繊維を含み、前記強化繊維が前記樹脂の表面から突出していない状態に維持した点に特徴を有する。
本構成のごとく、樹脂に強化繊維を含むことで、成形後のバルブの強度が向上し、耐変形性が向上する。さらに、本構成のごとく、強化繊維が前記樹脂の表面から突出していない状態に維持することで、強化繊維の端部がバルブの表面から突出した毛羽立ち状態になるのを防止する。その結果、バルブが摺接するスリーブの磨耗が軽減され、ソレノイドバルブの耐久性を高めることができる。
本発明に係るソレノイドバルブを、以下、図面を用いて説明する。
図1(a)に示すごとく、本発明のソレノイドバルブは、取付対象物1の外側に露出した状態で取り付けられるソレノイド部Aと、取付対象物1の内部に挿入した状態で取り付けられる流路切換部Bとを備えている。
ソレノイド部Aには、通電によって磁界を発生させるコイル2、及び、発生した磁界によってコイル2の中心位置で往復移動するプランジャ3等を備えている。コイル2に供給する電力は、ソレノイド部Aを内包するケース4の端部に設けられたコネクタ5から入力する。
ソレノイドバルブの一方側には、自身の周壁部71に複数の流体連通口72を有する筒状のスリーブ7を設けてある。複数の流体連通口72は、たとえば、当該ソレノイドバルブに入る流体の供給口72aの他に、ソレノイドバルブから他の流体供給先に流体を排出する複数の排出口72bを備えている。
また、スリーブ7は、これら複数の流体連通口72の他に、ドレイン孔を備えている。このドレン孔(第2ドレン孔73)は、複数の流体連通口72の並びの外側に設けてあり、スリーブの外部に漏れ出た余分の流体を排出する機能を有する。この第2ドレン孔73は、後述するバルブ6に備えた第1ドレン孔61に対向しており、ソレノイドバルブの外部に排出可能である。図1(a)に示すごとく、第2ドレン孔73の位置からソレノイド部Aの側には、取付対象物1とスリーブ7との間をシールするOリング9を設けてある。これにより、スリーブ7の外側の余剰の流体がソレノイド部Aの側に漏洩するのを防止している。
バルブ6は、図1(a)に示すごとく円筒形状を呈する。バルブ6は、プランジャ3の押し操作とバネ8の戻し操作とによってスリーブ7の内周面に沿って摺動する。バルブ6の外周部には、環状に突出形成した複数のランドを備えている。図1(a)では三つのランドを示している。このうちバネ8の側に設けた二つのランドLはスリーブ7の内周面に摺接するよう大きな外径を有する。これらを大径ランドL1と称する。一方、プランジャ3の側のランドLは、図1(b)に示すように大径ランドL1に比べて僅かに小径に形成してある。これを小径ランドL2と称する。
これら樹脂のみでバルブ6を構成しても良いが、本実施形態では、これに強化繊維を混入させている。強化繊維としては、例えばカーボン繊維を用いる。カーボン繊維の混入により、樹脂の強度及び剛性を大幅に向上させることができる。
このようにバルブ6を樹脂材料により構成することで、その軽量性のために応答性に優れ、より安価に製造できるバルブ6を得ることができる。
6 バルブ
61 第1ドレン孔
62 筒壁部
7 スリーブ
71 周壁部
73 第2ドレン孔
L ランド
L1 大径ランド
L2 小径ランド
Claims (2)
- 通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、
取付対象物に挿入した状態で取り付けられ、周壁部に複数の流体連通開口を有する筒状のスリーブと、
前記プランジャの移動に伴ない、前記スリーブの内周面に沿って摺動可能な、樹脂で構成された筒状のバルブとを備え、
前記バルブが、
自身の外周部に環状に突出形成した複数のランドであって、当該複数のランドのうち前記バルブの軸方向に沿った最も外側に位置して前記スリーブの内周面に摺接しない小径ランドと、前記スリーブの内周面に摺接する他の大径ランドと、前記小径ランドとこれに隣接する大径ランドとの間の筒壁部に前記バルブの中央空間と連通するよう形成した第1ドレン孔とを備え、
前記第1ドレン孔に対向する前記スリーブの周壁部に、前記取付対象物の側の空間と連通する第2ドレン孔を形成してあるソレノイドバルブ。 - 前記バルブが、前記樹脂に強化繊維を含み、前記強化繊維が前記樹脂の表面から突出していない状態に維持してある請求項1に記載のソレノイドバルブ。
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