JP3505905B2 - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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Description
に使用される非水電解質電池に関するものである。より
詳細には、正電極、負電極及び電解液が封入袋に封入さ
れ、正電極と負電極に接続されたリード線を夫々外部に
取り出す構造の非水電解質電池に関する。
池の小型化、軽量化への要求が強まっている。一方、高
エネルギー密度化、高エネルギー効率化も求められてお
り、リチウムイオン電池などの二次電池への期待が高ま
っている。こうした要求に対して、例えば、特開昭61
−240564号公報にみられるごとく、耐酸性を有す
る熱可塑性樹脂からなる袋に極板群を挿入し、この極板
群を多数個、フィルム状、シート状またはチューブ状合
成樹脂からなる袋状外装体で包み込んで密閉形鉛蓄電池
とする試みが提案されている。
られるごとく、シート状バッテリーの「熱融着しろ」を
出来るだけ少なくして小型化を図り、かつ、リード線金
属を直接プラスチック袋に熱封入するのではなく、あら
かじめリード線に樹脂被覆したものを用いる試みが提案
されている。
0564号公報などで開示されている従来の封入袋に封
入するタイプの電池にあっては、電極の金属の一部を極
柱として外部に取り出し、これを外部との接続に使用し
ているので、この金属のシール部での密封性に不安が残
っていた。
この不安を解消させることを目的として、外部との接続
には、あらかじめ樹脂被覆したリード線を電極につない
だものを用い、リード線の被覆と袋のプラスチックとを
熱融着させて、密封性を改良している。封入袋がプラス
チックのみの場合は、この方法は有効であるが、非水電
解質電池の気密性(電解液の揮発、外部からの水分の浸
入)が得られないため、例えば、リチウムイオン電池等
に適用する場合、サイクル特性が急速に低下する問題が
ある。そして非水電解質電池の気密性を向上させるた
め、封入袋を金属箔とプラスチックとの貼り合せを用い
て作製しようとすると、不具合が生ずる。すなわち、ヒ
ートシールの条件によっては、リード線の導体と封入袋
の金属箔とが短絡するといったトラブルが生じる心配が
ある。これは小型化、薄肉化をはかるため、リード線の
被覆厚さを薄くしようとすると顕在化しやすい。
では、リード線に用いる導体材料に対する配慮がなされ
ていないため、充放電サイクルにおいて、過充電で正電
極の電位が高くなると正電極側に接続されたリード線が
溶解したりして、形状が変化するという問題があった。
また、負電極側に接続されるリード線の導体材料につい
ても、リチウムと合金化しやすい材質のものを利用する
と、リード線が腐食されやすくなり、負電極板との接続
信頼性が低下する問題があった。
電池は、正電極、負電極及び電解液を、金属箔を含む積
層フィルムからなる封入袋に収納し、電極に接続したリ
ード線を外部に取り出す構造の非水電解質電池であっ
て、リード線の取り出し部分を覆うように封入袋のヒー
トシール温度では溶融しない絶縁層を備え、ヒートシー
ル時にリード線の導体と封入袋の金属箔とが短絡を生じ
ないようにしたものである。また、ヒートシール温度で
は溶融しない絶縁層の外側に、封入袋のヒートシール温
度で溶融する絶縁層を備え、封入袋からの取り出し部分
における密封信頼性を高めるようにしたものである。
アルミニウムまたはチタンあるいはこれらの合金で形成
し、負電極に接続されるリード線を、ニッケルまたは銅
あるいはこれらの合金で形成して、リード線の溶解、形
状変化、腐食を防止し、また、リード線を平角導体で形
成して信頼性を高めるようにしている。
より説明する。図1は本発明による非水電解質電池の概
略を説明する図、図2は非水電解質電池の封入袋の内部
を模式的に示した図、図3は非水電解質電池の横断面を
示す図、図4はリード線の取り出し部分を説明する図、
図5はリード線の一例を説明する図である。図中、1,
1’はリード線、2,2’はリード線の絶縁体、3は封
入袋、4は封入袋のシール部分、5は正電極、5’は負
電極、6は隔膜、7,7’は電極導電体、8,8’は活
物質層、9は金属箔(アルミ箔)、10,11は絶縁
層、12は最内層のフィルム、13,14はPE(ポリ
エチレン)層、15はPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)層を示す。
図2に示すように、正電極5及び負電極5’、隔膜6、
電解液を積層フィルムのシール部分4で密封して袋状に
した封入袋3に収納し、電極に接続したリード線1,
1’を外部に取り出す構造の非水電解質電池を対象とす
る。リード線1,1’は、絶縁体2,2’により電気的
に絶縁されて、封入袋3の積層フィルム内に積層されて
いる金属箔と電気的に接触しないようにされる。封入袋
3は、図3に示す如く、直接接触する封入袋3の最内層
のフィルム12(例えば、酸性変性ポリオレフィン層:
LPDE)の周辺部のシール部分4を互いに融着密封す
ることにより作製される。
とリード線1,1’は、リード線1,1’の外周を被覆
する絶縁体2,2’に封入袋3の最内層のフィルム12
を融着させることにより一体化されて、リード線1,
1’が外部に取り出される。絶縁体2,2’は、低融点
の絶縁層10と高融点の絶縁層11とからなり、また、
この絶縁層11の外側に、図5の一点鎖線で示すよう
に、封入袋のヒートシール温度で溶融する絶縁層を追加
形成することができる。外部に取り出されるリード線
1,1’は、封入袋内部において、正、負電極5,5’
にそれぞれ接続されている。リード線1,1’と正、負
電極5,5’とは、あらかじめ接続された状態で封入袋
3に封入される。
れる金属箔やエキスパンデッドメタル等の金属基材上に
活物質層が形成された構造を有する。リード線1,1’
と正電極5及び負電極5’の接続方法については特に限
定されないが、これら電極の金属基材とリード線1,
1’の導体とをスポット溶接や、超音波溶接等で接続す
る方法が利用できる。
は、従来の円筒型電池や角型電池と比較し、薄肉化を実
現するために、円筒型電池のようにリード線1,1’を
接続するための余剰空間が少なく、電池内の電解液とリ
ード線1,1’とが接触する。従って、正電極5に接続
されるリード線1には、非常に高い電位がかかるため
に、高電位で溶解しないアルミニウムまたはチタン、あ
るいはこれらの金属の合金が好ましい。また、負電極
5’に接続されるリード線1’には、過充電でリチウム
が析出し、過放電で電位が高くなることから、リチウム
により腐食されにくく、リチウムと合金が形成されにく
く、かつ比較的高電位で溶解しにくい材質のものが好ま
しい。以上の観点から、負電極5’に接続されるリード
線1’には、ニッケルまたは銅、あるいはこれらの金属
の合金が好ましい。
や平角導体の単線を利用できるが、丸型の場合、電池容
量が大きい場合には、丸型の直径が大きくなるため、封
入袋3の最内層のフィルム12の間にはさまれるリード
線1,1’の厚みが大きくなるために、リード線1,
1’の絶縁層11と封入袋3の最内層のフィルム12と
の融着部に間隙が生じやすくなり、リード線1,1’と
封入袋3の融着部での密閉の信頼性が低下するという問
題がある。それに対して、平角導体を利用した場合に
は、電池容量増加に対しても導体の厚みを大きくせずに
幅を大きくすることで断面積をかせぐことができるため
に、封入袋3の最内層のフィルム12との間に挟まれた
リード線1,1’の絶縁層11との融着部の密閉に対す
る信頼性の低下は生じない。さらに、FPC(フレキシ
ブルプリント基板)等を利用した外部回路や、電極5,
5’との接続においても平角導体の方が接触面積を大き
くでき、スポット溶接や超音波溶接により、より信頼性
の高い接続を行うことが可能となる。
箔等の金属箔9をサンドイッチ状に挿入してプラスチッ
クフィルムと貼り合わせて用いるものが好ましく、少な
くとも最内層のプラスチックフィルム12は電解質に溶
解しないことが必要である。電解質には、プロピレンカ
ーボネート,エチレンカーボネート,ジエチルカーボネ
ート,ジメチルカーボネート,1、2−ジメトキシエタ
ン,テトラヒドロフランなどの有機溶媒にLiCl
O4,LiBF4,LiPF6,LiAsF6等の非水電解
液やリチウムイオン伝導性の固体電解質などが好ましい
が、これに限定されるものではない。
入れ、正、負電極5,5’に接続したリード線1,1’
を外部に取り出す構造として、リード線1,1’と共に
封入袋3をヒートシールする際、あらかじめ絶縁被覆し
たリード線1,1’を用いる方が、封入袋3の密封性を
向上させやすいことは、特開昭56−71278号公報
に開示されている通りである。
を貼り合わせた積層フィルムを用いる場合、封入袋3を
ヒートシールする際に、封入袋3の金属箔9とリード線
1,1’とを短絡させない配慮が必要である。それは、
リード線1,1’の絶縁に封入袋3のヒートシール温度
で溶融しない絶縁層を設けることにより解決できる。封
入袋3のヒートシール温度で溶融しない絶縁層として
は、ポリイミドなどの加熱しても溶融しない樹脂フィル
ムや、架橋された樹脂フィルムによる絶縁層でもよい。
また、封入袋3のシール部分4に、例えば、融点が11
0℃の低密度ポリエチレンやその変成物が用いられる場
合は、150℃程度で充分ヒートシールが出来るので、
融点が150℃より高い樹脂フィルムからなる絶縁層を
設けておけばよい。
のヒートシール時に溶融して、封入袋3のヒートシール
部と一体化すれば、密封信頼性が更に向上するので、最
外層に封入袋3のヒートシール時に溶融する絶縁層を追
加することが好ましい。上述の特開昭56−71278
号公報の図面にも開示されているが、絶縁層つきのリー
ド線1,1’を封入袋3にヒートシールするときは、リ
ード線1,1’の絶縁層の一部が封入袋3の外に出るよ
うな位置にセットしてヒートシールすることが好まし
く、そうすることにより密封信頼性も向上し、封入袋3
の金属箔9とリード線1,1’の短絡防止にも役立つ。
電解液、リード線1,1’を封入袋3内に入れ、これら
をヒートシールした後、放射線照射をして、シール部分
4のプラスチックを架橋させ、シール部の耐熱性を向上
させることも可能である。
を用いて説明する。正電極5は、アルミ箔からなる電極
導電体7上に、遷移金属酸化物粉末と導電剤であるカー
ボン粉末と結着剤であるバインダーからなる活物質層8
を形成して構成した。負電極5’は、銅箔からなる電極
導電体7’上にカーボン粉末と結着剤であるバインダー
からなる活物質層8’から構成した。正電極5と負電極
5’の間には、電気的絶縁性を保持し、かつイオン伝導
性を保持するために、ポリオレフィン系の多孔膜の隔膜
6を配置した。電解液としては、有機溶剤にリチウム塩
を溶解したものを用いた。
を示す。図5(a)は平面図で、図5(b)は断面図で
ある。リード線1、1’の導体金属として正電極側はア
ルミニウム、負電極側は銅を用いた。リード線1、1’
の導体形状は、厚さ100μm、幅3mmとし、絶縁体
2、2’としては、封入袋のヒートシール温度で溶融し
ないエチレン−ビニルアルコール重合体(エチレン比率
44%,厚み100μm,融点165℃)の絶縁層11
と、リード線1、1’との密封ための酸変成低密度ポリ
エチレン(厚み40μm,融点110℃)の絶縁層10
の貼り合わせたフィルムを利用し、このフィルム2枚の
貼り合せフィルムの酸変成低密度ポリエチレンの間に導
体を挟み、150℃の条件で熱融着させて作製した。な
お、絶縁体2,2’の最外層に封入袋のヒートシール時
に溶融する絶縁層を追加する場合は、絶縁層11の外側
に、一点鎖線で示すような形態で追加される。
末100重量部に、グラファイト10重量部、ポリフッ
化ビニリデン10重量部を混合し、N−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解した後、ペースト状にしたものである。
次に、このペーストを厚さ20μmのアルミ箔の片面に
塗工し、乾燥後、ローラープレスした。このようにして
厚さ0.1mm,幅50mm,長さ105mmの極板
(上方の5mmは未塗工部)を作製し、正電極5とし
た。
鉛粉末100重量部に、ポリフッ化ビニリデン20重量
部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンに溶解した
後、ペースト状にしたものである。このペーストを厚さ
20μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥後、ローラープレ
スした。このようにして厚さ0.10mm,幅50m
m,長さ105mmの極板(上方の5mmは未塗工部)
を作製し、負電極5’とした。
アルミ箔の部分に、リード線1の導体であるアルミニウ
ムを超音波溶接した。同様に、負電極5’の活物質層が
形成されていない銅箔の部分にリード線1’の導体であ
る銅を超音波溶接した。
レンテレフタレート)15、厚さ15μmのPE(ポリ
エチレン)14、厚さ7μmのアルミ箔9、厚さ30μ
mのPE(ポリエチレ ン)13、厚さ70μmの最内層
のフィルム(酸変成LDPE)12の5層のサンドイッ
チ構造より積層フィルムを70mm×135mmの矩形
に切断し、この積層フィルム2枚を最内層のフィルム
(酸変成LDPE)12の側を内側にして、矩形の周囲
3辺を5mm幅でヒートシールして袋状とした。
続した正、負電極5,5’を、ポリオレフィン系の多孔
膜の隔膜6を配置した状態で挿入し、続いて電解液を8
cc注入した。なお、電解液には、エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートを1:1の体積比率で混合
し、六フッ化リン酸リチウムを1mol/lとなるよう
に溶解したものを使用した。しかる後、封入袋3の開封
部分からリード線1,1’を取り出す状態にして、15
0℃でリード線1,1’の絶縁体2,2’と、封入袋3
の開封部分の内側同士をシール幅10mmでヒートシー
ルした。
2,2’として、封入袋3のヒートシール温度で溶融し
ない絶縁層11を設けたことにより、ヒートシール作業
において、封入袋3の金属箔9とリード線1,1’との
短絡を心配する必要が全くなくなった。また、リード線
1,1’の位置決めにおいて、リード線1,1’の絶縁
体2,2’の一部が封入袋3の外に出るようにセットす
ることも有効であった。さらに、絶縁体2,2’の最外
層に封入袋3のヒートシール温度で溶融する絶縁層を追
加することにより、密封信頼性がより向上することも確
認できた。
密度0.4mA/cm2、2.75〜4.1Vの範囲で、充
放電サイクル試験を実施したところ、10サイクル目で
容量127mAh、300サイクル時でも103mAh
の高い容量が維持されており、優れたサイクル特性を示
すことが確認できた。それに対して、負電極に接続する
リード線に銅を利用し、正電極に接続するリード線にニ
ッケル、銅等を利用した場合には、リード線が溶解して
しまい4.1Vまで充電することが不可能であった。一
方、正電極に接続するリード線にアルミニウム、負電極
に接続するリード線にそれぞれアルミニウム、亜鉛など
を利用した場合には、初期10サイクルではそれぞれ1
20mAh,125mAhの容量が得られたが、100
サイクル時点でそれぞれ75mAh,90mAhと急激
な容量低下が確認された。100サイクル終了時点で解
体調査したところ、リード線が断線しかかっていること
が確認された。
することにより、電極に接続されたリード線の形状が保
持され、優れたサイクル特性が得られることを確認でき
た。さらに、リード線の導体に平角導体を利用すること
により、封入袋とリード線との融着部での密閉に対する
信頼性が向上できる他、電極極板、FPC等の外部回路
との接続信頼性の向上が実現できる。
を一体化させて外部にリード線を取り出す構造とするこ
とにより、正電極、負電極、電解液を軽量の袋に収納す
ることができるので、従来利用されている円筒型電池と
比較し、重量当たりのエネルギー密度が高くなるという
利点がある。また、円筒型電池と比較し、電子機器の収
納スペースに合わせた自由な電池形状に設計できる利点
がある。
池パックを組み立てる外部回路との接続についても、外
部にリード線が取り出された構造をとるために、溶接や
半田付けによる接続時の熱が外部に放熱されて電池本体
への悪影響が小さい。このリード線の取り出す位置につ
いても、電極の一部をリードとして取り出すのとは異な
り、電極の作製と独立して適宜選定できるので、電池パ
ックにする際の回路設計を簡素化できる利点がある。
袋3の金属箔9とリード線1,1’との短絡発生を解消
でき、密封信頼性を向上させることができる。また、リ
ード線の材質を適切に選定することにより、電極に接続
されたリード線の形状が保持され、優れたサイクル特性
を得ることができる 。
る。
的に示す図である。
図である。
ール部分を説明する部分拡大図である。
…封入袋、4…シール部分、5…正電極、5’…負電
極、6…隔膜、7、7’…電極導電体、8,8’…活物
質層、9…金属箔(アルミ箔)、10,11…絶縁層、
12…最内層のフィルム、13,14…PE(ポリエチ
レン)層、15…PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)層。
Claims (4)
- 【請求項1】 正電極、負電極及び電解液を、金属箔を
含む積層フィルムからなる封入袋に収納し、電極に接続
したリード線を外部に取り出す構造の非水電解質電池で
あって、前記リード線の取り出し部分を覆うように前記
封入袋のヒートシール温度では溶融しない絶縁層を備え
ていることを特徴とする非水電解質電池。 - 【請求項2】 前記ヒートシール温度では溶融しない絶
縁層の外側に、前記封入袋のヒートシール温度で溶融す
る絶縁層を備えていることを特徴とする請求項1に記載
の非水電解質電池。 - 【請求項3】 正電極に接続される前記リード線が、ア
ルミニウムまたはチタンあるいはこれらの合金で形成さ
れ、負電極に接続される前記リード線が、ニッケルまた
は銅あるいはこれらの合金で形成されていることを特徴
とする請求項1または2に記載の非水電解質電池。 - 【請求項4】 前記リード線が、平角導体であることを
特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池。
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