JP3504262B2 - 湾曲した吸収材製品の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は吸収材製品、特に生理用ナプキンの様な月経
用製品に関する。その様な製品は、特に各種の体液、特
に月経を吸収すると共に、使用者に快適性を与え、適合
する様にできている。

発明の背景 体液を集めるための使い捨て吸収材製品に関して非常
に様々な構造がこの分野では公知である。市販の吸収材
製品には、おむつ、成人失禁用製品、月経用品および包
帯がある。この種の使い捨て製品は、液体を受け、吸収
し、保持するための幾つかの機能部材を含む。一般的に
その様な吸収材製品は、主として繊維状セルロースから
なる吸収材料の芯を含む。一般的に、その様な製品は液
体透過性のトップシート、吸収材の芯および液体不透過
性のバックシートを含む。

月経パッドの場合、快適性および適合性、液体の保
持、および汚れを最少に抑えることに関して、女性は高
度の性能を期待している。とりわけ、パッドから液体が
下着に漏れるなどということはとうてい受け入れられな
いことと考えられている。

生理用ナプキンの材料および構造の両方で多くの改良
がなされているが、その性能を向上させる努力が常にな
されている。しかし、適合性および快適性を落とさず
に、特に大腿部の内側に沿った漏れをなくすという問題
は、消費者の希望する程には解決されていない。

生理用ナプキンからの漏れは、一般的に月経が体から
排出され、ただちにナプキンの表面と接触する点におけ
る濃度が高いことに帰せられる。この堆積点において、
ナプキンの吸収材料は急速に過飽和の状態になる。この
点から血液が放射状に移動し、着用者の脚に最も近い側
部から漏れる。このために血液が体に付着し、下着を汚
すことが多い。漏れをなくすための試みには、液体を保
持するための緻密化した縁部の構築（米国特許第4,820,
295号、チャパスら、1989年４月11日公布）、製品を包
むバリヤーシート（米国特許第4,666,439号、ウイリア
ムスら、1987年、５月19日公布）、およびパンティーの
回りを包み、生理用ナプキンに弾力的な縦方向側縁部を
備える「翼を付けた」側縁部」がある。

各種の翼を備えた生理用ナプキン（ただし、これらの
すべてが着用者のパンティーを包む、あるいは側方の漏
れを防止してはいない）が、実公昭40−36391号公報、
実公昭46−12554号公報、および実公昭50−100399号公
報、および米国特許第4,285,343号、1981年４月25日に
マクネアーに公布、米国特許第4,589,876号、1986年５
月20日にヴァン ティルバーグに公布、米国特許第4,60
8,047号、1986年８月26日にマッティングリーに公布、
および米国特許第4,687,478号、1987年８月18日にヴァ
ン ティルバーグに公布、に記載されている。

各種の弾性材料を備えた生理用ナプキンはヨーロッパ
特許出願公開第0091412号、1983年12月12日公開、Ｐ＆
Ｇ、英国特許出願公開第2168253A号、1986年６月18日公
開（この出願は、その中にあるサイドフラップを保持す
るための、上方向に折り曲げた構造の、弾性材料以外の
手段をも記載している）、および米国特許第4,701,177
号、1987年10月20日にエリスらに公布、米国特許第4,75
8,241号、1988年７月19日にパパジョーンに公布、米国
特許第4,770,657号、1988年９月13日にエリスらに公
布、米国特許第4,944,735号、1990年７月31日にモクリ
ーに公布、および米国特許第5,032,121号、1991年７月1
6日にモクリーに公布、に記載されている。

残念ながら、生理用ナプキンの緻密化し過ぎた部分に
より、使用の際の快適性が失われる。「翼を付けた」製
品を好まない使用者もいれば、バリヤー製品に満足しな
い使用者もいる。

また、上記の目的に弾性材料を使用することにも多く
の問題がある。弾性材料を加えることにより、生理用ナ
プキンの製造原価が増加する。生理用ナプキン製造の際
に弾性ストランドを移動するウェブに取り付けること
は、非常に複雑で経費のかかる工程である。また、弾性
材料を使用することにより、生理用ナプキンの上部に沿
ってしわが形成される。もう一つの問題は、生理用ナプ
キンが湾曲した形状を取る様に弾性材料を使用すること
は、生理用ナプキンの厚さにより左右される。比較的厚
い吸収手段を有する生理用ナプキンを、弾性材料を使用
して湾曲させることはより困難である。厚い製品に弾性
材料を使用すると、その弾性材料中に応力が生じ、生理
用ナプキンが湾曲し難くなる。また、これらの応力によ
り弾性材料の弾性率が失われる傾向がある。弾性材料の
使用により、製品の縦方向の側方バリヤーに著しい厚さ
も加わる。このために使用者にとって生理用ナプキンの
快適性が低下することが多い。

そのために、生理用ナプキンの縦方向側縁部からの漏
れを低減させるための研究がなされている。

さらに、ほとんどの吸収材製品の大部分は比較的乾燥
したままで使用されていないので、液体を堆積点からそ
の製品の十分に利用されていない区域に向け、過飽和を
避け、漏れを減少させる、または無くすための改良も研
究されている。

下着の汚れとは別に、現代の生理用ナプキン等の使用
者は、その様な製品が一般的な布や不織材料によって従
来与えられてきたよりも、より清浄で、より衛生的で、
より乾燥した状態を与えてくれることを期待している。
そのために、最新の生理用ナプキン、おむつおよび失禁
用品は一般的に、液体をその下にある吸収性の芯の中に
急速に移動させ、保持する様に設計されたトップシート
を備えている。この移動がより迅速で、完全である程、
製品の表面はより乾燥し、より清浄になることは明らか
である。

内部に通路または溝がある特殊な断面を有する繊維の
使用は、EPO出願第391,814号、フィリップスら、1990年
10月10日公開、米国特許第4,723,954号、ピエニアク、1
988年２月９日、米国特許第4,798,603号、メイアーら、
1989年１月17日、米国特許第4,973,325号、シェロッド
ら、1990年11月27日、EPO出願第397,110号、ラティマー
ら、1990年８月５日提出、仏国特許第955,625号、パウ
ル シェバリエにより公開、1950年、１月16日、米国特
許第3,121,040号、ショウに公布、1964年２月11日、米
国特許第4,054,709号、ベリツィンらに公布、1977年10
月18日、ある程度のカール形成も開示している米国特許
第4,179,259号、ベリツィン、米国特許第4,381,325号、
マツダらに公布、1983年４月26日、ヨーロッパ特許出願
第88306987.4号、公開番号0,301,874、1989年２月１日
公開、ウィルクスら、米国特許第4,286,005号、1981年
８月25日にベルガーに公布、米国特許第4,623,329号、1
986年11月18日にドロビッシュらに公布、特願昭54−151
617号、1979年11月29日公開、テイジンKK、米国特許第
4,842,792号1989年６月27日公布、および第4,954,398
号、1990年９月４日、どちらもバクロディアらに、米国
特許第4,868,031号、モドラクら、1989年９月19日公布
に記載されている。

本発明の目的は、上記の好ましい方向に液体を移動さ
せる、湾曲した、体に適合する、製品の全体的な吸収容
量をより効果的に活用し、側方の漏れを少なくした生理
用ナプキンを提供するのみならず、トップシートを通し
て液体を吸引し、それによって使用中の望ましい乾燥し
た、衛生的な状態を高める手段を提供することである。

その上、本発明の技術を使用する製品は、液体の移動
を達成するために例えば緻密性の高い吸収性の芯区域に
依存している製品より快適で、適合性がより優れてい
る。つまり、この技術は、緻密であるが、快適性の低い
芯で得られる液体の方向性および取扱い性を、柔らか
く、たわみ性があり、低密度で、快適なパッドで達成す
ることを目指している。

したがって、本発明の目的は、液体の吸収性および保
持性を改良した使い捨ての吸収材製品を提供することで
ある。本発明の別の目的は、液体を皮膚から引き離す能
力を改良した、その様な製品を提供することである。本
発明の特別の目的は、柔らかさおよびたわみ性を改良
し、適合性を改良し、汚れ難くした生理用ナプキンおよ
びパンティーライナーを提供することである。

これらの目的は、以下に記載する様にして達成され
る。

発明の概要 本発明は、湾曲した生理用ナプキンの製造方法に向け
られており本発明の方法は、 （ａ）湾曲した表面を用意する工程、 （ｂ）吸収材製品の構成部品を用意する工程、 （ｃ）前記湾曲した表面上に、またはその表面に対し
て、吸収材製品の構成部品を重ね合わせ、吸収材製品の
半製品を形成する工程、 （ｄ）前記吸収材製品の半製品を湾曲形状に維持しなが
ら、前記吸収材製品の半製品の構成部品を固定する工程 からなる。

本発明の他の変形例は （ａ）少なくとも、第一部分および第二部分を含む弾性
的に伸長可能な第一構成部品、および第二構成部品から
なり、前記構成部品のそれぞれが一対の対向する面を有
する、吸収材製品の構成部品を用意する工程、 （ｂ）第一および第二構成部品を向き合った関係に配置
する工程、 （ｃ）前記第一構成部品の前記第一部分が前記第二部分
より多く伸長される様に前記第一構成部品を伸長する工
程、 （ｄ）前記第一構成部品の一部を前記第二構成部品の一
部に固定し、吸収材製品の半製品を形成する工程、およ
び （ｅ）前記第一構成部品を元の状態に戻して湾曲した吸
収材製品を形成する工程 からなる。

本発明の他の変形例は、 （ａ）少なくとも、第一構成部品、および伸長可能な第
二構成部品からなり、前記構成部品のそれぞれが一対の
対向する面を有する、吸収材製品の構成部品を用意する
工程、 （ｂ）第一および第二構成部品を向き合った関係に配置
する工程、 （ｃ）前記第一および第二構成部品の少なくとも一部を
固定し、固定された部分および固定されていない部分を
有する吸収材製品の半製品を形成する工程、 （ｄ）前記吸収材製品の半製品の前記固定されていない
部分にある、前記第二構成部品の部分を伸長し、吸収材
製品の半製品を湾曲した形状に形成する工程、および （ｅ）前記吸収材製品の半製品の前記固定されていない
部分にある構成部品を固定する工程 からなる。

図面の説明 本明細書は、本発明の請求項を結論とするが、以下に
添付の図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明す
る。

図１は、本発明の好ましい生理用ナプキンの全体図で
ある。

図２は、図１に示す生理用ナプキンの縦方向側面図で
ある（フラップなしに示す）。

図３は、図１の線３−３に沿って見た生理用ナプキン
の断面図である（やはりフラップなしに示す）。

図４および５は、生理用ナプキンに対する横方向の圧
迫力の影響を示す、図３の断面図と同様の断面図であ
る。

図６は、本発明の生理用ナプキンの、使用時の形状を
示す全体図である。

図７は、図１に示す生理用ナプキンの一形態の組み立
てを示す分解全体図である。

図7Aは、複数の繊維のふさからなる毛細管通路繊維束
の一実施態様を示すために、トップシートおよび第二ト
ップシートだけを取り除いた、図２と同様の側面図であ
る。

図８は、平らな基底部（４）、壁間幅（５）、および
壁の深さ（６）を有する対称的な「Ｈ」字形毛細管通路
繊維の断面図である。

図９は、「多重Ｈ」字形形状を有する毛細管通路繊維
の断面図である。

図10は、「多重Ｕ」字形毛細管通路繊維の断面図であ
る。

図11は、変形「Ｃ」字形毛細管通路繊維の断面図であ
る。

図11Aは、Ｈ字形毛細管通路繊維の、部分的につぶれ
た状態を示す断面図である。（最適ではないが、その様
な繊維もここでは使用できる。） 図11Bは、拡張した毛細管通路繊維の断面図である。

図11Cは、完全につぶれた毛細管通路繊維の断面図で
ある。（その様な繊維は使用しないのが好ましい。） 図12は、成形されたフィルムトップシートおよびその
下にある毛細管通路繊維の層の密な接触、およびトップ
シートの細孔中に突き出た毛細管通路繊維を示す、生理
用ナプキンの断面顕微鏡写真である。

図13は、トップシートの下側、およびトップシートを
毛細管通路繊維の層に固定するために使用する接着剤の
線の好ましい多重らせんパターンを示す。

図14は、生理用ナプキンの構成部品を手作業で組み立
てるための型を示す全体図である。

図15は、生理用ナプキンの構成部品を手作業で密封す
るための型を示す全体図である。

図16は、本発明の生理用ナプキンの製造に使用できる
装置の全体図である。

図17および18は、図16に示す装置で密封されている生
理用ナプキンの拡大図である。

図19は、生理用ナプキンを湾曲させるのに使用でき
る、トップシートの差動延伸を示す平面図である。

発明の詳細な説明 1.吸収材製品の一般特性 本発明の一体化された使い捨て吸収材製品の好ましい
実施態様は、図１に示す月経パッド、つまり生理用ナプ
キン20である。

ここで使用する用語「吸収材製品」とは、身体の浸出
液を吸収し、保持する装置を意味し、より詳しくは、着
用者の体に対して、またはその近くに配置され、身体か
ら放出される各種の浸出液を吸収、保持する装置を意味
する。用語「使い捨て」は、洗濯する、あるいは吸収材
製品として再生または再使用することがない吸収材製品
を説明するために使用する（すなわち、１回使用した後
廃棄し、好ましくは、循環使用する、生物分解する、ま
たは環境に相容性のある方法で廃棄する）。「一体化さ
れた」吸収材製品とは、個別の部品が一つにまとめら
れ、調製された存在を形成している吸収材製品を意味す
る。

ここで使用する用語「生理用ナプキン」とは、女性に
よりその外陰部、一般的に尿性器の外側に着用され、月
経液体、その他の、着用者の体から排出される他の膣分
泌物（例えば血液、月経、および尿）を吸収し、保持す
るための吸収材製品を意味する。部分的に着用者の前庭
の内部に、および部分的にその外部に位置する唇間装置
も本発明の範囲内に入る。ここで使用する用語「外陰
部」とは、外部から見える女性生殖器を意味する。しか
し、無論、本発明は、パンティーライナーの様な他の女
性用衛生または月経パッド、あるいは失禁パッド、等の
他の吸収材製品にも適用される。

生理用ナプキン20は、体に接触する表面または「体側
表面」20Aおよび下着側表面20Bの２つの表面を有する。
図１では、その体側表面20Aから見た生理用ナプキン20
を示す。体側表面20Aは着用者の体に隣接して着用され
るのに対し、下着側表面20Bは反対側にあり、生理用ナ
プキン20を着用した時に着用者の下着に隣接して配置さ
れる。

生理用ナプキン20は、２つの中央線、すなわち縦方向
中央線Ｌおよび横方向中央線Ｔを有する。ここで使用す
る用語「縦方向」とは、生理用ナプキン20を着用した時
に、直立した着用者の体を左半分および右半分に２分す
る垂直面と一般的に並列する、生理用ナプキン20の平面
内の線、軸または方向を意味する。ここで使用する用語
「横断」または「横方向」は、同義語であり、生理用ナ
プキン20の平面内の、縦方向と一般的に直角な線、軸ま
たは方向を意味する。

また、図１は、生理用ナプキン20が、生理用ナプキン
20の外縁部により限定される周辺部26を有することを示
し、その中で縦方向縁部（または「側縁部」）を22で示
し、末端縁部（または「末端」）を24で示し、生理用ナ
プキンの角部を27で示す。

生理用ナプキンは２つの末端区域、第一末端区域28お
よび第二末端区域30を有する。中央区域32は、末端区域
28および30の間に位置する。末端区域28および30は、中
央区域32の縁部から、生理用ナプキンの長さの約1/8〜
約1/3外側に伸びている。中央区域32および２つの末端
区域20および30の詳細な説明は、1987年９月１日にヒギ
ンズに公布された米国特許第4,690,680号に記載されて
いる。

また、生理用ナプキンは、縦方向中央線Ｌの少なくと
も一部の長さに沿って配置された、縦方向に向いた（ま
たは縦方向の）中央区域34、およびその縦方向中央区域
34の横方向で外側にある縦方向側方区域36を有する。生
理用ナプキンの個々の構成部品（以下に説明する）は、
この段落および前の段落に記載の区域と一致する部分を
含むことがある。

図７は、図１〜３に示す生理用ナプキン20の好ましい
形態の組み立てを示す分解全体図である。図７に示す様
に、生理用ナプキン20は好ましくは、液体透過性のトッ
プシート38、トップシート38に接続された液体不透過性
のバックシート40、およびトップシート38とバックシー
ト40との間に位置する吸収材芯42からなる。

また、生理用ナプキン20は、所望により使用する特定
の構成部品も含む。これらの中には、所望により使用す
る、一般的に吸収材芯42の上に位置する毛細管通路繊維
のふさ状に形成された束44がある。生理用ナプキン20
は、１つ以上の追加層または部品を備えることもでき
る。これらの層には、一般的に毛細管通路繊維の束44と
吸収材芯42との間に位置する獲得層（または「第二トッ
プシート」）46がある。また、生理用ナプキン20は、吸
収材芯42とバックシート40との間に配置された不織布層
48をも含む。この不織布層48は、生理用ナプキンの各層
を縫い付ける時に、芯42の材料（芯は架橋セルロース繊
維からなる）が引き裂かれるのを防止する。

生理用ナプキン20は、パンティー固定用の接着性細片
50の様な、少なくとも１つのパンティーファスナーをも
含む。所望により使用する剥離紙52で接着性細片50を覆
うことができる。これによって、生理用ナプキン20を使
用する前に、下着のまた以外の表面に接着剤50が粘着す
るのが防止される。

また、生理用ナプキン20は、縦方向の側縁部を包む部
分54を形成するトップシート38の延長部を含むこともで
きる。図７に示す実施態様は、この特徴に関して図１に
示す実施態様とは異なる。図１は、所望により使用する
側方フラップまたは「翼」56を含む生理用ナプキン20を
示す。側方フラップまたは「翼」56は、着用者のパンテ
ィーのまた部分の回りに折り曲げることができる。側方
フラップ56（以下により詳細に説明する）は、着用者の
パンティーの汚れを防止し、生理用ナプキンを着用者の
パンティーに固定することなどを始めとする多くの目的
に役立つ。他方、縦方向の側縁部54は生理用ナプキン20
の他の構成部品の回りを包み、より快適な縦方向側縁部
22を与える。

生理用ナプキン20の構成部品は、好適な方法により一
つに保持することができる。図７に示す実施態様では、
生理用ナプキン20の構成部品は、周辺シール64、トップ
シート接着剤66の様なトップシート取り付け機構、およ
びバックシート接着剤68の様なバックシート取り付け機
構により一つに保持される。その上、この好ましい実施
態様では、毛細管通路繊維の束44、第二トップシート4
6、吸収材芯42、および不織層48の組み立ては、縫い付
け線70により一つに保持され、芯／不織シートのサンド
イッチ構造を形成する。縫い付け線70は好ましくは、生
理用ナプキン20を着用した時に生理用ナプキンの各部分
が折れ曲がるための曲げ軸80および82を形成する。これ
らの構成部品および特徴はすべて以下により詳細に説明
する。

2.生理用ナプキンの形状および着用時の生理用ナプキン
の配置 A.生理用ナプキンの形状 図１〜３は、生理用ナプキン20が湾曲した、体に適合
する３次元形状を有することを示している。

図２は、生理用ナプキン20が、生理用ナプキンの末端
24が上方に位置する、湾曲した縦方向輪郭を有すること
を示している。生理用ナプキン20は、その体側表面20A
上に毛細管通路繊維のふさにより形成された円形隆起部
72を有する。また、生理用ナプキン20は湾曲した横方向
輪郭も有する。

吸収材製品の形状（ならびに吸収材製品を湾曲した形
状に保持する固定機構、および吸収材製品の製造に使用
される型）に関してここで使用する用語「湾曲した」
は、広い意味で、直線または平らな表面から逸れた全体
的な形状を有する物体を含めて使用する。これらの物体
は、１つ以上の曲がった線または表面、真っ直ぐな線ま
たは表面、または曲がった、または真っ直ぐな線または
表面により形成される、湾曲した全体的な形状を有す
る。この様に、用語「湾曲した」は、完全に曲線部分だ
けからなる物体に限定するものではない。

また、生理用ナプキンは、その生理用ナプキンの中央
がより厚く、縁部22および24に向かって薄くなっていく
輪郭を有する。生理用ナプキンの輪郭は、どの様な好適
な率で推移してもよい。好ましくは生理用ナプキンは、
縦方向および横方向の中央線の交差点における生理用ナ
プキンの厚さと、生理用ナプキンの末端で吸収材を通し
て測定した生理用ナプキンの厚さとの比率が約1.4:1
（例えば中央部7mmおよび末端5mm）〜約10:1（例えば中
央部20mmおよび末端2mm）になる様な輪郭にする。

生理用ナプキン20は、比較的大きな長さおよび幅の寸
法を有する層を、より小さな長さおよび幅を有する層
（またはその逆）の上に重ね、輪郭を有する金型の中で
生理用ナプキンの各構成部品を成形する、または生理用
ナプキンの各構成部品をカレンダー加工することなどを
始めとする、この分野で公知の方法により輪郭を付ける
ことができる。

本発明の生理用ナプキン20は、どの様な望ましい量で
湾曲させることもできる。好ましい曲率は、図２および
３に関連して説明する。

図２は、生理用ナプキン20は好ましくは、生理用ナプ
キン20の中央区域32を下着側表面20Bを下にして平らな
表面上に置いた時に、生理用ナプキン20の末端24が平ら
な表面から上に距離D₁だけ離れる様に湾曲することを示
している。好ましくは、生理用ナプキン20は、末端24が
平らな表面より上に約0.5インチ（約1.3cm）または約１
インチ（約2.5cm）から約1.75インチ（約4.5cm）離れる
様な曲率を有する。

図３は、生理用ナプキンの横方向（機械を横切る方向
または交差方向）曲率を示す。好ましくは、生理用ナプ
キンは、生理用ナプキンを平らな表面上に置いた時に、
末端22が平らな表面から上に約5mm〜約17mmの距離D_1A離
れる様な交差方向曲率を有する。

しかし、生理用ナプキン20は、この目的のために弾性
材料を使用する生理用ナプキンのいずれかに与えられる
量の曲率を有することもできる。その様な弾性を有する
生理用ナプキンは、「発明の背景」の項で参考として含
めた文献に記載されている。

他の実施態様では、生理用ナプキン20は他の曲率構造
を有する。例えば、生理用ナプキン20は、図面に示すの
と反対側に湾曲させることもできよう。その様な実施態
様では、生理用ナプキンの下着側表面20Bを下にして平
らな表面上に置いた時、生理用ナプキンの中央部は上方
に位置し、末端は下方に位置する。その様な実施態様は
可能であるが、一般的にあまり好ましくない。

B.着用時の生理用ナプキンの形状 生理用ナプキン20は、着用の際、連続的に動的調整で
きるのが理想的である。これによって、生理用ナプキン
20は着用者の体に終始適合することができる。

毛細管通路繊維のふさ44は、着用者の陰唇間の空間に
適合できる円形隆起部72を形成する。円形隆起部72は、
着用者にとって快適である様に、円形隆起部72の基底部
に近付くにつれてその側部および端部の高さが徐々に低
下する様にテーパーがついているのが好ましい。円形隆
起部72により、生理用ナプキン20は、着用者の体から浸
出液が出た時にその浸出液を容易に阻止することができ
る。

円形隆起部72の寸法は好ましくは、長さ（またはｘ方
向寸法）が約４〜10cm、より好ましくは約２〜３インチ
（約５〜7.5cm）（円形隆起部の長さは好ましくは吸収
材芯の長さの約1/2以下である）、最も広い点における
幅（またはｙ方向寸法）が約5cm以下、より好ましくは
約1.5インチ（約3.8cm）以下、厚さ（またはｚ方向寸
法）が約5mm〜10mmである。円形隆起部の最も高い点に
おける厚さは好ましくは、生理用ナプキンの周囲の縦方
向縁部区域および末端区域の厚さの約1.5倍以上であ
る。円形隆起部72は、その最大厚さの点が円形隆起部72
の幅の約3/4以下の程度に広がる様にテーパーがついて
いるのが好ましい。

円形隆起部72は、束44中の毛細管通路繊維を着用者の
体に密接して配置するのに効果的である。このことは、
束44の上部に位置する毛細管通路繊維に特にあてはま
る。これらの繊維は、以下により詳細に説明する様に、
ｚ方向に配向しているのが好ましい。これによって、こ
れらの毛細管通路繊維は、液体を着用者の体から下方の
吸収材芯に吸引することができる。円形隆起部72を形成
する毛細管通路繊維は、芯42の、生理用ナプキン20が湾
曲しているために高くなっている部分に液体を送り込む
のにも特に効果的である。

円形隆起部72が弾力性のある毛細管通路繊維の様な材
料から形成されている場合に、着用者の陰唇間の空間に
対する適合性は高くなる。円形隆起部72を形成する材料
は、湿っている場合も乾燥している場合も弾力性である
のが好ましい。弾力性であることにより、着用者が動き
回っても、円形隆起部72は着用者の陰唇間の空間により
適合し易くなる。

図４および５は、着用者に生理用ナプキンに作用する
横方向で内側に向かう圧迫力に応じて、生理用ナプキン
20が調整可能であるのが好ましいことを示す。

図４は、生理用ナプキン20に横方向で内側に向かう圧
迫力Ｆが作用する時に生理用ナプキン20がとり得る形状
を示す。その様な力は一般的に、生理用ナプキン20を着
用した時に、着用者の大腿部の上部内側により作用す
る。圧迫力Ｆにより、生理用ナプキン20が曲がり軸80を
中心にして曲がり（この曲がりは以下に詳細に説明す
る）、束44が持ち上がる。好ましくは、これによって束
44と着用者の体との接触が改善される。

図５は、横方向で内側に向かう圧迫力が除去された時
に生理用ナプキン20がとり得る形状を示す。毛細管通路
繊維束44の弾力性および生理用ナプキンの中央部分32に
おける吸収材芯の調整された曲がりにより、横方向で内
側に向かう圧迫力が除去された時に生理用ナプキン20は
その本来の形状に戻る傾向がある。生理用ナプキンのこ
れらの力に対する順応性により、生理用ナプキン使用中
の好ましくない変形（ロープ状変形の様な）を避けるこ
とができる。これによって、生理用ナプキンと着用者の
体との接触が維持され、着用者のパンティーの望ましい
区域を覆うことができる。

図６は、生理用ナプキン20の、円形隆起部72を含む中
央区域32は、着用者のパンティーまたは生理用ナプキン
の他の構成部品から分離する（または「離脱する」）能
力をも備えているのが好ましいことを示している。これ
によって、着用者のパンティーが着用者に陰唇から離れ
る方向に移動しても、円形隆起部72が着用者の陰唇と密
に接触する様に移動することができる。

図６に示す実施態様では、これは生理用ナプキン20に
特殊なパンティーファスナー構造を与えることにより達
成される。末端区域28および30で生理用ナプキンにパン
ティーファスナーを付ける。しかし、中央区域32では生
理用ナプキン20にパンティーファスナーを付けない。こ
れによって、円形隆起部72を含む中央区域は32は着用者
のパンティーから離脱し、着用者の陰唇に向かって移動
することができる。

他の実施態様では、生理用ナプキン20は、別の種類の
離脱機構を有する。例えば、バックシート40が着用者の
パンティーから離脱する代わりに、生理用ナプキンが、
ある運動により生理用ナプキン内部で離脱する部品を有
することができる。これらの他の離脱特徴は、バックシ
ート40を着用者のパンティーから離脱させる接着剤パタ
ーンの代わりに、あるいはそれに加えて使用することが
できる。

吸収材製品の部品の離脱方法は、1991年４月16日にト
ーマスW.オスボーンらに公布された米国特許第5,007,90
6号、1992年５月14日にヴィッシャーの名前で公開され
た、「使用中に分離できる構成部品を有する生理用ナプ
キン」と題するEPO特許出願公開第WO92/07535号、およ
び1992年４月28日にオスボーンの名前で提出された、
「中央部を強化した、一般的に薄い、たわみ性生理用ナ
プキン」と題する米国特許出願第07/874,872号に記載さ
れている。上記のヨーロッパ特許出願は、（とりわけ）
生理用ナプキンの吸収材芯から離脱させることができる
空間形成構造を有する生理用ナプキンを開示している。
審査中の米国特許出願は、とりわけ、生理用ナプキンの
吸収材芯から離脱できる中央吸収材円形隆起部を有する
生理用ナプキンを開示している。

屈曲軸80および82は、着用者の体に対して常に密に適
合する能力を生理用ナプキン20に与えるもう一つの特徴
である。屈曲軸80および82により、生理用ナプキン20は
着用時に特別な形状をとることができる。図１および７
に示す実施態様における屈曲軸80および82は、縫い付け
線70および／または位置が好ましくはその縫い付け線70
に対応する緻密化した、またはエンボス加工した区域84
により形成される。図１および７に示す実施態様におけ
る屈曲軸80および82は、２つの一般的な種類の軸であ
る。

第一の種類の屈曲軸は、一般的に少なくとも生理用ナ
プキン20の中央区域32に位置する一対の屈曲軸80であ
る。この第一の種類（または一対）の屈曲軸80は、好ま
しくは一対の縦方向に配向した、内側に向かって凸状に
湾曲した軸である。この第一の対の屈曲軸80は、生理用
ナプキン20の縦方向側方区域36に位置する。縦方向側方
区域36は、中央区域32の円形隆起部72を含む区域よりも
一般的に薄く、たわみ性が高い。第一の対の屈曲軸80
は、円形隆起部72の基底部74と吸収材芯42の縦方向側縁
部42Cとの間に位置する。

第一の対の屈曲軸80は、着用者の大腿上部により生理
用ナプキン20にかけられる様な、横方向で内側に向かう
圧迫力が生理用ナプキン20に作用する場合に、生理用ナ
プキン20を円形隆起部72の基底部74のところで屈曲させ
るのに役立つ。この第一の対の屈曲軸80の配置は、好ま
しくは着用者の大腿上部の内側に適合する。

第二の種類（または組）の屈曲軸82は、主として生理
用ナプキン20の末端区域28および30に位置する。第二の
組の屈曲軸82は、好ましくは４つの内側に向かって凸状
に湾曲した屈曲軸からなる。４つの軸82は、それぞれ円
形隆起部72の基底部72から始まり、縦方向および横方向
の中央線の交点から生理用ナプキン20の角部27の一つへ
の方向に走る様に配置するのが好ましい。

第二の組の屈曲軸82の全体的な形状は、好ましくは
（絶対に必要というわけではないが）一般的にパンティ
ーファスナーの形状に対応する。これによって、着用の
際にこれらの軸の回りで適合性が最も良くなる。しか
し、個々の屈曲軸は、生理用ナプキン20の角部27に向か
ってパンティーファスナーと同じ位に伸びることはでき
るが、そこまでは伸びていないのが好ましい。これは、
（以下に詳細に説明する様に）第二の組の屈曲軸82は液
体輸送機能をも果たすことができるためである。

ここで説明する第一および第二屈曲軸80および82は一
つの好ましい形状を有する。別の実施態様では、生理用
ナプキン20は他の多くの形状の屈曲軸を備えることもで
きる。

生理用ナプキン20は、例えば、図６で番号86で示す様
な第三の屈曲軸を備えることもできる。第三の屈曲軸86
は、生理用ナプキン20の縦方向中央線Ｌの少なくとも一
部に沿って位置する。第三の屈曲軸86は、他の屈曲軸と
同様に、生理用ナプキンを折り曲げるなどの、どの様な
好適な方法によって形成してもよい。

第三の屈曲軸86は、生理用ナプキンの末端区域28およ
び30を着用者の体に近接させて望ましい適合性を与える
ために使用することができる。第三の屈曲軸86は、生理
用ナプキン20の中央区域32に使用し、中央区域を予め上
方に屈曲させることもできる。

生理用ナプキン20の様々な部分の厚さおよびたわみ性
により、生理用ナプキンが着用者の体に対して密に適合
することができる。生理用ナプキン20の末端区域28およ
び30は、中央区域32の円形隆起部72を含む部分よりも薄
く、たわみ性が高いのが好ましい。末端区域28および30
（および上記の縦方向側方区域36）は好ましくは、上記
の審査中米国特許出願第07/874,872号、および1990年８
月21日および1991年４月23日にそれぞれオスボーンに公
布された米国特許第4,950,264号および第5,009,653号に
記載されている生理用ナプキンに対して規定されている
範囲の厚さおよび曲げ抵抗を有する。（他の実施態様で
は、末端区域28および30の厚さおよびたわみ性はより大
きくても、小さくてもよい。） 末端区域28および30のたわみ性は幾つかのファクター
により高くすることができる。これらの区域の厚さを小
さくすることによりたわみ性を増すことができる。さら
に、好ましい実施態様では、リングローリングの様な機
械的操作を末端区域28および30に対して行うことによ
り、末端区域28および30のたわみ性を増加させることが
できる。

ここで使用する用語「リングローリング」（または
「予備波形処理」）とは、噛み合わせた波形ロール、等
の間に材料を通す機械的操作を意味する。末端区域をリ
ングローリングすることにより、末端区域にひだを付
け、末端区域に複数の屈曲軸を与え、たわみ性を大きく
する。これらのひだは、生理用ナプキン20を着用する時
に広げることができる。

好適なリングローリングまたは「予備波形処理」方法
は、1978年８月15日にシソンに公布された米国特許第4,
107,364号、1989年５月30日にサビーに公布された米国
特許第4,834,741号、および審査中の、共に譲渡され
た、1991年２月28日にジェラルドM.ウェーバーらにより
提出された米国特許出願第07/662,536号、1991年２月28
日にケネスB.ビュエルらにより提出された米国特許出願
第07/662,537号、および1991年２月28日にジェラルドM.
ウェーバーらにより提出された米国特許出願第07/662,5
43号（ここではまとめて「リングローリング」特許出願
と呼ぶ）に開示されている。

末端区域28および30は、好ましくはリングローリング
し、その中に形成された波形中の折れ線が一般的に縦方
向に走る様にする。他の実施態様では、折れ線が横方
向、両方向および／または他の方向に走ることもできよ
う。

生理用ナプキン20の末端区域28および30のたわみ性を
増し、そこに第二の屈曲軸82の組を設ける利点（および
上記の他の特徴）は図６に関連して説明する。

生理用ナプキン20は、それを着用した時に、生理用ナ
プキン20が接触する着用者の体の３つの基本的な区域に
適合することができる。

着用者の体は、縦方向の軸に沿って着用者を見た時
に、３つの解剖学的に異なった形状の区域に分割するこ
とができる。着用者の体の前部から着用者の体の後部に
おいて、３つの区域の第一は丘区域である。この丘区域
は、複合の、上方に凸状に湾曲した形状を有する。第二
の区域は、膣入り口を含む区域である。第二の区域は大
陰唇により限定され、Ｗ字形の輪郭に似ている。第三の
区域は臀部間の裂け目（または「臀部溝」）により限定
され、一般的に尖塔形で、上方に凸状の、外側に分かれ
る２つの線により限定される。（体のこれらの部分の特
徴は、1990年12月19日にオスボーンの名前で提出され
た、「横方向に分割した芯を有する生理用ナプキン」と
題する米国特許出願題07/630,451号に詳細に説明されて
いる。） 生理用ナプキン20は、好ましくは着用者の体のこれら
３つの非常に異なった形状に下記の様に適合する。

生理用ナプキン20の第一区域（または「前端区域」）
28のたわみ性が高いために、生理用ナプキンのこの部分
は丘区域の上方に凸状の形状の回りに湾曲することがで
きる。第一末端区域28に位置する第２組の屈曲軸82中の
屈曲軸の対により、第一末端区域28が丘区域の回りで屈
曲することができる。

生理用ナプキン20の中央区域32は、着用者の大陰唇の
形状に適合することができる。これは、中央区域は末端
区域28および30よりもたわみ性が低いが可能である。こ
れは、円形隆起部72が大陰唇間の空間内に快適に適合で
きるためである。縦方向の側方区域36が屈曲軸80の第一
の対で上方に屈曲するので、Ｗ字形をとり、着用者の体
の第二の区域に密に適合することができる。

生理用ナプキン20の第二末端区域（または「後端区
域」）30もたわみ性である。第二末端区域30に位置する
第二の組の屈曲軸82中の屈曲軸対により、第二末端区域
30が上方に尖塔形状に屈曲し、着用者の臀部溝と密に接
触することができる。

生理用ナプキン20の各区域は、上記の様に、緻密化線
84の様な緻密化した区域を有することもできる。

緻密化した区域84は、生理用ナプキンの各構成部品を
一緒に固定するための縫い付け線70により形成すること
ができる。あるいは、またはさらに、生理用ナプキン20
にエンボス加工、等を施し、緻密化した区域を与えるこ
ともできる。

生理用ナプキン20の特定区域における緻密化は、多く
の目的に役立つ。これには下記の機能が含まれるが、こ
れらに限定するものではない。緻密化した区域は、上記
の様に、使用中に生理用ナプキンが特定の形状をとり易
くするための屈曲軸の形成に使用することができる。緻
密化した区域は、生理用ナプキン20の特定の場所で、Ｚ
方向に液体を輸送するための毛管現象を高めるのに使用
できる。また、緻密化した区域は、ｘ−ｙ平面内で液体
を生理用ナプキン20の選択された部分に輸送するための
通路として使用することができる。

緻密化した区域84は、生理用ナプキンにおいて汚れの
パターンを調整するのにも有用である。月経の汚れが生
理用ナプキンの特定の部分に限定されるのを好む女性が
いることが分かっている。これらの女性は、生理用ナプ
キン内部における月経の流れの調整を目で見える製品に
より信頼感を寄せる。そのため、緻密化した区域は、消
費者に好ましい印象を与えることができる。

図１に示す実施態様における緻密化した区域84は、縫
い付け線70と同じパターンを有する。しかし、緻密化し
た区域84は、好適などの様なパターンで形成することも
できる。その様なパターンが縫い付け線、等と一致する
必要もない。例えば緻密化線84は、円形隆起部72の回り
の長円形でも６角形でもよい。

次に生理用ナプキンの個々の構成部品をより詳細に説
明する。

3.生理用ナプキンの個々の構成部品 A.トップシート トップシート24は、たわみ性があり、感触が柔らか
で、着用者の皮膚を刺激しない。その上、トップシート
24は液体透過性であり、その厚さを通して液体（例えば
月経および／または尿）を容易に浸透させることができ
る。

トップシート38は、体に面した側38Aおよび下着に面
した側（または芯に面した側）38Bの２つの側面を有す
る。トップシート38の体に面した側38Aは一般的に、生
理用ナプキン20の体に接触する表面（体側表面）20Aの
少なくとも一部を形成する。トップシート38は３つの縦
方向縁部38Cおよび２つの末端縁部38Dを有する。

（生理用ナプキンの他の構成部品にも類似の番号付け
を行う。すなわち、構成部品の着用者の体に面した側
は、その構成部品の番号および文字「Ａ」で指定する。
着用者の下着に面した側は、その構成部品の番号および
文字「Ｂ」で指定する。側縁部および末端縁部は、それ
ぞれその構成部品の番号および文字「Ｃ」および「Ｄ」
で指定する。） 好適なトップシート24は、織り上げた、または織って
いない材料、孔開け成形した（apertured formed）熱可
塑性樹脂フィルム、孔を開けたプラスチックフィルム、
およびハイドロフォーム化した熱可塑性フィルムの様な
重合体材料、多孔質発泡材料、網目状加工した発泡材
料、網目状加工した熱可塑性フィルタ、および熱可塑性
スクリムの様な、広範囲な材料から製造することができ
る。好適な織り上げた、または織っていない材料は、天
然繊維（例えば木材または綿繊維）、合成繊維（例えば
ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレン繊
維の様な重合体繊維）から、または天然および合成繊維
の組合わせからなることができる。

好ましいトップシートは孔開け成形したフィルムであ
る。穴開け成形したフィルムは、体からの浸出液に対し
て透過性であるが、非吸収材であり、液体を逆流させて
着用者の皮膚を再び濡らす傾向が少ないのでトップシー
トに好ましい。このため、成形フィルムの体に接触する
表面は乾燥したままであり、それによって体の汚れを少
なくし、着用者により高い快適性を与える。

好適な成形フィルムは、1975年12月30日にトンプソン
に交付された米国特許第3,929,135号、1982年８月３日
にラデルらに交付された米国特許第4,342,314号、1984
年７月31日にアールらに交付された米国特許第4,463,04
5号、1986年12月16日にカロらに交付された米国特許第
4,629,643号、および1991年４月９日にベアードに交付
された米国特許第5,006,394号に記載されている。本発
明に好ましいトップシートは、上記特許の一つ以上に記
載され、プロクター ＆ ギャンブル社から「ドライ−
ウィーブ」として生理用ナプキン上で市販されている。

好ましい実施態様では、トップシート38は親水性であ
るので、親水性でない場合よりも液体がトップシート38
を通ってより速く移動する。これによって、体の浸出液
が吸収材芯に吸収されずに、トップシートから流れ出す
可能性が少なくなる。その様なトップシート（ならびに
繊維状トップシート）は界面活性剤で処理することによ
り、親水性を付与することができる。好適な界面活性剤
の処理方法は、オスボーンに公布された米国特許第4,95
0,254号および第5,009,653号、およびアジズらにより19
91年11月19日に提出された米国特許出願第07/794,745
号、Ｐ＆Ｇケース4528に開示されている。

トップシート36は、引き伸ばしてから他の構成部品に
固定し、それをゆるめることにより、生理用ナプキン20
を湾曲させることができる（以下に詳細に説明する様
に）。その様な製法でトップシートとして成形フィルム
を使用する場合、フィルム中の孔の形状およびパターン
を変えてトップシートにある程度の弾性を与えることが
できる。長さ方向および横断方向の曲率も、トップシー
トの弾性および他の物理的特性に応じて変えることがで
きる。（同じことが、湾曲した製品を製造するために引
き伸ばされる生理用ナプキンの他の構成部品にもあては
まる。） 無論、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらの
混合物の様な材料から製造された繊維状の、不織トップ
シートも市販の生理用ナプキンやパンティーライナーに
一般的に使用されており、その様な繊維状トップシート
もここで使用できる。したがって、弾力性を有する不織
材料は、湾曲した製品を製造するためにトップシート38
を引き伸ばす製品にトップシートとして使用できる。

ここで使用できるその様な繊維状トップシート材料に
は、例えば、内部を多くの孔または通路が通っているた
めに水性液体に対して透過性である、各種の非吸収材の
繊維状またはフィラメント状の網目構造シートがある。
その様なシート材料は、米国特許第4,636,419号、マド
センら、1987年１月13日、およびヨーロッパ特許出願第
0215417号、06.09.86提出、スネイドらに記載されてい
る。

B.吸収材芯 （１）概論 吸収材芯は、膣液体（例えば月経）、その他の特定の
体の浸出液の様な液体を吸収し、保持することができる
吸収手段である。吸収材芯42は、図７に最も分かり易く
示す。吸収材芯は体側表面、下着側表面、側縁部および
末端縁部を有する。

吸収材芯42は、非常に様々な大きさおよび形状（例え
ば長方形、長円形、砂時計形、ドッグボーン形、非対称
形、等）で、および生理用ナプキン、その他の吸収材製
品に一般的に使用されている、一般的ににエアーフェル
トと呼ばれる粉末木材パルプの様な広範囲な液体吸収性
材料から製造することができる。

他の好適な吸収材材料の例としては、クレープ処理し
たセルロースの固まり、コフォームを含むメルトブロー
重合体、化学的に剛化した、変性した、または架橋させ
たセルロース繊維、毛管繊維、ひだをつけたポリエステ
ル繊維の様な合成繊維、ピートモス、ティシューラップ
およびティシューラミネートを含む組織、吸収性発泡
材、吸収性スポンジ、超吸収性重合体、吸収性ゲル化材
料、その他の同等の材料または材料の組合わせ、または
それらの組合わせがある。

吸収材芯42の形状および構造も多様である（例えば吸
収材芯は様々な厚さの区域（例えば中央がより厚くなる
様な輪郭を有する）、親水性勾配、超吸収性勾配、また
は低密度および低平均基礎重量獲得区域を有することが
できる、あるいは１つ以上の層または構造からなること
ができる）。しかし、吸収材芯42の総吸収能力は、生理
用ナプキン20の設計負荷および意図する用途に適合する
必要がある。さらに、吸収材芯42の大きさおよび吸収能
力は、失禁パッド、パンティーライナー、通常の生理用
ナプキン、または夜間用生理用ナプキンなどの異なった
用途に合わせて変えることができる。

本発明の吸収材芯として使用するための吸収材構造の
例は、1990年８月21日および1991年、４月23日にオスボ
ーンに公布された、「薄い、たわみ性生理用ナプキン」
と題する米国特許第4,950,264号および5,009,653号、19
86年、９月９日にワイスマンに公布された、「高密度吸
収材構造」と題する米国特許第4,610,678号、1989年、
５月30日にアレマニーらに公布された、「低密度および
低基礎重量獲得区域を有する高密度吸収部材」と題する
米国特許第4,834,735号、1986年10月22日にデュンクら
の名前で公開されたロクター ＆ ギャンブル社のヨー
ロッパ特許出願第0198683号に記載されている。

（２）架橋したセルロース繊維ラミネート芯 吸収材芯の好ましい実施態様は、図７に示すラミネー
ト構造からなる。このラミネートは、超吸収性重合体材
料（または吸収性ゲル化材料）の層および架橋セルロー
ス繊維の１つ以上のシートまたはウェブからなる。

吸収性芯に好適な架橋セルロース繊維は、1989年12月
19日にクックらに公布された米国特許第4,888,093号、1
989年４月18日にディーンらに公布された米国特許第4,8
22,543号、1989年12月26日にショッゲンらに公布された
米国特許第4,889,595号、1990年２月６日にムーアらに
公布された米国特許第4,898,642号、および1990年６月1
9日にラッシュらに公布された米国特許第4,935,022号、
1991年５月15日にヘロンの名前で公開されたEPO特許出
願公開第0427316号および第0427317号、および1991年５
月29日にヘロンの名前で公開されたEPO特許出願公開第0
429112号に記載されている。

図７に示す実施態様における架橋セルロース繊維は、
吸収性ゲル化材料の粒子層41を包む単一のシートからな
る。このシートは、末端から見た時に、「ｅ」字形（ま
たは逆の「ｅ」字形）に見える様に包む。包んだシート
は上層43および下層45を形成する。別の実施態様では、
単一のシートではなく、吸収性芯ラミネートの異なった
層のための架橋セルロース材料（または他の吸収性材
料）の個別のウェブを用意する、または単一のシートを
追加の層と共に用意する、などの他の多くの方法によ
り、ラミネートを形成することができる。

この種の芯では、カールした、捩じれた、好ましくは
化学的に剛化し、架橋させたセルロース繊維を精製し、
吸収性芯としてシートの形で使用できる繊維を形成す
る。本発明の実施で使用する精製した、カールした、化
学的に剛化したセルロース繊維を製造するための、好適
な、カールした、化学的に剛化したセルロース繊維の製
造方法は、米国特許第4,888,903号、第4,822,543号、第
4,889,595号、第4,889,597号、第4,889,596号、および
第4,898,642号に詳細に記載されている。

その様な繊維の吸収性ゲル化材料と組合わせた使用お
よびその様な組合わせの製造手段は、米国特許第4,935,
022号に記載されている。その様な製造には、架橋剤と
して、グルタルアルデヒドの様なアルデヒドの使用が関
与する。さらに、架橋剤としてはポリカルボン酸を使用
できる。他の種類の架橋繊維に関しては、米国特許第4,
898,642号およびPCT U.S.8901581中の各種の引用を参
照するとよい。入手後、カールしたセルロース繊維を精
製し、本発明の実行に使用できる好ましい吸収性芯を製
造することができる。

一般的な精製工程では、約３重量％のカールしたセル
ロース繊維および97重量％の水からなる水性原料を、17
804−ａ型のデノッティングディスクを使用するスプラ
ウト−ワルドロン（現在はスプラウト−バウアーとして
市販）シングルディスク精製装置（カッパーズ カンパ
ニー、Inc.、Muncy、PA、モデル105A−LAB）に通す。精
製工程の目的は、著しく脱繊維せずに捩じれた繊維を切
断することである。

３％水性原料溶液を0.5％濃度に希釈する。この溶液
は、隙間を約５ミル〜約30ミルに設定したスプラウト−
ワルドロン精製装置を通って流れる。好ましくは隙間設
定は約2.5ミルである。スプラウト−ワルドロン精製装
置は、隙間設定が繊維原料溶液の流れ全体にわたって一
定である様に、釣り合いばねを取り外しておく。精製装
置を通る一般的な流量は毎分９〜10ガロンである。精製
アンペア数は25hp.モーターに対して約45である。（ア
ンペア数は、精製の際に繊維にかかる機械的エネルギー
の尺度である。）繊維は隙間を１回通過させる。

別の様式では、カールしたセルロース繊維をクリルと
組合わせて使用することができる。クリルは、カナダ標
準濾水度が約50〜約100ml（TAPPI標準）である精製南部
軟材クラフト繊維である。一般的に、クリルは約５〜50
重量％までのカールしたセルロース繊維を含む。クリル
を加えることにより、最終シートに望ましい強化特性を
与えることができ、経済的な理由からシート中の希釈剤
としても役立つ。

精製に続いて、精製した、捩じれた繊維の0.5％水性
スラリーを、シート形成に使用するために、約0.1〜0.2
％のスラリー重量にさらに希釈する。

上記の精製した、曲がった繊維からなる吸収性構造の
使用時の一体性は、特に精製した繊維と混合した10〜15
重量％の熱可塑性繊維（例えばKODEL410ポリエステル）
と併用して超音波または熱結合処理することによりさら
に高くすることができる。さらに別の方法では、特にパ
ンティー固定接着剤を塗布する区域上で、バックシート
をコアに固定するために、各種の点接着手段を使用する
ことができる。

C.バックシート バックシート40は、吸収性芯42中に吸収され、保持さ
れている浸出液が、ズボン、パジャマおよび下着の様
な、生理用ナプキン20に接触する物品を濡らすのを防止
する。バックシート40は液体（例えば月経および／また
は尿）に対して不透過性である。バックシート40は好ま
しくは薄いプラスチックフィルムから製造するが、他の
たわみ性の、液体に対して不透過性の材料も使用でき
る。ここで使用する用語「たわみ性の」は、柔軟性があ
り、人間の体の一般的な形状および輪郭に容易に一致す
る材料に関する。

バックシート40は、織り上げた、または織っていない
材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フ
ィルムの様な重合体フィルム、あるいはフィルムで被覆
した不織材料の様な複合材料からなることができる。好
ましくは、バックシート40は、厚さが約0.012mm（0.5ミ
ル）〜約0.051mm（2.0ミル）のポリエチレンフィルムで
ある。代表的なポリエチレンフィルムは、クロペイ コ
ーポレーション、シンシナティー、オハイオ、により、
P18−0401の記号で、およびトレデガー フィルム プ
ロダクツ オブ テレ ハウテ、インディアナ、により
XP−39385の番号で製造されている。

バックシート40は好ましくは、より布のような外観を
なすように、エンボス加工および／またはつや消し仕上
げする。さらに、バックシート40は、浸出液がバックシ
ート40を通過するのは防止するが、吸収性芯42から蒸気
を逃がすことができる（すなわち、バックシート40は呼
吸できる）。水に流せる、または生物分解性のバックシ
ートも、例えばパンティーライナーと共に使用できる。

D.毛細管通路繊維束 生理用ナプキン20は好ましくは、一般的に吸収性芯42
の上に位置する毛細管通路繊維90の、ふさ状に形成され
た束44を有する。

すなわち、繊維束のふさ状に形成された部分は一般的
に芯42の上に配置される。繊維束の下側部分も、必要と
いう訳ではないが、芯42の上に配置することができる。
繊維束の下側部分は、好ましくは芯42の内部に挿入する
か、あるいは吸収性芯42の下に配置する。

繊維束の上側部分で繊維をループに形成することによ
り、ふさを形成することができる。次いでこれらの繊維
を好適な機構によりそのループ形状に保持する。繊維の
ループは様々な方法で処理し、望ましい特性を与えるこ
とができる。例えば、ループを回転または捩じれ（ルー
プを半回転させる様に）、より弾性が高く、使用中につ
ぶれ難い構造を得ることができる。（捩じりとは一般的
にｘ−ｙ平面の回転力をループにかけることである。） 別の実施態様（図7Aに示す）では、毛細管通路繊維の
層の中央部分を複数の小「ループ」または「ふさ」に集
めることができる。これらのループまたはふさは、毛細
管通路繊維の層から上方に伸び、トップシートに固く接
触する。その上、ループまたはふさは、製品全体の中央
に配置されるので、液体を迅速に獲得し、毛細管通路繊
維の層の残りの部分に、次いで製品の液体保持層に輸送
する。

その様な「ループ」または「ふさ」は、液体が製品上
に当たる部分で毛細管通路繊維を集積するだけではな
く、ループまたはふさからなる毛細管通路繊維を本質的
にｚ方向で上方に配向し、製品のｚ方向で下方への液体
の移動を強化する。

毛細管通路繊維は、その中に、好ましくはその外側表
面に通路が形成された繊維である。図８〜図11Cは幾つ
かの種類の毛細管通路繊維90の例を示す。

好適な毛細管通路繊維を以下に説明するが、1991年７
月23日に提出された、トンプソンらの名前の米国特許出
願第07/734,404号、トンプソンらの名前の米国特許出願
第07/734,392号、およびビュンガーらの名前の米国特許
出願第07/734,405号にも記載されている。これらの特許
出願は、まとめて「毛細管通路繊維」特許出願と呼ぶ。
好適な毛細管通路繊維は1990年10月10日に公開されたEP
O特許出願0391814号にも記載されている。

ここでは広範囲の毛細管通路繊維を使用することがで
きるが、本発明の吸収材製品に採用する毛細管通路繊維
90の好ましい特性を以下に説明する。

（１）繊維の形態 毛細管通路繊維90は、上に述べた様に、その外側表面上
に毛細管通路92を有する。毛細管通路繊維は、追加の毛
管現象を与える中空コアを有することもできるが、その
様な繊維は使用しない方が好ましい。

一般的に、毛細管通路繊維に中央の中空コアを与える
には、その中央コアが圧力下でつぶれない様に、繊維を
望ましい程度よりも堅くする必要がある。毛細管通路繊
維の中を通る中央コアでは、液体の迅速な収集および輸
送が期待できない。というのは、液体は中央コアの中に
入った後は繊維の末端まで進まなければならず、液体を
輸送するには、毛細管通路繊維の末端が常に吸収性芯材
料と接触していなければならないからである。

毛細管通路繊維90は、好ましくは曲がっており、より
好ましくはカールした形状を有する（すなわちこれらの
繊維は直線ではない）。毛細管通路繊維90は「著しくカ
ールしている」（あるいはひだを付けてある）のが最も
好ましい。。これによって、毛細管通路繊維に高い弾性
が与えられ、任意の数の繊維に対する弾力性が増加す
る。しかし、毛細管通路繊維90は「よじれて」いないの
が好ましい。毛細管通路繊維のよじれは、そのよじれた
箇所のそれぞれにおいて毛細管通路を締め付ける点を形
成することがある。これによって毛細管通路に沿った液
体の流動性が妨害される。

さらに、非直線性の毛細管通路繊維を使用することに
は、別の本質的な長所がある。図12は、毛細管通路繊維
90のわずかな部分、または「ふさ」が、本製品のトップ
シート38のオリフィス29の少なくとも一部に実際に突き
出ているのが好ましいことを示している。これらの突き
出しは、カールした毛細管通路繊維を使用して弾性の高
い毛細管通路パッドを製造する場合に容易に形成され
る。本質的に直線の毛細管通路繊維を使用するよりも、
カールした毛細管通路繊維の方が、それらの多くの末端
および／またはカール部分がトップシート材料のオリフ
ィス中に入り込む道を見出だす可能性は高い。

毛細管通路繊維90は、（１）繊維がそれらの成形ダイ
スから出て来る時に、その繊維を選択的に急冷する、
（２）ポリエステルの様な合成重合体から製造した繊維
を引っ張ってカールさせ、続いて弛緩させる、あるいは
張力をかけたまま繊維を鋭い角の回りを通過させ、続い
て弛緩させる、または（３）メタノール中に浸漬する、
などの多くの方法でカールさせることができるが、これ
らの方法に限定するものではない。好ましい様式では、
繊維は実質的にらせん状である。毛細管通路繊維をカー
ルまたはひだを付けるのにどの様な手段を使用しても、
所望により、これらの繊維は、すくことにより繊維の集
合体を形成することができる。

カールの好ましい振幅は約0.1mm〜約3mmであり、一般
的に、カールの頻度は繊維1cmあたり約0.5〜約５であ
る。振幅が約3mmで、頻度が1cmあたり約0.5である繊維
は、毛細管通路が大きく、高デニール範囲の繊維でも良
好な柔軟性を示す。言い換えれば、直線長が約2cmの平
均毛細管通路繊維は、カールまたはひだを付けることに
より長さが約0.5cmから約1.5cmの最適な繊維になる。

毛細管通路繊維90の目的は、吸収材製品のｚ方向にお
ける液体の通過を促進することである。これを図７に関
連して示す。図７が示す長（またはｘ）軸は「機械方
向」と呼ばれるが、これは製造の際、製品はこの軸の方
向で機械を通過するためである。短（またはｙ）軸は、
製品の幅を横切る方向なので、「横断方向」と呼ばれ
る。「ｚ」方向は、トップシートを通り、さらに毛細管
通路繊維の層の中に入り、さらに液体保持芯の中に下降
する方向である。

この目的は、液体が「ｚ」方向に吸引され、製品の表
面から離れてその最終的な保持層へと下降する様に、ト
ップシート38と、その下にある製品の層との間に毛管吸
引の勾配を与えることである。実験的に、毛管吸引は、
付着張力に比例し、開口部の大きさに逆比例する、すな
わち、一般的な場合、トップシートの開口部は繊維内毛
管通路よりも大きく、その毛管通路は繊維状保持芯中の
繊維間毛管通路よりも大きい。各層の構成部品の表面親
水性も理論的に毛管吸引勾配に影響し得る。

ふさ44の少なくとも上側部分47における毛細管通路繊
維90は、一般的にｚ方向に配向しているのが好ましい。
そのふさ中のループ状になった毛細管通路繊維の末端
は、切断し、末端が開いた毛細管通路繊維の、羊毛状
の、ｚ方向束を形成することができる。

さらに、機械方向と実質的に平行な、下側に位置する
毛細管通路繊維を与えることにより、機械方向における
液体の流れも促進され、それによって製品全体の有効吸
収性が向上する。さらに、束44の下側部分49の毛細管通
路繊維を機械方向に配向することにより、横断方向の液
体の流れが制御され、それによって、製品の縦方向側縁
部22からの液体の漏れが最少に抑えられる、または完全
に防止される。

この様に、繊維間毛管の空隙を含む繊維状の綿を使用
し、液体をｘ、ｙおよびｚ方向に無秩序に移動させる、
先行技術の吸収材製品とは異なり、毛細管通路繊維90の
繊維内毛管通路92を使用することにより、液体の望まし
い方向性が得られる。その上、本発明の繊維層の毛管
は、繊維間の空間内ではなく、繊維90自体の中にあるの
で、繊維間の空間が無くなっても毛管現象は失われな
い。

さらに、繊維間毛管作用により機能する圧縮された、
緻密な、比較的固い綿材料と対照的に、本発明の毛細管
通路繊維束44は、束44が柔らかく、綿毛状で、着用者に
とって快適であるが、液体吸引および配向機能を有す
る。

液体輸送の物理学に詳しい人には、ここに記載する吸
収材製品が、トップシート、毛細管通路繊維および芯の
間の空間の差を利用し、ｚ方向で液体を吸引する圧力勾
配を確立していることは明らかであるが、他の手段を使
用してその様なｚ方向の液体流動勾配を与えることも可
能である。例えば、トップシート中の孔または空間が毛
細管通路繊維の幅よりも小さい場合（その様な90ミクロ
ンもの広さを有する繊維内通路幅は月経の様な比較的粘
性の高い液体を輸送するのに効果的である）、例えば毛
細管通路繊維よりも疎水性の高いトップシートを選択す
ることにより、望ましい勾配を確率することができる。

（２）毛細管通路繊維の構造および表面特性 毛細管通路繊維90は、湿った時に膨潤しなければ、ど
の様な重合体からでも製造できる。ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル（好ましい）、等の重合体
が、外部毛細管通路を形成できる様に紡糸可能である限
り、使用できる。重合体は溶融押出しできるのが有利で
ある。一般的に、ここで使用する毛細管通路繊維は、固
有粘度（IV）が約0.6〜約0.9である合成ポリエチレンテ
レフタレート重合体の溶融物から製造する。（IVは専門
用語であり、公知の方法により決定できる。例えば米国
特許第4,829,761号、段落８参照） 毛細管通路繊維90は、好ましくは約10（約0.9のIV
で）〜22（約0.7のIVで）のデニール（フィラメントあ
たりのデニール「dpf」）のものである。しかし、無論
使用する繊維のデニールは配合者の判断で決定され、デ
ニールは容易に25の範囲内に入る。

この毛管通路の深さ：幅の比率は好ましくは約2.0で
あるが、加工上の制限および経済的な理由から、深さ：
幅の比率約1.3を一般的に使用する。したがって、ここ
で十分に使用できる、一般的な、容易に製造できる毛細
管通路繊維は、壁の深さが約48ミクロンで、壁間幅が約
37ミクロンである。壁自体は一般的に厚さが約３〜15ミ
クロンである。これらの寸法は変えられるが、ポリエス
テルから製造された、これらの特性を有する毛細管通路
繊維はその意図する目的に極めて有効である。

その様な繊維は、従来の製造設備を使用して製造する
ことができ、衛生用品、特に生理用ナプキンおよびパン
ティーライナーでかかる圧力に容易に耐えることがで
き、その毛管機能が失われる程度にまで毛管通路壁がつ
ぶれたり、広がったりすることはない。

毛管通路92は様々な形状を有することができる。特定
の形状は、特定の製品用途で特別な長所を与えることが
できる。例えば、「Ｕ字形」、「Ｈ字形」、および「Ｖ
字形」の毛細管通路繊維90を使用することができる。
「Ｈ字形」繊維は好ましい形状の一つである。さらに、
基本的な形状を反復し（図面参照）、あるいは枝分かれ
させ、複数の通路を有する繊維を製造することができ
る。図10の多重「Ｕ字形」繊維は、面同士が接触し、容
易にカールするので、追加の毛管現象が得られるという
利点がある。

ここで使用する種類の毛細管通路繊維の製造は、EPO
出願第391,814号（上記）および共に審査中の、「液体
を自発的に輸送できる繊維」と題する米国特許連続出願
題07/736261、1991年７月23日提出、発明者フィリップ
ス、ジョーンズら、イーストマン ケミカル カンパニ
ー、および共に審査中の、「開放毛管通路構造、毛管通
路構造の改良された製造方法、およびそこで使用する押
出しダイス」と題する米国特許出願題07/482,446号、19
90年２月20日提出、発明者トンプソンおよびクラウタ
ー、に記載されている。

ここで使用する毛細管通路繊維の製造に使用する重合
体自体は水に対して吸収性ではない（尿や月経の様な血
液を含む液体に対しても吸収性ではない）が、繊維自体
は親水性であるのが最も好ましい。ほとんどの合成重合
体は疎水性であるので、ここで使用する毛細管通路繊維
は表面処理して親水性を付与する。

重合体繊維の表面処理には、広範囲な繊維関係の文献
で良く知られている方法が関与する。一般的に、その様
な方法では、繊維の表面を「親水性付与剤」、特に界面
活性剤で処理する。親水性付与剤は、毛細管通路繊維を
その最終サイズに引くために重合体に加えるのが好まし
い。その様な処理に有効な代表的な界面活性剤には、ク
リーニング関係の文献で公知の一般的な種類の、各種の
非イオン系および陰イオン系の、洗浄性の界面活性剤が
ある。

親水性付与剤には、ポリエチレングリコールモノラウ
レート（例えば、ペゴスパース200ML、ポリエチレング
リコール200モノラウレート、ロンザ社、ウイリアムス
ポート、PA、USAから市販）、およびエトキシル化オレ
イルアルコール（例えばVOLPO−３、クロダ社、ニュー
ヨーク、ニューヨーク、USAから市販）がある。

芯材料の性能を向上させる、汚れ洗浄特性を改良す
る、等のための、繊維および織物業界で当業者に良く知
られている、他の種類の親水性付与剤および技術も使用
できる。

（３）毛細管通路繊維の繊維バット中への配置 一般的に、毛細管通路繊維90は、その様な繊維の束に
組み、吸収材製品に使用する。好ましい実施態様では、
毛細管通路繊維の束44をバットに組み、ふさ状にまと
め、円形隆起部72を形成する。

その様なバットは一般的に厚さが、生理用ナプキンに
使用するには約0.1インチ（0.25cm）〜約0.7インチ（1.
78cm）、好ましくは約0.1インチ（0.25cm）〜約0.4イン
チ（1cm）、パンティーライナーに使用するには好まし
くは約0.05インチ（0.13cm）〜約0.15インチ（0.4c
m）、幼児用おむつまたは成人の失禁用下着には好まし
くは約0.1インチ（0.25cm）〜約0.5インチ（1.3cm）で
ある。

使い捨ての吸収材製品に使用するには、その様なバッ
トは一般的に表面積1cm²あたり約0.003g〜約0.016gの繊
維を有し、体積1cm³（圧迫していない状態で測定）あた
り約0.003g〜約0.03gの毛細管通路繊維を有する。パン
ティーライナー、おむつおよび成人の失禁用下着に対す
る単位面積あたり、および単位体積の繊維の量は、上記
の厚さの差に基づいて計算することができる。

好ましくは、毛細管通路繊維のデニールおよび強度
は、繊維のバットの濡れた厚さ：乾燥した厚さの比が少
なくとも約80％、より好ましくは少なくとも約90％にな
る様に選択する。これによって、バットは、使用時にそ
の柔軟で形状に適合する品質を確実に保持する。（本明
細書に記載する百分率、比率および割合は、他に指示が
ない限り、すべて重量で表示する。） つまり、一般的な生理用ナプキンに関しては、約1.5g
のカールした毛細管通路繊維から、表面積が約160cm²の
長方形バットが得られる。その様なバットは、上記の種
類の、最初に液体を受けるトップシートの下に位置す
る、「第二トップシート」と呼ばれる層として使用する
のに好適である。

（４）吸収材製品における毛細管通路繊維バットの使用 毛細管通路繊維バットは、月経の様な液体に対してあ
る量の保持容量を有する。したがって、毛細管通路繊維
バットは、所望により、例えばパンティーライナーの吸
収性芯全体を形成することもできる。

しかし、ほとんどの場合、毛細管通路繊維バットは吸
収性芯と共に使用され、その芯は、毛細管通路繊維パッ
ドから芯の中に移動する液体のための貯蔵庫として機能
する。その様な芯は、下記の説明目的のために、セルロ
ース繊維の空気を含むフェルト、またはセルロース繊維
と吸収性ゲル化材料の混合物からなることができる。

その様な吸収性芯におけるセルロース繊維の極めて微
細な構造のために、芯は高い吸引力を示し、液体を毛細
管通路繊維から芯の中に吸引し、最終的に保持する傾向
がある。これこそまさに意図する効果である。したがっ
て、生理用ナプキンでは、約1g〜約5gの複数のセルロー
ス繊維、および所望により約0.5g〜約1.5gの吸収性ゲル
化材料からなる一般的な芯の上に、上記の様にして製造
した毛細管通路繊維バットを載せる。液体が製品の中に
入ると、その液体は毛細管通路繊維の網目構造にぶつか
り、その網目構造が液体を分配し、次いでその液体をそ
の下にある吸収性芯に引き渡し、それによって、毛細管
通路繊維の網目構造が次の液体導入に備えて少なくとも
部分的に更新される。

好ましい実施態様では、毛細管通路繊維バットは、多
孔質（好ましくは成形フィルム）トップシートの下の
「第二」トップシートとして使用できる。したがって、
毛細管通路繊維がトップシートを通して液体を吸引し、
それによってトップシートに新鮮な、乾燥した外観およ
び感触を残し、次いで液体をその下にある吸収性芯に引
き渡し、このようにして芯が飽和するまでこの過程を続
行することができる。

その様な吸収材製品の構成部品の液体処理特性は、本
出願と同じ日付けで、H.A.トンプソンらの名前で提出さ
れた、「液体の方向性を改良した、特に月経用の、吸収
材製品」と題する米国特許出願第07/915,286号に開示さ
れている。

（５）トップシートと毛細管通路繊維の間の接触 毛細管通路繊維のバッド44は、その上のトップシート
38と密に接触しているのが好ましい。これは、多くの好
適な機構により達成される。これらの機構には、接着
剤、超音波、等により、あるいは張力によりバット44を
トップシート38に接続する方法があるが、これらの方法
に限定するものではない。トップシート38と毛細管通路
繊維の接触は、毛細管通路繊維90のふさの一部がトップ
シートのオリフィスの中に伸びる様に、十分に密接にす
るとよい。

したがって、非常に好ましい実施態様では、トップシ
ート、そこから毛細管通路繊維パッド、およびそこから
その下にある吸収性芯の間に相互接続があり、それによ
って液体がトップシート38を通り、毛管通路の束44に沿
って、およびそこを通り、吸収性芯42の中へ効率的に進
行する。この相互接続は、湿分、機械的なせん断力、お
よび着用者の物理的な運動に関連する圧力−弛緩などの
使用中の応力がかかっても維持されるのが好ましい。

接着剤で取り付ける場合、幾つかのファクターを考慮
すべきである。使用する接着剤の量およびそれを塗布す
るパターンは、吸収材製品の使用者の体への粘着を最少
に抑える必要がある。接着剤は皮膚に対して刺激性がな
く、毒性学的に受け入れられるものでなければならな
い。接着剤は、湿分がない時、すなわち製品が製造され
ている時に、および最も好ましくは、湿分が存在する
時、すなわち吸収材製品が使用されている時に、その接
着特性を維持すべきである。したがって、接着剤は体液
に不溶性であるのが好ましい。

また、接着剤は、トップシートの製造に使用される材
料にも、毛細管通路繊維の製造に使用される材料にも接
着すべきである。トップシートまたは繊維が、例えば親
水性付与工程で、表面処理されている場合、接着剤を選
択する時に、その表面処理の性質を考慮しなければなら
ない。

ここで効果的な代表的な接着剤には、ラテックス接着
剤および熱溶融接着剤から選択された接着剤がある。好
適な接着剤は、フィンドレイ アドヒースィブス社から
熱溶融接着剤4031およびラテックス8085として市販され
ている。接着剤の種類は、毛細管通路繊維上に存在する
親水性仕上げ剤の種類に応じてある程度変えることがで
きる。

好適な仕上げ剤には、イーストマンのLK5483、LK556
3、および最も好ましくはスーストマンのLK5570、なら
びにICIアメリカから市販されている、繊維被覆用汚れ
洗浄重合体として洗剤業界で良く知られている（例えば
米国特許第4,132,680号参照）、マイルエースＴとして
入手できる重合体がある。

接着剤は不規則なパターンで塗布できるが、らせん、
または図13に示す様な多重らせんパターンを使用するの
が好ましい。接着剤の線は0.2mmノズルを使用してらせ
んパターンを塗布するが、0.6mmまでのノズルを使用し
ても十分に塗布できる。使用する接着剤の量は様々であ
るが、一般的には熱溶融接着剤を使用し、２インチx5イ
ンチのらせんパターンに対して約0.05gから２インチx7
インチのらせんパターンに対して約0.07gの範囲であ
る。

接着剤は、1986年３月４日にミネトラらに公布された
米国特許第4,573,986号に開示されている様に、接着剤
フィラメントのオープンパターンネットワークに塗布す
るとよい。らせんパターンに巻き込まれていく幾つかの
接着剤フィラメントの線からなるフィラメントのオープ
ンパターンネットワークを形成する好適な手段が、1975
年10月７日にスプレイグJr.に公布された米国特許第3,9
11,173号、1978年11月22日にツィークラーらに公布され
た米国特許第4,785,996号、および1989年６月27日にウ
ェレニッツに公布された米国特許第4,842,666号に開示
されている装置および方法により説明されている。

トップシートとその下にある毛細管通路繊維の層との
間の密な接触は、接着工程の際に圧力をかける、および
／またはその層の中の最も上にある毛細管通路繊維に
「くし」をかけ、個々の繊維を突き出させ、接着剤との
接触を改善することにより、さらに改良することができ
る。

（６）毛細管通路繊維と吸収性芯との間の接触 液体を吸収性芯42に効率的に移動させるためには、毛
細管通路繊維90と吸収性芯42との間にも密な接触がある
のが好ましい。

この密な接触も多くの方法により得られる。これらの
方法には、接着剤の使用、超音波接続、張力、吸収性芯
の表面を粗くすること、あるいは針による孔開け、また
は毛細管通路繊維の一部を吸収性芯の中に挿入すること
などがあるが、これらに限定するものではない。

好ましくは、図７に示す様に、毛細管通路繊維のふさ
44の基底部を芯／不織シートサンドイッチ構造の上部に
ある隙間に滑り込ませる。

毛細管通路繊維のふさ44は、94で示す２つの末端延長
部を有する。末端延長部94は、ふさ44の基底部で反対方
向で外側に伸びている。末端延長部94は好ましくは縦方
向中央線Ｌに沿って伸びる。末端延長部94は、毛細管通
路繊維のふさ44の上部と流体（すなわち液体）輸送接触
している。また、末端延長部94は吸収性芯ラミネートと
も流体輸送接触している。

毛細管通路繊維のふさ状に形成された束44は、生理用
ナプキン20に、液体輸送、および好ましくは液体獲得／
分配能力を有する構成部品を与える。毛細管通路繊維
は、束44の上に置かれた液体を吸収するのではなく、上
記の毛管勾配によりその液体を輸送するのに主として使
用される。したがって、毛細管通路繊維の束44は、「輸
送部品」、「液体獲得／分配部品」と呼ばれるか、ある
いはその機能を説明する他の好適な名称で呼ばれる。こ
の液体獲得／分配用の構成部品44は、幾つかの重要な機
能を有する。

液体獲得／分配用の構成部品44は生理用ナプキンの主
吸収性構成部品、すなわち吸収性芯42の上に伸びる上側
部分47を含む。この獲得／分配構成部品44の上側部分47
は、着用者の体に密接して配置される。液体獲得／分配
構成部品44の上側部分47は、着用者の陰唇間の空間内に
少なくとも部分的に適合できる様な大きさおよび形状を
有するのがさらに有利である。これによって、着用者の
体を離れる浸出液をより容易に塞き止めることができ
る。

束44の末端延長部94は、液体を吸収性芯42に直送する
ための導管を備えた液体獲得／分配構成部品を与える。
さらに好ましくは、末端延長部94は、吸収性芯42の内部
へ液体を輸送できる。これによって、生理用ナプキン20
の別の長所が与えられる。

一般的に、浸出液が吸収性芯42の様な吸収性構成部品
の上に単に置かれた場合、その吸収性構成部品の上表面
に沿って容易に吸収される。しかし、液体はまず芯の上
部に止まり、その上部を満たす傾向がある。これによっ
て芯の下側区域への浸出液の輸送が阻止される。末端延
長部94により、この問題が起こる可能性が少なくなる。
末端延長部94により、液体は吸収性貯蔵構成部品の一部
を通り、吸収能力の存在する場所を得るために移動する
必要がなくなる。

しかし、上記の生理用ナプキン20の構造は獲得／分配
構成部品の可能な配置の一つに過ぎない。上記の原則に
したがえば、多くの他の好適な構成部品の配置が可能で
ある。例えば、末端延長部94（または毛細管通路繊維束
の他の部分）は多くの異なった様式で吸収性芯42に接触
させることができる。

末端延長部94と吸収性芯42との間に可能な関係を以下
に示すが、これらに限定するものではない。これらの方
法をより好ましいものから順に記載する。末端延長部
は、（１）上記のひだを付けた芯の実施態様の様な、吸
収性芯（毛管性のより高い芯）の他の構成部品により取
り囲む、（２）他の構成部品の中に混ぜ合わせる、また
は一体化する、（３）すぐ上に記載した様な、他の構成
部品の２つ以上の層の間に配置する、（４）少なくとも
１つの他の層の下に配置する、あるいは（５）他の構成
部品の上に配置することができよう。

生理用ナプキン20は、トップシートと吸収性芯との間
に配置された他の種類の獲得／分配構成部品または層を
有することができる。好ましくは、図７に示す実施態様
は、トップシート38と吸収性芯42との間に配置された追
加の獲得層（または「第二トップシート」）46を有す
る。その様な追加の獲得層は、毛細管通路繊維の束44の
外側で縦方向または横方向に置かれた体の浸出液を吸収
性芯42に分配するのに使用できる これらの他の種類の獲得／分配構成部品、それらの構
成部品を吸収材製品中に固定する方法、およびそれらの
構成部品の機能は、オスボーンに公布された米国特許第
4,950,264号および第5,009,653号、および1991年12月17
日にクリーらの名前で提出された米国特許出願第07/81
0,774号、「融合層を有する吸収材製品」に記載されて
いる。

獲得／分配構成部品は、（毛細管通路繊維の代わり
に）他の種類の材料からなることもできる。これらの材
料には、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエ
チレンを含む合成繊維の織っていない、または織り上げ
たウェブ、綿またはセルロースを含む天然繊維、その様
な繊維の混合物、または他の同等の材料またはそれらの
材料の組合わせがあるが、これらに限定するものではな
い。

E.生理用ナプキンの構成部品の組み立て 図１に示す好ましい生理用ナプキンの実施態様では、
幾つかの異なった取り付け機構により構成部品を組み立
てている。これらの取り付け機構（または取り付け手
段）を図７を参考にして説明する。この説明は生理用ナ
プキン20の内側から外側に向かって進める。この説明で
は、吸収性芯42は上記の架橋したセルロースラミネート
からなる。

吸収性芯42は、上記の様に、好ましくは不織第二トッ
プシート44と不織層48との間に挟まれ、「芯／不織シー
トのサンドイッチ構造」51を形成する。芯／不織シート
サンドイッチ構造51の構成部品は、どの様な好適な方法
で固定してもよい。図７に示す実施態様における構成部
品は、縫い付け線70により一つに固定されている。

これらの構成部品の縫い付けは、幾つかの目的を果た
している。これらの目的には次のようなものがあるが、
これらに限定するものではない。縫い付けにより芯／不
織シートサンドイッチ構造51の各構成部品を一つに保持
する。縫い付けは、その様な構成部品を一つに結合する
非常に永久的な方法であるので、これらの構成部品を一
緒に保持するための好ましい機構である。また、縫い付
けにより、液体の存在下でも十分に保持することができ
る。

縫い付けにより、芯／不織シートサンドイッチ構造の
各層間の液体の移動も強化される。縫い付けにより、芯
／不織シートサンドイッチ構造の各構成部品は、それら
の構成部品が互いに常に密接して保持される様に固定さ
れる。上記の様に、この接触関係は、液体をその下に位
置する構成部品に輸送するのに必要な特徴の一つであ
る。

しかし、縫い付けは、芯／不織シートサンドイッチ構
造に限られるものではない。縫い付けは、トップシート
38とバックシート40を含めて、それらの間に位置する生
理用ナプキンの構成部品をすべて一緒に固定するのに使
用できる。

トップシート38はトップシート接着剤66により毛細管
通路繊維のふさに接続される。トップシートを接着する
好ましい方法は、上記の3D（５）節および下記の実施例
に詳細に説明する。

バックシート40は芯／不織シートラミネート51り下着
側に接着される。これは、図７に示す実施態様で、２つ
の構築接着剤の細片68により達成される。

次いで、トップシート38およびバックシート40を一緒
に固定する。トップシート38およびバックシート40の長
さおよび幅寸法は、吸収性芯42のそれらの寸法よりも大
きい。したがって、トップシート38およびバックシート
40は吸収性芯42の縁部を越えて伸び、生理用ナプキンの
周辺部26の少なくとも一部を形成する。

トップシート38およびバックシート40は、周辺部の熱
シールにより、生理用ナプキン20の周辺部26の少なくと
も一部の回りで互いに固定される。この周辺部熱シール
71の形成は、本発明の生理用ナプキン20の製造方法を説
明する下記の第４節で詳細に説明する。

トップシート、バックシート、吸収性芯、および他の
構成部品は、良く知られた配置（いわゆる「チューブ」
製品またはサイドフラップ製品を含む）で組み立てるこ
とができる。幾つかの他の好適な生理用ナプキン配置は
一般的に上記の、オスボーンに公布された米国特許第4,
950,264号および第5,009,653号、1984年１月10日にデス
マライスに公布された米国特許第4,425,130号、「複合
生理用ナプキン」、1982年３月30日にアールに公布され
た米国特許第4,321,924号、「縁取りした使い捨て吸収
材製品」、1987年８月18日にヴァンティルバーグに公布
された米国特許第4,589,876号、「フラップ付き形状生
理用ナプキン」に記載されている。

生理用ナプキン20の各所構成部品を固定する機構の説
明は、生理用ナプキンを構築する唯一の好ましい方法で
ある。生理用ナプキン20のどの構成部品も、接着剤、縫
い付け、熱および／または圧力接着、動的機械的接着、
超音波接着、一つの構成部品を構成する繊維を他の構成
部品上にメルトブローする様な、生理用ナプキンの構成
部品を構成する繊維または他の構造的要素を混ぜ合わせ
るまたはもつれさせること、あるいはこの分野で公知の
他の手段により一緒に固定することができる。

F.着用者のパンティーに生理用ナプキンを固定するため
のファスナー 使用中、生理用ナプキン20は好適な手段により着用者
の下着の所定の位置に保持することができる。好ましく
は、生理用ナプキン20は、使用者のパンティー中に配置
し、そこに、バックシート40の下着側表面40B上に位置
する接着剤の様なファスナーにより固定する。この接着
剤は、生理用ナプキンをパンティーのまたの部分に固定
する手段を与える。

図７は、特に好ましい接着剤パターンまたは形状を示
す。接着剤は、一般的に長方形の細片または断片の形に
配置される。これらの断片は、接着剤パターンの全体が
中央部分の欠けたＸ字形に類似し、それぞれの断片が、
縦方向および横方向中央線の交点Ｃから生理用ナプキン
の角部27の１つへの方向に走る様に配置する。

図７に示す接着剤パターンは、円形隆起部72を有する
実施態様で特に好ましい。中央部に接着剤がないため
に、生理用ナプキンの円形隆起部72を備えた部分が着用
者の下着から外れる。または分離することができる。こ
れによって、生理用ナプキン20を着用した時に、円形隆
起部72が着用者の体により常に接触する様になる。

接着剤断片の末端は好ましくは生理用ナプキン20の横
方向末端縁部24にできるだけ近い所に位置する。接着剤
配置のこの原則は、1992年３月19日にパパらの名前で公
開された、「吸収材製品のための形状および接着剤固定
手段」と題するPCT国際特許公開第WO92/04000に記載さ
れている。他の特徴（中央区域32に接着剤がないこと）
は、本発明の生理用ナプキンの配置に独特な原理による
ものである。

他の好適な接着剤配置も可能である。例えば、生理用
ナプキン20の各末端区域28および30で、接着剤を逆Ｖ字
形または山形に塗布することもできる。

この分野でその様な目的に使用されているどの様な接
着剤または糊でも使用できるが、感圧接着剤が好まし
い。好適な接着剤は、センチュリー アドヒースィブス
コーポレーションにより製造されているセンチュリー
Ａ−305−IV、ナショナル スターチ カンパニーによ
り製造されているインスタント ロック34−2823、およ
び３シグマにより製造されている３シグマ3153である。
好適な接着剤ファスナーは米国特許第4,917,697号にも
記載されている。

生理用ナプキン20の使用前に、一般的に感圧接着剤
を、剥離可能なカバー細片または剥離ライナー52で覆
い、使用前にパンティーのまた部分以外の表面に接着剤
が粘着するのを防止する。好適な剥離ライナーも上記の
米国特許第4,917,697号に記載されている。ここでは、
その様な目的に一般的に使用されている市販のどの様な
剥離ライナーでも使用できる。好適な剥離ライナーの例
は、BL30MG−ＡシロックスE1/0およびBL30MG−Ａシロッ
クス4P/0であり、どちらもアクロシル コーポレーショ
ンから製造されている。

本発明の生理用ナプキン20は、剥離ライナー52を除去
した後、その生理用ナプキンを、接着剤50がパンティー
に接触する様にパンティーの中に配置する。接着剤は、
使用中、パンティー内部の所定の位置に生理用ナプキン
を保持する。

別の実施態様では、接着剤の代わりに、または接着剤
に加えて、他の種類のファスナーを使用することができ
る。これらの他の種類のファスナーは、上記のパターン
と類似のパターンで配置するのが好ましい。

その様なファスナーには、通常のベルクロフック材
料、1990年８月７日にバットレルに公布された米国特許
第4,946,527号、それぞれ1991年10月22日および1992年
５月26日にトーマスらに公布された米国特許第5,058,24
7号および5,116,563号、1990年８月８日公開のEPO特許
出願第0381087号、あるいは、コルプマンに公布された
米国特許第4,166,464号、リンカー、IIIらに公布された
米国特許第4,834,739号、およびゴセンスらに公布され
た米国特許第5,011,480号に記載されている様な、高摩
擦係数発泡材および他の高摩擦係数材料があるが、これ
らに限定するものではない。

G.所望により使用する特徴 生理用ナプキン20は、それぞれ吸収性芯の側縁部に隣
接し、そこから横方向に伸びる２個のフラップ56を備え
ることもできる。フラップ56は、着用者のパンティーの
縁部と大腿部との間に位置する様に、またの区域で着用
者のパンティーの縁部の上に垂れ下がる構造を有する。

フラップ56は少なくとも２つの目的に役立つ。第一
に、フラップ56は、好ましくはパンティーの縁部に沿っ
て二重壁バリヤーを形成することにより、月経液体によ
り着用者の体およびパンティーが汚れるのを防止する。
第二に、好ましくはフラップ56の下着側表面に取り付け
手段を備え、フラップ56をパンティーの下に折り曲げ、
パンティーの下着に面する側に取り付けられる様にす
る。この様にして、フラップ56は生理用ナプキンをパン
ティーの中の正しい位置に保つことができる。

フラップ56は、トップシート、バックシート、ティシ
ュー、またはこれらの材料の組合わせと類似の材料を含
む各種の材料から構築することができる。さらに、フラ
ップ56は、ナプキンの本体部分21に取り付ける別の部
品、あるいはトップシート38およびバックシート40の延
長部（すなわち一体化した製品）でもよい。

本発明の生理用ナプキンと共に使用するのに適した、
または使用できるフラップを有する多くの生理用ナプキ
ンが、1987年８月18日にヴァン ティルバーグに公布さ
れた、「フラップを備えた形状生理用ナプキン」と題す
る米国特許第4,687,478号、1986年５月20日にヴァン
ティルバーグに公布された、「生理用ナプキン」と題す
る米国特許第4,589,876号、および1986年８月26日にマ
ッティングリーに公布された、「生理用ナプキン取り付
け手段」と題する米国特許第4,608,047号に記載されて
いる。

あるいは、図１に示す様に、フラップは、上記の文献
に記載されているフラップの幾つか程大きくなくてもよ
い。その様なフラップは、エラストマー接着剤にラミネ
ート加工された、接着されていない、不織の表面仕上げ
材料からなることができる。エラストマー接着剤は、好
ましくは液体に対して不透過性である。ラミネートの少
なくとも一部は好ましくは低い弾性率を示し、伸長後に
完全に回復しない。

伸長後に完全に回復しないラミネートの部分には、パ
ッドを着用者のパンティーの中に入れ、そのパンティー
をはくと、その部分が容易に変形するという利点があ
る。この実施態様では、着用者が、パンティーの脚ゴム
を含む部分をフラップで容易に包むことができる。

例えば、ラミネートの、伸長後に十分に回復しない部
分は、フラップの末端で不織材料だけからなる区域を構
成することができる。パンティーの脚ゴムを含む部分の
回りをフラップで包むと、これらの区域は永久的に変形
する傾向がある。これらの区域における材料の永久変形
により、フラップはパンティーのゴムの回りを包んだま
まに保持される。

生理用ナプキンは、以下に説明する様に、構成部品
（すなわちちょうど真ん中における）を差を付けて引き
伸ばし、特殊な曲率を持たせて構築することができる。
１）芯または他の構成部品をトップシートで部分的に包
む、２）芯または他の構成部品をバックシートで部分的
に包む、［（１）および（２）の特徴は、一緒にラミネ
ート処理され、サンドイッチ状の構造を有する製品を形
成するのと異なり、他の構成部品中に少なくとも部分的
に包まれた構成部品を有する、いわゆる「チューブ」製
品を構成することができる。］、３）縁部を巻き上げる
（例えば、生理用ナプキンの縁部をカールさせる、また
は渦巻き状構造に成形し、快適性を増すことができ
る）、４）パッドの縁部を柔らかい材料で覆う（例えば
図７で外側に伸びてトップシートの延長部54を形成する
材料を、好ましくは他の構成部品の縦方向側縁部の回り
に被せ、バックシート40に固定する）、および５）生理
用ナプキンの、調整のために特別な剛性程度を有する縁
部、などを含む様々な特徴を備えた生理用ナプキンを製
造することができる。

その上、ここに記載する生理用ナプキンは、細長い切
込みを入れた、または部分的に細長い切込みを入れた吸
収性芯を、カールした毛細管通路繊維および他の伸長性
の構成部品と共に使用し、これらが共同である程度の伸
長性（15％〜40％のオーダーの）を製品に与えることが
できる。この伸長性により、使用中の適合性および快適
性が改良される。特に好ましい別の実施態様では、生理
用ナプキン20は、その生理用ナプキンを着用した時に特
に縦方向に伸長できる（好ましくは引っ張り可能な）構
成部品から構成する。

本発明の好ましい実施態様では、トップシート38は米
国特許第4,463,045号にしたがって製造し、リングロー
リングしてある程度の縦方向伸長性を与える。リングロ
ーリングしたトップシート38の波形の折れ線は、トップ
シート38が縦方向に伸長できる様に、横方向に走る。

吸収性芯42は、上記の様なラミネートであり、縦方向
に伸長できる様に細長い切込みを入れ、または部分的に
細長い切込みを入れてある。吸収性芯42は、中央区域32
ではなく、末端区域28および30で細長い切込みを入れる
ことができる。他の種類の細長い切込みを入れた吸収性
材料は、1991年７月24日にライオンコーポレーションか
ら公開されたヨーロッパ特許第0293208号に記載されて
いる。

特に好ましい伸長性バックシート40は、ワウワトー
サ、ウイスコンシンのフィンドレイ アドヒーシブス
カンパニーにより製造されているフォーミュラ＃198−3
88として知られる伸長した接着剤フィルムである。不織
層46および48はクレープ処理して伸長性を与えることが
できる。生理用ナプキン20は、伸長した時にナプキンか
ら液体または液体を含む過飽和物質が滲み出るのを防ぐ
ために好ましくは密封する。

ファスナーは、伸長性、非伸長性、または部分的に伸
長性で部分的に非伸長性の接着剤断片の様なファスナー
でよい。接着剤ファスナーは、1985年12月３日にスワン
ソンらに公布された米国特許第4,556,146号に記載され
ている様に、個別に包装した生理用ナプキンおよび使用
後に生理用ナプキンを廃棄するための容器の両方のため
に、被覆材で保護する。

好適な伸長性吸収材製品は、オスボーンらの名前で提
出された、「伸長性の吸収材製品」と題する共同提出さ
れた米国特許出願に記載されている。

毛細管通路繊維は、各種の接着方法により、吸収材製
品に加工し易い安定したシートに効果的に成形すること
もできる。例えば、約20から30重量％のポリエステル熱
可塑性繊維（例えばKODEL410）を毛細管通路繊維と混ぜ
合わせ、得られた繊維状シートを直接または空気により
加熱する。

精製し、カールしたセルロース繊維は、各種の接着方
法により、吸収材製品に加工し易い安定したシートに効
果的に成形することができる。例えば、約７から15重量
％のポリエステル熱可塑性繊維（例えばKODEL410）を精
製し、カールしたセルロース繊維と混ぜ合わせ、得られ
た繊維状シートを空気加熱または超音波接着する。

熱可塑性繊維を毛細管通路繊維層または吸収性芯層
に、またはその両方に取り入れることにより、上記のシ
ート安定性に加えて別の長所が得られる。特に、芯の
中、または毛細管通路繊維層の中、またはその両方の中
に熱可塑性繊維を組み込むことにより、例えば生理用ナ
プキンまたはパンティーライナーの周辺部（少なくとも
またの区域で）を密封することができ、該密封により、
製品縁部の回りで液体が溢れるのを抑制する、または完
全に防止する手段が得られる。

別の様式では、熱可塑性トップシート、熱可塑性繊維
を含む芯、およびバックシートをすべて一緒に、超音波
接着によりその周辺部で、またはその近くで接着するこ
とができる。さらに別の様式では、混合した熱可塑性繊
維を含む毛細管通路繊維の層も、同様に芯に（および所
望によりトップシートにも）接着することができる。さ
らに別の様式では、芯および／または毛細管繊維の層の
中に熱可塑性繊維が存在することにより、製品全体に渡
って様々な点において点接着することができ、それによ
って、製品が湿った時でもさらに一体性が得られる。

本発明の様々な特徴は、本発明と同じ日付で提出され
た下記の審査中米国特許出願、すなわちテレサL.ジョン
ソンらの名前で提出された、「湾曲した、形状吸収材製
品」と題する米国特許出願第07/915,285号、ロブE.オル
センらの名前で提出された、「吸収材製品ファスナーパ
ターン」と題する米国特許出願第07/915,201号、および
レサM.ハインズらの名前で提出された、「湾曲した、形
状吸収材製品の製造方法」と題する米国特許出願第07/9
15,134号に記載されている。

さらに別の実施態様では、生理用ナプキンの構成部品
または区域を、折る、曲げる、波形にする、層を積み重
ねる、および層を互いに固定することにより、さらに構
造的に変形することができる。これらの変形は、1989年
10月４日にビュエルの名前で公開されたヨーロッパ特許
出願第0335252号および第0335253号、ビッシャーらの名
前で公開されたPCT特許出願公開第WO92/07535号、およ
び1992年４月28日にオスボーンの名前で提出された、
「剛化した中央部を有する、一般的に薄い、たわみ性生
理用ナプキン」と題する米国特許出願第07/874,872号に
記載されている構造の一つ以上を含むことができる。

幾つかの好ましい生理用ナプキンの実施態様を説明し
たが、他の多くの生理用ナプキンの実施態様が文献中に
記載されている。これらの生理用ナプキンは、本発明の
湾曲した、形状で与えることができる。その様な生理用
ナプキンの幾つかは、1990年10月29日にビッシャーらの
名前で提出された米国特許出願第07/605,583号、1991年
４月23日および1990年８月21日にそれぞれオスボーンに
公布された米国特許第5,009,653号および第4,950,264
号、1990年７月10日にサレルノに公布された米国特許第
4,940,462号、1990年４月17日にオスボーン、IIIに公布
された米国特許第4,917,697号、1990年３月27日にマビ
ンカーブに公布された米国特許第4,911,701号、1990年
２月13日にマッコイに公布された米国特許第4,900,320
号、1987年８月18日にヴァン ティルバーグに公布され
た米国特許第4,687,478号、1986年８月26日にマッティ
ングリーに公布された米国特許第4,608,047号、1986年
５月20日にヴァン ティルバーグに公布された米国特許
第4,589,876号、1981年８月25日にマクネアーに公布さ
れた米国特許第4,285,343号、1968年８月20日にリッカ
ードに公布された米国特許第3,397,697号、および1957
年４月２日にクラークに公布された米国特許第2,787,24
1号に記載されている。

用語「パンティー ライナー」または「パンティーラ
イナー」とは、一般的に女性がその月経期間中に着用す
る生理用ナプキンよりもかさの小さい吸収材製品を意味
する。本発明の湾曲した、形状構造で提供できるパンテ
ィーライナーの形の好適な吸収材製品は、1998年４月19
日にオスボーンに公布された「パンティーライナー」と
題する米国特許第4,738,676号に記載されている。

用語「失禁用製品」とは成人または他の失禁症の人が
着用するかに関係なく、パッド、下着（ベルト、等の同
じ種類の懸垂方式により所定の位置に保持されるパッ
ド）、吸収材製品様の挿入物、吸収材製品用の容量増強
材、ブリーフ、ベッドパッド、等を意味する。ここに記
載する湾曲した、形状構造で提供できる好適な失禁用製
品は、1981年３月３日にストリックランドらに公布され
た米国特許第4,253,461号、ビュエルに公布された米国
特許第4,597,760号および第4,597,761号、上記の米国特
許第4,704,115号、アールらに公布された米国特許第4,9
09,802号、1990年10月23日にギプソンらに公布された米
国特許第4,964,860号、および1991年１月３日にそれぞ
れノエルら、およびフェイストらにより提出された米国
特許出願第07/637,090号および第07/637,571号に記載さ
れている。

本発明の焦点は、着用者の下着のまたの区域に着用す
る吸収材製品に向けられている。しかし、本発明の特徴
は、おむつの様な吸収材製品にも使用できる。おむつ
は、幼児および失禁症の人により着用され、着用者の腰
のあたりに固定される吸収材製品である。

本発明の湾曲した、形状構造で提供できる好適なおむ
つは、1975年１月14日にビュエルに公布された米国特許
第3,860,003号、および1991年６月13日にビュエルらの
名前で提出された米国特許出願第07/715,152号に記載さ
れている。

4.吸収材製品の製造方法 A.概論 生理用ナプキン20の３次元形状では、生理用ナプキン
を縦方向および横方向で湾曲させる。

生理用ナプキン20の様な製品を湾曲させるということ
は、最も広い意味において、その製品の一面の寸法を他
の面の寸法より大きくすることであると考えられる。例
えば、製品の一方の面の長さがもう一方の面の長さより
も大きい場合、その製品は、その製品の短い方の面に沿
って内側に湾曲する。

生理用ナプキン20のこの湾曲化は、少なくとも３つの
基本的な方法により達成できる。

生理用ナプキン20に形状を与える第一の方法では、少
なくとも２つの構成部品を一緒に固定する。これらの構
成部品は一般的に異なった寸法を有する（すなわち一方
は他方よりも少なくとも一つの寸法が大きい）。構成部
品を好ましくは、それらの構成部品を固定した時にそれ
らの末端が同じ点で終わる様に一緒に固定する。この生
理用ナプキンに形状を与える第一の方法では、湾曲した
型の様な湾曲した表面上にこれらの構成部品を置いて一
緒に固定する。

生理用ナプキン20に形状を与える第二の方法では、生
理用ナプキンの構成部品の少なくとも一部を予め短くし
ておき、これを他の構成部品の一つに固定する。第二の
方法では、構成部品の少なくとも一つ（例えば第一構成
部品）は伸長性および収縮性の両方であることが必要で
ある。生理用ナプキンに形状を与える第二の方法では、
第一構成部品を伸長し、第二構成部品に固定し、収縮さ
せる。この様にして形成された生理用ナプキン20は、一
般的に第一構成部品に最も近い面に沿って内側に湾曲す
る。

生理用ナプキン20を湾曲させる第三の方法は、好適な
方法により、生理用ナプキン20の面の一方を長くする。
これは、例えば、生理用ナプキン20のバックシート40を
伸長する、または加熱して伸長することにより達成でき
る。これによって、生理用ナプキン20はトップシート38
に沿って湾曲する。

B.構成部品を湾曲した表面に置いて固定する方法 湾曲した形状の生理用ナプキンを製造する第一の方法
では、上記の様に、一般的に生理用ナプキンの構成部品
をトラフの様な湾曲した型の中に置き、望ましい形状に
構成部品を一緒に固定する。これは手作業で、または機
械により行うことができる。

（１）手作業による生理用ナプキンの製造 図14および15は、生理用ナプキン20の製造に使用する
好ましい湾曲した型を示す。

図14に示す湾曲した型は、生理用ナプキン20の構成部
品を組み立てるのに使用する。図14に示す型は、約7.75
インチ（約20cm）の長さD₂を有する。この型を平らな表
面上に置くと、その平らな表面から上の高さD₃が約３イ
ンチ（約7.5cm）になる。この型は、その湾曲した内側
表面に沿って測定した円弧長D₄が約10.25インチ（約26c
m）である。

図15に示す湾曲した型は、組み立てた生理用ナプキン
構成部品の縦方向側端部25を密封するのに使用する。図
15に示す型は、長さD₂が約６インチ（約15cm）である。
この型を平らな表面上に置くと、その平らな表面から上
の高さD₃が約3.75インチ（約8cm）になる。この型は、
その湾曲した内側表面に沿って測定した円弧長D₄が約９
インチ（約23cm）である。この円弧に沿った密封区域の
長さD₅は約３インチ（約7.5cm）である。

生理用ナプキン20は、下記の方法により、手作業で組
み立てる。簡単にするために、組み立てを一つの可能な
方法に関して説明する。以下に記載する工程は、他の多
くの順序で行うことができる。また、生理用ナプキンの
組み立てにも他の多くの方法がある。その様な代案はす
べて本発明の範囲内に入る。

吸収性芯42用の構成部品を入手する。使用する吸収性
芯42は、２層の架橋セルロース繊維43および45およびそ
の間の吸収性ゲル化材料粒子41からなる上記の好ましい
ラミネートである。

吸収性ゲル化材料粒子41は、架橋セルロース繊維の基
底層45を形成するウェブ（またはその一部）の上に配置
する。

毛細管通路繊維90を入手する。毛細管通路繊維90は実
質的にカールしているのが好ましい。好適な毛細管通路
繊維は、イーストマン ケミカル カンパニーから市販
の記号SW173の繊維である。SW173繊維は、スタッファー
ボックスで１インチあたり7.8個のひだを付けた、通路
幅が38ミクロンで通路深さが19ミクロンのＨ字形断面を
有する、カード処理した繊維片である。毛細管通路繊維
は好ましくは長さが６インチであり、0.75g繊維を使用
する。

毛細管通路繊維90は、中央にひだがあり、上記の寸法
を有する長円形のふさを形成する層の形で用意する。毛
細管通路繊維の層の縦方向末端は末端延長部94に成形す
る。毛細管通路繊維の束44を吸収性ゲル化材料41の上に
置く。束44は、その基底部74から伸びる延長部94が、完
全に組み立てた生理用ナプキンの縦方向中央線Ｌに沿っ
て伸びる様に配向させる。

芯42の上側層43を形成する架橋したセルロース繊維の
ウェブ（またはその一部）に縦方向の細長い切り込みを
入れる。この切り込みは、上側層43の、完全に組み立て
た生理用ナプキンの中央区域32になる部分に入れる。切
り込みを入れたウェブは、繊維のふさ状に形成された束
をそのふさ形状に維持するのに役立つ。別の実施態様で
は、繊維の束をそのふさ形状に維持するのに他の好適な
機構を使用することができる。

芯42の上側層43は毛細管通路繊維の束44および吸収性
ゲル化材料の粒子層の上に配置する。毛細管通路繊維の
束44の上側部分47は、隙間を通して引上げ、ふさを形成
する。これによって、束44の上側部分47が露出されたま
まになる。延長部94は、吸収性芯ラミネート内の吸収性
ゲル化材料41の層の上の所定の位置に止まる。これによ
って、吸収性芯のプレアセンブリーが形成される。

第二トップシート46材料を用意する。第二トップシー
ト46を構成する材料の層にも縦方向の細長い切り込みを
入れる。第二トップシート46は、吸収性芯プレアセンブ
リーの体側表面の側の上に配置する。毛細管通路繊維の
ふさ44の上側部分47を第二トップシート46の切り込みを
通して引っ張る。不織層48を、芯プレアセンブリーの下
着に面した側の上に配置する。これによって吸収性芯／
不織シートラミネート51が形成される。

次いで、吸収性芯／不織シートラミネート51を、図７
に示す様な縫い付け線70に沿って一緒に縫い付ける。

次いで、吸収性芯／不織シートラミネート51および生
理用ナプキンの他の構成部品を図14に示す湾曲した型中
で組み立てる。バックシート40をまず湾曲した型の中に
置く。構築接着剤の２つの細片68を、バックシート40上
の、バックシート材料の縦方向側縁部に近い所に配置す
る。吸収性芯／不織シートラミネート51を、型の中の、
バックシート40材料の上に配置した構築接着剤68の上に
置く。

トップシート38の下着に面した側38Bにトップシート
接着剤66を吹き付ける。好ましくは、接着剤66は、図13
に示す様ならせんパターンにトップシートする。トップ
シート38は図13ではその最終裁断形状で示す。

（しかし、トップシート38は、裁断していない、また
は部分的に裁断した形状にし、過剰の材料はトップシー
ト38の周辺を包んでおくことが多い。この過剰の材料
は、生理用ナプキンの構成部品の縦方向側端部25を形成
する部分が密封された後、除去するのが一般的であ
る。） 次いで、トップシート38を吸収性芯／不織シートラミ
ネート51（ふさ44はなお芯／不織シートラミネート51か
ら突き出している）の上に置く。これによって、予備組
み立てされた生理用ナプキンが形成される。次いで、こ
の予備組み立てされた生理用ナプキンは湾曲した形状に
密封される。

予備組み立て下生理用ナプキンを図14に示す型から取
り出す。予備組み立てした生理用ナプキンの縦方向側端
部25を次の様に密封する。

生理用ナプキン構成部品は、幾つかの好適な方法によ
り湾曲した形状に保持することができる。好ましくは、
構成部品は図15に示す湾曲した型を使用して湾曲した形
状に維持する。図15に示す湾曲した型は、好ましくはそ
の側縁部上で湾曲している。予備組み立てした生理用ナ
プキンを湾曲した型の外側表面上に置く。予備組み立て
した生理用ナプキンは、図15に示す様に、密封すべき側
端部25が湾曲した型の側縁部98上に位置する様に配置す
る。

図15に示す湾曲した型の側縁部98は、好ましくはその
型の内側表面に対してだいたい直角に向いている。

これによって、予備組み立てした生理用ナプキンの縦
方向側端部25を湾曲した型の上に置き、トップシート38
の隣接する部分の面から、予備組み立てした生理用ナプ
キンの、密封した時に生理用ナプキンの体側表面20Aを
形成する表面に向かって折り曲げた時に、密封すること
ができる。特に、縦方向側端部25は、トップシートの面
から、約90゜の角度でトップシート38に向かって折り曲
げる。

密封の前に縦方向側端部25をトップシート38の面〜折
り曲げることにより、縦方向側端部25の末端部25Bを予
め短くすることにより上記の重なりを形成するのに役立
つ。また、これによって生理用ナプキンに横方向に湾曲
させ、縦方向側端部25が直立するのを支持する。

しかし、縦方向側端部25は90゜で内側に曲げる必要は
ない。縦方向側端部25は好適などの様な角度に曲げても
よく、それでもここに記載するある程度の利点が得られ
る。別の実施態様では、縦方向側端部はまったく曲げな
い。

次いで縦方向側端部25を密封する。ここに記載する好
ましい方法では、生理用ナプキン20の縦方向側端部25
は、加熱素子により密封する。加熱素子は実質的に、側
端部25の末端部25Bが（好ましくは湾曲した）予め短く
された状態にある配置で縦方向側端部に「アイロンがけ
する」のに使用される。

加熱素子は、加熱板、棒密封装置、スパチュラ型密封
装置、等の、どの様な型の加熱装置でもよい。

この工程の別の実施態様では、縦方向側端部25は別の
方法で湾曲した配置で密封することができる。縦方向側
端部25の末端部25Bが予め短くされた状態で側端部を保
持できさえすれば、どの様な方法でも使用できる。その
様な方法には、縦方向側端部25を縁曲げする、ならびに
縦方向側端部25にテープを取り付けるなどの方法もある
が、これらに限定するものではない。

縦方向側端部25をその様な方法で密封する効果は、縦
方向側端部25を密封する前に、生理用ナプキンの縦方向
側端部25に沿った複数の非常に小さな区域または部分が
重なる（すなわちかろうじて目に見える多くのミニタッ
クを形成する）ことである。これによって縦方向側端部
25が（したがって生理用ナプキン20が）湾曲する。

形成すべき密封部に関して、予備組み立てした生理用
ナプキンの縦方向側端部25が他の表面中に、またはその
上に置かれても、本発明の範囲内である。例えば、生理
用ナプキンは単一の型内で組み立ておよび密封すること
もできる。

その後に続く、生理用ナプキンの周辺部の残りの部分
（または構成部品の他の部分）の密封、および周辺密封
部の外側の過剰材料の切断の様な、生理用ナプキンの組
立て工程は、どの様な好適な方法によって行うこともで
きる。

例えば、生理用ナプキンの周辺部の残りは、生理用ナ
プキンが湾曲した形状にある間に密封することができ
る。あるいは、周辺部の残りは、予備組立てした生理用
ナプキンがあまり湾曲していない形状、または平らな形
状にある時に密封し、よりゆるやかに湾曲した製品およ
び／または異なった曲率を有する製品を製造することも
できる。（例えば、末端区域28および30を平らにして密
封し、中央区域32よりも曲率の小さい末端区域を得るこ
ともできる。） （２）機械による生理用ナプキンの製造 図16は、本発明の生理用ナプキンの製造に使用できる
装置100を示す。

装置100は、下記のような基本的な構成部品、すなわ
ちフレーム102、フレーム102上に横滑りできる様に取り
付けた湾曲した成形シュー104、および一対のプランジ
ャー106および108を含む。装置100の構成部品は以下に
詳細な説明する。

湾曲した成形シュー104は、生理用ナプキンを装置100
で製造する場合の湾曲した型として作用する。湾曲した
成形シュー104は、好ましくは窪んだ中央部分110、複数
の真空孔112、および両側に一対のシリコーンゴム挿入
物114を備えている。通常の真空源（図には示していな
い）を湾曲した成形シュー104上の真空孔112に接続す
る。

生理用ナプキン20の切り取っていない構成部品を逆さ
にして湾曲した成形シュー104の上に（構成部品の円形
隆起部72を形成する部分を窪んだ中央部分110の中にし
て）置く。窪んだ中央部分110は、生理用ナプキンが本
発明の工程を進む際に、生理用ナプキンの毛細管通路繊
維束を備えた中央部分が入り込む空間を与える。

真空孔112は、真空をかける時に空気が通る通路を与
える。真空源は真空孔112を通して吸引し、真空にす
る。切り取っていない生理用ナプキンを湾曲した成形シ
ュー104上に置いてから真空を作用させる。真空によ
り、切り取っていない生理用ナプキンは、密封工程の
間、所定の位置に保持される。

湾曲した成形シュー104は、その上に載せた切り取っ
ていない生理用ナプキンと共に、図16の矢印の方向で、
プランジャー106および108の間を横滑りする。

プランジャー106および108は、好ましくは空気圧作動
シリンダー116および118、加熱された密封素子120、細
片ヒーター122、および絶縁素子取り付けブロック124か
らなる。加熱された密封素子120は好ましくは、生理用
ナプキンと接触するプラズマ被覆面を有する。

成形シュー104がプランジャー106および108の間にあ
る時、プランジャーが作動し、内側に（機械を横断する
方向に）、成形シュー104に向かって移動する。加熱さ
れた密封素子120が生理用ナプキンの縦方向側端部25を
密封するが、その際シリコーンゴム挿入物114が、プラ
ンジャー106および108によりかけられる力に対してアン
ビルとして作用する。

その後に続く、生理用ナプキンの周辺部の残りの部分
の密封、および周辺密封部の外側の過剰材料の切断の様
な、生理用ナプキンの組立て工程は、どの様な好適な方
法によって行うこともできる。

C.別の方法−生理用ナプキンの一つ以上の構成部品を短
縮する 生理用ナプキンを湾曲させる第二の方法では、生理用
ナプキンの一つ以上の構成部品を短縮する。

この方法は多くの様式で行うことができる。この方法
の好ましい実施態様では、生理用ナプキンを平らな状態
で製造する。一つ以上の構成部品（例えばトップシート
38）を引き伸し、その下にある構成部品（例えばバック
シート40）に固定する。引き伸ばした構成部品を元に戻
す。これによって、引き伸ばされた構成部品が短縮さ
れ、一般的に生理用ナプキンが、その短縮された構成部
品に最も近い表面に沿って湾曲する。

（しかし、他の実施態様では、生理用ナプキンは、そ
の短縮された構成部品から遠く離れた表面に沿って内側
に湾曲することもある。湾曲の方向は、生理用ナプキン
の他の構成部品の特性により異なる。例えば、柔らか
く、厚く、たわみ性の材料を、短縮された構成部品の外
側表面上に配置すると、生理用ナプキンは、短縮された
構成部品から遠く離れた表面に沿って内側に湾曲し得
る。） 簡単にするために、この方法を、トップシート38が、
引き伸ばされ、生理用ナプキンの他の構成部品に取り付
けられた構成部品である、好ましい実施態様に関して説
明する。

この方法で使用するトップシート38は、ある程度の弾
性を有するべきである。（すなわち、このトップシート
材料は伸長し、元に戻ることができる。）トップシート
38材料は、上記の材料の多くからなることができる。好
ましくは、トップシートは、上記の好ましい成形フィル
ムの一つからなる。

生理用ナプキンの永久的な湾曲性および形状は、バッ
クシート40の寸法よりも小さなトップシート38を付ける
ことにより保持される。トップシート中の張力を緩和す
るために、パッドは上方に湾曲する。引き伸ばしたトッ
プシート38を他の構成部品に取り付けることは、弓につ
るをかけることに似ている。

トップシート材料38は、好ましくは比較的少量の伸長
および回復特性を有する。トップシート38は、生理用ナ
プキンの着用に伴う力によりあまり伸長しない方が好ま
しい。これによって、使用期間を通して永久的な湾曲性
が確保される。さもなくば（トップシート38が着用中に
かなり伸長し得るのであれば）、その伸長によりトップ
シート38が生理用ナプキン20を平らにし、その湾曲性が
失われる。

着用中に末端区域28および30が下方に引っ張られ、生
理用ナプキンが平らになっても、末端区域にかかる力が
取り除かれた後、末端区域がその本来の位置に弾性的に
戻る様に、トップシート38は十分な弾性回復特性を有す
るべきである。使用中に製品がその形状を回復すれば、
パッドは体と接触し易くなる。また、使用期間を通して
トップシートがその下にある構成部品と密な接触を維持
する様に、トップシート材料は柔らかく、十分なひだが
寄ることも重要である。

トップシート38材料は、本発明の方法において、その
長さに沿って一様に伸長することができる。すなわち、
トップシート38のすべての部分を同じ量だけ伸長するこ
とができる。

しかし、トップシート38は差を付けて伸長するのが好
ましい。ここで使用する用語「差を付けて伸長」とは、
構成部品のある部分（例えばトップシート）がその構成
部品の他の部分よりも多く伸長されることを意味する。

図19は、生理用ナプキン20の好ましい製造方法では、
トップシート38は、完全に組立てた生理用ナプキン20
の、中央区域32中にある部分および縦方向側方区域36に
おいて、縦方向により多く引き伸ばされることを示して
いる。

これは、トップシート38をバックシート40に完全に接
着する前に行う。トップシートを中央区域および縦方向
側方区域で差を付けて伸長するには、まずトップシート
38の全体を伸長する。次いでトップシート38をバックシ
ート40に、縦方向側端部25に沿って固定するが、その他
の所では固定しない。トップシート38およびバックシー
ト40の縦方向側端部を固定した後、トップシート38を弛
緩させる。これによってトップシート38の残りの部分か
ら張力を取り去る。次いでトップシート38をバックシー
ト40に、生理用ナプキン周辺部の残りの部分に沿って接
着する。

トップシート38の各部分を選択的に引っ張る利点は、
好ましい種類の湾曲性が得られることである。トップシ
ート38を、生理用ナプキンの中央区域および縦方向側方
区域でより多く引っ張ることにより、これらの区域がよ
り大きく湾曲する。これは、製品の末端区域の巻き上が
る傾向を防止するのに望ましい。また、これは生理用ナ
プキンを体の形状により適合させるためにも望ましい。

生理用ナプキン20を湾曲させるには、トップシート38
を、伸長しない長さに対して比較的少量伸長させるだけ
でよい（例えば伸長しない長さの１または２％〜約13
％、より好ましくは５〜10％）。別の実施態様では、そ
れより多く、または少なく伸長することもできる。

本発明の様々な方法には、数多くの変形がある。これ
らの変形には、次のようなものがあるが、これらに限定
するものではない。その様な変形はすべて本発明の範囲
内に入る。

生理用ナプキンは、生理用ナプキン20の他の構成部品
を伸長することにより湾曲させることができる。伸長で
きる他の構成部品には、第二トップシート、および事実
上、生理用ナプキンの他のすべての構成部品が含まれ
る。ただし、他の構成部品が伸長および収縮可能である
ことが必要である。例えば、毛細管通路繊維44は、生理
用ナプキンを湾曲させるために伸長することはできな
い。

望ましい方向に湾曲させるには、伸長すべき構成部品
を選択する際に、伸長した構成部品のｚ方向位置、なら
びに隣接する構成部品のたわみ性の様な特性も考慮する
必要がある。

生理用ナプキンの伸長した構成部品は、上記の様にそ
れらの周辺部でバックシート40に接続することができ
る。別の実施態様では、伸長した構成部品は、バックシ
ート40以外の構成部品に接続することができる。その様
な他の構成部品の必要条件は、伸長した構成部品よりも
伸長が少ないことだけである。

さらに、各構成部品は、それらの周辺部以外の位置で
一つに接続することができ、それでも生理用ナプキンを
湾曲させる。生理用ナプキンを湾曲させるには、各構成
部品を一般的に少なくとも２か所で接続する必要があ
る。これらの２つの場所は、縦方向および横方向中央線
の交点以外の場所に位置する様に選択すべきである。

別の実施態様では、生理用ナプキンの伸長させる構成
部品は、生理用ナプキンの全長にわたって伸びる、また
は生理用ナプキンのほとんど全長にわたって伸びる層
（または層の一部）である必要はない。例えば、伸長す
る構成部品は、伸長され、固定される材料の細片だけで
よく、これによって生理用ナプキンが湾曲する。

上記の方法は、生理用ナプキンを横方向に湾曲させる
のに使用できる。この横方向の湾曲性は、縦方向の湾曲
の代わりに、またはそれに加えて、上記の方法により与
えることができる。

他の実施態様では、1986年６月16日にベアードらの名
前で公開されたＰ＆Ｇ イギリス特許出願公開第216825
3号、および1992年５月14日にテイラーらの名前で提出
された米国特許出願第07/882,738号に記載されている技
術の幾つかも生理用ナプキンの構築に使用できる。

弾性部材（３次元形状を与えるために生理用ナプキン
に使用されている）は快適ではない、または使用者によ
り快適であると認められないことがあり、生理用ナプキ
ンと着用者の体との間に隙間を生じ、月経液体の漏れを
生じることがある。これらの弾性部材の消費者に対する
欠点に加えて、これらの材料は、この種類のパッドの原
価を引上げ、その製造を複雑にする。

吸収材製品の構成部品の一つのエラストマー特性を使
用することにより、今日製造されているほとんどすべて
の吸収材製品がこの技術を使用することにより製造でき
る。この技術により、湾曲させるために弾性部材に頼っ
ている平らな吸収材製品よりも、より密接に、より快適
に着用者の体に理想的に適合する、滑らかで、湾曲した
吸収材製品を得ることができる。着用者の体により密接
に、より快適に適合する吸収材製品は、汚れをより効果
的に防止する。

しかし、別の実施態様では、所望により、伸長により
生理用ナプキン中にしわを形成することもできる。これ
らのしわは、湾曲性の代わりに、またはそれに加えて形
成することができる。

さらに別の実施態様（あるいはここに記載するすべて
の製法）において、生理用ナプキン20は所望により弾性
を有することもできる。これらの弾性は、この分野で知
られているどの方法でも得ることができる。

D.別の方法−生理用ナプキンの一つ以上の構成部品を長
くする 生理用ナプキンを湾曲させる第三の方法では、生理用
ナプキン20の面の一つを長くする。

これは、例えば、生理用ナプキン20のバックシート40
を伸長するか、あるいはバックシート40を加熱し、伸長
することにより行うことができる。

その様な方法における伸長は、縦方向の側端部以外の
場所で接着された、平らな、予備組立てした生理用ナプ
キンに対して行うことができる。予備組立てした生理用
ナプキンを湾曲した型の中に、またはそれに対して配置
する。バックシート40は予備組立てした生理用ナプキン
に対して伸長し、湾曲形状を与えることができる。次い
で、予備組立てした生理用ナプキンが湾曲した形状にあ
る間に、その縦方向側端部（または他の好適な部分）を
密封する。これによって、トップシート38に沿って内側
に湾曲した生理用ナプキンが得られる。

別の実施態様では、バックシート以外の構成部品を
（またはバックシートに加えて）伸長することができ
る。

（例えば横方向に湾曲させるための技術を使用して）
湾曲させるために生理用ナプキンの構成部品を短くする
などの、上記の方法の変形に関連して上に説明した一般
的な原理は、湾曲させるために構成部品を長くする別の
方法にも適用できる。

本特許出願の全体にわたって記載したすべての特許、
特許出願（およびそれに対して公布されるすべての特
許、ならびに対応するすべての外国公開特許出願）、お
よび文献をここに参考として含める。しかし、ここに参
考として含めるどの文献も、本発明を開示または記載し
ているとは認められない。また、ここに記載する市販の
材料または製品のどれも、本発明を開示または使用して
いるとは認められない。

本発明の特定の実施態様を説明してきたが、当業者に
は、本発明の精神および範囲から逸れることなく、様々
な他の変形および修正が可能であることは明らかであ
る。したがって、本発明の範囲内にあるその様な変形お
よび修正はすべて請求項に含まれる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ７３４，４０５ (32)優先日 平成３年７月23日(1991．7．23) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (31)優先権主張番号 ８７４，８７２ (32)優先日 平成４年４月28日(1992．4．28) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (31)優先権主張番号 ８８２，７３８ (32)優先日 平成４年５月14日(1992．5．14) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (72)発明者 ソレンセン，ユージーン ロバート アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、モンタナ、アベニュ、2677 (72)発明者 ダウク，ナンシー ベック アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、マークリー、ロード、1020 (72)発明者 ケラー，シェリ ディーン アメリカ合衆国インディアナ州、ウエス ト、ハリソン、ゲイナー、リッジ、ロー ド、6245 (72)発明者 バンバー，ジェフリー ビンセント アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、ピカソ、コート、7546 (56)参考文献 特開 昭52−12869（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−76156（ＪＰ，Ａ) 米国特許3575174（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 13/00 - 13/84

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）吸収材製品の構成部品を複数用意す
   る工程と、 （ｂ）吸収材製品の構成部品を他の構成部品の上に位置
   させる工程と、 （ｃ）湾曲した表面を用意する工程と、 （ｄ）前記吸収材製品の構成部品を前記湾曲した表面上
   にまたはその表面に対して位置させ、２つの縦方向側縁
   と体側表面と下着側表面と縦方向中心線を有する予め成
   形された吸収材製品を形成する工程と、 （ｅ）前記予め成形された吸収材製品の前記縦方向側縁
   のみを前記縦方向中心線方向に曲げる工程と、 （ｆ）前記予め成形された吸収材製品が湾曲した形状に
   維持している間に、前記予め成形された吸収材製品の構
   成部品を前記縦方向側縁のみ互いに固定することで予め
   成形された吸収材製品を湾曲した形状に形成する工程と
   を有することを特徴とする湾曲した吸収材製品の製造方
   法。
2. 【請求項２】工程（ｅ）は、前記縦方向側縁を、前記縦
   方向側縁が密封される前に、前記縦方向中心線かつ体側
   表面の内側方向に曲げる工程を有することを特徴とする
   請求項１に記載の湾曲した吸収材製品の製造方法。
3. 【請求項３】（ａ）フレームと、 （ｂ）前記フレームに取り付けられた湾曲した成形表面
   とを有し、 ２つの縦方向側縁と縦方向中心線を有する予め成形され
   た吸収材製品を形成するように、吸収材製品の構成部品
   が前記成形表面の上に位置する、湾曲した吸収材製品を
   製造するための装置において、 （ｃ）前記吸収材製品の前記構成部品が湾曲した形状に
   ある時、周囲の残りを密封する前に、前記吸収材製品の
   構成部品を前記縦方向側縁のみに沿って密封するための
   手段を有することを特徴とする湾曲した吸収材製品を製
   造するための装置。
4. 【請求項４】（ａ）少なくとも第１構成部品と第２伸長
   性構成部品とを有し、前記第１構成部品が液体透過性ト
   ップシートを有し、前記第２構成部品が液体不透過性バ
   ックシートを有し、前記第１構成部品および第２構成部
   品は、それぞれ一対の対向面を有する吸収材製品の構成
   部品を用意する工程と、 （ｂ）前記第１構成部品と第２構成部品を向き合った関
   係に配置し、第１構成部品と第２構成部品の間に吸収性
   芯を配置する工程と、 （ｃ） 前記第１構成部品と第２構成部品の少なくとも
   一部を固定し、固定部分と未固定部分を有する予め成形
   された吸収材製品を形成し、前記予め成形された吸収材
   製品は２つの末端区域と２つの末端区域の間に配置され
   た中央区域と一対の縦方向側縁を有する周囲とを有し、
   縦方向側縁は中央区域内に位置する部分と末端区域内に
   位置する部分と固定手段とを有し、固定手段は前記第１
   構成部品と第２構成部品を予め成形された吸収材製品の
   末端区域に位置する予め成形された吸収材製品の縦方向
   側縁の一部に沿って固定する工程と、 （ｄ）前記予め成形された吸収材製品を曲面上に配置
   し、第２構成部品の未固定部分の一部を伸ばし、予め成
   形された吸収材製品を湾曲した形状に成形する工程と、 （ｅ）構成部品を前記未固定部分に固定する工程とを有
   することを特徴とする湾曲した吸収材製品の製造方法。