JP3504219B2 - 炊飯器の蓋補強構造 - Google Patents

炊飯器の蓋補強構造

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JP3504219B2 JP2000178366A JP2000178366A JP3504219B2 JP 3504219 B2 JP3504219 B2 JP 3504219B2 JP 2000178366 A JP2000178366 A JP 2000178366A JP 2000178366 A JP2000178366 A JP 2000178366A JP 3504219 B2 JP3504219 B2 JP 3504219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力を掛けて炊飯
の調理を行う器具における蓋の補強構造の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】圧力式の炊飯器に用いられている蓋は合
成樹脂からなる場合がほとんどで、それを補強するため
には、通常、素材を厚くするか、製品の前後方向あるい
は左右方向にリブを一体成型する方式が採られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、圧力式の器
具の蓋としての機能を高める(軽量化、コンパクト化)
ために、素材を薄くしたり、補強用のリブの厚みを薄く
する傾向にあり、そのために、補強機能が減殺される可
能性がある。それを防止する対策として、製品の前後方
向、例えば、蓋の後側のヒンジピンの部分から前側の上
フックまでの間に補強板を配置することが考えられる
が、これだけでは、蓋全体のうち製品の左右方向におけ
る補強が充分ではあるとは言えない。このような場合に
おいて、製品の左右方向の強度を確保するためには、そ
の付近の樹脂形状を複雑にする必要があった。
【0004】一方、近年、蓋の一部である蒸気筒から蒸
気が放出される際に発生する音を小さくするために筒径
を大きくしたり、釜内をできるだけ高い圧力に保持しよ
うとする傾向にある。これらの場合においても、蓋全体
のうち製品の左右方向の強度を高める必要があるが、現
行のものではえてして製品の左右方向に歪みや反りが生
じているのが実情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの欠点
を解消することを目的とするものであって、圧力式の炊
飯器の蓋3内部に、製品の前後方向と左右方向とに補強
用部材8,9をそれぞれ配し、前記補強用部材9の補強
9b を前記補強用部材8の切欠孔 8f 8g から突出してい
る蒸気弁6と蒸気筒7との間に位置させたことを特徴と
するものである。製品の左右方向に補強用部材9を追加
することによって、蓋3の樹脂形状を簡素化することが
でき、かつ、前記補強用部材9の補強板 9b を前記補強用
部材8の切欠孔 8f 8g から突出している蒸気弁6と蒸気
筒7との間に位置させることによって、さらなる強度を
確保することができる。
【0006】圧力式の炊飯器の蓋3内部に、製品の前後
方向と左右方向とに補強用部材8,9をそれぞれ配し、
蒸気弁6、蒸気筒7機構など蓋3内部において突出する
部分に対応して前記補強用部材8の水平状補強板8cと前
記補強用部材9の水平状押え片 9cを切り欠き、補強用部
材8の水平状補強板 8c の切欠縁部と補強用部材9の水平
状押え片 9c 切欠縁部で前記突出部の周囲を保持してお
くことが望ましい。このようにすると、蒸気弁6、蒸気
筒7機構など蓋3内部において突出する部分の周囲を、
補強用部材8の水平状補強板 8c の切欠縁部と補強用部材
9の水平状押え片 9c 切欠縁部で囲って保護できる。
【0007】補強用部材8の固定片8bの上に補強用部材
9の固定片9aを重ね合わせ、その部分をねじ11で共締め
するのが好ましい。補強用部材8と補強用部材9とを重
ね合わせた部分でねじ11により共締めすることにより、
製品の前後方向の補強に供される補強用部材8が外方向
に倒れるのを防止できる。
【0008】一方、製品の左右方向に配される補強用部
材9の左右方向の補強板9bの板面に、ビード9gを形成し
ておくのが好ましい。このビード9gの存在により、蓋3
の左右方向に配置せしめられる補強板9bは厚み以上に強
度が増し、その結果、製品の左右方向の強度をさらに高
めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における炊飯器の蓋補強構
造の最も好ましい実施の形態を、添付の図面に基いて詳
細に説明する。図1に示す炊飯器は、内釜1を収容した
炊飯器本体2の上面に、後端部に位置せしめたヒンジピ
ン14を支点として開閉する蓋3を設け、蓋3に装着した
放熱板4によって内釜1の上端開放面を閉塞し、炊飯器
本体2内に設けた内釜1の加熱手段(図示していない)
によって炊飯の調理を行うものである。
【0010】蓋3内には、その一部として放熱板4より
内側(図1の上側)に合成樹脂製の蓋リング5が配置せ
しめられる。この蓋リング5には、図2に示すように、
蒸気弁6や蒸気筒7が設けられており、それらは他の部
分に比べて上方に突出した状態にある。蒸気弁6は、加
熱に伴って内釜1の圧力が所定圧以上に達したとき蒸気
とともに内釜1内の圧力を放出するためのものである。
また、蒸気筒7は吹きこぼれ防止のための筒体である。
そして、図1に示した調圧ボールによって炊飯時に蒸気
弁6を閉塞し、所定の圧力を加えて炊飯することができ
るようになっている。
【0011】なお、蓋リング5には、前記蒸気弁6や蒸
気筒7より外方において製品の前後方向に相当する方向
に左右2本のリブ5a,5aが配置されており、その所定位
置にはねじ孔5b,5bが複数個形成されている。そして、
左右2本のリブ5a,5aの外側にも、製品の前後および左
右方向に相当する方向に走るリブ5c,5cが多数設けられ
ている。
【0012】このような構造の蓋3内において、製品の
前後方向と左右方向の強度を高めるために、製品の前後
方向と左右方向とに補強用部材8,9をそれぞれ配置す
る。補強用部材8は製品の前後方向を補強するのに供せ
られ、また、補強用部材9は製品の左右方向を補強する
のに供せられる。2つの補強用部材8,9の詳細を図3
に示す。
【0013】図3に示すように、補強用部材8には、前
記蓋リング5の一部として製品の前後方向に相当する方
向に配置されている左右2本のリブ5a,5aの内面に沿わ
せ得る鉛直方向の添片8a,8aと、左右2つの添片8a,8a
から外方向に折曲させた水平状の固定片8b,8bと、前記
両添片8a,8a間に位置する水平状の補強板8cとが形成さ
れている。そして、左右2つの添片8a,8aには、左右2
本の前記リブ5a,5aの所定位置に設けられている各ねじ
孔5b,5bに対向する位置に、ねじ挿通用の孔8d,8eがそ
れぞれ形成されている。また、左右2つの添片8a,8a間
に位置する水平状の補強板8cには、前記蒸気弁6を挿通
させ得る切欠孔8fと前記蒸気筒7を挿通させ得る切欠
8gとが形成されている。
【0014】したがって、補強用部材8のうち左右2つ
の添片8a,8aを蓋リング5の左右2本のリブ5a,5aに沿
わせながら、図4に示すように、左右2本のリブ5a,5a
間に補強板8cが位置するように補強用部材8を配置し、
各孔8d,8dを経て各ねじ孔5b,5bにねじ10をそれぞれね
じ込むと、この補強用部材8により蓋リング5のうち製
品の前後方向を補強することができ、しかも、蒸気弁
6、蒸気筒7機構など蓋3内部において突出している部
分の周囲を切欠孔8f,8gの各切欠縁部で囲うようにして
保護できる。
【0015】また、図3に示すように、補強用部材9に
は、前記蓋リング5の所定位置に配置・固定した補強用
部材8のうち左右2つの固定片8b,8b上に各々載置させ
得る2つの固定片9a,9aと、両固定片9a,9a間に位置し
ていて製品の左右方向に配置される鉛直方向の補強板9b
と、この補強板9bから水平状に延び出ていて前記蒸気筒
7の外側に沿わせ得る押え片9cとが形成されている。そ
して、前記補強板9bの左右両側は切り欠いてあってその
部分を係合段部9fとして利用し得るようにしてある。左
右2つの固定片9a,9aには、前記補強用部材8のねじ挿
通用の孔8e,8eに対向する位置に、ねじ挿通用の孔9e,
9eがそれぞれ形成されている。
【0016】したがって、ねじ10により前記蓋リング5
の所定位置に配置・固定されている補強用部材8の切欠
8f8gから突出している蒸気弁6と蒸気筒7との間
に、この補強用部材9の補強板9bを位置させながら、ね
じ挿通用の孔9eが前記切欠孔8fと切欠8gの境目付近に
位置する孔8eに左右とも重なり合うように、補強用部材
9の左右2つの固定片9a,9aを補強用部材8の左右2つ
の固定片8b,8b上に重ね合わせ、両孔9e,8eを経て左右
のねじ孔5b,5bにねじ11をそれぞれねじ込んで共締めす
ると、この補強用部材9により蓋リング5のうち製品の
左右方向を補強することができ、しかも、蒸気弁6、蒸
気筒7機構など蓋3内部において突出している部分の周
囲を押え片9c,9cの各切欠縁部で囲うようにして保護で
きる。
【0017】この場合において、ねじ11で補強用部材8
の固定片8bと補強用部材9の固定片9aとを共締めするこ
とにより、補強用部材8の固定片8bが外方向に倒れるの
を防止することができ、また、補強用部材9の係合段部
9f,9fが前記蓋リング5の所定位置に配置・固定されて
いる補強用部材8の添片8a,8aを内側から支える結果、
添片8a,8aが内方向に倒れるのを防止することができ
る。したがって、蓋リング5の、ひいては、製品の左右
方向の強度を高めることができる。
【0018】図3に示すように、前記補強用部材9の補
強板9bの板面には、ビード9gが形成されている。このビ
ード9gの存在により、蓋3の左右方向に配置せしめられ
る補強板9bは、厚み以上に強度が増し、その結果、製品
の左右方向の強度をさらに高めることができる。
【0019】また、図3に示すように、補強用部材8に
は、倒L字形をした覆い片8h,8iや切欠孔8j、8kなども
形成されている。これらは、蓋リング5の蒸気弁6、蒸
気筒7機構以外に蓋3内部において突出する部分を、図
4に示すように覆って保護したり、上方に突出する部材
やピンを挿通するためのものである。また、図3におい
て、図面符号8lは、蓋3の後端部を枢着するヒンジピン
14を挿通するための孔、図面符号8mは、蓋3の前側にあ
る上フック15を装着するための孔である。
【0020】なお、内釜1の開放面を閉塞する放熱板4
は、蓋3に固定された加熱板12によって加熱され、炊飯
直後に発生する露を蒸発させるとともに、保温時の補助
的熱源としても有効に作用する。放熱板4は蓋3の裏面
に固定した加熱板12と接触状態に装着することによって
加熱される。放熱板4の外周縁部分にはパッキン13が装
着してあり、パッキン13が内釜1に密接し、シール状態
を維持する。また、放熱板4は蒸気弁6、蒸気筒7など
の機構とともに、内蓋セットとして蓋3に対して着脱す
ることができるようになっている。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、製品の左
右方向に補強用部材9を追加することによって、蓋3の
樹脂形状を簡素化することができ、かつ、前記補強用部
材9の補強板 9b を補強用部材8の切欠孔 8f 8g から突出
している蒸気弁6と蒸気筒7との間に位置させることに
よって、さらなる強度を確保することができる効果があ
る。
【0022】請求項2記載の発明によれば、蒸気弁6、
蒸気筒7機構など蓋3内部において突出する部分の周囲
を、補強用部材8の水平状補強板 8c の切欠縁部と補強用
部材9の水平状押え片 9c 切欠縁部で囲って保護できる
効果がある。
【0023】請求項3記載の発明によれば、製品の前後
方向の補強に供される補強用部材8が外方向に倒れるの
を防止できる効果がある。
【0024】請求項4記載の発明によれば、蓋3の左右
方向に配置せしめられる補強板9bは厚み以上に強度が増
し、その結果、製品の左右方向の強度をさらに高めるこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋補強構造を備えた炊飯器の一例を示
す一部切欠の概略図である。
【図2】蓋の一部である蓋リングの一例を示す平面図で
ある。
【図3】本発明の蓋補強構造に用いられる補強用部材の
一例を示す斜視図で、下側に示すものは製品の前後方向
を補強するためのもの、上側に示すものは製品の左右方
向を補強するためのものである。
【図4】蓋の一部である蓋リングの所定位置に、製品の
前後方向を補強するのに供せられる補強用部材と製品の
左右方向を補強するのに供せられる補強用部材を配置し
た状態を示す平面図である。
【符号の説明】
3…蓋、5…蓋リング、6…蒸気弁、7…蒸気筒、8…
補強用部材、8a…添片、8b…固定片、8c…補強板、8d,
8e…ねじ挿通用の孔、9…補強用部材、9a…固定片、9b
…補強板、9c…押え片、9e…ねじ挿通用の孔、9g…ビー
ド、10…ねじ、11…ねじ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 103 B65D 43/16 104

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力式の炊飯器の蓋3内部に、製品の前後
    方向と左右方向とに補強用部材8,9をそれぞれ配し
    前記補強用部材9の補強板 9b を前記補強用部材8の切欠
    8f 8g から突出している蒸気弁6と蒸気筒7との間に
    位置させたことを特徴とする炊飯器の蓋補強構造。
  2. 【請求項2】圧力式の炊飯器の蓋3内部に、製品の前後
    方向と左右方向とに補強用部材8,9をそれぞれ配し、
    蒸気弁6、蒸気筒7機構など蓋3内部において突出する
    部分に対応して前記補強用部材8の水平状補強板8cと前
    記補強用部材9の水平状押え片 9cを切り欠き、補強用部
    材8の水平状補強板 8c の切欠縁部と補強用部材9の水平
    状押え片 9c 切欠縁部で前記突出部の周囲を保持したこ
    とを特徴とする炊飯器の蓋補強構造。
  3. 【請求項3】補強用部材8の固定片8bの上に補強用部材
    9の固定片9aを重ね合わせ、その部分をねじ11で共締め
    したことを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器の蓋
    補強構造。
  4. 【請求項4】製品の左右方向に配される補強用部材9の
    左右方向の補強板9bの板面に、ビード9gを形成したこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炊飯器の
    蓋補強構造。
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