JP3503678B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術の分野】本発明は、記録用紙の幅方
向に移動するキャリッジに記録ヘッドとサブタンクとを
搭載し、函体に収容されたインクカートリッジからイン
ク供給チューブによりサブタンクを介して記録ヘッドに
インクを供給するインクジェット式記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】圧力発生室で加圧したインクをノズルか
らインク滴として記録用紙に吐出させて印刷デ−タを記
録するインクジェット式記録装置は、ノズル開口からの
インク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、イン
クの固化、ノズル開口への塵埃の付着、さらには圧力発
生室等への気泡の混入などにより印刷不良を生じるとい
う問題を抱いている。このため、インクジェット式記録
装置は、非印刷時にノズル開口を封止してインクの蒸発
を防止するとともに、ノズル開口に負圧を作用させてノ
ズル開口からインクを強制的に排出させるためのキャッ
ピング装置と、これに負圧を供給するポンプユニットを
備えている。

【０００３】一方、カラー印刷時の印字品質を向上する
ため、少なくとも濃マゼンタ、淡マゼンタ、濃シアン、
淡シアン、イエロー、及びブラックの６色のインクを使
用するインクジェット式記録装置が提案されている。

【０００４】このように多色のインクを用いるものにあ
っては、少なくとも６色分のインクカートリッジを必要
とするため、インクタンクをキャリッジに搭載する形式
の記録装置ではキャリッジの総重量が大きくなって、キ
ャリッジ駆動モータに出力の大きなものが必要となるば
かりでなく、キャリッジリターンの際のキャリッジの反
動が大きくなる等の問題がある。

【０００５】このような問題を解消するため、例えば特
公平4-43785号公報に見られるようにキャリッジに可撓
性袋からなる圧力ダンパーを兼ねるサブタンクを搭載す
る一方、函体に載置されたインクカートリッジからイン
クをサブタンクに汲み上げ、サブタンクを介して記録ヘ
ッドにインクを供給する分離インク供給方式が提案され
ている。これによれば、記録ヘッドの確実にインクを供
給することができるばかりでなく、キャリッジの全体の
重量を軽量化して高速印刷と、インク補充の期間の延長
を図ることができるメリットがあるものの、インク供給
チューブを介してサブタンクに流れ込んだ気泡が記録ヘ
ッドに侵入してインクの吐出を阻害するという問題を抱
えている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するため、記録ヘッド、サブタンク、及びインクカート
リッジをエンドレスに接続してインクを循環させて、記
録ヘッドの気泡を排除するインク供給方式も提案されて
いるが、記録ヘッドとインクカートリッジとの間に往路
用の流路と復路用の流路との２つの流路を必要するた
め、流路構造が複雑になるという問題がある。本発明は
このような問題に鑑みてなされたものであって、その目
的とするところは印刷期間中は、サブタンクの気泡が記
録ヘッドに移動するのを防止し、またインク充填操作時
にはサブタンク内の気泡を外部に排出させることができ
るインクジェット式記録装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、インク供給チューブを介し
てインクカートリッジのインクをサブタンクに供給し、
前記サブタンクから記録ヘッドにインクを供給して印刷
を行なうインクジェット式記録装置において、前記サブ
タンクは、インクカートリッジに連通する第１のインク
室と、前記記録ヘッドに連通し、かつ前記第１のインク
室と上下関係となるように配置された第２のインク室と
を、印刷時のインクの流れでは気泡が通過できず、また
インク充填時の強い流れでは気泡が通過する下方向きの
流れを生じさせ、かつ前記インク流入口よりも上方に位
置する連通口を介して連通させ、また少なくとも第２の
インク室の１つの面をインクの圧力変動に応動して変形
する弾性膜により封止して構成され、前記第１のインク
室と第２のインク室とを仕切る仕切り部材の下面に前記
連通口側が上方となる斜面が形成されている。

【０００８】

【作用】キャリッジの移動によるインクの圧力変動を弾
性膜の変形により吸収し、また印刷時にはインクカート
リッジ等から流れ込んだ気泡を連通口により第２のイン
ク室に流れ込むを妨害し、またインク充填時等には強い
流れにより気泡を第２のインク室に引き込んで記録ヘッ
ドから排出させる。

【０００９】

【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図１は、本発明のイン
クジェット式記録装置の一実施例を示すものであって、
キャリッジ１は、タイミングベルト２によりモータ３に
接続されいて、ガイド部材４に案内されてプラテン５に
平行に移動するように構成されている。キャリッジ１の
記録用紙に対向する面には、第１の記録ヘッド６と第２
の記録ヘッド７とがキャリッジ１の移動方向に並べて搭
載され、また上面にはダンパー機能を備えたサブタンク
ユニット８、９が載置されている。

【００１０】フレームの一側には前述のインクカートリ
ッジ１０、１１、１２、１３が収容されていて、インク
供給チューブ１４、１５、１６、１７により後述するサ
ブタンクユニット８、９に接続されている。

【００１１】記録ヘッド６、７の移動経路の非印字領域
に記録ヘッド６、７のノズルプレートを封止するキャッ
プ部材１８、１９を備えたキャッピング装置２０が設け
られている。

【００１２】図２は、上述したサブタンクユニット８、
９の一実施例を示すものであって、基台３０に中仕切り
３１により下端で連通する２つの凹部からなる第１のイ
ンク室３２と第２のインク室３３を形成し、第１のイン
ク室３２には連通口３４より上部に位置させてインク流
入口３５を、また第２のインク室３３には上部で連通す
るインク流出口３６を形成した上で、開口部をインク圧
力の変動に追従可能な遮気性弾性膜３７により封止して
構成されている。

【００１３】またインク流出口３６と第２のインク室３
２との間にはインク流出口３６よりも若干開口面積が大
きな凹部からなるフィルタ室３８を形成し、第２のイン
ク室側に印刷時のインク消費による弱い流れで流入する
気泡を阻止するフィルタ３９が設けられている。なお、
図中符号４０、４１はチューブとの接続部を示す。

【００１４】図３は、同上記録装置におけるインク供給
系を、１つのインクカートリッジ１０に例を採って示す
ものであって、サブタンク８は、インク流入口３５にイ
ンク供給チューブ１４を接続され、他端のインク供給針
５０によりインクカートリッジ１０に収容されたインク
袋１０ａのインク供給口１０ｂに接続され、インク流出
口３６がチューブ５１により記録ヘッド６のインク導入
口６ａに接続されている。

【００１５】記録ヘッド６を封止するキャップ部材１８
は、チューブ５３を介して吸引ポンプ５４の吸引口に接
続されている。また吸引ポンプ５４の吐出口はチューブ
５５により廃インクタンク５６に連通されている。吸引
ポンプ５４を駆動する動力には、専用のモータ以外に、
吸引時に動作を必要としない部材、たとえば紙送りモー
タの動力を使用することができる。

【００１６】この実施例において、インクカートリッジ
１０を新しく装着した場合には、記録装置函体の表面に
設けられている制御パネルのスイッチ等により初期充填
指令を行なう。

【００１７】キャリッジ１は、ホームポジションに移動
してキャップ部材１８、１９により記録ヘッド６、７を
封止して、吸引ポンプ５４を作動させる。この負圧は同
時にサブタンク８の遮気性弾性膜３７をインク室側を凸
とするように弾性変形させつつ、記録ヘッド６を介して
インク供給流路を形成しているサブタンク８、インク供
給チューブ１４に作用してインクカートリッジ１０のイ
ンクをインク供給チューブ１４を経由させて第１のイン
ク室３２に引き込む（図４（I））。

【００１８】カートリッジ１０やインクチューブ１４に
停滞していた気泡は、インクの流れに乗って第１のイン
ク室３２に流入する。強い負圧が作用している状態では
第１のインク室３２のインクの液面が連通口３４の高さ
程度となるため、気泡Ｂも連通口３４を経由して第２の
インク室３３に流れ込む。

【００１９】第２のインク室３３に流れ込んで浮力によ
りインク流出口３６に上昇して強い圧力に引かれてフィ
ルタ３９を通過してインクとともに記録ヘッド６に流れ
込んで、記録ヘッド６を経由して外部に排出される（図
４（II））。

【００２０】インクの初期充填が終了すると、記録ヘッ
ド６を介しての負圧の作用が無くなるため、遮気性膜３
７が元の状態に復帰し、また第１のインク室３２のイン
クの液面が上昇する（図４（III））。

【００２１】この状態で印刷が実行されると、印刷によ
り記録ヘッド６で消費された分のインクがインクカート
リッジ１０からサブタンク８の第１のインク室３２に流
れ込む。インク供給チューブ１４やインクカートリッジ
１０に含まれていた気泡Ｂもインクとともに第１のイン
ク室３２に流れ込むものの、浮力により上昇し、かつ連
通口３４よりも高い位置の壁面に阻まれて第２のインク
室３３への移動を阻止されるため、第１のインク室の上
部の空間に移動せざるを得ず、第２のインク室３３に流
れ込むことができない。

【００２２】また、この実施例においては第１のインク
室３２へのインク流入口３５を連通口３４よりも上方に
形成すると、インク流入口３５から流入してきた気泡Ｂ
を可及的に液面近傍に位置させて第２のインク室３３へ
の気泡の流入を確実に防止することができる。

【００２３】したがって、印刷中にインク流入口３５か
ら流れ込んだ気泡は、記録ヘッド６に浸入することがで
きない。また、キャリッジ１の移動に伴うインクの圧力
変動に遮気性弾性膜３７が応動し、記録ヘッド６にイン
ク圧力が伝搬するのを可及的に抑制する（図４（I
V））。

【００２４】図５は、本発明の第２実施例を示すもので
あって、第１のインク室６１と第２のインク室６２とを
上下関係となるように中仕切６３により区分し、第１の
インク室６１の下部に連通させてインク供給口６４を、
第２のインク室６２の底面に連通させてインク流出口６
５を形成し、またインク流入口６４よりも上部から連通
口６６により第２のインク室６２の上部とを連通させ、
さらに中仕切６３の下面６３ａを連通口側６６を上方と
する斜面に形成し、これら第１、第２の開口面を遮気性
弾性膜６７により封止して構成されている。

【００２５】この実施例において、インクの充填時に
は、インク液面Ｅ１が低下して連通口６６の近傍に位置
し、かつ速いインク流のため、気泡Ｂはインク流に乗っ
て簡単に連通口６６を通過して第２のインク室６２に流
れ込む。そして速いインク流に引かれて斜面に沿って流
出口６５に引寄られて記録ヘッド６から排出される（図
６（イ））。

【００２６】インクの充填が終了した段階では第１のイ
ンク室６１でのインク液面Ｅ２が連通口６６よりも上昇
し、かつインク流の速度が低いから、気泡は連通口６６
を通過することが困難となり、またたとえ第２のインク
室６２に気泡Ｂが流入しても、弱いインク流に抗して浮
力により斜面６３ａに沿って連通口から第１のインク室
６１に戻ることになり、印刷期間中に気泡が記録ヘッド
６に流入するのを防止される（図６（ロ））。

【００２７】図７は、本発明の第３の実施例を示すもの
であって、第１のインク室７１と第２のインク室７２と
を上下関係となるように斜めに配置された中仕切７３に
より区分し、第１のインク室７１の最深領域に連通させ
てインク供給口７４を、第２のインク室７２の狭部領域
に連通させてインク流出口７５を形成し、またインク流
入口７４よりも上部から連通口７６により第２のインク
室７２の上部とを連通させ、これら第１、第２の開口面
を遮気性弾性膜７７により封止して構成されている。そ
して、インク流出口７５に連通させてフィルタ室７８を
形成し、第２のインク室側７２にフィルタ７９が設けら
れている。

【００２８】この実施例において、インクの充填時に
は、第１のインク室７１のインク液面Ｅ１が低下して連
通口７６の近傍に位置し、かつ速いインク流のため、気
泡Ｂはインク流に乗って簡単に連通口７６を通過して第
２のインク室７２に流れ込む。そして速いインク流に引
かれて中仕切７３の下面の傾斜に沿って流出口７５に引
寄られ、フィルタ７９を通過して記録ヘッド６から排出
される（図８（イ））。

【００２９】インクの充填が終了した段階では第１のイ
ンク室７１でのインク液面Ｅ２が連通口７６よりも上昇
し、かつインク流の速度が低いから、気泡は連通口７６
を通過することが困難となり、またたとえ第２のインク
室７２に気泡Ｂが流入しても、弱いインク流に抗して浮
力により中仕切７３の傾斜に沿って連通口７６から第１
のインク室７１に戻り、さらにフィルタ７９に阻止され
るから、印刷期間中に気泡が記録ヘッド６に流入するの
を防止される（図８（ロ））。

【００３０】図９は、本発明の第４の実施例を示すもの
であって、第１のインク室８１と第２のインク室８２と
を上下関係となるように中仕切８３により区分するとと
もに、中仕切８３の一部に凹部を形成して第２のインク
室８２の上部に小室８２ａを形成し、第１のインク室８
１の下部に連通させてインク供給口８４を、第２のイン
ク室８２の小室８２ａに連通させてインク流出口８５を
形成し、また中仕切８３の先端に立ち上がり部８３ａを
形成してインク流入口８４よりも上部で第２のインク室
８２とを連通させ、これら第１、第２のインク室８１、
８２の開口面を遮気性弾性膜８６により封止して構成さ
れている。そして、インク流出口８５に連通させてフィ
ルタ室８７を形成し、第２のインク室側にフィルタ８８
が設けられている。

【００３１】この実施例において、インクの充填時に
は、第１のインク室８１のインク液面Ｅ１が低下して立
ち上がり部８３ａの近傍に位置し、かつ速いインク流の
ため、気泡Ｂはインク流に乗って簡単に第２のインク室
８２に流れ込む。そして速いインク流に引かれて小室８
２ａに吸い込まれフィルタ８８を通過して記録ヘッド６
から排出される（図１０（イ））。

【００３２】インクの充填が終了した段階では第１のイ
ンク室８１でのインク液面Ｅ２が立ち上がり部８３ａの
上端よりも上昇し、かつインク流の速度が低いから、気
泡は第２のインク室８２に流れ込むことができない。

【００３３】またたとえ第２のインク室７２に気泡Ｂが
流入してもフィルタ８８に阻止されるから、印刷期間中
に気泡が記録ヘッド６に流入するのを防止される（図１
０（ロ））。

【００３４】図１１は、本発明の第５の実施例を示すも
のであって、この実施例においてはインク流出口９１と
下部で連通する第２のインク室９２のみ遮気性弾性膜９
３で封止し、また上部でインク供給口９４と連通する第
１のインク室９５を２つの領域に区分するようにフィル
タ９６を設け、インク流入口９４よりも下方に形成した
連通口９７によりフィルタ９６の下流側で第２のインク
室９２と連通させて構成されている。

【００３５】この実施例において、インクの充填時に
は、速いインク流に乗って気泡Ｂは簡単にフィルタ９６
を通過する。そしてフィルタ９６の下流側に移動した気
泡、連通口９７近傍にまで低下したインク液面を速いイ
ンク流に乗って簡単に通過して第２のインク室８２に流
れ込み、ここに確保されている大きな上部空間９２ａに
収容される（図１２（イ））。

【００３６】インクの充填が終了した段階では、フィル
タ９６に付着していた気泡が取り除かれて流路抵抗が低
下し、また印刷期間中に流入口９４から浸入した気泡は
フィルタ９６に阻止され、またたとえ通過できてもフィ
ルタ９６の下流側のインク液面が連通口９７よりも大き
く上昇しているため、連通口９７を通過できず、フィル
タ９６の下流側に補足される。

【００３７】一方、第２のインク室９２のインクに混入
した気泡は、印刷時の弱いインク流に打ち勝って浮力に
より上部空間９２ａに移動するから、底部のインク流出
口９１を通過することはない（図１２（ロ））。なお、
第２のインク室９２の上部に疎水性通気性フィルタを設
けておきさえすれば、第２のインク室９２のエアを簡単
に抜くことができる。

【００３８】なお、上述の実施例においては、全ての記
録ヘッドに、インク供給チューブを介して函体に収容さ
れたインクカートリッジのインクを供給する記録装置に
例を採って説明したが、キャリッジに搭載されたインク
カートリッジからインクの供給を受ける記録ヘッドが混
載されている記録装置に適用しても同様の作用を奏す
る。

【００３９】

【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
キャリッジの移動によるインクの圧力変動を弾性膜の変
形により吸収し、また印刷時にはインクカートリッジ等
から流れ込んだ気泡を連通口により第２のインク室に流
れ込むのを妨害して記録ヘッドに流れ込むのを阻止し、
またインク充填時等には強い流れにより気泡を第２のイ
ンク室に引き込んで記録ヘッドから容易に排出させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェット式記録装置の一実施例
を示す図である。

【図２】図（イ）、（ロ）は、それぞれサブタンクの一
実施例を示す正面図と、断面図である。

【図３】同上インクジェット式記録装置のインク供給系
の一実施例を示す図である。

【図４】図（I）乃至（IV）は、ぞれぞれインク充填
時、及び印刷時におけるサブタンクのインクの挙動を示
す正面図（同図イ）と断面図（同図ロ）である。

【図５】図（イ）、（ロ）は、それぞれサブタンクの一
実施例を示す正面図と、断面図である。

【図６】図（イ）、（ロ）は、それぞれ同上サブタンク
のインク充填時と、インク充填終了時のインクの挙動を
示す図である。

【図７】図（イ）、（ロ）は、それぞれサブタンクの一
実施例を示す正面図と、断面図である。

【図８】図（イ）、（ロ）は、それぞれ同上サブタンク
のインク充填時と、インク充填終了時のインクの挙動を
示す図である。

【図９】図（イ）、（ロ）は、それぞれサブタンクの一
実施例を示す正面図と、断面図である。

【図１０】図（イ）、（ロ）は、それぞれ同上サブタン
クのインク充填時と、インク充填終了時のインクの挙動
を示す図である。

【図１１】図（イ）、（ロ）は、それぞれサブタンクの
一実施例を示す正面図と、断面図である。

【図１２】図（イ）、（ロ）は、それぞれ同上サブタン
クのインク充填時と、インク充填終了時のインクの挙動
を示す図である。

【符号の説明】

１ キャリッジ ８、９ サブタンク １０〜１３ インクカートリッジ １４〜１７ インク供給チューブ １８、１９ キャップ部材 ３１ 中仕切 ３２ 第１のインク室 ３３ 第２のインク室 ３４ 連通口 ３５ インク流入口 ３６ インク流出口 ３７ 遮気性弾性膜 ３８ フィルタ室 ３９ フィルタ部材 ５４ 吸引ポンプ ５６ 廃インクタンク

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク供給チューブを介してインクカー
   トリッジのインクをサブタンクに供給し、前記サブタン
   クから記録ヘッドにインクを供給して印刷を行なうイン
   クジェット式記録装置において、 前記サブタンクは、インクカートリッジに連通する第１
   のインク室と、前記記録ヘッドに連通し、かつ前記第１
   のインク室と上下関係となるように配置された第２のイ
   ンク室とを、印刷時のインクの流れでは気泡が通過でき
   ず、またインク充填時の強い流れでは気泡が通過する下
   方向きの流れを生じさせ、かつ前記インク流入口よりも
   上方に位置する連通口を介して連通させ、また少なくと
   も第２のインク室の１つの面をインクの圧力変動に応動
   して変形する弾性膜により封止して構成され、前記第１
   のインク室と第２のインク室とを仕切る仕切り部材の下
   面に前記連通口側が上方となる斜面が形成されているイ
   ンクジェット式記録装置。
2. 【請求項２】 第１のインク室と第２のインク室とが、
   水平方向に配置され、前記連通口が低所に形成されてい
   る請求項１に記載のインクジェット式記録装置。
3. 【請求項３】 前記サブタンクから前記第１のインク室
   にインクを供給するインク供給口が、前記連通口より上
   方に形成されている請求項２に記載のインクジェット式
   記録装置。
4. 【請求項４】 前記仕切り部材の下面に前記第２のイン
   ク室に連通する小室を有し、前記小室に連通させて流出
   口が形成されている請求項１に記載のインクジェット式
   記録装置。
5. 【請求項５】 前記第１のインク室がフィルタにより区
   分されている請求項１に記載のインクジェット式記録装
   置。
6. 【請求項６】 前記インク流出口と前記第２のインク室
   との間にフィルタが設けられている請求項１に記載のイ
   ンクジェット式記録装置。