JP2003341077A - 液体噴射ヘッドの液体吸引装置及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドの液体吸引装置及び液体噴射装置

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JP2003341077A JP2003073947A JP2003073947A JP2003341077A JP 2003341077 A JP2003341077 A JP 2003341077A JP 2003073947 A JP2003073947 A JP 2003073947A JP 2003073947 A JP2003073947 A JP 2003073947A JP 2003341077 A JP2003341077 A JP 2003341077A
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    • B41J2/16544Constructions for the positioning of wipers
    • B41J2/16547Constructions for the positioning of wipers the wipers and caps or spittoons being on the same movable support

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップ部材に設けられたフィルタ部材のフ
ィルタ機能をフィルタ部材全体にわたって十分に活用す
る。 【解決手段】 本装置は、液体噴射ヘッド9のノズル形
成面23に当接された際に内部に密閉空間27,29を
形成するキャップ部材25と、密閉空間27,29の内
部の流体を排出して密閉空間27,29内に負圧を発生
させる負圧発生手段19と、少なくともその一部がキャ
ップ部材25の内部に位置するようにして配置されたフ
ィルタ部材28と、を備える。吸引時の流体の流れ方向
におけるフィルタ部材28の下流側に、フィルタ部材2
8の略全体に対して略均一の負圧を作用させる共通負圧
室29が形成されている。負圧発生手段19は共通負圧
室29の内部の流体を排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射ヘッドの
複数のノズル開口から液体を吸引する液体吸引装置及び
この液体吸引装置を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体噴射装置の代表例としては、
画像記録用のインクジェット式印刷ヘッドを備えたイン
クジェットプリンタがある。その他の液体噴射装置とし
ては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造
に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELデ
ィスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形
成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備
えた装置、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射
ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘ
ッドを備えた装置等が挙げられる。
【0003】液体噴射装置の代表例であるインクジェッ
トプリンタは、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小
さなドットを高い密度で形成できるため、昨今において
はカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0004】このようなインクジェットプリンタは、一
般に、キャリッジ上に搭載されて記録紙等の記録媒体の
幅方向(ヘッド走査方向)に往復移動する印刷ヘッド
(液体噴射ヘッド)と、記録媒体をヘッド走査方向と直
交する方向(媒体送り方向)に移動させる送り手段と、
を備えている。
【0005】このインクジェットプリンタにおいては、
印刷データに対応して印刷ヘッドより記録媒体に対して
インク滴(液滴)を吐出させることで印刷が行われる。
そして、キャリッジ上に搭載される印刷ヘッドを、例え
ばブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のイン
クの吐出が可能なものとすることにより、ブラックイン
クによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割
合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としてい
る。
【0006】上述した印刷ヘッドは、圧力室で加圧した
インクをノズル開口からインク滴として記録媒体に向け
て吐出させて印刷を行う関係上、例えばノズル開口から
の溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの
固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入など
により、印刷不良を起こすという問題がある。
【0007】このため、印刷ヘッドのノズル開口に目詰
まりが生じた場合、またはインクカートリッジを交換し
た場合などには、キャップ部材により印刷ヘッドのノズ
ル形成面を封止し、吸引ポンプ(チューブポンプ)から
の負圧によりノズル開口からインクを吸引排出させるこ
とで、ノズル開口等におけるインク固化による目詰まり
や、インク供給路内への気泡の混入によるインク吐出不
良を解消するクリーニング操作(吸引操作)を実行する
液体吸引装置がインクジェットプリンタには一般に具備
されている。
【0008】従来の液体吸引装置は、例えば、特開20
01−096758号公報記載のように、吸引ポンプ
と、この吸引ポンプに接続され、印刷ヘッドのノズル形
成面を封止するキャップ部材とを有する。そして、この
従来の液体吸引装置においては、キャップ部材でノズル
形成面を封止した状態で、吸引ポンプによってキャップ
部材の内部から流体(空気又はインク)を排出する。こ
れにより、キャップ部材の内部で発生した負圧によって
印刷ヘッド及びそれより上流のインクが吸引され、印刷
ヘッド内のクリーニングが行われる。
【0009】このクリーニング操作(インク吸引操作)
によって、印刷ヘッド内へのインクの充填、印刷ヘッド
内の劣化インクの吸引排出、並びに印刷ヘッド内のイン
ク中に発生した気泡の排出等を行い、印刷ヘッド内のイ
ンク充填状態を正常に保ち、良好な印刷を可能にしてい
る。
【0010】尚、吸引ポンプはプリンタ内にあるコント
ローラ又はホストコンピュータからの指令を受けて作動
することにより、負圧発生時間、負圧発生量等を制御す
ることが可能である。
【0011】図18は、従来のインクジェットプリンタ
において印刷ヘッドのノズル形成面をキャップ部材で封
止した状態を示しており、複数のノズル開口22が形成
された印刷ヘッド9のノズル形成面23にキャップ部材
60が当接されている。キャップ部材60の内部には、
フィルタ部材62が、キャップ部材60の底面に密着し
て配置されている。キャップ部材60の内部の流体(空
気又はインク)は、ポンプ61によって吸引排出され
る。
【0012】図18に示した従来のインクジェットプリ
ンタにおいては、クリーニングを実施する場合のみなら
ず、インクジェットプリンタが非印刷状態にある場合に
おいても、キャップ部材60によって印刷ヘッド9のノ
ズル形成面23を封止するようになっている。キャップ
部材60の内部に設けられたフィルタ部材62は、クリ
ーニングやフラッシングの際に印刷ヘッド9から吐出さ
れたインクによって湿潤状態にある。このため、キャッ
プ部材60により印刷ヘッド9のノズル形成面23を封
止した状態においては、キャップ部材60の内部の湿度
が高くなり、ノズル開口22付近における保湿効果が高
まり、これにより、ノズル開口22におけるインクの固
化を抑制することができる。
【0013】
【特許文献1】特開2001−096758号公報
【特許文献2】特開平5−246045号公報
【特許文献3】特開平6−270417号公報
【特許文献4】特開平7−214794号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の液体吸
引装置においては、図18に示したように、フィルタ部
材62がキャップ部材60内部の底面に密着して配置さ
れている。このため、フィルタ部材62全体のうち、キ
ャップ部材60の底部に形成された排出口63の近傍に
おいては、流体(空気、インク)に対して比較的高い吸
引力が確保される一方で、排出口63から離れた領域に
おいては十分な吸引力が得られない。即ち、フィルタ部
材62の上面に流下したインクに対する吸引力が、フィ
ルタ部材62全体の中での位置によって異なり、排出口
63近傍の部分において集中的にインクが透過すること
になる。これでは、フィルタ部材62全体のフィルタ機
能を十分に活かすことができず、ひいては、フィルタ部
材62が排出口63の近傍において局所的に急速に劣化
するために、フィルタ部材62の寿命が短くなってしま
うという問題がある。
【0015】さらに、従来の液体吸引装置では、インク
カートリッジ交換後のインク充填が終了した後、或いは
ノズル開口の目詰まりが回復した後においても、負圧発
生手段が作動している限り、インクの吸引流量が抑制さ
れることなくノズル開口からインクが吸引され続ける。
【0016】複数のノズル開口、特にインク種の異なる
複数のノズル開口群を有する印刷ヘッドのクリーニング
おいては、インク流路の構造又はインクの組成的要因か
ら、ノズル開口又はノズル開口群ごとにクリーニングに
必要な負圧量及びインク吸引量が異なる場合がある。こ
のため、従来の液体吸引装置では、ノズル開口又はノズ
ル開口群ごとの、目詰まり回復又はインク充填までの所
要時間の差によって、回復等が容易なノズル開口又はノ
ズル開口群のインクを必要以上に吸引してしまうと共
に、未回復又は未充填のノズルがあるにも関わらず、吸
引総量が設定値に達した時点で吸引動作が終了してしま
うという問題があった。また、先行して目詰まりが回復
したノズル開口からのインク吸引によってキャップ部材
の内部の負圧が緩和してしまうことにより、目詰まりが
まだ回復していないノズル開口への効率的な負圧伝達が
妨げられるという問題もあった。
【0017】また、負圧発生手段の動作は、プリンタの
連続非印刷時間等の情報に基づいて制御されるが、イン
クの目詰まり状態は、温度及び湿度履歴を含むさまざま
な要因の影響を受けるため、このような実状に合わせて
負圧発生手段の動作を調整し、印刷ヘッドの多様なイン
ク目詰まり状態に対応して過不足なくインク吸引を行う
ことが困難であった。従って、クリーニング動作に際し
て必要以上のインクが吸引され、インク消費効率に悪影
響を与える場合が生じていた。
【0018】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、キャップ部材に設けられたフィルタ部材
のフィルタ機能を、フィルタ部材全体にわたって十分に
活用することができる液体噴射ヘッドの液体吸引装置及
びこの液体吸引装置を備えた液体噴射装置を提供するこ
とを目的とする。
【0019】また、本発明は、目詰まりの回復又はイン
クの充填のために必要な液体吸引条件がノズル開口又は
ノズル開口群ごとに異なる場合においても、目詰まりの
回復又はインクの充填が容易なノズル開口又はノズル開
口群からの過剰な液体吸引を抑制すると共に、未回復又
は未充填のノズル開口又はノズル開口群に対して効率的
に負圧を作用させることができる液体噴射ヘッドの液体
吸引装置及びこの液体吸引装置を備えた液体噴射装置を
提供することを目的とする。
【0020】また、本発明は、液体吸引動作に際して必
要以上の液体吸引を抑制することができる液体噴射ヘッ
ドの液体吸引装置及びこの液体吸引装置を備えた液体噴
射装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、複数のノズル開口から対象物に向けて液
滴を吐出する液体噴射ヘッドの前記複数のノズル開口か
ら液体を吸引する液体吸引装置であって、前記液体噴射
ヘッドのノズル形成面に当接された際に内部に密閉空間
を形成するキャップ部材と、前記キャップ部材の内部に
形成された前記密閉空間の内部の流体を排出して前記密
閉空間の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、少な
くともその一部が前記キャップ部材の内部に位置するよ
うにして配置されたフィルタ部材と、を備え、吸引時の
流体の流れ方向における前記フィルタ部材の下流側に、
前記フィルタ部材の略全体に対して略均一の負圧を作用
させる共通負圧室が形成されており、前記負圧発生手段
は前記共通負圧室の内部の流体を排出するように前記キ
ャップ部材に接続されていることを特徴とする。
【0022】また、好ましくは、前記フィルタ部材は、
前記キャップ部材が前記ノズル形成面に当接された際に
前記ノズル形成面と前記フィルタ部材との間に液体受容
空間が形成されるように構成されている。
【0023】また、好ましくは、前記液体受容空間は、
前記複数のノズル開口のすべてに対応する単一の空間で
ある。
【0024】また、好ましくは、前記液体受容空間は、
複数の個別空間に分割されている。
【0025】また、好ましくは、前記複数のノズル開口
は、幾つかのノズル列を構成しており、前記複数の個別
空間は、前記幾つかのノズル列のそれぞれに対応して形
成されている。
【0026】また、好ましくは、前記フィルタ部材は、
前記幾つかのノズル列のそれぞれに対向する位置に延在
する幅狭領域のみにおいて有効に機能するように構成さ
れている。
【0027】また、好ましくは、前記複数の個別空間
は、吐出される液体の種類が共通する複数のノズル開口
から成るノズル開口群毎に形成されている。
【0028】また、好ましくは、前記複数の個別空間
は、前記フィルタ部材とは別個に設けられた仕切部材に
よって形成されている。
【0029】また、好ましくは、前記複数の個別空間
は、前記フィルタ部材自身によって形成されている。
【0030】また、好ましくは、前記フィルタ部材は、
前記キャップ部材が前記ノズル形成面に当接される際
に、前記ノズル形成面の少なくとも一部に密着されるよ
うに構成されている。
【0031】また、好ましくは、前記フィルタ部材は、
前記キャップ部材が前記ノズル形成面に当接される際
に、前記ノズル形成面の略全体に密着されるように構成
されている。
【0032】また、好ましくは、前記フィルタ部材は、
その一部が前記キャップ部材から前記ノズル形成面の方
向に向けて突出している。
【0033】また、好ましくは、前記共通負圧室の内部
には流体透過性の充填材が充填されており、前記流体透
過性の充填材は、前記共通負圧室の内部を気体が流通し
ている状態においては前記共通負圧室の内部の全体が略
均一の圧力になるような流動抵抗値を持っている。
【0034】また、好ましくは、前記充填材は発泡材で
ある。
【0035】上記課題を解決するために、本発明は、複
数のノズル開口から対象物に向けて液滴を吐出する液体
噴射ヘッドの前記複数のノズル開口から液体を吸引する
液体吸引装置であって、前記液体噴射ヘッドのノズル形
成面に当接された際に内部に密閉空間を形成するキャッ
プ部材と、前記キャップ部材の内部に形成された前記密
閉空間の内部の流体を排出して前記密閉空間の内部に負
圧を発生させる負圧発生手段であって、吸引ポンプと、
前記吸引ポンプを前記キャップ部材に接続する吸引配管
と、を有する負圧発生手段と、前記吸引配管の途中に設
けられ、液体の流れ抵抗により液体の流量を抑制する手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0036】上記課題を解決するために、本発明は、複
数のノズル開口のそれぞれに連通する圧力室の内部の液
体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から対象物に
向けて液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、上記いずれか
の液体吸引装置と、を備えたことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液体噴射装置
の一実施形態としてのインクジェットプリンタについて
図1乃至図10を参照して説明する。
【0038】図1に示したように本実施形態によるイン
クジェットプリンタ3は、ローカルプリンタケーブル又
は通信ネットワークを介して、ホストコンピュータ1に
接続されている。ホストコンピュータ1には、インクジ
ェットプリンタ3に対して印刷やクリーニングを実行さ
せるためのコマンドを送るソフトウェアであるプリンタ
ドライバ5が搭載されている。
【0039】インクジェットプリンタ3には、プリンタ
ドライバ5からのコマンド及びプリンタ3内のセンサー
8等からの情報に基づいて以下の各部を制御する制御装
置7、複数のノズル開口を有する印刷ヘッド9、印刷ヘ
ッド9に搭載されるか又は別置きされたインクタンク1
1、印刷ヘッド9の複数のノズル開口からインクを吸引
するインク吸引装置13、印刷ヘッド9を搭載して移動
させるキャリッジ14、用紙を送る用紙搬送機構10な
どが含まれている。
【0040】図2に示したように本実施形態によるイン
クジェットプリンタにおいては、キャリッジ14の上部
にインクタンク11が着脱可能に装着される。キャリッ
ジ14の下部には印刷ヘッド9が固定されている。キャ
リッジ14はベルト15を介してモーター16に接続さ
れ、ガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向に
往復走行する。
【0041】キャリッジ14の走行経路の末端にあるホ
ームポジションには、印刷ヘッド9のノズル形成面をカ
バーして密閉するためのキャッピングシステム18が配
置されている。キャッピングシステム18は、印刷ヘッ
ド9のノズル開口部のインクの乾燥を防止する機能、及
び負圧発生手段である吸引ポンプ19からの負圧をノズ
ル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸
引して排出させる機能を備える。キャッピングシステム
18及び吸引ポンプ19はインク吸引装置13を構成す
る。
【0042】図3は、本実施形態によるインクジェット
プリンタの印刷ヘッド9の断面図である。プリンタ、特
にカラープリンタに用いられる印刷ヘッド9は、種類の
異なる複数種のインクを吐出するために、インク種ごと
に独立したインク経路20を有する。ここで、異なるイ
ンクとは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの
構成成分の種類又は比率が異なることを意味する。そし
て、インクタンク11からのインクは、インク供給針2
0aを介してインク経路20に流入する。インク種ごと
に独立した経路20は、それぞれが複数の圧力室21に
連通している。各圧力室21には各ノズル開口22が連
通しており、印刷時には圧力室21から押出されたイン
ク滴がノズル開口22から吐出される。
【0043】図4は、印刷ヘッド9のノズル形成面23
の正面図である。ノズル形成面23には、インクを吐出
するための複数のノズル開口22が形成されている。複
数のノズル開口22は、インク種に対応した幾つかのノ
ズル開口群(ノズル列)24を形成しており、通常、ひ
とつのノズル開口群24は、数十から数千のノズル開口
22から構成される。
【0044】図5は、本実施形態によるインクジェット
プリンタの印刷ヘッド9の内部構造を示す断面図であ
る。インクタンク11から供給されるインクは、インク
経路20を通って圧力室21へと供給される。そして、
印刷に際しては、圧力発生素子である圧電振動子26の
伸縮動作によって圧力室21の容積を変化させ、圧力室
21内のインクに圧力変動を生じさせることにより、ノ
ズル開口22からインク滴が吐出される。
【0045】ところで、印刷ヘッド9内のインク中に気
泡が混入したり、或いはインク流路中に増粘したインク
が存在すると、インクの正常な流れが阻害され、正常な
インクの吐出が行えない場合がある。そこで、このよう
な場合には、インク吸引装置13によるインクの強制排
出が必要となる。
【0046】また、インクジェットプリンタの最初の使
用の開始時や、インクタンクを別の種類のインクのもの
と交換した場合等においては、印刷ヘッド9内のインク
流路中にインクを充填する必要がある。このような初期
充填に際しても、インク吸引装置13によって、印刷ヘ
ッド9のノズル開口22から空気及びインクが強制的に
吸引され、排出される。
【0047】図6は、本実施形態によるインクジェット
プリンタのインク吸引装置13におけるキャッピングシ
ステムを示している。印刷ヘッド9及びキャリッジ14
は、印刷中においてはキャッピングシステムから離れて
いる。一方、クリーニング時には、キャリッジ14及び
印刷ヘッド9がホームポジションに移動し、図7に示し
たように印刷ヘッド9のノズル形成面23が、キャッピ
ングシステムのキャップ部材25によって封止される。
この状態においては、吸引ポンプ19からの負圧を印刷
ヘッド9に伝達することが可能である。
【0048】図8は、本実施形態によるインクジェット
プリンタにおいて、印字ヘッド9がキャッピングシステ
ムのキャップ部材25によってキャッピングされた状態
を示している。また、図9は、キャップ部材25及びそ
の近傍を拡大して示している。
【0049】キャップ部材25は、印刷ヘッド9がホー
ムポジションに移動したときに印刷ヘッド9のノズル形
成面23を封止して、キャップ部材25の内部に密閉空
間を形成するように構成されている。これにより、印刷
休止状態において、ノズル開口22のインクの乾燥を防
止することができる。
【0050】さらに、キャップ部材25は、吸引ポンプ
19へとつながる排出口35を有する。吸引ポンプ19
は、キャップ部材25の内部に形成された密閉空間の内
部の流体(気体、液体)を排出し、密閉空間の内部に負
圧を発生させる。これによって、キャップ部材25の内
部は、印刷ヘッド9のクリーニング時に、吸引ポンプ1
9で発生した負圧を印刷ヘッド9内のインク流路20へ
と伝える経路の一部となる。
【0051】また、キャップ部材25の内部には、印刷
ヘッド9のノズル形成面23と平行に延在するフィルタ
部材28が設けられている。平板状のフィルタ部材28
は、キャップ部材25の内部に設けられた段部33aの
上面に載置されると共に留め具33bによって固定され
ている。
【0052】このフィルタ部材28は、空気等の気体を
通過させ、速やかな負圧の伝達が可能であるが、インク
等の液体が通過する際には大きな流れ抵抗が発生し、吸
引ポンプ19の連続作動による負圧上昇に抗して、イン
クの吸引を抑制する。
【0053】図9に示したように、吸引時の流体の流れ
方向におけるフィルタ部材28の下流側、即ちノズル形
成面23側から見てフィルタ部材28の背面側には、フ
ィルタ部材28の背面の略全体に対して略均一の負圧を
作用させる共通負圧室29が、フィルタ部材28が仕切
りとなることで形成されている。排出口35は共通負圧
室29に連通しており、吸引ポンプ19によって共通負
圧室29の内部の流体が排出される。
【0054】また、フィルタ部材28は、キャップ部材
25の内部の深さ方向の途中に配置されている。このた
め、キャップ部材25がノズル形成面23に当接された
際には、ノズル形成面23とフィルタ部材28との間に
インク受容空間27が形成される。このインク受容空間
27は、複数のノズル開口22のすべてに対応する単一
の空間である。
【0055】次に、インク吸引装置13によって印刷ヘ
ッド9の複数のノズル開口22からインクを吸引排出さ
せる際の動作及び作用について説明する。
【0056】クリーニング動作(インク吸引動作)を開
始する時点においては、キャップ部材25内のインク受
容空間27及び共通負圧室29にはインクが存在せず、
空気で満たされている。また、キャップ部材25と吸引
ポンプ19とを連絡する流路の中にもインクは存在せ
ず、空気で満たされている。
【0057】そして、図9に示したように印刷ヘッド9
のノズル形成面23をキャップ部材25で封止した状態
で吸引ポンプ19を作動させると、排出口35を介して
共通負圧室29の内部の空気が吸引ポンプ19の方向に
吸引される。これにより、共通負圧室29は負圧状態と
なり、フィルタ部材28に負圧が作用する。このとき、
共通負圧室29の内部の圧力は、共通負圧室29全体に
わたって略均一となるので、フィルタ部材28に対して
作用する負圧は、フィルタ部材28の背面の全体にわた
って略均一となる。
【0058】このように本実施形態においては、共通負
圧室29を設けたことによりフィルタ部材28全体にわ
たって略均一に負圧を作用させることができるので、フ
ィルタ部材28のフィルタ機能を、フィルタ部材28の
全体にわたって十分に活用することができる。
【0059】フィルタ部材28に負圧が作用することに
より、インク受容空間27の内部の空気が、フィルタ部
材28を介して共通負圧室29内に引き込まれ、さらに
は吸引ポンプ19まで吸引される。これに伴って、印刷
ヘッド9及びインクタンク11の内部のインクが、ノズ
ル開口22を介して吸引されてインク受容空間27内に
排出される。
【0060】インク吸引動作の初期段階においては、フ
ィルタ部材28を通過しようとする流体のほとんどは空
気等の気体であるため、その流体は速やかにフィルタ部
材28を通過する。
【0061】図10は、吸引ポンプ19の動作開始時
(負圧発生時)からの単位時間当りのインク吸引量(イ
ンク流量)を示している。図10において段階1で示し
たように、インク吸引動作の初期段階においては、単位
時間当りのインク吸引量は、吸引ポンプ19の作動時間
の経過とともに上昇し、インクの吸引は抑制されていな
い。
【0062】さらにインク吸引動作を継続すると、気体
に続いて、印刷ヘッド9及びインクタンク11の内部に
あったインクがフィルタ部材28を通過しようとする。
この時、フィルタ部材28はインク流に対して流れ抵抗
を発生するため、インクの流量が抑制される。このた
め、図10に段階2として示したように、吸引ポンプ1
9は継続的に作動しているにもかかわらず、単位時間当
りのインク吸引量は減少して図10中の領域A内で推移
する。
【0063】以上述べたように本実施形態においては、
フィルタ部材28の背面の全体に対して均一の負圧を作
用させる共通負圧室29を設けたので、フィルタ部材2
8のフィルタ機能をその全体にわたって十分に活用する
ことができる。
【0064】また、本実施形態においては、インク吸引
開始の初期段階においては十分な吸引量を確保できると
共に、インク吸引動作がある程度進んだ段階では、吸引
ポンプ19の作動条件を変更することなく、自動的に吸
引量を徐々に抑制することができる。このため、インク
吸引動作に際して、必要以上のインク吸引を抑制するこ
とができる。
【0065】次に、本発明の他の実施形態によるインク
ジェットプリンタについて、図11及び図12を参照し
て説明する。なお、上述した実施形態と共通する部分の
説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0066】図11及び図12から分かるように、本実
施形態においては、フィルタ部材28によってキャップ
部材25の内部の上半部に形成された空間(図9中のイ
ンク受容空間27に相当する空間)が、仕切壁42によ
って複数の個別空間41に分割されている。より具体的
には、キャップ部材25の内部の上半部の空間が、4つ
の個別空間41に分割されており、各個別空間41は、
印刷ヘッド9のノズル形成面23に形成された4本のノ
ズル列24に対応している。仕切壁42は、キャップ部
材25と共にノズル形成面23に当接され、各個別空間
41が個別の密閉空間を形成する。仕切壁42は、好ま
しくはキャップ部材25と同じ材料によって一体に形成
される。なお、同一のノズル列24に属するノズル開口
22からは同種のインクが吐出され、異なるノズル列2
4に属するノズル開口22からは異なる種類のインクが
吐出される。
【0067】また、本実施形態においては、フィルタ部
材28の全体を使用するのではなく、フィルタ部材28
の上面側(ノズル形成面23側)に形成した目隠し片4
7によって、フィルタ部材28全体のうち、各ノズル列
24に対向する位置に延在する幅狭領域28aのみが有
効に機能するように構成されている。このようにフィル
タ部材28の有効部分を、ノズル列24に対向する幅狭
領域28aに限定することにより、1つのノズル列24
に属するすべてのノズル開口22が回復する時点と、フ
ィルタ部材28の有効領域(つまり幅狭領域28a)の
全体がインクで湿潤する時点とを略一致させることがで
きる。
【0068】上記構成より成る本実施形態によれば、各
ノズル列24に対応して各個別空間41を形成し、各個
別空間41に対応してフィルタ部材28の各幅狭領域2
8aを形成したので、インクの浸潤によるフィルタ部材
28の抵抗増大機能が、各個別空間41毎に機能する。
このため、ノズル列24同士の間で目詰まり回復までの
所要時間に差がある場合には、目詰まりが回復したノズ
ル列24に対応するフィルタ部材28の幅狭領域28a
から、順次、流体の流れ抵抗が増大する。これにより、
回復済みのノズル列24からのインクの過剰吸引を抑制
できると同時に、回復済みのノズル列による負圧緩和が
選択的に抑制され、回復がより困難なインクを充填して
いるノズル列に対して、速やかに高い負圧を作用させる
ことができる。
【0069】また、本実施形態においては、フィルタ部
材28の背面側に共通負圧室29が形成されているの
で、フィルタ部材28の4つの幅狭領域28aに対して
略均一の負圧を作用させることができる。
【0070】なお、キャップ部材25の内部を仕切壁4
2によってどのように分割するかは、印刷ヘッド9のノ
ズル形成面23のノズル配列などの構造上の要因、及び
ノズル開口22の吐出インク種等の目詰まり要因等を考
慮して、設計時に決定するものである。例えば、充填イ
ンク種の異なる複数のノズル開口群を有する印刷ヘッド
9においては、インク成分及びその組成の違い等から色
ごとに印刷ヘッド9のノズル開口22の目詰まり状態に
差異が生じ、各ノズル開口群ごとにクリーニングに必要
な負圧量及びインク吸引量が異なる場合がある。このよ
うな場合、キャップ部材25の内部を仕切壁42によっ
てインク種ごとに分割すれば、フィルタ部材28による
インク吸引抑制作用が、分割された個別空間41毎に独
立に作用することとなり、目詰まり回復が容易なインク
種のノズル開口群からのインクの過剰吸引を抑制でき
る。さらに、インク過剰吸引の抑制は、回復済みのノズ
ル開口群からの負圧緩和を抑制する効果も発生し、回復
がより困難なインクを充填しているノズル開口群に対し
て、速やかに高い負圧を伝達することが可能となる。
【0071】次に、本発明の他の実施形態によるインク
ジェットプリンタについて、図13及び図14を参照し
て説明する。なお、上述した実施形態と共通する部分の
説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0072】図13及び図14に示したように本実施形
態においては、各ノズル列24に対応する凹部45が形
成されたフィルタ部材43が、キャップ部材25の内部
に配置されている。フィルタ部材43の凹部45以外の
平坦な部分43aは、キャッピングに際して、キャップ
部材25と共に印刷ヘッド9のノズル形成面23に当接
される。
【0073】なお、本実施形態におけるフィルタ部材4
3は、上述した実施形態におけるフィルタ部材28と同
様に、空気等の気体を通過させ、速やかな負圧の伝達が
可能であるが、インク等の液体が通過する際には大きな
流れ抵抗が発生し、吸引ポンプ19の連続作動による負
圧上昇に抗して、インクの吸引を抑制する。
【0074】フィルタ部材43よりも内側のキャップ部
材25の内部には、フィルタ部材43の背面の略全体に
対して略均一の負圧を作用させる共通負圧室46が形成
されている。この共通負圧室46には、フィルタ部材4
3と一体である発泡材からなる充填材44が充填されて
いる。この充填材44は流体透過性であり、共通負圧室
46の内部を気体が流通している状態においては共通負
圧室46の内部の全体が略均一の圧力になるような低い
流動抵抗値を持っている。
【0075】本実施形態においては、キャッピング時
に、フィルタ部材43の平坦な部分が印刷ヘッド9のノ
ズル形成面23に押し付けられ、これにより、フィルタ
部材43の凹部45に対応する空間が、インク種ごとに
分割された個別空間となる。
【0076】上記構成より成る本実施形態によれば、ク
リーニング動作時(インク吸引動作時)には、吸引され
たインクが凹部45からなる個別空間を満たし、個別空
間の壁面を構成する部分のフィルタ部材43がインクで
湿潤して、その個別空間に対応するノズル列24のイン
ク吸引が抑制される。これにより、回復済み又は充填済
みのノズル列24からの過剰吸引を抑制すると共に、未
回復又は未充填のノズル列24に対して負圧を効果的に
作用させることができる。
【0077】また、本実施形態によれば、空気等の気体
を容易に通過させるフィルタ部材43によって個別空間
の壁面が形成され、上流から排出された気体を容易に吸
引ポンプ19方向に排出できるため、空気等の気体が印
刷ヘッド9中に残留する可能性が少なくなり、より確実
なクリーニングが可能である。
【0078】次に、本発明の他の実施形態によるインク
ジェットプリンタについて、図15及び図16を参照し
て説明する。なお、上述した実施形態と共通する部分の
説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0079】図15から分かるように、本実施形態は、
図9に示した上述の実施形態におけるインク受容空間2
7を省略した構成である。本実施形態においては、キャ
ップ部材25内の段部33の上面に載置されたフィルタ
部材28は、キャップ部材25が印刷ヘッド9のノズル
形成面23に当接される際にノズル形成面23に密着さ
れるように配置されている。
【0080】なお、好適な例としては、図16に示した
ように、ノズル形成面23から離れた状態において、キ
ャップ部材25の上面開口からフィルタ部材28の一部
が突出するように構成しても良い。
【0081】本実施形態においては、キャッピング時に
フィルタ部材28が印刷ヘッド9のノズル形成面23の
全体に押し付けられる。これにより、フィルタ部材28
によるインク流抑制効果が、ノズル開口22ごとに独立
して作用することになる。このため、先にインクの充填
が完了したノズル開口22或いは先に目詰まりが回復し
たノズル開口22からの、更なるインク吸引による過剰
吸引を抑制することができる。本実施形態は、ノズル開
口22毎に目詰まりの状態が異なるような場合において
特に有効である。
【0082】次に、本発明の他の実施形態によるインク
ジェットプリンタについて、図17を参照して説明す
る。なお、上述した実施形態と共通する部分の説明は省
略し、異なる部分について説明する。
【0083】図17に示したように、本実施形態におい
ては、キャップ部材25と吸引ポンプ19とを連結する
吸引配管50の途中に、インクの流れ抵抗によりインク
の流量を抑制するフィルタ部材51を設けている。より
具体的には、吸引配管50の途中を上流側継ぎ手52a
及び下流側継ぎ手52bで連結すると共に、これら一対
の継ぎ手52a、52bの間にフィルタ部材51を挟み
込んでいる。
【0084】本実施形態によれば、吸引されたインクが
フィルタ部材51の位置に到達した時点で、吸引ポンプ
19によるインクの吸引力が抑制される。従って、キャ
ップ部材25からフィルタ部材51までの距離を最適化
することにより、吸引動作開始後のインク吸引量が所望
の値に達した時点で自動的にインク吸引力が抑制され、
過剰吸引を抑制することができる。
【0085】本実施形態の変形例としては、フィルタ部
材51に代えて、通過する流体の流れによって回転して
流れ抵抗を発生するファン手段を設ける構成が考えられ
る。また、フィルタ部材51を設ける代わりに、吸引経
路の一部を極端に細くしたり、或いは吸引経路の内壁の
一部をインクとの摩擦抵抗が大きいものにする構成が考
えられる。
【0086】以上、本発明の特定の実施形態を例示して
説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することな
く様々な変形及び変更を行うことができるということ
は、当業者において明らかであろう。本発明の範囲内に
含まれるこのような変更は全て、特許請求の範囲内に含
まれる。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、フ
ィルタ部材の背面の略全体に対して略均一の負圧を作用
させる共通負圧室を設けたので、キャップ部材に設けら
れたフィルタ部材のフィルタ機能を、フィルタ部材全体
にわって十分に活用することができる。
【0088】本発明によれば、目詰まりの回復又は液体
の充填のために必要な液体吸引条件がノズル開口又はノ
ズル開口群ごとに異なる場合においても、目詰まりの回
復又は液体の充填が容易なノズル開口又はノズル開口群
からの過剰な液体吸引を抑制すると共に、未回復又は未
充填のノズル開口又はノズル開口群に対して効率的に負
圧を作用させることができる。
【0089】本発明によれば、液体噴射ヘッドの複数の
ノズル開口から液体を吸引する液体吸引動作に際して、
必要以上の液体吸引を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体噴射装置の一実施形態として
のインクジェットプリンタのシステム構成を示したブロ
ック図。
【図2】本発明による液体噴射装置の一実施形態として
のインクジェットプリンタを示した斜視図。
【図3】図1及び図2に示したインクジェットプリンタ
の印刷ヘッドを拡大して示した断面図。
【図4】図3に示した印刷ヘッドのノズル形成面を示し
た平面図。
【図5】図3に示した印刷ヘッドの内部構造を示した断
面図。
【図6】図1及び図2に示したインクジェットプリンタ
のインク吸引装置におけるキャッピングシステムの非キ
ャッピング状態を示した正面図。
【図7】図6に示したキャッピングシステムのキャッピ
ング状態を示した正面図。
【図8】図1及び図2に示したインクジェットプリンタ
において印字ヘッドがキャッピングシステムによってキ
ャッピングされた状態を示した断面図。
【図9】図8におけるキャップ部材及びその近傍を拡大
して示した断面図。
【図10】図1及び図2に示したインクジェットプリン
タにおいて、インク吸引装置によりインクを吸引した場
合の単位時間当りのインク吸引量の経時変化を表した
図。
【図11】本発明による液体噴射装置の他の実施形態と
してのインクジェットプリンタにおいて、キャッピング
状態にある印刷ヘッド及びキャップ部材を示した断面
図。
【図12】図11に示したインクジェットプリンタのキ
ャップ部材を示した平面図。
【図13】本発明による液体噴射装置の他の実施形態と
してのインクジェットプリンタにおいて、キャッピング
状態にある印刷ヘッド及びキャップ部材を示した断面
図。
【図14】図13に示したインクジェットプリンタのキ
ャップ部材を示した平面図。
【図15】本発明による液体噴射装置の他の実施形態と
してのインクジェットプリンタにおいて、キャッピング
状態にある印刷ヘッド及びキャップ部材を示した断面
図。
【図16】図15に示した実施形態の好適例としてのイ
ンクジェットプリンタにおいて、非キャッピング状態に
ある印刷ヘッド及びキャップ部材を示した断面図。
【図17】本発明による液体噴射装置の他の実施形態と
してのインクジェットプリンタのフィルタ部材及びその
近傍を拡大して示した断面図。
【図18】従来のインクジェットプリンタにおいて、キ
ャッピング状態にある印刷ヘッド及びキャップ部材を示
した断面図。
【符号の説明】
3 インクジェットプリンタ 9 印刷ヘッド 11 インクタンク(インクカートリッジ) 13 インク吸引装置 18 キャッピングシステム 19 吸引ポンプ(負圧発生手段) 22 ノズル開口 23 ノズル形成面 24 ノズル開口群(ノズル列) 25 キャップ部材 26 圧電振動子(圧力発生素子) 27 インク受容空間 28、43、51 フィルタ部材 28a フィルタ部材の幅狭領域 29、46 共通負圧室 35 キャップ部材の排出口 41 個別空間 42 仕切壁 44 充填材 45 凹部 47 目隠し片 50 吸引配管

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のノズル開口から対象物に向けて液滴
    を吐出する液体噴射ヘッドの前記複数のノズル開口から
    液体を吸引する液体吸引装置であって、 前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接された際に内
    部に密閉空間を形成するキャップ部材と、 前記キャップ部材の内部に形成された前記密閉空間の内
    部の流体を排出して前記密閉空間の内部に負圧を発生さ
    せる負圧発生手段と、 少なくともその一部が前記キャップ部材の内部に位置す
    るようにして配置されたフィルタ部材と、を備え、 吸引時の流体の流れ方向における前記フィルタ部材の下
    流側に、前記フィルタ部材の略全体に対して略均一の負
    圧を作用させる共通負圧室が形成されており、前記負圧
    発生手段は前記共通負圧室の内部の流体を排出するよう
    に前記キャップ部材に接続されていることを特徴とする
    液体吸引装置。
  2. 【請求項2】前記フィルタ部材は、前記キャップ部材が
    前記ノズル形成面に当接された際に前記ノズル形成面と
    前記フィルタ部材との間に液体受容空間が形成されるよ
    うに構成されている請求項1記載の液体吸引装置。
  3. 【請求項3】前記液体受容空間は、前記複数のノズル開
    口のすべてに対応する単一の空間である請求項2記載の
    液体吸引装置。
  4. 【請求項4】前記液体受容空間は、複数の個別空間に分
    割されている請求項2記載の液体吸引装置。
  5. 【請求項5】前記複数のノズル開口は、幾つかのノズル
    列を構成しており、 前記複数の個別空間は、前記幾つかのノズル列のそれぞ
    れに対応して形成されている請求項4記載の液体吸引装
    置。
  6. 【請求項6】前記フィルタ部材は、前記幾つかのノズル
    列のそれぞれに対向する位置に延在する幅狭領域のみに
    おいて有効に機能するように構成されている請求項5記
    載の液体吸引装置。
  7. 【請求項7】前記複数の個別空間は、吐出される液体の
    種類が共通する複数のノズル開口から成るノズル開口群
    毎に形成されている請求項4乃至6のいずれか一項に記
    載の液体吸引装置。
  8. 【請求項8】前記複数の個別空間は、前記フィルタ部材
    とは別個に設けられた仕切部材によって形成されている
    請求項4乃至7のいずれか一項に記載の液体吸引装置。
  9. 【請求項9】前記複数の個別空間は、前記フィルタ部材
    自身によって形成されている請求項4乃至7のいずれか
    一項に記載の液体吸引装置。
  10. 【請求項10】前記フィルタ部材は、前記キャップ部材
    が前記ノズル形成面に当接される際に、前記ノズル形成
    面の少なくとも一部に密着されるように構成されている
    請求項1記載の液体吸引装置。
  11. 【請求項11】前記フィルタ部材は、前記キャップ部材
    が前記ノズル形成面に当接される際に、前記ノズル形成
    面の略全体に密着されるように構成されている請求項1
    0記載の液体吸引装置。
  12. 【請求項12】前記フィルタ部材は、その一部が前記キ
    ャップ部材から前記ノズル形成面の方向に向けて突出し
    ている請求項10又は11に記載の液体吸引装置。
  13. 【請求項13】前記共通負圧室の内部には流体透過性の
    充填材が充填されており、前記流体透過性の充填材は、
    前記共通負圧室の内部を気体が流通している状態におい
    ては前記共通負圧室の内部の全体が略均一の圧力になる
    ような流動抵抗値を持っていることを特徴とする請求項
    1乃至12のいずれか一項に記載の液体吸引装置。
  14. 【請求項14】前記充填材は発泡材である請求項13記
    載の液体吸引装置。
  15. 【請求項15】複数のノズル開口から対象物に向けて液
    滴を吐出する液体噴射ヘッドの前記複数のノズル開口か
    ら液体を吸引する液体吸引装置であって、 前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接された際に内
    部に密閉空間を形成するキャップ部材と、 前記キャップ部材の内部に形成された前記密閉空間の内
    部の流体を排出して前記密閉空間の内部に負圧を発生さ
    せる負圧発生手段であって、吸引ポンプと、前記吸引ポ
    ンプを前記キャップ部材に接続する吸引配管と、を有す
    る負圧発生手段と、 前記吸引配管の途中に設けられ、液体の流れ抵抗により
    液体の流量を抑制する手段と、を備えたことを特徴とす
    る液体吸引装置。
  16. 【請求項16】複数のノズル開口のそれぞれに連通する
    圧力室の内部の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル
    開口から対象物に向けて液滴を吐出する液体噴射ヘッド
    と、 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の液体吸引装置
    と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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