JP3501583B2 - インクジェット記録システム及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録システム及びインクジェット記録方法

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JP3501583B2
JP3501583B2 JP10171196A JP10171196A JP3501583B2 JP 3501583 B2 JP3501583 B2 JP 3501583B2 JP 10171196 A JP10171196 A JP 10171196A JP 10171196 A JP10171196 A JP 10171196A JP 3501583 B2 JP3501583 B2 JP 3501583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを使用して
記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録方法及
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録装置に
搭載された記録ヘッドから吐出したインク滴を被記録材
に付着させ、そのインクを被記録材に定着、発色するこ
とにより画像の記録を行うものである。このようなイン
クジェット記録装置により記録された画像は、インクに
より形成された被記録材料上のドットにより形成されて
いる。このため、画像の品質を疎外する要因の一つに記
録濃度の低い部分(ハイトーン部分)において、このド
ットの形状が目立つことによる粒状感がある。
【0003】このような粒状感を軽減させる1つの方法
として、記録に用いるインク濃度を比較的濃度の低いも
のとして、記録されたドットの形状を目立たなくし、か
つ、その濃度が低い分だけ多めにインクを打ち込んで記
録する方法が提案されている。それによれば比較的に濃
いインクを使用した場合と同レベルの画像濃度で、か
つ、粒状感の少ない画像を得ることができる。
【0004】このように比較的濃度の低いインクを用い
て記録を行うと、記録された画像における粒状感が目立
たないという利点はあるが、文字画像などのように、通
常は中間調では記録されない画像は濃いインクを用いて
も粒状感は発生しないにも拘らず、薄いインクを使用し
て記録すると多量のインクを要するために、ランニング
コストが高くなってしまう。
【0005】そこで、比較的濃度の高いインクを使用し
た記録手段と、比較的濃度の低いインクを使用した記録
手段との両方を同時に装着して記録を行う記録装置が提
案されている。この記録装置では、記録を行う画像の種
類に応じて、比較的濃いインクで記録を行うか、比較的
に薄いインクで記録を行うか、或は両方のインクを用い
て記録を行うように構成されている。
【0006】また、一台の記録装置で、周知のように記
録ヘッドとインクタンクとが一体となったインクカート
リッジを交換することによりモノクローム専用記録装置
として使用したり、カラー記録装置としても使用できる
構成としたものが一般的になってきている。これらはユ
ーザの現時点で一番望んでいる、ワープロ出力を高速に
行うためのモノクロームの機能の強化と、カラーのグラ
フィクスの出力を行うための機能を、それぞれ一台の限
られた記録装置の資源の中で達成しようと考え出された
ものである。この機能の中で記録カートリッジを認識
し、モノクロームカートリッジ用の制御とカラーカート
リッジ用の制御を切り替える等の最適化がなされるよう
になっている。また現時点では、インクカートリッジの
交換は、カラーインク用とモノクロインクとを交換する
ために行われているだけである。
【0007】また、カラー出力の中でカラーグラフック
ス出力の階調性を上げるために数々の検討が古くからな
されている。例えば、描画のための記録解像度を、通常
のカラー記録モードよりも高くして描画能力を上げた
り、記録装置の記録解像度を上げて、記録データとして
は多値のデータを記録装置に送り、サブピクセルを用い
て多値出力を行う等の改良が、これらの機器の中で古く
から提案され、近年実用化が成されてきている。
【0008】更に、ピクトリアルな画像出力をインクジ
ェット記録装置で行うために、複数種類の色素濃度の色
剤を同時に用いて記録媒体上に記録を行う方法が古くか
ら提案されている。通常、C,M,Y,K或いはC,
M,Y等の4色或は3色の色剤を用いているのに対し、
C,M,Y,K或はC,M,Yのそれぞれの色材に対
し、色素濃度の異なる2種類の色剤を同時に装着して描
画する記録装置が古くから提案されている。このような
記録方式によれば、色再現範囲を格段に広げられるとと
もに、画像中の明度の高い(記録ドットが記録媒体上に
離散的に存在している)状態のエリアを色素濃度の低い
色剤を用いて記録することにより、その粒状感を大きく
低減できる。逆に明度が低く、彩度が高い部分に対して
は粒状感が少なく感じられ、そのような部分を色素濃度
の高い色剤を用いて記録することにより高発色な画像が
が得られる構成となっている。
【0009】しかし上述の方法は、多数の種類の色剤を
一つの記録装置内に同時に内蔵しなければならないため
に、記録装置としては非常に煩雑なシステムとなってし
まう。また、一般ユーザにとって、通常は単色で記録す
る場合が多いため、使用頻度の少ない色素濃度の低い色
剤をいつも同時に記録装置内に用意しておくのは無駄に
なる場合が多く、更に記録ヘッドを一定以上大きく出来
ないために、その記録可能な容量を低下させたり、一色
剤当たりのインクタンクの容量を小さくしなければなら
ない等の弊害をもたらしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、薄いイ
ンクで記録を行う場合には、比較的多くのインク量を被
記録材に打ち込まなければならない。また実際に、濃度
の高いインク、例えば黒やシアンや、青などのインクの
ドットの粒状感を大幅に減少させるためには、従来のイ
ンクと比べてインクの濃度を約3分の1以下にするのが
効果的である。単純に計算すれば、その場合には従来の
濃度の高いインクで形成した画像と、略同等の色の濃さ
の画像を得るためには、従来の3倍の量のインクを被記
録材の打ち込まなければならないことになる。
【0011】一般に、単位時間当たりに被記録材に打ち
込むインクの量が被記録材のインクの受容量を越えてい
たり、単位時間当たりに被記録材にインクを打ち込む量
(インク打ち込み速度)が被記録材のインク吸収速度を
越えていると、その打ち込まれたインクは被記録材上で
溢れてしまい、画像が滲んでしまったり、またインクの
表面張力により被記録媒体上でインクが移動し、その結
果、記録された画像において、濃度の濃い部分や薄い部
分が発生して画像品位が低下してしまう。
【0012】特に薄いインクを用いて記録を行う場合に
は、画像の濃度を高くするためには被記録材にインクを
多く打ち込まねばならず、このような問題が発生し易
い。
【0013】また、ユーザのニーズに答えるためには、
記録装置の記録速度を一定以上に速くする必要がある。
そのためには、例えばキャリッジの移動速度やヘッドの
駆動速度を速くする必要があるが、それに伴って上記の
インク打ち込み速度も速くなり、インクの溢れなどの問
題が更に発生し易くなるという問題がある。
【0014】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、記録速度を極力低下させずに、記録媒体におけるイ
ンクの溢れを防止して高品位の画像を記録できるインク
ジェット記録方法及びその装置を提供することを目的と
する。
【0015】また本発明の目的は、記録に使用するイン
クの顕色性と記録媒体の種類の少なくともいずれかに応
じて、記録データ、記録周期、走査回数の少なくともい
ずれかを変更することにより、高品位の記録画像が得ら
れるようにしたインクジェット記録方法及びその装置を
提供することにある。
【0016】本発明の目的は、濃度の低い淡インクによ
る記録を行う際には、記録に使用する記録媒体の種類に
応じて走査回数、駆動周波数の少なくともいずれかを変
更して記録することにより、記録速度を低下すること無
く、かつ記録媒体のインク溢れを防止して記録するイン
クジェット記録方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、第1の濃度を有する第1のインクを吐出す
るための第1の記録ヘッドと、前記第1のインクより低
い第2の濃度を有する第2のインクを吐出するための第
2の記録ヘッドとを交換可能に載置するための載置部を
備え、いずれか一方の前記記録ヘッドを搭載した搭載部
を記録媒体に対して相対的に走査させながら前記搭載部
に搭載された記録ヘッドからインクを吐出することで、
記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録システ
ムであって、前記載置部に載置された記録ヘッドの種類
が前記第1の記録ヘッドであるか前記第2の記録ヘッド
であるかに関する情報を取得するための情報取得手段
と、前記記録媒体上における単位面積の記録領域に対し
て前記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査さ
せ、各走査で間引きマスクパターンに従って間引き画像
を形成することで前記単位面積の記録領域に対応した画
像を完成させる記録動作を実行するにあたり、前記情報
取得手段により取得された記録ヘッドの種類に関する情
報に応じて前記単位面積当たりのインク付与量の上限を
変更して前記記録動作を実行する記録制御手段とを備
え、前記記録制御手段は、前記載置部に載置された記録
ヘッドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記
第1の記録ヘッドである場合に比して、同じ走査回数で
あっても前記単位面積当たりのインク付与量の上限が多
くなるよう、前記第1の記録ヘッドが搭載される場合と
前記第2のヘッドが搭載される場合とで前記使用するマ
スクパターンの間引き率を異ならせることを特徴とす
る。また本発明は、インクを用いて記録媒体上に画像を
記録するインクジェット記録システムであって、第1の
濃度を有する第1のインクを吐出するための第1の記録
ヘッドと、前記第1のインクより低い第2の濃度を有す
る第2のインクを吐出するための第2の記録ヘッドとを
交換可能に載置可能な載置部と、前記載置部に載置され
た記録ヘッドの種類が前記第1の記録ヘッドであるか前
記第2の記録ヘッドであるかを判別する判別手段と、前
記記録媒体上における単位面積の記録領域に対して前記
搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査させ、各走
査で間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成す
ることで前記単位面積の記録領域に対応した画像を完成
させる記録制御手段とを備え、前記記録制御手段は、前
記載置部に載置された記録ヘッドの種類が前記第1の記
録ヘッドである場合と前記第2のヘッドである場合とで
使用するマスクパターンの間引き率を異ならせることに
より、前記第2の記録ヘッドが搭載される場合、前記第
1の記録ヘッドが搭載される場合に比して、同じ走査回
数であっても前記単位面積当たりのインク付与量の上限
を多くすることを特徴とする。
【0018】また本発明は、第1の濃度を有する第1の
インクを吐出するための第1の記録ヘッドと、前記第1
のインクより低い第2の濃度を有する第2のインクを吐
出するための第2の記録ヘッドとを交換可能に載置する
ための載置部を記録媒体に対して相対的に走査させなが
ら、前記搭載部に搭載された記録ヘッドからインクを吐
出することで、記録媒体上に画像を記録するインクジェ
ット記録方法であって、前記載置部に載置された記録ヘ
ッドの種類が前記第1の記録ヘッドであるか前記第2の
記録ヘッドであるかに関する情報を取得するための情報
取得工程と、前記記録媒体上における単位面積の記録領
域に対して前記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回
走査させ、各走査で間引きマスクパターンに従って間引
き画像を形成することで前記単位面積の記録領域に対応
した画像を完成させる記録動作を実行するにあたり、前
記情報取得工程において取得された記録ヘッドの種類に
関する情報に応じて前記単位面積当たりのインク付与量
の上限を変更して前記記録動作を実行する記録制御工程
とを有し、前記記録制御工程では、前記載置部に載置さ
れた記録ヘッドの種類が前記第2の記録ヘッドである場
合、前記第1の記録ヘッドである場合に比して、同じ走
査回数であっても前記単位面積当たりのインク付与量の
上限が多くなるよう、前記第1の記録ヘッドが搭載され
る場合と前記第2のヘッドが搭載される場合とで前記使
用するマスクパターンの間引き率を異ならせることを特
徴とする。また本発明は、インクを用いて記録媒体上に
画像を記録するインクジェット記録方法であって、第1
の濃度を有する第1のインクを吐出するための第1の記
録ヘッドと、前記第1のインクより低い第2の濃度を有
する第2のインクを吐出するための第2の記録ヘッドと
を交換可能に載置する載置部に載置された記録ヘッドの
種類が前記第1の記録ヘッドであるか前記第2の記録ヘ
ッドであるかを判別する判別工程と、前記記録媒体上に
おける単位面積の記録領域に対して前記搭載部に搭載さ
れた記録ヘッドを複数回走査させ、各走査で間引きマス
クパターンに従って間引き画像を形成することで前記単
位面積の記録領域に対応した画像を完成させる記録制御
工程とを有し、前記記録制御工程では、前記載置部に載
置された記録ヘッドの種類が前記第1の記録ヘッドであ
る場合と前記第2のヘッドである場合とで使用するマス
クパターンの間引き率を異ならせることにより、前記第
2の記録ヘッドが搭載される場合、前記第1の記録ヘッ
ドが搭載される場合に比して、同じ走査回数であっても
前記単位面積当たりのインク付与量の上限を多くするこ
とを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】本実施の形態では、比較的濃いインクの入
ったカートリッジを含む記録ヘッドが搭載されている
か、少なくとも1色の薄いインクの入ったインクカート
リッジを有する記録ヘッドが搭載されているかを記録装
置本体で識別し、薄いインクを用いて記録する場合に
は、濃いインクを用いて記録する場合と同じ回数の分割
記録方式(後で説明する)で記録を行う。これにより、
薄いインクを使用して記録する場合は、1記録走査当た
り、濃いインクを用いて記録する場合よりもインクを多
く吐出する。これとともに、ユーザにより選択されてい
る記録媒体(記録用紙等)上でインクが溢れないように
記録ヘッドの駆動周波数を定めて、単位時間当たりのイ
ンクの最大打ち込み量を決定する。それにより、記録媒
体上でのインクの溢れを防止して、粒状感の少ない高品
位な画像を形成しつつ、可能な限り高速の記録を行うよ
うにしている。以下詳しく説明する。
【0021】まず、本実施の形態に用いるインクジェッ
ト記録装置の構成例を説明する。
【0022】図1は、本実施の形態のインクジェット記
録装置の主要部の構成を示す外観斜視図である。
【0023】キャリッジ101は、記録ヘッド(インク
ジェットヘッド)102とカートリッジガイド103を
搭載し、ガイド軸104,105上を左右方向に摺動し
て走査可能に構成されている。記録用紙106は、給紙
ローラ107の回転によって装置内に送り込まれ、紙送
りローラ108とピンチローラ(不図示)、紙押え板1
09の作用によって挟持されて紙送りされ、記録ヘッド
102により記録可能な位置まで搬送されて記録が行わ
れる。尚、これらローラの回転は、後述する紙送り用モ
ータ206(図6)により回転駆動される。インクカー
トリッジは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を収納
したカラーインクカートリッジ110と、ブラックイン
クカートリッジ111の2種類を有し、それぞれ別々に
カートリッジガイド103に挿入され、各インクカート
リッジよりのインク供給路が記録ヘッド102のインク
供給路と連通される。
【0024】ここで、カラーインクカートリッジ110
に収納されるイエロー、マゼンタ、シアンのインクは、
カラー画像を形成する際に色の境界でインクのにじみが
生じないように、記録用紙への浸透速度の速いものが用
いられる。一方、ブラックインクカートリッジ111に
収納されるブラック(黒)インクは、黒画像が高濃度で
且つインクのにじみの少ない高品位なものとなるよう
に、前記3種類のカラーインクに比べ、比較的記録用紙
への浸透速度が遅いものが用いられる。
【0025】図2(A)(B)は、本実施の形態の記録
ヘッド102の構成を示す図で、(A)は記録ヘッド1
02の後方から見た外観斜視図、(B)はヘッド102
の前面から見た斜視図である。
【0026】記録ヘッド102の前面部には、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクに対応
する吐出口グループ(群)が一直線状に配置されてい
る。それぞれの吐出口グループにおける吐出口(ノズ
ル)数は、イエロー用、マゼンタ用、シアン用にはそれ
ぞれ24個、ブラック用には64個であり、各色のノズ
ル群同士の間隔は1ノズルピッチ以上である。
【0027】これらの吐出口の各々には、吐出口に連通
するインク液路が設けられており、インク液路が配設さ
れる部位の後方には、これら液路にインクを供給するた
めの共通液室が設けられる。吐出口の各々に対応するイ
ンク液路には、これら吐出口からインク滴を吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生させるための電気熱
変換体や、これに電力を供給するための電極配線が設け
られている。これら、電気熱変換体(吐出用ヒータ)や
電極配線は、シリコン等からなる基板201上に成膜技
術によって形成される。更に、この基板201上に樹
脂、ガラス材よりなる隔壁、天板等を積層することによ
って、上記吐出口、インク液路、共通液室が構成され
る。さらにこの基板201の後方には、上記電気熱変換
体を記録信号に基づいて駆動するための駆動回路がプリ
ント基板の形態で設けられている。
【0028】また前述したガラス材等を用いらずに、複
数のインク流路を夫々区分するための隔壁や共通液室等
を設けた溝付天板(オリフィスプレート)と、該基板2
01とを貼り合わせて形成する構成にしても良い。この
場合、溝付天板は一体成型したものであり、一体成型材
料としてはポリサルフォンが好ましいが、他の成型用樹
脂材料でも良い。
【0029】シリコン基板201及びプリント基板20
2は、同一形状のアルミプレート203と平行に設けら
れている。パイプ204〜207はシリコン基板201
に対して垂直方向に広がったディストリビュータと呼ば
れるプラスチック部材208から突出して配置されてお
り、更にそのプラスチック部材208内部の流路と連通
しており、該流路は共通液室に連通している。このディ
ストリビュータ208内の流路は、イエロー用、マゼン
タ用、シアン用、ブラック用の4本存在し、それぞれの
色のインクの共通液室とパイプ204〜207のそれぞ
れとを連結している。
【0030】尚、本実施の形態では、カラーインクと黒
(Bk)インクそれぞれのインクタンクがそれぞれ独立
して設けられ、独立に交換可能な構成となっているが、
これはインクタンク100,111と記録ヘッド102
が一体型になっているヘッドカートリッジを用いても良
い。
【0031】本実施の形態の記録ヘッド102に設けら
れたイエロー用、マゼンタ用、シアン用の各インク吐出
口からは約40ngのインクが、ブラック(黒)用のイ
ンク吐出口からは約80ngのインクが吐出される。
【0032】本実施の形態のインクジェット記録装置で
使用したインクの成分の一例を以下に示す。 1.Y(イエロー) C.I.ダイレクトイエロー86 3部 ジエチレングリコール 10部 イソプロピルアルコール 2部 尿素 5部 アセチレノールEH(川研ケミカル) 1部 水 残部 2.M(マゼンタ) C.I.アシッドレッド289 3部 ジエチレングリコール 10部 イソプロピルアルコール 2部 尿素 5部 アセチレノールEH(川研ケミカル) 1部 水 残部 3.C(シアン) C.I.ダイレクトブルー199 3部 ジエチレングリコール 10部 イソプロピルアルコール 2部 尿素 5部 アセチレノールEH(川研ケミカル) 1部 水 残部 4.Bk(黒) C.I.ダイレクトブラック154 3部 ジエチレングリコール 10部 イソプロピルアルコール 2部 尿素 5部 水 残部 このように、黒(Bk)のインクに対してCMYのイン
クは、アセチレノールEHを1%加えることによって浸
透性を向上させている。付加物としては、これ以外にも
他の界面活性剤やアルコール等がある。
【0033】本実施の形態では、記録ヘッド102が濃
度の高い濃インクを搭載したものであるか、濃度の低い
淡インクを使用したものであるのかの情報を記録ヘッド
102に保持させておき、それをインクジェット記録装
置本体で識別する。
【0034】図3は本実施の形態における記録ヘッド1
02のインク情報を識別する手段を説明するための配線
図である。
【0035】図3に示す配線を記録ヘッド102に設け
ておき、図中、A,B,Cで示すポイントのいずれか
を、記録ヘッド102に装着されているインクの種類に
応じて切断する。
【0036】インクジェット記録装置本体では、この回
路の端子1と端子4との間に電圧を印加し、記録ヘッド
102に設けられた図3の配線のうち、端子1と端子2
が切断している(高濃度)か、端子1と端子3が切断し
ている(淡濃度)か、端子1と端子4が切断している
(通常)かのいずれかの組み合わせに基づいて記録ヘッ
ド102のインクの種類を識別する。
【0037】本実施の形態のインクジェット記録装置に
おいて、このインクジェット記録装置における最も高品
位の記録を行う場合には、以下に説明する分割記録方式
を用いて画像を形成する。この分割記録方式とは、画像
に、所定の複数のマスクパターン(以下、マスクと呼
ぶ)で間引いた画像データを生成し、それを用いて複数
回の記録走査で画像を形成する記録方法である。
【0038】このような分割記録方式では、複数回の記
録走査において、記録ヘッド102のノズル列の異なる
部分を用いて記録することにより、記録ヘッド102の
インクを吐出する方向や、ノズルごとの吐出するインク
の量などに起因する画像のムラを軽減することができ
る。
【0039】上記のマスクの例を図4(A)(B)に示
す。これは例えば、画像データをそれぞれ50%に間引
いて、2回の記録走査で画像を形成する制御を行う場合
に用いるものである。図4(A)(B)の各マスクパタ
ーンは、互いに他のマスクパターンを補完するようなデ
ータ構成になっている。
【0040】ここで、図5(A)(B)に示すように、
マスクデータにより間引く割合を夫々50%より小さく
して(つまり実際に記録するドットの数を多くして)同
じように記録を行うと、当然のことながら、多くのイン
ク滴を被記録材(記録媒体)に打ち込むことができる。
また淡インクで画像を形成する場合には、濃インクの場
合よりも大量のインクを被記録材に打ち込む必要がある
ので、濃インクと淡インクのいずれを使用して記録する
かにより、上記の分割記録方式のマスクデータを変更し
て被記録材に打ち込むインクの量を変える。
【0041】色に応じて濃度の異なるインクを組み合わ
せて使用する場合には、前記の分割記録方式のマスクを
色ごとに異なるものを使用し、インクの打ち込み量を制
御することにより、各色ごとに必要とするインク量を被
記録材に打ち込むことができる。これにより定められた
濃度の画像を形成することができる。
【0042】本実施の形態では、淡インクを用いる場合
にも、濃インクで記録する場合と同じ走査回数で記録を
行う。この場合、先に述べたように分割記録方式を用
い、間引いた画像データを作るためのマスクを変更して
1記録走査当たりに被記録材に打ち込むインク滴の量を
多くし、淡インクで画像を形成するために必要なインク
滴の量を、記録走査回数を変更することなく被記録材に
打ち込むことができる。この場合にも、被記録材上でイ
ンクが溢れないように、記録ヘッド102の駆動周波数
を設定する。
【0043】この記録方法には以下に示すメリットがあ
る。例えば淡インクによる記録において、単位時間当た
りのインク滴の打ち込み量を所定の程度以下に抑える
と、所望の記録濃度を得るためには分割記録方式の記録
走査の回数を増やさなければならない。このような場
合、記録時間は1回の走査にかかる時間単位で一挙に遅
くなってしまう。これに対し本実施の形態の方法によれ
ば、濃インクの場合と同じ記録走査の回数で画像の記録
を行うことができ、記録ヘッドの所定の駆動周波数で被
記録材への単位時間当たりのインク打ち込み量を設定で
きるので、被記録材上におけるインクの溢れを防いで、
且つ、可能な限り速い画像の記録・形成を行うことがで
きる。
【0044】また、被記録材のインクの吸収能力に余裕
がある場合は、淡インクを使用した記録に必要なだけの
インク滴量を被記録材に打ち込んでも良いことになる。
即ち、淡インクを使用した記録を行う場合にも、濃イン
クを使用した場合と同じ記録走査回数、同じ記録ヘッド
の駆動周波数で記録することもできる。
【0045】また、濃インクを使用した記録制御では、
濃インクと記録ヘッドなどの組み合わせで記録ヘッドが
インク滴を安定して吐出できる最高の駆動周波数を設定
する。尚、淡インクでは濃インクに比べ、染料、或は顔
料などの発色材料が少ないことや、それらをインク中に
分散させたり、インクの固着を遅らせたりなどのために
添加する有機物質を少なくすることができる。そのた
め、一般的に濃度が薄い方がインクの粘度は低く、記録
ヘッドでインクを吐出した後、次のインクが供給されて
インク吐出が可能になるまでの時間が早い。よって、淡
インクを使用した場合は、記録ヘッドの駆動周波数を濃
インクを使用して記録する場合よりも高く設定できる。
それにより淡インクによる画像記録を高速化できる。
【0046】さらに本実施の形態では、淡インクで記録
を行う場合、記録装置や、記録装置を制御可能なソフト
ウェア(例えばコンピュータのOSで使用するドライバ
等)で、被記録材を識別、検知し、あるいはユーザによ
る被記録材の指定により、記録に使用する被記録材の種
類を識別し、分割記録方式での印刷を行う際に、その情
報に応じて所定のマスクや駆動周波数を選択する。
【0047】一般的に被記録材によってインクを吸収す
る能力が大きく異なり、このような被記録材に対応した
機能を設けることにより、それぞれの記録材に応じたイ
ンク滴の打ち込み量で、且つ、可能な限り高速に記録す
ることができる。
【0048】以下、詳しく説明する。
【0049】図6は、本実施の形態のインクジェット記
録装置の構成を示すブロック図である。
【0050】図6において、200は装置全体を制御す
る制御部で、マイクロコンピュータ等のCPU210、
CPU210により実行される制御プログラムや各種デ
ータを記憶しているプログラムメモリ211、CPU2
10による処理の実行時、各種データを一時的に保存す
るためのワークエリアとして使用されるRAM212な
どを備えている。213は、例えば前述した複数のマス
クデータを記憶するためのマスクメモリである。214
は周波数メモリで、記録に使用するインクが濃インクで
あるか、淡インクであるか、更には被記録材の種類に応
じた記録ヘッドの駆動周波数情報を記憶している。
【0051】201はヘッドドライバで、記録データに
応じて記録ヘッド102を駆動してインクを吐出させる
ことにより記録が行われる。202は、記録ヘッド10
2に搭載されているインクの種類を識別するための回路
を示し、例えば図3のように構成されている。
【0052】203,204のそれぞれは、制御部20
0からの指示に応じて、対応するキャリッジモータ20
5或は紙送り用モータ206を駆動するためのモータド
ライバである。207は用紙センサで、装填されている
記録媒体(被記録材)の種類を識別している。208は
操作部で、オペレータにより操作されるキーや液晶など
の表示器を備えている。この操作部208を使用して、
前述した記録ヘッド102に装填されているインクの種
類や、セットされている用紙の種類を指示しても良い。
209は検知部で、装置の置かれている環境情報を検知
するための温度センサ、湿度センサ等を備えている。
【0053】[実施の形態1]図7は、本実施の形態1
のインクジェット記録装置における記録処理を示すフロ
ーチャートで、この処理を実行する制御プログラムはプ
ログラムメモリ211に記憶されている。この処理は、
例えばホストコンピュータより1走査分或は1ページ分
の記録データを受信して、少なくとも記録ヘッド102
の1走査による記録動作が開始可能になることにより開
始される。ここでは1頁の記録データが揃った時点で開
始されるものとする。
【0054】まずステップS1で、記録ヘッド102の
インクが濃インクか、淡インクかを示す情報を取得す
る。これは前述の図3を参照して説明したように、回路
202のどの線同士が接続されているかを示す情報を取
得しても良く、或は操作部208から入力される指示情
報を入力しても良い。次にステップS2に進み、装填さ
れている被記録材の材質に関する情報を取得する。これ
は用紙センサ207を使用しても、或は操作部208か
らの指示情報を入力しても良い。
【0055】次にステップS3に進み、ステップS2で
取得した情報に基づいて記録ヘッド102のインクの種
類を判別し、濃インクであればステップS4に進み、マ
スクデータ記憶部213の中から濃インク用のマスクデ
ータを選択し、周波数メモリ214から濃インクに適し
た駆動周波数情報を選択し、ステップS5に進んで分割
方式による1頁の記録を行う。このステップS5の処理
は、図8のフローチャートを参照して後述する。
【0056】一方、ステップS3で、記録ヘッド102
に淡インクが収容されているときはステップS6に進
み、ステップS2で取得した被記録材の情報に基づい
て、装填されている被記録材の種類を判断する。ここで
は被記録材の種類(例えば、1:普通紙、2:インクジ
ェット記録用用紙、3:樹脂フィルム)を判断し、その
種類に応じてステップS7乃至ステップS9のいずれか
において、それに対応したマスクデータと、駆動周波数
とを選択し、ステップS5に進んで分割方式による記録
を行う。
【0057】図8は、図7のフローチャートのステップ
S5の記録処理を示すフローチャートである。尚、この
フローチャートでは、複数色の記録データの内の1つの
色の記録データの処理の場合で説明する。
【0058】この処理の開始時点ではキャリッジモータ
205の回転を開始し、まずステップS51で、ステッ
プS4,S〜S9のいずれかで選択された駆動周波数に
応じてキャリッジモータ205の駆動周波数を決定し、
それに応じてキャリッジモータ205を回転駆動する。
これによりキャリッジ101が、その駆動周波数に応じ
た速度で搬送駆動される。ステップS52では、1カラ
ム(列)分の記録データを、ステップS4,S〜S9の
いずれかで選択されたマスクデータの一方、例えば図5
の(A)のマスクデータでマスクする。そして記録ヘッ
ド102が記録位置に到達して記録タイミングになると
ステップS53からS54に進み、ヘッドドライバ20
1に記録データを出力して記録ヘッド102を駆動す
る。ステップS55では、1走査分の記録が終了したか
どうかを調べ、終了していなければステップS51に戻
り、前述の処理を繰返し実行する。
【0059】ステップS55で、1走査分の記録が終了
するとステップS56に進み、記録ヘッド102を元の
記録開始位置に戻し、再度、キャリッジ101を駆動周
波数に応じた速度で搬送駆動し、今度は前述のマスクデ
ータの一方、例えば図5の(B)のマスクデータに基づ
いて、記録データをマスクする。そしてステップS59
〜S61で、前述のステップS53〜S55と同様に1
走査分の記録を行う。こうして1走査記録が終了すると
ステップS62に進み、今度はキャリッジリターンと、
1走査で記録された記録幅分の紙送りを行ってステップ
S63に進む。ステップS63では、1頁の記録が終了
したかどうかを調べ、終了していなければステップS5
1に戻り、前述の処理を実行する。また1頁の記録が終
了したときはステップS64に進み、その記録済みの被
記録材を排出する。
【0060】以上説明したように本実施の形態1によれ
ば、記録に使用するインクの種類や被記録材の種類に応
じてインク滴の打ち込み量を制御することにより、淡イ
ンクを使用した場合でも高速に記録することができる。
【0061】[実施の形態2]本実施の形態2では、比
較的濃いインクの入ったインクタンクを有する記録ヘッ
ド102が搭載されているか(濃インク記録を行う場
合)、少なくとも1色が薄いインクの入ったインクタン
クを有する記録ヘッド102が搭載されているか(淡イ
ンク記録を行う場合)を識別する手段と、記録に用いる
被記録材を識別する手段とを備え、前述と同様に分割記
録方式で記録する際、淡インクを使用して濃インクと同
じ記録走査回数で画像を記録するモードと、より多くの
記録走査回数で画像を記録するモードとを設ける。そし
て、インク吸収速度が速い被記録材を用いる場合には、
単位時間当たりのインク吐出量を増やして記録走査回数
を少なくして記録し、インク吸収速度が遅い被記録材を
用いる場合には、単位時間当たりのインク吐出量を少な
くして、より多くの記録走査で画像を記録するように設
定できる。
【0062】即ち、前述の実施の形態1では、淡インク
を用いた記録を行う場合にも、濃インクを用いた記録の
場合と同じ記録走査回数で画像を記録した。しかし、被
記録材には、インク吸収能力が優れたものと、そうでな
いものとがあり、記録走査回数を少なくして記録する
(単位時間当たりのインク吐出量を多くする)と、ある
程度、記録ヘッドの駆動周波数を落としてゆっくり記録
を行っても、被記録材からインクが溢れてしまうことも
ある。従って、この実施の形態2では、そのようなイン
クの浸透性の弱い被記録材が使用されていると識別され
た場合には、単位時間当たりのインク吐出量を少なくし
て、画像を記録するための記録走査の回数を多くして記
録する。
【0063】このように制御することにより、前述の実
施の形態1より、更に多くの種類の被記録材が使用可能
で、かつ淡インクを使用した記録時であってもインク溢
れを生じず、できる限り高速に記録を行うことができ
る。
【0064】この実施の形態2におけるインクジェット
記録装置の構成は前述の実施の形態1の構成と略同様で
あるが、更にインクの種類と被記録材の種類とに応じ
て、記録走査回数を記憶している走査回数メモリを制御
部200に備えている点が異なる。
【0065】図9は、実施の形態2のインクジェット記
録装置の処理を示すフローチャートで、この処理を実行
する制御プログラムはプログラムメモリ211に記憶さ
れている。
【0066】図9において、前述の実施の形態1の図7
の処理ステップと同じステップには同じ番号を付し、そ
の説明を省略する。
【0067】記録ヘッド102のインクが濃インクであ
ればステップS11に進み、マスクデータ記憶部213
の中から濃インク用のマスクデータを選択し、周波数メ
モリ214から濃インクに適した駆動周波数情報を選択
し、更に走査回数メモリから濃インクに応じた走査回数
Aを求める。そしてステップS5’に進んで分割方式に
よる1頁の記録を行う。このステップS5’の処理は、
前述の図8のフローチャートと同様であるが、ステップ
S61において1走査の記録が終了した後、ステップS
11で取得した走査回数分の記録操作が終了しているか
を判断し、終了していないときは再度ステップS51に
戻って、その走査の記録動作を開始する点が異なってい
る。
【0068】一方、ステップS3で、記録ヘッド102
に淡インクが収容されているときはステップS6に進
み、ステップS2で取得した被記録材の情報に基づい
て、装填されている被記録材の種類を判断する。ここで
は被記録材の種類(例えば、1:普通紙、2:インクジ
ェット記録用用紙、3:樹脂フィルム)を判断し、その
種類に応じてステップS7乃至ステップS9のいずれか
において、それに対応したマスクデータと、駆動周波数
及び走査回数とを選択し、ステップS5’に進んで分割
方式による記録を行う。ここでは被記録材1,2の場合
の走査回数が共に“A”で前述の濃インクによる記録の
場合と同様となっており、また被記録材3の場合には記
録走査回数が濃インクの場合とは異なる“B”に設定さ
れている。
【0069】本実施の形態2では、インクの吸収速度が
遅い被記録材を使用した場合は、単位時間当たりのイン
ク吐出量を少なくし、記録走査回数を多くして画像を記
録することができる。しかし、ユーザが操作部208等
を使用して指定すれば、任意の走査回数を選択できるよ
うにしても良い。その際、被記録材でインクが溢れる可
能性があることを警告する機能を、本実施の形態の記録
装置又はそれを制御するプリンタドライバ等のプログラ
ムに設けても良い。
【0070】[実施の形態3]本実施の形態3では、比
較的濃いインクの入ったインクタンクを有する記録ヘッ
ドが搭載されているか(濃インクによる記録を行う場
合)、少なくとも一色の薄いインクの入ったインクタン
クを有する記録ヘッドが搭載されているか(淡インクに
よる記録を行う場合)を識別する手段と、記録に用いる
被記録材の種類を識別する手段を備える。そして、淡イ
ンクによる記録を行う場合、最もインクの吸収速度が速
いか、或はインクの吸収量が多い被記録材を使用してい
れば、単位時間当たりのインク滴の打ち込み量が被記録
材上でインクが溢れない範囲で最も多くなる様にマスク
データを選択し、それに応じた記録ヘッドの駆動周波数
を設定する。
【0071】この実施の形態3におけるインクジェット
記録装置の構成は前述の実施の形態1の構成と略同様で
あるので、その説明を省略する。
【0072】図10は、本実施の形態3のインクジェッ
ト記録装置の処理を示すフローチャートで、この処理を
実行する制御プログラムはプログラムメモリ211に記
憶されている。
【0073】図10において、前述の実施の形態1の図
7の処理ステップと同じステップには同じ番号を付し、
その説明を省略する。
【0074】ステップS3で記録ヘッド102のインク
が濃インクであればステップS21に進み、マスクデー
タ記憶部213の中から濃インク用のマスクデータを選
択し、周波数メモリ214から濃インクに適した駆動周
波数情報Aを選択し、ステップS5’に進んで分割方式
による1頁の記録を行う。このステップS5’の処理
は、前述の図8のフローチャートと同様である。
【0075】一方、ステップS3で、記録ヘッド102
に淡インクが収容されているときはステップS6に進
み、ステップS2で取得した被記録材の情報に基づい
て、装填されている被記録材の種類を判断する。ここで
は被記録材の種類(例えば、1:普通紙、2:インクジ
ェット記録用用紙、3:樹脂フィルム)を判断し、その
種類に応じてステップS7乃至ステップS9のいずれか
において、それに対応したマスクデータを選択し、駆動
周波数をBに設定する。そしてステップS5’に進んで
分割方式による記録を行う。ここでは濃インクを使用し
た記録の場合と、淡インクを使用した記録の場合とで、
記録ヘッド102の駆動周波数が異なっている。
【0076】[実施の形態4]本実施の形態4では、比
較的濃いインクの入ったインクタンクを有する記録ヘッ
ドが搭載されているか(濃インクによる記録を行う場
合)、少なくとも1色の薄いインクの入ったインクタン
クを有する記録ヘッドが搭載されているか(淡インクに
よる記録を行う場合)を識別する手段と、記録に用いる
被記録材の種類を識別する手段を有する。そして、淡イ
ンクによる記録を行う場合は、記録走査開始前に前回の
記録走査から、被記録材の種類に応じた所定の時間が経
過してから次の記録走査が行われるように、次の記録走
査の開始を遅らせる。
【0077】これは記録走査を行う時に、前回の記録走
査で打ち込まれたインクがまだ十分に被記録材に浸透し
ていなくて被記録材の表面付近に残っていると、インク
が溢れ易く、にじみなどの画質品位の劣化が起こり易
い。そこで本実施の形態4では、濃インクによる記録時
には記録の待機は行わないが、淡インクによる記録時
で、かつインク吸収速度の遅い被記録材が使用されてい
る場合には、前回の記録走査から所定の時間が経過した
後に、次の記録走査を行うようにしている。
【0078】これにより、インクが溢れ易い、インクの
浸透に不利な状態を避けて記録走査を行うことができ
る。そして、インクを溢れによる画像品位の劣化を防止
し、被記録材に応じた、できる限りの高速記録を可能に
する。
【0079】また、前述の実施の形態1から実施の形態
4において、淡インクで記録を行う場合に、前述の検知
部209からの情報に基づいて、記録装置の置かれた環
境や状況(例えば記録ヘッドの記録に伴う昇温により記
録ヘッドから吐出されるインクの量の変化)に対応し
て、記録制御を変更することも、高画質かつ高速の記録
を行うために有効である。
【0080】これは、被記録材のインクの吸収能力が環
境によって大きく変化し、また、温度により、記録ヘッ
ドのインク吐出特性も変化する。一般的には、記録ヘッ
ドから吐出されるインク滴の体積は高温になるほど大き
くなり、また湿度が高いほど被記録材のインクの吸収速
度は遅くなる。そこで記録装置が設置されている環境や
状況に応じて記録制御を変更することにより、それぞれ
の場合においてインクを溢れさせず、かつ可能である限
り高速の記録を行うことができる。
【0081】また前述の実施の形態1から実施の形態4
においては、比較的濃いインクの入ったインクタンクを
有する記録ヘッドが搭載されているか(濃いインクによ
る記録を行う場合)、少なくとも1色の薄いインクの入
ったインクタンクを有する記録ヘッドが搭載されている
か(淡インクによる記録を行う場合)の情報と、記録に
用いる記録媒体の種類の情報の、両方の情報により記録
装置の制御を選択した。
【0082】しかし、例えば淡インクによる記録で使用
する被記録材が1種類しかない場合や、淡インクによる
記録で使用する被記録材のインクの吸収に関する特性が
被記録材毎に大きく異ならない場合には、比較的濃いイ
ンクの入ったインクタンクを有する記憶ヘッドが搭載さ
れているか(濃いインクによる記録を行う場合)、少な
くとも1色の薄いインクの入ったインクタンクを有する
記録ヘッドが搭載されているか(淡インクによる記録を
行う場合)の情報のみに基づいて前述の単位時間当たり
のインク量や、単位面積当たりのインク量の制御を行な
っても良い。それにより、よりシンプルな制御で記録を
行うことができる。、また前述の実施の形態では、イン
クタンクを有する記録ヘッドにインクの種類を識別させ
る手段202を設けたが、本発明はそれに限定されるも
のでない。要は、記録装置本体で、記録ヘッドのインク
が濃インクか淡インクかを区別ができれば良いので、例
えばインクタンクを透明にし、そこへ光源から光を入射
させ、その透過或は反射、散乱の光の強度に基づいて、
記録ヘッドのインクの種類を検知しても良い。また、記
録装置のスイッチなどや、記録装置を制御可能なソフト
ウェア(例えばコンピュータのOSで使用するドライ
バ)を通して、ユーザが指定できる構成にしても良い。
【0083】また本実施の形態は、濃インクでの画像の
記録と、少なくとも1色の淡インクを含むインクによる
画像の記録を行う記録装置及び記録方法について有効で
ある。更に記録色に応じて濃度の異なるインクを組み合
わせて使用する場合には、前記の分割記録方式のマスク
を色ごとに異なるものを使用し、インクの打ち込み量を
制御する方法が有効である。また、その場合には駆動周
波数や記録走査の待機条件などは、最もインクの打ち込
み量が多くなる場合に基づいて設定することにより、イ
ンクの溢れと、それによる画像品位の低下を避けること
ができる。
【0084】尚、前述の図8のフローチャートにおい
て、1走査の記録を終了するごとにキャリッジ101を
記録開始位置に戻すようにしたが、本発明はこれに限定
されるものでなく、往復操作により記録を行っても良
い。
【0085】本実施の形態で用いられる記録ヘッド10
2におけるインクタンクの種別を検知する別の方法を説
明する。
【0086】図11は、本実施の形態で用いられる記録
ヘッド102におけるインクタンク110の種別を検知
する方法を説明する図である。
【0087】インクタンク110が記録ヘッド102に
装着され、フック70とタンクの突起73とが係合する
ことにより記録ヘッド102にインクタンク110が固
定される。このフック70の力が作用する方向に、装着
されたインクタンク110の種類を検知するためのコン
タクト部71が設けられている。このタンク検知用コン
タクト部71は、記録ヘッド102側とインクタンク1
10側の双方に設けられている。72は、そのコンタク
ト部71を拡大して示す図で、電極パット1、電極パッ
ト2、電極パット3の3つの電極パットが設けられてい
る。この図には示していないが、記録ヘッド102側に
も同様の電極パットが同数設けられており、コンタクト
部71において電気的に接続されている。ここで、イン
クタンク110のコンタクト部に於いて、電極パット
1、電極パット2は通電可能な状態になっているが、電
極パット3は絶縁されているものとする。例えば、この
ような状態を通常のインクが注入されているインクタン
クとする。これらの電極パットと接触している、記録ヘ
ッド102側のコンタクト部を介して、本実施の形態の
インクジェット記録装置は、これらの電極パットに通電
することにより、取り付けられているインクタンク11
0が、どのような種類のインクを収容しているかを検知
することができる。
【0088】即ち、図11の例では、電極パット1と電
極パット2の間には電流が流れるが、電極パット1と電
極パット3及び電極パット2とパット3との間には電流
が流れない。この状態を予め、通常のインクタンクが取
り付けられているとしてインクジェット記憶装置本体が
ROM等に記憶させておく。これに対して、淡インクを
注入しているインクタンクでは、例えば電極パット3を
通電可能な状態にしておくことにより、通常のインクタ
ンクと異なっていることを識別することが可能となる。
【0089】また、本実施の形態では、インクタンクを
識別するための電極パットの数を3つとしているが、こ
れら電極パット数を多くすることにより、より多くのイ
ンクタンクの種類を識別することが可能となる。
【0090】更に、記録ヘッドとインクタンクのコンタ
クト部の導通状態を調べることにより、インクタンク1
10が交換されたかどうかを検知することも可能であ
る。
【0091】本実施の形態では、印刷時に装着されてい
るインクタンク110の種類を判定し、該インクタンク
の種類に応じた記録モードを自動的にホストコンピュー
タのドライバが設定し、ドライバにおける色処理及びコ
ントローラにおける処理を連動させて制御しても良く、
また、ユーザの用途に応じた記録モードを確実に選択で
きるように、ホストコンピュータの表示画面上でユーザ
が記録モードを任意に設定できるようにしてもよい。
【0092】図12の動作を簡単に説明すると、ホスト
コンピュータ100は記録装置200に対して装着され
ているインクタンクの種類を問合せる(S300)。こ
れにより記録装置200では、装着されているインクタ
ンクのIDを読み取って装着されているインクタンクの
種類を判別し(S310)、そのIDをホストコンピュ
ータ100に返送する(S320)。ホストコンピュー
タ100はこのIDを受け取ると(S330)、そのイ
ンクタンクのインクの色(顕色性)に応じてドライバに
より画像データに対して色処理を行い(S340)、こ
うして作成された色信号をCMYK信号及びモード信号
を記録装置200に送信する(S350)。記録装置2
00では、この信号を受信して、コントローラによるイ
メージ展開などを行って(S370)記録する(S38
0)。
【0093】尚、またホストコンピュータ100と記録
装置200とが単方向で接続されているときは、ホスト
コンピュータ100で所定のインクタンクを使用した記
録モードなどが設定され、その設定されたモードに応じ
たプリント処理が記録装置に指示されることになる。そ
して、その記録モードの条件が記録装置における、その
時点での装着されている記録ヘッドの種類や記録モード
に適合していればそのままプリント処理を実行し、そう
でないときは記録装置はエラー信号などを返して応答す
る。これによりホストコンピュータのユーザは、その記
録装置に装着されている記録ヘッド等を確認して再度モ
ード設定などを行うことになる。
【0094】図13は本実施の形態における記録モード
設定処理にかかるフローチャートを示す。
【0095】記録装置200の電源投入時及びインクタ
ンク110が装着された時に、インクタンクの種類をイ
ンクタンクのIDに基づき確認する(S200)。S2
00における確認結果を示すID信号をホストに通知す
る(S210)。これらS200及びS210は記録装
置側の処理である。以下の処理はホストコンピュータ1
00で行われる。
【0096】記録装置200から受信したID信号に基
づき、記録装置200に現時点で装着されているインク
タンクの種類を記録装置200の種類等と一緒に記録装
置の状態として登録する(S220)。そして、印刷モ
ードがユーザによって指示される(S230)。これは
ユーザがホストコンピュータ100の表示画面上に表示
された、例えば図14に示すようなユーザインターフェ
ース(UI)に基づき、用途に応じた記録モードをマニ
ュアルで設定する(S240)。
【0097】本実施の形態では、記録モードはインクタ
ンクの種類に対応している。通常モードはID1、ピク
トリアルモード1はID2、ピクトリアルモードはID
3、白黒モードはID0に各々対応している。
【0098】本実施の形態では、各インクタンクは記録
モードに各々対応している。よって、設定された記録モ
ードに対応するインクタンクが装着されているか否か
を、S220で登録されているインクタンクの種類を確
認することにより判定する(S250)。
【0099】設定された記録モードに対応するインクタ
ンクが装着されている場合は、その記録モードに対応す
る記録媒体をセットすることをユーザに示す。本実施の
形態では、通常モードは普通紙、コート紙、ピクトリア
ル紙のいずれにも対応することができる。従って、通常
モードが設定されている場合は、例えば図15に示す様
にユーザに示す。
【0100】一方、設定された記録モードに対応するイ
ンクタンクが装着されていなかった場合は、該記録モー
ドに対応するインクタンクに切り替えることを示す(S
270)。例えば、現在のインクタンクが通常モード用
(ID=1)にもかかわらず、記録モードとしてピクト
リアルモード1が設定された場合は、図16に示すよう
に、ユーザにインクタンクを適切な種類(ID=2のイ
ンクタンク)に切り替えることを促す。インクタンクの
種類が記録モードに対応するものに切り替えられたかを
上述のS200,S210,S220,S250を繰り
返すことにより確認する(S280)。こうして設定さ
れた記録モードに対応するインクタンク及び記録媒体が
セットされていると、ホストコンピュータ100におい
て、ドライバによる色処理を開始する(S290)。そ
の後、前述の実施の形態と同様に処理を行う。
【0101】このように本実施の形態によれば、確実に
ユーザの用途に応じた記録モードで画像形成を行うこと
ができ、記録モードの設定ミス等で生じるミス記録を抑
制することができる。
【0102】なお、通常モード及び白黒モードが設定さ
れた場合は、記録媒体が制限されないので、S260の
処理をスルーする様にしても構わない。このようにする
ことで、警告表示の回数を減らすことができるので、よ
りユーザフレンドリーなUIを提供することができる。
【0103】尚、本実施の形態では、ホストコンピュー
タにおける処理と記録装置における処理とに分けて説明
したが、本発明はこれに限定されるものでなく、このよ
うな機能は1つの装置或はユニット内で実行されても良
い。
【0104】また記録データにおける無彩色成分を分離
し、無彩色成分の明度の高い部分をイエロー、マゼン
タ、シアンの混合によるプロセスブラックにより表現
し、無彩色成分の明度の低い部分をブラックにより表現
する。これにより、無彩色成分に対する記録はプロセス
ブラックとブラックインクにより階調を得ることがで
き、明度の高い部分の表現でプロセスブラックにより粒
状感の低い画像が得られる。即ち、プロセスブラックか
らブラックへの移行部分でブラックドットの粒状感が目
立たなくなれば良く、マゼンタ、シアンより濃い染料濃
度のインクを使用しても粒状感及び階調性を損なうこと
はない。
【0105】また本実施の形態の場合、文書や棒グラフ
などの階調数の少ない画像の場合、希釈インクによる階
調性の向上による効果が現れない。希釈インクは高濃度
の画像の記録に3つのインク滴を記録メディアに打ち込
むため、記録媒体によってはインクが溢れてしまう。そ
こで、記憶画像及び記録媒体に応じて、記録要素で使用
するインクをユーザに選択させる手段を設ける。
【0106】図17は、記録要素に使用するインクが異
なる記録ヘッドカートリッジ(インクタンクを含む)と
記録装置本体とを示す外観斜視図である。
【0107】図において、1は交換式のヘッドカートリ
ッジで、このカートリッジ1はインクを収容するインク
タンク部分と記録ヘッドとを備えている。2はキャリッ
ジユニットで、ヘッドカートリッジ1を装着して左右方
向に移動して記録を行う。3はヘッドカートリッジ1を
固定するためのホルダであり、カートリッジ固定レバー
4に連動して作動する。即ち、ヘッドカートリッジ1が
キャリッジユニット2内に装着されてから、カートリッ
ジ固定レバー4を作動することでヘッドカートリッジ1
をキャリッジユニット2に圧着するように構成されてい
る。これによりヘッドカートリッジ1の位置決めと、ヘ
ッドカートリッジ1とキャリッジユニット2との間の電
気的なコンタクトを得ようとするものである。5は電気
信号をキャリッジユニット2に伝えるためのフレキシブ
ルケーブルである。6はキャリッジモータで、その回転
によりキャリッジユニット2を主走査方向に往復動作さ
せる。7はキャリッジベルトで、キャリッジモータ6に
よって移動するように駆動され、キャリッジユニット2
を左右方向に移動させている。8はキャリッジユニット
2を摺動可能に支持するためのガイドシャフトである。
9はキャリッジユニット2のホームポジションを決める
ためのフォトカプラを備えるホームポジションセンサで
ある。10はホームポジションを検出させるための遮光
板で、キャリッジユニット2がホーム位置に到達する
と、そのキャリッジユニット2に設けられたフォトカプ
ラを遮光することにより、キャリッジユニット2がホー
ム位置に到達したことが検知される。12は、ヘッドカ
ートリッジ1の記録ヘッドの回復機構等を含むホームポ
ジションユニットである。13は記録媒体を排紙するた
めの排紙ローラで、拍車ユニット(不図示)とで記録媒
体を挟み込み、その記録媒体を記録装置外へ排出させる
ためのものである。14はLFユニットで、記録媒体を
決められた量だけ副走査方向へ搬送するユニットであ
る。
【0108】この記録カートリッジには、記録装置で認
識できるIDが付されている。IDが“1”の記録ヘッ
ドのインクの染料濃度は、イエローが2.5%,マゼン
タが3.0%、シアン2.7%、ブラックが2.6%で
構成されている。またIDが“2”の記録ヘッドのイン
クの染料濃度は、イエローが2.5%,マゼンタが1.
0%、シアン0.9%、ブラックが1.3%で構成され
ている。またIDが“3”の記録ヘッドのインクの染料
濃度は、イエローが2.5%,マゼンタが0.8%、シ
アン0.7%、ブラックが0.9%で構成されている。
【0109】本実施の形態では、ID=1のインクでは
1画素をイエローが2値、マゼンタが2値、シアン2
値、ブラック2値の階調で良好に表現できる。またID
=2のインクでは1画素をイエローが2値、マゼンタが
4値、シアン4値、ブラック2値の階調で良好に表現で
きる。更にID=3のインクでは1画素をイエローが2
値、マゼンタが5値、シアン5値、ブラック3値の階調
で良好に表現できる。
【0110】即ち、ID=1のインクでは1画素の記録
データをイエローを1ビット、マゼンタを1ビット、シ
アンを1ビット、ブラックを1ビットで扱う。ID=2
のインクでは1画素の記録データをイエローを1ビッ
ト、マゼンタを2ビット、シアンを2ビット、ブラック
を2ビットで扱う。更に、ID=3のインクでは1画素
の記録データをイエローでは1ビット、マゼンタを3ビ
ット、シアンを3ビット、ブラックを2ビットで扱う。
【0111】そして記録装置では、この記録ヘッドのI
Dに応じてプリントバッファの構成を異ならせ、ID=
1の記録ヘッドが装着されている場合には、全ての記録
データを1ビット構成に対応したプリントバッファの構
成とする。ID=2の記録ヘッドが装着されている場合
には、イエローデータのプリントバッファを1ビット構
成に対応させ、その他の色の記録データのプリントバッ
ファは2ビット構成のバッファとする。更に、ID=3
の記録ヘッドが装着されている場合には、イエローデー
タのプリントバッファを1ビット構成に対応させ、マゼ
ンタとシアンを共に3ビット構成に対応させ、ブラック
用のプリントバッファを2ビット構成にする。
【0112】上述したように、記録画像及び記録媒体に
応じて記録カートリッジをユーザが選択することによ
り、記録画像の階調数を変えることが可能となる。また
鼓の場合においても、記録データにおいて、明度の高い
イエローの階調を抑えることにより、プリントバッファ
の容量の増大を抑えることができる。
【0113】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネル
ギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーにより
インクの状態変化を生起させる方式のプリント装置につ
いて説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、
高精細化が達成できる。
【0114】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0115】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0116】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0117】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0118】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0119】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0120】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0121】以上説明した本実施の形態においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化する
ものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では
インク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0122】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0123】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
【0124】また、本発明は複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ
など)から構成されるシステムに適用しても、一つの機
器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置な
ど)に適用してもよい。
【0125】また、本発明の目的は、前述した実施の形
態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを
記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、
そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCP
UやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコード
を読出し実行することによっても達成される。
【0126】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0127】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0128】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0129】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0130】また本実施の形態における顕色性の概念と
しては、インクそのものの発色性の強さ、又は記録媒体
に描画された状態での発色の強さの度合を示すものであ
り、無彩色の場合は明るさの程度を表すものである。そ
ういう意味においては、同一の染料や顔料を用いている
場合は、インクの染料濃度であったりする。また記録媒
体に記録された状態で比較する場合においては、光学的
反射濃度であったり、略同一色相で最大彩度の比較であ
ったりする。所謂、高発色な物を優れた顕色性という位
置付けとする。
【0131】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、前記淡インク記録を行う状態かを識別する手段を有
し、その情報に基づいて被記録材へのインクの打ち込み
量を変更することにより、各色の必要なインクの量を被
記録材へ打ち込むことができ、必要な濃度の画像を形成
することができた。
【0132】また、被記録材の情報に基づいて、単位時
間に被記録材にインクを打ち込む最大の量や、単位時間
当たりに被記録材に打ち込むインクの量を変更すること
により、多くの種類の被記録材を用いて、インクの溢れ
とそれに伴う画像品位の低下を防ぎつつ、必要な濃度の
画像を、可能である限り高速に記録することが可能とな
った。
【0133】また、少なくとも環境温度情報に基づい
て、被記録材へインクを打ち込む最大の量、または、単
位時間当たりに被記録材にインクを打ち込む量を変更す
ることにより、様々な環境条件において、インク溢れを
防ぎつつ、必要な濃度の画像をその条件下での可能であ
る限り高速に記録することが可能となった。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録速度を極力低下させずに記録媒体におけるインクの溢
れを防止して高品位の画像を記録できるという効果があ
る。
【0135】また本発明によれば、記録に使用するイン
クの顕色性と記録媒体の種類の少なくともいずれかに応
じて、記録データ、記録周期、走査回数の少なくともい
ずれかを変更することにより、高品位の記録画像が得ら
れるという効果がある。
【0136】更に本発明によれば、濃度の低い淡インク
による記録を行う際には、記録に使用する記録媒体の種
類に応じて走査回数、駆動周波数の少なくともいずれか
を変更して記録することにより、記録速度を低下するこ
と無く、かつ記録媒体のインク溢れを防止して記録でき
るという効果がある。
【0137】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のインクジェット記録装置
の主要部を示す外観斜視図である。
【図2】本実施の形態のインクジェット記録装置の記録
ヘッドの機構図である。
【図3】本実施の形態における記録ヘッドのインクの種
類を判別するための回路構成を示す図である。
【図4】本実施の形態におけるマスクデータの一例を示
す図である。
【図5】本実施の形態におけるマスクデータの一例を示
す図である。
【図6】本発明の実施の形態のインクジェット記録装置
の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1のインクジェット記録装
置による記録制御を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】図7のステップS5の記録処理を示すフローチ
ャートである。
【図9】本発明の実施の形態2のインクジェット記録装
置による記録制御を説明するためのフローチャートであ
る。
【図10】本発明の実施の形態3のインクジェット記録
装置による記録制御を説明するためのフローチャートで
ある。
【図11】本実施の形態のインクジェット記録装置にお
ける記録ヘッドとインクタンクのコンタクト部を説明す
る図である。
【図12】実施の形態におけるホストコンピュータと記
録装置のとの間のデータのやり取りを示す図である。
【図13】本実施の形態における記録モード設定処理に
かかるフローチャートである。
【図14】
【図15】
【図16】実施の形態における記録モードをマニュアル
で設定する時の画面表示例を示す図である。
【図17】実施の形態におけるインクが異なる記録ヘッ
ドカートリッジと記録装置本体とを示す図である。
【符号の説明】
101 キャリッジ 102 記録ヘッド 103 カートリッジ 106 記録用紙 110 カラーヘッドカートリッジ 111 ブラックヘッドカートリッジ 200 制御部 207 用紙センサ 213 マスクデータメモリ 214 周波数メモリ
フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 神田 英彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−332652(JP,A) 特開 平6−328733(JP,A) 特開 平7−60969(JP,A) 特開 平8−58082(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21 B41J 2/12 B41J 2/175 B41J 2/205

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の濃度を有する第1のインクを吐出
    するための第1の記録ヘッドと、前記第1のインクより
    低い第2の濃度を有する第2のインクを吐出するための
    第2の記録ヘッドとを交換可能に載置するための載置部
    を備え、いずれか一方の前記記録ヘッドを搭載した搭載
    部を記録媒体に対して相対的に走査させながら前記搭載
    部に搭載された記録ヘッドからインクを吐出すること
    で、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録シ
    ステムであって、 前記載置部に載置された記録ヘッドの種類が前記第1の
    記録ヘッドであるか前記第2の記録ヘッドであるかに関
    する情報を取得するための情報取得手段と、 前記記録媒体上における単位面積の記録領域に対して前
    記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査させ、各
    走査で間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成
    することで前記単位面積の記録領域に対応した画像を完
    成させる記録動作を実行するにあたり、前記情報取得手
    段により取得された記録ヘッドの種類に関する情報に応
    じて前記単位面積当たりのインク付与量の上限を変更し
    て前記記録動作を実行する記録制御手段とを備え、 前記記録制御手段は、前記載置部に載置された記録ヘッ
    ドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第1
    の記録ヘッドである場合に比して、同じ走査回数であっ
    ても前記単位面積当たりのインク付与量の上限が多くな
    るよう、前記第1の記録ヘッドが搭載される場合と前記
    第2のヘッドが搭載される場合とで前記使用するマスク
    パターンの間引き率を異ならせることを特徴とするイン
    クジェット記録システム。
  2. 【請求項2】 記録に使用される前記記録媒体の種類に
    関する記録媒体情報を取得するための第2の情報取得手
    段を更に備え、 前記記録制御手段は、前記載置部に載置された記録ヘッ
    ドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第2
    の情報取得手段により取得された前記記録媒体情報に対
    応したマスクパターンを使用することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録システム。
  3. 【請求項3】 前記記録制御手段は、インクの吸収量が
    比較的多い記録媒体を使用する場合、前記記録媒体上で
    インクが溢れない範囲内での最大量が前記単位面積当り
    のインク付与量の上限となるようなマスクパターンを使
    用し、且つ、前記インクの吸収量が比較的少ない記録媒
    体を使用する場合、前記最大量より少ない量が前記単位
    面積当りのインク付与量の上限となるようなマスクパタ
    ーンを使用することを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット記録システム。
  4. 【請求項4】 前記記録制御手段は、インクの吸収速度
    が比較的速い記録媒体を使用する場合、前記記録媒体上
    でインクが溢れない範囲内での最大量が前記単位面積当
    りのインク付与量の上限となるようなマスクパターンを
    使用し、且つ、前記インクの吸収速度が比較的遅い記録
    媒体を使用する場合、前記最大量より少ない量が前記単
    位面積当りのインク付与量の上限となるようなマスクパ
    ターンを使用することを特徴とする請求項2に記載のイ
    ンクジェット記録システム。
  5. 【請求項5】 前記記録制御手段は、前記載置部に載置
    された記録ヘッドの種類が前記第2の記録ヘッドである
    場合、前記記録媒体上でインクが溢れない範囲内での最
    大量が前記単位面積当りのインク付与量の上限となるよ
    うなマスクパターンを使用し、且つ、前記載置部に載置
    された記録ヘッドの種類が前記第1の記録ヘッドである
    場合、前記最大量より少ない量が前記単位面積当りのイ
    ンク付与量の上限となるようなマスクパターンを使用す
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録システム。
  6. 【請求項6】 記録に使用される前記記録媒体の種類に
    関する記録媒体情報を取得するための第2の情報取得手
    段を更に備え、 前記記録制御手段は、前記載置部に載置された記録ヘッ
    ドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第2
    の情報取得手段により取得された前記記録媒体情報に応
    じて前記走査の回数を変更することを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録システム。
  7. 【請求項7】 前記記録制御手段は、インクの吸収速度
    が比較的遅い記録媒体を使用する場合、前記インクの吸
    収速度が比較的速い記録媒体を使用する場合に比べ、前
    記走査の回数を多くすることを特徴とする請求項6に記
    載のインクジェット記録システム。
  8. 【請求項8】 インクを用いて記録媒体上に画像を記録
    するインクジェット記録システムであって、 第1の濃度を有する第1のインクを吐出するための第1
    の記録ヘッドと、前記第1のインクより低い第2の濃度
    を有する第2のインクを吐出するための第2の記録ヘッ
    ドとを交換可能に載置可能な載置部と、 前記載置部に載置された記録ヘッドの種類が前記第1の
    記録ヘッドであるか前記第2の記録ヘッドであるかを判
    別する判別手段と、 前記記録媒体上における単位面積の記録領域に対して前
    記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査させ、各
    走査で間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成
    することで前記単位面積の記録領域に対応した画像を完
    成させる記録制御手段とを備え、 前記記録制御手段は、前記載置部に載置された記録ヘッ
    ドの種類が前記第1の記録ヘッドである場合と前記第2
    のヘッドである場合とで使用するマスクパターンの間引
    き率を異ならせることにより、前記第2の記録ヘッドが
    搭載される場合、前記第1の記録ヘッドが搭載される場
    合に比して、同じ走査回数であっても前記単位面積当た
    りのインク付与量の上限を多くすることを特徴とするイ
    ンクジェット記録システム。
  9. 【請求項9】 第1の濃度を有する第1のインクを吐出
    するための第1の記録ヘッドと、前記第1のインクより
    低い第2の濃度を有する第2のインクを吐出するための
    第2の記録ヘッドとを交換可能に載置するための載置部
    を記録媒体に対して相対的に走査させながら、前記搭載
    部に搭載された記録ヘッドからインクを吐出すること
    で、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録方
    法であって、 前記載置部に載置された記録ヘッドの種類が前記第1の
    記録ヘッドであるか前記第2の記録ヘッドであるかに関
    する情報を取得するための情報取得工程と、 前記記録媒体上における単位面積の記録領域に対して前
    記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査させ、各
    走査で間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成
    することで前記単位面積の記録領域に対応した画像を完
    成させる記録動作を実行するにあたり、前記情報取得工
    程において取得された記録ヘッドの種類に関する情報に
    応じて前記単位面積当たりのインク付与量の上限を変更
    して前記記録動作を実行する記録制御工程とを有し、 前記記録制御工程では、前記載置部に載置された記録ヘ
    ッドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第
    1の記録ヘッドである場合に比して、同じ走査回数であ
    っても前記単位面積当たりのインク付与量の上限が多く
    なるよう、前記第1の記録ヘッドが搭載される場合と前
    記第2のヘッドが搭載される場合とで前記使用するマス
    クパターンの間引き率を異ならせることを特徴とするイ
    ンクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 記録に使用される前記記録媒体の種類
    に関する記録媒体情報を取得するための第2の情報取得
    工程を更に有し、 前記記録制御工程では、前記載置部に載置された記録ヘ
    ッドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第
    2の情報取得工程において取得した前記記録媒体情報に
    対応したマスクパターンを使用することを特徴とする請
    求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 前記記録制御工程では、インクの吸収
    量が比較的多い記録媒体を使用する場合、前記記録媒体
    上でインクが溢れない範囲内での最大量が前記単位面積
    当りのインク付与量の上限となるようなマスクパターン
    を使用し、且つ、前記インクの吸収量が比較的少ない記
    録媒体を使用する場合、前記最大量より少ない量が前記
    単位面積当りのインク付与量の上限となるようなマスク
    パターンを使用することを特徴とする請求項10に記載
    のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記記録制御工程では、インクの吸収
    速度が比較的速い記録媒体を使用する場合、前記記録媒
    体上でインクが溢れない範囲内での最大量が前記単位面
    積当りのインク付与量の上限となるようなマスクパター
    ンを使用し、且つ、前記インクの吸収速度が比較的遅い
    記録媒体を使用する場合、前記最大量より少ない量が前
    記単位面積当りのインク付与量の上限となるようなマス
    クパターンを使用することを特徴とする請求項10に記
    載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 前記記録制御工程では、前記載置部に
    載置された記録ヘッドの種類が前記第2の記録ヘッドで
    ある場合、前記記録媒体上でインクが溢れない範囲内で
    の最大量が前記単位面積当りのインク付与量の上限とな
    るようなマスクパターンを使用し、且つ、前記載置部に
    載置された記録ヘッドの種類が前記第1の記録ヘッドで
    ある場合、前記最大量より少ない量が前記単位面積当り
    のインク付与量の上限となるようなマスクパターンを使
    用することを特徴とする請求項10に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  14. 【請求項14】 記録に使用される前記記録媒体の種類
    に関する記録媒体情報を取得するための第2の情報取得
    工程を更に有し、 前記記録制御工程では、前記載置部に載置された記録ヘ
    ッドの種類が前記第2の記録ヘッドである場合、前記第
    2の情報取得手段により取得された前記記録媒体情報に
    応じて前記走査の回数を変更することを特徴とする請求
    項9に記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 前記記録制御工程では、インクの吸収
    速度が比較的遅い記録媒体を使用する場合、前記インク
    の吸収速度が比較的速い記録媒体を使用する場合に比
    べ、前記走査の回数を多くすることを特徴とする請求項
    14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 インクを用いて記録媒体上に画像を記
    録するインクジェット記録方法であって、 第1の濃度を有する第1のインクを吐出するための第1
    の記録ヘッドと、前記第1のインクより低い第2の濃度
    を有する第2のインクを吐出するための第2の記録ヘッ
    ドとを交換可能に載置する載置部に載置された記録ヘッ
    ドの種類が前記第1の記録ヘッドであるか前記第2の記
    録ヘッドであるかを判別する判別工程と、 前記記録媒体上における単位面積の記録領域に対して前
    記搭載部に搭載された記録ヘッドを複数回走査させ、各
    走査で間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成
    することで前記単位面積の記録領域に対応した画像を完
    成させる記録制御工程とを有し、 前記記録制御工程では、前記載置部に載置された記録ヘ
    ッドの種類が前記第1の記録ヘッドである場合と前記第
    2のヘッドである場合とで使用するマスクパターンの間
    引き率を異ならせることにより、前記第2の記録ヘッド
    が搭載される場合、前記第1の記録ヘッドが搭載される
    場合に比して、同じ走査回数であっても前記単位面積当
    たりのインク付与量の上限を多くすることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
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