JPH08104000A - インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置

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JPH08104000A
JPH08104000A JP7023805A JP2380595A JPH08104000A JP H08104000 A JPH08104000 A JP H08104000A JP 7023805 A JP7023805 A JP 7023805A JP 2380595 A JP2380595 A JP 2380595A JP H08104000 A JPH08104000 A JP H08104000A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント物の耐水性、耐光性、定着特性が向
上し、プリント濃度が高く、フェザリングが少なくカラ
ープリントの色間のブリードが生じない、高信頼性が高
く高品位な画像を得ることのできるインクジェットプリ
ント方法および装置を提供することを目的とする。 【構成】 プリント性向上液と、画像情報に応じて有色
のインクであるY,M,C,Bkインクを被プリント材
上で混合または反応させてプリントする場合に、プリン
ト性向上液は、周囲の温度や湿度の環境、および/また
は、被プリント材の種類に応じて最適化された量や種類
を選択されて使用される。この液体は低分子のカチオン
性物質と高分子のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むか、または少なくともアニオン性
化合物と顔料とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク滴を被プリント
材に向けて吐出させ、文字や画像を形成するインクジェ
ット方法および装置に関するものである。
【0002】被プリント材上に、染料を含む有色のイン
クを吐出させ、前記有色のインク中の染料を不溶化させ
る化合物を含む無色または淡色の液体(プリント性向上
液)と、前記有色のインクとの混合および/または反応
により、耐水性や耐光性等の向上した信頼性の高いプリ
ント物、また、フェザリングや色間のブリードが少なく
プリント濃度の高い高画質の画像を得るインクジェット
プリント方法に関するものである。
【0003】さらには、カラー画像を鮮明かつ高濃度に
プリントできるカラーインクジェットプリント方法に関
するものであり、詳しくは、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),あるいはグリーン(G),レッ
ド(R),ブルー(B)等の色インクと、黒(Bk)イ
ンクと、を用いたプリント方法に関するものである。
【0004】本発明は、紙、布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等の被プリント材を用いる機器すべ
てに適用でき、具体的な適用機器としては、プリンタ,
複写機,ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等
を挙げることができる。
【0005】
【従来の技術】インクジェット方式によるプリント方法
は、低騒音,低ランニングコスト,装置の小型化の容易
性,カラー化の容易性等の点で有利であることから、プ
リンタ,複写機,ファクシミリ等に広く利用されてい
る。
【0006】しかしながら、従来のインクジェットプリ
ント方法を利用したプリント装置においては、被プリン
ト材としての所謂普通紙上に画像を得る場合、得られた
画像の耐水性が不十分であったり、さらに、カラー画像
を得る場合には、フェザリングを生じない高濃度の画像
と色間のにじみを生じない画像とを共に両立させること
ができず、良好な画像堅牢性をもち、かつ、良好な品位
のカラー画像を得ることは困難であった。
【0007】画像の耐水性を向上させる方法としてイン
ク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクが近年、
実用化されつつある。しかしながら、その耐水性はまだ
不十分であり、原理的に水に溶解しにくいインクである
ために、乾燥するとインクジェット吐出部のノズル詰ま
りが生じやすく、これを防止するために装置構成が複雑
になってしまう欠点があった。
【0008】特開昭56−84992号は、被プリント
材に予め染料を定着させるための材料を塗工しておく方
法を開示する。しかしながら、該方法では、特定の被プ
リント材を使用する必要があり、また、予め染料を定着
するための材料を塗工するためには装置の大型化,コス
トアップが避けられず、さらには被プリント材上に安定
して前記材料を所定の膜厚で塗工することは困難であ
る、といった欠点がある。
【0009】特開昭64−63185号は、染料を不溶
化する無色のインクをインクジェット吐出部によって被
プリント材上に付着させる技術を開示する。該方法によ
れば、前記無色のインクのドット径を画像プリント用の
ドット径よりも大きくしているので、画像用インクと無
色インクとの着弾位置がずれた場合にでも所望の特性を
満足できるとしている。しかしながら、該方法では、画
像位置に対応した領域には全て無色のインクを打ち込む
ことになるために、無色インクの消費量が大きく、ラン
ニングコストの増加を招くという欠点がある。また、被
プリント材に対して通常よりも多くのインクが打ち込ま
れるため、インクの乾燥時間が長くなったり、インクの
付着,乾燥工程で発生する被プリント材の凹凸(コック
リング)が生じるため、特にカラー画像を得る場合に
は、着弾位置ズレによる色ムラが発生し、著しく画像品
位を損ねるといった欠点があった。
【0010】また、周囲の温度や湿度等の環境によって
は、被プリント材への液体の染み込み方の違いにより、
染料を不溶化する無色のインクと画像用のインクとの混
合あるいは反応が理想的には起こらず、染料の不溶化が
なされないことが発生した。
【0011】さらに、被プリント材の種類によっては、
被プリント材への液体の染み込み方の違いにより、染料
を不溶化する無色のインクと画像用のインクとの混合あ
るいは反応が理想的には起こらず、染料の不溶化がなさ
れないことが発生した。
【0012】染料の不溶化がなされないために、インク
が被プリント材上で鳥の羽のような微少なにじみである
フェザリングや、色間でのまざりであるブリード現象が
発生し、プリント画像を劣化させてしまう欠点となって
いた。
【0013】また、従来よりプリント物の堅牢性を向上
させる技術が多数開示されている。特開昭53−244
86号は染色物の湿潤堅牢度を増進させるために、染色
物を後処理することで染料をレーキ化し固着させる技術
を開示する。
【0014】特開昭54−43733号は、インクジェ
ットプリント方式を用いて、相互に接触すると常温また
は加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用いて
プリントする方法を開示しており、被プリント材上で各
成分を接触させることにより強固に密着した被膜を形成
した印刷物を得ている。
【0015】特開昭55−150396号も水性染料イ
ンクをインクジェットプリント後に、染料とレーキを形
成する耐水化剤を付与する方法を開示する。
【0016】特開昭58−128862号はプリントす
べき画像位置を予め識別し、プリントインクと処理イン
クとを重ねてプリントするインクジェットプリント方法
を開示しており、プリントインクに先立って処理インク
で描いたり、先に描かれたプリントインク上に処理イン
クを重ねたり、先に描かれた処理インク上にプリントイ
ンクを重ね、さらに処理インクを重ねて描いたりする方
法を開示する。
【0017】しかしながら、これら先行技術を開示する
刊行物には、プリント方法の実使用状況での問題につい
ては開示されていない。
【0018】また、複数色のインクを使用した場合に、
特定の色のインクのみに処理液を作用させる方法につい
ては開示されていない。
【0019】また、本来プリントに関係の無い領域での
処理液の使用量を最少限に抑える方法の開示がされてい
ない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の欠点を改良し、全ての使用環境下におい
て、プリント物の耐水性や耐光性や定着特性を向上し
た、すなわち「信頼性が高い」、また、プリント濃度が
高くフェザリングが少なくカラープリントの色間のブリ
ードが生じない、すなわち「高品位な画像」を得ること
ができるインクジェットプリント方法を提供することに
ある。
【0021】また、本発明の目的は、OHP用のトラン
スパレンシーシートやその他被プリント材の種類に応じ
て、最適な処理を施し、被プリント材において最高の耐
水性、高いプリント品位の画像を得るプリント方法を提
供することにある。
【0022】さらに、本発明の目的は、処理液の吐出量
を最少限にして、ランニングコストを下げ、得られたプ
リント物上の凹凸を最小限にした高品位の画像を得るプ
リント方法を提供することにある。
【0023】また、本発明の他の目的は、上記プリント
方法を実施し得るプリント装置を提供することにある。
【0024】さらに、本発明のさらに他の目的は、上記
プリント方法を実施することにより得られたプリント物
を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、インクを被プリント材上に
吐出するインクジェット吐出部および該インクジェット
吐出部によるプリントにおけるプリント性を向上させる
ために前記被プリント材に付与されるプリント性向上液
を吐出するプリント性向上液吐出部を用いるインクジェ
ットプリント方法であって、前記インクと前記プリント
性向上液とを前記被プリント材上で混合あるいは反応さ
せるに際し、周囲環境に応じて前記プリント性向上液吐
出部からのプリント性向上液の吐出量を調整することを
特徴とする。
【0026】請求項2記載の発明は、インクを被プリン
ト材上に吐出するインクジェット吐出部および該インク
ジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を向
上させるために前記被プリント材に付与されるプリント
性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いるイ
ンクジェットプリント方法であって、前記インクと前記
プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合あるい
は反応させるに際し、周囲環境に応じて前記プリント性
向上液吐出部からのプリント性向上液の種類を変更する
ことを特徴とする。
【0027】請求項3記載の発明は、インクを被プリン
ト材上に吐出するインクジェット吐出部および該インク
ジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を向
上させるために前記被プリント材に付与されるプリント
性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いるイ
ンクジェットプリント方法であって、前記インクと前記
プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合あるい
は反応させるに際し、周囲環境に応じて、前記プリント
性向上液の種類を変更し、かつ、前記プリント性向上液
の吐出量を調整することを特徴とする。
【0028】ここで、請求項4記載の発明は、請求項1
または3に記載のインクジェットプリント方法におい
て、前記周囲環境は温度であり、温度が高いほど前記プ
リント性向上液吐出部からのプリント性向上液の吐出量
を少なくするように調整してもよい。
【0029】請求項5記載の発明は、請求項2または3
に記載のインクジェットプリント方法において、前記周
囲環境は湿度であり、湿度が低いほど前記プリント性向
上液吐出部からのプリント性向上液の吐出量を少なくす
るように調整してもよい。
【0030】請求項6記載の発明は、請求項1または3
に記載のインクジェットプリント方法において、前記周
囲環境は温度であり、温度が高いほど前記被プリント材
に対する浸透性が高いインクを用いてもよい。
【0031】請求項7記載の発明は、請求項2または3
に記載のインクジェットプリント方法において、前記周
囲環境は湿度であり、湿度が低いほど前記被プリント材
に対する浸透性が高いインクを用いてもよい。
【0032】請求項8記載の発明は、請求項6または7
に記載のインクジェットプリント方法において、前記浸
透性の高いインクは界面活性剤の含有率が高いインクで
あってもよい。
【0033】請求項9記載の発明は、請求項2、3、
5、7または8のいずれかの項に記載のインクジェット
プリント方法において、前記プリント性向上液は複数の
種類を備え、前記周囲環境に応じて前記複数の種類のプ
リント性向上液から選択したプリント性向上液を用いて
もよい。
【0034】請求項10記載の発明は、インクを被プリ
ント材上に吐出するインクジェット吐出部および該イン
クジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を
向上させるために前記被プリント材に付与されるプリン
ト性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いる
インクジェットプリント方法であって、前記インクと前
記プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合ある
いは反応させるに際し、前記被プリント材の種類に応じ
て前記プリント性向上液吐出部からのプリント性向上液
の吐出量を調整することを特徴とする。
【0035】請求項11記載の発明は、インクを被プリ
ント材上に吐出するインクジェット吐出部および該イン
クジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を
向上させるために前記被プリント材に付与されるプリン
ト性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いる
インクジェットプリント方法であって、前記インクと前
記プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合ある
いは反応させるに際し、前記被プリント材の種類に応じ
て前記プリント性向上液の種類を変更することを特徴と
する。
【0036】請求項12記載の発明は、インクを被プリ
ント材上に吐出するインクジェット吐出部および該イン
クジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を
向上させるために前記被プリント材に付与されるプリン
ト性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いる
インクジェットプリント方法であって、前記インクと前
記プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合ある
いは反応させるに際し、前記被プリント材の種類に応じ
て前記プリント性向上液の種類を変更し、かつ、前記プ
リント性向上液の吐出量を調整することを特徴とする。
【0037】ここで、請求項13記載の発明は、請求項
10または12に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記被プリント材の浸透性が低いほど、被プリ
ント材の単位面積当たりの前記プリント性向上液の吐出
量を多くしてもよい。
【0038】請求項14記載の発明は、請求項10〜1
3のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法
において、前記被プリント材の浸透性が低いほど、浸透
性の高いプリント性向上液を用いてもよい。
【0039】請求項15記載の発明は、請求項10〜1
4のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法
において、前記プリント性向上液は複数の種類を備え、
前記被プリント材の種類に応じて前記複数の種類のプリ
ント性向上液から選択したプリント性向上液を用いても
よい。
【0040】請求項16記載の発明は、複数の色のイン
クを被プリント材上に吐出するインクジェット吐出部お
よび該インクジェット吐出部によるプリントにおけるプ
リント性を向上させるために前記被プリント材に付与さ
れるプリント性向上液を吐出するプリント性向上液吐出
部を用いるインクジェットプリント方法であって、前記
インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント材上
で混合あるいは反応させるに際し、前記複数色のインク
のうち特定色のインク吐出に対応して、該特定色のイン
ク吐出に係る前記被プリント材上の特定領域に前記プリ
ント性向上液を吐出することを特徴とする。
【0041】請求項17記載の発明は、請求項16記載
のインクジェットプリント方法において、前記特定色の
インクはBkインクであってもよい。
【0042】請求項18記載の発明は、インクを被プリ
ント材上に吐出するインクジェット吐出部および該イン
クジェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を
向上させるために前記被プリント材に付与されるプリン
ト性向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用いる
インクジェットプリント方法であって、前記インクと前
記プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合ある
いは反応させるに際し、前記インク吐出に係る複数のデ
ータのうち特定データのみを選択し、該特定データのイ
ンク吐出に係る前記被プリント材上の特定領域へのイン
ク吐出に先行して該特定領域に前記プリント性向上液を
吐出することを特徴とする。
【0043】ここで、請求項19記載の発明は、請求項
18記載のインクジェットプリント方法において、前記
特定データは文字データであってもよい。
【0044】請求項20記載の発明は、複数の色のイン
クを被プリント材上に吐出するインクジェット吐出部お
よび該インクジェット吐出部によるプリントにおけるプ
リント性を向上させるために前記被プリント材に付与さ
れるプリント性向上液を吐出するプリント性向上液吐出
部を用いるインクジェットプリント方法であって、前記
インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント材上
で混合あるいは反応させるに際し、前記複数色のインク
のうち特定色のインクおよび前記インク吐出に係る複数
のデータのうち特定データを選択し、前記特定色および
前記特定データのインク吐出に係る前記被プリント材上
の特定領域へのインク吐出に先行して該特定領域に前記
プリント性向上液を吐出することを特徴とする。
【0045】ここで、請求項21記載の発明は、請求項
20記載のインクジェットプリント方法において、前記
特定色のインクはBkインクであり、かつ、前記特定デ
ータは文字データであってもよい。
【0046】請求項22記載の発明は、請求項16また
は20に記載のインクジェットプリント方法において、
前記特定色のインクは、Yインク、MインクおよびCイ
ンクからなる群より選択された少なくとも1色のインク
であり、前記複数色のインクのうち前記特定色以外のイ
ンクは耐水性を有するBkインクであってもよい。
【0047】請求項23記載の発明は、請求項16、1
7、20〜22のいずれかの項に記載のインクジェット
プリント方法において、前記特定色のインクの選択は可
変可能であってもよい。
【0048】請求項24記載の発明は、請求項18〜2
1のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法
において、前記特定データの選択は可変可能であっても
よい。
【0049】請求項25記載の発明は、請求項1〜24
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記インクおよび前記プリント性向上液を吐出
する手段として電気機械変換素子を用いてもよい。
【0050】請求項26記載の発明は、請求項1〜24
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記インクおよび前記プリント性向上液を吐出
する手段として電気熱変換素子を用いてもよい。
【0051】請求項27記載の発明は、請求項1〜24
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記インクおよび前記プリント性向上液を吐出
する手段として電気熱変換素子と電気機械変換素子とを
組み合わせて用いてもよい。
【0052】請求項28記載の発明は、請求項1〜27
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記プリント性向上液は低分子のカチオン性物
質と高分子のカチオン性物質を含み、前記インクはアニ
オン性染料を含むものでもよい。
【0053】請求項29記載の発明は、請求項1〜27
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法に
おいて、前記プリント性向上液は低分子のカチオン性物
質と高分子のカチオン性物質を含み、前記インクは少な
くともアニオン性化合物と顔料とを含むものでもよい。
【0054】請求項30記載の発明は、請求項1〜29
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法を
実施するためのインクジェットプリント装置であって、
熱エネルギーを利用してインクを被プリント材上に吐出
するインクジェット吐出部および熱エネルギーを利用し
てプリント性向上液を被プリント材上に吐出するプリン
ト性向上液吐出部を含み、該ヘッドはインクに与える熱
エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備え
ることを特徴とする。
【0055】ここで、請求項31記載の発明は、請求項
30記載のインクジェットプリント装置において、前記
ヘッドは前記被プリント材上を往復移動可能であっても
よい。
【0056】請求項32記載の発明は、請求項31記載
のインクジェットプリント装置において、前記インクジ
ェット吐出部および前記プリント性向上液吐出部は、往
復移動方向に配列されていてもよい。
【0057】請求項33記載の発明は、請求項32記載
のインクジェットプリント装置において、前記ヘッド
は、往復移動方向にほぼ直交する方向に配列されたイン
ク吐出口の列を有するものであってもよい。
【0058】請求項34記載の発明は、インクジェット
プリント装置であって、複数の色のインクを被プリント
材上に吐出するインクジェット吐出部と、該インクジェ
ット吐出部によるプリントにおけるプリント性を向上さ
せるために前記被プリント材に付与されるプリント性向
上液を吐出するプリント性向上液吐出部と、前記インク
と前記プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合
あるいは反応させるに際し、前記複数色のインクのうち
特定色のインク吐出に対応して、該特定色のインク吐出
に係る前記被プリント材上の特定領域に前記プリント性
向上液の吐出を制御する制御手段を有することを特徴と
する。
【0059】請求項35記載の発明は、請求項1〜29
のいずれかの項に記載のインクジェットプリント方法を
実施することにより得られたプリント物である。
【0060】請求項36記載の発明は、請求項30〜3
4のいずれかの項に記載のインクジェットプリント装置
を用いて得られたプリント物である。
【0061】すなわち、本発明は、従来の欠点を改善
し、前記の目的を達成させるため、プリント性向上液を
用い、これと、画像情報に応じて有色のインクである
Y,M,C,Bkインクを被プリント材上で混合または
反応させてプリントするインクジェットプリント方法に
関するものである。プリント性向上液は、周囲の温度や
湿度の環境、および/または、被プリント材の種類に応
じて最適化された量や種類を使用する。これにより、周
囲の環境、および/またはプリント媒体の種類によら
ず、常に「信頼性が高い」,「高品位な画像」を得るこ
とが可能となった。
【0062】本発明におけるプリント性向上液の吐出量
の調整とは、プリント性向上液を吐出するか否かを含
み、さらに被プリント材の単位面積当たりにどの程度吐
出するかの制御をも含む。
【0063】
【作用】本発明においては、プリント性向上液とインク
とを被プリント材上で混合するに際し、その周囲温度が
高いほど、または湿度が低いほど、プリント性向上液の
使用量を少なくする。
【0064】ここで、温度が高いほど、また、湿度が低
いほど、プリント性向上液の吐出量を減らす制御が有効
な理由は、 (1)温度が高いほど、プリント性向上液と色インクが
被プリント材表面から内部に浸透する時間内での混合ま
たは反応時間が短く、効率よく混合または反応がなされ
るため、プリント性向上液の色インクに対する混合また
は反応に必要な量が少なくてよいためである。
【0065】(2)湿度が低いほど、被プリント材内に
インクは浸透しにくい。このため、プリント性向上液と
色インクが被プリント材表面から内部に浸透するまでの
時間は長く、プリント性向上液の色インクに対する混合
または反応が十分なされるためである。
【0066】必要以上の量のプリント性向上液は、逆に
色インクのフェザリングを誘発する。また、プリント性
向上液は使用によりインクタンクから補給するものであ
るので、最少限の量に制御することにより使用上でのラ
ンニングコストも下げられる。
【0067】温度と湿度によるプリント性向上液のTw
の制御は、独立でもよく、湿度のみの検出でも効果が得
られる。最もよい効果は、温度と湿度の両者による制御
である。
【0068】ここで、プリント性向上液の吐出量の制御
としてTwを制御する場合を示したが、これに限定され
るものではなく、例えば、プリント性向上液用のヘッド
ユニットの温度制御によってプリント性向上液を多くす
る場合ほど温度を高くしてもよい。その他、手段は選ば
ない。
【0069】また、ユーザーの使用目的に応じて、ある
いは、使用するインクの特性に応じて、プリント性向上
液を選択的に使用することにより、耐水性や耐光性等の
向上した「高信頼性」のプリント物、又、フェザリング
や色間ブリードが少なく、発色性が良く、さらには、プ
リント濃度が高い「高品位」のプリント画像を得られ
る。
【0070】
【実施例】本発明におけるプリント性向上液(以下、P
液ともいう)とは、インクジェットプリントにおけるプ
リント性を向上させるために被プリント材に付与する液
体をいう。また、プリント性の向上とは、濃度、彩度、
エッジ部分のシャープネス度合、ドット径等の画質を向
上させること、インクの定着性を向上させること、耐水
性、耐光性等の耐候性すなわち画像保存性を向上させる
ことを含む。
【0071】以下の文中で、周囲環境とは、被プリント
材の種類を含む場合もある。また、本発明においては、
吐出部とは同一ヘッドの一部でも、また異なるヘッドで
もよい。
【0072】以下、図面を参照して本発明の好適な実施
例を詳細に説明する。
【0073】(実施例1)図1は、本発明のプリント方
法を実施するためのプリント装置の概略構成を示す斜視
図である。
【0074】プリント装置100の吐出部102は、Y
とMとCとBkの4色の各インクおよびP液の吐出が可
能なプリント手段であり、送りローラ109の軸線方向
(以下、主走査方向という)に沿って往復移動可能とさ
れている。被プリント材106は、プリント装置100
の前端部に設けられた挿入口111から矢印方向に挿入
され、その後、その搬送方向が反転され、送りローラ1
09によって平面状のプラテン108上で吐出部102
直下のプリント領域に搬送される。キャリッジ101
は、上記送りローラ109と平行に配された一対のガイ
ド軸104および105によって定められた方向に移動
可能な構成となっており、上記吐出部102を搭載して
プリント領域を往復走査する。吐出部102により、往
復走査時に、例えば図1のようにABCの文字やその他
の画像データが被プリント材106上の所定領域にプリ
ントされる。スイッチ群と表示パネル群107は、各種
プリントモードの設定やプリント装置の状態を表示す
る。環境センサ103は、公知の手段によりプリント装
置内の温度と湿度を測定する。
【0075】図2は吐出部102の構成を示すもので、
(a)はキャリッジ101上に搭載された吐出部102
の複数のヘッドユニットを示す斜視図であり、(b)は
被プリント材方向から視た吐出部102の吐出口の配列
構成を示す正面図であり、(c)は(b)に示した吐出
口の内部構造を示す拡大断面図である。吐出部102
は、図2の(a)および(b)に示すように、Yイン
ク、Mインク、CインクおよびBkインクの各単色イン
クを吐出するための4個のヘッドユニットと、P液を吐
出させるためのヘッドユニットとを含む。本実施例の各
ヘッドユニットは、後述する吐出口部分を有するヘッド
と、インクを貯留しておくタンクとから概略構成されて
いる。図2の(a)に示すように、各ヘッドユニットの
タンク11〜15は透明性材料から形成されているの
で、内部のインクまたはP液の残量レベルを外部から容
易に観察することができる。また、本実施例の各インク
タンクは各ヘッドに対してそれぞれ独立して交換が可能
な構成となっているが、P液のタンクとBkインクのタ
ンクとが一体構造であってもよく、また他のY,M,C
のタンクが一体構造であってもよく、さらに全タンクが
一体構造であってもよい。
【0076】さらに、図2の(b)に示すように、各ヘ
ッドユニットの吐出口は、本実施例では128個であ
り、その配列方向は主走査方向とほぼ直交する方向に設
定され、同一配列内の吐出口のピッチは約70μm に設
定されている。隣接するヘッドユニットの吐出口間の配
置距離は1/2インチに設定されている。この吐出部1
02によれば、1回の主走査スキャンで360dpiの
解像度でプリントすることができる。
【0077】図2の(c)に示すように、吐出口23
は、インク液路を介して該インク液路にインクを供給す
るための共通液室32に連通している。インク液路の内
部には、共通液室32から供給されたインクを吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素
子である発熱体30と、これに電力を供給するための電
極配線(図示略)が設けられている。これら、発熱体3
0や電極配線は、シリコン等からなる基板33上に成膜
技術によって形成される。発熱体30の上にはインクと
発熱体が直接接触しないように保護膜36が形成されて
いる。基板33上には樹脂やガラス材よりなる隔壁34
を積層することによって上記吐出口、インク液路、共通
液室等が構成される。本実施例の吐出部102は、各イ
ンク吐出口23に対応して発熱体30を配置し、種々の
プリント情報に対応する駆動信号を各発熱体30に印加
して吐出口23からインクを吐出させることができる。
発熱体30は、各吐出口毎にそれぞれ独立に発熱可能な
構成となっている。発熱体30の発熱により急速に加熱
されたノズル内のインクは膜沸騰により気泡を形成し、
この気泡生成の圧力によりインク滴35が被プリント材
106に向けて吐出され、被プリント材106上に文字
や画像を形成する。
【0078】吐出部102に設けられたY,M,C,B
k用の吐出口からは、約40ngのインクが吐出され
る。また、P用の吐出口からは、30〜40ngのスペ
シャルインクが吐出される。
【0079】ここで、吐出部の発熱体としては、電気熱
変換素子を用いたた例を示したが、これに限定されるも
のではなく、例えば、電気機械変換素子である圧電素子
を使用したものでもよい。またその他の手段でもよく、
インクジェットプリントが達成可能な全てのインク吐出
手段を用いることができる。また、図2の(c)に示し
たヘッド構造は、エッジシュータ型であるが、発熱体の
面に対し直交する方向にインク等を吐出するサイドシュ
ータ型のヘッド構造のものを用いてもよい。
【0080】図3は、図2に示した吐出部102によ
り、プリント性向上液を吐出させるためのデータD1
を、画像情報に応じて作成した例を示す模式図である。
図3における(a)はプリントすべき画像データを示
す。ここでは、イエローとレッドとブラックの文字
「I」が、プリントすべきデータである。この文字
「I」は、横が8ドットで縦が14ドットで構成されて
いる。また、プリントすべき画像データをY,M,C,
Bkに分解して示すと、(b)はイエローY、(c)は
マゼンタM、(d)はシアンC、(e)はブラックBk
のプリントデータである。ここでは、Cはプリントしな
いデータであるため、Cデータはない。(f)はP液を
プリントするデータD1である。データD1はYとMと
CとBkの各色のプリントデータの論理和となってい
る。
【0081】図4は、本発明のインクジェットプリント
方法の一実施例を示すフローチャートである。本実施例
の特徴は、プリント装置内の温度によってプリント性向
上液の量を制御する点にある。なお、フローチャートに
おけるSは、ステップを示すものとする。
【0082】ホストコンピュータからプリント装置にプ
リントデータが送られると、プリント装置100内の受
信バッファにプリントデータを読み込む(ステップ
1)。次いで、プリント装置100内の温度を環境セン
サ103で測定する(ステップ2)。測定の結果、温度
が所定温度よりも高いと、被プリント材の単位面積当た
りのプリント性向上液の付着量が少なくなるように制御
する。逆に、温度が所定温度よりも低いと被プリント材
の単位面積当たりのプリント性向上液の付着量が多くな
るように制御する。
【0083】具体的には、温度が高いと、吐出部のプリ
ント性向上液を吐出するヘッドユニットの吐出口近傍の
吐出ヒーター(発熱体)に与えるエネルギーを少なくす
る制御をする。
【0084】図5はプリント装置100内の温度とTw
との関係を示すグラフである。図5に示すように、電気
熱変換体である抵抗体からなる吐出ヒータにはTw=約
3μsecのパルス状の矩形波が与えられる。温度が4
0℃ではTwを2.5μsecとする。逆に温度が低い
5℃では、Tw=4.0μsecとする。その間の温度
では、温度に応じてTwをリニアーに変える。
【0085】次に、図4に示すように、プリントデータ
をY,M,C,Bk各色に展開する(ステップ3)。
Y,M,C,Bk各色データからPデータを作成する
(ステップ4)。Y,M,C,Bk,Pデータを、それ
ぞれ対応したヘッドユニットでプリントする(ステップ
5)。
【0086】(実施例2)図6は、本発明のインクジェ
ットプリント方法の他の実施例を示すフローチャートで
ある。本実施例の特徴は、プリント装置内の温度および
湿度によってP液の吐出量を制御する点にある。なお、
本実施例において用いられる色インクおよびP液の組成
は先の実施例1と同一である。
【0087】ホストコンピュータからプリント装置にプ
リントデータが送られると、プリント装置内の受信バッ
ファにプリントデータを読み込む(ステップ1)。プリ
ント装置内の温度を環境センサ103で測定する(ステ
ップ2)。温度が所定温度よりも高いと被プリント材の
単位面積当たりのP液の付着量が少なくなるように制御
する。逆に、温度が所定温度よりも低いと被プリント材
の単位面積当たりのP液の付着量が多くなるように制御
する。また、相対湿度HUが40%RH未満の場合に
は、図7に示す(a)の関係で温度からTwを定め、H
Uが40%RH〜70%RHの場合には、図7に示す
(b)の関係で温度からTwを定め、HUが70%RH
より大きい場合には、図7に示す(c)の関係で温度か
らTwを定める。なお、図7はプリント装置100内の
温度とTwとの関係を示すグラフである。
【0088】次に、図6に示すように、プリントデータ
をY,M,C,Bk各色に展開する(ステップ3)。
Y,M,C,Bk各色データからPデータを作成する
(ステップ4)。Y,M,C,Bk,Pデータを、それ
ぞれ対応したヘッドユニットでプリントする(ステップ
5)。
【0089】ここで、上記実施例1および2において使
用したインクの組成を以下に示す。
【0090】 Y(イエロー) C.I.ダイレクトイエロー142(染料) 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M(マゼンタ) Yインクの組成のうち染料をC.I.アシッドレッド2
89(2.5部)に代えた組成 C(シアン) Yインクの組成のうち染料をC.I.アシッドブルー9
(2.5部)に代えた組成 Bk(ブラック) Yインクの組成のうち染料をC.I.フードブラック2
(3部)に代えた組成 また、P液の組成を以下に示す。
【0091】 カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAP−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 このような成分のP液と色インクとを被プリント材上で
混合または反応させることにより、以下の良好な結果が
得られた。
【0092】通常の使用環境下において、温度や湿度が
変化しても常に安定して優れた耐水性や耐光性のある、
「信頼性の高い」プリント物を得ることが可能になっ
た。また、フェザリングの生じない、高濃度の画像を得
ることができ、さらにはカラーインクプリントの色間の
ブリードが生じない「高品位な画像」が得られた。
【0093】(実施例3)先の実施例1および2では、
4色のインクの吐出に先行して、当該色インクをプリン
トすべき領域全体にP液を吐出し、次に色インクを吐出
する例を説明したが、本実施例の特徴は、Bkインクで
プリントすべき領域にのみP液を吐出する点にある。
【0094】図8は、本発明のインクジェットプリント
方法の一実施例に用いられるインクジェット吐出部の一
例を示す概略正面図である。図8に示した吐出部を用い
て、色インク内のY,M,Cのインクでプリントを行
う。次に、Bkインクでプリントすべき領域にP液を吐
出したのち、Bkインクを吐出する。このような方法に
よれば、少なくともBkインクに対する耐水性等の信頼
性とフェザリング防止や濃度アップ等のプリント品位を
向上させることができる。
【0095】本実施例では、Y,M,Cの各インクに対
する信頼性やプリント品位の向上は得られないが、特に
文字データの一部にカラー部分がある画像のように、B
k色を重視したプリント物を得たいというユーザー側の
目的があれば、本実施例におけるプリント方法は有効で
ある。
【0096】(実施例4)先の実施例3では、図8に示
したヘッドユニット配列を有する吐出部を用いたが、本
実施例は、図9に示したヘッドユニット配列を有する吐
出部を用いて行う点に特徴がある。図9に示すように、
主走査方向の矢印Q方向にY,M,C,Bk,Pの順に
各ヘッドユニットが配列されている。
【0097】図10は、Bkインクの吐出領域にのみP
液を作用させる動作を示す1スキャン時のフローチャー
トである。
【0098】ステップ11では、プリントすべきデータ
がBkか否かを判定する。もし、Bk即ちYesならス
テップ12へ、Noならステップ13へ進む。
【0099】ステップ12では、Bkデータに先行して
P液を吐出させる。この時、プリント媒体の上で、P液
とBkインクとが同一位置になるようPヘッドを駆動さ
せる。なお、Bkインクの吐出位置の全てにP液を吐出
させなくても、Bkの吐出位置の25%の吐出位置にP
液を吐出させることで、高信頼と高品位を得ることが可
能である。このためのデータの間引き処理はステップ1
2でリアルタイムに処理される。その後、ステップ13
へと進む。
【0100】ステップ13では、通常の主走査方向の1
スキャンのプリント動作を行う。すなわち、図9に示し
たヘッドの構成で、矢印R方向のBk,C,M,Yの順
にプリントする。
【0101】ここで、使用したインクと処理液の処方は
以下の様である。
【0102】 Y(イエロー)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 78.0重量% M(マゼンタ)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ケミカル) 1.0重量% 染料C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 77.5重量% C(シアン)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー199 2.5重量% 水 77.5重量% Bk(ブラック)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.フードブラック2 23.0重量% 水 78.0重量% P液 ポリアリルアミン塩酸塩 5.0重量% 塩化ベンザルコニウム 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% アセチレノールEH(川研ケミカル) 0.5重量% 水 83.5重量% このように、Y,M,CインクにはBkインクに比べ界
面活性剤であるアセチレノールEHを1.0%添加し浸
透性を向上させてある。このため、YMCインクはBk
に比べ、定着性が優れている。一方、BkはYMCに比
べ浸透性がやや悪いがプリント濃度が高くエッジ部のシ
ャープさが良いため文字や線画のプリントに適してい
る。また、P液にもアセチレノールEHを0.5%添加
し、やや浸透性を向上させてある。
【0103】なお、Y,M,C,Bkインクの色材とし
て染料を使用した例を示したがこれに限定されることな
く、色材として例えば顔料を使用したもの、あるいは染
料と顔料を混合したもの等でも良い。色材と溶剤を含有
した各インクがインクのいずれかの成分と凝集する最適
なP液を使用することで同様な効果が得られる。
【0104】なお、本実施例では、吐出部として電気・
熱変換素子を使用した例を示したが、これに限定される
ことなく、例えば、電気・機械変換素子である圧電素子
を使用してもよい。その他吐出部の構成は問わない。
【0105】図11は、本実施例によるプリント結果の
例としてプリント済みの被プリント材を示す平面図であ
る。プリント媒体106に、タイトル部201と主文部
202と画像部203がプリントされている。
【0106】タイトル部201はR(レッド)で文字
が、主文部202はBk(ブラック)で文字が、画像部
203はRで画像がプリントされている。プリント物全
体では、主文部202がBkでそのほとんどを占めてい
る。その中の一部としてRでタイトルと画像が描かれて
いる例である。
【0107】ここで、主文部202のBkに対しての
み、先行してP液を吐出し、他にはP液は吐出していな
い。これは、Bkに対してのみ、耐水性や耐光性等の向
上した「高信頼性」のプリント物、又、フェザリングや
色間ブリードが少なく、発色性が良く、さらには、プリ
ント濃度が高い「高品位」のプリント画像を得られるよ
うにしたからである。
【0108】例えば、もし、このプリント物全体に水が
かかった場合には、タイトル部と画像部は水で流れてし
まう。しかしながら、Bk部は、P液の効果により水が
けられる以前と同様の状態であり、内容を読むことがで
きる。このように、Bkを主体としたプリントでは、B
k部の信頼性と高品位が得られれば、そのほとんどの目
的を達成する。
【0109】P液を吐出させインクと混合又は反応させ
るメリットは、上記の高信頼性化と高品位化とである。
一方、デメリットとして、P液をプリント媒体全体、又
は、全ての色に対応して吐出させることは、P液の浪費
になり、ランニングコストを悪化させる要因となる。も
う1つのデメリットは、プリント媒体に色インクの吐出
以外のP液の吐出をすることにより、プリント媒体の繊
維に余分な液体を与えることになり、このために発生す
るプリント媒体の凹凸やしわのためプリント物の品位を
悪化させてしまうことである。凹凸がもし、やがて乾燥
後に無くなったとしても、プリント動作の途中での凹凸
は、プリント媒体と吐出部間の微少な距離を変えてしま
い、インク滴の着弾位置が変化してプリント品位を悪化
する。
【0110】そこで、本実施例のように、Bkを主体と
したプリント物を得たい場合には、BkのみにP液を作
用させればよい。
【0111】(実施例5)実施例4では、Bkか否かで
P液を使い分ける例を示したが、これに限定されるもの
ではない。例えば、文字か否かでP液を使い分けても良
い。
【0112】図12は、文字のみにP液を作用させる動
作を示す1スキャン時のフローチャートである。
【0113】ステップ21では、プリントすべきデータ
が文字か否かを判定する。もし、文字即ちYesならス
テップ22へ、Noならステップ13へ進む。プリント
すべきデータが文字か否かの判定手段は公知の手段でよ
い。
【0114】ステップ22では、プリントするデータに
先行してP液を吐出させる。この時、プリント媒体の上
で、P液とプリントする文字とが同一位置になるようP
ヘッドを駆動させる。なお、文字プリントの吐出位置の
全てにP液を吐出させなくとも、文字プリントの吐出位
置の25%〜50%の吐出位置にP液を吐出させること
で、高信頼と高品位を得ることが可能である。例えば、
プリントすべき色が1次色のBk,Y,M,Cであれば
25%、2次色のR(レッド),G(グリーン),B
(ブルー)であれば50%とする。このためのデータの
間引き処理はステップ22でリアルタイムに処理され
る。その後、ステップ23へと進む。
【0115】ステップ23では、通常の主走査方向の1
スキャンのプリント動作を行う。
【0116】(実施例6)実施例4では、Bkか否かで
P液を使い分ける例を示したが、これに限定されるもの
ではない。例えば、Bkの文字か否かでP液を使い分け
ても良い。
【0117】図13は、Bkの文字のみにP液を作用さ
せる動作を示す1スキャン時のフローチャートである。
【0118】ステップ31では、プリントすべきデータ
が文字か否かを判定する。もし、文字即ちYesならス
テップ32へ、Noならステップ34へ進む。プリント
すべきデータが文字か否かの判定手段は公知の手段でよ
い。
【0119】ステップ32では、プリントすべきデータ
がBkか否かを判定する。もし、Bk即ちYesならス
テップ33へ、Noならステップ34へ進む。
【0120】ステップ33では、プリントするBk文字
データに先行してP液を吐出させる。この時、プリント
媒体の上で、P液とプリントするBk文字とが同一位置
になるようPヘッドを駆動させる。なお、Bk文字プリ
ントの吐出位置の全てにP液を吐出させなくとも、Bk
文字プリントの吐出位置の25%の吐出位置にP液を吐
出させることで、高信頼と高品位を得ることが可能であ
る。このためのデータの間引き処理はステップ33でリ
アルタイムに処理される。その後、ステップ34へと進
む。
【0121】ステップ34では、通常の主走査方向の1
スキャンのプリント動作を行う。
【0122】(実施例7)実施例4では、Bkか否かで
P液を使い分ける例を示したが、これに限定されるもの
ではない。
【0123】Bkインクにはそもそも耐水性のあるイン
クを使用した場合には、通常では耐水性の無いYMCイ
ンクと組み合わせて使用して、YMCインクにのみP液
を作用させることによって、全色の耐水性を実現でき
る。
【0124】図14は、C又はM又はYのみにP液を作
用させる動作を示す1スキャン時のフローチャートであ
る。
【0125】ステップ41では、プリントすべきデータ
がCMYか否かを判定する。もし、CMY即ちYesな
らステップ42へ、Noならばステップ43へ進む。
【0126】ステップ42では、CMYデータに先行し
てP液を吐出させる。この時、プリント媒体の上で、P
とCMYとが同一位置になるようPヘッドを駆動させ
る。なお、CMYの吐出位置の全てにP液を吐出させな
くとも、CMYの吐出位置の25%〜50%の吐出位置
にP液を吐出させることで、高信頼と高品位を得ること
が可能である。例えば、プリントすべき色が1次色の
Y,M,Cであれば25%、2次色のR(レッド),G
(グリーン),B(ブルー)であれば50%とする。こ
のためのデータの間引き処理はステップ22でリアルタ
イムに処理される。その後、ステップ43へと進む。
【0127】ステップ43では、通常の主走査方向の1
スキャンのプリント動作を行う。
【0128】ここで、使用したBkインクは以下の工程
で作成したインクであり、このBkインクにより耐水性
の効果を得た。
【0129】 ステップ1:顔料分散液の作成 スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 1.5重量% (酸価140、重量平均分子量5000) モノエタノールアミン 1.0重量% ジエチレングリコール 5.0重量% イオン交換水 82.5重量% 上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラッ
ク(MCF88、三菱化成製)10重量%を加え、30
分間プレミキシングを行った後、下記条件で分散処理を
行った。
【0130】分散機 :サンドブラインダ
ー(五十嵐機械製) 粉砕メディア :ジルコニウムビーズ、1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積比) 粉砕時間 :3時間 さらに、遠心分離処理(12000rpm、20分間)
を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0131】ステップ2:インクの製作 上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混
合し、顔料を含有するインクを製作し、これをブラック
インクとした。
【0132】 上記顔料分散液 30.0重量% グリセリン 10.0重量% エチレングリコール 5.0重量% N−メチルピロリドン 5.0重量% エチルアルコール 2.0重量% インク交換水 48.0重量% (実施例8)その他、例えば、Yインクに耐水性が得ら
れる良好なインクであれば、YインクにはP液を作用さ
せなくてもよい。その他、インクの特性に応じて、P液
は使い分けることが可能である。
【0133】BkとYには耐水インク、Mには完全では
ないがやや耐水性のあるインク、Cには通常の耐水性の
無いインクを使用した場合で、全ての色に対して完全耐
水性を得ようとした場合には、BkとYにはP液は作用
させなくても良い。Cに対してはP液を作用させる必要
がある。一方Mに対しては、Cに対してよりは少ない量
のP液を作用させれば必要最小限のP液の吐出で、全色
の完全耐水性が得られる。少ない量とは、少ないプリン
トデューティーあるいは少ない吐出量を示す。
【0134】このように、使用するインクの特性に応じ
てP液の吐出を最小限にすることで、高い信頼性と高い
プリント品位の画像を得ることが可能である。
【0135】さらに、吐出部の構成としては、図9に示
す構成に限らず、例えば、図15に示すように、Pヘッ
ドをBkヘッドとYMCヘッドの間に設けたものでも良
く、また、図16に示すような、P液とBkとYMC一
体の3チップから構成される構造の吐出部であってもよ
い。
【0136】また、P液の効果として耐水性向上以外
に、耐光性向上、又、フェザリングの向上、色間ブリー
ドの向上、発色性の向上、プリント濃度の向上、等があ
る。このため、これらの目的に応じて、P液の使用を選
択的に使用しても良い。
【0137】例えば、耐水性は良好であるが、フェザリ
ングの特性がもう一歩であるYインクを使用してフェザ
リングの特性を向上させたプリントを得るためにはP液
の作用をさせるプリント方法を選択する。
【0138】このように、目的に応じてP液を選択的に
使用することで、高信頼性で高品位なプリントを得るこ
とが可能となる。
【0139】また、どの目的でP液の作用させるかは、
ユーザーが選択可能な構成とすることによって、最適な
プリントを望みどうりにかなえることが可能となる。ユ
ーザーの選択は、インクジェットプリント装置にデータ
を転送するホストコンピュータからのデータにより、又
は、インクジェットプリント装置のセンサ/SW部から
の入力によりなされる。
【0140】(実施例9)先の実施例1〜8では、1種
類のP液のみを用いた方法を説明したが、本実施例で
は、2種類以上のP液を用いた点に特徴がある。
【0141】図17は、本発明のインクジェットプリン
ト方法の一実施例に用いられ、2種類のプリント性向上
液の吐出が可能なインクジェット吐出部の一例を示す概
略正面図である。図17に示すように、インクジェット
吐出部にはP液吐出用のヘッドユニットP1およびP2
が設けられている。本実施例では、温度が高い場合には
吐出口P1を用いてP1液を吐出し、その他の場合には
ヘッドユニットP2を用いてP2液を吐出する。
【0142】 (P1液) ポリアリルアミン塩酸塩 1.0重量% トリブチルアミンクロライド 1.0重量% チオジグリコール 10.0重量% アセチレノール 0.3重量% 水 87.7重量% (P2液) ポリアリルアミン塩酸塩 1.0重量% トリブチルアミンクロライド 1.0重量% チオジグリコール 10.0重量% アセチレノール 0.7重量% 水 87.3重量% さらに、温度および/または湿度を検出し、上記成分の
異なるP1液、P2液の種類を切り替えたり、またはP
1液、P2液の吐出量を制御したり、これらを同時に行
ったりすることにより、より良い効果が得られる。
【0143】(実施例10)先の実施例1〜8では、同
一の被プリント材である場合のP液の制御について記載
したが、さらには、通常の紙とOHP用のトランスパレ
ンシーシート、その他、被プリント材の種類に応じて、
P液の量や種類を最適化する処理により、被プリント材
において最高の信頼性とプリント品位の画像が得られ
る。
【0144】具体的には、プリント装置内の公知の手
段、例えばメカニカルセンサと光学センサの組合わせ等
により、被プリント材が通常の紙であるかOHP用のト
ランスパレンシーシートなのかを自動的に判別し、も
し、後者であれば、前者の場合に比べ、P液の被プリン
ト材上への単位面積当たりの使用量を少なくする。これ
は、一般にインクジェット用のトランスパレンシーシー
トにはプリント面にインク受容層があり、通常の紙に比
べ被プリント材内部へのインクの浸透が少ないため、P
液と色インクとの混合または反応が通常の紙に比べ安定
になされるからである。
【0145】また、通常の紙とOHP用のトランスパレ
ンシーシートとで、P液を使い分けてもよい。具体的に
は、先の実施例9で用いたP1液をトランスパレンシー
シート用とし、P2液を通常の使用とする。
【0146】また、2種類より多くの被プリント材を扱
う場合には、それらに応じた複数種のP液を使い分けて
もよい。さらに、複数種の被プリント材に対してそれよ
り少ない数の種類のP液を用い、単位面積当たりの吐出
量を制御して最適化してもよい。
【0147】このように、被プリント材の種類に応じて
P液の量および/または種類を最適化して使用すること
により、被プリント材において最高の信頼性と、最高の
プリント品位の画像を得ることが可能となった。
【0148】さらには、被プリント材の種類とプリント
装置の温度や湿度の環境に応じて、P液の使用量や種類
を最適化することにより、理想的な効果が期待できる。
【0149】図18は、上記実施例に係るプリント方法
を実施し得るインクジェットプリント装置のブロック図
である。ホストコンピュータから、プリントすべき文字
や画像のデータ(以下画像データという)がプリント装
置の受信バッファー401に入力される。また、正しく
データが転送されているかを確認するデータや、プリン
ト装置の動作状態を知らせるデータがプリント装置から
ホストコンピュータに帰される。受信バッファー401
のデータはCPU402の管理のもとで、メモリ部40
3に転送されRAM(ランダムアクセスメモリ)に一次
的に記憶される。メカコントロール部404は、CPU
402からの指令によりキャリッジモータやラインフィ
ードモータ等のメカ部405を駆動する。センサ/SW
コントロール部406は、各種センサやSW(スイッ
チ)からなるセンサ/SW部407からの信号をCPU
402に送る。表示素子コントロール部408は、CP
Uからの指令により表示パネル群のLEDや液晶表示素
子等からなる表示素子部409を制御する。吐出部コン
トロール部410はCPUからの指令により吐出部41
1を制御する。また、吐出部411の状態を示す温度情
報等をセンスしCPU402に伝える。
【0150】本実施例におけるP液はインク染料を不溶
化する無色の液体およびインク中の顔料の分散破壊によ
る凝集を生じせしめる液体を含む。ここで、不溶化と
は、インク中の染料に含まれるアニオン性基とプリント
性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性基が
イオン的に相互作用を起こしてイオン結合が生じ、イン
ク中に均一に溶解していた染料が溶液中から分離する現
象である。なお、本発明においては必ずしもインク中の
すべての染料を不溶化しなくとも、本発明で述べるよう
なカラーブリード抑制、発色性の向上、文字品位の向
上、定着性の向上といった効果が得られる。また、凝集
とは、インクに使用している色剤がアニオン性基を有す
る水溶性染料の場合には、不溶化と同一の意味で使用さ
れる。また、インクに使用している色剤が顔料の場合に
は、顔料分散剤あるいは顔料表面とプリント性向上液中
に含まれるカチオン性物質のカチオン性基がイオン的相
互作用をお越し、顔料の分散破壊が生じ、顔料の粒子径
が巨大化することを含む。通常、上述した凝集に伴っ
て、インクの粘度が上昇する。なお、本発明においては
必ずしもインク中のすべての顔料または顔料分散剤が不
溶化しなくとも、本発明で述べるようなカラーブリード
抑制、発色性の向上、文字品位の向上、定着性の向上と
いった効果が得られる。
【0151】上記各実施例において用いられるインク染
料を不溶化する上記無色の液体は、一例として以下のよ
うにして得ることができる。すなわち、下記の成分を混
合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μmのメン
ブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電
工製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に
調製し、無色の液体Alを得ることができる。このAl
の成分は先の実施例2におけるP液の組成と同一であ
る。
【0152】また、上記無色の液体と混合し不溶化する
インクの好適な例として以下のものを挙げることができ
る。すなわち、下記の成分を混合し、さらにポアサイズ
が0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:クロロ
ポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過してイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY1,M1,
C1,Bk1を得ることができる。
【0153】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー14 22部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289(2.5部)に代
えた以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9(2.5部)に代えた
以外はY1と同じ組成 Bk1 染料をC.I.フードブラック2(3部)に代えた以外
はY1と同じ組成以上示したそれぞれ無色の液体とイン
クとの混合において、本発明では、上述した無色の液体
とインクが被プリント材上あるいは被プリント材に浸透
した位置で混合する結果、反応の第1段階として無色の
液体中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の
成分とインクに使用しているアニオン性基を有する水溶
性染料とがイオン的相互作用により会合を起こし、瞬間
的に溶液相から分離を起こす。
【0154】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質との会合体が無色の液体中に
含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生
じた染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被プリ
ント材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果
として固液分離した液体部分のみがプリント紙中にしみ
こむことにより、プリント品位と定着性との両立が達成
される。同時に上述したようなメカニズムにより生成し
たカチオン物質の低分子成分とアニオン性染料とカチオ
ン性物質とで形成される凝集体は粘性が大きくなり、液
媒体の動きとともに移動することがないので、フルカラ
ーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色の
インクで形成されていたとしても互いに混じり合うよう
なことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上
記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐
水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果に
より形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果
も有する。
【0155】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけでよいので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0156】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0157】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは、上述したように、特に染料インクに限る
ものではなく、顔料を分散させた顔料インクを用いるこ
ともできるし、使用する液体はその顔料を凝集させるも
のを用いることができる。前記した無色液体A1と混合
して凝集を引き起こす顔料インクの一例として以下のも
のを挙げることができる。すなわち、下記に述べるよう
にして、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエ
ロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y
2,M2,C2およびBk2を得ることができる。
【0158】ブラックインクBk2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9c.p.、pH
は10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗
大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブ
ラック分散体を作製した。
【0159】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラックMogulL(キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクBk2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0160】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクBk2の作製の場合と同様に分散
処理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散
体を作製した。
【0161】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエローPH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0162】シアンインクC2 ブラックインクBk2の作製の際に使用したアニオン系
高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の
分散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分
散体を作製した。
【0163】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0164】マゼンタインクM2 ブラックインクBk2の作製の際に使用したアニオン系
高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の
分散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色
分散体を作製した。
【0165】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0166】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェットプリント方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の吐
出部、プリント装置において優れた効果をもたらすもの
である。かかる方式によればプリントの高密度化,高精
細化が達成できるからである。
【0167】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、吐出部の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うこ
とができる。
【0168】吐出部の構成としては、上述の各明細書に
開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組
合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作
用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米
国特許第4558333号明細書,米国特許第4459
600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する
スリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する
特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波
を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特
開昭59−138461号公報に基いた構成としても本
発明の効果は有効である。すなわち、吐出部の形態がど
のようなものであっても、本発明によればプリントを確
実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0169】さらに、プリント装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプの吐出部に対しても本発明は有効に適用できる。
そのような吐出部としては、複数吐出部の組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
吐出部としての構成のいずれでもよい。
【0170】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された吐出部、あるいは装置本
体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置
本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップ
タイプの吐出部、あるいは吐出部自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの吐出部を用い
た場合にも本発明は有効である。
【0171】また、本発明にプリント装置の構成として
設けられる、吐出部に対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、吐出部に対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、プリントとは別の吐出を行なう予備吐出モードを行
なうことも安定したプリントを行なうために有効であ
る。
【0172】また、搭載される吐出部の種類ないし個数
についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが
設けられたものの他、プリント色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えばプリント装置のプリントモード
としては黒色等の主流色のみのプリントモードだけでは
なく、吐出部を一体的に構成するか複数個の組み合わせ
によるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、ま
たは混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0173】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用プリント信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積
極的に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液
体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめること
で防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放
置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにして
も熱エネルギのプリント信号に応じた付与によってイン
クが液化し、液状インクが吐出されるものや、プリント
媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよ
うな、熱エネルギによって初めて液化する性質のインク
を使用する場合も本発明は適用可能である。このような
場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるい
は特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として
保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよう
な形態としてもよい。本発明においては、上述した各イ
ンクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を
実行するものである。
【0174】さらに加えて、本発明の液体噴射吐出部を
使用するプリント機構を備えたプリント装置の形態とし
ては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末と
して用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るもの等であってもよい。
【0175】図19は本発明のプリント装置をワードプ
ロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用
した場合の概略構成を示すブロック図である。
【0176】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0177】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明プリント装置が
適用されたものである。
【0178】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0179】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0180】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0181】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置18
12には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリ
ケーションプログラム等が格納される。
【0182】図20は図19に示した情報処理装置の模
式的外観図である。
【0183】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置212へのフロッピ
ーディスクの挿入口である。
【0184】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907よりプリン
トされる。
【0185】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0186】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部211から入力された各種情報が制御部1801によ
り所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部18
06に画像として出力される。
【0187】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0188】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0189】なお、上述した情報処理装置は図21に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図20と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。
【0190】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明のプリント装置を適用することによって、高品位のプ
リント画像を高速かつ低騒音で得ることができるため、
上記情報処理装置の機能をさらに向上させることが可能
となる。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プリント性向上液と色インクとを被プリント材上で混合
または反応させることによって、プリント物の耐水性等
の信頼性を向上させることができ、また、発色性向上や
フェザリング防止や色間ブリード防止等のプリント品位
の向上させることができる。また、本発明によれば、プ
リント装置の通常使用の全ての使用環境下において、常
に安定して優れた信頼性やプリント品位を得ることが可
能となった。
【0192】また、OHP用のトランスパレンシーシー
トやその他被プリント材の種類に応じて、最適な処理を
施すことにより、被プリント材において最高の信頼性
と、最高のプリント品位の画像を得ることが可能となっ
た。
【0193】また、本発明によれば、プリント物を得る
目的に応じて、選択的にP液を使用することによって、
必要最低限のプリント性向上液の使用で、高信頼性で高
品位なプリントを得ることが可能となった。必要最小限
のプリント性向上液の使用により、ランニングコストを
下げ、被プリント材上の凹凸量を最少限にして高品位の
画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリント装置の一実施
例の構成を示す概略斜視図である。
【図2】吐出部102の構成を示すもので、(a)はキ
ャリッジ上に搭載された吐出部の複数のヘッドユニット
を示す斜視図であり、(b)は被プリント材方向から視
た吐出部の吐出口の配列構成を示す正面図であり、
(c)は(b)に示した吐出口の内部構造を示す拡大断
面図である。
【図3】図2に示したインクジェット吐出部を用いて吐
出すべき領域のデータを含むプリント性向上液用データ
の例を示す模式図である。
【図4】本発明のインクジェットプリント方法の一実施
例を示すフローチャートである。
【図5】インクジェットプリント装置内の温度とTwと
の関係を示すグラフである。
【図6】本発明のインクジェットプリント方法の他の実
施例を示すフローチャートである。
【図7】温度とTwとの関係を示すグラフである。
【図8】本発明のインクジェットプリント方法の一実施
例に用いられるインクジェット吐出部の一例を示す概略
正面図である。
【図9】本発明のインクジェットプリント方法の他の実
施例に用いられるインクジェット吐出部の一例を示す概
略正面図である。
【図10】Bkインクのみにプリント性向上液を作用さ
せる動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明のインクジェットプリント方法の他の
実施例によって得られたプリント物の概略平面図であ
る。
【図12】文字データのみにプリント性向上液を作用さ
せる動作を示すフローチャートである。
【図13】Bk文字データのみにプリント性向上液を作
用させる動作を示すフローチャートである。
【図14】CMYのみにプリント性向上液を作用させる
動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明のインクジェットプリント方法の一実
施例に用いられるインクジェット吐出部の他の例を示す
概略正面図である。
【図16】本発明のインクジェットプリント方法の一実
施例に用いられるインクジェット吐出部のさらに他の例
を示す概略正面図である。
【図17】本発明のインクジェットプリント方法の一実
施例に用いられ、2種類のプリント性向上液の吐出が可
能なインクジェット吐出部の一例を示す概略正面図であ
る。
【図18】本発明に適用可能なインクジェットプリント
装置のブロック図である。
【図19】本発明のプリント装置をワードプロセッサ、
パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装置
としての機能を有する情報処理装置に適用した場合の概
略構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示した情報処理装置の模式的外観図
である。
【図21】本発明のプリント装置を情報処理装置に適用
した場合の一例を示す模式的外観図である。
【符号の説明】
100 プリント装置 101 キャリッジ 102 吐出部 103 環境センサ 104 ガイド軸 105 ガイド軸 106 被プリント材 107 スイッチ群と表示パネル群 108 プラテン 109 送りローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを被プリント材上に吐出するイン
    クジェット吐出部および該インクジェット吐出部による
    プリントにおけるプリント性を向上させるために前記被
    プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出するプ
    リント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリント
    方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、周囲環境に応じ
    て前記プリント性向上液吐出部からのプリント性向上液
    の吐出量を調整することを特徴とするインクジェットプ
    リント方法。
  2. 【請求項2】 インクを被プリント材上に吐出するイン
    クジェット吐出部および該インクジェット吐出部による
    プリントにおけるプリント性を向上させるために前記被
    プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出するプ
    リント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリント
    方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、周囲環境に応じ
    て前記プリント性向上液吐出部からのプリント性向上液
    の種類を変更することを特徴とするインクジェットプリ
    ント方法。
  3. 【請求項3】 インクを被プリント材上に吐出するイン
    クジェット吐出部および該インクジェット吐出部による
    プリントにおけるプリント性を向上させるために前記被
    プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出するプ
    リント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリント
    方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、周囲環境に応じ
    て、前記プリント性向上液の種類を変更し、かつ、前記
    プリント性向上液の吐出量を調整することを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または3に記載のインクジェッ
    トプリント方法において、前記周囲環境は温度であり、
    温度が高いほど前記プリント性向上液吐出部からのプリ
    ント性向上液の吐出量を少なくするように調整すること
    を特徴とするインクジェットプリント方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載のインクジェッ
    トプリント方法において、前記周囲環境は湿度であり、
    湿度が低いほど前記プリント性向上液吐出部からのプリ
    ント性向上液の吐出量を少なくするように調整すること
    を特徴とするインクジェットプリント方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または3に記載のインクジェッ
    トプリント方法において、前記周囲環境は温度であり、
    温度が高いほど前記被プリント材に対する浸透性が高い
    インクを用いることを特徴とするインクジェットプリン
    ト方法。
  7. 【請求項7】 請求項2または3に記載のインクジェッ
    トプリント方法において、前記周囲環境は湿度であり、
    湿度が低いほど前記被プリント材に対する浸透性が高い
    インクを用いることを特徴とするインクジェットプリン
    ト方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のインクジェッ
    トプリント方法において、前記浸透性の高いインクは界
    面活性剤の含有率が高いインクであることを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  9. 【請求項9】 請求項2、3、5、7または8のいずれ
    かの項に記載のインクジェットプリント方法において、
    前記プリント性向上液は複数の種類を備え、前記周囲環
    境に応じて前記複数の種類のプリント性向上液から選択
    したプリント性向上液を用いることを特徴とするインク
    ジェットプリント方法。
  10. 【請求項10】 インクを被プリント材上に吐出するイ
    ンクジェット吐出部および該インクジェット吐出部によ
    るプリントにおけるプリント性を向上させるために前記
    被プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出する
    プリント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリン
    ト方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記被プリント
    材の種類に応じて前記プリント性向上液吐出部からのプ
    リント性向上液の吐出量を調整することを特徴とするイ
    ンクジェットプリント方法。
  11. 【請求項11】 インクを被プリント材上に吐出するイ
    ンクジェット吐出部および該インクジェット吐出部によ
    るプリントにおけるプリント性を向上させるために前記
    被プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出する
    プリント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリン
    ト方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記被プリント
    材の種類に応じて前記プリント性向上液の種類を変更す
    ることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  12. 【請求項12】 インクを被プリント材上に吐出するイ
    ンクジェット吐出部および該インクジェット吐出部によ
    るプリントにおけるプリント性を向上させるために前記
    被プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出する
    プリント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリン
    ト方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記被プリント
    材の種類に応じて前記プリント性向上液の種類を変更
    し、かつ、前記プリント性向上液の吐出量を調整するこ
    とを特徴とするインクジェットプリント方法。
  13. 【請求項13】 請求項10または12に記載のインク
    ジェットプリント方法において、前記被プリント材の浸
    透性が低いほど、被プリント材の単位面積当たりの前記
    プリント性向上液の吐出量を多くすることを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記被プリ
    ント材の浸透性が低いほど、浸透性の高いプリント性向
    上液を用いることを特徴とするインクジェットプリント
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項10〜14のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記プリン
    ト性向上液は複数の種類を備え、前記被プリント材の種
    類に応じて前記複数の種類のプリント性向上液から選択
    したプリント性向上液を用いることを特徴とするインク
    ジェットプリント方法。
  16. 【請求項16】 複数の色のインクを被プリント材上に
    吐出するインクジェット吐出部および該インクジェット
    吐出部によるプリントにおけるプリント性を向上させる
    ために前記被プリント材に付与されるプリント性向上液
    を吐出するプリント性向上液吐出部を用いるインクジェ
    ットプリント方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記複数色のイ
    ンクのうち特定色のインク吐出に対応して、該特定色の
    インク吐出に係る前記被プリント材上の特定領域に前記
    プリント性向上液を吐出することを特徴とするインクジ
    ェットプリント方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のインクジェットプリ
    ント方法において、前記特定色のインクはBkインクで
    あることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  18. 【請求項18】 インクを被プリント材上に吐出するイ
    ンクジェット吐出部および該インクジェット吐出部によ
    るプリントにおけるプリント性を向上させるために前記
    被プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出する
    プリント性向上液吐出部を用いるインクジェットプリン
    ト方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記インク吐出
    に係る複数のデータのうち特定データのみを選択し、該
    特定データのインク吐出に係る前記被プリント材上の特
    定領域へのインク吐出に先行して該特定領域に前記プリ
    ント性向上液を吐出することを特徴とするインクジェッ
    トプリント方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のインクジェットプリ
    ント方法において、前記特定データは文字データである
    ことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  20. 【請求項20】 複数の色のインクを被プリント材上に
    吐出するインクジェット吐出部および該インクジェット
    吐出部によるプリントにおけるプリント性を向上させる
    ために前記被プリント材に付与されるプリント性向上液
    を吐出するプリント性向上液吐出部を用いるインクジェ
    ットプリント方法であって、 前記インクと前記プリント性向上液とを前記被プリント
    材上で混合あるいは反応させるに際し、前記複数色のイ
    ンクのうち特定色のインクおよび前記インク吐出に係る
    複数のデータのうち特定データを選択し、前記特定色お
    よび前記特定データのインク吐出に係る前記被プリント
    材上の特定領域へのインク吐出に先行して該特定領域に
    前記プリント性向上液を吐出することを特徴とするイン
    クジェットプリント方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載のインクジェットプリ
    ント方法において、前記特定色のインクはBkインクで
    あり、かつ、前記特定データは文字データであることを
    特徴とするインクジェットプリント方法。
  22. 【請求項22】 請求項16または20に記載のインク
    ジェットプリント方法において、前記特定色のインク
    は、Yインク、MインクおよびCインクからなる群より
    選択された少なくとも1色のインクであり、前記複数色
    のインクのうち前記特定色以外のインクは耐水性を有す
    るBkインクであることを特徴とするインクジェットプ
    リント方法。
  23. 【請求項23】 請求項16、17、20〜22のいず
    れかの項に記載のインクジェットプリント方法におい
    て、前記特定色のインクの選択は可変可能であることを
    特徴とするインクジェットプリント方法。
  24. 【請求項24】 請求項18〜21のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記特定デ
    ータの選択は可変可能であることを特徴とするインクジ
    ェットプリント方法。
  25. 【請求項25】 請求項1〜24のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法において、前記インクお
    よび前記プリント性向上液を吐出する手段として電気機
    械変換素子を用いることを特徴とするインクジェットプ
    リント方法。
  26. 【請求項26】 請求項1〜24のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法において、前記インクお
    よび前記プリント性向上液を吐出する手段として電気熱
    変換素子を用いることを特徴とするインクジェットプリ
    ント方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜24のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法において、前記インクお
    よび前記プリント性向上液を吐出する手段として電気熱
    変換素子と電気機械変換素子とを組み合わせて用いるこ
    とを特徴とするインクジェットプリント方法。
  28. 【請求項28】 請求項1〜27のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法において、前記プリント
    性向上液は低分子のカチオン性物質と高分子のカチオン
    性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含むこと
    を特徴とするインクジェットプリント方法。
  29. 【請求項29】 請求項1〜27のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法において、前記プリント
    性向上液は低分子のカチオン性物質と高分子のカチオン
    性物質を含み、前記インクは少なくともアニオン性化合
    物と顔料とを含むことを特徴とするインクジェットプリ
    ント方法。
  30. 【請求項30】 請求項1〜29のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法を実施するためのインク
    ジェットプリント装置であって、熱エネルギーを利用し
    てインクを被プリント材上に吐出するインクジェット吐
    出部および熱エネルギーを利用してプリント性向上液を
    被プリント材上に吐出するプリント性向上液吐出部を含
    み、該ヘッドはインクに与える熱エネルギーを発生する
    ための熱エネルギー変換体を備えることを特徴とするイ
    ンクジェットプリント装置。
  31. 【請求項31】 請求項30記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記ヘッドは前記被プリント材上を
    往復移動可能であるインクジェットプリント装置。
  32. 【請求項32】 請求項31記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記インクジェット吐出部および前
    記プリント性向上液吐出部は、往復移動方向に配列され
    ていることを特徴とするインクジェットプリント装置。
  33. 【請求項33】 請求項32記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記ヘッドは、往復移動方向にほぼ
    直交する方向に配列されたインク吐出口の列を有するも
    のであることを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  34. 【請求項34】 複数の色のインクを被プリント材上に
    吐出するインクジェット吐出部と、該インクジェット吐
    出部によるプリントにおけるプリント性を向上させるた
    めに前記被プリント材に付与されるプリント性向上液を
    吐出するプリント性向上液吐出部と、前記インクと前記
    プリント性向上液とを前記被プリント材上で混合あるい
    は反応させるに際し、前記複数色のインクのうち特定色
    のインク吐出に対応して、該特定色のインク吐出に係る
    前記被プリント材上の特定領域に前記プリント性向上液
    の吐出を制御する制御手段を有することを特徴とするイ
    ンクジェットプリント装置。
  35. 【請求項35】 請求項1〜29のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリント方法を実施することにより得
    られたプリント物。
  36. 【請求項36】 請求項30〜34のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント装置を用いて得られたプリ
    ント物。
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