JP3500348B2 - シール装置 - Google Patents

シール装置

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JP3500348B2
JP3500348B2 JP2000123861A JP2000123861A JP3500348B2 JP 3500348 B2 JP3500348 B2 JP 3500348B2 JP 2000123861 A JP2000123861 A JP 2000123861A JP 2000123861 A JP2000123861 A JP 2000123861A JP 3500348 B2 JP3500348 B2 JP 3500348B2
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勝夫 郡山
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株式会社郡山技研
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温ガスを初めと
した高温流体の温度分布状態等を測定するためのセンサ
挿入口におけるシール機構に関するものであり、特に、
そのシール部材として、例えば銅を初めとした金属製部
材等からなるものであって、塑性変形がしやすく、か
つ、塑性変形後においても全体的に所定の弾力性を有
し、これによってガスを初めとした高温流体のシール性
を高めさせることのできるようにした部材を用いること
としたシール機構(シール装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高温高圧になる油圧装置におけ
る配管の接続部等においては銅金属を主体とした銅パッ
キンが用いられている。これらは接触面に銅金属からな
るパッキンを介在させるとともに、当該銅金属を塑性変
形させることによって接触面の気密性あるいは液密性を
向上させるようにしているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは、単に銅金属の塑性変形によって接触面のシール
性を向上させるようにしているものである。これに対し
て、例えば、直径が約0.5mm程度の非常に細い熱電対
あるいは温度センサ用リード線等であって、それらを複
数本束ねた状態で保持するニップル部等におけるシール
装置としては、既存の技術として適当なものは見当たら
ない。これらの点に鑑みて、高温室内における流体の温
度分布状態等を測定するための温度センサ用リード線を
保持するニップル部等に設けられるものであってシール
性に優れたシール装置を提供しようとするのが、本発明
の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、高温室
内における流体の温度分布状態等を測定するために設け
られる温度センサのそのリード線取出口におけるシール
装置に関して、円錐台状の形態からなるコーン部を基礎
に形成されるものであって、当該コーン部の軸線方向
に、当該軸線を中心にして放射状に形成される複数本の
細孔を有するシール部材と、当該シール部材を収容する
ものであって、所定の室につながるように形成された導
入路、及びこれにつながるものであって上記シール部材
の円錐面に対応するように形成されたテーパ面、更には
当該テーパ面の大径側につながるものであって上記導入
路と同軸上に形成される中空部を有するボデーと、当該
ボデー内に収容されるものであって上記シール部材の座
面の外周円と略同一の外周円を有するとともに当該外周
円の周縁部のところに上記シール部材の座面の外周部を
包込むように形成された円環状の縦壁部を有する形態か
らなるスペーサと、上記ボデーの入口側に設けられた雌
ネジ部とネジ結合する雄ネジ部を有するものであって、
その先端部に上記スペーサの端面と面接触するように形
成された円筒部を有する中空状のボルトと、からなると
ともに、このような構成からなる上記シール部材の細孔
内に所定の細線を挿入し、このようなシール部材を当該
シール部材を形成するコーン部の円錐面が上記ボデー内
のテーパ面のところに接するように設置し、更に、当該
シール部材の座面のところにスペーサを設置し、このよ
うなスペーサのところに上記ボルトの先端部に形成され
た円筒部の端面が接するようにボルトを設置し、このよ
うな状態において、当該ボルトを上記ボデーの雌ネジ部
に沿って締付けるようにした。
【0005】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、上記ボルトの締付作用によってもた
らされるシール部材の塑性変形によって、上記温度セン
サのリード線等からなる細線の周りには、上記シール部
材の細孔周りへの素材の移動(塑性変形)によって緊迫
力が形成されることとなる。この緊迫力によって上記細
線の周りは確実にシールされることとなる。また、ボデ
ーのテーパ面を初めとした内周面と上記シール部材のコ
ーン部との間は、本シール部材の塑性変形によってその
接触面が密着するようになり、この部分のシール性も確
保されるようになる。このようにして、上記リード線等
からなる細線の取出口の部分のシール性は確実に保持さ
れることとなる。
【0006】また、本発明においては、スペーサを、そ
の外周縁部のところに、上記シール部材の座面の外周部
を包込むように形成された円環状の縦壁部を有するキャ
ップ状の形態からなるようにしたので、上記ボルトの締
付け時に、すなわち、当該ボルトの締付けによって上記
シール部材をその軸線方向に塑性変形をさせる際に、当
該円錐台状のシール部材が、ボデーのテーパ面内にて、
いずれか一方側に傾く(偏る)のを防止することができ
るようになる。具体的には、上記スペーサに設けられた
円環状の縦壁部がボデーの中空部の内周面に沿って移動
することとなり、これによって、この円環状縦壁部が上
記シール部材の軸線方向への塑性変形の際のガイドの役
目を果すこととなる。その結果、細孔内に設置された各
細線の周りは、均等に緊迫力(圧縮力)を受けることと
なり、各細線周りのシール性は、それぞれ確実に保持さ
れることとなる。従って、いずれの細線周りからもガス
を初めとした流体の漏れ等の生ずるおそれがない。
【0007】次に、請求項記載の発明について説明す
る。すなわち、本発明においては、シール部材を、円錐
台状のコーン部と、当該コーン部を形成する円錐台の頂
面側に設けられるものであって上記ボデーの導入路内に
挿入されるように形成された円柱状のガイド部と、上記
円錐台状コーン部の台座側に設けられるものであって当
該コーン部の軸線方向に所定の幅を有するように形成さ
れるとともに、上記ボデー側の中空部内周面にその外周
部が接するように形成されたフランジ部と、からなるよ
うにした構成を採ることとした。このような構成を採る
ことにより、本発明のものにおいては、上記ボルトの締
付けによるシール部材の主に軸線方向への塑性変形時
に、当該シール部材が傾いた状態(偏った状態)で変形
するのを防止することができるようになる。すなわち、
ボルトの締付け時において、まず、円柱状のガイド部が
ボデーに設けられた導入路内へ真すぐ進むことによって
本シール部材の傾きが防止されるとともに、上記フラン
ジ部ボデーの中空状内周面に沿って移動することによ
ってガイドの役目を果すこととなる。これによって、本
発明のものにおいては、上記請求項記載のものと同
様、各細線の周りが均等に圧縮されることとなり、それ
ぞれの細線周りのシール性が確保されることとなる。
【0008】また、本発明のものにおいては、上記ボル
トの締付けによるシール部材の塑性変形時において、上
記細孔内に設置される細線が局部的な緊迫力(圧縮力)
等によって引きちぎられて破断するのを抑止することが
できるようになる。すなわち、ボルトを締付けた場合、
このボルトの回転力につられて上記シール部材の座面側
も若干連れ廻るようになる。これによって、シール部材
は、その座面側と円錐台状コーン部の先端部側との間に
おいて捩れが生ずることとなる。この捩れ現象によって
上記細孔内に設置された細線が捩られることとなり、場
合によっては細線が破断するおそれがある。このような
捩れに対処するために、捩れ角の最大となる座面側に面
取り部を設け、シール部材の塑性変形による細線周りの
くい付き量が大きくなり過ぎないようにしている。すな
わち、逃げ部を設け、これによって細線の破断を防止す
るようにしているものである。
【0009】また、本発明のものにおいては、シール部
材が、ボデー内周面との接触面において、更には細孔内
に挿入された細線との接触面において塑性変形をするよ
うになり、これによって、これら各部材との間において
密着状態が形成されるようになる。その結果、各接触部
におけるシール性の向上が図られることとなる。
【0010】また、本発明のものにおいては、所定の室
につながる導入路内に導入されるふん囲気の温度が10
00℃を超えているような場合においても、上記シール
部材ニッケル金属(純ニッケル)からなるものを採用
することによって高温に耐えられることとなり、良好な
シール性を確保することができるようになる。なお、
の場合、ニッケル金属製のシール部材を収容するボデー
は、ステンレス鋼にて形成されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図4を基に説明する。本実施の形態にかかるも
のは、高温室内における流体の温度分布状態等を測定す
るために設けられる温度センサのそのリード線取出口に
おけるシール装置に関するものである。そして、その構
成は、図1及び図2に示す如く、円錐台状の形態からな
るコーン部11を基礎に形成されるものであって、当該
コーン部11の軸線方向に、当該軸線を中心にして放射
状に形成される複数本の細孔16を有するシール部材1
と、当該シール部材1を収容するものであって、所定の
室につながるように形成された導入路25、これにつな
がるものであって上記シール部材1の円錐面に対応する
ように形成されたテーパ面22、当該テーパ面22の大
径側につながるものであって上記導入路25と同軸上に
形成される中空部23、及び当該中空部23の開口部側
に設けられる雌ネジ部21を有するボデー2と、当該ボ
デー2内に収容されるものであって上記シール部材1の
座面151の外周円と略同一の外周円を有するように形
成されたリング状のスペーサ3と、上記ボデー2の入口
側に設けられた雌ネジ部21とネジ結合する雄ネジ部5
1を有するものであって、その先端部に上記スペーサ3
の端面と面接触するように形成された円筒部55を有す
る中空状のボルト5と、からなることを基本とするもの
である。そして、このような構成からなるものにおい
て、更に上記シール部材1の細孔16内には温度センサ
あるいは熱電対につながるリード線等からなる所定の細
線6が挿入(装着)されるようになっているものであ
る。
【0012】このような構成からなるものにおいて、上
記シール部材1の座面151のところには、図2に示す
如く、その軸線方向に所定の幅を有するものであってボ
デー2の中空部23の内周円と略同じ外周円を有するフ
ランジ部15が設けられるようになっている。また、上
記シール部材1は、純度の高い銅(Cu)金属またはア
ルミニウム(AL)金属あるいはニッケル(Ni)金属
からなるものである。そして、これら金属からなるシー
ル部材1の収容されるボデー2はアルミニウム合金また
はステンレス鋼にて形成されるようになっているもので
ある。このような構成からなるものにおいて、上記シー
ル部材1が銅(Cu)またはアルミニウム(AL)金属
からなるものである場合には、ボデー2はアルミニウム
合金製あるいはステンレス鋼製のいずれからなるもので
あっても良いが、シール部材1がニッケル(Ni)金属
からなるものである場合には、当該ニッケル金属製シー
ル部材1の塑性変形を円滑に行なわせる都合上、ボデー
2にはステンレス鋼が採用されることとなる。このよう
な純ニッケル(Ni)金属製のシール部材1を用いるこ
とによって、例えば1000℃以上の高温にも耐えられ
ることとなる。また、このようなシール部材1の座面1
51のところに装着されるスペーサ3は軟鋼等の鉄系金
属からなるものであり、上記シール部材1が塑性変形を
するに際して、本スペーサ3は塑性変形せずに弾性変形
状態を維持するようになっているものである。また、ボ
デー2は、図1に示す如く、その外形形状は、6角形の
ナット形状等からなるものが一般的ではあるが、場合に
よっては円筒状の形態からなるものも挙げられる。この
場合には、中空状ボルト5の締込み作業の際のトルク反
力を受けるためのスパナ装着用として、円筒状ボデー2
の、その外表面部には所定の二面幅取り部29が設けら
れることとなる。このような構成からなる本ボデー2の
上記導入路25側は、高温室等に連結されるようになっ
ており、この導入路25を介して、熱電対等からなる温
度センサが高温室内に導かれるようになっているもので
ある。
【0013】このような構成からなる各部材を基に、こ
れらの組付け手順について以下に説明する。まず、図1
に示す如く、シール部材1の細孔16内に、熱電対等か
らなる温度センサの、そのリード線等からなる細線6を
装着(挿入)する。そして、このような状態のシール部
材1をボデー2に装着する。この装着に当っては、図2
に示す如く、シール部材1の先端部に形成されたガイド
部12を、ボデー2の導入路25内に進入させた状態
で、当該ガイド部12に連続して設けられた円錐台状の
コーン部11のところがボデー2のテーパ面22に接す
るように、シール部材1を上記ボデー2内の中空部23
のところに挿入する。このような状態において、次に、
上記シール部材1の座面151のところに、当該座面1
51に接するようにリング状の形態からなるスペーサ3
を挿入(装着)する。そして、このようなスペーサ3の
ところに、中空状ボルト5の先端部に設けられた円筒部
55の、その先端面が上記スペーサ3の端面に接するよ
うに装着する。なお、このとき、上記熱電対のリード線
等からなる細線6は、中空状ボルト5の中空部のところ
を通過させるようにする。このような状態において、本
中空状ボルト5を、その雄ネジ部51とボデー2に設け
られた雌ネジ部21とをかみ合わせた状態で締め込む
(締付ける)。
【0014】次に、このように各部材がボデー2内に装
着された状態において、上記中空状ボルト5を締込む
(締付ける)ことによって形成されるシール部材1の塑
性変形作用、すなわち、シール性発揮作用について、図
3を基に説明する。まず、中空状ボルト5をボデー2に
設けられた雌ネジ部21に沿って締め込む。これによっ
て、ボルト5の先端部に設けられた円筒部55のところ
が、スペーサ3を介してシール部材1の座面151のと
ころをシール部材1の軸線方向に押し込むこととなる。
すなわち、ボルト5の締込み操作に伴なって、シール部
材1の座面151にはスペーサ3を介して、図3の矢印
方向に軸力が加わることとなる。このような軸力に対し
て、シール部材1は全体的に塑性変形しやすい素材から
なるものであるので、図3の二点鎖線図示状態から実線
図示状態へと塑性変形をすることとなる。
【0015】このような塑性変形に伴なって、円錐台状
の形態からなるコーン部11の外周面は、ボデー2のテ
ーパ面22あるいは中空部23の面との間において粗な
接触状態から密な接触状態へと変化する。すなわち、コ
ーン部11の外周面とボデー2のテーパ面22とは密着
状態となり、これによってシール性が高められることと
なる。また、一方、上記細孔16内に装着(挿入)され
ている細線6との間においても同様の状態が形成される
こととなる。すなわち、上記テーパ面22側への塑性変
形と同様に、上記細孔16の周辺部は、当該細孔16内
に装着された細線6の外周面と密着し合うように塑性変
形をすることとなる。その結果、細線6の周りは、その
軸線方向全般にわたって、シール部材1の細孔16との
間において密着状態が形成されることとなり、この部分
におけるシール性が高められることとなる。
【0016】このようなボルト5の締込み操作に基づく
シール部材1の塑性変形時において、シール部材1の座
面151側にはスペーサ3を矢印方向に押付ける力(荷
重)が加わることとなるが、このとき、初期の段階にお
いては、図2に示す如く、コーン部11とテーパ面22
との間には塑性変形に対応するための隙間が形成されて
いるため、この隙間の影響により、シール部材1が偏っ
た状態で塑性変形をするおそれがある。しかしながら、
本実施の形態においては、上記座面151のところに所
定の幅を有するフランジ部15が設けられていることよ
り、このフランジ部15の外周面がボデー2の中空部2
3の内周面に沿って移動することとなり、上記において
懸念されていたような塑性変形時におけるシール部材1
の偏り(傾き)は抑止されることとなる。また、このよ
うな塑性変形時においては、上記シール部材1の座面1
51のスペーサ3の内径側に位置する部分は、図3の二
点鎖線図示の位置から実線図示の位置へと隆起する。こ
れと同時に、このようなボルト5の締込み操作時におい
ては、ボルト5の回転力によって、スペーサ3が若干連
れ廻ることとなる。その結果、当該スペーサ3と面接触
するシール部材1の座面151側も若干連れ廻るように
なる。これによって、シール部材1には、スペーサ3の
設けられる座面151側と円錐台状コーン部11の先端
部側との間において捩れが生ずることとなる。この捩れ
現象によって上記細孔16内に設置された細線6が捩ら
れることとなり、場合によっては細線6が破断するおそ
れがある。しかしながら、本実施の形態のものにおいて
は、上記座面151側の開口部のところに面取り部16
1が設けられるようになっているので、シール部材1の
塑性変形による細線6周りへのくい付き量が軽減化され
ることとなる。すなわち、逃げ部が設けられるようにな
っており、これによって細線6の破損が防止されること
となる。
【0017】次に、このような構成からなる本シール装
置に関する他の実施形態について、図4を基に説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記実施の形態の
ところで述べたものと同じである。その特徴とするとこ
ろは、スペーサを軟鋼等の鉄系金属からなるものであっ
てキャップ状の形態からなるようにしたことである。す
なわち、シール部材1の座面151のところに装着され
るスペーサ3を、その外周縁部のところに、上記シール
部材1の座面151の外周部を包込むように形成された
円環状の縦壁部32を有するキャップ状の形態からなる
ようにしたことである。具体的には、図4に示す如く、
リング状の形態からなるものであってボルト5の先端部
に形成された円筒部55の先端部と接する側に形成され
る水平面からなる座部31と、当該座部31の外周縁に
沿って垂直状に設けられる円環状の縦壁部32と、上記
座部31の反対側に設けられるものであって上記シール
部材1の座面151側と接する側に設けられるテーパ面
33と、からなるものである。そして、このようなテー
パ面33と接触するシール部材1の座面151側には上
記テーパ面33と面接触するように形成されたテーパ座
面153が設けられるようになっているものである。こ
のような構成を採ることにより、本実施の形態のものに
おいては、上記ボルト5の締付けによって上記シール部
材1がその軸線方向に塑性変形をする際に、当該円錐台
状のシール部材1がボデー2のテーパ面22内にて、い
ずれか一方側に傾く(偏る)のを防止することができる
ようになる。具体的には、上記スペーサ3に設けられた
円環状の縦壁部32がボデー2の中空部23の内周面に
沿って移動することとなり、これによって、この円環状
縦壁部32が上記シール部材1の軸線方向への塑性変形
の際のガイドの役目を果すこととなる。その結果、細孔
16内に設置された各細線6の周りは、均等に緊迫力
(圧縮力)を受けることとなり、各細線6周りのシール
性は、それぞれ確実に保持されることとなる。従って、
いずれの細線周りからもガス漏れ(流体漏れ)等の生ず
るおそれがない。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、高温室内における流体
の温度分布状態等を測定するために設けられる温度セン
サのそのリード線取出口におけるシール装置に関して、
円錐台状の形態からなるコーン部を基礎に形成されるも
のであって、当該コーン部の軸線方向に、当該軸線を中
心にして放射状に形成される複数本の細孔を有するシー
ル部材と、当該シール部材を収容するものであって、所
定の室につながるように形成された導入路、及びこれに
つながるものであって上記シール部材の円錐面に対応す
るように形成されたテーパ面、更には当該テーパ面の大
径側につながるものであって上記導入路と同軸上に形成
される中空部を有するボデーと、当該ボデー内に収容さ
れるものであって上記シール部材の座面の外周円と略同
一の外周円を有するリング状のスペーサと、上記ボデー
の入口側に設けられた雌ネジ部とネジ結合する雄ネジ部
を有するものであって、その先端部に上記スペーサの端
面と面接触するように形成された円筒部を有する中空状
のボルトと、からなるようにするとともに、このような
構成からなるものにおいて、上記シール部材の細孔内に
上記温度センサにつながるリード線等からなる所定の細
線を挿入し、このようなシール部材を当該シール部材を
形成するコーン部の円錐面が上記ボデー内のテーパ面の
ところに接するように設置し、更に、当該シール部材の
座面のところにスペーサを設置し、更に、このようなス
ペーサのところに上記ボルトの先端部に形成された円筒
部の端面が接するようにボルトを設置し、このような状
態において、当該ボルトを上記ボデーの雌ネジ部に沿っ
て締付けるようにしたので、本発明のものにおいては、
上記ボルトの締付作用によってもたらされるシール部材
の塑性変形によって、上記温度センサのリード線等から
なる細線の周りは、上記シール部材の細孔周りへの素材
の移動(塑性変形)によって緊迫力が形成されるように
なった。その結果、この緊迫力によって上記細線の周り
は確実にシールされるようになった。また、ボデーのテ
ーパ面を初めとした内周面と上記シール部材のコーン部
との間は、本シール部材の塑性変形によってその接触面
が密着するようになり、この部分のシール性も確保され
るようになった。その結果、上記リード線等からなる細
線の取出し口の部分のシール性は確実に保持されるよう
になった。
【0019】また、本発明においては、円錐台状コーン
部を主に形成されるシール部材のスペーサと接する座面
側に、当該コーン部の軸線方向に所定の幅を有するよう
に形成されるとともにボデー側の中空部内周面にその外
周部が接するように形成されたフランジ部を設けるよう
にしたので、上記ボルトの締付けによるシール部材の、
主に軸線方向への塑性変形時に、当該シール部材が傾い
た状態(偏った状態)で変形するのを防止することがで
きるようになった。すなわち、上記フランジ部がボデー
の中空状内周面に沿って移動することによってガイドの
役目を果すこととなり、これによって、本発明のものに
おいては、各細線の周りが均等に圧縮されるようになっ
た。その結果、それぞれの細線周りのシール性が高めら
れるようになった。
【0020】また、シール部材の座面側であって放射状
に設けられた上記細孔の開口部のところに所定の面取り
部を設けるようにしたものにおいては、上記ボルトの締
付けによるシール部材の塑性変形時において、上記細孔
内に設置される細線が局部的な緊迫力(圧縮力)等によ
って引きちぎられて破断したりするのを防止することが
できるようになった。
【0021】また、本発明においては、上記シール部材
を銅またはアルミニウム金属からなるようにすることに
よって、シール部材が、ボデー内周面との接触面及び細
孔内に挿入された細線との接触面において塑性変形を
し、これら各部材との間において密着状態が形成される
ようになり、その結果、各接触部におけるシール性の向
上が図られるようになった。
【0022】また、本発明においては、上記シール部材
をニッケル金属にて形成するとともに、上記ボデーをス
テンレス鋼にて形成するようにすることによって、より
高温のガス(流体)にも対応することができるようにな
った。すなわち、本発明のものにおいては、所定の室に
つながる導入路内に導入されるふん囲気の温度が100
0℃を超えているような場合においても、上記シール部
材がニッケル金属(純ニッケル)からなるものであるの
で高温に耐えられるようになり、良好なシール性を確保
することができるようになった。
【0023】また、本発明においては、円錐台状コーン
部からなるシール部材の座面のところにキャップ状の形
態からなるスペーサを設置することによって、上記ボル
ト締付け時に、円錐台状のシール部材が、ボデーのテー
パ面内にて、いずれか一方側に傾く(偏る)のを防止す
ることができるようになった。すなわち、上記スペーサ
に設けられた円環状の縦壁部がボデーの中空部の内周面
に沿って移動することとなり、これによって、この円環
状縦壁部が上記シール部材の軸線方向への塑性変形の際
のガイドの役目を果すこととなり、その結果、細孔内に
設置された各細線の周りは、均等に緊迫力(圧縮力)を
受けるようになった。従って、各細線周りのシール性
は、それぞれ確実に保持されるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す展開斜視図である。
【図2】本発明の主要部を成すシール部材の塑性変形前
の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の主要部を成すシール部材の塑性変形後
の状態を示す断面図である。
【図4】本発明についての他の実施形態を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シール部材 11 コーン部 12 ガイド部 15 フランジ部 151 座面 153 テーパ座面 16 細孔 161 面取り部 2 ボデー 21 雌ネジ部 22 テーパ面 23 中空部 25 導入路 29 二面幅取り部 3 スペーサ 31 座部 32 縦壁部 33 テーパ面 5 ボルト 51 雄ネジ部 55 円筒部 6 細線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−182753(JP,A) 特開 昭50−54891(JP,A) 特開 平11−118036(JP,A) 特開 平8−189585(JP,A) 特開 平11−333228(JP,A) 特開 平11−236652(JP,A) 実開 平2−3130(JP,U) 実開 平4−35655(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円錐台状の形態からなるコーン部を基礎
    に形成されるものであって、当該コーン部の軸線方向
    に、当該軸線を中心にして放射状に形成される複数本の
    細孔を有するシール部材と、当該シール部材を収容する
    ものであって、所定の室につながるように形成された導
    入路、及びこれにつながるものであって上記シール部材
    の円錐面に対応するように形成されたテーパ面、更には
    当該テーパ面の大径側につながるものであって上記導入
    路と同軸上に形成される中空部を有するボデーと、当該
    ボデー内に収容されるものであって上記シール部材の座
    面の外周円と略同一の外周円を有するとともに当該外周
    円の周縁部のところに上記シール部材の座面の外周部を
    包込むように形成された円環状の縦壁部を有する形態か
    らなるスペーサと、上記ボデーの入口側に設けられた雌
    ネジ部とネジ結合する雄ネジ部を有するものであって、
    その先端部に上記スペーサの端面と面接触するように形
    成された円筒部を有する中空状のボルトと、からなると
    ともに、このような構成からなる上記シール部材の細孔
    内に所定の細線を挿入し、このようなシール部材を当該
    シール部材を形成するコーン部の円錐面が上記ボデー内
    のテーパ面のところに接するように設置し、更に、当該
    シール部材の座面のところにスペーサを設置し、このよ
    うなスペーサのところに上記ボルトの先端部に形成され
    た円筒部の端面が接するようにボルトを設置し、このよ
    うな状態において、当該ボルトを上記ボデーの雌ネジ部
    に沿って締付けるようにしたことを特徴とするシール装
    置。
  2. 【請求項2】 円錐台状の形態からなるコーン部を基礎
    に形成されるものであって、当該コーン部の軸線方向
    に、当該軸線を中心にして放射状に形成される複数本の
    細孔を有するとともに当該コーン部を形成する円錐台の
    頂面側に設けられるものであってボデーの導入路内に挿
    入されるように形成された円柱状のガイド部及び上記円
    錐台状コーン部の台座側に設けられるものであって当該
    コーン部の軸線方向に所定の幅を有するように形成さ
    れ、更には上記ボデー側の中空部内周面にその外周部が
    接するように形成されたフランジ部を有するシール部材
    と、当該シール部材を収容するものであって、所定の室
    につながるように形成された導入路、及びこれにつなが
    るものであって上記シール部材の円錐面に対応する よう
    に形成されたテーパ面、更には当該テーパ面の大径側に
    つながるものであって上記導入路と同軸上に形成される
    中空部を有するボデーと、当該ボデーの入口側に設けら
    れた雌ネジ部とネジ結合する雄ネジ部を有するものであ
    って、その先端部に円筒部を有する中空状のボルトと、
    からなるとともに、このような構成からなる上記シール
    部材の細孔内に所定の細線を挿入し、このようなシール
    部材を当該シール部材を形成するコーン部の円錐面が上
    記ボデー内のテーパ面のところに接するように設置し、
    更に、当該シール部材の座面のところに上記ボルトの先
    端部に形成された円筒部の端面が接するようにボルトを
    設置し、このような状態において、当該ボルトを上記ボ
    デーの雌ネジ部に沿って締付けるようにしたことを特徴
    とするシール装置。
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