JP3499735B2 - カラーフィルターのブラックマトリックス形成用塗料および遮光膜パターンの形成方法 - Google Patents

カラーフィルターのブラックマトリックス形成用塗料および遮光膜パターンの形成方法

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JP3499735B2 JP31436997A JP31436997A JP3499735B2 JP 3499735 B2 JP3499735 B2 JP 3499735B2 JP 31436997 A JP31436997 A JP 31436997A JP 31436997 A JP31436997 A JP 31436997A JP 3499735 B2 JP3499735 B2 JP 3499735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置用
カラーフィルター、プラズマディスプレー等に用いられ
る遮光パターンを形成するための塗料および遮光膜パタ
ーンの形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、通常ガラスからな
る透明基板の上に、光の三原色である赤、青および緑の
画素を規則的に配列し、それらの画素の間にブラックマ
トリックスと呼ばれる遮光膜パターンを設けたものであ
る。ブラックマトリックスは、隣接する画素間の漏光を
防止し、コントラストおよび色純度の低下を防止する効
果を示す。そのような遮光膜パターンの薄い膜は、光透
過量が少なく、光反射率が低く、かつパターン精度(シ
ャープネス)が高いことが要求される。
【0003】従来のブラックマトリックスの材質として
は、次のようなものが挙げられる。まず、金属クロム薄
膜は、薄くて遮光性がよい反面、光反射率が高く約60
%であるという欠点があり、また、製作コストが比較的
高い。光反射率を低下させるために、金属クロム膜と酸
化クロム膜との2層構成にしたものがある。この場合は
光反射率は3%程度であるが、製作コストが更に高くな
るという欠点があり、かつ製作工程の排水処理に費用が
掛かる。
【0004】また、反射率の低いものとしては、カーボ
ンブラックや染料等の色材を感光性樹脂などに分散させ
た樹脂ブラックと呼ばれるものがあり、それを配合した
塗料を塗布し、乾燥して遮光膜を形成する。この遮光膜
の反射率は約1%まで改善することができる。しかし、
所定の遮光性にするためには、塗膜を厚くしなければな
らず、TFT(薄膜トランジスタ)用の遮光膜厚が0.
5μm以下では所望の光学濃度(光透過量)3程度のも
のが得られないのが現状である。また、塗料の樹脂は有
機溶剤で希釈して用いるため、製造および取扱い中の有
機溶剤処理に高価な装置が必要である。
【0005】ここで、光の反射率とは、遮光膜に垂直に
光を照射した場合の、照射光量に対する反射光量の比で
あり、アルミ蒸着基準板を100とした値である。ま
た、遮光性は、入射光量の10%の光透過量を光学濃度
1、光透過量1%を光学濃度2、および光透過量0.1
%を光学濃度3として示す値である。
【0006】一方、微粒の黒鉛粒子を分散剤を含む水に
懸濁させた塗料、あるいは更に結合剤として水溶性樹脂
を含む塗料を塗布、乾燥したブラックマトリックスがあ
る。黒鉛粒子は扁平であるから、薄い塗膜でも遮光性が
高い。光学濃度3のものを得るためには、膜厚が0.4
μm程度あればよい。水性塗料であるから取扱いが容易
である。しかし、光反射率が7%程度であり、カーボン
ブラックに比べると少し劣る。また、シャープネスも劣
り、ブラックマトリックスの線幅精度は±1〜2μm程
度である。従って、ブラックマトリックスの線幅が20
μm程度の場合には実用上問題はないが、線幅が数μm
程度になると輪郭の欠け状態が目立つようになる。最近
の液晶ディスプレーは開口率を高くする趨勢にあるた
め、±1μm以下の安定した線幅精度のものが求められ
ており、この点については十分な評価が得られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の各種のブラック
マトリックスの中で、最後に記述した水性の黒鉛塗料に
よるものは、フォトレジストパターンに塗布してリフト
オフする通常の方法によって、薄い塗膜で遮光率の高い
ブラックマトリックスが得られるという特長がある。ま
た、コストや安全衛生の点においても優れているので、
他のブラックマトリックスに代わってますます利用され
ることが期待されるが、塗膜の光反射率およびリフトオ
フ法で形成されるブラックマトリックスのシャープネス
がカーボンブラックには及ばないことが未解決の課題で
ある。この発明は、取扱い易さおよびコストの観点か
ら、前記のような水性塗料であって、しかも細い線幅の
パターンをシャープネスよく形成できること、塗料粒子
の結合性や塗膜の密着性が良いこと、薄くて遮光性が高
く、かつ光反射率が低い塗膜が得られ、さらに、通常の
塗膜形成方法のリフトオフ法以外の塗膜形成方法である
エッチング法やレーザーアブレーション法でも適用でき
ることなどの利点を兼ね備えたブラックマトリックス形
成用の塗料を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の塗料は、水4
0〜97重量%、水溶性のポリイミド樹脂組成物0.1
5〜10重量%および分散剤0.1〜10重量%の分散
媒中に、炭素粒子2〜20重量%が分散した懸濁液であ
って、前記炭素粒子は、粒子径(ストークスの法則によ
る球換算値)が3μm以下、粒子径0.1μm以下の粒
子の量が40〜95重量%、かつアスペクト比が1:1
0以上の黒鉛粒子100重量部に対し、カーボンブラッ
ク5〜100重量部を加えたものであることを特徴とす
る。また、この発明の塗料は、リフトオフ法、エッチン
グ法およびレーザーアブレーション法のいずれの遮光膜
パターン形成方法でもパターニングが可能であることが
特徴である。
【0009】以下にこの発明を更に詳細に説明する。塗
料の分散媒は水である。従って、有機溶剤のように火災
の危険を伴うことがなく、かつ環境を汚染せず衛生的で
あり、設備の清掃や塗料の希釈にも水を使用できるの
で、諸費用を節約することができる。
【0010】ポリイミド樹脂組成物は、塗料を塗布、乾
燥する際に炭素粒子を相互に結合し、基板に塗膜を密着
する作用を示す。耐熱性があり、酸性およびアルカリ性
のいずれの薬品に対しても耐久性を有するので、カラー
フィルターを製作する過程で処理薬品に触れても塗膜の
密着性が低下することはなく、精度よく能率的にカラー
フィルターを製作することができる。塗料中のポリイミ
ド樹脂組成物の含有量は0.15〜10重量%である。
この含有量は、炭素粒子を含むポリイミド樹脂塗膜とし
て十分な密着性、耐熱性、耐薬品性等を確保するために
必要な量である。含有量が0.15重量%未満では基板
に対する密着性および耐薬品性が不十分である。一方、
含有量が10重量%を超えると炭素粒子の添加量との関
係から遮光効果が低下する。
【0011】ポリイミド樹脂組成物は水溶性であり、ポ
リイミド前駆体を水溶化したものである。ポリイミド樹
脂は、有機溶剤や水に溶け難いため、特殊な有機溶剤に
溶かしたポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の状態で
加工した後、イミド化する。すなわち、ポリカルボン酸
とジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体に
窒素性塩基を作用させることにより水溶化してポリイミ
ド樹脂組成物を得ることができる。例えば、反応容器に
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物60部
と、メタフェニレンジアミン100部およびトリエチレ
ングリコール70部を入れて加熱撹拌し、水を留出しな
がら反応させ、反応系内の温度が130℃になった時点
で反応を停止し、80℃まで冷却した後、20%のアン
モニア水100部を滴下し、更に純水で希釈することに
より、固形分30〜40%のポリイミド樹脂組成物が得
られる。(特開平7−34031号公報)
【0012】分散剤としては、β−ナフタレンスルホン
酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダおよび
リグニンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。分散剤の
量は、0.1〜10重量%が適当であり、添加量が少な
すぎると炭素粒子の分散が不完全であり、多すぎると塗
膜の耐水性が悪くなったり、塗膜が厚くなり易いなどの
欠点が生じる。なお、炭素粒子の分散性をよくするため
に、安定剤としてアンモニア水を分散媒に添加して塗料
をアルカリ性に保つことが望ましい。また、塗料を撹拌
する必要がある場合は、消泡剤を添加することがある。
【0013】次に、炭素粒子は、微細で扁平な黒鉛と微
細なカーボンブラックとの混合物である。黒鉛粒子とカ
ーボンブラック粒子の量比については、黒鉛100重量
部に対してカーボンブラック5〜100重量部のとき
に、塗膜の反射率および遮光性が良好である。カーボン
ブラックの量が黒鉛の量の20分の1より少ないと、黒
鉛の性質だけが強く現れ、一方、カーボンブラックの量
が黒鉛の量より多くなると光反射率は低くなるが遮光性
が低下する。
【0014】黒鉛粒子の粒度については、粒子径がスト
ークス径として3μmより大きいと、遮光パターンの輪
郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなるので好
ましくない。また粒子径の大部分は0.1μm以下であ
ることが望ましいが、0.1μm以下の粒子径のものを
95重量%より多く含む黒鉛粒子は生産性が低く、コス
ト高になるので好ましくない。一方、0.1μm以下の
粒子径のものが40重量%よりも少ないと、基板に対す
る密着力が弱くなるので好ましくない。また、平均粒子
径に換算すると、ストークス径として0.05〜0.08
μm程度が望ましい。アスペクト比は1:10以上の扁
平であることが必要である。このような細かい薄片状の
粒子は、基板表面に重なり合った状態で並び、薄く緻密
な塗膜となり、密着性と遮光性を確保する。アスペクト
比1:10以上とは、厚さに対して幅が10倍以上ある
形状をいう。なお、ストークス径とは、光透過式沈降粒
度分布測定装置で測定した値であり、沈降速度の等しい
球の相当直径であり、ストークスの法則を用いて形状補
正を行わずに算出した球換算値で表したものである。一
例を示すと、厚さ0.01μm、縦幅0.35μm、横幅
0.15μmの短冊状粒子は、体積が0.00053μm
3であるが、球に換算したストークス径の値は0.10μ
mである。
【0015】一方、反射率を下げるためには、顔料表面
の正反射率が小さい材料であって、可視光線(400〜
750nm)の波長を吸収しやすいものが有効である。
カーボンブラックがこれに適合し、また、微細なカーボ
ンブラックは遮光パターンの線幅精度を向上させる。カ
ーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチ
レンブラックおよびチャンネルブラックなどのいずれも
同等に使用することができる。熱処理して結晶化させた
ものでもよいが、そのようなカーボンブラックは通常、
複数の一次粒子が集合した葡萄房状を示しており、スト
ラクチャー径が大きいものは好ましくない。カーボンブ
ラックの粒子径は0.08μm以下のものが効果があ
り、細かいものほど好ましい。
【0016】分散媒中の炭素粒子の量は、塗料の輸送、
保管、塗布装置などの相違によって必ずしも限定するこ
とはできないが、通常2〜20重量%の範囲であり、好
ましくは5〜10重量%程度である。炭素粒子の含有量
が少ない場合は、所定の遮光性のものを得るために塗膜
を厚くする必要があるが、塗布および乾燥の条件が厳し
くなり、厚い塗膜を形成することが困難になる。一方、
炭素粒子の含有量が多いと粘度が高く、塗布が困難にな
り、必要以上の膜厚になり易い。但し、塗料の輸送や保
管などのために、炭素粒子の含有量を上記の範囲よりも
高くしておくこともできる。
【0017】次に、上記の黒鉛とカーボンブラックとを
混合したブラックマトリックス塗膜について模式的に考
察する。扁平な黒鉛だけの塗膜は、アスペクト比が大き
いほど、薄い塗膜でも高い遮光性が得られる。薄い板が
ランダムに積み重なった状態であるから、光は透過し難
いが、細部においてブリッジ状の重なりが発生し、その
部分は遮光性が低下することになる。黒鉛塗膜の表面は
扁平な面の集まりであるため、光の反射率は比較的高
い。塗膜をリフトオフした後の基板に密着した黒鉛塗膜
の縁は、積み重なった扁平黒鉛粒子の外縁で形作られる
から、粒子が細かいほどシャープネスが良好になるが、
極端に微細なものは製作コストが嵩むため、シャープネ
スには限度がある。
【0018】一方、カーボンブラックは細かい粒子状で
ある。黒鉛粉末の比表面積(BETの吸着法による測定
値)は約30m2/g 、黒鉛塗膜にした場合の空隙率が約
17%であるのに対して、カーボンブラック粉末は比表
面積が約70〜120m2/g、塗膜にした場合の空隙率が
約50%である。カーボンブラックの塗膜は光反射し難
い表面状態を形成する。また、塗膜をリフトオフした後
に基板上に残存して密着した塗膜の縁は、切れ(シャー
プネス)が良好である。しかし、塗膜の粒子間に隙間を
生じ易く、光が漏れ易い構造になっているので、遮光性
を高めるためには塗膜を厚くしなければならない。カー
ボンブラックは比表面積が大きいので、粒子間を結着す
るために多量の結合剤が必要である。また、カーボンブ
ラックを均一に分散させるためには比表面積に見合う量
の分散剤が必要であり、塗膜とした場合に密着強度の低
下の原因になる。更にカーボンブラックは粒状であるた
めにガラスに対する密着性は劣る。
【0019】黒鉛とカーボンブラックが共存する塗膜の
構造は、扁平な黒鉛粒子の表面、粒子間、および積層し
た段差部を、その積層組織を乱すことなく、微細なカー
ボンブラックで充填した状態である。また、塗膜表面の
光反射性はカーボンブラックの性質に近付き、パターニ
ングした際の塗膜の縁はカーボンブラックによる切れ
(シャープネス)の良さが付与されて、細い線幅のマト
リックスが画然と形成されるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、実施例によりこの発明の
塗料を更に説明する。
【実施例】
<実施例1>純水と平均粒径5μmの天然鱗片状黒鉛粉
を、ボール充填率50%のボールミルに入れ粉砕した。
光学式粒度分布測定装置で測定した粒度(ストークス
径)は、粒子径1μm以下であって、0.1μm以下の
粒子の量が85重量%、平均粒子径は0.08μmであ
り、サンプリングした黒鉛を電子顕微鏡で観察した結
果、アスペクト比は1:20であった。カーボンブラッ
クは、粒子径が0.01〜0.08μmのファーネスブラ
ックである。結合剤の水溶性ポリイミド樹脂組成物は、
固形分が40%のものを用い、分散剤としてβ−ナフタ
レンスルホン酸ソーダ、および安定剤としてアンモニア
水を準備した。これらの材料を水に所定量調合し、撹拌
機で混合した。なお、ポリイミド樹脂組成物は、固形分
として40重量%のものの一定量(溶液で2.5%)を
用いた。
【0021】次に、パターニング方法について述べる。 (リフトオフ法によるパターニング)ガラス基板上にノ
ボラック系のポジ型レジストを塗布し、膜厚0.8μm
のレジスト皮膜を形成し、100〜120℃でプリベー
クした。その後、フォトマスクを用いてUV(紫外線)
露光を行った。次に、水酸化ナトリウムの1%水溶液で
現像してレジストパターンを作製した。また、レジスト
上に塗料を均一に塗布できるように、レジスト面をUV
洗浄して親水基を活性化した。次に、このレジストパタ
ーン側の基板面に前記の各塗料をスピンコーターで塗布
し、塗料を120℃で乾燥して塗膜を得た。次いで、基
板を0.5%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、レジ
ストパターンを膨潤させまたは溶解し、更にパターン面
に純水をスプレーして、レジストパターンとその上の
を除去してブラックマトリックスを得た。さらに、パ
ターニング後の塗膜耐性を向上させるために250℃で
ポストベークを行った。
【0022】表1に、調製した9種類の塗料の配合割合
と、各塗料により製作されたブラックマトリックスの特
性値を示す。各試料ともブラックマトリックスの塗膜厚
さは0.5μmである。特性値の光学濃度(OD値)お
よび反射率は、前記の方法によって測定した値である。
線幅精度は、顕微鏡で観察して画像解析装置により凹凸
状態を測定した結果である。また、密着性は、純水を満
たした超音波洗浄器中に基板を入れ、45kHz、600
Wの超音波で20分間処理した後のブラックマトリック
スの剥離状態を観察し、以下の基準で評価を行った。 ◎ 変化なし ○ 僅かに剥離が認められるが許容できる △ 少し剥離が認められ許容できない × 剥離が大きい
【0023】
【表1】
【0024】表1中、試料12〜14および16〜18
は本発明の実施例であり、試料11、15および19は
比較例である。試料11は、炭素粒子が黒鉛のみからな
るものであり、OD値および密着性は良好であるが、反
射率が大きく、線幅精度が劣る。試料15は、炭素粒子
がカーボンブラックのみからなるものであり、反射率が
小さく、線幅精度が良好であるが、OD値および密着性
が劣る。試料12〜14は、炭素粒子含有量を5重量%
とした場合に黒鉛とカーボンブラックとの量比の効果を
示すものであり、カーボンブラックの量が増大すると、
OD値および密着性は低下するが、反射率は小さく、線
幅精度が良好になることが分かる。試料16〜18は、
黒鉛と共存するカーボンブラックの粒子径と遮光膜の特
性との関係を示すものであり、カーボンブラックの粒子
径が大きくなると、OD値は低下し(遮光性が悪くな
り)、反射率が増加し、線幅精度は劣化し、密着性も僅
かに低下する。試料18のように、カーボンブラックの
粒子径が0.08μmのものでも、特性が試料11およ
び試料15の性質の間に入るので著しく不具合ではない
が、粒子径が小さいものを用いることによって、より好
ましい特性のものが得られることが分かる。試料19
は、黒鉛粒子100重量部に対し、カーボンブラック1
50重量部を加えたものであり、反射率および線幅精度
は良好であるが、OD値および密着性はよくない。
【0025】<実施例2>固形分40%の水溶性ポリイ
ミドの配合量を1.5重量%(溶液で3.8%)とした他
は、実施例1で作成した試料と同様の配合および方法で
塗料を作成した。
【0026】(エッチング法によるパターニング)ガラ
ス基板上に塗料をスピンコーターで塗布した後、180
℃でベークし塗膜を得た。次にノボラック系のポジ型レ
ジストを塗布し、膜厚2μmのレジスト皮膜を形成し1
00〜120℃でベークした。その後、フォトマスクを
用いてUV(紫外線)露光を行い、さらに、水酸化ナト
リウムの0.5%水溶液でレジストを現像してレジスト
パターンを作製した。次にレジストパターンの無い部分
の黒鉛塗膜を純水のスプレーでエッチングし、剥離現像
した。次いで、パターニングされた黒鉛塗膜上に残るレ
ジストパターンを1%水酸化ナトリウム水溶液で除去
し、純水でリンスしてブラックマトリックスを得た。さ
らに、パターニング後塗膜耐性を向上させるためポスト
ベークを行った。
【0027】表2に、調製した9種類の塗料の配合割合
と、各塗料により製作されたブラックマトリックスの特
性値を示す。各試料ともブラックマトリックスの塗膜厚
さは0.5μmである。なお、特性値の光学濃度(OD
値)および反射率、線幅精度、密着性は実施例1に記載
した方法と同様に測定した。
【0028】
【表2】
【0029】表2中、試料22〜24および26〜28
は本発明の実施例であり、試料21,25および29は
比較例である。得られた結果は、リフトオフ法で作成し
た場合の実施例1(表1)に記載したものと同様の傾向
を示す。すなわち、炭素粒子が黒鉛のみからなる試料2
1では、OD値および密着性は良好であるが、反射率が
大きく、線幅精度が劣る。炭素粒子がカーボンブラック
のみからなる試料25では、反射率が小さく、線幅精度
が良好であるが、OD値および密着性が劣る。これに対
し、炭素粒子含有量を5重量%とした場合に黒鉛とカー
ボンブラックとの量比の効果を示した試料22〜24で
は、カーボンブラックの量が増大すると、OD値および
密着性は低下するが、反射率は小さく、線幅精度が良好
になっている。また、黒鉛と共存するカーボンブラック
の粒子径と遮光膜の特性との関係を示した試料26〜2
8では、カーボンブラックの粒子径が大きくなると、O
D値は低下し(遮光性が悪くなり)、反射率が増加し、
線幅精度は劣化し、密着性も僅かに低下している。カー
ボンブラックの粒子径が0.08μmの試料28の性質
は試料21および試料25の間に入るので著しく不具合
ではないが、粒子径が小さいものを用いることによっ
て、より好ましい特性のものが得られることが分かる。
黒鉛粒子100重量部に対し、カーボンブラック150
重量部を加えた試料29では、反射率および線幅精度は
良好であるが、OD値および密着性はよくない。
【0030】<実施例3>用いるカーボンブラックを粒
子径0.035μmのものとし、水溶性ポリイミドの配
合量を1.5重量%(溶液で3.8%)、3.0重量%
(溶液で7.5%)および5.0重量%(溶液で12.5
%)とした他は、実施例1および2(表1、2)と同様
の材料および方法で10種類の塗料を調整した。
【0031】(レーザーアブレーション法によるパター
ニング)ガラス基板上に塗料をスピンコーターで塗布
し、250℃でベークし塗膜を得た。この黒鉛塗膜に波
長248nmのエキシマレーザー光をマスクを介して結
像させ結像面の塗膜をアブレート(除去)した。その
後、純水の高圧スプレーで洗浄しブラックマトリックス
を得た。
【0032】表3に、調製した10種類の塗料の配合割
合と、各塗料により製作されたブラックマトリックスの
特性値を示す。各試料ともブラックマトリックスの塗膜
厚さは0.5μmである。なお、特性値の光学濃度(O
D値)および反射率、線幅精度、密着性は実施例1に記
載した方法と同様に測定した。
【0033】
【表3】
【0034】表3中、試料32〜34および試料36〜
39は本発明の実施例であり、試料31、35および4
0は比較例である。炭素粒子が黒鉛のみからなる試料3
1では、OD値および密着性は良好であるが、反射率が
大きく、線幅精度が劣る。炭素粒子がカーボンブラック
のみからなる試料35では、反射率が小さく、線幅精度
が良好であるが、OD値が劣る。黒鉛粒子100重量部
に対し、カーボンブラック150重量部とした試料40
では、反射率および線幅精度は良好であるが、OD値は
低く、密着性もやや劣る。これに対し、炭素粒子含有量
を5重量%とした場合に黒鉛とカーボンブラックとの量
比の効果を示した試料32〜35では、カーボンブラッ
クの量が増大すると、OD値は低下するが、反射率は小
さく、線幅精度が良好になる。試料36〜39は、黒鉛
含有量4.5重量%、カーボンブラック含有量0.5重量
%および黒鉛含有量4.0重量%、カーボンブラック含
有量1.0重量%として、水溶性ポリイミドの量を変化
させたものである。水溶性ポリイミドの量が多いほど反
射率が小さく、線幅精度が良好になることがわかる。ま
た、レーザーアブレーション法によるパターニングで
は、塗膜を完全にベークした後にレーザー光によりアブ
レートするため、塗膜が未硬化の状態で現像液などにさ
らされることが無いので、塗膜とガラスとの密着性が良
好である。
【0035】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明のブラ
ックマトリックス形成用塗料は、水分散塗料であるた
め、濃度の調整に水を使用することができ、有機溶剤を
使用していないので経済性、安全衛生の観点から優れて
いる。水溶性の樹脂を含有しているので、基板との密着
性および塗膜の強度も高く、また、その樹脂は、耐熱性
および耐薬品性を有するため、塗膜製作時および色素を
付設する際に塗膜の剥離が起こり難く、生産性も優れて
いる。また、遮光物は特定割合の黒鉛とカーボンブラッ
クとの混合物であるため、それぞれが有する有利な性質
を兼ね備えており、薄い塗膜で遮光性が良く、光反射が
少なく、細い線幅のブラックマトリックスをシャープネ
ス良く形成することができるので、液晶ディスプレー画
面の明るさおよびコントラストを向上させ、また、低廉
なカラーフィルターの提供に寄与することができる。さ
らに、この発明のブラックマトリックス形成用塗料は、
リフトオフ法、エッチング法およびレーザーアブレーシ
ョン法のいずれの遮光膜パターン形成方法でもパターニ
ングが可能であるので、カラーフィルターの製造者が適
宜、製造工程を選択することができ、汎用性が高い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−34031(JP,A) 特開 平6−11613(JP,A) 特開 平8−314131(JP,A) 特開 平9−80221(JP,A) 特開 平8−146408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 101 C09D 5/00 C09D 179/08 G02B 5/00 G02F 1/1335 505

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水40〜97重量%、水溶性ポリイミド
    樹脂組成物0.15〜10重量%、分散剤0.1〜10重
    量%、および炭素粒子2〜20重量%の組成を有する懸
    濁液であって、前記炭素粒子は粒子径(ストークスの法
    則による球換算値)が3μm以下で粒子径0.1μm以
    下の粒子の量が40〜95重量%であり、かつアスペク
    ト比が1:10以上の黒鉛粒子100重量部に対し、5
    〜100重量部のカーボンブラックを加えたものである
    ことを特徴とするカラーフィルターのブラックマトリッ
    クス形成用塗料。
  2. 【請求項2】 レジストパターンを施した透明基板に、
    請求項1に記載のブラックマトリックス形成用塗料を塗
    布乾燥して塗膜を形成した後、レジストパターン部分を
    除去して透明基板上に遮光膜パターンを形成する方法。
  3. 【請求項3】 透明基板に、請求項1に記載のブラック
    マトリックス形成用塗料を塗布乾燥して塗膜を形成した
    後、該塗膜上にレジストパターンを形成して黒鉛塗膜を
    エッチングし、次いでレジストパターン部分を除去して
    透明基板上に遮光膜パターンを形成する方法。
  4. 【請求項4】 透明基板に、請求項1に記載のブラック
    マトリックス形成用塗料を塗布後、ベーキングして塗膜
    を形成し、レーザー光により該塗膜をアブレートするこ
    とで透明基板上に遮光膜パターンを形成する方法。
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