JP3499642B2 - 伸縮性不織布、衣料用締めつけ材及びそれらの製造方法 - Google Patents
伸縮性不織布、衣料用締めつけ材及びそれらの製造方法Info
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Description
衣料用締めつけ材及びそれらの製造方法に関するもので
ある。
又は裾口としては、トリコット編物が使われ、袖又は裾
の内周あるいは外周に接合されている。このようなトリ
コット編物は、裁断面がほつれないようにするために、
折り返しが必要である。そのため、袖口又は裾口の先端
を内側へ折り返し、略U字となったその折り返し先端を
約2倍に伸ばした状態で袖又は裾の先端と重ね合わせて
その周囲を縫着している。
又は裾口として衣料の袖又は裾に接合するには、筒状に
裁断したトリコット編物に張力をかけながらミシン等に
より縫製することによって行われるが、トリコット編物
はしなやかすぎるため、接合する際に折り返しや取扱い
が困難であり、加工に手間がかかり、コストが高くなる
欠点があった。さらに、トリコット編物はミシンで縫着
する際、トリコット編物の一部がミシン針で切断され
て、いわゆるランが起こり易いという問題もあった。一
方、従来の伸縮性不織布では、伸長後の回復性が必ずし
も十分でないため、着用後に身体に密着しないという問
題があった。また、伸縮性不織布だけの場合には、着用
時に伸縮性不織布がタテ方向にも伸長するため、着用が
困難であるという問題があった。ここでいうタテ方向と
は、不織布では長手方向、衣料では袖口の袖丈方向、ヨ
コ方向とは、不織布では幅方向、衣料では袖口の円周方
向をいう。
め、この出願発明は、タテ方向の伸縮性が抑制された、
伸縮性および伸長後の弾性回復性が高い不織布、あるい
は、とくにループ状捲縮繊維を有する伸縮性シートが接
着剤で処理されている伸縮性不織布を用いたものであ
る。具体的に伸縮性不織布は、タテ方向の伸縮性が抑制
された不織布であって、ループ状捲縮繊維からなる伸縮
性不織布であり、三次元絡合したウェブからなる伸縮性
不織布であり、タテ方向に一方向性ウェブを含む伸縮性
不織布であり、タテ方向にステッチ処理されている伸縮
性不織布であり、タテ方向に熱圧着されていることを特
徴とする請求項1〜3に記載の伸縮性不織布であり、タ
テ方向にウェブが伸長されている伸縮性不織布であり、
接着剤で処理されている伸縮性不織布であり、また、接
着剤が弾性を有する伸縮性不織布である。この出願発明
の伸縮性不織布は衣料用締めつけ材として好適であり、
衣料の袖、裾、襟または帽子、手袋等の締めつけ部分に
於いて使用するのがとくに好適である。また、適用され
る衣料としては何でもよいが、特に好適なものは、例え
ば、病院で用いるサージカルガウン、アイソレーション
ガウン、手術用帽子、シューカバーなどの使い捨て衣料
で、電子線やγ線による滅菌処理に耐えるものがより好
ましい。
れている伸縮性不織布からなる衣料用締めつけ材は、た
とえば、ループ状捲縮繊維を有するウェブを三次元絡合
し、次いで接着剤で処理する方法、潜在捲縮性繊維を有
するウェブを三次元絡合し、熱処理し、次いで接着剤で
処理する方法、潜在捲縮性繊維を有するウェブを三次元
絡合し、熱処理及びタテ方向に伸長する方法、熱可塑性
樹脂を溶融紡糸した潜在捲縮性ウェブを熱処理し、次い
で接着剤で処理する方法、タテ方向に一方向性ウェブを
含ませる方法、タテ方向にステッチ処理する方法、タテ
方向に熱圧着処理する方法、ウェブをタテ方向に伸長す
る方法、接着剤として弾性を有する接着剤を使用して製
造する方法等によって製造される。ここでステッチ処理
とは、糸で縫ったり、編んだりする処理をいう。タテ方
向に伸長する方法の場合、熱処理と伸長を同時に行って
もよいし、いずれか一方を先に行ってもよい。
布は、着用時の伸縮性不織布のタテ方向への伸長をおさ
えることができるので、容易に着用することができる。
えば、潜在捲縮性繊維を主体とするウェブをニードルパ
ンチ、あるいは、水流等により絡合した後、熱処理等に
よりループ状捲縮を発現させたもの、また、ポリウレタ
ンなどのエラストマーからなるスパンボンド不織布、メ
ルトブロー不織布等を接着剤で処理したもの等が好適で
あり、複合紡糸法等によるスパンボンド不織布、メルト
ブロー不織布に、ループ状捲縮を発現させ、接着剤で処
理したものも適している。
R等の合成ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン、ス
チレン−ブタジエン−スチレン、ウレタン系等のエラス
トマー、アクリル系、エチレンメチルアクリレート、エ
チレン酢ビ等の合成樹脂またはこれらの変性体及びこれ
らの混合したものが使用でき、弾性を有するものが好ま
しい。また、接着剤で処理する方法としては、含浸法、
スプレー法、コーティング法、プリント法などを用いる
ことができ、とくに、プリント法の場合は、線状に連続
または不連続に行うのが好ましい。
2層以上の複層で用いることもでき、複層にすることに
より、より強い伸縮性を得ることもできる。また、不織
布は伸長したときに、しなやかさと弾性をもつことが好
ましい。不織布に用いる繊維としては、合成繊維が主体
に用いられるが、天然繊維、再生繊維などが混合されて
いてもよく、電子線、γ線等による滅菌処理の点ではポ
リエステル繊維がより好適である。また、手術時におけ
る発汗を考慮すると、レーヨン等の吸湿性、吸水性の繊
維を混合して用いることも好ましい。
て70%伸長後の弾性回復率が、ヨコ方向つまり円周方
向で70%以上が好ましく、80%以上がより好適であ
る。70%未満であれば、衣料における袖口又は裾口と
しては拳などを通す時、伸び切ってしまうことがあり、
着用感、外観が悪いので好ましくない。
ンによる縫着、超音波等による融着、接着剤等による接
着など通常の接合手段によって行うことができる。
は、JIS L 1096(一般織物試験方法)の伸長
弾性率に準じて引張試験機により幅5cmの試験片を、
つかみ間隔10cmの点Aから引張速度20cm/mi
n、で引張り、つかみ間隔の70%まで引き伸ばした点
B(7cm)から、同速度で戻した時に、応力がゼロに
なった点Cと点Aとの長さをL(cm)とし、次式によ
り算出した。
これに限定されるものではない。参考例1 レギュラーポリエステル繊維(2デニール、64mm
長)60%とポリエステル系の二成分からなる芯鞘型複
合熱可塑性繊維(4デニール、51mm長)40%を均
一に混合した後、解繊して概ね一方向に繊維が配列され
た一方向ウェブ(A)を作り、このウェブの上にポリエ
ステル系潜在捲縮繊維(2デニール、51mm長)10
0%のクロスレイウェブ(B)をA:B=1:3の割合
で積層した。この積層ウェブを針密度50本/cm2の
ニードルパンチにより絡合せしめた後、200℃に加熱
してループ状捲縮を発現させながら、タテ方向にテンシ
ョンをかけることにより、幅方向に伸縮性を有する目付
140g/m2の不織布を得た。ついで、この伸縮性不
織布の幅方向を長辺として20×10cmに裁断して円
周18cm(LLサイズ用)の袖口とし、袖に縫着し
た。このときトリコット編物に比べてタテ方向の伸長時
の応力が高いため、延反、裁断、縫製等の作業性に優れ
ていた。このようにして得た袖口は、フィット性がよ
く、裁断面のほつれもなく、また、一方向ウェブにより
タテ方向の伸縮性が抑制されているので、着用時にタテ
方向に延びが少ないため、着用がスムーズであり、肌触
りもよく、手首によくフィットしていた。
長)100%のウェブを作り、針密度50本/cm2の
ニードルパンチにより絡合せしめた後、200℃に加熱
してループ状捲縮を発現させ、目付150g/m2の伸
縮性シートを得た。さらにこのシートに、アクリル系バ
インダーを含浸し、乾燥させて目付180g/m2の伸
縮性不織布を得た後、伸縮性のないポリエステル糸を用
い、タテ方向に5mm間隔でステッチ処理をした。つい
で、この伸縮性不織布を20×20cmに裁断し、タテ
方向の長さが10cmとなるように二重折りにして縫合
し、折り返して円周18cm(LLサイズ用)の袖口と
し、袖に縫着した。このようにして、フィット性がよ
く、裁断面のほつれもなく、また、トリコット編物に比
べて平滑な袖口が得られた。この袖口は着用時にステッ
チ処理によりタテ方向の伸縮性が抑制されるので、着用
時にタテ方向への伸びが少ないため、着用がスムーズで
あり、肌触りもよく、手首によくフィットしていた。
長)100%のウェブを作り、高圧柱状水流により絡合
せしめた後、180℃に加熱してループ状捲縮を発現さ
せ、目付85g/m2の伸縮性シートを得た。さらにこ
のシートに、アクリル系バインダーを含浸し、乾燥させ
て目付105g/m2の伸縮性不織布を得た。ついでこ
の伸縮性不織布を18×16cmに裁断し、タテ方向の
長さが8cmになるように二重折りして縫合し、折り返
して円周16.5cm(Lサイズ用)の袖口とし、袖に
縫着した。このようにして、フィット性がよく、裁断面
のほつれもなく、また、トリコット編物に比べて平滑な
袖口が得られた。また、手首の太さが18cmの人が着
用したところ、接着剤によりタテ方向の伸縮も抑制され
るので、着用がスムーズであり、肌触りもよく、手首に
よくフィットし、リントの発生も少なかった。なお、こ
の伸縮性不織布は、ヨコ方向の70%伸長後の弾性回復
率86.9%であった。
長)100%のウェブを作り、針密度100本/cm2
のニードルパンチにより絡合せしめた後、180℃に加
熱してループ状捲縮を発現させ、目付100g/m2の
伸縮性シートを得た。さらにこのシートに、アクリル系
バインダーをスプレーし、乾燥させて目付160g/m
2の伸縮性不織布を得た。ついで、この伸縮性不織布を
18×10cmに裁断して円周16.5cm(Lサイズ
用)の袖口とし、使い捨てガウンの袖に縫着した。この
ようにして、得られた袖口は、裁断面のほつれもなく、
また、トリコット編物に比べて平滑な袖口が得られた。
また、手首の太さ18cmの人が着用したところ、接着
剤によりタテ方向の伸縮性も抑制されるので、着用がス
ムーズであり、肌触りもよく、手首によくフィットし、
また、リントの発生も少なかった。なお、この伸縮性不
織布は、円周方向の70%伸長後の弾性回復率は82.
5%であった。
長)100%のウェブを作り、針密度100本/cm2
のニードルパンチにより絡合せしめた後、180℃に加
熱してループ状捲縮を発現させ、目付100g/m2の
伸縮性シートを得た。この接着剤を含まない伸縮性シー
トを18×10cmに裁断して円周16.5cm(Lサ
イズ用)の袖口とし、使い捨てガウンの袖に縫着した。
このようにして得られた袖口は、手首の太さ18cmの
人が着用したところ、伸長後の弾性回復率が低く、着用
時のフィット性に乏しいものであった。
長)70%、レギュラーポリエステル繊維(2デニー
ル、64mm長)30%のウェブを作り、針密度50本
/cm2のニードルパンチにより絡合せしめた後、20
0℃に加熱してループ状捲縮を発現させ、目付140g
/m2の伸縮性シートを得た。さらにこのシートに、ア
クリル系バインダーを含浸し、乾燥させて目付180g
/m2の伸縮性不織布を得た。ついで、この伸縮性不織
布を20×10cmに裁断して円周18cm(LLサイ
ズ用)の袖口とし、袖に縫着した。このようにして、得
られた袖口は、裁断面のほつれもなく、また、トリコッ
ト編物に比べて平滑な袖口が得られた。また、手首の太
さ20cmの人が着用したところ、接着剤によりタテ方
向の伸縮性も抑制されるので、着用がスムーズであり、
肌触りもよく、手首によくフィットしていた。この伸縮
性不織布は、円周方向の70%伸長後の弾性回復率が7
6.8%を示した。
長)70%、レギュラーポリエステル繊維(2デニー
ル、64mm長)30%のウェブを作り、針密度50本
/cm2のニードルパンチにより絡合せしめた後、20
0℃に加熱してループ状捲縮を発現させ、目付140g
/m2の伸縮性シートを得た。ついで、この接着剤を含
まない伸縮性シートを20×10cmに裁断して円周1
8cm(LLサイズ用)の袖口とし、袖に縫着した。こ
のようにして得られた袖口は、手首の太さ20cmの人
が着用したところ伸長後の弾性回復率が低く、着用時の
フィット性に乏しいものであった。
布を135℃に加熱してループ状捲縮を発現させて、目
付75g/m2の伸縮性シートを得た。さらにこのシー
トにウレタン系バインダーを含浸し、乾燥させて目付9
5g/m2の伸縮性不織布を得た。この伸縮性不織布を
用い、裁断し、縫製して帽子を作ったところ、裁断面の
ほつれもなく、接着剤によりタテ方向の伸縮性も抑制さ
れているので、伸長後の弾性回復率も高いため、非常に
フィット性に優れたものであった。
した伸縮性不織布、とくに衣料用締めつけ材は、タテ方
向の伸縮が抑えられているので着用が容易である。ま
た、伸縮性不織布が接着剤で処理されている場合には、
接着剤を含まない単なる伸縮性不織布の衣料用締めつけ
材と異なり、伸長回復性がよいので、フィット性がよ
く、またリントの発生も少ない。さらに、トリコット編
物のように裁断部がほつれることがないので、単層でも
折り返すことなくミシン、超音波、接着剤等によっても
容易に衣料の袖と袖口又は裾と裾口とを接合することが
できる。従来の袖口又は裾口に比べて、裁断面がほつれ
ないことによって加工工程が単純になるので、簡単に、
しかも、安価に、フィット性に優れた袖口又は裾口を有
する衣料を提供することができ、低コストが要求される
使い捨て衣料品において特に効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】 潜在捲縮性繊維を熱処理により発現させ
たループ状捲縮繊維を主体とする水流絡合したウェブ
の、タテ方向の伸縮性が接着剤で処理されて抑制されて
いることを特徴とする伸縮性不織布。 - 【請求項2】 接着剤が弾性を有することを特徴とする
請求項1に記載の伸縮性不織布。 - 【請求項3】 潜在捲縮性繊維を熱処理により発現させ
たループ状捲縮繊維を有するウェブを水流絡合し、次い
で接着剤で処理することを特徴とする請求項1又は請求
項2に記載の伸縮性不織布の製造方法。 - 【請求項4】 潜在捲縮性繊維を有するウェブを水流絡
合し、熱処理してループ状捲縮繊維を形成し、次いで接
着剤で処理することを特徴とする請求項1又は請求項2
に記載の伸縮性不織布の製造方法。 - 【請求項5】 接着剤が弾性を有することを特徴とする
請求項3または4に記載の伸縮性不織布の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6-62182 | 1994-03-08 | ||
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Publications (2)
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JPH07300752A JPH07300752A (ja) | 1995-11-14 |
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ID=26403244
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JP07242895A Expired - Fee Related JP3499642B2 (ja) | 1994-03-08 | 1995-03-07 | 伸縮性不織布、衣料用締めつけ材及びそれらの製造方法 |
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DE102008024945B4 (de) * | 2007-08-22 | 2016-02-25 | Eswegee Vliesstoff Gmbh | Verfahren zur Herstellung eines dehnbaren, elastischen Vliesstoffes |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP07242895A patent/JP3499642B2/ja not_active Expired - Fee Related
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