JP2017093741A - 関節装具 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定力の確保及び装着者の体表面に対する追従性の確保が両立された関節装具を提供する。
【解決手段】本体部1と、本体部に連接されるベルト部2と、本体部又はベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される本体部側端部38、及びベルト部の周径方向先端部側に設けられ、ベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される先端部側端部39を有するインナーベルト部3と、を備え、ベルト部に対する先端部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向におけるベルト部の全長の13.9〜100%であり、本体部又はベルト部に対する本体部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における本体部又はベルト部の全長の13.9〜100%であり、周径方向と垂直な方向におけるベルト部の伸長力は、6.6〜78.0Nである関節装具。
【選択図】図2

Description

本発明は、肘関節や膝関節等を被覆する関節装具に関する。特に、所望の固定力を備え、且つ、装着者の体表面に対する追従性が確保された関節装具に関する。
現在、疾患の発生予防や、手術後の回復補助を目的とした種々の関節装具が開発されている。この種の関節装具としては、特許文献1及び特許文献2に開示されているような関節装具が知られている。特許文献1に開示された関節装具は、膝の前部を被う正面部と、この正面部に一体となって連なり、膝の後部を被う背面部と、この背面部の先端を3に分けて突出させることにより形成され、先端にそれぞれベルベット式ファスナを有し、膝の側部において、前記正面部の端部にそれぞれ接合して留められる取付け部と、伸縮性を有するテープ状体よりなり、先端にそれぞれベルベット式ファスナを有し、基部が前記正面部の背面部に連なる部分に取付けられ、前記正面部上に重なり、膝の前部の上部又は下部を通って、背面部に接合して留められずれ止めとなる2の押さえ部と、前記正面部と背面部の連接部分及び正面部の端部付近にそれぞれ設けられ、膝の側部に位置するリブ体と、前記正面部の裏面に突設され、膝蓋骨の周囲に接してずれ止めとなる蓋骨当て部とからなるものである。
一方、特許文献2に開示された関節装具は、伸展状態の関節屈曲部外面に対応した形状を呈する関節屈曲部外面被覆用伸縮性生地部片と、屈曲状態の関節屈曲部内面に対応した形状を呈する関節屈曲部内面被覆用伸縮性生地部片との接合筒状体から成ることを特徴とするものである。
特開平7−213544号公報 特開平9−276326号公報
このような従来の関節装具において、例えば特許文献1に開示されているような関節装具に関しては、前記押さえ部を備えているが故、関節装具の周径方向に沿った固定力が増大され、装着者に対して関節装具の固定力を確保することができる。
しかし、この関節装具では固定力が確保されている分、例えば関節の屈曲運動時、伸展運動時における装着者の体表面に対する関節装具の追従性が損なわれ、関節の屈曲運動や伸展運動を繰り返すうちに関節装具の装着位置が変位してしまう可能性があった。その結果、関節装具が適正な位置に装着されず、関節の回復効果が損なわれるといった問題があった。
一方、例えば特許文献2に開示されているような関節装具に関しては、伸展状態の関節屈曲部外面に対応した形状を呈する部材と、屈曲状態の関節屈曲部内面に対応した形状を呈する部材とからなり、関節に対する関節装具の適応性を重視している分、関節装具の周径方向に沿った固定力が損なわれる。このため、関節に対して適度な圧迫感を与えることができず、もって関節を制動することができない可能性があった。その結果、関節の回復効果が損なわれるといった問題があった。
すなわち、従来の関節装具において、装着者に対する所望の固定力を具備させ、且つ、装着者の体表面に対する関節装具の追従性を確保させることは困難であった。
本発明はこの課題に鑑みなされたものであり、固定力の確保及び装着者の体表面に対する追従性の確保が両立された関節装具を提供することを主目的とする。
すなわち、本発明は、本体部と、前記本体部に連接されるベルト部と、前記本体部又はベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される本体部側端部、及び前記ベルト部の周径方向先端部側に設けられ、前記ベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される先端部側端部を有するインナーベルト部と、を備え、前記ベルト部に対する前記先端部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における前記ベルト部の全長の13.9〜100%であり、前記本体部又は前記ベルト部に対する前記本体部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における前記本体部又は前記ベルト部の全長の13.9〜100%であり、前記周径方向と垂直な方向における前記ベルト部の伸長力は、6.6〜78.0Nである。
この関節装具において、周径方向における前記ベルト部の伸長力は、2.6〜28.9Nであり、周径方向における前記インナーベルト部の伸長力は、4.1〜57.9Nであってもよい。
また、前記関節装具において、前記インナーベルト部は、前記先端部側端部が、前記ベルト部に対して第一の先端部側連結部と第二の先端部側連結部の二箇所で連結され、前記本体部側端部が、前記本体部又はベルト部に対して第一の本体部側連結部と第二の本体部側連結部の二箇所で連結され、前記第一の先端部側連結部と前記第二の先端部側連結部の間に設けられ、前記本体部又はベルト部に連結されない第一の切欠部と、前記第一の本体部側連結部と前記第二の本体部側連結部の間に設けられ、前記ベルト部に連結されない第二の切欠部と、を備えていてもよい。
更に、前記関節装具において、前記インナーベルト部は、三層ラミネートウレタンからなる構成であってもよい。
また、前記関節装具において、周径方向における前記本体部の伸長力は10.2〜35.8Nであり、前記周径方向と垂直な方向における前記本体部の伸長力は19.8〜82.7Nであってもよい。
更に、前記関節装具において、前記本体部は、収縮補助部を備えていてもよい。
また、前記関節装具において、前記本体部は、ダブルラッセル生地で形成されていてもよい。
更に、前記関節装具において、前記ベルト部及びインナーベルト部は夫々一対設けられ、一対のベルト部は、周径方向に前記本体部を挟んで設けられていてもよい。この関節装具において、前記一対のベルト部のうち少なくとも一方のベルト部は、三層ラミネートウレタンからなる構成であってもよい。
また、前記関節装具において、前記関節装具は、膝関節装具又は肘関節装具であってもよい。
本発明の関節装具によれば、固定力の確保及び装着者の体表面に対する追従性の確保が両立されるため、装着時における過度な圧迫感や痛みを与えることなく固定でき、更に関節の屈曲運動時又は伸展運動時における装着位置の変位を防止することができる。その結果、関節疾患の回復を促すことができる。
本発明を適用可能な第一の実施形態に係る関節装具の装着状態を示す斜視図である。 図1の関節装具に係る装着者に対向する面を示す正面図である。 図1の関節装具が備えるインナーベルト部の結合箇所の部分拡大図である。 図1の関節装具の外側面を示す正面図である。 本発明を適用可能な第二の実施形態に係る関節装具の正面図である。 本発明を適用可能な第三の実施形態に係る関節装具の正面図である。
以下、本発明を適用可能な実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<1.第一の実施形態に係る関節装具>
図1〜4を用いて、本発明を適用可能な第一実施形態に係る関節装具を説明する。当該関節装具101は、装着者の膝関節を被覆する装具であって、装着者の後膝部を覆う本体部1と、装着者の後膝部から両側部を介して前膝部に巻き回される一対のベルト部2と、当該関節装具101の内側面に設けられる一対のインナーベルト部3と、を備える。以下に、各部について詳細に説明する。
尚、図1〜4では、前記本体部1と各ベルト部2との境界面を容易に判別することができるよう、当該境界面を実線にて表しているが、前記本体部1と一対のベルト部2とが一体に成形され、一様な本体部を構成してもよい。
また、図1では、第一実施形態に係る関節装具101が装着者の左脚に装着される状態を示しているが、本発明を適用可能な関節装具は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができる。
<2.本体部>
前記本体部1は装着時、装着者の後膝部を覆うようにして配置される。当該本体部1は略矩形状に形成され、周径方向と垂直な方向の長さ(図2に示す矢線X方向長さ)が100〜350mmであり、好ましくは160〜250mmである。一方、前記本体部1の周径方向の長さ(図2に示す矢線Y方向長さ)は60〜250mmであり、好ましくは122〜167mmである。尚、個人差により膝関節の大きさ、特に膝関節の周径方向の長さが異なることが通常である。このため、本発明に係る関節装具における各部の周径方向の長さ及び周径方向と垂直な方向の長さは装着者の膝関節の大きさに対応するように調整することができる。
また、この本体部1は、通常関節装具の成形に使用される伸縮性素材からなり、例えば糸素材を編成した編物として形成されている。このため、前記本体部1は、装着者の膝の周径方向及び当該周径方向と垂直な方向に伸縮する構成となっている。
この本体部1において、前記周径方向の伸長力は10.2〜35.8Nであり、好ましくは16.4〜25.6Nである。一方、前記本体部1において、前記周径方向と垂直な方向の伸長力は19.8〜82.7Nであり、好ましくは40.3〜55.2Nである。
前記本体部1における周径方向の伸長力及び前記周径方向と垂直な方向の伸長力が前記範囲に設定されることで、装着者の皮膚の伸縮状態に応じて伸縮することができる。すなわち、装着者の体表面に対する追従性が確保される。
前記周径方向の伸長力とは、前記本体部1の初期状態における引張伸度を0%とした場合、当該本体部1を周径方向に引張り、引張伸度が20%になった際に当該本体部1に作用している応力のことを指す。
一方、前記周径方向と垂直な方向の伸長力とは、前記本体部1の初期状態における引張伸度を0%とした場合、当該本体部1を周径方向と垂直な方向に引張り、引張伸度が50%になった際に当該本体部1に作用している応力のことを指す。
尚、前記「引張伸度」とは、本体部1が周径方向の長さ又は周径方向と垂直な方向長さの伸長割合を指す。
ここで、周径方向の伸長力、及び周径方向と垂直な方向の伸長力の測定方法について説明する。
すなわち、各伸長力の測定には、定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ(登録商標)”AG−20KNI、1kNロードセル)を用いることができる。
前記本体部1を所定長さに切断して試験片を作成し、当該試験片を前記定速伸長形引張試験機に取り付ける。この際、つかみ長さ25mmとし、つかみ間隔を100mmとする。そして、毎分つかみ間隔100mmの速度で前記試験片を引っ張り、各伸長力を測定する。その後、測定した伸長力をつかみ長さで割ることで単位長さ当たりの伸長力を算出することができる。
尚、当該測定方法は一例であって、各伸長力の測定方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により測定することができる。
また、本体部1を構成する糸素材としては、各伸長力が前記範囲内に設定されるものであれば特に限定されず、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
また、前記本体部1の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。これらの中で、各伸長力を前記範囲内とすることができ、且つ、通気性を確保して装着感を向上させることができる生地が好ましく、ダブルラッセル生地とすることが好ましい。ここで、ダブルラッセル生地は一本の糸から編目を作りながらループと呼ばれる輪をつなぎ合わせて作り、ループがもつ弾力性で伸長力に寄与することができ、前記ループから空気を透過させる事が出来る。このため、ダブルラッセル生地を用いることにより、通気性を確保することができる。また、伸長性や伸縮性は、これらの編組織を構成する糸にポリウレタン系繊維のカバードヤーンやゴム糸等の弾性糸を挿入したり、これらの弾性糸の挿入本数を調節したりすることで、調節することが可能である。ポリアミド系糸等の地糸にポリウレタン糸やゴム糸等の弾性糸を挿入した筒状のゴム編物(リブ編物)として、丸編み機や靴下編み機により好適に編成され得る。
以上のような前記本体部1は、必要に応じて、収縮補助部11を備えていてもよい。当該収縮補助部11は、前記本体部1の周径方向と垂直な方向に関し、当該本体部1の中央に形成されている。第一実施形態に係る関節装具101において、前記収縮補助部11は本体部1に対して糸素材を縫製することにより完成するようになっている。
その結果、前記本体部1が伸縮した際には、前記収縮補助部11に応力が集中することとなり、本体部1全体が前記収縮補助部11に向かって収縮するようになっている。
尚、前記収縮補助部11は、本体部1全体の収縮を促すことができる構成であればよく、例えば、本体部1全体は周径方向と垂直な方向、且つ、本体部1の中央に向かって収縮することができるよう、周径方向に沿った折り目がついたベルト部材を別に設けるようにしてもよい。
<3.ベルト部>
次に、第一実施形態に係る関節装具101が備えるベルト部2について説明する。第一実施形態に係る関節装具101は、前記本体部1に隣接して設けられる一対のベルト部2を備え、前記本体部1は関節装具101の周径方向において一対のベルト部2に挟まれている。以下の説明において、便宜上、紙面左側に図示されるベルト部2を「第一ベルト部21」と称し、紙面右側に図示されるベルト部2を「第二ベルト部22」と称す。
尚、第一実施形態に係る関節装具101では、各ベルト部2が連結部4を介して前記本体部1に連接されている。各連結部4は本体部1の一部をなしており、その内部にはステーが内蔵されている。このステーは膝関節の捻りの制御や膝関節の内側及び外側への移動変位の制御に寄与している。
本発明に係る関節装具において、前記連結部4の構成は必須ではなく、各ベルト部2は本体部に直接連接されている構成であってもよい。
第一ベルト部21は、前記本体部1から関節装具101の周径方向に向かって突出した一対のバンド部23,24と、これら一対のバンド部23,24を周径方向と垂直な方向に連結する連結基部25と、を有する。また、一対のバンド部23,24は周径方向と垂直な方向に平行に設けられ、前記バンド部23とバンド部24の間には切欠部26が形成されている。すなわち、第一ベルト部21は、全体で二俣形状をなしている。第一実施形態に係る関節装具101が装着された状態では、バンド部23が装着者の膝蓋骨Pの上縁周辺を、前記バンド部24が装着者の膝蓋骨Pの下縁周辺を覆うように配置される(図1参照)。
各バンド部23,24の周径方向(図2中の矢線Y方向)の長さは、50〜270mmであり、好ましくは109〜174mmである。更に、各バンド部23,24の周径方向と垂直な方向(図2中の矢線X方向)の長さは、25mm〜175mmであり、好ましくは60〜125mmである。
一方、前記連結基部25の周径方向の長さは、20〜120mmであり、好ましくは44〜79mmである。
また、第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の全長(バンド部23の周径方向と垂直な方向の上端から前記バンド部24の周径方向と垂直な方向の下端までの長さ)は、100〜350mmであり、好ましくは160〜250mmである。
すなわち、第一実施形態に係る関節装具101の周径方向と垂直な方向の全長は、第一ベルト部21または本体部1の記載の周径方向と垂直な方向の全長と同等であるため、
100〜350mmであり、好ましくは160〜250mmである。
ここで、関節装具101の周径方向と垂直な方向の全長が前記範囲より大きい場合には、装着者に接する関節装具の接触面積が大きくなるため、関節装具の装着位置が装着者に対して変位することがあまりなく、前記課題を考慮する必要がない。一方で、関節装具101の周径方向と垂直な方向の全長が前記範囲よりも小さい場合には、前記関節装具としての機能を発揮しないため、好ましくない。
このような第一ベルト部21は、通常関節装具の成形に使用される伸縮性素材からなり、例えば糸素材を編成した編物として形成されている。このため、前記第一ベルト部21は、装着者の膝の周径方向及び当該周径方向と垂直な方向に伸縮する構成となっている。
第一ベルト部21に係る前記周径方向の伸長力は、4.1〜28.9Nであり、好ましくは9.9〜20.7Nである。一方、前記周径方向と垂直な方向の伸長力は、13.0〜78.0Nであり、好ましくは28.6〜51.3Nである。
前記第一ベルト部21における周径方向の伸長力及び前記周径方向と垂直な方向の伸長力が前記範囲に設定されることで、装着者の皮膚の伸縮状態に応じて伸縮することができる。すなわち、装着者の体表面に対する追従性が確保される。更に、周径方向の伸長力が前記範囲に設定されていることで、所望の固定力を関節装具101に具備させることができ、もって装着者の膝関節を適度に圧迫することができる。尚、第一ベルト部21における各伸長力の定義は、前記本体部1における各伸長力の定義と同義である。
前記第一ベルト部21を構成する素材としては、天然繊維、化学繊維よりなる織布、編布、不織布、パイル生地、プラスチックフォームなどを単独又は任意に選択組合せて形成したものを用いることができる。より具体的な素材としては、例えば、綿、ウール、レーヨン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニリデン等の繊維を適宜組合せてなる、よこ編み布の天竺、経編み布のジャージ生地、パワーネットのような弾性糸混紡編物、ダブルラッセル生地の立体編物等が使用できる。
更に、これらの生地とゴム発泡体(クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジェンゴム、イソプレンゴム等)、ウレタンゴム(圧縮ウレタン)等の材料を積層させたものを用いることもできる。積層する際には、ウレタン系やポリエステル系の接着剤が使用することができる。
第一実施形態に係る関節装具101において、前記第一ベルト部21の素材としては、ウレタンフォームと、ジャージ生地と、フレンチパイルと、を積層してなる三層ラミネートウレタンを用いることが好ましい。当該三層ラミネートウレタンを用いることで、周径方向の伸長力及び周径方向と垂直な方向の伸長力を前記範囲に設定することできる。また、三層ラミネートウレタンは、開口が周径方向及び周径方向と垂直な方向に規則的に配列された生地であるため、通気性を確保することもでき、装着者の不快感を軽減することができる。更に、前記第一ベルト部21の外側面は糸素材がループ状に起毛されて面ファスナを構成するこができ、前記第二ベルト部22を係着させることが可能となる。
前記第二ベルト部22は、前記本体部1から関節装具101の周径方向に向かって突出した一対のバンド部27,28と、これら一対のバンド部27,28を周径方向と垂直な方向に連結する連結基部25と、を有する。更に、前記第一ベルト部21と同様、切欠部26を備え、当該切欠部26と周径方向に隣接して前記連結基部25が設けられている。第一実施形態に係る関節装具101が装着された状態では、バンド部27が装着者の膝蓋骨Pの上縁周辺を、前記バンド部28が装着者の膝蓋骨Pの下縁周辺を覆うように配置される(図1参照)。
この第二ベルト部22のバンド部27,28の構造及び素材は、後述する面ファスナ29を備えている点、及び外側面の糸素材がループ状に形成されていない点以外は、前記第一ベルト部21のバンド部23,24と同一である。このため、本明細書ではこれらのバンド部27,28の構造及び素材の説明を割愛する。但し、第二ベルト部22のバンド部27,28では、外側面の糸素材をループ状に形成する必要がないため、その素材としては、通気性を確保して装着感を向上させるためにダブルラッセル生地を用いることが好ましい。
このように、各バンド部27,28の素材が第一ベルト部21のバンド部23,24と異なるため、これに起因して周径方向の伸長力及び周径方向と垂直な方向の伸長力が第一ベルト部21のそれらとは異なる。
すなわち、第二ベルト部22に係る前記周径方向の伸長力は、2.6〜17.9Nであり、好ましくは6.1〜12.8Nである。一方、前記周径方向と垂直な方向の伸長力は、6.6〜39.7Nであり、好ましくは14.6〜26.1Nである。
ここで、前記ベルト部2において、その周径方向と垂直な方向の伸長力が6.6N未満であると、ベルト部2自体が伸びやすくなり、関節を屈曲させた場合には装着者の体表面に追従しやすいが、関節を伸展させた場合にはベルト部2が収縮しにくく、伸展運動時の追従性が確保されないため好ましくない。一方、周径方向と垂直な方向の伸長力が78.0Nより大きい場合には、ベルト部2自体の伸縮性が損なわれ、関節の伸展運動及び屈曲運動に応じて追従することができないため好ましくない。
また、装着者の体表面に対向する各バンド部27,28の内側面には、糸素材がフック状に起毛された面ファスナ29が設けられている。この面ファスナ29は、各バンド部27,28の自由端側(周径方向先端側)に設けられている。この面ファスナ29を備えているため、第二ベルト部22のバンド部27は前記第一ベルト部21のバンド部23に、第二ベルト部22のバンド部28は前記第一ベルト部21のバンド部24に係着されるようになっている。具体的には、図1に示すように、前記第二ベルト部22のバンド部27,28の内側面が前記第一ベルト部21のバンド部23,24の外側面に係着するようになっている。
その結果、第一実施形態に係る関節装具101が装着された状態では、第一ベルト部21の切欠部26と前記第二ベルト部22の切欠部26により、装着者の膝蓋骨Pの全縁を覆う開口部が形成されるようになっている。
ここで、前記開口部の周径方向の開口幅は、40〜100mmに設定されていることが好ましい。前記開口部の周径方向の開口幅が前記範囲に設定されていることにより、装着時の目印となり、装着作業を簡便にすることができる。また、膝関節の伸展運動及び屈曲運動を阻害することがなく、且つ、装着者の膝蓋骨周囲に適度な圧迫感を与えることができる。
尚、図1〜4に示す第一実施形態に係る関節装具101では、第二ベルト部22に面ファスナ29が設けられ、第一ベルト部21の外側面は糸素材がループ状に起毛された構成となっているが、第一ベルト部21と第二ベルト部22とを係着させる構造はこれに限定されず、第一ベルト部21に前記面ファスナ29を設け、第二ベルト部22の外側面を糸素材がループ状に起毛された構成としてもよい。また、第一ベルト部21と第二ベルト部22とを係着させる構造は面ファスナである必要はなく、公知の係着構造を採用することができ、例えばバックルやスナップボタンを用いてもよい。
<4.インナーベルト部>
次に、第一実施形態に係る関節装具101が備えるインナーベルト部3について説明する。
前記インナーベルト部3は、装着者の体表面に対向する関節装具101の内側面に設けられ、主として関節装具101の固定力の確保に寄与する。
第一実施形態に係る関節装具101では、前記インナーベルト部3が全部で二つ設けられ、前記第一ベルト部21に連結される第一インナーベルト部31と、前記第二ベルト部22に連結される第二インナーベルト部32と、を有する。これら第一インナーベルト部31と第二インナーベルト部32は互いに同一の構成をしている。このため、以下では第一インナーベルト部31の構成のみを説明し、第二インナーベルト部32に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
前記第一インナーベルト部31は、周径方向と垂直な方向の幅が一定に設定され、関節装具101の周径方向に沿って形成された第一バンド部33と、同じく周径方向と垂直な方向の幅が一定に設定され、前記第一バンド部33と平行に配列された第二バンド部34と、前記第一バンド部33と第二バンド部34に架け渡され、周径方向と垂直な方向に沿って設けられた第三バンド部35と、を備える。尚、前記第一バンド部33、第二バンド部34及び第三バンド部35をそれぞれ連結して第一インナーベルト部31を作成してもよいが、一つの材料から切り抜いて第一インナーベルト部31を作成してもよい。
前記第一バンド部33は、周径方向の一端が前記本体部1の一部である連結部4に結合され、周径方向の他端が前記第一ベルト部21のバンド部23に連結される。前記第二バンド部34は、周径方向の一端が前記連結部4に結合され、周径方向の他端が前記第一ベルト部21のバンド部24に連結される。
その一方で、第一バンド部33において、その周径方向と垂直な方向の上下端は前記本体部1又は第一ベルト部21には連結されないように構成されている。また、第二バンド部34において、その周径方向と垂直な方向の上下端は前記本体部1又は第一ベルト部21には連結されないように構成されている。各バンド部33,34の周径方向と垂直な方向の上下端を本体部1又は各ベルト部21,22に連結しないことで各インナーベルト部3は関節装具の周径方向と垂直な方向に伸長力を発生させない。このため、周径方向と垂直な方向の伸長力に影響を与え、装着者の皮膚の伸縮状態に応じて伸縮できず、装着者の体表面に対する追従性が低下することを防止できる。
前記第一バンド部33及び第二バンド部34の周径方向の長さは、25〜180mmであり、好ましくは54〜119mmである。前記第三バンド部35の周径方向の長さは、10〜60mmであり、好ましくは25〜45mmである。
一方、前記第一バンド部33及び第二バンド部34の周径方向と垂直な方向の長さは、12.5〜175mmであり、好ましくは25〜45mmである。
このように、前記第三バンド部35の周径方向の長さは前記第一バンド部33及び第二バンド部34の周径方向の長さより短く成形されている。
このため、第一インナーベルト部31は前記第一バンド部33と第二バンド部34との間に第一切欠部36及び第二切欠部37を備える形状をなしている。前記第一切欠部36は略半円状に切り欠かれ、前記本体部1の一部をなす連結部4に連結されないようになっている。一方、前記第二切欠部37も第一切欠部36と同様、略半円状に切り欠かれ、前記第一ベルト部21に連結されないようになっている。尚、前記第一切欠部36及び第二切欠部37の切欠き形状は半円状に限定されず、これら第一切欠部36及び第二切欠部37が連結部4又は第一ベルト部21に連結されていない構成であればよく、例えば、略矩形状に切り欠かれていてもよい。
また、前記第一バンド部33は、前記連結部4に結合される第一本体部側連結部33aを備える一方、前記第二バンド部34は、前記連結部4に結合される第二本体部側連結部34aを備え、前記第一インナーベルト部31は、前記第一本体部側連結部33a、第二本体部側連結部34a及び前記第一切欠部36からなる本体部側端部38を備えている。
一方、第一バンド部33は、前記バンド部23の周径方向先端部側に結合される第一先端部側連結部33bを備える一方、前記第二バンド部34は、前記バンド部23の周径方向先端部側に結合される第二先端部側連結部34bを備え、第一インナーベルト部31は、第一先端部側連結部33b、第二先端部側連結部34b及び前記第二切欠部37からなる先端部側端部39を備えている。
すなわち、第一実施形態に係る関節装具101では、第一インナーベルト部31の本体部側端部38が前記本体部1に対して二箇所で連結され、前記先端部側端部39が前記ベルト部2に対して二箇所で連結されている。
ここで、本発明における第一バンド部33及び第二バンド部34の「先端部」とは、周径方向に関し、ベルト部2の中央位置から自由端(周径方向末端)までの領域を指す。前記第一先端部側連結部33b及び第二先端部側連結部34bが周径方向に関し、ベルト部2の中央位置よりも本体部側に結合されている場合、結果として、インナーベルト部3の周径方向の長さが短くなる。このため、所望の固定力を得ることができないため、好ましくない。
次に、前記第一バンド部33及び第二バンド部34の周径方向と垂直な方向の長さについて、図3を用いて詳細に説明する。
前記本体部又は前記ベルト部に対する前記本体部側端部の連結割合が周径方向と垂直な方向における前記本体部又は前記ベルト部の全長の13.9〜100%の範囲に、好ましくは27.8〜50%の範囲に設定されている。
また、前記ベルト部に対する前記先端部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における前記ベルト部の全長の13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
ここで、本発明の関節装具において、前記本体部側端部の連結割合と前記先端部側端部の連結割合は同一の値に設定されている必要はなく、相互に異なる値に設定されていてもよい。
すなわち、前記第一バンド部33及び第二バンド部34は、周径方向と垂直な方向の幅が一定に設定されている必要がなく、例えば本体部側から先端部側に向かって、周径方向と垂直な方向の幅が徐々に増大、あるいは減少するように成形されていてもよい。
図3に示される第一実施形態に係る関節装具101の構成を用いて説明すると、前記本体部側端部38において、前記第一本体部側連結部33aの周径方向と垂直な方向の長さMと前記第二本体部側連結部34aの周径方向と垂直な方向の長さMの合計長さ(連結割合)が、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さLに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。また、前記先端部側端部39において、前記第一先端部側連結部33bの周径方向と垂直な方向の長さNと前記第二先端部側連結部34bの周径方向と垂直な方向の長さNの合計長さ(連結割合)が、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さLに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
尚、図3に示す第一実施形態に係る関節装具101では、前記本体部側端部38は前記本体部1に連結していない第一切欠部36を有し、前記先端部側端部39はベルト部2に連結されていない第二切欠部37を有している。
このため、図3に示す第一実施形態に係る関節装具101にあっては、前記本体部側端部38の連結割合は少なくとも100%ではなく、前記先端部側端部39の連結割合は少なくとも100%ではない。
このような第一インナーベルト部31は、通常関節装具の成形に使用される伸縮性素材からなり、例えば糸素材を編成した編物として形成されている。このため、前記第一インナーベルト部31は、装着者の膝の周径方向及び当該周径方向と垂直な方向に伸縮する構成となっている。
第一インナーベルト部31を構成する素材としては、前記ベルト部2と同様、天然繊維、化学繊維よりなる織布、編布、不織布、パイル生地、プラスチックフォームなどを単独又は任意に選択組合せて形成したものを用いることができる。より具体的な素材としては、例えば、綿、ウール、レーヨン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニリデン等の繊維を適宜組合せてなる、よこ編み布の天竺、経編み布のジャージ生地、パワーネットのような弾性糸混紡編物、ダブルラッセル生地の立体編物等が使用できる。
更に、これらの生地とゴム発泡体(クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジェンゴム、イソプレンゴム等)、ウレタンゴム(圧縮ウレタン)等の材料を積層させたものを用いることもできる。積層する際には、ウレタン系やポリエステル系の接着剤が使用することができる。
第一実施形態に係る関節装具101において、前記第一インナーベルト部31の素材としては、ウレタンフォームと、ジャージ生地と、フレンチパイルと、を積層してなる三層ラミネートウレタンを用いることが好ましい。当該三層ラミネートウレタンを用いることで、周径方向の伸長力と周径方向と垂直な方向の伸長力を前記範囲に設定することできる。また、三層ラミネートウレタンは、開口が周径方向及び周径方向と垂直な方向に規則的に配列された生地であるため、通気性を確保することもでき、装着者の不快感を軽減することができる。
この第一インナーベルト部31に係る前記周径方向の伸長力は、4.1〜57.9Nであり、好ましくは8.3〜14.9Nである。一方、前記周径方向と垂直な方向の伸長力は、16.2〜116.9Nであり、好ましくは35.1〜77.3Nである。
前記第一インナーベルト部31における周径方向の伸長力が前記範囲に設定されていることで、所望の固定力を関節装具101に具備させることができ、もって装着者の膝関節を適度に圧迫することができる。尚、第一インナーベルト部31における各伸長力の定義は、前記本体部1における各伸長力の定義と同義である。
特に、関節装具101の固定力は、前記ベルト部2の周径方向の伸長力とインナーベルト部3の周径方向の伸長力との合成力により決定される。
このため、本発明に係る関節装具において、前記ベルト部2における周径方向の伸長力とインナーベルト部3における周径方向の伸長力の合計は、6.7〜86.8Nに設定され、好ましくは、14.4〜35.6Nに設定される。
以上のように形成された第一実施形態に係る関節装具101によれば、前記ベルト部2における周径方向と垂直な方向の伸長力が所定の範囲に設定されているため、装着者の皮膚の伸縮状態に応じて伸縮し、装着者の体表面に対する追従性が向上する。こうして、装着者が当該関節装具101を装着した状態で、関節の屈曲運動又は伸展運動を行ったとしても、この関節の動きに追従することができる。また、前記インナーベルト部3において、前記本体部1に対する本体部側端部38の連結割合が所定の範囲に設定され、且つ、前記ベルト部2に対する先端部側端部39の連結割合が所定の範囲に設定されている。このため、前記インナーベルト部3は前記範囲の周径方向の伸長力を備え、当該インナーベルト部3の伸長力が前記ベルト部2の周径方向の伸長力に合成される。その結果、関節装具101の固定力を増加することができる。
すなわち、第一実施形態に係る関節装具101によれば、装着者による関節の屈曲運動又は伸展運動による装着位置の変位を防止することができ、また装着者の関節の動きの制動及び固定を適度に行うことができる。その結果、例えば関節疾患を患わっている患者が装着した場合には関節疾患の回復を促すことができる。また、装着することにより関節疾患の発生予防も行うことができる。
尚、第一実施形態に係る関節装具101では、前記インナーベルト部3の本体部側端部38は必ずしも前記本体部1に結合されている必要はなく、当該インナーベルト部3により関節装具101の所望の固定力の確保及び所望の追従性の確保を達成することができればよく、例えば本体部側端部38を構成する第一本体部側連結部33a及び第二本体部側連結部34aが前記ベルト部2に結合される構成であってもよい。
また、第一実施形態に係る関節装具101では、前記本体部側端部38が本体部1に対して二箇所で連結され、前記先端部側端部39がベルト部2に対して二箇所で連結されているが、前記本体部側端部38は前記本体部1に対して少なくとも一箇所で連結され、前記先端部側端部39は前記ベルト部2に対して少なくとも一箇所で連結される構成であれば差し支えない。
更に、第一実施形態に係る関節装具101では、各インナーベルト部3が第一切欠部36及び第二切欠部37を備えているが、前記本体部側端部38及び先端部側端部39の連結割合を前記範囲に設定することができればよく、これら第一切欠部36及び第二切欠部37を備えていなくとも差し支えない。かかる構成としては、各インナーベルト部3自体を略矩形状に形成する構成が考えられる。
<5.第二の実施形態に係る関節装具>
次に、図5を用いて、本発明を適用可能な第二実施形態に係る関節装具について説明する。この第二実施形態に係る関節装具201は、インナーベルト部の構成が第一実施形態に係る関節装具101と異なる。その他の構成については、第一実施形態に係る関節装具101と同一である。このため、第一実施形態に係る関節装具101と共通する構成については同一の符号を付し、その説明は割愛する。
この第二実施形態に係る関節装具201では、各インナーベルト部3は第三バンド部35を備えておらず、各インナーベルト部3は、周径方向に沿って設けられた第一バンド部33と、周径方向に沿って前記第一バンド部33と平行に設けられた第二バンド部34と、を備えている。
このように構成された第二実施形態に係る関節装具201においても、前記本体部側端部38の連結割合は、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
また、前記先端部側端部39の連結割合は、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
更に、第二実施形態に係る関節装具201においても、各ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は、第一実施形態に係る関節装具101が備える各ベルト部のそれと同一の範囲に設定されている。
以上のように構成された第二実施形態に係る関節装具201であっても、前記ベルト部2の周径方向の伸長力に対してインナーベルト部3の周径方向の伸長力が合成される。その結果、関節装具201の固定力を増加することができる。その結果、装着者の関節の動きの制動及び固定を適度に行うことができる。
一方で、第二実施形態に係る関節装具201では、前記ベルト部2の周方向と垂直な方向の伸長力が実施形態1の範囲と同様の範囲に設定されている。このため、装着者の皮膚の伸縮状態に応じて伸縮し、装着者の体表面に対する追従性が向上する。こうして、装着者による関節の屈曲運動又は伸展運動による装着位置の変位を防止することができる。
すなわち、第二実施形態に係る関節装具201であっても、例えば関節疾患を患わっている患者が装着した場合には関節疾患の回復を促すことができる。また、装着することにより関節疾患の発生予防も行うことができる。
尚、第二実施形態に係る関節装具201では、前記第一バンド部33と第二バンド部34とが周径方向に沿って平行に配列されているが、各インナーベルト部3の構成はこれに限定されず、固定力の確保及び追従性の確保を両立させることができれば、他の構成を採用することができる。
具体的には、第一バンド部33と第二バンド部34は互いに平行に設けられている必要はなく、例えば第一バンド部33は周径方向に沿って設けられる一方、第二バンド部34は周径方向に対して一定の角度で傾斜して設けられるようにしてもよい。かかる場合、例えば前記第二バンド部34は、図5の紙面下方向に向かって傾斜するように設ける構成が考えられる。
あるいは、第一バンド部33及び第二バンド部34の夫々が周径方向に対して所定の角度で傾斜して設けられるようにしてもよい。かかる場合、例えば第一バンド部33は図5の紙面上方向に向かって傾斜し、第二バンド部34は図5の紙面下方向に向かって傾斜するように設ける構成が考えられる。または、第一本体部側連結部33aと第二本体部側連結部34aとが互いに重なった状態で前記本体部1又はベルト部2の一箇所に連結され、第一バンド部33及び第二バンド部34が互いに離れる方向に傾斜する構成も考えられる。
すなわち、第二実施形態に係る関節装具201において、第一バンド部33及び第二バンド部34の配向は周径方向に沿っていない構成であっても差し支えない。
<6.第三実施形態に係る関節装具>
次に、図6を用いて、本発明を適用可能な第三実施形態に係る関節装具について説明する。この第三実施形態に係る関節装具301は、インナーベルト部の構成が第一実施形態に係る関節装具101と異なる。その他の構成については、第一実施形態に係る関節装具101と同一である。このため、第一実施形態に係る関節装具101と共通する構成については同一の符号を付し、その説明は割愛する。
この第三実施形態に係る関節装具301では、各インナーベルト部3が第二バンド部34及び第三バンド部35を備えておらず、各インナーベルト部3が周径方向に沿って設けられた第一バンド部33から構成されている。つまり、第三実施形態に係る関節装具301では、第一バンド部33を構成する第一本体部側連結部33aが本発明の本体部側端部38に相当し、第一先端部側連結部33bが先端部側端部39に相当する。
このように構成された第三実施形態に係る関節装具301においても、前記本体部側端部38の連結割合は、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
また、前記先端部側端部39の連結割合は、前記第一ベルト部21の周径方向と垂直な方向の長さに対して、13.9〜100%の範囲に、好ましくは、27.8〜50%の範囲に設定されている。
更に、第三実施形態に係る関節装具301においても、各ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は、第一実施形態に係る関節装具101が備える各ベルト部のそれと同一の範囲に設定されている。
以上のように形成された第三実施形態に係る関節装具301によれば、前記ベルト部2における周径方向と垂直な方向の伸長力が前記範囲に設定されている。このため、装着者が当該関節装具301を装着した状態で、関節の屈曲運動又は伸展運動を行ったとしても、この関節の動きに追従することができる。また、前記インナーベルト部3において、前記本体部1に対する本体部側端部38の連結割合が所定の範囲に設定され、且つ、前記ベルト部2に対する先端部側端部39の連結割合が所定の範囲に設定されている。このため、前記インナーベルト部3は前記範囲の周径方向の伸長力を備え、当該インナーベルト部3の伸長力が前記ベルト部2の周径方向の伸長力に合成される。その結果、関節装具301の固定力を増加することができる。
すなわち、第一実施形態に係る関節装具301であっても、装着者による関節の屈曲運動又は伸展運動による装着位置の変位を防止することができ、また装着者の関節の動きの制動及び固定を適度に行うことができる。その結果、例えば関節疾患を患わっている患者が装着した場合には関節疾患の回復を促すことができる。また、装着することにより関節疾患の発生予防も行うことができる。
ここで、図1〜図6に示す関節装具101,201,301は、装着者の膝関節を被覆する装具であるが、本発明は、膝関節を被覆する装具だけでなく、他の関節を被覆する装具に適用することができ、例えば、伸展運動、屈曲運動が頻繁に行われる肘関節を被覆する装具に適用することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を実施するための形態に係る関節装具を更に詳細に説明する。尚、以下に説明する実施例は、本発明を実施するための形態に係る関節装具の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明を実施するための形態に係る関節装具の範囲が狭く解釈されることはない。また、以下の実施例では、本発明の関節装具を膝関節を被覆する装具に適用した例を示している。
本発明者らは、図1〜図4に示す第一実施形態に係る関節装具(実施例1)、図5に示す第二実施形態に係る関節装具(実施例2)、図6に示す第三実施形態に係る関節装具(実施例3)、実施例3に係る関節装具において、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が13.9%であるもの(実施例4)、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が100%である関節装具(実施例5)、前記本体部側端部の連結割合が38.9%であり、前記先端部側端部の連結割合が27.8%である関節装具(実施例6)を製造した。
更に比較例1として、インナーベルト部を備えていない関節装具、比較例2として、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が8.3%である関節装具を製造した。
そして、各関節装具における周径方向の伸長力及び周径方向と垂直な方向の伸長力を測定した。ここで、周径方向の伸長力は装着時における関節装具の固定力の指標となる。
更に、各関節装具の追従性を確認するため、着用客観評価及び着用主観評価を行った。
<実施例1>
実施例1は図2に示す第一実施形態に係る関節装具に対応するものである。実施例1に係る関節装具において、前記本体部の周径方向の長さは134mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは180mmである。
また、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向の長さは122mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは70mmである。加えて、前記第一ベルト部を構成する連結基部の周径方向の長さは53mmである。
更に、インナーベルト部の第一バンド部及び第二バンド部の周径方向の長さは67mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは35mmである。すなわち、実施例1に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は38.9%である。
本体部の生地はダブルラッセル生地、第一ベルト部の生地は三層ラミレートウレタン生地、第二ベルト部の生地はダブルラッセル生地、インナーベルト部は三層ラミレートウレタン生地を用いている。この生地を備えた各部位を測定した結果、単位長さ当たりの伸長力は、本体部では周径方向の単位長さ当たりの伸長力は0.1N、周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は0.3Nであり、第一ベルト部の周径方向の単位長さ当たりの伸長力は0.1N、周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は0.3Nである。また、第二ベルト部の周径方向の単位長さ当たりの伸長力は0.2N、周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は0.6Nであり、インナーベルト部の周径方向の単位長さ当たりの伸長力は0.2N、周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は0.6Nである。
<実施例2>
実施例2は図5に示す第二実施形態に係る関節装具に対応するものである。すなわち、実施例2は、インナーベルト部が第三バンド部を備えていないものである。
一方、インナーベルト部の第一バンド部及び第二バンド部の周径方向と垂直な方向の長さが80mmであること以外は、実施例1に係る関節装具と同一のものを用いた。すなわち、実施例2に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は38.9%である。また、各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<実施例3>
実施例3は図6に示す第二実施形態に係る関節装具に対応するものである。すなわち、実施例3は、実施例1に対してインナーベルト部の第二バンド部及び第三バンド部を備えていないものである。
一方、本体部、第一ベルト部、第二ベルト部、インナーベルト部の第一バンド部の周径方向の長さ及び周径方向と垂直な方向の長さは実施例1のそれらと同一である。
前述の如く、前記第二バンド部を備えていないことから、実施例3に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は19.4%である。また、各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<実施例4>
実施例4は、実施例3に係る関節装具において、インナーベルト部を構成する第一バンド部の周径方向と垂直な方向の長さを25mmに変更した以外は、実施例3に係る関節装具と各部の寸法は同一である。
すなわち、実施例4に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は13.9%である。また、各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<実施例5>
実施例5は前述の如く、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が100%の関節装具である。
すなわち、実施例5に係る関節装具では、前記本体部の周径方向の長さは134mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは180mmである。
一方、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向の長さは122mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは70mmであり、実施例1に係る関節装具と各ベルト部の寸法は同一である。しかし、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合を100%に設定するため、各ベルト部は第一切欠部及び第二切欠部を備えておらず、本体部と同様に略矩形状に形成されている。
更に、この実施例5に係る関節装具では、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合を100%に設定するため、各インナーベルト部が略矩形状に形成され、各インナーベルト部の周径方向の長さは80mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは、180mmである。また、各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<実施例6>
実施例6は前述の如く、前記本体部側端部の連結割合が38.9%であり、前記先端部側端部の連結割合が27.8%の関節装具である。すなわち、実施例6の関節装具では、インナーベルト部を構成する第一本体部側連結部及び第二本体部側連結部において、その周径方向と垂直な方向の長さが25mmであり、第一先端部側連結部及び第二先端部側連結部において、その周径方向と垂直な方向の長さが35mmである。
それ以外の各部の寸法は、実施例1に係る関節装具のそれらと同一である。また、各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<比較例1>
比較例1は、インナーベルト部を備えていない点以外は、実施例1に係る関節装具と同一の構成を備える関節装具である。
インナーベルト部を備えていないため、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合は0%である。各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<比較例2>
比較例2は、基本的構成は実施例3に係る関節装具と同一であるが、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が8.3%である点のみ異なる。すなわち、比較例2に係る関節装具では、前記インナーベルト部の第一バンド部の周径方向と垂直な方向の長さが15mmに設定されている。各部位に用いている生地は実施例1で用いた生地と同一のものを用いている。このため、各部位の周径方向の単位長さ当たりの伸長力と周径方向と垂直な方向の単位長さ当たりの伸長力は実施例1のそれらと同等である。
<実施例1〜6、比較例1及び2に係る関節装具の伸長力>
実施例1〜6、比較例1及び2に係る関節装具の伸長力を表1及び表2に示す。表1、表2に示した伸長力は、各部位で用いている生地の伸長力の単位長さ当たりの伸長力を測定し、これと各実施例に係る装具の各部位の長さから算出した伸長力を示した結果である。
Figure 2017093741
Figure 2017093741
表1及び2に示されるように、インナーベルト部を備える関節装具(実施例1〜6)の周径方向の伸長力、特にベルト部とインナーベルト部との周径方向の伸長力の合成値は、インナーベルト部を備えない比較例1に係る関節装具のそれよりも有意に高い値を示した。
すなわち、インナーベルト部を備えることにより、当該インナーベルト部の伸長力がベルト部の伸長力と合成され、その結果周径方向の伸長力が増大されたことが確認された。
ここで、関節装具の変位量を低減させつつ適度に固定力を高めることが出来る周径方向の伸長力の合成値は、21.5N以上が好ましいといえる。
各実施例に係る関節装具におけるベルト部とインナーベルト部との周径方向の伸長力の合成値は各比較例に係る関節装具の合成値よりも高く、基準となる21.5Nより高い値を示したことから、装着者の関節を適度に圧迫することができる関節装具であることが確認された。
また、本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が13.9%未満である比較例2に係る関節装具では、インナーベルト部の周径方向の伸長力が2.5Nであり、それに伴ってベルト部とインナーベルト部との周径方向の伸長力の合成値は比較例1のそれに近い値を示し、基準となる21.5Nより低い値を示した。
すなわち、比較例2の結果から、本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が13.9%未満である場合には、インナーベルト部を備えていたとしても、ベルト部とインナーベルト部との周径方向の伸長力の合成値が比較例1に係る関節装具の合成値と略同程度(+1Nの範囲内)であることから、所望の固定力が具備されないことが確認された。
換言すると、所望の固定力を具備させるためには、本体部側端部及び先端部側端部の連結割合が13.9%以上であることが必要であることが確認された。
尚、表1及び2において、周径方向の長さ及び周径方向と垂直な方向の長さが互いに同一である、第一ベルト部及び第二ベルト部において、第一ベルト部の周径方向の伸長力及び周径方向と垂直な方向の伸長力が第二ベルト部のこれらよりも高い数値を示している。
これは、各実施例及び比較例に係る関節装具において、第一ベルト部の外側面が糸素材のループ状に起毛されて面ファスナを構成するために三層ラミネートウレタンを素材として使用しているためである。
<着用客観評価>
本発明者らは、実施例1に係る関節装具を製作し、関節装具の周径方向と垂直な方向に対する追従性に関する評価を行った。ここで、個人差により膝関節の大きさ、特に膝関節の周径方向の長さが異なることが通常である。このため、本発明者らは、実施例1に係る関節装具に基づいて、周径方向の長さが異なる実施例7及び8に係る関節装具を製作した。そして、これら実施例7及び8に係る関節装具に関しても、前記追従性に関する評価を行った。
尚、この評価では、実施例1、7及び8に係る関節装具と比較例3に係る関節装具との対比評価を行った。
<実施例7>
実施例7に係る関節装具において、前記本体部の周径方向の長さは140mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは180mmである。
また、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向の長さは135mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは70mmである。加えて、前記第一ベルト部を構成する連結基部の周径方向の長さは58mmである。更に、実施例7に係る関節装具では、第一ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は11.6Nであり、第二ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は7.2Nである。
また、インナーベルト部の第一バンド部及び第二バンド部の周径方向の長さは80mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは35mmである。すなわち、実施例1に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は38.9%である。
<実施例8>
実施例8に係る関節装具において、前記本体部の周径方向の長さは148mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは180mmである。
また、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向の長さは64mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは70mmである。加えて、前記第一ベルト部を構成する連結基部の周径方向の長さは64mmである。更に、実施例8に係る関節装具では、第一ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は11.6Nであり、第二ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は7.2Nである。
また、インナーベルト部の第一バンド部及び第二バンド部の周径方向の長さは88mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは35mmである。すなわち、実施例1に係る本体部側端部の連結割合及び先端部側端部の連結割合は38.9%である。
<比較例3>
比較例3に係る関節装具において、前記本体部の周径方向の長さは134mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは180mmである。
また、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向の長さは53mmであり、周径方向と垂直な方向の長さは70mmである。加えて、前記第一ベルト部を構成する連結基部の周径方向の長さは53mmである。
そして、比較例3に係る関節装具では、第一ベルト部及び第二ベルト部共に三層ラミネートウレタンから成形されている。その結果、比較例3に係る関節装具では、第一ベルト部及び第二ベルト部の周径方向と垂直な方向の伸長力は、93.7Nである。
更に、インナーベルト部を備えていないため、前記本体部側端部及び先端部側端部の連結割合は0%である。
本評価では、各実施例に係る関節装具と比較例1に係る関節装具とを健常者に装着してもらい、各関節装具を装着した後に10回の膝関節の曲げ伸ばし(スクワット)を行い、各関節装具における周径方向と垂直な方向への変位量を測定した。
評価結果を表3に示す。尚、表3において、実施例の評価結果は、各実施例に係る関節装具に関する結果の平均値を示している。
Figure 2017093741
この評価結果によれば、比較例1に係る関節装具に関しては、当該関節装具の上端が関節装具の初期装着位置に対して装着者の下方に5.3mm変位していた。また、当該関節装具の下端は関節装具の初期装着位置に対して装着者の上方に7.0mm変位していた。
これに対して、各実施例に係る関節装具に関しては、当該当該関節装具の上端が関節装具の初期装着位置に対して装着者の下方に4.3mm変位していた。また、当該関節装具の下端は関節装具の初期装着位置に対して装着者の上方に1.0mm変位していた。
この評価結果から、周径方向と垂直な方向におけるベルト部の伸長力が78.0Nよりも大きい場合には、装着者の体表面に対する追従性が確保されないことが確認されたとともに、周径方向と垂直な方向におけるベルト部の伸長力が6.6〜78.0Nである各実施例に係る関節装具は、関節の屈曲運動時、伸展運動時における関節装具の追従性が具備されていることが確認された。
<着用主観評価>
更に、本発明者らは、実施例1、7及び8に係る関節装具を製作し、着用評価を行った。被験者数名に、実施例1、7及び8に係る関節装具を着用してもらい、評価を求めた。尚、着用主観評価は、健常者に装着させて行った。
その結果、「簡便にはける」、「服の下に着やすい」、「ずれない」、という回答が得られた。
これにより、実施例1、7及び8に係る関節装具は、固定力が確保され、且つ、適度な追従性を有することを確認できた。
101、201、301 関節装具
1 本体部
2 ベルト部
3 インナーベルト部
38 本体部側端部
39 先端部側端部

Claims (10)

  1. 本体部と、
    前記本体部に連接されるベルト部と、
    前記本体部又はベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される本体部側端部、及び前記ベルト部の周径方向先端部側に設けられ、前記ベルト部に対して少なくとも一箇所が連結される先端部側端部を有するインナーベルト部と、を備え、
    前記ベルト部に対する前記先端部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における前記ベルト部の全長の13.9〜100%であり、
    前記本体部又は前記ベルト部に対する前記本体部側端部の連結割合は、周径方向と垂直な方向における前記本体部又は前記ベルト部の全長の13.9〜100%であり、
    前記周径方向と垂直な方向における前記ベルト部の伸長力は、6.6〜78.0Nである、関節装具。
  2. 周径方向における前記ベルト部の伸長力は、2.6〜28.9Nであり、
    周径方向における前記インナーベルト部の伸長力は、4.1〜57.9Nである、請求項1記載の関節装具。
  3. 前記インナーベルト部は、
    前記先端部側端部が、前記ベルト部に対して第一の先端部側連結部と第二の先端部側連結部の二箇所で連結され、
    前記本体部側端部が、前記本体部又はベルト部に対して第一の本体部側連結部と第二の本体部側連結部の二箇所で連結され、
    前記第一先端部側連結部と前記第二先端部側連結部の間に設けられ、前記本体部又はベルト部に連結されない第一の切欠部と、前記第一の本体部側連結部と前記第二の本体部側連結部の間に設けられ、前記ベルト部に連結されない第二の切欠部と、を備える、
    請求項1又は2に記載の関節装具。
  4. 前記インナーベルト部は、三層ラミネートウレタンからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の関節装具。
  5. 周径方向における前記本体部の伸長力は10.2〜35.8Nであり、前記周径方向と垂直な方向における前記本体部の伸長力は19.8〜82.7Nである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の関節装具。
  6. 前記本体部は、収縮補助部を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の関節装具。
  7. 前記本体部は、ダブルラッセル生地で形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の関節装具。
  8. 前記ベルト部及びインナーベルト部は夫々一対設けられ、
    一対のベルト部は、周径方向に前記本体部を挟んで設けられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の関節装具。
  9. 前記一対のベルト部のうち少なくとも一方のベルト部は、三層ラミネートウレタンからなる、請求項8記載の関節装具。
  10. 前記関節装具は、膝関節装具又は肘関節装具である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の関節装具。
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