JP3499104B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP3499104B2
JP3499104B2 JP04527597A JP4527597A JP3499104B2 JP 3499104 B2 JP3499104 B2 JP 3499104B2 JP 04527597 A JP04527597 A JP 04527597A JP 4527597 A JP4527597 A JP 4527597A JP 3499104 B2 JP3499104 B2 JP 3499104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理装置お
よび処理方法に係り、特に半導体製造工程における微細
なパターンを形成するのに好適なプラズマ処理装置およ
びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ処理は、半導体デバイスの高集
積化に伴ってますます微細加工性や処理速度の向上が要
求されて来ている。この要求に応えるためには、処理ガ
ス圧の低圧化,プラズマの高密度化が必要になって来て
いる。
【0003】処理ガス圧の低圧化,高密度化を目指すも
のとして、(1)マイクロ波(2.45GHz)電磁界と静
磁場(875G)とのサイクロトロン共鳴現象(ECR
と略す)を利用したもの、(2)RF周波数の電源によ
りコイルを励振し、誘導電磁界を発生させて、プラズマ
を発生させるもの(ICPと略す)などがある。
【0004】ところで、フルオロカーボン系ガスを用い
て、酸化膜系の膜をエッチングする場合、上記(1)に
示したECRや(2)に示したICP方式では、ガスの
解離が進みすぎ、酸化膜系膜の下地(SiやSiN)に
対する選択比を高くすることが困難であるのが現状であ
る。
【0005】一方、平行平板間にRF周波数の電圧を印
加し、プラズマを発生させる従来の方法は、10Pa以
下の圧力で安定に放電させることは困難である。この対
策として、(3)特開平7−297175号公報や特開
平3−204925号公報に示されたような、数十MH
z以上の高い周波数の電圧によりプラズマを生成させ数
MHz以下の低い周波数で試料のバイアス制御を行う2
周波励起法や、(4)特開平2−312231号公報に
示されたような、試料表面に誘起された自己バイアス電
界(E)と交差する方向に磁界Bを加え、電子のローレ
ンツ力による電子の閉じ込め作用を利用したマグネトロ
ンRIE(M−RIEと略す)法がある。
【0006】また、低ガス圧下においてプラズマ密度を
増加させる方法として、特開昭56−13480号公報
に記載されたものがある。これは、電磁波であるマイク
ロ波(2.45GHz)と静磁場(875Gauss)
とによる電子サイクロトロン共鳴(ECR)を活用し、
0.1〜1Paの低ガス圧でも高いプラズマ密度が得ら
れるようにしたものである。
【0007】一方、プラズマを用いて半導体のエッチン
グ処理や成膜処理等を行う技術分野において、被処理物
(例えば半導体ウェハ基板、以下試料と略する。)を配
置する試料台に対して、プラズマ中のイオンを加速する
ための高周波電源と、静電吸着力によって試料を試料台
に保持させる静電吸着膜とを備えた処理装置が採用され
ている。
【0008】例えば、USP5,320,982号明細
書に記載された装置は、マイクロ波でプラズマを発生さ
せ、静電吸着力によって試料を試料台に保持させると共
に試料と試料台との間に伝熱ガスを介在させて試料の温
度制御を行いながら、正弦波出力の高周波電源をバイア
ス電源として、該電源を試料台に接続して試料に入射す
るイオンエネルギーを制御するものである。
【0009】また、特開昭62−280378号公報で
は、プラズマー電極間の電界強度を一定化するパルス状
のイオン制御バイアス波形を発生させ試料台に印加する
ことにより、試料に入射するイオンエネルギーの分布幅
を狭くでき、エッチングの加工寸法精度や被処理膜と下
地材とのエッチング速度比を数倍に上げることが可能と
なることが記載されている。
【0010】また、特開平6−61182号公報では、
電子サイクロトロン共鳴を利用してプラズマを発生さ
せ、試料に、パルスデューティが0.1%程度以上の幅
のパルスバイアスを印加し、ノッチの発生を防止するこ
とが記載されている。
【0011】なお、VHF帯電磁波と静磁場とによりサ
イクロトロン共鳴を起こし、プラズマ密度を向上させる
例として、Jap.J.Appl.phys,Vol.28,
No.10, October,1989, PP. L 1860- L 1862に記載のも
のがある。しかし、本例で同軸形状の中心導体に144
MHzの高周波を印加し、中心導体に平行な51Gの磁場
を加え、サイクロトロン共鳴を生じさせて、高密度のプ
ラズを発生させ、このプラズマ発生部の下流にアースさ
れた試料台を設置している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術中、特開
平7−288195号公報や特開平7−297175号
公報に記載のプラズマ発生方式は、13.56MHzや
数十MHzの高周波によりプラズマを発生させるもので
ある。数十〜5Pa(パスカル)程度のガス圧では、酸
化膜のエッチングに良好なプラズマを発生させることが
できる。しかし、0.2μm程度以下のパターン寸法の
微細化にともない、処理形状の垂直化がより強く要求さ
れるようになってきており、このためには、ガス圧の低
下が必須になって来ている。
【0013】しかし、上記した2周波励起法やM−RI
E法では、4Pa以下(0.4〜4Pa)で5×1010
cm~3程度以上の所望の密度のプラズマを安定に生成さ
せることが困難である。例えば、上記2周波励起法で
は、プラズマ励起周波数を高くしていっても、50MH
z程度以上ではプラズマ密度があまり増加しないか、逆
に低下する減少が出てきて、0.4〜4Paの低ガス圧
でプラズマ密度を5×1010cm~3以上にすることは困難
である。
【0014】また、M−RIE法では、試料表面に生ず
る電子のローレンツ力による電子の閉じ込め作用により
生成されるプラズマ密度は、試料全面で均一でなければ
ならない。しかし、E×Bのドリフトにより、一般にプ
ラズマ密度に面内の片寄りが生じる欠点がある。試料表
面に直接、電子の閉じ込め作用で形成されるプラズマ密
度の片寄りは、電界強度の強い試料近傍のシース付近で
発生するため、拡散等の方法によって補正することはで
きない。
【0015】この解決法として特開平7−288195
号公報に記載されている様に、E×Bによる電子のドリ
フト方向に磁界強度が弱くなる様に磁石を配置すること
により、試料に平行な磁場の最大値として200ガウス
を加えても、偏りの無い均一なプラズマガ得られる。し
かし、磁界強度分布を一度固定すると、プラズマが均一
となる条件がある特定の狭い範囲に限定されるため、処
理条件の変化には容易に追随できない欠点がある。特
に、φ300以上の大口径試料に対し、電極間の距離が
20mm程度以下で狭い場合、試料端部上の圧力より試
料中央部上の圧力が1割以上高くなり、試料上の圧力差
を避けるため試料台と対向電極間の間隔を30mm以上
に設定する場合、困難性が特に増す傾向にある。
【0016】このように、上記した2周波励起法やM−
RIE法では、0.4−4Paの低圧で、5×1010cm~
3のプラズマ密度をφ300mmの試料面内で均一にする
ことは困難である。従って、2周波励起法やM−RIE
法では、φ300mm以上の大口径のウェハに対し、均一
でかつ高速加工性を有して0.2ミクロン径以下の加工
を、下地(SiやSiN等)との選択比を高く加工する
ことは困難な状況である。
【0017】一方、低ガス圧によるプラズマ密度を大幅
に増加させる方法として、上記従来技術中の特開昭56
−13480号公報に記載されたものがある。しかし、
この方式では、ガスの解離が進みすぎ、フッ素と炭素と
を含有するガスを用いてシリコン酸化膜や窒化膜等をエ
ッチングした場合、フッ素原子/分子やフッ素イオンが
多量に発生し、所望の下地(Si等)との選択比が得ら
れないという欠点があった。RF電力の誘導電磁界を用
いるICP法も上記ECR法と同様に解離が進みすぎる
欠点があった。
【0018】また、処理ガスを試料の周辺から排気する
構成が一般に取られており、この場合、試料中央部の密
度が高く、試料周辺部のプラズマ密度が低くなる傾向と
なり、試料全面での処理の均一性がそこなわれる欠点が
あった。この欠点を改善するため試料の周辺付近に環状
の土手(フォーカスリング)を設け、ガス流を澱ませる
ことが行われているが、この土手に反応生成物が付着
し、異物発生源となり歩留まりが低下する欠点を持って
いた。
【0019】一方、試料に入射するイオンのエネルギー
制御するため、試料を載置する電極に正弦波のRFバイ
アスを加えることが行われている。その周波数として数
100KHz〜13.56MHzが用いられているが、
この周波数帯では、シース内の電界の変化にイオンが追
随するため入射するイオンのエネルギー分布が、低いエ
ネルギー側と高いエネルギー側との2つでピークを持つ
ダブルピーク型となっていた。高いエネルギー側のイオ
ンは、処理速度は高いが、試料にダメージを与え、低い
エネルギー側のイオンは処理速度が低い欠点があり、ダ
メージをなくそうとすると処理速度が低下し、処理速度
を上げようとするとダメージが問題となる欠点があっ
た。一方、RFバイアス周波数を例えば50MHz程度
以上の高い値とすると、入射するエネルギー分布はそろ
ってシングルピークに近づくが、プラズマ生成にそのエ
ネルギーの大半が使われ、シースに加わる電圧が大幅に
低下するため、入射イオンのエネルギーを単独に制御す
ることが困難になる欠点があった。
【0020】また、上記従来技術中、特開昭62−28
0378号公報や特開平6−61182号公報に記載の
パルスバイアス電源方式は、試料台電極と試料との間に
静電吸着用誘電体層を使用して試料にパルスバイアスを
印加する場合の検討がなされておらず、静電吸着方式に
そのまま適用するとイオン電流の流入に伴い静電吸着膜
の両端間に発生する電圧の増加によりプラズマと試料表
面間に印加されるイオン加速電圧が低下し、イオンエネ
ルギー分布が広がるため、試料に十分な温度制御を行い
ながら、必要とする微細パターンの処理に対処すること
ができない欠点があった。
【0021】また、USP5,320,982号明細書
に記載された従来の正弦波出力バイアス電源方式では、
周波数が高くなると、シース部のインピーダンスがプラ
ズマ自身のインピーダンスに近づくか、それ以下になる
ため、バイアス電源により試料近傍のシース付近で不要
なプラズマが生じ、イオンの加速に有効に使われなくな
るとともにプラズマ分布も悪化し、バイアス電源による
イオンエネルギーの制御性が失われる欠点があった。
【0022】さらにまた、プラズマ処理においては、イ
オン量、ラジカル量及びラジカル種を適正に制御するこ
とが、性能向上のために重要であるが、従来はイオン源
やラジカル源となるガスを処理室に流入させ、処理室内
でプラズマを発生させて、イオンとラジカルを同時に発
生させていたため、試料の処理が微細化するにつれ、そ
の制御の限度が明白となりつつある。
【0023】また、先に述べたJap.J.Appl.
phys,28,10のVHF帶のサイクロトロン共鳴
を利用した例では、試料台に印加するバイアス電源の設
置バイアス電圧を試料面全面にわたって均一に加えるた
めの手段等述べられていない。また、処理室の高さは2
00mm程度以上となっており、対向電極での表面反応
有効に活用する構成とはなっておらず、この構成で高い
選択比を得ることは困難である。
【0024】本発明の目的は、過度にガスの解離を進め
ずφ300mm以上の大口径で均一なプラズマを得ること
により、大口径の試料に対する微細パターンの精密な加
工が容易なプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提
供することにある。
【0025】本発明の他の目的は、大口径の試料の全面
にわたって均一かつ高速な処理、特に酸化膜処理を施す
ことができるプラズマ処理装置およびその処理方法を提
供することにある。
【0026】本発明の他の目的は、試料中の絶縁膜(例
えばSiO2, SiN,BPSG等)に対するプラズマ
処理の選択比を向上させたプラズマ処理装置及びプラズ
マ処理方法を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、狭いイオンエネルギ
ー分布を得て安定して低ダメージで制御性良くプラズマ
処理の選択比を向上できるプラズマ処理装置及びプラズ
マ処理方法を提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、試料の静電吸着によ
り温度制御性を改善し、必要とする微細パターンの処理
を精度良く安定して行うプラズマ処理装置及びプラズマ
処理方法を提供することにある。
【0029】本発明の他の目的は、イオンとラジカルを
独立に制御することが可能なプラズマ処理装置及びプラ
ズマ処理方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、真空処
理室と、一対の電極を含むプラズマ生成手段と、該真空
処理室内で処理される試料を載置する試料載置面を有す
る試料台と、前記真空処理室を減圧する減圧手段とを有
するプラズマ処理装置において、前記一対の電極間に、
30MHzないし300MHzのVHF帶の高周波電力
を印加する高周波電源と、前記高周波電源により前記一
対の電極間もしくはその近辺に生ずる電界と交差する方
向に、静磁場もしくは低周波磁場を形成する磁場形成手
段とを備え、前記一対の電極間に、前記磁場と前記電界
との相互作用による電子のサイクロトロン共鳴領域を形
成することにある。
【0031】本発明の他の特徴は、真空処理室と、一対
の電極を含むプラズマ生成手段と、前記電極の一方を兼
ねると共に該真空処理室内で処理される試料を載置する
試料台と、前記真空処理室を減圧する減圧手段とを有す
るプラズマ処理装置において、前記一対の電極間に、5
0MHzないし200MHzのVHF帯電力を印加する
高周波電源と、前記高周波電源により前記一対の電極間
もしくはその近辺に生ずる電界と交差する方向に、17
ガウス以上72ガウス以下の静磁場もしくは低周波磁場
の部分を形成する磁場形成手段とを備え、前記磁場の前
記試料台の面に沿う方向の成分の最大となる部分が、前
記一対の電極の中央よりも前記試料台と反対側になるよ
うに設定し、前記一対の電極間に前記磁場と前記電界と
の相互作用による電子のサイクロトロン共鳴領域を形成
することにある。
【0032】本発明の他の特徴は、真空処理室と、一対
の電極を含むプラズマ生成手段と、前記電極の一方を兼
ねると共に該真空処理室内で処理される試料を配置する
ための試料台と、前記真空処理室を減圧する減圧手段と
を有するプラズマ処理装置による試料のプラズマ処理方
法において、減圧手段により前記真空処理室内を減圧す
るステップと、磁場形成手段により、前記一対の電極間
の電界と交差する方向に、10ガウス以上110ガウス
以下の静磁場もしくは低周波磁場の部分を形成するステ
ップと、高周波電源により前記一対の電極間に、30M
Hzないし300MHzのVHF帯電力を印加して、前
記一対の電極の間に、前記磁場と前記高周波電源による
電界との相互作用による電子のサイクロトロン共鳴領域
を形成するステップと、前記電子のサイクロトロン共鳴
によリ生成されるプラズマにより、前記試料を処理する
ステップとを有することにある。
【0033】本発明によれば、過度にガスの解離を進め
ず、φ300mm以上の大口径で飽和イオン電流分布が±
5%以下の均一なプラズマを得るために、プラズマ生成
用高周波電源として、30MHzないし300MHz,
好ましくは50MHzないし200MHzのVHFを用
いる。一方、前記高周波電源により一対の電極間に生ず
る電界と交差する方向に、静磁場もしくは低周波磁場を
形成する。これにより、一対の電極間には、試料台の試
料載置面に沿って該一対の電極の中央よりも試料台とは
反対側に、磁場と電界との相互作用による電子のサイク
ロトロン共鳴領域が形成される。この電子のサイクロト
ロン共鳴によリ生成されるプラズマにより試料を処理す
る。
【0034】磁場は、10ガウス以上110ガウス以
下、好ましくは17ガウス以上72ガウス以下の静磁場
もしくは低周波(1KHz以下)磁場の部分を有し、ガ
スは、0.4Paないし4Paの低圧とする。また、両
電極間の距離を30ないし100mm、好ましくは30な
いし60mmとする。なお、一対の電極は、それぞれ処理
される試料の面積以上の面積を有するものであることは
言うまでもない。
【0035】高周波電源の周波数fとして、50MHz
≦f≦200MHzのVHFを用いることによって、プ
ラズマ密度はマイクロ波ECRの場合に比べて1桁ない
し2桁程度低下する。また、ガスの解離も低下し、不要
なフッ素原子/分子や、イオンの発生も1桁程度以上低
下する。このVHF帯の周波数と、サイクロトロン共鳴
を用いることによって、プラズマ密度の絶対値として、
5×1010cm~3以上の、適度に密度の高いプラズマが得
られ、0.4−4Paの低圧で高レートの処理が可能と
なる。さらに、ガスの解離も過度に進まないために、S
iやSiN等の下地との選択比を大きく悪化させること
は無い。
【0036】従来の13.56MHzの平行平板電極に
比べれば、ガスの解離が少し進むが、これによるフッ素
原子/分子や、イオンのわずかの増加は、電極表面やチ
ャンバ壁面にシリコンや炭素を含む物質を設置したり、
更には、これらにバイアスを加えることや、水素を含む
ガスを用いて水素とフッ素を結合して排出することによ
り改善することができる。
【0037】また、本発明によれば、両電極の間で、試
料台に平行な磁場成分の最大となる部分を両電極の中央
よりも試料台と反対側に設定し、試料台の試料載置面で
の試料に平行な磁場強度を30ガウス以下好ましくは1
5ガウス以下とすることによって、試料載置面付近で電
子に働くローレンツ力(E×B)を小さい値にし、試料
載置面でのローレンツ力による電子ドリフト効果による
プラズマ密度の不均一性の発生をなくすることができ
る。
【0038】本発明の他の特徴によれば、試料の中央部
付近に比べ、試料の周辺部ないしはその外側付近でプラ
ズマの生成を高める様に、電子のサイクロトロン共鳴効
果を中央に比べ、周辺部ないしはその外側で大きくす
る。電子のサイクロトロン共鳴効果を下げる手段として
は、サイクロトロン共鳴領域と試料との距離を遠くした
り、サイクロトロン共鳴領域をなくしたり、磁場と電界
との直交度合を少なくすること等により達成できる。
【0039】また、サイクロトロン共鳴磁場BC付近で
の磁場勾配を急にし、ECR共鳴領域を狭くすると、サ
イクロトロン共鳴効果を弱めることができる。ECR共
鳴領域は、Bc(1−a)≦B≦Bc(1+a) 但
し、0.05≦a≦0.1なる磁場強度Bの範囲とな
る。
【0040】ECR共鳴領域では解離が進むため、特に
イオンの生成が盛んになる。一方、ECR共鳴領域以外
の領域は、ECR共鳴領域に比べて解離が進まず、ラジ
カルの生成の方が盛んになる。ECR共鳴領域の幅と上
部電極に加える高周波電力を調整することにより、試料
の処理に適切なイオンとラジカルの発生をより独立に制
御することができる。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を説明する。
まず図1に、本発明を対向電極型のプラズマエッチング
装置へ適用した第一の実施例を示す。図1において、真
空容器としての処理室10は、上部電極12と下部電極
15とから成る一対の対向する電極を備えている。下部
電極15には試料40が載置される。両電極12,15
の間隙は、φ300mm以上の大口径の試料を処理する
時の試料面上の圧力差を1割以下にするために、30m
m以上とするのが望ましい。また、フッ素原子や分子や
イオンを減じるために、上部/下部電極表面上での反応
を有効に活用する観点から、100mm以下、好ましくは
60mm以下とするのが望ましい。上部電極12には、マ
ッチングボックス162を介して高周波エネルギーを供
給する高周波電源16が接続されている。161は高周
波電源変調信号源である。上部電極12とアース間に
は、バイアス電源17の周波数成分に対しては低インピ
ーダンスとなり、高周波電源16の周波数成分に対して
は高インピーダンスとなるフィルタ165が接続されて
いる。
【0056】試料台にほぼ平行に設置された上部電極1
2の表面積は、処理される試料40の面積よりも大きく
し、バイアス電源17の印加により試料面上のシースに
効率良くかつ均一に電圧が加わるように構成している。
【0057】上部電極12の下側表面には、シリコン、
カーボンもしくはSiCからなるフッ素の除去板として
の上部電極カバー30が設けられている。また、上部電
極12の上部には、ガスを所望の分布に拡散するガス拡
散板32を備えたガス導入室34が設けられている。処
理室10には、ガス供給部36からガス導入室34のガ
ス拡散板32、上部電極12及び上部電極カバー30に
設けられた孔38を介して、試料のエッチング等の処理
に必要なガスが供給される。外室11は、外室にバルブ
14を介して接続された真空ポンプ18により真空排気
され、処理室10が試料の処理圧力に調整される。13
は絶縁体である。処理室10の周囲には、プラズマ密度
を高めると共に処理室中の反応の均質化を図るために、
放電止じ込め用リング37が設けられている。放電止じ
込め用リング37には、排気用の隔間を設けている。
【0058】上部電極12の上には、電極間に形成され
た電界Eに直交し、試料40の面に平行な磁場を形成す
るための磁場形成手段200が設けられている。磁場形
成手段200は、コア201、電磁コイル202、絶縁
体203を具備している。上部電極12の構成材料とし
ては、非磁性材導電体、例えばアルミニウムやアルミニ
ウム合金がある。処理室10の構成材料としては、非磁
性材、例えばアルミニウムやアルミニウム合金、アルミ
ナ、石英、SiC等がある。コア201は、磁束が処理
室10の中央上部から上部電極12に向かい、上部電極
12に沿って略平行に外周に伸びるような磁界Bを形成
すべく、コア部201A、201Bを有する断面略E字
型の軸回転対称構造となっている。磁場形成手段200
によって両電極間に形成される磁場は、10ガウス(G
auss)以上110ガウス以下、好ましくは17ガウ
ス以上72ガウス以下の静磁場、あるいは低周波磁場
(1KHZ以下)の、サイクロトロン共鳴を生じる部分
を有する。
【0059】サイクロトロン共鳴を生じる磁場強度Bc
(ガウス)は、公知の通り、プラズマ生成用高周波の周波
数f(MHz)に対しBc=0.357×f(MHz)
の関係にある。
【0060】なお、本発明における2電極12,15
は、相対向する一対の電極が実質的に平行であれば良
く、プラズマ生成特性等の要求から電極12,15が若
干の凹面あるいは凸面を持つものであっても良い。この
様な2電極型では、電極間の電界分布を容易に均一化で
き、この電界に直交する磁場の均一性を向上することに
より、サイクロトロン共鳴によるプラズマの生成を均一
にすることが比較的容易である特徴を持つ。
【0061】試料40を載置保持する下部電極15は、
2極式の静電チャック20を備えた構成となっている。
すなわち、下部電極15は、外側の第1下部電極15A
と、その内側上方に絶縁体21を介して配置された第2
下部電極15Bによって構成され、第1、第2両下部電
極の上表面に静電吸着用誘電体層(以下、静電吸着膜と
略称する)22が設けられている。第1、第2両下部電
極間には、高周波成分カット用のコイル24A,24B
を介して直流電源23が接続されており、第2下部電極
15B側が正になるようにして両下部電極間に直流電圧
を印加する。これにより、静電吸着膜22を介して試料
40と両下部電極間に作用するクーロン力により、試料
40が下部電極15上に吸着、保持される。静電吸着膜
22としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化アルミ
ニウムにチタン酸化物を混合したものなどの誘電体を使
用することができる。また、電源23としては、数10
0Vの直流電源を用いる。
【0062】また、下部電極15(15A,15B)に
は、20V〜1000Vの振幅のパルスバイアスを供給
するパルスバイアス電源17が、DC成分をカットする
ブロッキングコンデンサ19A,19Bを介してそれぞ
れ接続されている。
【0063】これまで、静電チャックとして、2極式を
用いて説明したが、他の方式の静電チャック、例えば、
単極式やn極式(n≧3)でもよい。
【0064】エッチング処理を行う場合、処理の対象物
である試料40は、処理室10の下部電極15の上に載
置され、静電チャック20により吸着される。一方、ガ
ス供給部36からガス導入室34を介して、試料40の
エッチング処理に必要なガスが処理室10に供給され
る。外室11は真空ポンプ18により真空排気され、処
理室10が試料の処理圧力、例えば0.4〜4.0Pa
(パスカル)になるように減圧排気される。次に、高周
波電源16より30MHz〜300MHz、望ましくは50
MHz〜200MHzの高周波電力を出力して、処理室10
の処理ガスをプラズマ化する。
【0065】30ないし300MHzの高周波電力と磁
場形成手段200により形成された10ガウス以上11
0ガウス以下の静磁場の部分とにより、上部電極12と
下部電極15との間に電子のサイクロトロン共鳴を生じ
させ、この場合、0.4〜4.0Paの低ガス圧でかつ
高い密度のプラズマを生成させる。
【0066】他方、下部電極15に、パルスバイアス電
源17から電圧20V〜1000Vで周期が0.1μs
〜10μs、好ましくは、0.2μs〜5μsで正のパル
ス部分のデューティが0.05〜0.4のバイアスを印
加し、プラズマ中の電子やイオンを制御して試料40に
対するエッチング処理を行う。
【0067】エッチングガスは、ガス拡散板32で所望
の分布にされた後、上部電極12及び上部電極カバー3
0に明けられた孔38を通して処理室10に注入され
る。
【0068】また上部電極カバー30には、カーボンや
シリコンあるいはこれらを含有するものを用い、フッ素
や酸素成分を除去してレジストやシリコン等の下地との
選択比を向上させる。
【0069】大口径の試料の微細加工性を向上させるに
は、プラズマ発生用高周波電源16としてより高い周波
数のものを用い、低ガス圧領域での放電の安定化を図る
のがよい。本発明では、0.4Paないし4Paの低圧
ガスで5×1010ないし5×1011cm~3のプラズマ密度
で、かつ、過度にガスの解離を進めず大口径で均一なプ
ラズマを得るために、上部電極12に、プラズマ生成用
高周波電源16を接続する。他方、試料を載置した下部
電極15には、イオンエネルギー制御用のバイアス電源
17を接続しこれら両電極間の距離を、30ないし10
0mmとする。
【0070】また、プラズマ生成用高周波電源16とし
て、30MHzないし300MHz,好ましくは50M
Hzないし200MHzのVHFを用い、10ガウス以
上110ガウス以下、好ましくは17ガウス以上72ガ
ウス以下の静磁場もしくは低周波(1KHz以下)磁場
の部分との相互作用により、上部電極12と下部電極1
5の間に、電子のサイクロトロン共鳴を生じさせる。
【0071】図2に、電子のサイクロトロン共鳴を生じ
る磁場を加えた状態で、プラズマを発生させる高周波電
源の周波数を変化させたときの、プラズマ密度の変化の
一例を示す。供試ガスはアルゴンにC48を2〜10%
加えたもの、処理室の圧力は1Paである。プラズマ密
度は、f=2450MHzのマイクロ波ECRの場合を
1として基準値化している。なお、破線は、磁場無しの
場合を示している。
【0072】50MHz≦f≦200MHzにおいて
は、プラズマ密度は、マイクロ波ECRの場合に比べて
1桁程度ないし2桁程度低下する。また、ガスの解離も
低下し、不要なフッ素原子/分子や、イオンの発生も1
桁以上低下する。このVHF帯の周波数と、サイクロト
ロン共鳴を用いることによって、プラズマ密度の絶対値
として、5×1010cm~3以上の、適度に密度の高いプラ
ズマが得られ、0.4−4Paの低圧で高レートの処理
が可能となる。さらに、ガスの解離も過度に進まないた
めに、SiO2等の絶縁膜に対してSiやSiN等の下
地との選択比を大きく悪化させることは無い。
【0073】50MHz≦f≦200MHzにおいて
は、従来の13.56MHzの平行平板電極に比べて、
ガスの解離が少し進むが、これによるフッ素原子/分子
や、イオンのわずかの増加は、電極表面やチャンバ壁面
にシリコンや炭素を含む物質を設置して改善することが
できる。あるいは更に、この電極表面やチャンバ壁面に
バイアスを加えることにより、フッ素を炭素やシリコン
と化合させて排出したり、水素を含むガスを用いて水素
とフッ素とを化合させて排出して改善することができ
る。
【0074】高周波電源の周波数が200MHz以上、
特に300MHz以上になると、プラズマ密度が高くな
るが、ガスの解離が過度になりフッ素原子/分子やイオ
ンの増加が大きくなり過ぎ、SiやSiN等の下地との
選択比を大きく悪化させるので好ましくない。
【0075】図3に、サイクロトロン共鳴時と無共鳴時
とに電子が高周波電界から得るエネルギー利得kを示
す。無磁場時に高周波の1周期中に電子が得るエネルギ
ーをe0とし、サイクロトロン共鳴磁場 Bc=2πf・
(m/e)を印加した時に高周波の1周期中に電子が得
るエネルギーを e1としたとき、e1,e0は、数1のよう
になる。
【0076】
【数1】
【0077】これらの比(=e1/e0)をkとしたと
き、kは、次式で表される。但し、m:電子の質量,
e:電子の電荷,f:印加周波数 K=(1/2)(ν2+ω2){1/(ν2+(ω−ωc)2))+(1
/(ν2+(ω+ωc)2))} 但し、ν:衝突周波数, ω:励起角周波数,ωc:サ
イクロトロン角周波数 一般に、kの値は、ガス圧が低い程、周波数が高い程大
きくなる。図3は、Ar(アルゴン)ガスの場合であ
り、圧力P=1Paにおいては、f≧50MHzでk≧
150となり、磁場が無い時に比べて低ガス圧下におい
ても解離が促進される。サイクロトロン共鳴効果は、圧
力P=1Paにおいては、20MHz程度以下の周波数
では急速に小さくなる。図2に示した特性でも分かるよ
うに、30MHz以下の周波数では、磁場無しの場合と
差が少なく、サイクロトロン共鳴効果は小さい。
【0078】なお、ガス圧を低くすればサイクロトロン
共鳴効果は高まるが、1Pa以下ではプラズマの電子温
度が高まり、解離が進み過ぎるという逆効果が大きくな
る。ガスの過度の解離を抑えて、かつ、プラズマ密度を
5×1010cm~3程度以上にするには、ガスの圧力として
0.4Paから4Pa、好ましくは1Pa程度から4P
aの間が良い。
【0079】サイクロトロン共鳴効果を発揮させるため
には、kの値を数十以上とする必要がある。図2や図3
からも明らかなように、過度にガスの解離を進めずにサ
イクロトロン共鳴効果を有効に利用するには、ガス圧が
0.4Paないし4Paの圧力では、プラズマ生成用高
周波電源として、30ないし300MHz,好ましくは
50ないし200MHzのVHFを用いる必要がある。
【0080】図4は、従来のマグネトロン方式チャンバ
で上部電極を接地し、下部電極上に均一な横方向の磁界
Bを与えると共に、68MHzの高周波電力を印加した
時の、試料に誘起されるイオン加速電圧VDCと、試料内
の誘起電圧VDCのバラツキΔVを示している。磁場Bの
強度を上げると電子に働くローレンツ力によりイオン加
速電圧VDCが小さくなり、プラズマ密度が増加する。し
かし、従来のマグネトロン放電型の場合、磁場Bの強度
が200ガウス程度と大きいため、プラズマ密度の面内
の均一性が悪化し、誘起電圧のバラツキΔVが大きくな
り、試料のダメージが増大する欠点がある。
【0081】図4から、従来のマグネトロン放電型の2
00ガウスの場合に比べ、ΔVを1/5〜1/10以下
にするには、磁場Bの強度は、試料面付近において30
ガウス以下、好ましくは15ガウス以下の小さな値とす
るのが、ダメージを無くす上から望ましい。
【0082】サイクロトロン共鳴領域は、上部電極12
と下部電極15の中間で、かつ両電極の中間位置よりも
やや上部電極側に形成される。図5は、横軸が試料面
(下部電極15)から上部電極12までの距離、縦軸が
磁場を示している。図5の例は、印加周波数f1=10
0MHz,Bc=37.5G、電極間隔=50mmの条件
で、ECR領域が、試料面から30mm付近に形成され
ている。
【0083】このように本発明では、上部電極12と下
部電極15との間で、下部電極15(試料載置面)に平
行な磁場成分の最大となる部分を、上部電極面、もしく
は両電極の真中より上部電極側に設定する。これによっ
て、下部電極面での試料に平行な磁場強度を30ガウス
以下好ましくは15ガウス以下として、下部電極面付近
で電子に働くローレンツカ(E×B)を小さい値とし、
下部電極面でのローレンツカによる電子ドリフト効果に
よるプラズマ密度の面内の不均一性の発生をなくすこと
ができる。
【0084】図1の実施例の磁場形成手段200によれ
ば、図6に示すように、ECR領域が試料の中央部付近
を除き、下部電極15(試料載置面)からほぼ同じ高さ
の位置に形成される。従って、大口径の試料に対して、
均一なプラズマ処理を行うことが出来る。ただし、試料
の中心付近では、ECR領域が試料載置面から高い位置
に形成されている。ECR領域と試料台間は、30mm以
上の距離があるため、この間でイオンやラジカル試は拡
散し平均化されるので、通常のプラズマ処理には問題が
無い。ただし、試料の全面を均一にプラズマ処理するた
めには、ECR領域が試料の全面に亘り試料面から同じ
高さの位置に、あるいは試料の外側のECR領域が中心
付近のECR領域よりも若干試料台側に近くなるように
形成されるのが望ましい。この対策については、後で詳
細に述べる。
【0085】以上述べたように、図1に示す本発明の実
施例では、プラズマ発生用高周波電源16として、30
ないし300MHzの高周波電力を用い、かつ電子サイ
クロトロン共鳴によりガスの解離を進めているため、処
理室10内のガス圧力が0.4Paないし4Paの低圧
の下でも安定したプラズマが得られる。また、シース中
でのイオンの衝突が少なくなるので、試料40の処理に
際して、イオンの方向性が増し垂直な微細加工性を向上
させることができる。
【0086】処理室10の周囲は、放電止じ込め用リン
グ37によってプラズマを試料40付近に極在化させる
ことにり、プラズマ密度の向上を図ると共に、放電止じ
込め用リング37より外の部分への不要なデポジット物
の付着を最小とさせる。
【0087】なお、放電止じ込め用リング37として
は、カーボンやシリコンあるいはSiC等の半導体や導
電材を用いる。この放電止じ込め用リング37を高周波
電源に接続しイオンによるスパッタを生じさせると、リ
ング37へのデポ付着を低減すると共にフッ素の除去効
果も持たせることができる。
【0088】なお、試料40の周辺の絶縁体13上に、
カーボンやシリコンあるいはこれらを含有するサセプタ
カバー39を設けると、SiO2等の絶縁膜をフッ素を
含有するガスを用いてプラズマ処理を行う場合、フッ素
を除去出来るので、選択比の向上に役立つ。この場合、
バイアス電源17の電力の一部がサセプタカバー39に
印加されるように、サセプタカバー39の下部分の絶縁
体13の厚みを0.5mm〜5mm程度に薄くすると、イオ
ンによるスパッタ効果により上記効果が促進される。
【0089】また、直流電源23の電位により、誘電体
の静電吸着膜22を挟んで下部電極15(15A,15
B)と試料40を介して静電吸着回路が形成される。こ
の状態で試料40は静電気力により下部電極15に係
止、保持される。静電気力により係止された試料40の
裏面には、ヘリウム、窒素、アルゴン等の熱伝導ガスが
供給される。熱伝導ガスは、下部電極15の凹部に充填
されるが、その圧力は、数百パスカルから数千パスカル
程度とする。なお、静電吸着力は、ギャップが設けられ
た凹部の間では、ほとんどゼロであり、下部電極15の
凸部においてのみ静電吸着力が発生しているとみなせ
る。しかし、後で述べるように、直流電源23に電圧を
適切に設定して、熱伝導ガスの圧力に十分耐えることの
できる吸着力を設定することができるので、熱伝導ガス
により試料40が動いたり飛ばされたりすることはな
い。
【0090】ところで、静電吸着膜22は、プラズマ中
のイオンに対するパルスバイアスのバイアス作用を減じ
る様に作用する。正弦波電源を用いてバイアスをしてい
る従来の方法でもこの作用は生じているが、顕在化して
いない。しかし、パルスバイアスではイオンエネギー幅
が狭いという特徴が犠牲になってしまうため、問題が大
きくなる。
【0091】本発明では、パルスバイアスの印加に伴い
静電吸着膜22の両端間に発生する電圧の上昇を抑制
し、パルスバイアスの効果を高めるために、電圧抑制手
段を設けたことに1つの特徴がある。
【0092】電圧抑制手段の一例としては、パルスバイ
アスの印加に伴い静電吸着膜の両端間に生ずるバイアス
電圧の一周期中の電圧の変化(VCM)が、パルスバイア
ス電圧の大きさ(Vp)の1/2以下となるように構成す
るのが良い。具体的には、下部電極15の表面に設けら
れた誘電体からなる静電吸着膜の膜厚を薄くしたり、誘
電体を誘電率の大きい材料とすることにより、誘電体の
静電容量を増す方法がある。
【0093】あるいはまた、他の電圧抑制手段として、
パルスバイアス電圧の周期を短くして電圧VCMの上昇を
抑制する方法もある。さらに、静電吸着回路とパルスバ
イアス電圧印加回路を別な位置、例えば試料が配置保持
される電極とは別の対向する電極、あるいは別に設けた
第三の電極に、分離して設ける方法も考えられる。
【0094】次に、図7〜図13を用いて、本発明にお
ける電圧抑制手段によりもたらされるべき、パルスバイ
アス一周期中の静電吸着膜の両端間に生じる電圧の変化
(VCM)とパルスバイアス電圧の関係について詳細に述
べる。
【0095】まず、本発明のパルスバイアス電源17に
おいて使用する望ましい出力波形の例を図7に示す。図
中、パルス振幅:vp ,パルス周期:T0 ,正方向パル
ス幅:T1 とする。
【0096】図7(A)の波形をブロッキングコンデン
サ,静電吸着用誘電体層(以下、静電吸着膜と略称す
る)を経由して試料に印加した時、別の電源によりプラ
ズマを発生させた状態での定常状態での試料表面の電位
波形を図7(B)に示す。 ただし、波形の直流成分電圧 :VDC プラズマのフローティングポテンシャル:Vf 静電吸着膜の両端間に生じる電圧の一周期中の最大電
圧:VCM とする。
【0097】図7(B)中、Vf より正電圧となってい
る(I)なる部分は、主に電子電流のみを引き込んでい
る部分であり、Vf より負の部分は、イオン電流を引き
込んでいる部分,Vf の部分は、電子とイオンとがつり
あっている部分(Vf は通常数V〜十数V)である。
【0098】なお、図7(A)および今後の説明では、
ブロッキングコンデンサの容量や試料表面近辺の絶縁体
による容量は静電吸着膜による容量(以下静電吸着容量
と略称する)に比べて十分大きいと仮定している。VCM
の値は次の式(数2)で表わされる。
【0099】
【数2】
【0100】但し、q:(T0−T1)期間に試料に流入
するイオン電流密度(平均値) c:単位面積当りの静電吸着容量(平均値) ii :イオン電流密度, εr :静電吸着膜の比
誘電率 d:静電吸着膜の膜厚 ε0 :真空中の誘電率
(定数) K:静電吸着膜の電極被覆率(≦1) 図8及び図9に、パルスデューティ比:(T1/T0)は
一定のままT0 を変化させた時の試料表面の電位波形と
イオンエネルギーの確率分布を示す。但し、T01
02:T03:T04:T05=16:8:4:2:1とす
る。
【0101】図8の(1)に示す様に、パルス周期T0
が大きすぎると、試料表面の電位波形は矩形波から大き
くはずれ、三角波になり、イオンエネルギーは図9に示
すように、低い方から高い方まで一定の分布となり好ま
しくない。
【0102】図8の(2)〜(5)に示す様に、パルス
周期T0 を小さくするにつれて、(VCM/vp )は1よ
りも小さな値となり、イオンエネルギー分布も狭くなっ
てゆく。
【0103】図8,図9においてT0=T01,TO02
03,T04,T05は、(VCM/vp )=1,0.63,
0.31,0.16,0.08に対応している。次に、パ
ルスのオフ(T0−T1)期間と、静電吸着膜の両端間に
生じる電圧の一周期中の最大電圧VCMの関係を図10に
示す。
【0104】静電吸着膜として、厚み0.3mmの酸化チ
タン含有アルミナ(εr=10)を用いて電極の約50
%を被膜(K=0.5 )した場合、イオン電流密度ii
=5mA/cm2 の中密度プラズマ中でのVCMの値の変化
を図10の太線(標準条件の線)で示す。
【0105】図10から明らかなように、パルスのオフ
(T0−T1)期間が大きくなるにつれ、静電吸着膜の両
端間に生じる電圧VCMはそれに比例して大きな値とな
り、通常使用されるパルス電圧vp 以上になってしま
う。
【0106】例えば、プラズマエッチング装置において
は、ダメージ,下地やマスクとの選択性,形状等により
通常、 ゲートエッチングでは 20volt ≦ vp ≦100vo
lt メタルエッチングでは 50volt ≦ vp ≦200vo
lt 酸化膜エッチングでは 250volt ≦ vp ≦1000
volt に制限される。
【0107】後述の(VCM/vp )≦0.5の条件を満
たそうとすると標準状態では、(T0−T1)の上限は次
のようになる。 ゲートエッチングでは (T0−T1)≦0.15μs メタルエッチングでは (T0−T1)≦0.35μs 酸化膜エッチングでは (T0−T1)≦1.2μs ところで、T0が0.1μs に近くなると、イオンシー
スのインピーダンスがプラズマのインピーダンスに近づ
くかそれ以下となるため、不要なプラズマの発生を生じ
ると共に、バイアス電源がイオンの加速に有効に使われ
なくなってくる。このため、バイアス電源によるイオン
エネルギーの制御性が悪化するため、T0は、0.1μ
s以上、好ましくは0.2μs以上が良い。
【0108】従って、vp を低くおさえられるゲートエ
ッチャ等においては、静電吸着膜の材料を比誘電率が1
0〜100と高いもの、(例えばTa23でεr =2
5)に変えたり、絶縁耐圧を低下させず膜厚を薄く、例
えば10μm〜400μm、望ましくは10μm〜10
0μmにしたりする必要がある。
【0109】図10には、単位面積当りの静電容量c
を、それぞれ2.5倍、5倍、10倍に増加させた時の
CMの値も併記した。静電吸着膜の改善を行っても現状
では静電容量cを数倍にする改善が限度とみられ、VCM
≦300 volt、c≦10c0とすると、0.1μs≦
(T0−T1)≦10μsとなる。イオンの加速によりプ
ラズマ処理に有効な部分は(T0−T1)の部分であり、
パルスデューティ(T1/T0)としてはできるだけ小さ
い方が好ましい。
【0110】時間平均も加味した、プラズマ処理の効率
として(VDC/vp)で見積ったのが、図11である。
(T1/T0)を小さくし、(VDC/vp)を大きくする
のが好ましい。
【0111】プラズマ処理の効率として0.5≦(VDC
/vp)を仮定し、後述の条件、(VCM/vp )≦0.5
を入れると、パルスデューディは、(T1/T0)≦0.
4程度となる。
【0112】なお、パルスデューディ(T1/T0)は小
さいほどイオンエネルギーの制御に有効であるが、必要
以上に小さくするとパルス幅T1が0.05μs程度の
小さい値となり、数十MHzの周波数成分を多く含むよう
になり、後述するような、プラズマ発生用高周波成分と
の分離も難しくなる。図11に示すように、0≦(T1
/T0)≦0.05間での(VDC/vp)の低下はわずか
であり、(T1/T0)として0.05以上で特に問題は
生じない。
【0113】ここで図12に、ゲートエッチングの例と
して、塩素ガス1.3Paをプラズマ化した時のシリコ
ンと下地の酸化膜とのエッチングレートESiおよびE
SiO2のイオンエネルギー依存性を示す。シリコンの
エッチングレートESiは低イオンエネルギーでは一定
値になる。イオンエネルギーが10V程度以上では、イ
オンエネルギーの増加に従って、ESiも増加する。一
方下地となる酸化膜のエッチングレートESiO2は、
イオンエネルギーが20V程度以下では0であり、20
V程度を越えると、イオンエネルギーと共にESiO2
は増加する。
【0114】その結果、イオンエネルギーが20V程度
以下では下地との選択比ESi/ESiO2が∞となる
領域が存在する。イオンエネルギーが20V程度以上で
は、下地との選択比ESi/ESiO2は、イオンエネ
ルギーの増加と共に急速に低下する。
【0115】図13は、絶縁膜の一種である酸化膜(S
iO2 ,BPSG,HISO等)のエッチングの例とし
て、C4F8ガス1.0Paをプラズマ化した時の、酸
化膜とシリコンとのエチングレートESiO2および、
ESiのイオンエネルギー分布を示すものである。
【0116】酸化膜のエッチングレートESiO2は、
低イオンエネルギーでは負の値となり、デポを生じる。
イオンエネルギーが400V付近にてESiO2が急速
に正に立ち上がり、その後は、徐々に増加する。一方下
地となるシリコンのエッチングレートESiは、ESi
2よりイオンエネルギーの高い所で(−)(エッチン
グ)から(+)(エッチング)となり徐々に増加する。
【0117】この結果、ESiO2が(−)から(+)に変
化する付近にて、下地との選択比ESiO2/ESiが
∞ となり、それ以上でESiO2/ESiはイオンエネ
ルギーの増加と共に急速に低下する。
【0118】図12、図13で、実際のプロセスへの適
用に対しては、ESiやESiO2の値や、ESi/E
SiO2や、ESiO2/ESiの値の大きさを考慮し
て、バイアス電源を調整してイオンエネルギーを適正値
にする。
【0119】また、ジャストエッチング(下地膜が現わ
れるまでのエッチング)まではエッチングレートの大き
さを優先し、ジャストエッチ後は選択比の大きさを優先
してイオンエネルギーをジャストエッチの前後に変更す
れば、更に良い特性が得られる。
【0120】ところで図12、図13に示した特性は、
イオンのエネルギー分布が狭い部分に限定された時の特
性である。イオンのエネルギー分布が広い場合の各エッ
チングレートはその時間平均値となるため、最適値に設
定することが出来ず、選択比は大幅に低下してしまう。
【0121】実験によると、(VDC/vp)は0.3以
下程度であれば、イオンエネルギーの広がりは±15%
程度以下となり、図12や図13の特性でも30以上の
高い選択比が得られた。また、(VDC/vp)≦0.5
であれば、従来の正弦波バイアス法に比べて選択比等の
改善が図れた。
【0122】このように、静電吸着膜の両端間に生じる
パルス電圧の一周期中の電圧変化(VCM)を抑える電圧抑
制手段として、VCMが、パルスバイアス電圧の大きさv
pの1/2以下となるように構成するのが良く、具体的
には、下部電極15の表面に設けられた誘電体の静電チ
ャック膜22の膜厚を薄くしたり、誘電体を誘電率の大
きい材料とすることにより、誘電体の容量を増すことが
できる。あるいは、パルスバイアス電圧の周期を、0.
1μs〜10μs、好ましくは0.2μs〜5μs(繰
り返し周波数:0.2MHz〜5MHzに対応)と短くし、パ
ルスデューディ(T1/T0)を、0.05≦(T1
0)≦=0.4として静電吸着膜の両端の電圧変化を
抑制する。
【0123】あるいはまた、上記誘電体の静電吸着膜の
膜厚と、誘電体の比誘電率及びパルスバイアス電圧の周
期の幾つかを組み合わせて、静電吸着膜の両端間に生じ
る電圧VCMの変化が上記した(VCM/vp )≦0.5の
条件を満たすようにしても良い。
【0124】次に、図1の真空処理室を、絶縁膜(例え
ばSiO2, SiN,BPSG等)のエッチングに用い
た実施例について述べる。
【0125】ガスとしては、C4F8:1〜5%,A
r:90〜95%,O2:0〜5%もしくは、C4F8:
1〜5%,Ar:70〜90%,O2:0〜5%,C
O:10〜20%,の組成のものを用いる。プラズマ発
生用高周波電源16としては、従来よりも高い周波数、
例えば40MHzのものを用い、1〜3Paの低ガス圧
領域での放電の安定化を計る。
【0126】なお、プラズマ源用高周波電源16の高周
波化により必要以上の解離が進行する場合は、高周波電
源16の出力を高周波電源変調信号源161により、オ
ンオフないしはレベル変調制御する。高レベルの時は、
ラジカルの生成に比べてイオンの生成が盛んとなり、低
レベルの時は、イオンの生成に比べてラジカルの生成が
盛んとなる。オン(またはレベル変調時の高レベル)時
間としては5〜50μs程度、オフ時間(またはレベル
変調時の低レベル)としては10〜100μs、周期2
0μs〜150μs程度を用いる。これにより不必要な
解離を防ぐとともに、所望のイオン−ラジカル比を得る
ことができる。
【0127】また、プラズマ源用高周波電源の変調周期
は、通常、パルスバイアスの周期に比べ長くなる。そこ
で、プラズマ源用高周波電源の変調周期をパルスバイア
スの周期の整数倍にし、2つの間の位相を最適化するこ
とにより、選択比の改善ができた。
【0128】一方、パルスバイアス電圧の印加によっ
て、プラズマ中のイオンを試料に加速、垂直入射させる
ことにより、イオンエネルギーの制御を行う。パルスバ
イアス電源17として、例えば、パルス周期:T=0.
65μs、パルス幅:T1=0.15μs、パルス振
幅:Vp=800Vの電源を用いることにより、イオン
エネルギーの分布幅は±15%以下になり、下地のSi
やSiNとの選択比として20〜50の特性の良いプラ
ズマ処理が可能になった。
【0129】次に、図14により本発明の他の実施例に
なる2電極型のプラズマエッチング装置を説明する。こ
の実施例は、図1に示したと同様な構成であるが、試料
40を保持する下部電極15が、単極式の静電チャック
20を備えた構成となっている点で異なる。下部電極1
5の上表面に静電吸着用誘電体層22が設けられ、下部
電極15には、高周波成分カット用のコイル24を介し
て直流電源23のプラス側が接続されている。また、2
0V〜1000Vの正のパルスバイアスを供給するパル
スバイアス電源17が、ブロッキングコンデンサ19を
介して接続されている。
【0130】処理室10の周囲には放電止じ込め用リン
グ37A,37Bを設置し、プラズマ密度の向上を図る
と共に、放電止じ込め用リング37A,37B外の部分
への不要なデポジット物の付着を最小とさせる。図14
の放電止じ込め用リング37A,37Bにおいて、下部
電極側の放電止じ込め用リング37Aの土手部の直径
は、上部電極側の放電止じ込め用リング37Bの土手部
の直径より小さくし、試料周辺での反応生成物の分布を
一様にしている。
【0131】なお、放電止じ込め用リング37A,37
Bの材料として、少なくとも処理室側に面する側に、カ
ーボン、シリコンあるいはSiC等の半導体や導電体を
用いる。また、下部電極側リング37Aにはコンデンサ
19Aを介して100K〜13.56MHzの放電止じ
込めリング用バイアス電源17Aを接続し、上部電極側
リング37Bには高周電源16の電力の一部が印加され
る様に構成し、イオンのスパッタ効果によるリング37
A,37Bへのデポ付着を低減すると共にフッ素の除去
効果も持たせる。
【0132】なお、図14の13A,13Cはアルミナ
等で構成される絶縁体であり、13BはSiC,グラッ
シーカーボン、Si等の導電性を有する絶縁体である。
【0133】リング37A,37Bの導電性が低い場合
には、金属等の導体をリング37A,37B中に内蔵さ
せリングの表面と内臓導体の距離を狭くすることによ
り、高周波電力がリング37A,37Bの表面から放射
され易くして、スパッタ効果を高めることができる。
【0134】上部電極カバー30は、通常その周辺のみ
がボルト250で上部電極12に固定される。ガス供給
部36からガス導入室34、ガス拡散板32、上部電極
12を介して上部電極カバー30にガスが供給される。
上部電極カバー30に設けられた孔は、孔中の異常放電
を生成し難くするため、0.3〜1mm径の細孔になっ
ており、上部電極カバー30上部のガス圧は1気圧の数
分の1から1/10程度となる。例えば300mm径の
上部電極カバー30に対して、全体として100Kg程
度以上の力が加わる。このため上部電極カバー30が上
部電極12に対して凸状になり中央部付近では数百ミク
ロン以上の隙間を生じる。
【0135】この場合、高周波源16の周波数が30M
Hz程度以上高くなると、上部電極カバー30の横方向
抵抗が無視出来なくなり、特に中央部付近のプラズマ密
度が低下する現象が出る。これを改善するには、上部電
極カバー30を周辺以外の中心寄りで上部電極12に固
定すれば良い。図14の例では、SiCやカーボン等の
半導体もしくはアルミナ等の絶縁体のボルト251で、
上部電極カバー30の中心寄りの数ケ所を上部電極12
に固定し、上部電極12側から印加される高周波の分布
を一様にしている。
【0136】なお、上部電極カバー30の少なくとも中
心寄り部分を上部電極12に固定する方法は、何ら上記
ボルト251に限定されるものでなく、接着作用のある
物質で上部電極カバー30と上部電極12とを全面でも
しくは少なくとも中心寄りの部分で接着してもよい。
【0137】図14の実施例において、処理の対象物で
ある試料40は、下部電極15の上に載置され、静電チ
ャック20、すなわち直流電源23による正電荷とプラ
ズマから供給される負電荷により静電吸着膜22の両端
間に生じるクーロン力により吸着される。
【0138】この装置の作用は、図1に示した2電極型
のプラズマエッチング装置と同様であり、エッチング処
理を行う場合、処理を行なうべき試料40を試料台15
に載置し、静電力で保持し、ガス供給系36から処理室
10に処理ガスを所定の流量で導入しながら、他方真空
ポンプ18により真空排気することにより、処理室10
の圧力を試料の処理圧力、0.5〜4.0Paに減圧排
気する。次に、高周波電源16をオンとし、両電極1
2,15間に20MHz〜500MHz、好ましくは30MH
z〜100MHzの高周波電圧を印加してプラズマを発生
させる。他方、下部電極15に、パルスバイアス電源1
7から20V〜1000V、周期が0.1μs〜10μs
好ましくは0.2μs〜5μsの正のパルスバイアス電圧
を印加し、処理室10内のプラズマを制御して試料40
にエッチング処理を行う。
【0139】このようなパルスバイアス電圧の印加によ
って、プラズマ中のイオンもしくはイオン及び及び電子
を試料に加速、垂直入射させることにより、高精度の形
状制御あるいは選択比制御を行う。パルスバイアス電源
17及び静電吸着膜22に必要な特性は図1の実施例と
同様であり、詳細は省略する。
【0140】次に、図15ないし図17により本発明の
他の実施例を説明する。この実施例は、図1に示した2
電極型のプラズマエッチング装置と同様な構成である
が、磁場形成手段200の構成が異なる。磁場形成手段
200のコア201は、偏心しており、試料40の中心
位置に相当する軸を中心にして、モータ204により駆
動されて毎分数ないし数十回転の速度で回転するように
構成されている。なお、コア201は接地されている。
試料の全面を高精度にプラズマ処理するためには、試料
の中央部付近に比べ、試料の周辺部ないしはその外側付
近のプラズマの生成が高まる様に、電子のサイクロトロ
ン共鳴効果を中央に比べ、周辺部ないしはその外側で大
きくするのがよい。しかし、図1の実施例の場合、図6
に示したように、試料の中心付近ではECR領域が無
く、中心付近でプラズマ密度が低くなり過ぎる場合が出
てくる。
【0141】図15の実施例では、磁場形成手段200
の偏心したコア201が回転することによって磁場の分
布が変化し、試料の中心付近では時刻t=0,t=T0
では、ECR領域が試料面から低い位置に形成され、時
刻t=1/2T0では試料面から高い位置に形成され
る。コア201が毎分数ないし数十回転の速度で回転す
る結果、図17に示すように、両電極の中間部における
試料面に平行な方向の磁場強度の平均値が、回転による
時間平均化によりほぼ同じ値になる。すなわち、ECR
領域が試料の周辺部を除き試料面からほぼ同じ高さの位
置に形成される。
【0142】なお、図15のコア201部で一点鎖線で
示したように、偏心した中央部のコアに近い側の磁気回
路を構成するコアはその厚さを薄く、遠い側の磁気回路
を構成するコアはその厚さを厚くすれば、磁場強度の均
一性はさらに向上する。
【0143】次に、図18ないし図19により本発明の
他の実施例を説明する。この実施例は、図15に示した
2電極型のプラズマエッチング装置と同様な構成である
が、磁場形成手段200の構成が異なる。磁場形成手段
200のコア201は、処理室の中央に対応する位置に
凹面のエッジ201Aを有し、処理室の側方位置他のエ
ッジ201Bを有している。凹面のエッジ201Aの作
用により、磁束Bは傾斜した方向成分を有する。その結
果、磁場の分布が変化し、図19に示したように、試料
面に平行な成分の磁場強度が図1の実施例の場合に比べ
て、より均一化される。
【0144】次に、図20により本発明の他の実施例を
説明する。この実施例は、図15に示した2電極型のプ
ラズマエッチング装置と同様な構成であるが、磁場形成
手段200の構成が異なる。磁場形成手段200のコア
201は固定式であり、処理室の中央に対応する位置に
配置されたコア205と共に磁気回路を構成する。コア
205は、絶縁体203と共に、エッジ201Aの中心
を通る軸の廻りを回転する。このような構成により、図
15の実施例と同様にして、試料の中心付近におけるE
CR領域の平均的な位置が、試料面からほぼ同じ位置に
形成される。すなわち、ECR領域が試料の全面に亘り
試料面からほぼ同じ高さの位置に形成される。
【0145】次に、図21ないし図22により本発明の
他の実施例になる2電極型のプラズマエッチング装置を
説明する。この実施例では、磁場形成手段200が、処
理室10の周囲に2対のコイル210,220を備えて
おり、各対のコイルに置ける磁界の向きを矢印1,2,
3,4のように順次切り替えることにより、回転磁界を
形成するように構成されている。コイル210,220
の中心位置O−Oは、両電極12,15の中間よりも上
部電極12側に位置している。これによって、試料40
上の磁場強度を30ガウス以下、好ましくは15ガウス
以下になるように構成している。コイル210,220
の位置、外径を適宜選定することによって、試料の周辺
部ないしはその外側付近のプラズマの生成がより高まる
様に、磁場の強度分布を調整することができる。
【0146】次に、図23、図24により、本発明の他
の実施例になる2電極型のプラズマエッチング装置を説
明する。この実施例では、磁場形成手段200として、
円形の処理室10の周囲に沿って水平面内で円弧状に配
置された一対のコイル210’を備えている。この一対
のコイル210’に流れる電流を制御して、図23に矢
印(1)、(2)で示したように、一定周期毎に磁場の
極性を変化させる。
【0147】図24に破線で示すように、磁束Bは、垂
直面内では処理室中心部で拡がるため、処理室中心部の
磁場強度は低下する。しかし、一対のコイル210’
は、処理室に沿ってカーブしているため、水平面内で
は、処理室中心部に磁束Bが集まる様になっている。そ
のため、処理室中心部の磁場の強さを、図22の実施例
に比べて、高めることができる。すなわち、図23の実
施例では、図22の実施例に比べて、処理室中心部にお
ける磁場強度の低下を抑制することができ、試料台の試
料載置面における磁場強度の均一性を向上させることが
できる。
【0148】また、一定周期毎に磁場の極性を変化させ
ることによって、E×Bのドリフト効果を少なくしてい
る。
【0149】なお、磁場形成手段200として、図22
の実施例と同様な、2対のコイルを採用しても良い。
【0150】また、磁場形成手段200として、円弧状
コイル210’に代えて、図25に示すように、円形の
処理室10の周囲に沿って配置された複数の直線コイル
部分の組み合わせになる、凸型のコイル210’として
も良い。この場合も、水平面内では、処理室中心部に磁
束Bが集まる様になり、図23の実施例と同じ効果が得
られる。
【0151】さらに、図26の実施例のように、1対の
コイルの中心軸を、処理室中心部で試料面に近づくよう
に、垂直面内で傾斜させて配置しても良い。この実施例
によれば、処理室中心部の磁場強度を上げ、処理室周辺
部の磁場強度を下げることができるので、試料台の試料
載置面における磁場強度の均一性を向上させることがで
きる。なお磁場強度の均一化のためには、コイルの中心
軸の傾斜角度θを、5度乃至25度の範囲とするのが良
い。
【0152】また、図27に示すように、一対のコイル
210Aの近傍に、コイル210Bを設置し、2組のコ
イルの電流を制御することにより、ECR共鳴位置と共
に、ECR共鳴位置付近での磁場の勾配を変化させ、E
CR共鳴領域の幅を変化させることもできる。ECR共
鳴領域の幅をプロセス毎に最適化することにより、各プ
ロセスに適したイオン/ラジカル比を得ることが可能と
なる。
【0153】なお、以上述べた、図23乃至図27の実
施例を、必要に応じて適宜組み合わせることにより、磁
場強度分布の均一性と制御特性を更に向上させることが
出来る。
【0154】次に、図28ないし図29により本発明の
他の実施例になる2電極型のプラズマエッチング装置を
説明する。この実施例では、処理室壁の一部が導電体で
構成されると共に接地されている。一方、磁場形成手段
200が、処理室10の周囲及び上部にコイル230,
240を備えている。コイル230で形成される磁束B
の向きと、コイル230で形成される磁束B’の向き
は、矢印で示すように、処理室10の中心部では互いに
打消合い、処理室10の周辺およ外側では互いに重畳す
るように構成されている。その結果、試料面上の磁場の
強度分布は図29のようになる。しかも、試料40の載
置面部分では、上部電極12と下部電極15の間の電界
成分の向きと磁界成分の向きは平行である。一方、試料
40の載置面の外側部分では、上部電極12の周辺部な
いしは上部電極12と処理室壁との部分で、横方向の電
界成分と直交する縦方向の磁界成分が生じる。
【0155】従って、図28の実施例によれは、試料の
中心付近における電子のサイクロトロン共鳴効果を下
げ、試料の周辺部ないしはその外側付近のプラズマの生
成を高めることができる。このようにして、試料の周辺
部ないしはその外側付近のプラズマの生成をより高める
ことにより、プラズマ密度分布を均一化することができ
る。
【0156】次に、図30により本発明の他の実施例を
説明する。この実施例は、図1に示した2電極型のプラ
ズマエッチング装置において、高周波電源16から上部
電極12に印加する高周波電力f1では、充分なイオン
エネルギーが得られない場合に、低周波電源163から
上部電極12に、例えば1MHz程度以下の高周波f3
をバイアスとして印加することによって、イオンエネル
ギーを100〜200V程度増大させるものである。な
お、164,165はフィルターである。
【0157】次に、図31により、無磁場型の2電極型
のプラズマエッチング装置における、本発明の実施例を
説明する。
【0158】前にも述べたように、試料の微細加工性を
向上させるには、プラズマ発生用高周波電源16として
より高い周波数のものを用い、低ガス圧領域での放電の
安定化を計るのがよい。本発明の実施例では、処理室1
0における試料の処理圧力を0.5〜4.0Paとして
いる。処理室10内のガス圧力を40mTorr以下の低圧
にすることにより、シース中でのイオンの衝突が少なく
なるので、試料40の処理に際して、イオンの方向性が
増し垂直な微細加工が可能になった。なお、5mTorr以
下では、同じ処理速度を得るには、排気装置や高周波電
源が大型化すると共に、電子温度の上昇による必要以上
の解離が生じ、特性が劣化する傾向がある。
【0159】一般に、一対の2電極を用いたプラズマ発
生用の電源の周波数と安定的に放電が行われる最低のガ
ス圧力との間には、図32に示すように、電源の周波数
が高くなるほど、電極間距離が大きくなるほど、安定放
電最低ガス圧が低下するという関係がある。周囲の壁や
放電閉込めリング37へのデポ等の悪影響を避け、上部
電極カバー30やサセプタカバー39や試料中のレジス
ト等によるフッ素や酸素を除去する効果を有効に機能さ
せるために、最高ガス圧40mTorr時の平均自由工程の
25倍以下に対応して、電極間距離を50mm程度以下と
するのが望ましい。また、電極間距離として、最高ガス
圧(40mTorr)時の平均自由工程の2〜4倍(4mm〜
8mm)程度以上でないと、安定な放電が困難となる。
【0160】図31に示した実施例では、プラズマ発生
用高周波電源16として、20MHz〜500MHz、望ま
しくは30MHz〜200MHzの高周波電力を用いるた
め、処理室内のガス圧力を、0.5〜4.0Paの低圧
にしても、安定したプラズマが得られ、微細加工性を向
上させることができる。また、このような高周波電力を
用いることによりガスプラズマの解離が良くなり、試料
加工時の選択比制御が良くなる。
【0161】以上述べた本発明の実施例において、パル
スバイアス電源の出力とプラズマ発生用電源の出力との
間に干渉が生ずる可能性も考えられる。そこで、以下、
この対策についてのべる。
【0162】まず、パルス幅:T1,パルス周期:T0
無限大の立上り/立下り速度をもつ理想的な矩形パルス
においては、図33に示す様に、f≦3f0(f0=(1
/T1))の周波数範囲に70〜80%程度の電力が含ま
れる。実際に印加される波形は、立上り/立下り速度が
有限となるため、電力の収束性は更に改善され、f≦3
0の周波数範囲に90%程度以上の電力が含まれる様
にできる。
【0163】3f0 なる高い周波数成分をもつパルスバ
イアスを試料面内に均一に印加される様にするために
は、試料にほぼ平行な対向電極を設け、次式数3で求ま
る3f0に対して、f≦3f0 なる範囲の周波数成分を
接地することが望ましい。
【0164】
【数3】
【0165】図31に示した実施例は、上記パルスバイ
アス電源出力とプラズマ発生用電源出力との干渉の対策
を行っている。すなわち、このプラズマエッチング装置
において、試料40と対向する上部電極12には、プラ
ズマ発生用高周波電源16が接続される。この上部電極
12をパルスバイアスの接地レベルにするには、プラズ
マ発生用高周波電源16の周波数f1 を上記の3f0
り大きくし、かつ、f=f1 付近でのインピーダンスが
大きく、他の周波数ではインピーダンスが低い、バンド
エリミネータ141を上部電極12と接地レベルとの間
に接続する。
【0166】一方、f=f1 付近でのインピーダンスが
低く、他の周波数はインピーダンスが高いバンドパスフ
ィルタ142を、試料台15と接地レベル間に設置す
る。このような構成を用いれば、パルスバイアス電源1
7の出力とプラズマ発生用電源16出力との間の干渉
を、問題のないレベルに抑え、試料40に良好なバイア
スを加えることができる。
【0167】図34は、本発明を外部エネルギー供給放
電方式のうち誘導結合型放電方式でかつ、無磁場タイプ
のプラズマエッチング装置へ適用した例である。52は
平面コイル、54は平面コイルに10MHz〜250MHz
の高周波電圧を印加する高周波電源である。誘導結合型
放電方式は図10に示した方式に比べ、低い周波数でか
つ低圧での安定なプラズマ発生が可能になる。逆に、解
離が進みやすくなるため、図1で示したように、高周波
電源1の出力を高周波電源変調信号源161により変調
し、不必要な解離を防ぐことが出来る。真空容器として
の処理室10は、静電吸着膜22の上に試料40が載置
される試料台15を備えている。
【0168】エッチング処理を行う場合、処理を行なう
べき試料40を試料台15に載置し、静電力で保持し、
ガス供給系(図示せず)から処理室10に処理ガスを所
定の流量で導入しながら、他方真空ポンプにより真空排
気することにより、処理室10の圧力を0.5〜4.0
Paに減圧排気する。次に、高周波電源54に13.5
6MHzの高周波電圧を加えて処理室10にプラズマを発
生させる。このプラズマを用いて試料40をエッチング
処理する。他方、エッチング時には、下部電極15に、
周期が0.1μs〜10μs好ましくは0.2μs〜5μs
のパルスバイアス電圧を印加する。パルスバイアス電圧
の振幅は、膜種により範囲が異なることは図1の実施例
で述べたとおりである。このパルスバイアス電圧の印加
によって、プラズマ中のイオンを試料に加速、垂直入射
させることにより、高精度の形状制御あるいは選択比制
御を行う。これにより、試料のレジストマスクパターン
が極微細なものであっても、高精度のエッチング処理を
行うことができる。
【0169】また、図35に示すように、誘導結合型放
電方式無磁場タイプのプラズマエッチング装置におい
て、誘導電高周波出力の処理室10側に、隙間を有する
ファラデーシールド板53と、0.5mm〜5mmの薄いシ
ールド板保護用絶縁板54を設置し、そのファラデーシ
ールド板を接地してもよい。ファラデーシールド板53
の設置によって、コイルとプラズマ間の容量成分が少な
くなり、図34におけるコイル52下の石英板やシール
ド板保護用絶縁板54を叩くイオンのエネルギーを低下
することが出来、石英板や絶縁板の損傷を少なくすると
共に、プラズマ中への異物の混入を防ぐことが出来る。
【0170】また、ファラデーシールド板53は、パル
スバイアス電源17の接地電極の役目も兼ねるため、試
料40とファラデーシールド板53との間に均一にパル
スバイアスを印加することが出来る。この場合、上部電
極や試料台15に設置するフィルタは不要である。
【0171】図36は、本発明をマイクロ波プラズマ処
理装置に適用した装置の一部を縦断面した正面図であ
る。静電吸着膜22の上に試料40が載置される試料台
15としての下部電極15には、パルスバイアス電源1
7及び直流電源13が接続されている。41はマイクロ
波の発振源としてのマグネトロン、42はマイクロ波の
導波管であり、43は、処理室10を真空封止しマイク
ロ波を処理室10に供給するための石英板である。47
は磁場を供給する第一のソレノイドコイル、48は磁場
を供給する第二のソレノイドコイルである。49は処理
ガス供給系であり、処理室10内にエッチング、成膜等
の処理を行なう処理ガスを供給する。また、処理室10
は、真空ポンプ(図示せず)により真空排気される。パ
ルスバイアス電源17及び静電チャック20に必要な特
性は図1の実施例と同様であり、詳細は省略する。
【0172】エッチング処理を行う場合、処理を行なう
べき試料40を試料台15に載置し、静電力で保持し、
ガス供給系49から処理室10に処理ガスを所定の流量
で導入しながら、他方真空ポンプにより真空排気するこ
とにより、処理室10の圧力を0.5〜4.0Paに減
圧排気する。次に、マグネトロン41及び第一、第二の
ソレノイドコイル47、48をオンとし、マグネトロン
41で発生したマイクロ波を導波管42から処理室10
に導びいて、プラズマを発生させる。このプラズマを用
いて試料40にエッチング処理を行う。他方、エッチン
グ時には、下部電極15に、周期が0.1μs〜10μs
好ましくは0.2μs〜5μsのパルスバイアス電圧を印
加する。
【0173】このようなパルスバイアス電圧の印加によ
って、プラズマ中のイオンを試料に加速して、垂直に入
射させることにより、高精度の形状制御あるいは選択比
制御を行う。これにより、試料のレジストマスクパター
ンが極微細なものであっても、垂直入射によりマスクパ
ターンに対応した高精度のエッチング処理が行える。
【0174】なお、図1以下に示した本発明のプラズマ
エッチング装置において、静電吸着回路の直流電圧とパ
ルスバイアス電源回路のパルス電圧を重畳して生成し、
回路を共通に構成することもできる。また、静電吸着回
路とパルスバイアス電源回路を別な電極に分離して設
け、パルスバイアスが静電吸着に影響を及ぼさないよう
にすることもできる。
【0175】図1に示したプラズマエッチング装置の実
施例における静電吸着回路に代えて、他の吸着手段、例
えば真空吸着手段を用いることもできる。
【0176】以上述べた本発明の静電吸着回路とパルス
バイアス電圧印加回路を備えたプラズマ処理装置は、エ
ッチングガスに代えてCVDガスを導入する等の変更を
加えることにより、以上述べたエッチング処理に限らず
CVD装置等のプラズマ処理装置にも適用できる。
【0177】次に、図37に示した本発明の他の実施例
により、従来の欠点を改善し、イオンとラジカル生成の
量と質を制御し、極微細なプラズマ処理を可能とするプ
ラズマエッチング装置の他の実施例について述べる。
【0178】すなわち、試料を設置している真空処理室
の上流側で真空処理室とは別の場所に第一のプラズマ生
成を行う場所を設定し、そこで生成した準安定原子を真
空処理室に注入し、真空処理室にて第二のプラズマを生
成する構成としている。図1に示したプラズマエッチン
グ装置に加えて、イオン・ラジカル源用ガス供給部60
と、準安定原子発生用プラズマ発生室62を備えてい
る。また上部電極12には、準安定原子を含むガスを真
空処理室に導入するル−トのほかに、イオン・ラジカル
源用ガス供給部に繋がっている導入ル−トを設けてい
る。
【0179】この実施例の特徴は、次の通りである。 準安定原子発生用ガス供給部36から供給されたガス
を準安定原子発生用プラズマ発生室62にて高周波電力
を印加してプラズマ化し、あらかじめ所望の準安定原子
を所望量発生させ処理室10に流入させる。準安定原子
発生用プラズマ発生室62は、効率良く準安定原子を発
生させるために、室内の圧力は、数百mTorr〜数十Torr
の高い圧力に設定する。
【0180】他方、イオン・ラジカル源用ガス供給部
60からのガスを処理室10に流入させる。
【0181】プラズマ発生用電源16で比較的低電力
の高周波を出力し、処理室10にプラズマを発生させ
る。準安定原子の注入により、5eV程度以下の低エネ
ルギ−の電子でもイオンを効率良く生成させることがで
きるため、低電子温度(6eV程度以下、好ましくは4
eV程度以下)で、かつ15eV程度以上の高エネルギ
−電子が大幅に少ないプラズマが得られる。このため、
ラジカル源用ガスは過剰な解離を生じさせることなく必
要な量と質を確保出来る。一方イオンの量は、準安定原
子発生用プラズマ発生室62にて発生する準安定原子の
量と、イオン・ラジカル源用ガス供給部60からのイオ
ン源用ガスにて制御することができる。
【0182】このようにしてイオンとラジカル生成の質
や量を制御できる様になるため、極微細なプラズマ処理
においても良好な性能が得られる。ラジカル源用ガスと
しては、CHF3、CH2F2,C4F8あるいはCF
4などのフルオロカ−ボンガスに、必要に応じてC,H
を含むガス(C2H4,CH4,CH3OHなど)を混
ぜてもちいる。準安定原子発生用ガスとしては、1種類
ないしは2種類の希ガスをべ−スにしたものを用いる。
イオン源用ガスとしては、下記の性質を持つ希ガス等を
用いることにより、効率良くイオンを生成できる。
【0183】前記準安定原子のエネルギ−凖位に対し、
イオン源用ガスの電離凖位が低いもの、もしくは、イオ
ン源用ガスの電離凖位の方が高いが、その差が小さい
(5eV程度以下)ものが用いられる。
【0184】尚、性能的には低下するがイオン源用ガス
として特に追加せず、上記準安定原子発生用ガスやラジ
カル源用ガスで代用することもできる。
【0185】次に、図38にイオンとラジカル生成の質
や量を制御する本発明の他の実施例を示す。図37と基
本的考えは、同じであるが、図37において、準安定原
子発生用プラズマ室62と真空処理室10との間の距離
が長く、この間での準安定原子の減衰が大きい場合の対
策として実施する例である。41はマイクロ波の発振源
としてのマグネトロン、42はマイクロ波の導波管であ
り、43は第一のプラズマ生成室45を真空封じして、
マイクロ波を通過させるための石英板であり、44はガ
ス分散用の石英板である。第一のプラズマ生成室45で
は、数100mTorrから数10Torrのガス圧で
前記マイクロ波によりプラズマを発生させ、準安定原子
を発生させる。
【0186】図38では、図37に比較し準安定原子の
発生場所と真空処理室間の距離を短く出来るため、高い
密度で準安定原子を真空処理室に注入することができ、
真空処理室10におけるイオンの量を増加できる。処理
室10は5〜50mTorrの圧力に保ち、20MHz以
上の高周波電源16により、5eV好ましくは3eV以
下で10の10乗から11乗台/cm3の高密度低電子
温度プラズマを発生させ、解離エネルギ−として8eV
以上を必要とするCF2の解離を避けつつ、イオン源用
ガスの電離を進行させる。この結果、試料40の表面上
では、バイアス電源17により数100Vで加速された
イオンの入射でアシストされた下記反応が主に進行す
る。 SiO2+2CF2 → SiF4 ↑+2CO ↑ なお、下地材料となるSiやSiNは、CF2ではエッ
チングされないため、高選択比の酸化膜エッチングが可
能となった。
【0187】また、CF2の一部解離によるFの増加
は、シリコン、カ−ボンもしくはSiC等からなる上部
電極カバ−30により減少させている。
【0188】上で述べたように、ラジカル源用ガスとイ
オン源用ガスとを調節することにより、処理室10内で
のイオンとラジカルとの比率をほぼ独立に制御でき、試
料40の表面での反応を所望のものにコントロ−ルする
ことが容易になった。
【0189】本発明の、静電吸着回路とパルスバイアス
電圧印加回路を備えたプラズマ処理装置は、エッチング
ガスに代えてCVDガスを導入する等の変更を加えるこ
とにより、以上述べたエッチング処理に限らずCVD装
置等のプラズマ処理装置にも適用できる。
【0190】次に、図39にイオンとラジカルとを独立
に制御する本発明の他の実施例を示す。図39におい
て、CHF3、CH2F2,C4F8あるいはCF4な
どのフルオロカ−ボンガスに、必要に応じてC,Hを含
むガス(C2H4,CH3OHなど)を混ぜ、図39の
Aなる部分よりバルブ70を経由してラジカル発生用プ
ラズマ発生室62に入れる。
【0191】ラジカル発生用プラズマ発生室62では、
数MHzないしは数10MHzのRF電源63の出力を
コイル65に印加し、数100mTorrから数10T
orrのガス圧でプラズマを発生させ、主にCF2ラジ
カルを発生させる。同時に発生するCF3やFはH成分
により減少させる。
【0192】なお、ラジカル発生用プラズマ発生室62
でCFやO等の成分を大幅に減少させることは困難なた
め、この後に不要成分除去室65を設ける。ここでは、
カ−ボンやSiを含む材質(カ−ボン、Si,SiC
等)の内壁を設置し、不要な成分を減少、あるいは悪影
響の少ない別のガスに変換させる。不要成分除去室65
の出口は、バルブ71に接続し、CF2が主成分のガス
組成を供給する。
【0193】なお、バルブ70とバルブ71との間は、
デポ物等の堆積物が多く蓄積するため、比較的短期間で
清掃や交換が必要である。このため、大気開放と交換と
を容易にすると共に、再立ち上げ時の真空立ちあげ時間
の短縮のため、バルブ72を経由して排気装置74に接
続している。なお排気装置74は、処理室10用排気装
置等と兼用してもよい。
【0194】またイオン源用ガス(アルゴンガスやキセ
ノンガス等の希ガス)Bはバルブ73を経由し、前記の
バルブ71の出口と繋ぎ処理室に供給する。
【0195】処理室10は5〜40mTの圧力に保ち、
変調を施した20MHz以上の高周波電源16により、
5eV好ましくは3eV以下で10の10乗から11乗
台/cm3の高密度低電子温度プラズマを発生させ、解
離エネルギ−として8eV以上を必要とするCF2の解
離を避けつつ、イオン源用ガスの電離を進行させる。こ
の結果、試料40の表面上では、バイアス電源17によ
り数100Vで加速されたイオンの入射でアシストされ
た下記反応が主に進行する。 SiO2+2CF2 → SiF4 ↑+2CO ↑ なお、下地材料となるSiやSiNは、CF2ではエッ
チングされないため、高選択比の酸化膜エッチングが可
能となった。
【0196】また、CF2の一部解離によるFの増加
は、シリコン、カ−ボンもしくはSiC等からなる上部
電極カバ−30により減少させている。
【0197】上で述べたように、ラジカル源用ガスAと
イオン源用ガスBとを調節することにより、処理室10
内でのイオンとラジカルとの比率をほぼ独立に制御で
き、試料40の表面での反応を所望のものにコントロ−
ルすることが容易になった。また、不必要なデポ成分等
は、不要成分除去室65で排除し、処理室10には極力
持ち込まないようにしているため、処理室10内のデポ
は大幅に低減され、処理室10を大気に開放して行う清
掃の頻度も大幅に低減できた。
【0198】次に、図40にイオンとラジカルとを独立
に制御する他の実施例を示す。酸化ヘキサフルオロプロ
ピレンガス(CF3CFOCF2,以下HFPOと略
す)をAより、バルブ70を経由して加熱パイプ部66
に通し、不要成分除去室65とバルブ71を経由し、イ
オン源ガスBと混合し、処理室10のほうに送る。加熱
パイプ部66では、800℃〜1000℃にHFPOを
加熱し下記の熱分解によりCF2を生成する。 CF3CFOCF2 → CF2+CF3CFO CF3CFOは比較的安定な物質で分解しにくいが、一
部分解し不要なOやFを発生するため、加熱パイプ部6
6の後に不要成分除去室65をもうけ不要成分を除去、
あるいは悪影響のでない物質に変換している。一部のC
F3CFOCF2は分解しないで処理室10に流入する
が、5eV以下の低電子温度のプラズマでは解離しない
ため問題とはならない。
【0199】なお、バルブ72、排気装置74の用い方
ならびに処理室10内での反応は、図39の場合と同じ
である。
【0200】本発明の、静電吸着回路とパルスバイアス
電圧印加回路を備えたプラズマ処理装置は、エッチング
ガスに代えてCVDガスを導入する等の変更を加えるこ
とにより、以上述べたエッチング処理に限らずCVD装
置等のプラズマ処理装置にも適用できる。
【0201】
【発明の効果】本発明によれば、φ300mm以上の大
口径の試料について微細パターンの精密な加工が容易
で、また、微細加工時の選択比も向上させたプラズマ処
理装置及びプラズマ処理方法を提供することができる。
また、大口径の試料の全面にわたって均一かつ高速な処
理、特に酸化膜処理を施すことができるプラズマ処理装
置およびその処理方法を提供することができる。
【0202】本発明によれば、さらに、試料中の絶縁膜
(例えばSiO2, SiN,BPSG等)に対するプラ
ズマ処理の選択性等を向上させたプラズマ処理装置及び
プラズマ処理方法を提供することができる。
【0203】また、制御性が良くかつ狭いイオンエネル
ギー分布を得て、プラズマ処理の選択性等を向上させた
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供すること
ができる。
【0204】また、静電吸着用誘電体層を有する試料台
を使用する場合において、制御性良く、狭いイオンエネ
ルギー分布を得て、プラズマ処理の選択性等を向上させ
たプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供するこ
とができる。
【0205】また、イオンとラジカルの量や質を独立に
制御することにより、プラズマ処理装置の処理室内の圧
力を低くして、微細パターンの精密な加工が容易で、ま
た、微細加工時の選択比も向上させたプラズマ処理装置
及びプラズマ処理方法を提供することができる。
【0206】さらにまた、イオンとラジカルの量や質を
独立に制御することにより、試料中の絶縁膜(例えばS
iO2, SiN,BPSG等)に対するプラズマ処理の
選択性等を向上させたプラズマ処理装置及びプラズマ処
理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる、2電極型のプラズマ
エッチング装置の縦断面図である。
【図2】電子のサイクロトロン共鳴を生じる磁場を加え
た状態で、プラズマを発生させる高周波電源の周波数を
変化させたときの、プラズマ密度の変化の一例を示す図
である。
【図3】サイクロトロン共鳴時と無共鳴時とに電子が高
周波電界から得るエネルギー利得kの状況を示す図であ
る。
【図4】マグネトロン放電電極の上部電極を接地し、下
部電極に磁界Bを与えると共に高周波電力を印加した時
の、磁界強度と、試料に誘起されるイオン加速電圧VDC
及び試料内の誘起電圧のバラツキΔVの関係を示す図で
ある。
【図5】図1のプラズマエッチング装置の磁界特性の説
明図である。
【図6】図1のプラズマエッチング装置のECR領域の
説明図である。
【図7】本発明のパルスバイアス電源において使用する
望ましい出力波形の例を示す図である。
【図8】パルスデューティ比:(T1/T0)は一定のま
まT0 を変化させた時の試料表面の電位波形とイオンエ
ネルギーの確率分布を示す図である。
【図9】パルスデューティ比を一定のまま、T0 を変化
させた時の試料表面の電位波形とイオンエネルギーの確
率分布を示す図である。
【図10】パルスのオフ(T0−T1)期間と、静電吸着
膜の両端間に生じる電圧の一周期中の最大電圧VCMの関
係を示す図である。
【図11】パルスデューティ比と(VDC/vp )の関係
を示す図である。
【図12】塩素ガスをプラズマ化した時のシリコンと酸
化膜とのエッチングレートESiおよびESiO2のイ
オンエネルギー依存性を示す図である。
【図13】酸化膜のエッチングの例としてC48ガスを
プラズマ化した時の、酸化膜とシリコンとのエチングレ
ートESiO2および、ESiのイオンエネルギー分布
を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例になる2電極型のプラズ
マエッチング装置の縦断面図である。
【図15】本発明の他の実施例になる2電極型のプラズ
マエッチング装置の縦断面図である。
【図16】図15プラズマエッチング装置の磁場分布特
性の説明図である。
【図17】図15のプラズマエッチング装置のECR領
域の説明図である。
【図18】本発明の他の実施例になるプラズマエッチン
グ装置の縦断面図である。
【図19】図18のプラズマエッチング装置の磁場分布
特性の説明図である。
【図20】本発明の他の実施例になる、2電極型のプラ
ズマエッチング装置の縦断面図である。
【図21】本発明の他の実施例になる、2電極型のプラ
ズマエッチング装置の縦断面図である。
【図22】図21のプラズマエッチング装置の磁場分布
特性の説明図である。
【図23】本発明の他の実施例になる2電極型のプラズ
マエッチング装置の要部横断面図である。
【図24】図23のプラズマエッチング装置の縦断面図
である。
【図25】磁場形成手段の他の実施例を示す図である。
【図26】本発明の他の実施例になる、2電極型のプラ
ズマエッチング装置の縦断面図である。
【図27】本発明の他の実施例になる、2電極型のプラ
ズマエッチング装置の縦断面図である。
【図28】本発明の他の実施例になる、2電極型プラズ
マエッチング装置の縦断面図である。
【図29】図28のプラズマエッチング装置の磁場分布
特性の説明図である。
【図30】本発明の他の実施例になる、2電極型プラズ
マエッチング装置の縦断面図である。
【図31】図1に示した2電極型プラズマエッチング装
置を改良した他の実施例の縦断面図である。
【図32】プラズマ発生用電源の周波数と安定放電最低
ガス圧の関係を示す図である。
【図33】パルスバイアス電源の周波数と累積電力の関
係を示した図である。
【図34】本発明を、外部エネルギー供給放電方式のう
ち、誘導結合型放電方式でかつ、無磁場タイプのプラズ
マエッチング装置へ適用した例の縦断面図である。
【図35】本発明の他の実施例になる、プラズマエッチ
ング装置の縦断面図である。
【図36】本発明をマイクロ波プラズマ処理装置に適用
した装置の一部を縦断面した正面図である。
【図37】本発明の他の実施例になる、プラズマエッチ
ング装置の縦断面図である。
【図38】本発明の他の実施例になる、プラズマ処理装
置の一部を縦断面した正面図である。
【図39】本発明の他の実施例になる、イオンとラジカ
ルを独立して制御可能な、2電極プラズマエッチング装
置の縦断面図である。
【図40】本発明の他の実施例になる、イオンとラジカ
ルを独立して制御可能な、2電極プラズマエッチング装
置の部分詳細図である。
【符号の説明】
10…処理室、12…上部電極、15…下部電極、16
…高周波電源、17…パルスバイアス電源、18…真空
ポンプ、20…静電チャック、22…静電吸着膜、23
…直流電源、30…上部電極カバー、32…ガス拡散板
32、36…ガス供給部3、40…試料、161…高周
波電源変調信号源、200…磁場形成手段200、20
1…コア、202…電磁コイル、203…絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23F 4/00 C23F 4/00 G H01L 21/205 H01L 21/205 21/3065 21/68 R 21/68 21/302 B (72)発明者 大坪 徹 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 田地 新一 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 田中 潤一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平6−333850(JP,A) 特開 平6−252097(JP,A) 特開 平6−13344(JP,A) 特開 平6−163462(JP,A) 特開 平7−153743(JP,A) 特開 平5−114583(JP,A) 特開 平5−206072(JP,A) 特開 平6−224154(JP,A) 英国特許出願公開2231197(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 1/46 C23C 16/50 C23F 4/00 H01L 21/205 H01L 21/3065 H01L 21/68

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空処理室と、相対向し一方の電極が絶縁
    膜を含む試料を保持し得る試料台を兼ねる一対の平板電
    極と、前記真空処理室にフッ素を含むエッチングガスを
    導入し得るガス導入手段と、該導入されたガスをプラズ
    マ化するプラズマ生成手段と、前記一方の電極に接続さ
    れたイオンエネルギー制御用のバイアス電源を有するプ
    ラズマ処理装置であって、 前記一対の平板電極の他方の電極にSiまたはCを含む
    材料からなる電極カバーを設け、 前記一対の平板電極間の雰囲気の圧力を0.5Paない
    し4.0Paとし、 前記他方の電極に30MHzないしは200MHzの高
    周波電力を印加し、 前記一対の平板電極の間隙を8mmないし50mmとし
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】真空処理室と、相対向し一方の電極が絶縁
    膜を有する試料を保持し得る試料台を兼ねる一対の平板
    電極と、前記真空処理室にフッ素を含むエッチングガス
    を導入し得るガス導入手段と、該導入されたガスをプラ
    ズマ化するプラズマ生成手段と、前記一方の電極に接続
    されたイオンエネルギー制御用のバイアス電源を有する
    プラズマ処理装置であって、 前記試料が300mm以上の口径を有し、 前記一対の平板電極の他方の電極にSiまたはCを含む
    材料からなる電極カバーを設け、 前記一対の平板電極間の雰囲気の圧力を0.5Paない
    し4.0Paとし、 前記他方の電極に30MHzないしは200MHzの高
    周波電力を印加し、 前記一対の平板電極の間隙を8mmないし50mmとす
    ることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2おいて、前記ガス導入手
    段はガス拡散板を有し、該ガス拡散板の下流側に位置す
    る前記電極カバーは複数の細孔を有することを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記他方の電
    極に、前記高周波電力に加えさらにバイアスを加えるこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記一対の平板電極の
    間隙を30mm以上とすることを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  6. 【請求項6】請求項1または2において、前記試料の近
    傍に位置するサセプタカバーを備えていることを特徴と
    するプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記サセプタカバーと
    前記試料台の間の絶縁体が、0.5mmないし5mmの
    厚さを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】真空処理室と、一方の電極が試料台を兼ね
    る相対向する一対の電極と、前記試料台に試料を保持し
    その雰囲気にエッチングガスを導入するガス導入手段
    と、該導入されたガスをプラズマ化するプラズマ生成手
    段と、前記一方の電極にイオンエネルギー制御用のバイ
    アス電力を印加するバイアス電力印加手段とを有するプ
    ラズマ処理装置における試料の処理方法において、 前記一対の電極は、その間に8mmないし50mmのギャッ
    プを有する一対の平板電極であり、前記試料台を兼ねる
    一方の電極に対向する他方の電極にSiまたはCを含む
    材料からなる電極カバーを備えており、 前記試料台を兼ねる一方の電極に、絶縁膜を有する前記
    試料を保持するステップと、 前記試料が保持された雰囲気にフッ素を含むエッチング
    ガスを導入するステップと、 前記雰囲気を減圧排気し、0.5Paないし4.0Pa
    の圧力条件にするステップと、 前記一対の平板電極に30MHzないし200MHzの
    高周波電力を印加するステップと、 前記プラズマ生成手段により、前記電極間隔、圧力およ
    び高周波電力で前記エッチングガスからプラズマを生成
    し、前記試料を処理するステップと、 を備えることを特徴とする試料処理方法。
  9. 【請求項9】真空処理室と、一方の電極が試料台を兼ね
    る相対向する一対の電極と、前記試料台に試料を保持し
    その雰囲気にエッチングガスを導入し得るガス導入手段
    と、該導入されたガスをプラズマ化するプラズマ生成手
    段と、前記一方の電極にイオンエネルギー制御用のバイ
    アス電力を印加するバイアス電力印加手段とを有するプ
    ラズマ処理装置における試料の処理方法において、 前記一対の電極は、その間に8mmないし50mmのギャッ
    プを有する一対の平板電極であり、前記試料台を兼ねる
    一方の電極に対向する他方の電極にSiまたはCを含む
    材料からなる電極カバーを備えており、 前記試料台を兼ねる一方の電極に、φ300mm以上の口
    径の絶縁膜を含む試料を保持するステップと、 前記試料が保持された雰囲気にフッ素を含むエッチング
    ガスを導入するステップと、 前記雰囲気を減圧排気し、0.5Paないし4.0Pa
    の圧力条件にするステップと、 前記一対の平板電極に30MHzないし200MHzの
    高周波電力を印加するステップと、 前記プラズマ生成手段により、前記電極間隔、圧力およ
    び高周波電力で前記エッチングガスからプラズマを生成
    し、前記試料を処理するステップとを備えることを特徴
    とする試料処理方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、前記他方の
    電極に、前記高周波電力に加えさらにバイアスを加える
    ことを特徴とする試料処理方法。
  11. 【請求項11】請求項9において、前記一対の平板電極
    の間隙を30mm以上とすることを特徴とする試料処理
    方法。
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