JP3499081B2 - 継手の溶接方法及び被溶接材 - Google Patents
継手の溶接方法及び被溶接材Info
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Description
手、角継手、T継手、十字継手及びはめ込み継手等の溶
接に適用される溶接方法に関し、特に、継手の前加工及
び組立を低コストで実施することができると共に、継手
強度を向上させることができる継手の溶接方法及び被溶
接材に関する。
面図である。図12に示すように、垂直の鋼板1と水平
の鋼板2とは垂直に交差するように正面視でT字型に組
み立てられており、鋼板2の先端面2bは、鋼板1の表
面に当接している。
においては、いわゆる隅肉溶接により部分溶込み溶接を
実施するものである。このように、T継手において、要
求される継手強度が比較的低い場合には、一方の部材
(鋼板2)の先端面2bを他方の部材(鋼板1)の表面
に沿うように平坦に切断するのみで、開先を加工するこ
とができる。
T継手においては、部材(鋼板2)の加工は容易である
が、溶接時において、所望の溶込み深さを確保すること
が困難であるので、高い継手強度を得ることはできな
い。そこで、一般的に、鋼構造物等においては、突合せ
継手、角継手及びT継手等を溶接する場合に、良好な溶
込み深さを確保し、所望の継手強度を得るために、少な
くとも一方の部材に傾斜した切欠きを形成した後、継手
を組み立てて溶接している。
を示す正面図である。図13に示すT継手においては、
鋼板4の片端面において、その上面から端面に至るよう
に、傾斜した切欠き4aが形成されている。そして、図
12に示す継手と同様に、垂直の鋼板3と水平の鋼板4
とが垂直に交差するように正面視でT字型に組み立てら
れていて、その開先端にレ形の開先部5が形成されてい
ると共に、鋼板4の先端面4bが鋼板3の表面に当接し
ている。
き4aが形成されていると、溶接時において深い溶込み
が得られ、これにより、高い継手強度を得ることができ
る。
に示すような開先部5を加工する場合、一方の部材(鋼
板4)の端面4bを、他方の部材(鋼板3)に沿うよう
に平坦に切断する工程と、切欠き4aを形成する工程と
の2工程が必要となるという問題点がある。従って、レ
形の開先部5を形成するためには、図12に示すよう
に、単に部材(鋼板2)の先端面2bを他の部材(鋼板
1)に沿うように平坦に切断するのみの場合と比較し
て、2倍又はそれ以上の加工コストが必要となる。
成された部材を溶接する場合、単層で十分な適正量の余
盛りを得るための溶接条件の設定が比較的困難である。
即ち、ルート部(鋼板4の端面4bと鋼板3との接触部
分)において、溶融金属の溶け落ちが発生しない条件で
溶接すると、余盛りが不足することがあり、十分な余盛
りを得るための溶接条件を設定すると、溶融金属の溶け
落ちが発生しやすくなる。
部(傾斜開先部)を形成しない場合、一般的に、溶込み
を深くするためには、部材間にルートギャップを設ける
という方法が適用されている。そこで、均一な適正幅の
ルートギャップを維持するためには、継手の両部材の組
立工程において、ギャップを計測調整しながら仮付け溶
接するか、又は部材間にスペーサを配置する必要があ
る。
場合、溶接線が直線でない継手においては、均一にギャ
ップを形成することが困難である。また、部分溶込み状
態となったときに、鋼板2の未溶接の先端面2bと鋼板
1との接触部分が存在しないか、又は接触部分が少なく
なるので、溶接によって収縮変形が発生し、寸法精度が
低下してしまう。更に、継手部材の組立工程が煩雑にな
り、スペーサ等を使用する場合には、このような継手部
材以外の部材が必要となるため、コストアップとなって
しまう。また、継手形状によっては、適切なルートギャ
ップを維持することは極めて困難となる。
のであって、溶接母材の煩雑な組み立て作業が不要であ
り、開先部の形成又は部材の組み立て等に必要なコスト
を上昇させることなく、容易に溶接開先部を加工するこ
とができると共に、良好な溶込み深さを得ることがで
き、これにより、継手強度を高め、優れた寸法精度で溶
接することができる継手の溶接方法及び被溶接材を提供
することを目的とする。
方法は、被溶接材の少なくとも一方の開先面に、溶接線
方向に沿う凹凸形状であって溶接表面側が深く裏面側が
浅いものを加工することを特徴とする。
部材の端面に前記凹凸形状の加工を施すことが好まし
い。
線方向に沿う凹凸形状であって溶接表面側が深く裏面側
が浅いものが加工されていることを特徴とする。
面が形成されていることが好ましく、凹部の空間体積が
凸部の体積よりも大きいことが望ましい。また、凹凸形
状の開先面は複数本の凸部及びこの凸部間に形成された
溝状の凹部からなり、前記凸部は前記溶接線方向に直交
する方向に延びるように形成することができる。この凹
部及び凸部が平面視で一定間隔に交互に形成されている
とき、隣接する凸部間の間隔Pを2乃至20mm、凸部
の稜線と凹部の底面を連結する面とがなす角度αを5乃
至40°とすることが好ましい。また、凸部が開先面に
所定の間隔で局部的に形成されているものであって、前
記凸部の幅Wが5mm以下であるとき、隣接する凸部間
の間隔Pを50mm以下、凸部の稜線と凹部の底面を連
結する面とがなす角度αを5乃至20°とすることが好
ましい。なお、ここで凸部の稜線とは、1本の凸部の頂
点を結ぶ線、即ち、被溶接材に形成された凸部と、これ
に当接される部材との接線のことである。
方向に傾斜して形成されていることが好ましく、その傾
斜角θは溶接線に直交する方向に対して−60乃至60
°であることが望ましい。
とも一方の開先面に、溶接線方向に沿う凹凸形状の加工
を施して溶接するので、熱容量が小さい凸部が比較的容
易に溶融すると共に、凸部が他の部材の表面に接触する
か又は近接することにより、凹部が局部的に部材間のル
ートギャップとして作用するので、深い溶込みを得るこ
とができる。従って、仮溶接又はスペーサ等によりルー
トギャップを維持する必要が無く、溶接のための部材の
組立が容易になる。
く、裏面側が浅くなっているので、開先面の裏面側にお
いて溶融金属の溶け落ちを防止することができる。即
ち、凹部と凸部との相互効果により、所望の溶込み深さ
及び余盛りを得ることができ、溶け落ちが発生すること
なく完全溶込みに近い溶接部を得ることができ、これに
より、継手強度が向上する。また、部分溶込み溶接を実
施する場合、未溶接部分が他方の部材に当接しているの
で、溶接収縮を少なくすることができ、これにより、溶
接後の寸法精度を高めることができる。
施し、この端面を他の部材に当接させて継手を組み立て
て溶接すると、継手の組立が容易になる。
接線方向に沿う凹凸形状であって溶接表面側が深く裏面
側が浅いものが加工されているので、この開先面を他の
部材に当接させて溶接するとき、溶融金属の溶け落ちを
防止することができ、所望の溶込み深さ及び余盛りを得
ることができる。また、凹凸面の形成と被溶接材の切断
とを同時に実施することができるので、低コストで開先
面を加工することができる。
平坦なルート面が形成されていると、このルート面が他
方の部材に完全に当接されるので、溶融金属の溶け落ち
を防止する効果がより一層向上する。また、凹部の空間
体積が凸部の体積よりも大きくなるように凹凸面が形成
されていると、溶込み深さの増大を確保することができ
ると共に、位置によって溶込み深さが変動する現象を抑
制することができ、余盛量が過大になることに起因する
オーバーラップを防止することが容易になる。
部及びこの凸部間に形成された溝状の凹部からなり、凸
部は前記溶接線方向に直交する方向に延びるように形成
されていると、凹凸形状を更に一層容易に加工すること
ができる。この開先面における凹部及び凸部が平面視で
一定間隔に交互に形成されているとき、隣接する凸部間
の間隔P及び凸部の稜線と凹部の底面を連結する面とが
なす角度αを適正に選択することができるが、間隔Pが
2mm未満であると、溶込み深さを十分に得ることがで
きないか、又は加工が煩雑となるため、実用的ではな
い。一方、間隔Pが20mmを超えると、溶込み深さが
不足するか、又は溶融金属の溶け落ちが発生する。ま
た、角度αが5°未満であると、溶込み深さが不十分と
なり、角度αが40°を超えると、溶融金属の溶け落ち
が発生する。従って、凹部及び凸部が平面視で一定間隔
に交互に形成されているとき、隣接する前記凸部間の間
隔Pは2乃至20mm、凸部の稜線と凹部の底面を連結
する面とがなす角度αは5乃至40°とすることが好ま
しい。
で局部的に形成されていてもよいが、凸部の幅Wを5m
m以下とするとき、隣接する凸部間の間隔Pが50mm
を超えると、溶込み深さが不十分になるか又は溶融金属
の溶け落ちが発生する。また、凸部の稜線と凹部の底面
を連結する面とがなす角度αが5°未満であると、溶込
み深さが不十分となり、角度αが20°を超えると、溶
融金属の溶け落ちが発生する。従って、開先面において
凸部が所定の間隔で局部的に形成されていて、凸部の幅
Wを5mm以下とするとき、隣接する凸部間の間隔Pを
50mm以下、凸部の稜線と凹部の底面を連結する面と
がなす角度αを5乃至20°とすることが好ましい。
方向に対して傾斜角θで傾斜して形成されていると、溶
込み深さを深くすることができると共に、溶接電流を高
くしても溶融金属の溶け落ちが発生しにくくなる。この
とき、凸部の稜線の傾斜角θが60°を超えると、凹凸
面の加工が困難になると共に、溶融金属の溶け落ちを防
止する効果は向上しなくなるので、好ましくない。従っ
て、凸部の稜線が溶接線方向に直交する方向に対して傾
斜するように形成されているとき、その傾斜角θは−6
0乃至60°とすることが好ましい。
付の図面を参照して具体的に説明する。
溶接方法を説明するための被溶接材を示す斜視図であ
る。また、図2(a)は本発明の第1の実施例に係る継
手の溶接方法を説明するためのT継手を示す平面図であ
り、(b)はその正面図である。
6の一方の端面には、板状部材6の表面から裏面に延び
るように等間隔に形成された複数の凸部6bと、凸部6
b間に形成された複数の凹部6aとからなる凹凸面6c
が形成されている。また、この凹凸形状は、板状部材6
の溶接表面側が深く、裏面側に近づくにつれて浅くなる
ように加工されている。本実施例においては、凹凸面6
cの溶接裏面側の辺6dに到達したときに凹部6aの深
さが0mmとなるように凹凸形状が加工されている。
れた板状部材7の表面に水平に板状部材6の凹凸面6c
が当てられ、板状部材7と板状部材6とが垂直に交差す
るように正面視でT字型に組み立てられている。従っ
て、板状部材6の上方からの平面視では溶接線方向に沿
う波形の辺が形成されており、裏面側からの平面視で
は、矩形となっている。
材6の溶接表面側から凹凸面6cの溶接線に沿って溶接
する。そうすると、板状部材6の溶接表面側の凸部6b
は熱容量が小さいので、溶接熱により比較的容易に溶融
すると共に、凸部6bが板状部材7の表面に接触するか
又は近接することにより、凹部6aが局部的に板状部材
6と板状部材7とのルートギャップとして作用するの
で、深い溶込みを得ることができる。また、裏面側に近
づくにつれて凹部6aの深さが浅くなっており、裏面側
の辺6dは完全に板状部材7に当接しているので、溶融
金属の溶け落ちを防止することができる。即ち、凹部6
aと凸部6bとの相互効果により、所望の溶込み深さ及
び余盛りを得ることができ、溶け落ちが発生することな
く完全溶込みに近い溶接部を得ることができる。従っ
て、継手強度が向上する。
開先面の切断加工と凹凸面6cの形成とを同時に実施す
ることができるので、1工程のみで所望の開先を得るこ
とができ、開先の加工コストを低減することができる。
更に、部材の組立が容易であり、スペーサ等が不要であ
るので、そのためのコストアップを防止することができ
る。
完全溶込み溶接に近い溶接部を得ようとする場合におい
ては、板状部材7に当接している辺6d及び凸部6bに
より、溶融金属の溶け落ちの発生を防止することができ
る。一方、部分溶込み溶接をする場合、凸部6bにおけ
る未溶接部分が板状部材7に当接しているので、溶接に
よる収縮変形が小さくなる。
溶接方法を説明するための被溶接材を示す斜視図であ
る。図3に示すように、板状部材(被溶接材)9の一方
の端面には、板状部材9の表面から裏面付近まで延びる
ように等間隔に形成された複数の凸部9bと、凸部9b
間に形成された複数の凹部9aとからなる凹凸面9cが
形成されている。第2の実施例においては、板状部材9
の上表面から裏面側に近づくにつれて、凹部9aの深さ
が浅くなっており、溶接裏面側付近で凹部9aの深さが
0mmとなるように凹凸形状の加工が施されている。そ
して、板状部材9は、凹凸面9cの溶接裏面側に平坦な
ルート面9dが形成されており、板状部材9の上方から
の平面視では溶接線方向に沿う波形の辺が形成されてお
り、裏面側からの平面視では、矩形となっている。
ても、図1及び2に示す第1の実施例と同様に、垂直に
配置された板状部材(図示せず)の表面に水平に板状部
材9の凹凸面9cが当てられ、これらが垂直に交差する
ように正面視でT字型に組み立て、凹凸面9cに沿って
溶接すると、第1の実施例と同様の効果を得ることがで
きる。更に、第2の実施例においては、板状部材9の凹
凸面9cの溶接裏面側にルート面9dが形成されている
ので、溶融金属の溶け落ちを防止する効果が更に一層向
上する。
溶接方法を説明するための被溶接材を示す斜視図であ
る。板状部材10の一方の端面には、板状部材(被溶接
材)10の表面から裏面に延びるように複数の凸部10
bが等間隔に形成されている。これにより、複数の凸部
10b間には、凹部10aが形成されるが、第1及び第
2の実施例と比較して、凸部10b間の間隔Pを広くし
ているので、凹部10aは板状部材10の溶接線方向に
幅広になっている。この凹部10aは、板状部材10の
溶接表面側から裏面側に近づくにつれて、その深さが浅
くなっている。本実施例においては、凹凸面10cの溶
接裏面側の辺10dに到達したときに凹部10aの深さ
が0mmとなるように凹部10aの深さが調整されてい
る。
れた板状部材10においても、第1及び第2の実施例と
同様に継手を組み立てて、凹凸面10cの溶接線に沿っ
て溶接することにより、所望の溶込み深さ及び余盛りを
得ることができ、溶け落ちが発生することなく完全溶込
みに近い溶接部を得ることができる。
継手の溶接方法を説明するための被溶接材を示す斜視図
であり、(b)はその正面図である。第1の実施例と同
様に、板状部材(被溶接材)11の一方の端面には、板
状部材11の表面から裏面に延びるように等間隔に形成
された複数の凹部11aと、凹部11a間に形成された
複数の凸部11bとからなる波状の凹凸面11cが形成
されており、板状部材11の溶接面側から裏面側に近づ
くにつれて、凹部11aの深さは浅くなっている。ま
た、凹凸面11cの溶接裏面側の辺11dに到達したと
きに、凹部11aの深さが0mmとなるように凹凸面1
1cが形成されている。この第4の実施例は、凹凸面1
1cを他の部材に当接させたときに、これに接する凸部
11bの稜線(他の部材との接線)11eが、凹凸面1
1cにおいて溶接線方向に傾斜している点で第1の実施
例と異なっている。
11bの稜線11eを溶接線方向に傾斜させて凹凸形状
を加工し、この板状部材11により継手を組み立てて溶
接すると、凹凸面11cの凹部11a及び凸部11bの
ラインが溶接線に直交する場合と比較して、高溶接電流
条件においても、溶融金属の溶け落ちを防止する効果が
向上する。従って、第4の実施例は、完全溶込みに近い
溶込みが要求される継手に対して有効である。
は、T継手の例について示したが、例えば、突合せ継
手、角継手、十字継手及びはめ込み継手においても同様
の効果を得ることができる。
溶接継手の実施例についてその比較例と比較して具体的
に説明する。
材を使用した溶接方法及び従来の溶接方法によりT継手
を溶接し、溶込み深さ比較試験を実施した。
手のサイズを示す正面図である。また、図7(a)は実
施例として使用した板状部材のサイズを示す平面図であ
り、(b)はその正面図である。
が14mmの板状部材13と板厚が12mmである板状
部材14とを準備し、垂直に配置された板状部材13と
水平に配置された板状部材14とが垂直に交差するよう
に、板状部材13の表面に板状部材14の平坦な端面1
4aを当てて組み立てたT継手を使用した。なお、板状
部材14は、その上面が板状部材13の上端面13aか
ら12mmの位置になるように配置した。
材14の代わりに第1の実施例に係る被溶接材としての
板状部材6を使用した。即ち、図7に示すように、板状
部材6の一方の端面には、板状部材6の表面から裏面に
延びる凸部6bと、凹部6aとからなる波状の凹凸面6
cが形成されており、板状部材6の溶接表面側から裏面
側に近づくにつれて、凹部6aの深さは浅くなり、辺6
dにおいて凹部6aの深さは0mmとなっている。
の凸部6bを当接させて継手を組み立てた。なお、本実
施例においては、板状部材6の板厚を12mm、隣接す
る凸部6b間の間隔Pを8mmとし、全ての凹部6aの
底面を連結する面6fと、凸部6bの稜線6eとがなす
角度αを20°とした。
溶接条件によって溶接し、溶接後に、溶接部から断面マ
クロを採取し、未溶接部分のルート厚さを測定すること
により、溶込み深さを評価した。但し、溶接は直径が
1.4mmのワイヤを使用し、(Ar+20%CO2)
ガスをシールドガスとして使用した自動MAG溶接とし
た。このときの溶接条件を下記表1に示し、評価結果を
下記表2に示す。
法によって溶接すると、いずれの溶接条件においても、
比較例と比較して、未溶接部分のルート長さが減少し
た。即ち、溶込み深さが増大し、良好な溶接継手を得る
ことができた。
6のT継手を曲げ疲労試験片として使用し、曲げ疲労試
験を実施した。
状及びサイズを示す側面図であり、(b)はその正面図
である。図8においては、板状部材13を部材Dとし、
図6及び7の板状部材6及び14を部材Eとして説明す
る。
差するようにT字型に組み立てられて溶接されており、
開先部には溶接金属20が形成されている。部材D及び
Eは、その長手方向の長さを120mm、幅を50mm
とした。また、部材Dには、4カ所に、これを貫通する
固定孔19が設けられており、これらの固定孔19に固
定ジグ(図示せず)を挿入し、この固定ジグを固定器
(図示せず)に締着することにより部材Dが固定される
ようになっている。更に、部材Eには、部材D側の端面
から20mm離れた位置において、板幅中央の表面及び
裏面に、歪みゲージ23が貼付されている。
材Dを固定した後、部材Eの溶接されていない端部25
に対して、部材Dに平行方向に繰り返し応力を印加し
て、歪みゲージ23にかかる歪から繰り返し曲げ応力を
設定し、応力振幅16kgf/mm2 における破断繰り
返し数を比較した。この曲げ疲労試験の評価結果を下記
表3に示す。
比較例No.6と比較して、破断繰り返し数が増加し
た。即ち、本発明によって、溶接継手の曲げ疲労強度を
高めることができる。
示した形状の板状部材9を準備し、凹凸面が加工されて
いない板状部材の端面に、板状部材9の凹凸面9cを当
てて突合わせ継手を組み立て、これを下記表4に示す条
件で溶接してビードの外観及び溶込み状況を評価した。
板状部材9のサイズを示す平面図であり、(b)はその
側面図である。本実施例においては、板厚を12mm、
ルート面9dのルート幅を1mmとし、凸部9bの稜線
9eと凹部9aの底面を連結する面9fとがなす角度α
及び隣接する凸部9b間の間隔Pを変化させて、種々の
間隔P及び角度αについて評価した。但し、凹部9aの
空間体積が凸部9bの体積よりも大きくなるように、凸
部9b間の間隔P及び凸部9bの幅を設定した。
記表5において、○(合格)は開先面が平坦である従来
の突合せ溶接の溶込み深さと比較して、板厚の20%以
上溶込み深さが増大すると共に、表面にアンダーフィル
が発生せず、溶融金属の溶け落ちが発生しなかったもの
である。また、△は溶接の位置によって不合格の部分が
あったもの、×は溶込み深さが合格の基準を満足しなか
ったもの、××は溶融金属の溶け落ちが発生したものを
示し、−は凹凸面を加工するための工程が煩雑になるた
め、実施しなかったことを示す。
とがなす角の角度αが5°以上であると共に、ピッチが
2mm以上であると、溶込み深さが増大した。一方、本
実施例条件においては、面9fと稜線9eとがなす角の
角度αが40°を超えると共に、凸部間の間隔Pが20
mmを超えると、溶込みが不足するか又は溶融金属の溶
け落ちが発生しやすくなった。
実施例方法において示した板状部材(被溶接材)を準備
し、この板状部材の凹凸面を凹凸面が加工されていない
板状部材の端面に当てて継手を組み立て、この突合せ継
手を溶接することによって、ビードの外観及び溶込み状
況を評価した。
た板状部材10のサイズを示す正面図であり、(b)は
その側面図である。前述の如く、図4に示す板状部材1
0は、凸部10b間の間隔Pを広くしたものであり、凹
部10aは板状部材10の溶接線方向に幅広に形成され
ている。本実施例においては、凸部10bの幅W、凸部
10b間の間隔P及び凹部10aの底面を連結する面1
0fと凸部10bの稜線10eとがなす角度αを変化さ
せて、種々の幅W、間隔P及び角度αについて評価し
た。
に設定すると、凹部10aの底面を連結する面10fと
凸部10bの稜線10eとがなす角度αが5乃至20°
であるとき、凸部10b間の間隔Pが50mm以下の範
囲で、ビードの外観及び溶込み状況の評価結果が合格と
なった。
板状部材11のサイズを示す正面図である。前述の如
く、板状部材11においては、凹凸面11cを他の板状
部材に当接させたときに、これに接する凸部11bの稜
線11eが、溶接線方向に傾斜角θで傾斜している。本
実施例においては、凸部11b間の間隔Pを8mm、凹
部11aの底面を連結する面11fと凸部11bの稜線
11eとがなす角度αを20°として、稜線11eの傾
斜角θ及び電流条件を変化させて、種々の傾斜角θ及び
電流条件について評価した。
接線に直交する方向に形成されている場合(傾斜角度α
=0°)と比較して、溶接電流を高くしても溶融金属の
溶け落ちが発生しにくくなった。従って、このような形
状の凹凸面11cを有する板状部材11は、完全溶込み
に近い溶込みが要求される継手に対して有効である。但
し、凸部11bの稜線11eの傾斜角θが60°を超え
ると、凹凸面の加工が困難になると共に、溶融金属の溶
け落ちを防止する効果は向上しなくなるので、好ましく
ない。
ば、被溶接材の少なくとも一方の開先面に溶接線方向に
沿う凹凸形状の加工を施し、この凹凸形状は溶接表面側
が深く、裏面側が浅く形成して溶接するので、傾斜した
切欠きを形成することなく深い溶込みで継手強度が高い
溶接継手を得ることができると共に、溶融金属の溶け落
ちを防止することができ、これにより、容易に溶接のた
めの加工及び組立を低コストで実施することができる。
また、凸部を他の部材に当接させて溶接するので、部分
溶込み溶接の場合でも溶接収縮を防止することができ、
溶接後の寸法精度を高めることができる。更に、この開
先面の溶接裏面側に平坦なルート面が形成されている
と、更に一層溶融金属の溶け落ちを防止することができ
る。
複数の凸部とこの凸部間に形成された溝状の凹部とから
なるものであり、凹部の底面を連結する面と凸部の稜線
とがなす角度及び凸部間の間隔を適切に規制するか、又
は凹凸面において凸部の稜線を傾斜させて形成する場合
はその傾斜角を適切に規制すると、更に一層良好な溶接
継手を得ることができると共に、継手強度を向上させる
ことができる。
説明するための被溶接材を示す斜視図である。
接方法を説明するためのT継手を示す平面図であり、
(b)はその正面図である。
説明するための被溶接材を示す斜視図である。
説明するための被溶接材を示す斜視図である。
接方法を説明するための被溶接材を示す斜視図であり、
(b)はその正面図である。
を示す正面図である。
ズを示す平面図であり、(b)はその正面図である。
イズを示す側面図であり、(b)はその正面図である。
のサイズを示す平面図であり、(b)はその側面図であ
る。
材10のサイズを示す正面図であり、(b)はその側面
図である。
サイズを示す正面図である。
る。
ある。
Claims (10)
- 【請求項1】 被溶接材の少なくとも一方の開先面に、
溶接線方向に沿う凹凸形状であって溶接表面側が深く裏
面側が浅いものを加工することを特徴とする継手の溶接
方法。 - 【請求項2】 前記被溶接材は板状部材であり、この板
状部材の端面に前記凹凸形状の加工を施すことを特徴と
する請求項1に記載の継手の溶接方法。 - 【請求項3】 開先面に、溶接線方向に沿う凹凸形状で
あって溶接表面側が深く裏面側が浅いものが加工されて
いることを特徴とする被溶接材。 - 【請求項4】 前記開先面の溶接裏面側に、平坦なルー
ト面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載
の被溶接材。 - 【請求項5】 前記凹凸形状の開先面の凹部の空間体積
が凸部の体積よりも大きいことを特徴とする請求項3又
は4に記載の被溶接材。 - 【請求項6】 前記凹凸形状の開先面は複数本の凸部及
びこの凸部間に形成された溝状の凹部からなり、前記凸
部は前記溶接線方向に直交する方向に延びるように形成
されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか
1項に記載の被溶接材。 - 【請求項7】 前記凹部及び凸部が平面視で一定間隔に
交互に形成されているとき、隣接する前記凸部間の間隔
Pを2乃至20mm、凸部の稜線と凹部の底面を連結す
る面とがなす角度αを5乃至40°とすることを特徴と
する請求項6に記載の被溶接材。 - 【請求項8】 前記凸部は開先面に所定の間隔で局部的
に形成されているものであって、前記凸部の幅Wが5m
m以下であるとき、隣接する凸部間の間隔Pを50mm
以下、凸部の稜線と凹部の底面を連結する面とがなす角
度αを5乃至20°とすることを特徴とする請求項6に
記載の被溶接材。 - 【請求項9】 前記凹凸形状の開先面は複数本の凸部及
びこの凸部間に形成された溝状の凹部からなり、前記凸
部の稜線が溶接線方向に傾斜して形成されていることを
特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の被溶
接材。 - 【請求項10】 前記凸部の稜線の傾斜角θが溶接線に
直交する方向に対して−60乃至60°であることを特
徴とする請求項9に記載の被溶接材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13559296A JP3499081B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 継手の溶接方法及び被溶接材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13559296A JP3499081B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 継手の溶接方法及び被溶接材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09314374A JPH09314374A (ja) | 1997-12-09 |
JP3499081B2 true JP3499081B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=15155433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13559296A Expired - Fee Related JP3499081B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 継手の溶接方法及び被溶接材 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3499081B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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JP2009022963A (ja) | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Ihi Corp | 溶接方法及び鋼床版 |
KR101706623B1 (ko) * | 2015-08-11 | 2017-02-16 | 공신테크(주) | 강판의 용접방법 |
-
1996
- 1996-05-29 JP JP13559296A patent/JP3499081B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09314374A (ja) | 1997-12-09 |
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