JP3498715B2 - 移動農機の走行伝動装置 - Google Patents

移動農機の走行伝動装置

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JP3498715B2 JP2001031058A JP2001031058A JP3498715B2 JP 3498715 B2 JP3498715 B2 JP 3498715B2 JP 2001031058 A JP2001031058 A JP 2001031058A JP 2001031058 A JP2001031058 A JP 2001031058A JP 3498715 B2 JP3498715 B2 JP 3498715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、コンバイン等の
走行伝動装置に関し、操向クラッチ形態の伝動装置を有
するトラクタ、その他の移動農機等に利用しうる。 【0002】 【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】操向
クラッチを切りにして操向ブレーキを効かせる形態の操
向伝動装置では、左右の各操向クラッチの外側に操向ブ
レーキが設けられていて、各操向クラッチに対する操向
ブレーキを各別に制動させて、操向乃至旋回等を行わせ
たり、左右の操向ブレーキを同時に制動して駐車ブレー
キとするものがある。このような形態では、操向ブレー
キが左右一対の構成となり、複雑であり、重量も大き
く、旋回もソフトに行なえない。 【0003】 【課題を解決するための手段】この発明は、構造が簡単
で故障が少なく、しかも圃場を荒らすことがないソフト
な旋回が可能な走行伝動装置を得ると共に、車速に応じ
て作業部を駆動できる装置を得ることを目的とし、この
ため、次のような技術的手段を講じた。即ち、走行車台
7前部に作業部を備えた移動農機において、油圧無段変
速装置HSTの出力軸の回転を動力取出部Aに伝達する
と共に、前記油圧無段変速装置HSTにより変速した動
力を操向クラッチ1L,1R、差動装置3を介して左右
の走行車軸34L,34Rに伝達させ、前記差動装置3
のケース4の回転を油圧により作動する制動機構により
制動させて左右の走行車軸34L,34Rの回転比を変
更すべく構成し、差動装置3のケース4を制動する前記
制動機構を駆動するブレーキシリンダ45の作動圧を変
更する電磁比例ソレノイドバルブ46を設け、該電磁比
例ソレノイドバルブ46の初期設定圧力を変化させる電
流値を変更可能に設けたことを特徴とする移動農機の走
行伝動装置とした。 【0004】 【作用】直進走行時、左右両側の走行車軸34L,34
Rには油圧無段変速装置HSTにより変速された回転動
力が伝達されて、機体は直進走行される。このとき、動
力取出部Aには車速に比例した回転動力が伝達されて作
業部を駆動する。 【0005】そして、左右いずれか一方への操向操作、
例えば、左側操向乃至旋回するときは、左側の操向クラ
ッチ1Lを切ることにより、左側の走行車軸への伝動が
断たれ、左側操向を行うことができる。このとき、差動
装置のケース4の回転を油圧により作動する制動機構に
より制動すると、ケース4の回転が徐々に落とされるか
ら、左側のデフ軸2Lの回転も落とされ、ケース4の回
転をゼロにすると右側のデフ軸2Rに対して反対方向へ
回転されることとなり、左側の走行車軸が逆転駆動され
る。そして、差動装置3のケース4を制動する制動機構
を駆動するブレーキシリンダ45の作動圧を変更する電
磁比例ソレノイドバルブ46が設けられ、この電磁比例
ソレノイドバルブ46の初期設定圧力を変化させる電流
値は変更可能となっている。 【0006】このため機体は左側旋回走行となる。又、
右側操向、乃至旋回走行においても同様の作用で伝動さ
れる。 【0007】 【効果】この発明は、走行車台7前部に作業部を備えた
移動農機において、油圧無段変速装置HSTの出力軸の
回転を動力取出部Aに伝達すると共に、前記油圧無段変
速装置HSTにより変速した動力を操向クラッチ1L,
1R、差動装置3を介して左右の走行車軸34L,34
Rに伝達させ、前記差動装置3のケース4の回転を油圧
により作動する制動機構により制動させて左右の走行車
軸34L,34Rの回転比を変更すべく構成したことを
特徴とする移動農機の走行伝動装置としたので、旋回時
には左右の走行車軸に連続的な回転差をつけて機体をソ
フトに旋回させることができ、圃場を荒らすことなく旋
回できる。しかも、旋回操作は油圧力によって行なえる
ので操作性が向上する。また、油圧無段変速装置HST
の出力軸の回転を動力取出部Aに伝達し、この動力取出
部Aにより作業部を駆動するようにしたので車速に応じ
た作業部の駆動が可能となり、圃場条件に合わせて細や
かな作業が行なえる。更に、差動装置3のケース4を制
動する前記制動機構を駆動するブレーキシリンダ45の
作動圧を変更する電磁比例ソレノイドバルブ46を設
け、該電磁比例ソレノイドバルブ46の初期設定圧力を
変化させる電流値を変更可能に設けたので、操向操作具
の操作量が同じでも、比例ソレノイドの電流値によっ
て、差動装置3のケース4の制動力を任意に選択でき、
各条件での旋回半径をほゞ同一とすることができ、条件
が変化しても復元性が図れる。 【0008】 【実施例】コンバインの走行伝動装置を例示する。コン
バインは、左右一対のクローラ形態の走行装置6を有す
る車台7上に、脱穀装置8、グレンタンク、操縦装置9
等を搭載し、穀稈引起装置10、集送装置11、刈刃装
置12、及び穀稈搬送装置13等を有する刈取フレーム
14を、脱穀装置8前方の伝動ケース15上方の支軸1
6回りに昇降回動自在に設け、この昇降は、刈取フレー
ム14と車台7との油圧によるリフトシリンダ17の伸
縮によって行われる。このように構成された刈取装置に
よって刈取られる穀稈を後側の脱穀装置8のフィードチ
エン18へ移送供給して脱穀することができる。 【0009】走行伝動ケース15は、上部一側に油圧無
段変速装置HSTを有して、エンジンの駆動軸19から
この入力軸20へ伝動する。この油圧無段変速装置HS
Tは、操縦装置9の変速レバー21の操作によって、中
立位置から前進側高速位置、又は後進側高速位置へ無段
変速することができる。この油圧無段変速装置HSTの
出力軸を走行伝動ケース15の変速軸22へ連結し、こ
の軸22を延長して軸端に動力取り出部Aを構成してい
る。さらに、この軸22と平行にカウンタ軸25を設
け、軸22とカウンタ軸25との間に副変速ギヤ23、
カウンタギヤ24を介装して副変速装置を構成し、この
変速後の動力をギヤ27に伝達すべく構成している。 【0010】操向クラッチ軸26の中央部のクラッチ体
28には、左右一対の操向クラッチギヤ1L,1Rのク
ラッチ爪29部がばね30L,30Rの張圧力で咬合う
ように設けられ、この操向クラッチギヤ1L,1Rをク
ラッチシフタの操作で左右外側へ該ばね30L,30R
に抗して移動操作することにより、このクラッチ爪29
L,29R部をクラッチ体28から切り離して、クラッ
チ軸26から各操向クラッチギヤ1L,1Rへの伝動を
切ることができる。 【0011】各操向クラッチギヤ1L,1Rには、カウ
ンタ軸31に対して回転自在のカウンタギヤ32L,3
2Rが常時噛合され、これらカウンタギヤ32L,32
Rに噛合のホイルギヤ33L,33Rから各左右のクロ
ーラ走行装置6のスプロケット軸34L,34Rを伝動
する。このような走行伝動装置において、左右の操向ク
ラッチギヤ1L,1Rにギヤ35L,35Rを常時噛合
させて、このギヤ35Lと一体のデフ軸2Lと、ギヤ3
5Rと一体のデフ軸2Rとの間にデフ(差動)装置3を
構成する。このデフ軸2L,2Rを軸受するデフケース
4の外周に回転方向に沿うディスクブレーキ5を設け、
このディスクブレーキ5を左右両側からブレーキシリン
ダ36によるブレーキシュー37で挟圧することによっ
て、デフケース4の回転を制動する構成である。38は
これらブレーキシリンダ36やブレーキシュー37等を
有するブレーキユニットで、走行伝動ケース15の開口
部39を開閉するケースカバーと兼ねている。 【0012】操向クラッチ29Lを切ると、クラッチ体
28からこの左側の操向クラッチ29Lへの伝動が切れ
るため、左側の走行装置6の伝動によって、左側へ操向
することができる。この状態でディスクブレーキ5を制
動すると、この制動力に応じてデフケース4の回転を制
止して、操向クラッチギヤ1Rからギヤ35Rを経て駆
動されるデフ軸2Rの回転に対して、デフ装置3の作用
により左側のデフ軸2Lを逆回転伝動し、このギヤ35
L、操向クラッチギヤ1L等を経て、左側の走行装置6
を右側とは反対方向へ伝動回転し、左側へ急旋回するこ
とができる。 【0013】操向クラッチ及びディスクブレーキの操作
を行う油圧回路40について、Pは油圧ポンプ、Tはタ
ンクポート、41はリリーバルブ、42は操向制御弁、
43は操向センサー、44L,44Rは、操向クラッチ
ギヤ1L,1Rをシフトする操向クラッチシリンダ、4
5は、ディスクブレーキ5の制動を行うブレーキシリン
ダ、46は電磁比例ソレノイドバルブ、47は手動操作
によるパワステバルブである。該電磁比例ソレノイドバ
ルブ46は、センサによる各種条件検出のもとにコント
ローラCPUからの出力によって適宜絞り度や速度等に
作動制御される。 【0014】該操向センサー43によって、刈取穀稈条
を検出しながら、刈取方向を該操向制御弁42を切替制
御して操向クラッチシリンダ44L,又は44Rを作動
して、穀稈条に沿うように走行させる。このときパワス
テバルブ47及び電磁比例ソレノイドバルブ46は開の
状態におかれる。ここで操向旋回時には、パワステバル
ブ47、又は電磁比例ソレノイドバルブ46が閉じ方向
に作動されることによって、操向クラッチシリンダ44
L、又は44Rからオーバフローされるオイルがブレー
キシリンダ45に送られて、ブレーキシュータ37を作
動して、ディスクブレーキ5を挟圧して制動する。これ
によってデフケース4の回転を制動して、デフ軸2Lと
2Rとの差動を行わせる。 【0015】電磁比例ソレノイドバルブ46では、各セ
ンサーの検出による条件のもとに、電流の変化により初
期設定圧力が変化される(図4)。手動でパワステレバ
ー操作するときは、その設定された初期圧毎にパワステ
バルブ47の出力圧が制御される(図5)。従って、パ
ワステレバーの操作角が同じでも、比例ソレノイドの電
流値によって、ディスクブレーキの制御圧力を任意に選
択でき、各条件での旋回半径をほゞ同一とすることがで
き、条件が変化しても復元性が図れる。
【図面の簡単な説明】 【図1】走行伝動装置部の伝動機構正面図である。 【図2】その側面図である。 【図3】操向クラッチ及びブレーキの油圧回路図であ
る。 【図4】電磁比例ソレノイドバルブの電流ー初期圧の関
係を示すグラフである。 【図5】コントローラにおけるパワステレバーの操作角
ーディスクブレーキ制御圧力の関係を示すグラフであ
る。 【図6】コンバインの側面図である。 【符号の説明】 1 操向クラッチ 2 デフ軸 3 デフ装置 4 デフケース 5 ディスクブレーキ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】走行車台7前部に作業部を備えた移動農機
    において、油圧無段変速装置HSTの出力軸の回転を動
    力取出部Aに伝達すると共に、前記油圧無段変速装置H
    STにより変速した動力を操向クラッチ1L,1R、差
    動装置3を介して左右の走行車軸34L,34Rに伝達
    させ、前記差動装置3のケース4の回転を油圧により作
    動する制動機構により制動させて左右の走行車軸34
    L,34Rの回転比を変更すべく構成し、差動装置3の
    ケース4を制動する前記制動機構を駆動するブレーキシ
    リンダ45の作動圧を変更する電磁比例ソレノイドバル
    ブ46を設け、該電磁比例ソレノイドバルブ46の初期
    設定圧力を変化させる電流値を変更可能に設けたことを
    特徴とする移動農機の走行伝動装置。
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CN115320708B (zh) * 2022-08-15 2023-07-28 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 一种农用履带车辆转向机构及其转向控制方法

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