JP3498712B2 - 塩化第一銅粒状体の製造方法 - Google Patents

塩化第一銅粒状体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅と塩素ガスを原
料として塩化第一銅粒状体を製造するための方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】塩化第一銅は、フタロシアニン系顔料の
合成原料として使用されており、通常は坩堝で製造され
た溶湯を粒状化したものが使用されている。この種の塩
化第一銅粒状体を製造するには、一般に、坩堝中で原料
銅を塩素ガスにより塩素化して塩化第二銅を含む溶湯を
製造し、さらに別の坩堝でこの塩化第二銅溶湯を還元す
ることにより塩化第一銅の溶湯を製造している。そし
て、前記により製造された塩化第一銅の溶湯を、回転円
板式造粒機や噴射式造粒機などにより急冷し、粒状化し
て粒状体としている。尚、前記回転円板式造粒機とは、
カーボンやセラミックス、石英などからなり、表面が平
滑に加工された円板を回転させ、そのほぼ中央部に前記
溶湯を滴下することにより、円板の遠心力や溶湯の表面
張力を利用して溶湯を急冷して粒状化する装置である。
また、前記噴射式造粒機とは、その要部に樋部と、この
樋部の下方に設けられたガス噴射管とを備えており、樋
部の先端から滴下された溶湯に向けてガス噴射管から乾
燥空気などの気体を噴射することにより溶湯を急冷し、
粒状化する装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の塩化
第一銅粒状体の製造工程について本発明者らが鋭意研究
を進めたところ、塩化第一銅溶湯を急冷して粒状体とす
る場合の製造条件において好ましい範囲があることを知
見し、本願発明に到達した。
【0004】また、塩化第一銅溶湯を製造する場合に用
いる反応炉が、原料銅を塩素化するための塩素ガスによ
って劣化し、長期間安定して塩化第一銅粒状体を製造す
ることが困難であるという問題があることを知見した。
よって本発明者らは、長期間安定して塩化第一銅溶湯を
効率的に製造することが可能な塩化第一銅製造用の反応
炉の研究に着手し、望ましい形の反応炉を開発するとと
もに、この反応炉を用いて塩化第一銅粒状体を製造した
場合に望ましい条件について研究し、本願発明に到達し
た。
【0005】次に、塩化第一銅溶湯から急冷法により粒
状体を製造する場合、粒度の均一性と製造効率等の研究
を行った結果、塩化第一銅溶湯を急冷する場合に用いて
好適な案内装置を開発するとともに、この案内装置によ
り粒状体製造の研究を行った結果として本願発明に到達
した。
【0006】本発明は前記課題を解決するためになされ
たものであって、粒度の整った良質の塩化第一銅粒状体
を効率良く製造できる方法の提供を目的の1つとする。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであっ
て、長期間安定して塩化第一銅の溶湯を効率的に製造す
ることが可能な塩化第一銅製造用反応炉を用いて良質の
塩化第一銅粒状体を製造する方法を提供することを目的
の1つとする。本発明は前記課題を解決するためになさ
れたものであって、粒度の整った良質の塩化第一銅粒状
体を製造することが可能な案内装置を用いて良質の塩化
第一銅粒状体を製造する方法を提供することを目的の1
つとする。本発明は前記課題を解決するためになされた
ものであって、保護のための皮膜を備えた良質の塩化第
一銅粒状体を効率よく製造できる方法の提供を目的の1
つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の事情に鑑
みてなされたもので、銅を塩素化して塩化第一銅及び塩
化第二銅を含む溶湯を生成し、該塩化第二銅溶湯を還元
して塩化第一銅溶湯を生成し、該塩化第一銅溶湯を案内
装置の先端部から空間に飛散させて塩化第一銅の粒状体
を製造するに際し、前記案内装置の先端部近傍に噴射ノ
ズルを設けてこの噴射ノズルから案内装置先端部側の塩
化第一銅溶湯にガスを吹き付け、塩化第一銅溶湯を空間
に飛散させて急冷することにより塩化第一銅の粒状体を
製造するとともに、前記案内装置先端部における塩化第
一銅溶湯の温度を480〜600℃とすることを特徴と
する。
【0008】案内装置先端部から塩化第一銅溶湯を飛散
させて急冷する場合に塩化第一銅溶湯の温度を480〜
600℃の範囲とすることで、粒度の整った良質の塩化
第一銅粒状体を効率良く製造することができる。ここで
塩化第一銅溶湯の温度を480℃よりも低くすると、案
内装置先端部において溶湯が固化し、分散できなくな
り、600℃よりも高くすると、分散効果が高くなり過
ぎ、粒子が細分化(細粒化)するため、粒状体の粒径が
細かくなり過ぎるので好ましくない。
【0009】本発明において、前記噴射ノズルから噴射
されるガス圧を1〜5kg/cm2の範囲とすることが
好ましい。ガス圧としてこの範囲を外れると、低い場合
に粒子が大きくなり過ぎ、高い場合に粒子が細かくなり
すぎるという面で不足を生じる。本発明において、前記
案内装置先端部における塩化第一銅溶湯の流速を10〜
500mm/秒の範囲とすることが好ましい。流速がこ
の範囲を外れると、低い場合、分散エアと落下溶湯が直
角に衝突するため、分散エネルギーが大きく、飛散物の
コントロールが困難となるので好ましくない。また、流
速が高い場合に溶湯が案内装置先端から落下する際にオ
ーバーランすることとなり、定常の分散ができなくな
る。本発明において、前記噴射ノズルから塩化第一銅溶
湯にガスを噴出させて塩化第一銅粒状体を製造する際、
酸素又は二酸化炭素を塩化第一銅溶湯と反応させて塩化
第一銅の粒状体表面に反応皮膜を形成することができ
る。この反応皮膜を形成することで、内部の塩化第一銅
を外気から遮断して保護し塩化第一銅部分の品質の低下
を防止し、輸送時の機械的外力にも耐えて破損し難い利
点を有する。
【0010】本発明において、原料銅を塩素ガスによっ
て塩素化することにより塩化第一銅及び塩化第二銅を含
む溶湯を生成する第1の反応部と、前記塩化第二銅溶湯
を還元して塩化第一銅の溶湯を生成する第2の反応部と
を備え、両反応部の少なくとも溶湯と接する部分にSi
Cなどのセラミック層を配した反応炉体を用いることが
好ましい。第一の反応部と第二の反応部を有する反応炉
体を用いて塩素化と還元を1工程で行うことで、2工程
で行っていた従来方法よりも工程の簡略化をなし得、塩
化第一銅粒状体の製造効率を向上させ得る。
【0011】本発明において、前記案内装置の先端部と
して、先端側に溶湯滴下用の複数の案内溝を備えたもの
を用いることができる。これらの案内溝からガス噴射に
より空間に溶湯を吹き飛ばして溶湯を急冷し、塩化第一
銅粒状体を得る。
【0012】本発明において、前記案内装置の先端部と
して、平坦部とそれに連続して傾斜する溶湯滴下用の複
数の並列案内溝を具備し、前記複数の案内溝の先端に対
して個々に噴射口を望ませた噴射ノズルを具備したもの
を用いることができる。平坦部において溶湯の流れを整
え、流れを整えた溶湯をこれらの複数の案内溝から分け
て流下させ、流下しようとする溶湯を噴射ノズルからの
ガス噴射で空間に吹き飛ばして急冷し、塩化第一銅粒状
体を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限
定されるものではない。図1は、本発明に係る製造方法
を実施する場合に用いる塩化第一銅の製造プラントの一
実施形態を示すもので、この実施形態の製造プラントA
は、銅原料の塩素化と還元を行うための反応炉1と、こ
の反応炉1に接続された塩素ガス供給装置2および排ガ
ス処理装置3と、前記反応炉1から搬出される塩化第一
銅溶湯を急冷し、粒状化するためのアトマイズ装置(粒
状体製造装置)5と、このアトマイズ装置5から回収さ
れる塩化第一銅の粉末あるいは粒体などの粒状体を分級
するための分級装置6を主体として構成されている。
【0014】前記反応炉1は、後に詳述する塩化第一銅
製造用の反応炉であり、この反応炉1で製造された塩化
第一銅の溶湯が、図2に示す反応炉1の先端のノズル1
7から、図1に示す案内装置(樋装置)62へと流出す
るようになっている。図1に示すように反応炉1には、
冷媒循環装置18と、塩素ガス供給装置2と排ガス処理
装置3とが接続されている。
【0015】図2〜図4は、図1に示すプラントに備え
られている塩化第一銅製造用の反応炉の一例を示す図で
あり、図2(a)は、反応炉の平面図、図2(b)は側
断面図である。これらの図に示す反応炉1は、横長の浴
槽型形状とされて上面側が開口されている反応炉体10
と、この反応炉体10の周面および底面部を覆って設け
られている冷却ジャケット装置11と、反応炉体10の
先端部側(図示右側)に着脱自在に取り付けられたノズ
ル装置12とを主体として構成されている。
【0016】図3(a)は、反応炉体10の平面図を示
し、図3(b)は側断面図を示し、図3(c)は正面図
を示す。図3(a)〜(c)に示す反応炉体10は、全
体がSiCを主成分とする耐熱セラミックで構成された
もので、細長い長方形状の底壁10Aと、両側壁10B
と、後部壁10Cと、前部傾斜壁10Dとを主体として
浴槽型に形成されている。前記底壁10Aは反応炉体1
0の全長の2/3程度を占める平底型のもので、この底
壁10Aに対して反応炉体10の全長の残り1/3程度
を占める前部傾斜壁10Dが連続形成され、前記底壁1
0Aと前部傾斜壁10Dの幅方向両側にはこれらに一体
的に側壁10B、10Bが形成され、前記底壁10Aの
後端部側には底壁10Aと両側壁10Bとに一体的に平
面視円弧状の後部壁10Cが形成されている。なお、こ
れら底壁10Aおよび前部傾斜壁10Dに対して両側壁
10Bと後部壁10Cとが接続される部分の内面側は曲
面加工部10Fとされている。
【0017】本発明に係る反応炉体10は、SiCを主
成分とする耐熱セラミック層で構成されているため、銅
を塩素化するために反応炉体10内部に導入される塩素
ガスとの反応による反応炉体10の劣化を抑えることが
できるので、長期間安定して塩化銅の溶湯を製造するこ
とが可能である。ここで、前記「SiCを主成分とす
る」とは、SiCを60原子%以上含有するということ
であり、このような材料の一例として、SiC:75〜
85%、SiO2:5〜10%、Al23:5〜10
%、Fe23:0.1〜1%の化学組成の耐熱セラミッ
クスを挙げることができる。尚、本実施形態では、図1
および図2に示す反応炉体10の全体が、SiCを主成
分とする材料からなる構成としたが、本発明に係る反応
炉体の構成はこれに限定されるものではなく、少なくと
も反応炉体10の内壁がSiCを主成分とする材料から
構成されていればよく、例えば、耐酸耐火レンガ、炉体
と同材のレンガ等で築炉した反応炉体を用いることもで
きる。また、炉材はSiCを主成分とするセラミックの
みではなく、鉄や銅などの金属の内側に塩化第一銅をコ
ーティングし、運転中外壁を冷却することにより塩化第
一銅の層を維持しながら製造することもできる。
【0018】前記反応炉体10の内部において底壁10
Aと前部傾斜壁10Dとの境界部分の上方には、図1
(a)に示すようにカーボンなどの耐熱材料からなる平
板状の堰板部13が両側壁10B、10Bに設けられた
溝13A、13Aに沿って嵌合されており、この堰板部
13により反応炉体10の内部空間が底壁10A側の第
1の反応部aと前部傾斜壁10D側の第2の反応部bと
に区画されるとともに、前記堰板部13の下端部13B
と底壁10Aとの間には流通部15が形成されている。
【0019】前記反応炉体10の前部傾斜壁10Dの上
部側が両側壁10B、10Bの上端部よりも1段低めら
れ、両側壁10B、10Bと前部傾斜壁10Dの先端部
により凹部型の嵌合部10Gが形成され、この嵌合部1
0Gに位置する前部傾斜壁上端部に丸型の嵌合溝10H
が形成されている。そして、この嵌合部10Gに対して
着脱自在にブロック本体16が装着され、このブロック
本体16に一体化されたノズル17が前記嵌合溝10H
に対して着脱自在に装着され、ブロック本体16とノズ
ル17から前記のノズル装置12が構成されている。こ
の例のノズル装置12のブロック本体16は例えば耐熱
セラミック層などの材料から構成されており、反応炉体
10の嵌合部10Gに合わせた形状とされている。ま
た、ノズル17は、カーボンや耐熱セラミックスなど材
料からなる筒状部材であり、反応炉体10の溶湯は、こ
のノズル17を通って流出される。ノズル17は、ブロ
ック本体16に耐熱性の接着材を用いて接着されてい
る。
【0020】図4は冷却ジャケット装置11を示す図で
あり、図4(a)は冷却ジャケット装置11の平面図で
あり、図4(b)は側面図である。これらの図に示す冷
却ジャケット装置11は、反応炉体10の底面と周面を
覆うことができる形状の浴槽型のジャケット本体20を
主体として構成され、ジャケット本体20は、底壁20
Aと側壁20B、20Cと前部傾斜壁20Dと後部壁2
0Eとを具備して構成されている。即ち、冷却ジャケッ
ト装置11の内部に先の反応炉体10を収納した状態に
おいて、ジャケット本体20の底壁20Aが先の反応炉
体10の底壁10Aの下に配置され、側壁20B、20
Cが先の反応炉体10の側壁10B、10Bの側方に位
置されるともに、円弧状とされた後部壁20Eが先の反
応炉体10の後部壁10Cの側方に位置され、前部傾斜
壁20Dが先の反応炉体10の前部傾斜壁10Dの上に
位置される。
【0021】また、これらの底壁20A、側壁20B、
20C、前部傾斜壁20D、後部壁20Eは全て中空の
2重構造とされ、各中空部内にジャケット装置11の長
さ方向に沿うように仕切壁21が平行に所定の間隔で複
数立設され、前記底壁20Aと前部傾斜壁20Dの中空
部が連続されてそれらの内部に循環流路22が形成さ
れ、前記側壁20Bの中空部とそれに続く後部壁20E
の半分程に循環流路23が形成され、前記側壁20Cの
中空部とそれに続く後部壁20Eの半分程に循環流路2
4が形成されている。尚、後部壁20Eの幅方向中央内
部に仕切板が設けられていて、この仕切板が循環流路2
3、24を区分している。
【0022】次に、底壁20Aの幅方向一側に底壁20
Aの一部を貫通するように設けられた導入管25が先の
循環流路22に接続され、底壁20Aの幅方向他側に底
壁20Aの一部を貫通するように設けられた導入管26
が先の循環流路22に接続されている。従って、導入管
25から循環流路に冷却媒体を流入させ、循環流路22
を経て流れた冷却媒体を、底壁20Aの他側に接続され
た導出管26から排出できるように構成されている。
【0023】次に、後部壁20Eの下側(ジャケット本
体20の後部中央下側)に後部壁20Eの一部を貫通す
るように設けられた導入管27Bが先の循環流路23に
接続され、後部壁20Eの上側(ジャケット本体20の
後部端上側)に後部壁20Eの一部を貫通するように設
けられた導出管28Bが先の循環流路23に接続されて
いる。従って導入管27Bから循環流路23に冷却媒体
を流入させ、循環流路23を経て流れた冷却媒体を導出
管28Bから排出できるようになっている。
【0024】また、後部壁20Eにおいてそれぞれ導入
管27Bと導出管28Bに隣接した位置にも、導入管
(図示せず)と導出管28Cがそれぞれ後部壁20Eの
下側と上側に接続されており、先の構造の場合と同様
に、冷却媒体を循環流路24に流動させることができる
ようになっている。従って、側壁20B側の導入管27
Bと側壁20C側の導入管はジャケット本体20の後部
中央下側に幅方向に並んで配置されており、側壁20B
の導出管28Bと側壁20Cの導出管28Cはジャケッ
ト本体20の後部中央上側に幅方向に並んで隣接配置さ
れている。
【0025】尚、側壁20Bと後部壁20Eに形成され
ている循環流路23にあっては、導入管27側Bから導
出管28B側に向けて、すなわち側壁20Bと後部壁2
0Eの下側から上側に向けて順次冷却媒体が流動するよ
うに構成されている。これは、循環流路23を構成する
ための複数の仕切壁21の長さ方向一端部に連通部21
A…が交互に形成され、冷却媒体が側壁20Bと後部壁
20Eに沿って下側から上側へ蛇行状態で順次流動でき
るように構成されているためである。更に、側壁20C
と後部壁20Eに形成されている循環流路24にあって
も、仕切壁21の一端部側に連通部21A…が形成され
て冷却媒体が側壁20Cと後部壁20Eに沿って蛇行状
態で下側から上側へ順次流動できるように構成されてい
る。また、同様に、底壁20Aと前部傾斜壁20Dの中
空部に形成されている仕切壁21にあっても同様に間欠
的に連通部21Bが形成されていて、循環流路22に沿
って冷却媒体が蛇行状態で流動できるように形成されて
いる。
【0026】また、ジャケット本体20の底壁20Aの
下面側において、後部壁側中央にはブラケット30が、
前部傾斜壁側中央にはブラケット31が取り付けられ、
前部傾斜壁20Cの下面中央側にもブラケット32が形
成されている。また、前記ブラケット30は円弧型の軸
受部を有する軸受部材(図示せず)に上方への移動を許
容された状態で支持され、ブラケット31はジャケット
装置20の幅方向に沿う軸を支持する軸受部材34によ
り軸回りに回転自在に支持されている。従って、前記ブ
ラケット31を支点としてブラケット32を牽引装置な
どで引き下げる操作を行うことで、ブラケット30を軸
受部材から外してジャケット装置20の前部側のノズル
装置12のノズル17を下向きに傾斜させることができ
るようになっている。このような傾転機能を有している
ことにより、本実施形態の反応炉1は製造終了時に反応
炉体10内部に残存する塩化銅の溶湯をノズル17から
容易に排出することができるようになっている。また、
反応炉1の傾転角度により、ノズル装置12のノズル1
7から流出する塩化第一銅溶湯の流量を調節することが
できる。
【0027】また、図2および図4に示すように、ジャ
ケット本体20の側壁20Bおよび20Cの後部下側に
は、4つの固定孔35aが設けられ、これらの固定孔3
5aには水冷ジャケット装置11内部に収容された反応
炉体10の側壁の温度を測定するための複数の熱電対3
5が挿入されている。
【0028】更に、前記反応炉体10の第1の反応部a
の内部には、その上面側から複数本の塩素ガスの導入管
14が挿入されるように構成されており、塩素ガスの導
入管14…は例えば図2に示すようにその先端部14a
を反応炉体10の底壁10Aと所定の間隔をあけてほぼ
鉛直に挿入されている。前記導入管14は後に詳述する
塩素ガス供給装置2に接続されていて、第1の反応部a
に塩素ガスを供給するためのものである。
【0029】前記4つの固定孔35aの形成位置は、図
2に示すようにジャケット装置11に反応炉体10を収
容した状態において反応炉体10の第1の反応部aに相
当する位置とされ、しかも、これらの固定孔35aの形
成高さが、反応炉体10の上方から塩素ガス導入管14
が導入された際の塩素ガス導入管14の先端部14aに
対応する位置に設けられており、先の熱電対35によっ
て反応炉体10の側壁10Bにおいて最も温度が高くな
る位置の温度を計測できるようになっている。従ってこ
れら熱電対35…の温度計測結果に基づいて反応炉体1
0の第1の反応部aでの反応状態を把握することができ
るようになっている。
【0030】図2に示すジャケット装置11に反応炉体
10を収容した状態において、反応炉体10とジャケッ
ト本体20との間には、所定の間隔で間隙Dが設けられ
ており、この間隙Dには、耐熱セラミックスなどからな
る緩衝材29が充填されている。この緩衝材29は、熱
衝撃などにより炉体が破損した際に、ジャケット本体2
0に塩化銅の溶湯が直接接触しないようにするために設
けられているものであり、その材料としては反応炉体1
0を構成する材料と同等のものを用いることが好まし
い。このような構成とすることにより、緩衝材29と反
応炉体10の熱膨張係数を揃えることができるので、熱
膨張、熱収縮による反応炉体10への負荷を軽減し、反
応炉体10の破損を抑えることができる。
【0031】前記アトマイズ装置(粒状体製造装置)5
は、前記反応炉1で製造された塩化第一銅の溶湯を急冷
して粒状化するための装置である。このアトマイズ装置
5は、図5に示す箱形の金属製の装置本体部61と、装
置本体部61の上方側端部から内部に導入された案内装
置(樋装置)62と、装置本体部61の底部に配設され
たスクリューコンベア63とを主体として構成されてい
る。ここで、案内装置62は、樋本体62Aと樋本体6
2Aの下流側先端部に嵌合された先端部ユニット100
とから構成されている。そして、先端部ユニット100
の下方には、噴射ノズル120…が備えられており、図
示略のガス供給源に接続されたガス供給管125より供
給されるガスを所望の圧力(例えば、1〜5kg/mm
2)で噴射できるようになっている。
【0032】装置本体部61の内部はほぼ空洞であり、
先端部ユニット100の設置位置の下側に開口部127
が形成され、この開口部127の下方に収集装置(受け
皿)128が配置されている。そして、この受け皿12
8に、先端部ユニット100の後述の回収溝117から
落下した溶湯が、開口部127を通過して落下後に回収
されるようになっている。
【0033】装置本体部61の内部はほぼ空洞で、その
中央側上部に設けられた煙突部61Aに3つの排気口1
29が離間して設けられており、煙突部61Aの底部に
設けた遮蔽板130の両側空間を通して装置本体部61
の内部の空気を吸引して内部を負圧にできるようになっ
ている。前記煙突部61Aは装置本体部61の幅方向
(図5の紙面に垂直な方向)のほぼ全幅にわたって形成
され、煙突部61Aの底部中央には遮蔽板130が設け
られ、遮蔽板130の幅方向両側に流路130Aが形成
され、煙突部61Aに形成された排気口129は装置本
体部61の両端側と中央側に個々に配置されていて、こ
れらの排気口129の内、両側2つの排気口129の下
に先の流路130Aが位置されている。
【0034】また、装置本体部61の煙突部61Aの後
部側(案内装置62を接続した側と反対側)の天井部6
1Bには3つの吸気口132が装置本体部61の幅方向
中央部と両側に位置するように設けられ、前記先端部ユ
ニット100の導入部分の上方の天井部61Cにも給気
口131が設けられ、これらの吸気口131、132…
と、前記開口部127とから、外気を装置本体部61の
内部へ導入できるようになっている。
【0035】これらの吸気口131、132…、開口部
127が設けられていて、特に煙突部61Aの遮蔽板1
30の両側に流路130A、130Aが位置するので、
装置本体部61内部の空気を排気口129から吸引する
ことにより装置本体部61の内部に図5あるいは図6に
示すような矢印a1、a2、a3、a4、a5に示す方
向に移動する気流が形成され、上記噴射ノズル120…
により飛散された塩化第一銅の溶湯が固化する前に装置
本体部61の内壁に衝突して変形するのを防ぐようにな
っている。
【0036】前記構成のアトマイズ装置5において、案
内装置62を介して装置本体部61内部に導入された塩
化第一銅の溶湯は、アトマイズ装置5の内部で案内装置
61の先端から滴下されて案内装置62先端の下方に設
置された噴射ノズル120…から噴射された乾燥空気な
どのガスにより装置本体部61の内部の空間へ飛散さ
れ、急冷、固化されるようになっている。そして、固化
されて粉末あるいは粒体などの粒状体となった塩化第一
銅は、装置本体部61の底部に堆積する。
【0037】即ち、図5に示す前記気流a1〜a5にお
いて気流a1は噴射ノズル120から噴出されたガスが
直進して装置本体部61の奥側に向かって進む方向の気
流であり、気流a2は直進した気流a1が吸気口132
…からの下向きの空気流によって下向きに流れを変えら
れて流れる気流であり、気流a3は装置本体部61の底
部に沿って開口部127に向けて気流a1、a2と反対
向きに流れ、更に開口部127からの気流により上向き
に流れを変える気流であり、気流a4は気流a1の両側
において斜め上方に流路130Aに向かって流れる気流
であり、気流a5は流路130Aを通過して排気口12
9に吸引されるような気流である。このようなa1〜a
5に示す気流に沿って粒状体が装置本体61内を運搬さ
れる際、微粉末を除いたある程度重量の大きな粒状体
(規格品の粒状体、例えば0.5μm〜3000μmの
範囲の粒状体)が気流a3による搬送途中で装置本体6
1の底部側に落下して収集され、軽量の微粉末を含むガ
スが気流a4、a5に沿って後述の排ガス処理装置7に
移動される。また、この装置本体部61底部に堆積した
塩化第一銅の粉末あるいは粒体を装置本体部61の底部
に設置されたスクリューコンベア63により装置本体部
61の外へ搬送することができるように構成されてい
る。
【0038】一方、前記案内装置62は、角樋状の本体
部62Aとこの本体部62Aの先端部62a側に装着さ
れた先端部ユニット100から構成され、前記本体部6
2Aによって先に説明した反応炉体10のノズル17か
ら塩化第一銅の溶湯を受けてこれを案内できるように反
応炉体側の端部を上に、アトマイズ装置5の装置本体部
61側を下にして傾斜状態で設置され、装置本体部61
の内部側に導入された本体部62Aの先端部62aに先
端部ユニット100が装着されている。
【0039】次に、図7〜図8は前記案内装置62の先
端部ユニット100とそれに付設された複数の噴射ノズ
ル120とを示すもので、図7は先端部ユニットの斜視
図、図8(a)は先端部ユニットの平面図、図8(b)
は先端部ユニットの側面図である。前記先端部ユニット
100は、カーボンなどの耐熱材料の削出部材からな
り、板状の底部121とその幅方向両側にほぼ直角に立
設された側壁114、114によって角樋型(断面倒コ
字型)に形成されている。この先端部ユニット100は
その底部121の後端部側に形成された取付溝111に
おいて先の樋本体62Aの先端部に形成された突部に嵌
合することにより案内装置62の先端側を形成するよう
になっている。先端部ユニット100の底部121の上
面側は平坦部112とされ、樋本体62Aと略同一傾斜
角となるように、樋本体62Aの上面と略同一平面にな
るように樋本体62Aに接続されている。また、この平
坦部112の先端方向(下流側方向)には、平坦部11
2よりも大きい傾斜角をもつように、複数の案内溝11
3…が相互に隣接して並列形成されている。
【0040】また、平坦部122及び案内溝113…の
両サイドには、側壁114、114が位置され、これ
ら、平坦部122、案内溝113…、側壁114、11
4によって、溶湯が流下可能な樋型形状が構成されてい
る。前記平坦部112の下流側端部近傍(先端側)であ
って、案内溝13…よりも上流側には、貯留溝115が
幅方向に延在し側壁114、114に達するように形成
されている。また、平坦部112の上流側端部近傍であ
って先の貯留溝115よりもさらに上流側中央部には、
ブロック状の遮蔽材116が、側壁114、114との
間に溶湯流路を形成して配置されている。これら遮蔽材
116の上面は、側壁114、114の上面と略同一の
高さとされている。また、先端部ユニット100の下面
側であって、案内溝113…の裏側の先端部近傍には、
回収溝117が幅方向に延在し、その両端部を先端部ユ
ニット100の幅方向両端部に到達させて形成されてい
る。
【0041】一方、噴射ノズル120…の取付板121
が先端部ユニット100の下面側であって、案内溝11
3…の裏側に位置するように先端部ユニット100に固
定されている。更に、この取付板120Aに前記案内溝
113…と同じ数の噴射ノズル120…が、溶湯の流れ
方向に沿うように貫通状態で取り付けられ、各々の案内
溝113…に対応する位置に配置され、前記案内溝13
…から溶湯が滴下する位置に相対して、各々のノズル1
20の吹出口122が望むように配置されている。な
お、前記各ノズル120の吹出口122の位置は、上記
回収溝117の位置よりも先端部ユニット100の下流
側先端方向に配置されている。
【0042】上記先端部ユニット100は、例えば、全
体の流路長250mm(例えば、平坦面112の流路長
さを185mm、案内溝13…の流路長さを65m
m)、流路幅(平坦面112及び案内溝113…全体の
幅)150mmの大きさで構成することができる。例え
ば幅150mmの条件で、案内溝113…を11基形成
した場合、各案内溝113のピッチは約13.6mmと
なる。即ち、約13.6mmの間隔で溶湯が滴下するよ
うになる。この場合、案内溝113…の深さも約13.
6mmとして形成すると、各々の案内溝113は、断面
逆正三角形のテーパー状の溝とすることが好ましい。
【0043】前記貯留溝115は、幅方向全体に、例え
ば長さ10mm、深さ5mmとして形成することができ
る。貯留溝115の位置は、例えば案内溝113…から
10mm上流側とすることができる。また、遮蔽材11
6は、例えば幅30mm、長さ40mmとして配置する
ことができる。遮蔽材116の位置は、例えば案内溝1
13…から100mm上流側とすることができる。ま
た、回収溝117としては、例えば幅方向全体に、長さ
5mm、深さ5mmとして形成することができる。回収
溝117の位置は、例えば案内溝113…の下流側端部
から20〜40mm上流側とすることができる。
【0044】次に、前記アトマイズ装置5には、装置本
体部61の排気口64から排気された排気ガスを処理す
るための排ガス処理装置7が接続されている。図9は、
第2の排ガス処理装置7の構成の一例を示す図である。
この図9に示す排ガス処理装置7は、排ガスに含まれる
微粉末を取り除くためのサイクロン70とバグフィルタ
72とを主体として構成されている。前記バグフィルタ
72には、バグフィルタ72内部を加圧するための圧力
源71が接続されており、この圧力源71は空気を圧縮
してバグフィルタ72に送り込むためのコンプレッサ7
1aと、コンプレッサ71aで作られた圧縮空気の水分
を除去するためのドライヤ71bとから構成されてい
る。また、バグフィルタ72の底部には、バグフィルタ
72で回収された塩化第一銅の微粉末を回収するための
スクリューコンベア72aが接続されている。
【0045】前記の構成の排ガス処理装置7において、
アトマイズ装置5の排気口64から排出された排ガス
は、まずサイクロン70に導入されてやや大きめの粉末
を取り除かれ、続いてバグフィルタ72に導入されて微
粉末を取り除かれる。そして、ファン73により外部に
放出される。尚、図9に示す排ガス処理装置7は、塩化
第一銅の微粉末を含む排ガスから微粉末を回収し、排ガ
スを無害化するための基本的な構成の一例を示したもの
であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0046】次に図1に示す分級機6は、アトマイズ装
置5において粒状化された塩化第一銅の粒状体を、その
寸法により分級するための装置である。図1に示すよう
に、この分級機6は塩化第一銅の粒状体が導入される導
入口75と、分級された塩化第一銅粒状体が導出される
導出口76と、分級機6内部のガスを排気するための排
気口77と、分離された規格外の塩化第一銅粒体を排出
するための排出口78とを備えて構成されている。
【0047】分級装置6へ投入された塩化第一銅粒体
は、分級されて規格に合致する寸法の粒状体のみが導出
口76から搬出されて、導出口76に接続されたスクリ
ューコンベア79により搬出装置9へ搬送される。ま
た、分級により分離された規格外の塩化第一銅粒体(粒
径が規格範囲より小さいものと大きいもの)は排出口7
8から分級装置6外へ排出され、回収容器K1に回収さ
れる。この回収容器K1に収集された規格外の塩化第一
銅粉粒体は望ましくは反応炉1の内部に投入されて塩化
第二銅溶湯または塩化第一銅溶湯の製造のために再利用
される。
【0048】また、粒径が小さすぎるために分級装置6
内部を飛散している塩化第一銅の微粉末は、排気口77
から排出されてアトマイズ装置5の排気口131へ戻管
133により戻され、アトマイズ装置5の装置本体部6
1の排ガスとともに図1および図9に示す排ガス処理装
置7へと排出される。尚、分級機6としては、図1に示
す分級機に限定されるものではなく、粒体を分級するた
めの一般的なふるい分級機を使用することが可能であ
り、目的とする粒体の大きさに合わせて適宜なものを選
択すればよい。図1に示す冷媒循環装置18は、冷却ジ
ャケット装置11へ循環させる冷却媒体を冷却するため
の冷却塔18Aと、冷媒を循環させるための循環ポンプ
18Bを備えて構成されている。尚、図1に符号Xで示
す箇所は、実際の製造プラントでは接続されて冷却媒体
を循環できるようになっている。この冷媒循環装置18
の冷却塔18Aにより冷却された冷却媒体は、循環ポン
プ18Bによって冷媒管18Cを介して反応炉1の各導
入管へ導入される。そして、図3に示す冷却ジャケット
装置11の循環流路22〜23あるいは24を経由して
各導出管から冷媒管18Dを介して冷却塔18Aへ戻さ
れ、再び冷却される。このようにして、循環する冷却媒
体が反応炉1の反応炉体10を冷却するようになってい
る。
【0049】図1に示す製造プラントAに設けられてい
る塩素ガス供給装置2は、反応炉1に接続されて反応炉
体10に塩素ガスを供給する装置である。図10は、塩
素ガス供給装置2の構成の一例を示す図であり、この図
10において塩素ガス供給装置2は、外部から搬入され
た液体塩素を貯蔵するための2基の塩素貯槽41と、こ
の塩素貯槽41から液体塩素を圧送するための圧送装置
42と、液体塩素を気化させて塩素ガスとするための塩
素気化器46と、塩素ガスを一時的に貯留するための塩
素ガス貯溜タンク45とを主体として構成されている。
前記圧送装置42は、空気を圧縮して圧送ガスとするた
めのコンプレッサ42aと、このコンプレッサ42aに
接続されて、コンプレッサ42aから送られた圧送ガス
の水分を取り除くためのドライヤ42bと、ドライヤ4
2bに接続されてドライヤ42bから送られた圧送ガス
により液体塩素を圧送するためのレシーバタンク42c
とを備えて構成されている。
【0050】前記構成の塩素ガス供給装置2において、
塩素貯槽41に貯蔵されている液体塩素は、圧送装置4
2により加圧されて塩素気化器46へ圧送される。次
に、塩素気化器46において気化されて塩素ガス貯溜タ
ンク45へ送られ、この塩素ガス貯溜タンク45で一時
的に貯留される。そして、必要に応じて反応炉1へ供給
されて反応に供されるようになっている。この例の塩素
ガス供給装置2の塩素貯槽41や、塩素ガス貯溜タンク
45において、使用されず不要になった塩素ガスは、こ
れらに接続された排気ファン47により排気されて塩素
除害塔48へ送られる。そして、この塩素除害塔48で
塩素を取り除かれた排気ガスが外部へ放出されるように
なっている。
【0051】また、図1に示す反応炉1には、塩素を含
む反応炉1からの排ガスを処理するための排ガス処理装
置3が接続されている。図11は、排ガス処理装置3の
構成の一例を示す図である。この図11に示す例の排ガ
ス処理装置3は、排ガスに含まれる微粉末を取り除くた
めの2基のサイクロン50とバグフィルタ52と、排ガ
スに含まれる塩素ガスを中和、除害するための水洗塔5
4とアルカリ塔56とを主体として構成されている。前
記バグフィルタ52には、バグフィルタ52内部を加圧
するための圧力源51が接続されており、この圧力源は
空気を圧縮してバグフィルタ52に送り込むためのコン
プレッサ51aと、コンプレッサ51aで作られた圧縮
空気の水分を除去するためのドライヤ51bとから構成
されている。また、バグフィルタ52の底部には、バグ
フィルタ52で回収された塩化第一銅の微粉末を回収す
るためのスクリューコンベア52aが接続されている。
【0052】前記の構成の排ガス処理装置3へ反応炉3
から送られた排ガスは、まずサイクロン50により15
μm程度以上の大きさの粉末を取り除かれ、サイクロン
50を通過した排ガスは続いてバグフィルタ52に導入
され、バグフィルタ52によりさらに小さな微粉末まで
取り除かれる。そして、バグフィルタ52を通過した排
ガスは、水冷塔54の吸気口に接続されたファン53a
により水冷塔54内に導入され、続いてデミスタ55に
より水分を取り除かれた後、アルカリ塔56の吸気口に
接続されたファン53bによりアルカリ塔56内に導入
される。これら水冷塔54とアルカリ塔56を通過させ
て、排ガスに含まれる塩素ガスを中和した後、排ガスが
外部へ放出されるようになっている。
【0053】また、排ガス中に含まれる可能性のある塩
素ガスを塩素ガス濃度検出装置57により検出すること
で、反応炉1での反応状態を把握することができる。こ
こで反応炉1の第1の反応部aにおいて銅を塩素化する
際の反応が完全に行われているならば、理論的に塩素ガ
スは排ガス中にはほとんど混入されないが、第1の反応
部aにおいて反応が完全には行われない場合に排ガス中
に塩素ガスが規定量以上に混入されることとなる。この
原因は、原料の銅が不足した場合、塩素ガスの供給量が
過剰か不足している場合であるので、排ガス中の塩素ガ
ス濃度に応じて原料としての銅の供給と塩素ガスの供給
量を制御すれば良い。
【0054】尚、前記排ガス処理装置3の構成は、塩素
ガスおよび微粉末を含む排ガスからこれらを取り除くた
めの基本的な構成の一例を示したものであり、本発明を
限定するものではない。例えば、排ガスを無害化するた
めの他の装置を適宜追加しても良いことは勿論である。
【0055】図1に符号8で示す搬入装置は、原料銅を
反応炉へ投入するための装置であり、原料銅を搬送する
スクリューコンベア81a、81bと、原料を一時的に
貯留するためのホッパー82a〜82cと、原料銅を切
断して反応炉1へ投入するフィーダ83とを主体として
構成されている。そして、外部からホッパー82aへ投
入された原料銅は、ホッパー82aの底部に接続された
スクリューコンベア81aによって搬送されてホッパー
82bへ投入され、ホッパー82bへ貯留された原料銅
はホッパー82bの底部からスクリューコンベア81b
によって搬送されてホッパー82cへ投入される。
【0056】そして、ホッパー82cからフィーダ83
へ投入され、細かく切断されて反応炉体10の上面開口
部から反応炉体10へ投入される。
【0057】図1に符号9で示す搬出装置は、分級機6
によって分級された塩化第一銅粒体を一時貯留するため
の複数のホッパー91と、これらのホッパー91へ塩化
第一銅粒体を投入した際に発生する粉塵を集めて回収す
るための集塵機92とを主体として構成されている。そ
して、ホッパー91の底部には、ホッパー91に貯留さ
れている塩化第一銅粒体を所定量毎に出荷用コンテナに
移載するためのスクリューコンベア93がそれぞれ設け
られている。
【0058】次に、以上の構成の反応炉1を用いて塩化
第一銅の溶湯を製造する場合について説明する。本発明
に係る反応炉1を用いて塩化第一銅の溶湯を製造する場
合、まず原料となる銅を反応炉体10の第1の反応部a
へ投入し、反応炉体10の上方から導入された石英ガラ
スなどからなる導入管を介して塩素ガスを原料銅へ吹き
付ける。この原料銅としては、銅の粗粒や線材などの表
面積が大きいものを用いることが好ましい。このような
形状の原料を用いることにより、より効率的に前記塩素
化反応を進行させることができる。すると、塩素ガスを
吹き付けられた原料銅の表面で下記の(式1)に示す反
応が進行し、原料銅表面に塩化第一銅と塩化第二銅が生
成する。この(式1)に示す化学反応は発熱反応であ
り、この熱により銅および塩化銅は溶融して塩化第一銅
及び塩化第二銅を主体とする溶湯(塩化第二銅の融点で
ある498℃以上の温度の溶湯)となる。そしてこの溶
湯に連続的に塩素ガスを供給することにより反応が維持
され、連続的に塩化第一銅及び塩化第二銅を含む溶湯が
生成される。
【0059】 (式1) 2Cu+Cl2→2CuCl、2CuCl+Cl2→2CuCl2
【0060】そして、図1に示すように反応炉体10の
第1の反応部aと第2の反応部bは堰板部13の下方の
流通部15を介して連通されているので、前記の溶湯は
第1の反応部aから第2の反応部bへと移動し、反応の
進行とともに前記原料銅と塩素ガスとの反応により生成
された溶湯の液面が、両反応部a、bで次第に上昇す
る。この第2の反応部bには、塩化第二銅を還元して塩
化第一銅を生成するための還元剤としての金属銅が投入
されるようになっており、この金属銅と塩化第二銅の下
記(式2)に示す反応により、塩化第一銅が生成され
る。この還元剤としての金属銅は、なるべく表面積を大
きくすることが好ましい。具体的には、特に限定される
ものではないが、銅線材を略球状に巻いた銅線塊を用い
ることが好ましい。そして、反応炉体10内の溶湯の液
面がノズル装置12のノズル17へ達すると、第2の反
応部bから塩化第一銅の溶湯がノズル17を通じて流出
する。このように反応炉体10からの塩化第一銅溶湯の
導出をオーバーフロー方式とすることにより、原料銅と
塩素ガスの供給量を調節することでノズル17から流れ
出す塩化第一銅溶湯の流量を調節することが可能となっ
ている。
【0061】従って、本発明に係る反応炉1によれば、
銅を塩素化して塩化第一銅及び塩化第二銅を含む溶湯を
生成する工程と、この塩化第二銅を還元して塩化第一銅
を生成する工程を一つの反応炉内で連続して行うことが
できるので、それぞれを別の反応炉で製造することがな
く連続的な製造が可能であるとともに、製造工程を簡略
化して効率的な製造が可能となる。また、本発明に係る
反応炉1によれば、原料銅と塩素ガスおよび還元剤とし
ての金属銅を連続的に供給するならば、長時間連続して
塩化第一銅の溶湯を製造することが可能である。
【0062】(式2) CuCl2+Cu→2CuCl
【0063】本発明に係る反応炉1においては冷却ジャ
ケット装置11が備えられている。この冷却ジャケット
装置11により内部に溶湯を有する反応炉体10の底部
および外周が冷却されると、反応炉体10の内壁面に主
に塩化第一銅からなる皮膜が形成される。これは、反応
が進行している反応炉体10内の溶湯に含まれる金属
(銅)およびその化合物(塩化銅)のうち、塩化第一銅
の融点が最も高いので冷却ジャケット装置11によって
冷却された反応炉体10の内壁に凝固した塩化第一銅が
付着するためである。そして、このような塩化第一銅の
皮膜により、溶湯と炉壁を隔離することができるので、
反応炉体10を塩素ガスからより効果的に保護すること
ができるとともに、反応炉体10に含まれる炭素や珪素
が不純物として反応炉体10内の溶湯に混入するのを抑
制することができる。更に、炉壁にクラックが入った場
合などは溶湯がクラック部分より、外に染み出してゆく
が、冷却することにより、炉体外壁と水冷ジャケット内
壁の間にある緩衝材29が充填された間隙部において、
溶湯を凝固させることができるため、炉体からの溶湯の
漏洩を防止することができる。
【0064】次に、前記構成の塩化第一銅の製造プラン
トAにおける塩化第一銅の製造プロセスについて図面を
参照して以下に説明する。まず、図1に示す搬入装置8
により原料銅が反応炉1へ投入され、続いて塩素ガス供
給装置2により反応炉1へ供給された塩素ガスが反応炉
1内の原料銅へ吹き付けられる。これにより反応炉1の
反応炉体10の第1の反応部a内では、原料銅と塩素ガ
スにより塩化第一銅及び塩化第二銅を含む溶湯が先の式
に示す反応によって生成され、これらの塩化第一銅及び
塩化第二銅を含む溶湯が反応炉体10の第2の反応部b
に移動するとともに先に説明の如く塩化第二銅の溶湯が
還元されて塩化第一銅の溶湯が生成される。そして、反
応炉体10内での反応の進行とともに次第に上昇した溶
湯の液面が反応炉体10先端のノズル17に達して、第
2の反応部bからノズル17を介して案内装置62へ塩
化第一銅の溶湯が流出する。この反応炉1からの排ガス
は第1の排ガス処理装置3へ送られ、微粉末、塩素ガス
を取り除かれた後、外部へ放出される。
【0065】また、塩化第一銅の粒状体を製造するプラ
ントAに本実施形態の反応炉体10を適用するならば、
反応炉体10がSiCを主成分とする材料から構成され
ているので、塩素ガスにより反応炉体10が劣化するこ
となく、長期間安定して塩化第一銅の溶湯を製造するこ
とが可能である。従って、前記製造プラントAにおいて
長期間安定的に塩化第一銅の粒状体を製造することが可
能である。
【0066】案内装置62を通ってアトマイズ装置5へ
導入された塩化第一銅の溶湯は、アトマイズ装置5によ
り粒状化されて塩化第一銅の粒体となってアトマイズ装
置5の底部に堆積し、アトマイズ装置5の底部に設けら
れたスクリューコンベア63により回収されて分級装置
6へ投入される。そして分級装置6により分級された塩
化第一銅粒体が、分級装置6の導出口76からスクリュ
ーコンベア79へ導出され、搬出装置9へ搬送されて搬
出される。
【0067】次に、塩化第一銅溶湯が先端部ユニット1
00を通過する場合の溶湯の流れについて詳述する。
【0068】上記のように構成された先端部ユニット1
00に溶湯が供給されると、樋状の本体部62Aから先
端部ユニット100に流入する溶湯は、平坦部112上
の流れの中央部において遮蔽材116、116により遮
断される。遮断された流れは、図2中に矢印で示すよう
に、各遮蔽材116の両サイドを迂回する流れと、2つ
の遮蔽材116、116の間隙を通過する流れに分けら
れる。本体部62Aから溶湯流入時には、本体部62A
の幅方向両端部側よりも本体部62Aの幅方向中央部の
溶湯流量が最も大きいが、このように、中央部の溶湯流
れの一部が遮蔽材116、116の両サイド側に分けら
れることにより、平坦部112における幅方向の流れが
均一化される。
【0069】遮蔽材116、116より下流側に流下し
た溶湯は、次に貯留溝115に一端貯留され、更に平坦
部11上での幅方向の流れが均一化される。その後、こ
こから溢れるようにして溶湯が下流側の案内溝113…
の各々に均等に流入する。そして、案内溝113…に流
入した溶湯は、各々の案内溝113…の先端から滴下す
る。
【0070】案内溝113…の先端から滴下した溶湯
は、ノズル20…から噴射されるガスを受け、細かい粒
子状に飛散され、急冷される。
【0071】なお、このとき、一部の溶湯は滴下せずに
後ろ引きされるが、後ろ引きされた溶湯は、案内溝11
3…の裏面側に配された回収溝117に回収される。こ
の回収溝117に回収された溶湯は、吹出口122から
噴射されるガスに飛散されることなく、直下に落下する
ので、装置本体部61の開口部127を通過して受け皿
128に回収され、飛散した粒子と容易に分離すること
ができる。飛散した粒子は、急冷、固化されて粒状体と
なり、先に述べたように装置本体部61の底部に堆積さ
れ、スクリューコンベア63により装置本体部61の外
部へ搬出される。
【0072】ところで、前記案内装置62と先端部ユニ
ット100を用いて塩化第一銅溶湯の急冷処理を行う場
合、案内装置62の先端部ユニット100の先端部、即
ち、案内溝113を通過する場合の溶湯の温度を480
〜600℃とすることが好ましい。
【0073】ここで塩化第一銅溶湯の温度を480℃よ
りも低くすると、案内装置先端部において溶湯が固化
し、分散できなくなり、600℃よりも高くすると、分
散効果が高くなり過ぎ、粒子が細分化(細粒化)するた
め、粒状体の粒径が細かくなり過ぎるので好ましくな
い。
【0074】次に、前記噴射ノズル120…から噴射さ
れるガス圧を1〜5kg/cm2の範囲とすることが好
ましい。ガス圧としてこの範囲を外れると、1kg/c
2未満の場合、即ち低い場合に粒子が大きくなり過
ぎ、5kg/cm2を超える場合、即ち高い場合に粒子
が細かくなりすぎるという面で不足を生じる。
【0075】更に、前記先端部ユニット100の平坦部
112における塩化第一銅溶湯の流速を10〜500m
m/秒の範囲とすることが好ましい。流速がこの範囲を
外れると、低い場合、分散エアと落下溶湯が直角に衝突
するため、分散エネルギーが大きく、飛散物のコントロ
ールが困難となるので好ましくない。また、流速が高い
場合に溶湯が案内装置先端から落下する際にオーバーラ
ンすることとなり、定常の分散ができなくなる。
【0076】以上説明の如く先端部ユニット100を通
過してアトマイズ装置5の内部に噴出される場合の溶湯
の状態を制御することで、粒度の整った、不良の少ない
状態で塩化第一銅の粒状体を得ることができる。
【0077】ところで、装置本体部61の内部は空気が
満たされているので、溶湯が急冷される際に溶湯の周面
は酸化され、塩化第一銅粒状体の周面には酸化第二銅
(CuO)の皮膜が形成される。また、空気中の一部炭
素と溶湯が反応し、一部炭素を含む酸化第二銅皮膜が形
成される。これら酸素や炭素を含む酸化第二銅皮膜は、
酸化第一銅粒状体の表面を均一に覆い、酸化第一銅粒状
体の内部の酸化第一銅部分を保護する。酸化第二銅皮膜
は他の種々の酸化銅、亜酸化銅、酸化第一銅、三二酸化
銅などに比べて化学的に安定であり、水蒸気などの気体
を殆ど透過させずに機械的強度も高い。このような酸化
銅皮膜を形成することで、内部の塩化第一銅を外気から
遮断し、塩化第一銅部分の品質低下を防止できるととも
に、輸送時などの機械的外力に強くすることができる。
【0078】このような観点から鑑みて、装置本体部6
1の内部は酸素を含む気体で満たしておくことが好まし
い。ところで、前記アトマイズ装置5および分級装置6
で出される排ガスは、排ガス処理装置7へ送られて塩化
第一銅の微粉末を取り除かれた後、外部へ放出される。
【0079】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、案内装置先端部から塩化第一銅溶湯を飛散させて
急冷する場合に塩化第一銅溶湯の温度を480〜600
℃の範囲とすることで、粒度の整った良質の塩化第一銅
粒状体を効率良く製造することができる。
【0080】次に本発明は、前記噴射ノズルから噴射さ
れるガス圧を1〜5kg/cm2の範囲とするので、案
内装置先端から溶湯を吹き飛ばして急冷する場合に、急
冷に好ましい状態になるように溶湯を満足に吹き飛ばす
ことができ、粒度の整った良質の塩化第一銅粒状体を効
率良く製造することができる。
【0081】次に、本発明において酸素又は二酸化炭素
を塩化第一銅溶湯と反応させて塩化第一銅の粒状体表面
に反応皮膜を形成するので、反応皮膜で内部の塩化第一
銅を外気から遮断して保護し、内部の塩化第一銅部分の
品質の低下を防止し、輸送時の機械的外力にも耐えて破
損し難いという、高品質の塩化第一銅粒状体を製造する
ことができる。
【0082】本発明において、原料銅から塩化第二銅溶
湯を生成する第1の反応部と、前記塩化第二銅溶湯を還
元して塩化第一銅の溶湯を生成する第2の反応部とを備
え、少なくとも溶湯と接する部分にSiCなどのセラミ
ック層を配した反応炉体を用いるならば、第一の反応部
と第二の反応部を有する反応炉体を用いて塩素化と還元
を1工程で行うことで、2工程で行っていた従来方法よ
りも工程の簡略化をなし得、塩化第一銅粒状体の製造効
率を向上させ得る。また、反応炉を塩素ガスからセラミ
ック層が防護するので、長時間の連続操業が可能であ
り、塩化第一銅粒状体の製造コストを低減できる効果が
ある。
【0083】次に本発明において、前記案内装置の先端
部として、先端側に溶湯滴下用の複数の案内溝を備えた
ものを用いることができ、これらの案内溝からガス噴射
により空間に溶湯を吹き飛ばして溶湯を急冷すること
で、溶湯の急冷処理を完全に行うことができ、粒度の整
った均一な塩化第一銅粒状体を得ることができる。
【0084】本発明において、前記案内装置の先端部と
して、平坦部とそれに連続して傾斜する溶湯滴下用の複
数の並列案内溝を具備したものを用いることができるの
で、平坦部において溶湯の流れを整え、流れを整えた溶
湯をこれらの複数の案内溝から分けて均一に流下させ、
均一に流下しようとする溶湯を噴射ノズルからのガス噴
射で確実に吹き飛ばして均一に急冷できるので、粒度の
整った高品質の塩化第一銅粒状体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の製造方法を実施する場合に
用いて好適な塩化第一銅製造プラントの一例を示す図で
ある。
【図2】 図2(a)は、図1に示す製造プラントに設
けられる反応炉の一例の平面図であり、図2(b)は同
反応炉の側断面図である。
【図3】 図3(a)は、図1に示す製造プラントに設
けられる反応炉体の平面図であり、図3(b)は側断面
図、図3(c)は正面図である。
【図4】 図4(a)は、図1に示す製造プラントに設
けられる冷却ジャケット装置の平面図であり、図4
(b)は側面図である。
【図5】 図5は、図1に示す製造プラントに設けられ
るアトマイズ装置の一例の側断面図である。
【図6】 図6は、図5に示すアトマイズ装置内部の気
流の流れを示す説明図である。
【図7】 図7は、図1に示す製造プラントに設けられ
る案内装置の先端部ユニットの一例を示す斜視図であ
る。
【図8】 図8(a)は同先端部ユニットの平面図、図
8(b)は同先端部ユニットの側面図である。
【図9】 図9は、図1に示す製造プラントに設けられ
る排ガス処理装置の一構成例を示す図である。
【図10】 図10は、図1に示す製造プラントに設け
られる塩素ガス供給装置の一構成例を示す図である。
【図11】 図11は、図1に示す製造プラントに設け
られる排ガス処理装置の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
A 製造プラント a 第1の反応部 b 第2の反応部 1 反応炉 2 塩素ガス供給装置 3 排ガス処理装置 5 粒状体製造装置(アトマイズ装置) 6 分級装置 10 反応炉体 62 案内装置 100 先端部ユニット 120 噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 一義 秋田県秋田市茨島3−1−6 株式会社 ジェムコ 第1事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−88318(JP,A) 特開 昭46−4515(JP,A) 特開 昭55−60003(JP,A) 特開 昭63−105924(JP,A) 特開 昭53−45699(JP,A) 特開 平4−266457(JP,A) 特許155854(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00 - 57/00 B22D 1/00 - 47/02 F27D 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅を塩素化して塩化第一銅及び塩化第二
    銅を含む溶湯を生成し、該塩化第二銅溶湯を還元して塩
    化第一銅溶湯を生成し、該塩化第一銅溶湯を案内装置の
    先端部から空間に飛散させて塩化第一銅の粒状体を製造
    するに際し、前記案内装置の先端部近傍に噴射ノズルを
    設けて前記噴射ノズルから案内装置先端側の塩化第一銅
    溶湯にガスを吹き付け、塩化第一銅溶湯を空間に飛散さ
    せて急冷することにより塩化第一銅の粒状体を製造する
    とともに、前記案内装置先端部における塩化第一銅溶湯
    の温度を480〜600℃とすることを特徴とする塩化
    第一銅粒状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記噴射ノズルから噴射されるガス圧を
    1〜5kg/cm2の範囲とすることを特徴とする請求
    項1に記載の塩化第一銅粒状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記案内装置の先端部における塩化第一
    銅溶湯の流速を10〜500mm/秒の範囲とすること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の塩化第一銅粒状体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記噴射ノズルから塩化第一銅溶湯にガ
    スを噴出させて塩化第一銅粒状体を製造する際、酸素又
    は炭素を塩化第一銅溶湯と反応させて塩化第一銅の粒状
    体表面に反応皮膜を形成することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の塩化第一銅溶湯の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 原料銅を塩素ガスによって塩素化するこ
    とにより塩化第一銅及び塩化第二銅を含む溶湯を生成す
    る第1の反応部と、前記塩化第二銅溶湯を還元して塩化
    第一銅の溶湯を生成する第2の反応部とを備え、両反応
    部の少なくとも溶湯と接する部分にSiCなどのセラミ
    ック層を配した反応炉体を用いることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の塩化第一銅粒状体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記案内装置の先端部として、先端側に
    溶湯滴下用の複数の案内溝を備えた先端部ユニットを用
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    塩化第一銅粒状体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記先端部ユニットとして、平坦部とそ
    れに連続して傾斜する溶湯滴下用の複数の並列案内溝を
    具備し、前記複数の案内溝の先端に対して個々に噴射口
    を望ませた噴射ノズルを具備したものを用いることを特
    徴とする請求項6に記載の塩化第一銅粒状体の製造方
    法。
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