JP3497434B2 - インクジェット画像形成方法およびインクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクジェット画像形成方法およびインクジェット画像形成装置

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JP3497434B2
JP3497434B2 JP2000040241A JP2000040241A JP3497434B2 JP 3497434 B2 JP3497434 B2 JP 3497434B2 JP 2000040241 A JP2000040241 A JP 2000040241A JP 2000040241 A JP2000040241 A JP 2000040241A JP 3497434 B2 JP3497434 B2 JP 3497434B2
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馨 樋口
芳之 永井
洋 石井
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒インクの乾燥時
間を一定に保ちつつ、黒の再現性を向上させて画質の向
上を図るインクジェット画像形成方法およびインクジェ
ット画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式の画像形成装置(以
下では適宜、インクジェットプリンタと称す)では、画
質向上や乾燥時間短縮のために、ドット形成方法の改善
が検討されている。
【0003】例えば特開平5−330086号公報に
は、黒の再現性は高いが乾燥に時間がかかる遅乾性の黒
インクと、乾燥は速いが印字濃度が薄い速乾性の黒イン
クとを用いて画像形成を行う技術が開示されている。こ
の技術では、黒ドットを形成すべき領域に隣接してカラ
ードットが形成される場合には、その境界領域を速乾性
の黒インクで、またはCMYのインクを重ねて形成し、
他の領域を遅乾性の黒インクで形成するようにしてい
る。
【0004】これにより、黒の再現性の向上と、黒ドッ
トとカラードットとの境界で発生するにじみの抑制を実
現している。
【0005】また、特開平7−149036号公報に
は、記録用紙への浸透性が低い黒インクと、浸透性が高
いCMYインクとを用いた技術が開示されている。図2
3および図24は、この技術によるドット形成の例を示
している。すなわち、黒ドットを形成すべき領域に隣接
してカラードットの領域が形成される場合に、黒ドット
領域内の黒ドットを間引いて、代わりにカラードットを
形成する(千鳥ドット)ようにしている。また、カラー
ドットを黒ドット領域の下地に形成しておいて、黒ドッ
トをカラードットに重ねて形成することが示されてい
る。
【0006】これにより、黒ドット領域とカラードット
領域との境界で発生するにじみを防止するとともに、黒
ドットの乾燥時間の短縮を図っている。
【0007】また、特開平8−197831号公報に
も、上記特開平7−149036号公報に開示されてい
る技術とほぼ同様の技術が開示されている。
【0008】さらに、特開平5−338136号公報に
は、形成する画像における黒ドットが占める割合と、画
像形成時の周囲温度とを検知し、それらに基づいてイン
クが付与された記録紙の搬送速度などを変化させること
により、記録用紙でのインクの乾燥を確実にする技術が
開示されている。
【0009】一方、上述のようなプリント方法の改善と
は別に、ハロゲンランプによる加熱などを行う乾燥手段
を設けることにより、プリント物の乾燥時間を短縮する
ための技術も多数提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
5−330086号公報に開示された技術では、黒ドッ
ト密度が大きくなる領域(以下、黒べた領域と称す)の
形成において、次のような問題が生じる。
【0011】すなわち、この技術では、画質の向上のた
めに黒の再現性が高い遅乾性の黒インクによって黒べた
領域を形成するため、黒インクの乾燥不足によるプリン
ト物の汚れや裏移りなどを生じさせてしまう。これは、
黒ドット密度と乾燥時間との間には相関があり、例えば
10ポイント以上の文字や0.5ポイント以上の線や点
のように、黒ドット密度が大きく、かつ、その面積があ
る程度を越える黒べた領域では乾燥時間が長くなるため
である。
【0012】特に、操作性を高めるためにフェースダウ
ン方式を採用するインクジェットプリンタでは、印刷直
後に最初に印刷面に接触することになる搬送ローラなど
ヘのインクの付着や、記録用紙へのインクの再転写など
の問題が顕著になる。
【0013】一方、黒べた領域を速乾性の黒インクで形
成した場合では、黒の再現性が低いために画質の低下を
招来する。
【0014】また、上記特開平7−149036号公報
および特開平8−197831号公報に開示された技術
では、上述の問題に加えて、黒ドット領域内の境界領域
にカラードット、すなわちイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、またはシアン(C)の単色が混在することによ
る黒の画質劣化の問題が生じる。
【0015】そして、これらの公報には、黒ドット密度
が高い領域における乾燥時間の短縮に関しては開示され
ていない。
【0016】また、上記特開平5−338136号公報
に開示された技術では、黒ドット密度と周囲温度とを考
慮して印字を行っている。しかし、この技術では、それ
らに基づいて乾燥時間の調整を行うことにとどまってお
り、形成する画像や周囲温度によって、画像形成速度が
低下することがあるという問題が生じる。つまり、この
技術は、乾燥時間を積極的に短縮するものではない。
【0017】したがって、この技術では、画質確保のた
め遅乾性の黒インクを用い、かつ画像形成速度を維持し
ようとすると、黒べた領域を形成したときにおいて、乾
燥不足による汚れや裏移りが発生する。また、この技術
によってこれらの問題を解消しようとすると、インク粘
度が上昇する低温状態での乾燥時間が増大し記録速度の
低下を招く。
【0018】以上のように、上記各公報に開示された技
術では、画像形成における黒べた領域の乾燥に関して上
述の問題を有している。
【0019】一方、上述の乾燥手段を設ける技術におい
ては、装置構成が複雑になることに加えて、乾燥手段で
消費される電力のために消費電力が増大するという問題
が生じる。
【0020】本発明の目的は、消費電力が大きく、しか
も装置の大幅なコストアップを招来する乾燥手段を省
略、または規模を縮小し、かつ、画質劣化を抑制しつ
つ、ドット密度の高い領域をも効率良く乾燥させること
ができるインクジェット方式の画像形成方法および画像
形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
画像形成方法は、上述の課題を解決するために、相対的
に乾燥時間が長い遅乾性インクと、相対的に乾燥時間が
短い速乾性インクとを用いてドットを形成し、該ドット
により画像を形成するインクジェット画像形成方法にお
いて、乾燥時間が所定の上限値以下である場合の許容さ
れる上限のドット密度をそのときの周囲温度における限
界ドット密度とし、前記限界ドット密度が第1の値とな
る場合の周囲温度の上限値を第1温度とし、前記限界ド
ット密度が第1の値よりも大きくかつ最大となる場合の
周囲温度の下限値を第2温度とした場合に、周囲温度が
第1温度よりも低い場合には、前記遅乾性インクおよび
速乾性インクによりドットを形成し、周囲温度が第2温
度よりも高い場合には、全ドットを前記遅乾性インクに
て形成し、周囲温度が第1温度以上かつ第2温度以下の
場合には、その周囲温度における限界ドット密度が実際
のドット密度以上である場合に、全ドットを前記遅乾性
インクにて形成する一方、その周囲温度における限界ド
ット密度が実際のドット密度未満の場合に、前記遅乾性
インクおよび速乾性インクを用いてドットを形成する
とを特徴としている。
【0022】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上記インクジェット画像形成方法において、前記第1温
度は、各ドットを他のドットと重なることなく孤立した
状態で形成可能な上限のドット密度が限界ドット密度と
なる場合の周囲温度であることが好ましい。
【0023】本発明のインクジェット画像形成装置は、
インクを吐出して画像を形成するインクジェット画像形
成装置において、相対的に乾燥時間が長い遅乾性インク
を吐出する遅乾性インク吐出手段と、相対的に乾燥時間
が短い速乾性インクを吐出する速乾性インク吐出手段
と、画像を形成する部分の周囲温度を検知する温度検知
手段と、乾燥時間が所定の上限値以下である場合の許容
される上限のドット密度をそのときの周囲温度における
限界ドット密度とし、前記限界ドット密度が第1の値と
なる場合の周囲温度の上限値を第1温度とし、前記限界
ドット密度が第1 の値よりも大きくかつ最大となる場合
の周囲温度の下限値を第2温度とした場合に、周囲温度
が第1温度よりも低い場合には、前記遅乾性インクおよ
び速乾性インクによりドットが形成され、周囲温度が第
2温度よりも高い場合には、全ドットが前記遅乾性イン
クにて形成され、周囲温度が第1温度以上かつ第2温度
以下の場合には、その周囲温度における限界ドット密度
が実際のドット密度以上である場合に、全ドットが前記
遅乾性インクにて形成される一方、その周囲温度におけ
る限界ドット密度が実際のドット密度未満の場合に、前
記遅乾性インクおよび速乾性インクを用いてドットが形
成されるように、前記遅乾性インク吐出手段および前記
速乾性インク吐出手段から、インクを吐出させる吐出手
段を選択する制御手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0024】本発明のインクジェット画像形成装置は、
上記インクジェット画像形成装置において、前記第1温
度は、各ドットを他のドットと重なることなく孤立した
状態で形成可能な上限のドット密度が限界ドット密度と
なる場合の周囲温度であることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 (1)装置の全体構成 本発明の実施の一形態について図1から図18に基づい
て説明すれば、以下の通りである。
【0026】本実施の形態に係るインクジェット方式の
ドット形成方法が適用されるカラーインクジェットプリ
ンタ2の構成を図2に基づいて説明する。図2は、本実
施の形態に係るカラーインクジェットプリンタ2の内部
を、側面方向から見たときの構成を示す内部構成図であ
る。
【0027】本カラーインクジェットプリンタ2には、
キャビネット4内部に、給紙トレイ6、搬送ベルト8、
ヘッド10、スターローラ12、搬送ローラ14、搬送
路15、および乾燥器16が、また、キャビネット4上
部に排紙トレイ18が設けられている。また、カラーイ
ンクジェットプリンタ2は各部を制御する制御装置(制
御手段)22および画像を形成する部分であるキャビネ
ット4内部の温度を検知する温度検知装置(温度検知手
段)24を有している。なお、以下に説明するカラーイ
ンクジェットプリンタ2での処理および動作は、特に断
らない限り制御装置22が制御するものとする。
【0028】プリント動作が開始されると、まず、給紙
トレイ6に収納されている記録用紙20が搬送ベルト8
により、ヘッド10と搬送ベルト8とが対向している画
像形成位置9に搬送される。そして、記録用紙20が画
像形成位置9を通過する際に、記録用紙20の位置およ
び後述するプリントデータに基づいてヘッド10からイ
ンクが吐出されることにより、記録用紙20に対して画
像形成が行われる。
【0029】インクが付与された記録用紙20は、その
移動先において、スターローラ12が配置された搬送路
15を通過する際に、搬送路15と対向する位置に設け
られた乾燥器16により乾燥される。この乾燥器16
は、ハロゲンランプ16aとハロゲンランプ16aから
の光を搬送路15に照射するように配置された反射板1
6bとにより構成されており、これらにより記録用紙2
0のインクが付与された面を熱して乾燥を促進するもの
である。
【0030】乾燥済みの記録用紙20は、さらにその移
動先の搬送路15上に設けられた搬送ローラ14によっ
て、キャビネット4外部の排紙トレイ18にフェースダ
ウンで排出される。
【0031】ここで、次に図3に基づいて説明するヘッ
ド10の構成と、カラーインクジェットプリンタ2の本
体との位置関係を明確にするために、方向を定義する。
図に示すように、画像形成位置9における記録用紙20
の法線方向をz方向、画像形成位置9における記録用紙
20の移動方向(図中矢印A方向)をy方向、z方向お
よびy方向に対して直交する方向をx方向とする。これ
らの各方向は、図2および図3において共通の方向を指
すものとする。
【0032】(2)ヘッド構成およびドット 次に、ヘッド10の構成を図3に基づいて説明する。図
3は、ヘッド10を上から見たとき(ヘッド10から記
録用紙20に向かう方向に見たとき)のノズル11a…
の配置を示す配置図である。
【0033】ヘッド10は、ブラックヘッド・ブロック
(遅乾性インク吐出手段)10aおよびカラーヘッド・
ブロック(速乾性インク吐出手段)10bから構成され
ている。ブラックヘッド・ブロック10aには、ブラッ
クヘッド11Kを構成する第1ないし第3ブラックヘッ
ド11K1 ・11K2 ・11K3 が設けられており、カ
ラーヘッド・ブロック10bには、シアン(C)、マゼ
ンタ(M)およびイエロー(Y)の各色にそれぞれ対応
するシアンヘッド11C、マゼンタヘッド11Mおよび
イエローヘッド11Yが設けられている。
【0034】そして、各ヘッド11K1 ・11K2 ・1
1K3 ・11Y・11M・11Cは、例えば、それぞれ
のインクを吐出するための64個のノズル11a…を有
しており、600dpiの解像度となっている。
【0035】各ブロック10a・10bのインク吐出量
およびインク濃度、並びにプロセス条件は、例えば表1
に示すものである。また、各インクとしては、例えば表
2に示す組成のものを用いることができる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】このヘッド10は、用紙搬送方向であるA
方向に対して直角方向であるヘッド移動方向(図中矢印
B方向)に揺動可能となるように、駆動機構(図示せ
ず)に搭載されている。そして、制御装置22(図2参
照)により、後述するプリントデータ、記録用紙20の
位置、ヘッド10の位置に基づいて、ノズル11a…か
らのインクの吐出がオン・オフされることで、上述した
画像形成が行われる。
【0039】なお、ここでは、ブラックのインクが遅乾
性インクであり、イエロー・マゼンタ・シアンのカラー
インクが速乾性インクであるものとする。
【0040】次に、上記ヘッド10により記録用紙20
上に形成(印刷、印字)されるドットの密度について説
明する。
【0041】ここで、ドットとは、上記各ノズル11a
からのインク吐出により、記録用紙20上に形成される
画像の最小単位を指すものである。つまり、1つのノズ
ル11aからの1回のインク吐出により(インクを重ね
る場合を除く)、記録用紙20上にインクが付与される
領域が1つのドットに相当する。このドットの直径(ド
ット径)を示す値をドットサイズとする。
【0042】また、ドット形成位置およびドットピッチ
を次のように定義する。すなわち、ドット形成位置とは
ドットが形成され得る位置を指すものとし、ドットピッ
チとは最も近接しているドット形成位置間の距離を指す
ものとする。
【0043】以下においては、ドット形成位置が行列状
に配置されており、各ドット形成位置に対して、行方向
および列方向に隣接するドット形成位置との距離が全て
等しい場合について説明する。
【0044】(3)ドット面積率 本実施の形態では、各ドットのドットサイズが同一であ
る(ドットサイズが固定されている)ものとする。そこ
で、この場合において、m行×n列のドット形成位置に
よって構成される所定領域のドットの密度(ドット密
度)を示す値として、面積率SO 1(ドット面積率)を
次式により定義する。 (面積率SO 1)=p0/(m×n) なお、p0は、所定領域内に形成されるドット数、つま
り、所定領域内のドット形成位置に対して実際に形成さ
れるドット数を指している。また、mは所定領域を構成
するドット形成位置の行数、nは所定領域を構成するド
ット形成位置の列数を指している。したがって、m×n
は所定領域内のドット形成位置の数となる。以下では面
積率SO 1を適宜パーセンテージで表すものとする。
【0045】上記面積率SO 1の具体例を図4から図7
に示す。図4から図7は、記録用紙20上でのドットの
配置を示す平面図であり、面積率SO 1がそれぞれ、2
5%、50%、75%、100%の場合を示している。
つまり、図4から図7は、それぞれドット形成位置の1
/4、1/2、3/4、および全てに対してドットが形
成されている場合である。
【0046】各図において、ドットを円、ドット形成位
置を格子点で表しており、ドット形成位置の数は5行×
8列=40である。また、各ドットのドットサイズは、
理想ドットサイズに設定されている。なお、理想ドット
サイズとは、ドットピッチ×√2である。
【0047】これらの例では、面積率SO 1が50%を
越える場合(図6および図7の場合)においては、隣接
するドット同士が重なり合っている。
【0048】ここで、遅乾性インクからなる黒ドットの
みに注目する黒ドット面積率SK 1(ドット面積率)を
考えると、上記の面積率SO 1に基づくことにより次式
のように定義できる。 (黒ドット面積率SK 1)=p1/(m×n) なお、p1は、所定領域内に形成される黒ドット数、つ
まり、所定領域内のドット形成位置に対して実際に形成
される黒ドット数を指している。
【0049】(4)黒ドット面積率と乾燥速度 上述のように、画質向上のために遅乾性の黒インクを用
いると、黒ドット密度が高い領域、すなわち黒ドット面
積率SK 1が高い領域ではインクの乾燥時間が長くな
る。特に、黒ドット面積率SK 1が50%を越えて隣接
するドット同士が重なり合うようになると、インクの乾
燥に要する時間が極端に長くなる。
【0050】インクは、記録用紙20の厚み方向より、
記録用紙20を構成する紙の繊維方向(すなわち面方
向)に広がって浸透しやすいので、ドット同士の重なり
合いは乾燥時間に多大な影響を与える。
【0051】このことを示すデータを図8および図9に
示す。図8および図9は、黒ドット面積率SK 1に対す
る黒インクの乾燥(浸透)時間Dおよびプリント速度の
関係を示すグラフである。
【0052】図8の乾燥時間Dは、遅乾性の黒インクを
用いて黒ドット面積率SK 1が50、75、100%と
なるように平均的に黒ドットを形成した場合(図5、図
6、図7のように黒ドットを形成した場合)における乾
燥時間D(実測値)を求めたものである。この結果よ
り、黒ドット面積率SK 1が約40%〜100%の範囲
において、黒ドット面積率SK 1(%)と乾燥時間D
(秒)との間に次式の比例関係が成り立っていることが
分かる。D=0.225・SK 1−7.55また、図9
のプリント速度は、図8の乾燥時間Dを考慮して、1分
間にプリント可能なA4サイズの記録用紙20の枚数を
求めたものである。
【0053】(5)周囲温度と乾燥速度 次に、黒インクの乾燥時間Dと周囲温度Taとの関係に
ついて説明する。まず、図10に基づいて周囲温度Ta
とインク粘度ηの関係について説明する。
【0054】図10は、遅乾性の黒インクを用いて、周
囲温度Taに対するインク粘度ηの変化を測定した結果
を表している。これより、インク粘度は、そのインクの
周囲温度Taが上昇するにしたがって低下することが分
かる。また、周囲温度Ta(℃)とインク粘度η(mP
a・s)との関係は、次式により近似することができ
る。 η=3.9255・exp(−0.0286・Ta) なお、図10に示す結果および上式はインクによって異
なるが、その傾向はほぼ同様である。
【0055】ここで、インク粘度は、インクが記録用紙
に付与された際における記録用紙への浸透速度と相関が
ある。具体的には、インク粘度が小さい場合は、インク
の記録用紙への浸透速度が大きく、インク粘度が大きい
場合は、浸透速度が小さくなる。
【0056】また、インクの浸透速度は、インクの乾燥
時間Dと相関がある。インクの浸透速度が大きい場合
は、記録用紙に付与されたインクが記録用紙内部に短時
間で浸透するため、インクの乾燥時間Dが短くなる。一
方、インクの浸透速度が小さい場合は、記録用紙の表面
に、より多くのインクが残留することになり、インクの
乾燥時間Dが長くなる。したがって、以下におけるイン
クの乾燥時間Dに関する記載は、インクの浸透速度の要
素も含むものとする。
【0057】このことより、周囲温度Taはインクの乾
燥時間Dと相関があることになる。すなわち、周囲温度
Taが高い場合は、インクの乾燥時間Dが短く、周囲温
度Taが低い場合は、インクの乾燥時間Dが長くなる。
【0058】次に、インク量および周囲温度Taと、乾
燥時間Dとの関係を図11に基づいて説明する。
【0059】図11は、遅乾性の黒インクを用いて、周
囲温度Ta(10、15、20、25、30、35、4
0℃)において、黒ドット面積率SK 1を変化させて記
録用紙にプリントした場合におけるそれぞれの乾燥時間
Dを測定した結果である。
【0060】ここで、乾燥時間Dの上限を3秒(図11
における破線)と設定する。このとき、図11が示す遅
乾性黒インクの温度特性より、各周囲温度Taにおいて
許容される黒ドット面積率SK 1の許容限界を求めるこ
とができる。そして、この許容限界は、図11において
各周囲温度Taを示す曲線と破線との交点における黒ド
ット面積率SK 1となる。この黒ドット面積率SK 1の
許容限界を限界黒ドット面積率(限界ドット密度)Bm
axとする。
【0061】上記限界黒ドット面積率Bmaxと周囲温
度Taとの関係をドットを考慮してグラフにしたものが
図12である。図12は、周囲温度Taと限界黒ドット
面積率Bmaxとの関係を示すグラフである。
【0062】ここで、実際に画像形成を行う場合におい
て、黒ドット面積率SK 1が30%以下のときは、黒ド
ットが孤立した状態にある。したがって、黒ドット面積
率SK 1が30%以下において黒ドット面積率SK 1を
適切に制御するのは困難である。
【0063】そこで、限界黒ドット面積率Bmaxが3
0%となる周囲温度Taを第1温度T1(℃)とし、周
囲温度Taが第1温度T1以下の範囲では、限界黒ドッ
ト面積率Bmaxを0%とする。なお、第1温度T1
は、30%に限られるものではなく、用いるインクや装
置構成などによって決定されるものである。
【0064】また、限界黒ドット面積率Bmaxが10
0%、すなわち黒ドット面積率SK1がとり得る最大値
となる周囲温度Taを第2温度T2(℃)とする。
【0065】そして、周囲温度Taが、第1温度T1以
上、かつ、第2温度T2以下の範囲において、各測定点
の近似曲線となる関数を求めておく。ここでは、周囲温
度Ta(℃)と限界黒ドット面積率Bmax(%)との
関係は、式1により近似することができる。 Bmax=0.0476・Ta2 +1.201・Ta−
11.715…式1 なお、ここでは、式1による2次関数(Bmax=αT
2 +βTa−C)での近似を示したが、式2に示す1
次関数(Bmax=αTa−C)、つまり直線近似であ
っても実用上問題とならない精度で近似することができ
る。 Bmax=3.78・Ta−44.9 … 式2 このように、前記周囲温度Taと限界黒ドット面積率B
maxとの関係を表す関数を設定しておき、この関数を
用いて周囲温度Taに対応する限界黒ドット面積率Bm
axを求めることが好ましい。これにより、任意の周囲
温度Taに対して、適切な限界黒ドット面積率Bmax
を得ることができる。
【0066】ここで、周囲温度Taが第2温度T2以上
である場合は、黒ドット面積率SK1に関係なく全黒ド
ットを遅乾性黒インクにより形成したときでも、乾燥時
間Dが上記乾燥時間Dの上限を越えないようにすること
が可能である。したがって、周囲温度Taが第2温度T
2以上である場合は、全黒ドットを遅乾性黒インクによ
り形成するものとする。
【0067】これにより、遅乾性黒インク用のヘッドを
有効に利用することができるとともに、後述するように
黒インクを速乾性黒インクにより代用することによる速
乾性黒インクの消耗を抑制することが可能になる。
【0068】また、周囲温度Taが第1温度T1以下で
ある場合は、上述のように、限界黒ドット面積率Bma
xを0%に設定しているため、後述するように、遅乾性
黒インクおよび速乾性黒インクを用いて黒ドットを形成
し、乾燥時間の短縮化を図るようにする。
【0069】一方、周囲温度Taが第1温度T1以上、
かつ、第2温度T2以下の範囲においては、上記近似式
(式1または式2)に基づいてその温度における限界黒
ドット面積率Bmaxを求め、実際にプリントする黒ド
ット面積率SK 1と比較する。そして、Bmax≧SK
1のときには、実際にプリントする黒ドット面積率SK
1に相当する全黒ドットを遅乾性黒インクを用いて形成
する。また、Bmax<SK 1のときには、遅乾性イン
クおよび速乾性インクを用いて黒ドットを形成し、乾燥
時間の短縮化を図る(詳細は後述する)。
【0070】なお、周囲温度Taは上記温度検知装置2
4によって検知され、上記演算は制御装置22において
行うものとする(図2参照)。また、上記第1温度T1
および第2温度T2や近似式(式1または式2)など
は、使用するインクごとに予め求めておき、制御装置2
2に記憶させておく。
【0071】(6)プリントデータ 次に、上記ドットにより画像を形成するためのプリント
データ(画像情報、画像データ)について説明する。
【0072】まず、プリントデータの流れを図13に基
づいて説明する。図13は、プリントデータのデータ処
理回路30を示すブロック図である。このデータ処理回
路30は、例えば制御装置22内に設けられているもの
である。なお、図13において、R、G、B、および
Y、M、C、Kは、それぞれレッド、グリーン、ブル
ー、およびイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各
プリントデータ(各色データ)を表している。また、各
ブロック間を結ぶラインにおいて「//」とともに付与
した「3」または「4」の数字は、その部分のデータ数
(データライン数)を表している。
【0073】RGB系のプリントデータは、フレームメ
モリ32を経てRGB/YMCK変換回路34にてYM
CK系のプリントデータに変換される。そして各色デー
タに対応するラインメモリ36Y・36M・36C・3
6Kに入力される。なお、元のプリントデータがYMC
K系のデータであれば、RGB/YMCK変換回路34
は不要である。
【0074】ラインメモリ36Y・36M・36C・3
6Kに入力された各色データは、順次、面積率処理回路
(演算手段)38に送られ、黒ドット面積率SK 1が計
算される。そして、この黒ドット面積率SK 1に基づい
て、データ変換をすべきか否かが判別される。
【0075】すなわち、面積率処理回路38は、黒ドッ
ト面積率SK 1を算出するための算出手段としての機能
と、黒ドット面積率SK 1および限界黒ドット面積率B
maxに基づいてデータ変換をすべきか否かを判別する
ための判別手段としての機能とを担っている。
【0076】したがって、面積率処理回路38には、画
像形成時における周囲温度Taに基づいた限界黒ドット
面積率Bmaxの値も送信される。
【0077】この限界黒ドット面積率Bmaxの値は、
限界黒ドット面積率処理回路42によって算出され、面
積率処理回路38に送られる。限界黒ドット面積率処理
回路42は、温度検知装置24(図2参照)によって検
知された周囲温度Taのデータを受け、予め記憶された
上記第1温度T1および第2温度T2、並びに近似式
(式1または式2)に基づいて限界黒ドット面積率Bm
axを算出する。
【0078】なお、限界黒ドット面積率Bmaxの算出
方法としては、限界黒ドット面積率処理回路42にルッ
クアップテーブルを設け、周囲温度Taによりこのルッ
クアップテーブルを参照し、限界黒ドット面積率Bma
xを決定するようにしてもよい。
【0079】そして、このデータ変換の有無によって、
ドットを形成する際に用いるインクが決定される。な
お、黒ドット面積率SK 1の算出、データ変換をすべき
か否かの判別、およびデータ変換の詳細に関しては後述
する。
【0080】上述のようにして適宜データ変換された各
色データは、各ラインメモリ36Y・36M・36C・
36Kに再度入力される。面積率処理回路38から各ラ
インメモリ36Y・36M・36C・36Kに再度入力
された各色データは、それぞれに対応するヘッドドライ
バ40Y・40M・40C・40Kに入力される。各ヘ
ッドドライバ40Y・40M・40C・40Kは、入力
されたプリントデータに基づいてそれぞれイエローヘッ
ド11Y、マゼンタヘッド11M、シアンヘッド11
C、ブラックヘッド11Kを駆動する。そして、各ヘッ
ド11K・11Y・11M・11Cにより記録用紙20
上にドットが形成される(図3参照)。
【0081】(7)メモリ(ラインメモリ)構造 ここで、各ラインメモリ36Y・36M・36C・36
Kについて、図14に基づいて説明する。
【0082】図14は、ラインメモリ36のメモリ構造
を示す説明図である。なお、各ラインメモリ36Y・3
6M・36C・36Kは、同一のメモリ構成を有してい
るため、以下では、説明の便宜上これらを重ね合わせて
1つのラインメモリ36として説明する。すなわち、各
ラインメモリ36Y・36M・36C・36Kにおい
て、以下で説明するアドレスが等しいセルCoを1つと
して考え、このセルCoには、各色データの情報が格納
されているものとする。
【0083】ラインメモリ36は、プリントデータ領域
(記録画像領域)50と、第1および第2補正用データ
領域52a・52bと、第1および第2ダミーデータ領
域54a・54bと、各領域の行・列に対して付与され
ているアドレスとから構成されている。
【0084】プリントデータ領域50は、プリントデー
タの一部を格納するためのm行×n列のセルCo…から
構成されたメモリマップからなっている。このプリント
データ領域50を構成する各セルCoは、上記のドット
形成位置と1対1に対応しており、各セルCoに、各ド
ット形成位置に形成すべきドットの情報であるデータD
が格納されている。
【0085】このデータDは、ドットを形成するか否か
に応じて、それぞれ1か0かの値を有している。具体的
にi行j列のセルCoであるセルCoijに格納されてい
るデータDijに関しては、セルCoijに対応するドット
形成位置にドットを形成する場合はデータDij=1であ
り、セルCoijに対応するドット形成位置にドットを形
成しない場合はデータDij=0である。
【0086】なお、添字「ij」は、i行j列を示すもの
とし、以下では、特に行列上の位置を特定する場合にの
み付記するものとする。また、データDは各色データを
区別しない一般的な説明の場合に用い、各色データを区
別するデータDを表す場合は、それぞれデータY・M・
C・Kと表すことにする。
【0087】ここで、プリントデータ領域50の行方向
および列方向は、それぞれヘッド10の主走査方向(ヘ
ッド移動方向、図3におけるB方向)および副走査方向
(用紙搬送方向、図3におけるA方向)に対応してい
る。
【0088】また、プリントデータ領域50は、プリン
トデータを上記副走査方向に分割して順次記憶するよう
に構成されている。つまり、プリントデータ領域50の
1行に含まれるセルCo…は、上記主走査方向(記録用
紙20(図3参照)の幅方向)における1行分の全デー
タDを格納可能となっており、プリントデータ領域50
の1列に含まれるセルCo…は、上記副走査方向におけ
る分割されたデータDの1列分を格納可能となってい
る。
【0089】また、プリントデータ領域50内のm行×
n列のセルCo…には、先頭行から最終行にそれぞれ1
からmの行No.(チャンネル、row.)、先頭列か
ら最終列にそれぞれ1からnの列No.(col.)が
付与されている。
【0090】第1および第2補正用データ領域52a・
52bと第1および第2ダミーデータ領域54a・54
bとは、実際のプリント画像において、プリントデータ
領域50に対応する部分の周辺部に対応しているデータ
領域である。これらは、プリントデータ領域50の最外
周において、後述する黒ドット面積率SK 1を算出する
際に用いられるデータDを格納している。
【0091】この第1および第2補正用データ領域52
a・52bは、それぞれプリントデータ領域50の先頭
行の直前(図中、上側)の行および最終行の直後(図
中、下側)の行を成すセルCo…から構成されおり、0
およびm+1の行No.が付与されている。そして、第
1および第2補正用データ領域52a・52bには、そ
れぞれその直前にプリントデータ領域50に記憶されて
いたrow=mのデータ(チャンネル1補正用デー
タ)、およびその直後にプリントデータ領域50に記憶
されるrow=1のデータ(チャンネルm補正用デー
タ)が格納される。
【0092】また、第1および第2ダミーデータ領域5
4a・54bは、それぞれプリントデータ領域50の先
頭列の直前(図中、左側)の列および最終列の直後(図
中、右側)の列を成すセルCo…から構成されており、
それぞれ0およびn+1の列No.が付与されている。
これら第1および第2ダミーデータ領域54a・54b
は、記録用紙20(図3参照)の両端部において画像が
形成されない領域(プリントデータが存在しない領域、
余白部)に対応しているため、全セルCo…にデータD
=0が格納されている。
【0093】以上の各領域を構成する各行および各列に
対して、それぞれアドレスRadおよびアドレスCadが付
与されている。このアドレスRadおよびアドレスCad
は、それぞれ行No.および列No.を2進数で表した
ものである。なお、説明の便宜上、アドレスRadおよび
アドレスCadを下位ビットから順に(1桁目、2桁目
…)、それぞれアドレスRad20 、Rad21 …、および
アドレスCad20 、Cad21 …と表す。
【0094】(8)プリントデータの変換 次に、面積率処理回路38(図13参照)によりライン
メモリ36上のプリントデータのデータ変換について、
図15から図18に基づいて説明する。まず、周囲温度
Taが、T1≦Ta≦T2である場合について説明す
る。
【0095】上述のように、黒ドット面積率SK 1が限
界黒ドット面積率Bmaxを越える領域の黒ドットをす
べて遅乾性の黒インク(遅乾性インク)により形成する
と、インクの乾燥時間Dが設定した上限を越えることに
なる。そこで、黒ドット面積率SK 1が限界黒ドット面
積率Bmaxを越える領域では、一部に速乾性の黒イン
ク(速乾性インク)を用いるように設定する。以下にお
いては、遅乾性の黒インクによって形成される黒ドット
を第1黒ドット、速乾性の黒インクによって形成される
黒ドットを第2黒ドットと称す。
【0096】上記では、m行×n列のドット形成位置に
よって構成される所定領域に、平均的に黒ドットが形成
されている場合の黒ドット密度の度合い(黒べたの度合
い)を示す値として黒ドット面積率SK 1を定義した
(図4から図7参照)。実際のプリント画像では、画像
の各部によって黒ドット密度が異なるため、ここでは次
に説明するように黒ドット面積率SK 1を設定する。
【0097】あるドット形成位置に注目した場合、その
ドット形成位置(以下、注目位置と称す)に黒ドットが
形成されているときには、その黒ドットのインク乾燥時
間Dはそのドット形成位置の周辺領域(隣接する領域)
にどのくらい黒ドットが存在するかに依存する。そこ
で、注目位置を中心とし、これに隣接する3行×3列の
領域(注目ドット領域、画像領域)の黒ドット面積率S
K 1を、この注目位置の黒ドット面積率SK 1とする。
【0098】このように設定した注目位置の黒ドット面
積率SK 1を求める方法について、図15を用いて説明
する。図15は、ラインメモリ36のプリントデータ領
域50(図14参照)における注目ドット領域に対応す
る部分(注目セル領域)を示す説明図である。ここで、
ドット形成位置はセルCoに1対1に対応しているた
め、以下では、上記注目位置に対応するセルCoを注目
セルCa、上記注目ドット領域を構成するドット形成位
置に対応するセルCo…の領域を注目セル領域と称す
る。
【0099】図15に示すように、セルCoijを注目セ
ルCaijとすると、(i−1)、i、または(i+1)
行に属し、かつ、(j−1)、j、または(j+1)列
に属するセルCo…が注目セル領域を構成する。したが
って、注目セル領域は、プリントデータ領域50におけ
る3行×3列フィルタであるといえる。
【0100】注目セルCaijには、黒ドットに関しては
黒ドットを形成するか否かを表す0か1かのデータKij
が書き込まれているだけであるから、黒ドット面積率S
K 1を求めるためには注目セル領域のデータDが必要と
なる。つまり、注目セル領域を構成している3行×3列
の9つのセルCo…内において、黒ドットのデータKが
1であるセルCo…の数をカウントし、それを9で割る
ことによって黒ドット面積率SK 1を求めることができ
る。なお、以下では、黒ドットのデータKが0でないデ
ータKを黒データと称する。
【0101】具体的には、注目セルCaijに対する注目
セル領域内のセルCo…において、黒データを有するセ
ルの数がXであれば、注目セルCaijの黒ドット面積率
K1はX/9となる。
【0102】このようにして求められる黒ドット面積率
K 1を基準として、形成する黒ドットを決定する方法
について図16から図18を用いて説明する。図16か
ら図18は、ラインメモリ36のプリントデータ領域5
0内のデータ変換を示す説明図であり、図16は変換前
のデータD、図17は各セルCoの黒ドット面積率SK
1、図18は変換後のデータDを示している。
【0103】なお、図16から図18においては、デー
タY・M・C・Kが1である場合はそれぞれ「Y」・
「M」・「C」・「K」と表示し、データY・M・C・
Kが0である場合は表示していない。また、図に示す領
域に隣接するセルCo…のデータDは、全て0であるも
のとする。また、以下では、周囲温度Taが約25℃で
ある場合、すなわち限界黒ドット面積率Bmax=50
%の場合(図12参照)に関して説明する。
【0104】まず、図16に示すデータDを有するプリ
ントデータ領域50内において、黒データを有する全セ
ルCo…に対して、順次各セルCoの黒ドット面積率S
K 1が求められる。その結果、各セルCoの黒ドット面
積率SK 1は図17に示すようになる。なお、黒ドット
面積率SK 1は各セルCoに保存されなくてもよいが、
説明のため図17では各セルCoに対応する黒ドット面
積率SK 1を表示している。
【0105】そして、上述したように、黒ドット面積率
K 1が限界黒ドット面積率Bmax(ここでは、50
%)を越える(すなわち、5/9以上となる)とインク
の乾燥時間Dが設定した上限を越えることになる。した
がって、黒ドット面積率SK1が限界黒ドット面積率B
maxを越えることを、セルCo…のデータDに対して
第1黒ドットの代わりに第2黒ドットを用いるように変
換(データ変換)するための条件とする(条件1)。
【0106】ここで、黒ドット面積率SK 1が限界黒ド
ット面積率Bmaxを越えるセルCo…、すなわち上記
条件1を満たすセルCo…(高密度ドット群)のうち、
実際に第2黒ドットを用いるようにデータ変換する対称
となるセルCo…を、そのセルCo…の位置に基づいて
決定することが好ましい。
【0107】具体的には、データ変換されるセルCo…
が、行方向および列方向に交互に配列されるようにする
ことが好ましい。このためには、例えば、各セルCoの
行アドレス最下位ビットであるアドレスRad20および列
アドレス最下位ビットであるアドレスCad20の排他的論
理和が1であるセルCo…を、データ変換の対象となる
セルCo…としておけばよい(条件2)。図16から図
18では、変換前に黒ドットのデータKを有するセルC
o…であって、上記排他的論理和が1であるセルCo…
を斜線で示す。
【0108】これより、黒ドット面積率SK 1が限界黒
ドット面積率Bmaxを越えるセルCo…が行方向およ
び列方向に隣接する場合には、第1黒ドットを形成する
ためのデータK(以下、第1黒データと称す)を有する
セルCo…と、第2ドットを形成するためのデータK
(以下、第2黒データと称す)を有するセルCo…とが
交互に配列されることになる。
【0109】また、さらに、カラー領域(データY・M
・Cの何れかが0でない領域)との境界(境界部分)に
おいて黒データを有するセルCo…に関しては、カラー
領域に黒ドットがにじむことを防止するために、黒ドッ
ト面積率SK 1が限界黒ドット面積率Bmax以下であ
っても、上記条件2を満たす場合は、データ変換を行う
ことが好ましい。つまり、カラー領域との境界において
黒データを有するセルCo…を、データ変換の対象とな
るセルCo…とする(条件3)。
【0110】なお、ここでは、YMC各色のインク(カ
ラーインク)を重ねることにより第2ドットを形成する
ものとする。したがって、第2黒データへのデータ変換
がされたセルCo…に格納される値は、データY・M・
Cがすべて1であり、データKが0となる。このデータ
変換における変換前のデータDと変換後のデータDとの
対応を表3に示す。また、上述のデータ変換を行った結
果を図18に示す。
【0111】
【表3】
【0112】図18からわかるように、第1黒ドットが
交互に配列するようにデータ変換した結果、黒ドット面
積率SK 1が高い値となるセルCoが集合している領域
でも、第1黒ドットが3×3の中に多くとも5個までし
か形成されない。したがって、第1黒ドットによる黒ド
ット面積率は5/9以下に抑えられ、残りの黒ドット面
積率SK 1に相当する黒ドットが第2黒ドットで形成さ
れることになる。
【0113】また、黒ドット面積率SK 1が高い値とな
るセルCoが集合している領域では、第1黒ドットと第
2黒ドットとが交互に配置されるようになる。これによ
り、第1黒ドットを形成する遅乾性黒インクに、第2黒
ドットを形成する速乾性黒インクが隣接することにな
り、速乾性黒インクの高い浸透性により遅乾性黒インク
の浸透が促進される。その結果、遅乾性黒インクの乾燥
時間が短縮される。
【0114】この乾燥時間の短縮化により、データ変換
後の黒ドット面積率が限界黒ドット面積率Bmaxを越
える場合であっても、インクの乾燥時間Dを所定の範囲
内に抑えることが可能になる。
【0115】以上は、周囲温度Taが約25℃であり、
T1≦Ta≦T2を満たす場合でのデータ変換である。
一方、周囲温度TaがT1以下、またはT2以上の場合
は次の通りである。
【0116】まず、周囲温度Taが第1温度T1以下の
場合は、上述した理由により、限界黒ドット面積率Bm
axを0%(図12参照)に設定しているため、黒ドッ
トを形成するセルCo…に対してデータ変換を行うこと
が好ましい。ここで、黒ドットを形成する全てのセルC
o…に対してデータ変換を行うようにしてもよいが、画
質の劣化を抑制するためには、黒ドットを形成するセル
Co…のうちの一部に対してデータ変換を行うことが好
ましい。
【0117】具体的には、データ変換前においてデータ
Kが1であったセルCo…(図16における「K」と表
示したセルCo…)のうちの一部に対してデータ変換を
行い、この一部のセルCo…のデータKを0、データY
・M・Cを1に変換する。
【0118】ここで、データ変換を行う対称となるセル
Co…を選択する際には、上記条件2を適用すればよ
い。これにより、第1黒ドットと第2黒ドットとが隣接
するようになり、遅乾性黒インクの乾燥を促進すること
ができる。
【0119】一方、周囲温度TaがT2以上の場合は、
上述のように、限界黒ドット面積率Bmaxを100%
(図12参照)に設定しているため、上記条件3を満た
すセルを除いて、データ変換を行わないことが好まし
い。
【0120】(9)フローチャート 以上の処理を図1に示すフローチャートに基づいて説明
する。図1は、本実施の形態に係るデータ処理を示すフ
ローチャートである。図1に示す処理では、第1列の各
セルCoを順次注目セルCaとして、この注目セルCa
のドット形態(黒ドット面積率SK 1および隣接するセ
ルCo…が形成するドットの色)を求め、適宜データ変
換を行う。そして、この処理を第n列まで繰り返し行
う。
【0121】なお、説明の便宜上、変換後のデータD
は、変換前のデータDとは別に保存されるものとし、以
下の各ステップで用いる変換前のデータDは変化しない
ものとする。また、周囲温度Taは約25℃であり、図
1に示すフローチャートは、周囲温度Taに関する上述
の場合分けを行った後の処理を示している。
【0122】まず、ステップS0では、初期値として注
目セルCaijを(i,j)=(1,1)とする。そし
て、ステップS1において注目セルCaijが黒データを
有するか否かを判定する。ここで、注目セルCaijが黒
データを有する(データKij=1)場合には次のステッ
プS2に進み、黒データを有さない(データKij=0)
場合には後述するステップS8に進む。
【0123】ステップS2では、上記3行×3列フィル
タによる処理を行うことにより注目セル領域内において
黒データ(データK=1)を有するセルCo…をカウン
トし、その値を黒ドット数p1とする。
【0124】ここで、注目セル領域は3行×3列に固定
されているため、実際に黒ドット数p1から黒ドット面
積率SK 1を求める場合には、除算を行うことなく黒ド
ット数p1と黒ドット面積率SK 1との対応関係を表し
たテーブルである面積率換算TBLを用いて黒ドット面
積率SK 1を求めることが好ましい。これにより、黒ド
ット面積率SK 1を求める演算処理に要する時間を大幅
に短縮することができる。この換算をステップS3にて
行う。なお、黒ドット数p1をステップS4における判
別に直接用いるようにしてもよい。
【0125】そして、ステップS4では、注目セルCa
ijの黒ドット面積率SK 1に対する判定を行う。ステッ
プS4において、黒ドット面積率SK 1が限界黒ドット
面積率Bmax以下であればステップS5へ進む。
【0126】ステップS5では、注目セルCaijを中心
とする注目セル領域(3行×3列のセルCo…)にカラ
ードットがあるか否かを調べる。具体的には、注目セル
領域内のデータY・M・Cの和を隣接色ドットチェック
ckに代入する。したがって、カラードットがある場合
には隣接色ドットチェックck≧1、カラードットがな
い場合には隣接色ドットチェックck=0となる。
【0127】そして、ステップS6においてステップS
5で求めた隣接色ドットチェックckに対する判定を行
う。ここで注目セル領域内にカラードットを形成するデ
ータDが存在しない、すなわちck=0である場合は、
ステップS7で注目セルCaijのデータDijに第1黒デ
ータ(データKij=1)を適用する(データ変換しな
い)。なお、このステップS7の処理を、第1画像形成
処理と称する。
【0128】一方、ステップS4で黒ドット面積率SK
1が、限界黒ドット面積率Bmaxを越える場合、また
はステップS6でカラードットを形成するデータDが存
在する場合は、ステップS12で注目セルCaijのアド
レスRad20およびアドレスCad20の排他的論理和をと
り、その値を排他論理和Sとする。そして、ステップS
13で排他的論理和Sに対する判定を行い、排他的論理
和Sが0の場合には上記ステップS7に進み、注目セル
CaijのデータDijに第1黒データ(データKij=1)
を適用する(データ変換しない)。
【0129】ステップS13において、排他的論理和S
が1の場合には、ステップS14で注目セルCaijに第
2黒データ(データYij・Mij・Cij=1、データKij
=0)を適用する(データ変換する)。なお、このステ
ップS12からステップS14までの処理(ステップS
7を含む)を第2画像形成処理と称する。
【0130】ステップS7またはステップS14によ
り、注目セルCaijのデータDijを決定すると、ステッ
プS8に進みiを1増やす(すなわち行を1行繰り上げ
る)。そして、ステップS9でi=mとなるまで上述の
処理を繰り返す。i=mとなり、第1列の処理が終了す
るとステップS10へ進みjを1増やす(すなわち列を
1列繰り上げる)。そして、ステップS11でj=nと
なるまでさらに処理を繰り返し、処理を終了する。
【0131】なお、周囲温度Taが第1温度T1以下の
場合は、上記ステップS1において注目セルCaijが黒
データを有する(データKij=1)場合に、ステップS
12に進むようにすればよい。
【0132】また、周囲温度Taが第2温度T2以上の
場合は、カラードットとの境界においてのみデータ変換
を行えばよい。したがって、上記ステップS1において
注目セルCaijが黒データを有する(データKij=1)
場合に、ステップS5に進むようにすればよい。
【0133】以上では各セルCoに、黒ドットに関して
はデータKとして0または1が格納されている場合、す
なわちビット単位で黒ドット面積率SK 1を算出する方
法について説明した。この場合に限らず、各ヘッド11
1 ・11K2 ・11K3 ・11Y・11M・11C
(図3参照)がドットサイズ可変で、各セルCoのデー
タDがドットサイズ変調されたものであるときにも同様
の処理が可能である。このとき、次のような処理を行う
ことが好ましい。
【0134】まず、注目セルCaに対して例えば3×3
フィルタでドットサイズを加味した黒ドット面積率SK
2(実施の形態2において定義する)を算出する。この
黒ドット面積率SK 2が、上記限界黒ドット面積率Bm
axを越え、かつ注目セルCaの排他的論理和が1とな
るときに、表4に示すようなドットサイズ(理想ドット
サイズに対する比)の対応関係でYMCの各色ドットを
重ね合わせるようにする。表4のデータY・M・C・K
の値は、ドットサイズを示している。
【0135】
【表4】
【0136】また、さらに注目セルCaのドットサイズ
も考慮して、データ変換を行うことも可能である。これ
については、次の実施の形態2において詳述する。
【0137】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ット画像形成方法は、画像を形成する部分の周囲温度T
aを検知し、この周囲温度Taに基づいて、遅乾性イン
クおよび速乾性インクから、ドットを形成するために用
いるインクを選択するものである。
【0138】また、本実施の形態のインクジェット画像
形成方法は、画像データに基づくことにより、形成しよ
うとしているドットの位置に対して予め定められた画像
上の範囲に形成されるドットのドット面積率SO 1を認
識し、ドットを形成するために用いるインクを、さら
に、このドット面積率SO 1に基づいて選択することが
好ましい。
【0139】これにより、画像形成時の温度条件や形成
する画像に応じて、遅乾性インクの使用を抑え、速乾性
インクで代用するようにインクの使用を調整し、所定の
時間内にインクが乾燥するようにインクの乾燥時間Dを
制御することができる。その結果、プリント速度の向上
を図ることができる。
【0140】また、この方法では、所定の時間内でイン
クが乾燥する範囲内で極力遅乾性インクを使用するよう
に調整し、色の再現性を向上させて画質の劣化を抑制す
ることもできる。
【0141】なお、周囲温度Taとドット面積率SO
とに基づいてインクを選択する際には、遅乾性インクの
温度特性に基づくことにより、遅乾性インクにより形成
するドットのドット面積率S0 1の許容限界を、限界ド
ット面積率(限界ドット密度)として周囲温度Taに対
して設定しておき、ドット面積率S0 1と、検知した周
囲温度Taに対応する限界ドット面積率とを比較すれば
よい。この限界ドット面積率としては、所定時間内に遅
乾性インクが乾燥し得る遅乾性インクのドット面積率S
0 1を基準に設定することができる。
【0142】そして、ドット面積率S0 1が限界ドット
面積率を越える領域において、遅乾性のインクによるド
ットと、速乾性のインクによるドットとを交互に配置す
るように調整することが好ましい。
【0143】つまり、遅乾性インクの、周囲温度Taに
対するドット面積率S0 1と乾燥時間Dとの関係に基づ
いて、遅乾性インクにより形成するドットのドット密度
の許容限界(限界ドット面積率)を予め定めておき、ド
ット密度が、この許容限界を越えない領域に関しては、
遅乾性インクを用いて画像を形成し、ドット密度が、こ
の許容限界を越える領域に関しては、遅乾性インクおよ
び速乾性インクを併用して画像を形成することが好まし
い。
【0144】これにより、画質劣化を抑制しつつ、乾燥
時間Dを所望する設定値以下に抑えることができる。し
たがって、画像形成に要する時間が短く、かつ、高画質
な画像形成が可能なインクジェット画像形成方法を提供
することができる。
【0145】具体的には、周囲温度Taが高い場合に
は、インクの乾燥時間Dが短くなるので、黒ドット面積
率SK 1が比較的高い部分であっても遅乾性黒インクの
黒ドットを形成し、黒の再現性を向上させて画質の向上
を図る。
【0146】一方、周囲温度Taが低い場合には、イン
クの乾燥時間Dが長くなるので、黒ドット面積率SK
が比較的低い部分であっても遅乾性黒インクおよび速乾
性黒インクの各黒ドットを適宜用いて、インクの乾燥時
間Dが長くなることを防ぐ。特に、遅乾性黒インクの黒
ドットに、速乾性黒インクの黒ドットを隣接または重ね
合わせることによって、遅乾性黒インクの浸透を促進さ
せ、乾燥時間Dを効果的に短縮化することができる。
【0147】このように、画像形成における黒インクの
乾燥時間Dを一定に保つことができる範囲内で、極力遅
乾性黒インクを用いることにより、画質の劣化を抑制す
ることができる。その結果、画像形成速度の低下を抑制
しつつ画質の向上を図ることができる。
【0148】そして、この方法を実行する本実施の形態
のインクジェット画像形成装置は、図2、図3および図
13に示したように、遅乾性インクを吐出する遅乾性イ
ンク吐出手段(ブラックヘッド・ブロック10a)と、
速乾性インクを吐出する速乾性インク吐出手段(カラー
ヘッド・ブロック10b)と、画像を形成する部分の周
囲温度Taを検知する温度検知手段(温度検知装置2
4)と、この周囲温度Taに基づいて、遅乾性インク吐
出手段および速乾性インク吐出手段から、インクを吐出
させる吐出手段を選択する制御手段(制御装置22)と
を備えているものである。
【0149】また、本実施の形態のインクジェット画像
形成装置は、さらに、画像データに基づいて、画像上の
予め定められた範囲に吐出するインクの密度(ドット面
積率S0 1)を算出する演算手段(面積率処理回路3
8)を備え、上記制御手段が、さらに、算出したインク
の密度に基づいて、インクを吐出させる吐出手段を選択
するものであってもよい。
【0150】このようなインクジェット画像形成装置に
おいては、インクの乾燥時間Dを設定値以下にすること
ができるため、乾燥器16(図2参照)を設置しない、
またはその規模・出力を縮小することができる。したが
って、本インクジェット画像形成装置では、装置の簡素
化・小型化・低コスト化、消費電力の低減などを実現す
ることができる。
【0151】なお、ここでは、主にメモリマップ上のセ
ルCoに関して説明したが、セルCoとドットとは1対
1に対応しているため、上記のセルCoおよび注目セル
領域に関する説明は、適宜ドットおよび注目ドット領域
に関するものとして読み替えることができる。
【0152】また、本実施の形態では、ドットの密度を
表す値としての面積率SO 1を、上記のように定義した
が、本発明は、上記定義に厳密に限られるものではな
く、他の方法でドットの密度を表す値を定義することも
可能である。特に、注目セル領域の定義については、上
記以外にも、例えば注目セルCaに対して行・列方向に
隣接するセルCo…を含んだ5つのセルCo…からなる
十字型の領域を定義することもできる。
【0153】さらに、本実施の形態では、黒べたに対す
る対策として説明したが、他の色のインクに対しても適
用することができる。
【0154】〔実施の形態2〕 次に、本発明の第2の実施の形態について図19から図
22に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0155】なお、本実施の形態に係るインクジェット
方式のドット形成方法は、実施の形態1において図2、
図3、図13および図14に基づいて説明したカラーイ
ンクジェットプリンタ2に適用されるものであるため、
この構成要素に関しては同一の符号を付記して引用し、
その説明を省略する。また、実施の形態1において定義
した用語については、特に断らない限り本実施の形態に
おいてもその定義に則って用いるものとする。
【0156】(10)ドットサイズ 実施の形態1においては、プリント画像を形成する各ド
ットのドットサイズが同一である(ドットサイズが固定
されている)場合について主に説明したが、本実施の形
態では、ドットサイズが可変である(ドットサイズ変調
されている)場合について説明する。
【0157】本実施の形態では、ラインメモリ36(図
13および図14参照)の各セルCoに格納されるデー
タDが実施の形態1の場合と異なる。すなわち、実施の
形態1では、データDがドットを形成するか否かに応じ
て、それぞれ1か0かの値を有していたのに対し、本実
施の形態では、データDが、形成するドットのドットサ
イズを示す値を有するものとする。
【0158】具体的には、データDが有する値を理想ド
ットサイズに対する割合とする。そして、ここではドッ
トサイズが理想ドットサイズに対して100%、75
%、50%、25%であるドットを形成するものとし、
これらに対応するデータDは、それぞれデータD=10
0%、75%、50%、25%とする。
【0159】ここで、上記各ドットサイズのドットを形
成した場合におけるドット同士の重なりについて説明す
る。注目位置に上記各ドットサイズを有するドットが形
成された場合に、注目位置に対して水平・垂直方向(行
・列方向)および斜め方向に隣接する位置に上記各ドッ
トサイズを有するドットが形成されたときの、注目位置
のドットとそれに隣接する位置のドットとの間での重な
りの有無は表5のようになる。
【0160】
【表5】
【0161】表5では、注目位置のドットとそれに隣接
する位置のドットとの間での重なりがある場合を
「×」、重なりがない場合を「○」で表している。ま
た、ドットピッチ比は、ドットピッチに対するドットサ
イズの比率を表している。
【0162】表5から分かるように、注目位置のドット
のドットサイズが50%以下の場合において、ドット同
士の重なりが生じるのは、注目位置のドットのドットサ
イズが50%であり、かつ、水平または垂直方向にドッ
トサイズ100%の隣接ドットが存在する場合のみであ
る。ただし、この場合であっても、ドットピッチと各ド
ットサイズとを考慮すると、重なり部分の面積は小さい
ことが分かる。
【0163】そこで、本実施の形態においては、注目位
置のドットがドットサイズ50%を越える黒ドットであ
る、つまり、注目セルCaに格納されているデータKが
50%を越える(データK=75%、100%)場合を
データ変換を行う条件とする(条件4)。
【0164】(11)プリントデータの変換 次に、注目位置を含む領域の黒ドットの密度によってデ
ータ変換を行う条件について説明する。まず、ドットサ
イズ変調されている場合において、m行×n列のドット
形成位置によって構成される所定領域の黒ドットの密度
を示す値として、黒ドット面積率SK 2(ドット面積
率)を次式により定義する。 (黒ドット面積率SK 2)=p2/(m×n) なお、p2は所定領域内に形成される黒ドットのドット
サイズの合計(%)を、mは所定領域内のドット形成位
置の行数を、nは所定領域内のドット形成位置の列数を
それぞれ示している。
【0165】ここで、実施の形態1と同様に、注目セル
Caを中心とする3行×3列の注目セル領域の黒ドット
面積率SK 2を、その注目セルCaの黒ドット面積率S
K 2とする。そして、実施の形態1の場合と同様に、注
目セルCaの黒ドット面積率SK 2が限界黒ドット面積
率Bmaxを越える場合をデータ変換を行う条件とする
(条件5)。
【0166】上記条件4および条件5を満たす注目セル
Caに対応して形成される注目位置のドットは、次に説
明するようにして形成する。上述したように、ドットサ
イズが50%以下のドットは、重なることがないか、ま
たは重なる面積が小さいかの何れかである。そこで、注
目位置のドットが条件4および条件5を満たす場合であ
っても、そのドットサイズの50%分は第1黒ドットに
より形成する。そして、不足する黒ドットの面積を第2
黒ドットにより補充する。
【0167】このとき、第2黒ドットを先に形成した
後、その上に第1黒ドットを、例えば同心円状に重ねて
形成することが好ましい。このとき、第2黒ドットによ
り、第1黒ドットを形成するインクの、記録用紙20
(図3参照)への浸透を促進することができ、乾燥時間
Dの短縮を図ることができる。また、第1黒ドットが上
側に形成されることになるため、プリント画像における
黒の再現性低下を抑制することができる。
【0168】具体的には、条件4および条件5を満たす
注目位置のドットのドットサイズが75%および100
%である場合には、それぞれ、まずドットサイズ50%
および75%の第2黒ドットを形成し、その上にドット
サイズ50%の第1黒ドットを形成する(それぞれを、
75%重ね射ち、および100%重ね射ちとも称す
る)。なお、第2黒ドットのドットサイズは、記録用紙
20上でのドットの広がりを考慮して上述のように決定
している。
【0169】一方、条件4を満たさない注目セルCaが
形成する注目位置のドット(ドットサイズが25%およ
び50%のもの)は、ドット同士が重ならない、または
重なる面積が小さいため、インクの乾燥時間Dが短い。
したがって、この注目位置のドットとしては、第1黒ド
ットによってそのドットサイズのドットを形成すること
が好ましい。
【0170】また、条件5を満たさない注目セルCaが
形成する注目位置のドットは、その周囲の黒ドットの密
度が低いため、上記と同様インクの乾燥時間Dが短いの
で、第1黒ドットによってそのドットサイズのドットを
形成することが好ましい。
【0171】なお、実施の形態1の場合と同様、条件5
を満たさない注目セルCaが形成する注目位置のドット
であっても、カラー領域との境界に位置する場合、すな
わち、その注目ドット領域内にカラードットが存在する
場合(条件6)であって、かつ、条件4を満たす場合
は、条件4および条件5を満たす場合と同様にしてドッ
トを形成する。
【0172】上述のようにしてドット形成を行うための
データ変換について、図19から図21に基づいて説明
する。図19から図21は、ラインメモリ36のプリン
トデータ領域50内のデータ変換を示す説明図であり、
図19は変換前のデータD、図20は各セルCoの黒ド
ット面積率SK 2、図21は変換後のデータDを示して
いる。
【0173】なお、図19から図21においては、黒ド
ットを形成するセルCo…に斜線を付与している。ま
た、カラードットを形成するセルCo…に関しては単に
「Y」、「M」または「C」を表示している。
【0174】まず、図19に示すデータDを有するプリ
ントデータ領域50内において、黒データを有する全て
のセルCo…に対して、順次各セルCoの黒ドット面積
率SK 2を求める。その結果、各セルCoの黒ドット面
積率SK 2は図20に示すようになる。なお、黒ドット
面積率SK 2は各セルCoに保存されなくてもよいが、
説明のため図20では各セルCoに対応する黒ドット面
積率SK 2を表示している。
【0175】図19に示す変換前のデータDによって、
注目セルCaが上記条件4または条件6を満たすか否か
を判別する。また、図20に示す黒ドット面積率SK
によって、注目セルCaが上記条件5を満たすか否かを
判別する。そして、条件4および条件5、または条件4
および条件6を満たす場合はデータ変換を行う。
【0176】このデータ変換における注目セルCaの変
換前のデータKと変換後のデータY・M・C・Kとの対
応を表6に示す。なお、表6では、条件5または条件6
を満たす場合を前提としている。
【0177】
【表6】
【0178】なお、図21においては、第1黒ドットの
みを形成するセルCo…には、そのドットサイズを、7
5%重ね射ちおよび100%重ね射ちを行うセルCo…
には、「50」と、それぞれ「ymc」および「YM
C」とを表示している。
【0179】(12)フローチャート 以上の処理を図22に示すフローチャートに基づいて説
明する。図22は、本実施の形態に係るデータ処理を示
すフローチャートである。なお、図22に示すフローチ
ャートにおいて、実施の形態1における図1に示すフロ
ーチャートと同等の処理を行うステップに関しては、同
一の符号を付記し、その説明を一部省略する。
【0180】実施の形態1と同様のステップS0からス
テップS1を行った後、ステップS22を行う。ステッ
プS22では、上記3行×3列フィルタによる処理を行
うことにより、注目セル領域内において黒データ(デー
タK>0)を有するセルCo…のデータKの和、つま
り、注目セル領域内の黒ドットのドットサイズの和を求
めて、その値を黒ドットのドットサイズの合計p2とす
る。
【0181】ここで、実施の形態1の場合と同様、注目
セル領域は3行×3列に固定されているため、実際に黒
ドットのドットサイズの合計p2から黒ドット面積率S
K 2を求める場合には、除算を行うことなく黒ドットの
ドットサイズの合計p2と黒ドット面積率SK 2との対
応関係を表した面積率換算テーブル(図示せず)を用い
て黒ドット面積率SK 2を求めることが好ましい。これ
により、黒ドット面積率SK 2を求める演算処理に要す
る時間を大幅に短縮することができる。この換算をステ
ップS23にて行う。なお、黒ドットのドットサイズの
合計p2をステップS24における判別に直接用いるよ
うにしてもよい。
【0182】そして、ステップS24では、注目セルC
ijの黒ドット面積率SK 2に対する判定を行う。ステ
ップS24において、黒ドット面積率SK 2が限界黒ド
ット面積率Bmax以下であればステップS5へ進み、
さらにステップS26においてステップS5で求めた隣
接色ドットチェックckに対する判定を行う。ここで注
目セル領域内にカラードットを形成するデータDが存在
しない、すなわちck=0である場合は、ステップS2
7で注目セルCaijにもとの黒データ(データKij)を
適用する(データ変換しない)。なお、このステップS
27の処理を、上記ステップS7と同様に第1画像形成
処理と称する。
【0183】一方、ステップS24で黒ドット面積率S
K 2が限界黒ドット面積率Bmaxを越える場合、また
はステップS26でカラードットを形成するデータDが
存在する場合は、ステップS28で表6に基づいて適宜
データ変換を行う。なお、このステップS28の処理を
第3画像形成処理と称する。
【0184】ステップS27またはステップS28によ
り、注目セルCaijのデータDを決定すると、以降実施
の形態1と同様の処理を行う。
【0185】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ット画像形成方法により、ドットサイズが可変である場
合であっても、実施の形態1と同様に、遅乾性インクに
よる乾燥時間Dの増大を抑制しつつ、画質の向上を図る
ことができる。
【0186】また、本実施の形態のインクジェット画像
形成方法では、上記第3画像形成処理を行うときに、遅
乾性インクと速乾性インクとを重ね合わせることが好ま
しい。これにより、速乾性インクの浸透作用に起因して
遅乾性インクの浸透性が向上するため、遅乾性インクの
乾燥時間を短縮することができる。
【0187】本発明のインクジェット画像形成方法は、
相対的に乾燥時間が長い遅乾性インクと、相対的に乾燥
時間が短い速乾性インクとを用いてドットを形成し、該
ドットにより画像を形成するインクジェット画像形成方
法において、前記画像を形成する部分の周囲温度を検知
し、該検知した周囲温度に基づいて、前記遅乾性インク
および前記速乾性インクから、前記ドットを形成するた
めに用いるインクを選択することを特徴としている。
【0188】インクジェット画像形成に用いるインクと
しては、一般に、色(例えば、黒色)の再現性は良好で
あるが乾燥時間が長い遅乾性インクと、色の再現性は劣
るが乾燥時間が短い速乾性インクとがある。
【0189】この遅乾性インクは、画像を形成する部分
の周囲温度によって粘性が異なり、記録用紙に浸透する
際の浸透速度も周囲温度によって異なるという傾向があ
る。例えば、周囲温度が高いと浸透速度が大きく、周囲
温度が低いと浸透速度が小さくなる。
【0190】また、遅乾性インクの浸透速度は遅乾性イ
ンクの乾燥時間に影響を及ぼし、浸透速度が大きいと乾
燥時間は短く、浸透速度が小さいと乾燥時間は長くな
る。
【0191】そこで、上記の方法では、ドットを形成す
る際に、画像を形成する部分の周囲温度に基づいて、遅
乾性インクおよび速乾性インクの中から用いるインクを
選択する。これにより、画像形成時の温度条件に応じ
て、遅乾性インクの使用を抑え、速乾性インクで代用す
るようにインクの使用を調整し、所定の時間内にインク
が乾燥するようにインクの乾燥時間を制御することがで
きる。その結果、プリント速度の向上を図ることができ
る。
【0192】また、この方法では、所定の時間内でイン
クが乾燥する範囲内で極力遅乾性インクを使用するよう
に調整し、色の再現性を向上させて画質の劣化を抑制す
ることもできる。
【0193】その結果、プリント速度の向上を図りつ
つ、画質の劣化を防止することが可能なインクジェット
画像形成方法を提供することができる。
【0194】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上記インクジェット画像形成方法において、さらに、前
記画像を形成するための画像データに基づいて、前記ド
ット に対して予め定められた画像上の領域におけるドッ
ト密度を認識し、前記ドットを形成するために用いるイ
ンクを、さらに、前記認識したドット密度に基づいて選
択することが好ましい。
【0195】上記遅乾性インクにより形成されるドット
の乾燥時間は、その周囲に存在するドットのドット密度
からも影響を受け得る。つまり、ドット密度が高いと乾
燥時間は長く、ドット密度が低いと乾燥時間は短くなる
傾向にある。
【0196】そこで、上記の方法では、上述の画像を形
成する部分の周囲温度に基づくとともに、画像領域にお
いて形成しようとするドットに対して予め定められた領
域に形成されるドットのドット密度に基づいて、遅乾性
インクおよび速乾性インクからドットを形成するために
用いるインクを選択する。
【0197】この方法では、画像形成時の周囲温度と、
形成する画像におけるドット密度とを考慮して、インク
が乾燥しにくい場合、すなわち周囲温度が低くドット密
度が高い場合には、例えば、遅乾性インクで形成すべき
ドットの一部を速乾性インクで代用することにより遅乾
性インクのドット密度を下げるように設定することがで
きる。これにより、インクの乾燥時間を短縮し、プリン
ト速度の向上を図ることができる。
【0198】また、求められるプリント速度を維持する
ことができる範囲内で、遅乾性インクのドット密度を極
力高くするように設定することもできる。これにより、
画質の劣化を抑制することも可能になる。
【0199】その結果、より効果的にプリント速度の向
上および画質劣化の防止を図ることが可能なインクジェ
ット画像形成方法を提供することができる。
【0200】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上述のドット密度を認識するインクジェット画像形成方
法において、さらに、前記遅乾性インクの温度特性に基
づい て、前記遅乾性インクにより形成するドットのドッ
ト密度の許容限界を、限界ドット密度として前記周囲温
度に対して設定しておき、前記認識したドット密度と、
前記検知した周囲温度に対応する前記限界ドット密度と
を比較し、前記ドットを形成するために用いるインク
を、前記比較結果に基づいて選択することが好ましい。
【0201】上記の方法では、遅乾性インクの温度特性
に基づいて、遅乾性インクのドット密度の許容限界を限
界ドット密度として周囲温度に対して設定しておく。そ
して、画像形成時には、認識したドット密度と、検知し
た周囲温度における限界ドット密度とを比較して、その
結果に基づきドットを形成するインクを選択する。
【0202】この方法では、予め設定した限界ドット密
度と、認識したドット密度とを単に比較することにより
インクの選択を行うことができる。したがって、画像形
成中において、インクの選択のために行う演算等の処理
が複雑化することを回避することが可能になる。
【0203】なお、限界ドット密度としては、例えば、
所定時間内に遅乾性インクが乾燥し得る遅乾性インクの
ドット密度を基準に設定することができる。
【0204】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上述の限界ドット密度を設定するインクジェット画像形
成方法において、さらに、前記周囲温度と前記限界ドッ
ト密度との関係を表す関数を設定しておき、該関数を用
いて、前記検知した周囲温度に対応する前記限界ドット
密度を求めることが好ましい。
【0205】上記の方法では、周囲温度に対する限界ド
ット密度の関係を表す関数を設定しておく。そして、こ
の関数を用いて、画像形成中に検知した周囲温度に対応
する限界ドット密度を求める。これにより、検知した任
意の周囲温度から限界ドット密度を求めることができ
る。その結果、インクの選択に際して厳密な判断を行う
ことができ、より適したインクの選択が可能になる。
【0206】なお、関数としては、例えば周囲温度と限
界ドット密度との関係を近似した近似式が好ましい。こ
こで、2次関数以上の近似式ではより高精度の近似が可
能であるが、1次関数の近似式であっても十分な精度を
得ることが可能である。
【0207】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上記インクジェット画像形成方法において、さらに、前
記ドットを形成するために用いるインクの選択を、前記
遅乾性インクを用いて前記ドットを形成する第1画像形
成処理と、前記ドットを形成する位置に基づいて、前記
遅乾性インクおよび前記速乾性インクの何れかを用いて
前記ドットを形成する第2画像形成処理との切り換えに
より行うことが好ましい。
【0208】上記の方法では、上述のように、画像形成
時に周囲温度の検知や、ドット密度の認識を行い、これ
らに基づいて、遅乾性インクのみを用いてドットを形成
する第1画像形成と、形成するドットの位置によって遅
乾性インクおよび速乾性インクの何れかを用いる第2画
像形成とを切り換えてドットを形成する。
【0209】この方法では、インクの乾燥速度が大きく
なりやすい条件、すなわちドット密度が低く周囲温度が
高いという条件では、遅乾性インクを用いてドットを形
成することにより、画質の劣化を抑制することができ
る。
【0210】また、インクの乾燥速度が小さくなりやす
い条件、すなわちドット密度が高く周囲温度が低いとい
う条件では、遅乾性インクと速乾性インクとを、例え
ば、交互に配置(隣接して配置)するようにドットを形
成する。これにより、遅乾性インクの乾燥時間を短縮す
ることができる。
【0211】その結果、画像を形成する条件および形成
する画像に応じて、画質の劣化を抑制しつつ、プリント
速度の向上を図ることができる。
【0212】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上記インクジェット画像形成方法において、さらに、前
記ドットを形成するために用いるインクの選択を、前記
遅乾性インクを用いて前記ドットを形成する第1画像形
成処理と、前記遅乾性インクおよび前記速乾性インクを
併用して前記ドットを形成する第3画像形成処理との切
り換えにより行うことが好ましい。
【0213】上記の方法では、上述のように、画像形成
時に周囲温度の検知や、ドット密度の認識を行い、これ
らに基づいて遅乾性インクのみを用いてドットを形成す
る第1画像形成と、遅乾性インクおよび速乾性インクを
併用してドットを形成する第2画像形成とを切り換えて
ドットを形成する。
【0214】この方法では、インクの乾燥速度が大きく
なりやすい条件、すなわちドット密度が低く周囲温度が
高いという条件では、遅乾性インクを用いてドットを形
成することにより、画質の劣化を抑制することができ
る。
【0215】また、インクの乾燥速度が小さくなりやす
い条件、すなわちドット密度が高く周囲温度が低いとい
う条件では、遅乾性インクと速乾性インクとを併用して
ドットを形成することにより、乾燥時間を短縮すること
ができる。
【0216】その結果、画像を形成する条件および形成
する画像に応じて、画質の劣化を抑制しつつ、プリント
速度の向上を図ることができる。
【0217】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上述の第2画像形成処理を行うインクジェット画像形成
方法において、さらに、前記周囲温度が、予め定められ
た第1温度以下であるときに、前記第2画像形成処理を
行うことが好ましい。
【0218】あるいは、本発明のインクジェット画像形
成方法は、上述の第3画像形成処理を行うインクジェッ
ト画像形成方法において、さらに、前記周囲温度が、予
め定められた第1温度以下であるときに、前記第3画像
形成処理を行うことが好まし い。
【0219】上記の方法では、画像を形成する部分の周
囲温度が低く、遅乾性インクが乾燥しにくい条件下にお
いて、上述の第2画像形成処理または第3画像形成処理
を行う。これにより、周囲温度が低い場合において、イ
ンクの乾燥時間を短縮することができ、プリント速度の
向上を図ることが可能になる。また、この方法では、周
囲温度が第1温度以下である場合には、ドット密度の認
識を省略することもでき、演算処理などを軽減すること
もできる。
【0220】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上述の第1画像形成処理を行うインクジェット画像形成
方法において、さらに、前記周囲温度が、予め定められ
た第2温度以上であるときには、前記第1画像形成処理
を行うことが好ましい。
【0221】上記の方法では、画像を形成する部分の周
囲温度が高く、遅乾性インクが乾燥しやすい条件下にお
いて、遅乾性インクを用いてドットを形成する第1画像
形成処理を行う。これにより、周囲温度が高い場合にお
いて、画質の向上を図ることができる。また、この方法
では、周囲温度が第2温度以上である場合には、ドット
密度の認識を省略することもでき、演算処理などを軽減
することもできる。
【0222】なお、上記の方法で基準となる温度として
は、例えばドット密度が最大値となるように遅乾性イン
クでドットを形成した場合において、所定の時間にその
インクが乾燥するような温度を採用することができる。
【0223】本発明のインクジェット画像形成方法は、
上述の第3画像形成処理を行うインクジェット画像形成
方法において、さらに、前記第3画像形成処理を行うと
きには、前記遅乾性インクと前記速乾性インクとを重ね
合わせることが好ましい。
【0224】上記の方法では、遅乾性インクと速乾性イ
ンクとを重ね合わせてドットを形成する。この方法で
は、速乾性インクの浸透作用により遅乾性インクの浸透
性が向 上するため、遅乾性インクの乾燥時間を短縮する
ことができる。例えば、遅乾性インクによるドットのド
ット密度が小さく、各ドットが孤立しているような場合
であっても、周囲温度が低いときには乾燥時間が長期化
することがある。このようなときにおいても、この方法
では、上述した作用によりインクの乾燥時間を短縮する
ことができる。
【0225】本発明のインクジェット画像形成装置は、
インクを吐出して画像を形成するインクジェット画像形
成装置であり、上述の課題を解決するために、相対的に
乾燥時間が長い遅乾性インクを吐出する遅乾性インク吐
出手段と、相対的に乾燥時間が短い速乾性インクを吐出
する速乾性インク吐出手段と、画像を形成する部分の周
囲温度を検知する温度検知手段と、前記検知した周囲温
度に基づいて、前記遅乾性インク吐出手段および前記速
乾性インク吐出手段から、インクを吐出させる吐出手段
を選択する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0226】上記の構成では、温度検知手段により検知
した、画像を形成する部分の周囲温度に基づいて、制御
手段により、遅乾性インク吐出手段および速乾性インク
吐出手段のうちの一方、または両方を駆動させて画像形
成を行うことができる。したがって、この構成では、上
述のインクジェット画像形成方法と同様に、プリント速
度の向上を図りつつ画質の劣化を防止することが可能に
なる。
【0227】本発明のインクジェット画像形成装置は、
上記インクジェット画像形成装置において、さらに、前
記画像を形成するための画像データに基づいて、画像上
の予め定められた領域に吐出するインクの密度を算出す
る演算手段を備え、前記制御手段が、さらに、前記算出
したインクの密度に基づいて、前記遅乾性インク吐出手
段および前記速乾性インク吐出手段から、インクを吐出
させる吐出手段を選択することが好ましい。
【0228】上記の構成では、周囲温度に加えて、演算
手段により算出したインクの密度に基づいて、制御手段
が吐出手段を選択して駆動させることができる。したが
って 、この構成では、上述のように、より効果的にプリ
ント速度の向上および画質劣化の防止を図ることができ
る。
【0229】
【発明の効果】本発明のインクジェット画像形成方法
は、以上のように、乾燥時間が所定の上限値以下である
場合の許容される上限のドット密度をそのときの周囲温
度における限界ドット密度とし、前記限界ドット密度が
第1の値となる場合の周囲温度の上限値を第1温度と
し、前記限界ドット密度が第1の値よりも大きくかつ最
大となる場合の周囲温度の下限値を第2温度とした場合
に、周囲温度が第1温度よりも低い場合には、前記遅乾
性インクおよび速乾性インクによりドットを形成し、周
囲温度が第2温度よりも高い場合には、全ドットを前記
遅乾性インクにて形成し、周囲温度が第1温度以上かつ
第2温度以下の場合には、その周囲温度における限界ド
ット密度が実際のドット密度以上である場合に、全ドッ
トを前記遅乾性インクにて形成する一方、その周囲温度
における限界ドット密度が実際のドット密度未満の場合
に、前記遅乾性インクおよび速乾性インクを用いてドッ
トを形成する構成である。
【0230】本発明のインクジェット画像形成装置は、
相対的に乾燥時間が長い遅乾性インクを吐出する遅乾性
インク吐出手段と、相対的に乾燥時間が短い速乾性イン
クを吐出する速乾性インク吐出手段と、画像を形成する
部分の周囲温度を検知する温度検知手段と、乾燥時間が
所定の上限値以下である場合の許容される上限のドット
密度をそのときの周囲温度における限界ドット密度と
し、前記限界ドット密度が第1の値となる場合の周囲温
度の上限値を第1温度とし、前記限界ドット密度が第1
の値よりも大きくかつ最大となる場合の周囲温度の下限
値を第2温度とした場合に、周囲温度が第1温度よりも
低い場合には、前記遅乾性インクおよび速乾性インクに
よりドットが形成され、周囲温度が第2温度よりも高い
場合には、全ドットが前記遅乾性インクにて形成され、
周囲温度が第1温度以上かつ第2温度以下の場合には、
その周囲温度における限界ドット密度が実際のドット密
度以上である場合に、全ドットが前記遅乾性インクにて
形成される一方、その周囲温 度における限界ドット密度
が実際のドット密度未満の場合に、前記遅乾性インクお
よび速乾性インクを用いてドットが形成されるように、
前記遅乾性インク吐出手段および前記速乾性インク吐出
手段から、インクを吐出させる吐出手段を選択する制御
手段とを備える構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデータ処理を示す
フローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態に係るカラーインクジェ
ットプリンタの内部を、側面方向から見たときの構成を
示す内部構成図である。
【図3】図2のヘッドを上から見たときのノズルの配置
を示す配置図である。
【図4】記録用紙上でのドットの配置を面積率が25%
の場合について示す平面図である。
【図5】記録用紙上でのドットの配置を面積率が50%
の場合について示す平面図である。
【図6】記録用紙上でのドットの配置を面積率が75%
の場合について示す平面図である。
【図7】記録用紙上でのドットの配置を面積率が100
%の場合について示す平面図である。
【図8】黒ドット面積率に対する黒インクの乾燥(浸
透)時間の関係を示すグラフである。
【図9】黒ドット面積率に対するプリント速度の関係を
示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態で用いた遅乾性の黒イン
クの、周囲温度に対するインク粘度の関係を示すグラフ
である。
【図11】本発明の実施の形態で用いた遅乾性の黒イン
クの、黒ドット面積率に対する乾燥(浸透)時間の関係
を周囲温度ごとに示すグラフである。
【図12】図11に基づいて設定した、周囲温度に対す
る限界黒ドット面積率の関係を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施の形態に係るプリントデータ
のデータ処理回路を示すブロック図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係るラインメモリの
メモリ構造を示す説明図である。
【図15】図14のラインメモリのプリントデータ領域
における注目画素に対応する部分を示す説明図である。
【図16】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、一実施の形態に係るデータ変換を示す説明図であ
り、変換前のデータを示している。
【図17】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、一実施の形態に係るデータ変換を示す説明図であ
り、各セルの黒ドット面積率を示している。
【図18】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、一実施の形態に係るデータ変換を示す説明図であ
り、変換後のデータを示している。
【図19】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、別の実施の形態に係るデータ変換を示す説明図で
あり、変換前のデータを示している。
【図20】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、別の実施の形態に係るデータ変換を示す説明図で
あり、各セルの黒ドット面積率を示している。
【図21】図14のラインメモリのプリントデータ領域
内の、別の実施の形態に係るデータ変換を示す説明図で
あり、変換後のデータを示している。
【図22】本発明の別の実施の形態に係るデータ処理を
示すフローチャートである。
【図23】従来の技術によるドット形成の例を示す平面
図である。
【図24】従来の技術によるドット形成の別の例を示す
平面図である。
【符号の説明】
2 カラーインクジェットプリンタ 10 ヘッド 10a ブラックヘッド・ブロック(遅乾性インク吐出
手段) 10b カラーヘッド・ブロック(速乾性インク吐出手
段) 20 記録用紙 22 制御装置(制御手段) 24 温度検知装置(温度検知手段) 38 面積率処理回路(演算手段) 42 限界黒ドット面積率処理回路 50 プリントデータ領域 Co セル Ca 注目セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 芳之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 石井 洋 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−38818(JP,A) 特開 平5−147228(JP,A) 特開 平6−135006(JP,A) 特開 平8−187880(JP,A) 特開 平5−338136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41M 5/00 C09D 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に乾燥時間が長い遅乾性インクと、
    相対的に乾燥時間が短い速乾性インクとを用いてドット
    を形成し、該ドットにより画像を形成するインクジェッ
    ト画像形成方法において、乾燥時間が所定の上限値以下である場合の許容される上
    限のドット密度をそのときの周囲温度における限界ドッ
    ト密度とし、 前記限界ドット密度が第1の値となる場合の周囲温度の
    上限値を第1温度とし、前記限界ドット密度が第1の値
    よりも大きくかつ最大となる場合の周囲温度の下限値を
    第2温度とした場合に、 周囲温度が第1温度よりも低い場合には、前記遅乾性イ
    ンクおよび速乾性インクによりドットを形成し、 周囲温度が第2温度よりも高い場合には、全ドットを前
    記遅乾性インクにて形成し、 周囲温度が第1温度以上かつ第2温度以下の場合には、
    その周囲温度における限界ドット密度が実際のドット密
    度以上である場合に、全ドットを前記遅乾性インクにて
    形成する一方、その周囲温度における限界ドット密度が
    実際のドット密度未満の場合に、前記遅乾性インクおよ
    び速乾性インクを用いてドットを形成する ことを特徴と
    するインクジェット画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のインクジェット画像形成
    方法において、 前記第1温度は、各ドットを他のドットと重なることな
    く孤立した状態で形成可能な上限のドット密度が限界ド
    ット密度となる場合の周囲温度である ことを特徴とする
    インクジェット画像形成方法。
  3. 【請求項3】インクを吐出して画像を形成するインクジ
    ェット画像形成装置において、 相対的に乾燥時間が長い遅乾性インクを吐出する遅乾性
    インク吐出手段と、 相対的に乾燥時間が短い速乾性インクを吐出する速乾性
    インク吐出手段と、 画像を形成する部分の周囲温度を検知する温度検知手段
    と、 乾燥時間が所定の上限値以下である場合の許容される上
    限のドット密度をそのときの周囲温度における限界ドッ
    ト密度とし、前記限界ドット密度が第1の値となる場合
    の周囲温度の上限値を第1温度とし、前記限界ドット密
    度が第1の値よりも大きくかつ最大となる場合の周囲温
    度の下限値を第2温度とした場合に、周囲温度が第1温
    度よりも低い場合には、前記遅乾性インクおよび速乾性
    インクによりドットが形成され、周囲温度が第2温度よ
    りも高い場合には、全ドットが前記遅乾性インクにて形
    成され、周囲温度が第1温度以上かつ第2温度以下の場
    合には、その周囲温度における限界ドット密度が実際の
    ドット密度以上である場合に、全ドットが前記遅乾性イ
    ンクにて形成される一方、その周囲温度における限界ド
    ット密度が実際のドット密度未満の場合に、前記遅乾性
    インクおよび速乾性インクを用いてドットが形成される
    ように、前記遅乾性インク吐出手段および前記速乾性イ
    ンク吐出手段から、インクを吐出させる吐出手段を選択
    する制御手段とを備えることを特徴とするインクジェッ
    ト画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のインクジェット画像形成
    装置において、 前記第1温度は、各ドットを他のドットと重なることな
    く孤立した状態で形成可能な上限のドット密度が限界ド
    ット密度となる場合の周囲温度であることを特徴とする
    インクジェット画像形成装置。
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