JP2005193463A - インクが再現する光沢を考慮した印刷 - Google Patents

インクが再現する光沢を考慮した印刷 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数種類のインクを重ねて色を再現する場合に、光沢低下を抑制してインクを重ねることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクに関し、重ね順が最後となるインクが、色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように、インクドットを形成する。また、重ね順が最後となるインクを、光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとしてもよい。また、複数の特定の混色用インクのそれぞれを吐出する混色用ノズル群の少なくとも一部を、主走査方向に垂直な方向について互いに重ならない位置に配置し、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群が、色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクを吐出するようにしてもよい。また、下端混色用ノズル群が、光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクを吐出するようにしてもよい。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複数種類のインクを用いた印刷技術に関するものである。
近年、画像の出力装置として、インクを印刷媒体上に吐出して画像を形成するインクジェットプリンタが広く普及している。インクジェットプリンタの中には、複数種類のインクを用い、印刷媒体上に複数種類のインクドットを重ねて形成して、多色多階調の画像を再現するものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−54016号公報 特開平6−171111号公報
ところで、インクを印刷媒体上に吐出して色を再現する場合には、再現された色の光沢がインクによって異なる場合がある。また、複数種類のインクを重ねて色を再現する場合には、その重ねる順序によって、再現された色の光沢が変わる場合がある。ここで、再現された色の光沢が強ければ、画像の観察者が感じる光沢感を向上させ、印刷画像の画質を向上させることができる。ところが、従来は、光沢を考慮したインクの重ね順については、工夫されていないのが実情であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、複数種類のインクを重ねて色を再現する場合に、光沢を考慮してインクを重ねる技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による第1の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、前記主走査の最中に前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、を備え、前記印刷ヘッドにおいて、(a)前記複数のノズル群のうちの、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクのそれぞれを吐出する複数の混色用ノズル群の少なくとも一部は、主走査方向に垂直な方向について互いに重ならない位置に配置されており、(b)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群は、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクを吐出する。
この第1の印刷装置では、特定の混色用インクを吐出する混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群が、特定の混色用インクのうちの色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクを吐出するので、複数種類のインクを重ねる場合に、重ねる順番が最後となるインクが、特定の混色用インクのうちの色材の濃度が最も高いインクとなることが無い。この結果、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
ここで、色材の濃度とは、インクに含まれる色材の重量の、インクの総重量に対する割合を意味する。また、2つのノズル群が主走査方向に垂直な方向について互いに重ならないとは、各ノズル群を構成する複数のノズルが、主走査方向に垂直な方向の位置について、互いに重ならない範囲内に設けられていることを意味する。さらに、複数のノズル群の少なくとも一部が互いに重ならないとは、互いに重ならないノズル群の組み合わせが1つ以上であることを意味している。逆に、2つのノズル群が主走査方向に垂直な方向について互いに重なるとは、各ノズル群を構成する複数のノズルが、主走査方向に垂直な方向の位置について、少なくとも一部が互いに重なる範囲内に設けられていることを意味する。
上記第1の印刷装置において、前記印刷ヘッドにおいて、(c)前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も低いインクは、前記下端混色用ノズル群によって吐出されることが好ましい。
この構成によれば、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの重ねる順番が最後となるインクとして、色材の濃度が最も低いインクが用いられるので、効果的に、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第1の印刷装置において、前記印刷ヘッドにおいて、(d)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群は、副走査方向のより下流側までノズルが配置されたノズル群ほど、前記色材の濃度がより低いインクを吐出することが好ましい。
この構成によれば、複数種類の特定の混色用インクに関し、色材の濃度がより高いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
本発明による第2の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、前記主走査の最中に前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、を備え、前記印刷ヘッドにおいて、(a)前記複数のノズル群のうちの、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクのそれぞれを吐出する複数の混色用ノズル群の少なくとも一部は、主走査方向に垂直な方向について互いに重ならない位置に配置されており、(b)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群は、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクを吐出する。
この第2の印刷装置では、特定の混色用インクを吐出する混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群が、特定の混色用インクのうちの光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクを吐出するので、複数種類のインクを重ねる場合に、重ねる順番が最後となるインクが、特定の混色用インクのうちの光沢度が最も低いインクとなることが無い。この結果、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第2の印刷装置において、前記印刷ヘッドにおいて、(c)前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記光沢度が最も高いインクは、前記下端混色用ノズル群によって吐出されることが好ましい。
この構成によれば、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの重ねる順番が最後となるインクとして、光沢度が最も高いインクが用いられるので、効果的に、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第2の印刷装置において、前記印刷ヘッドにおいて、(d)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群は、副走査方向のより下流側までノズルが配置されたノズル群ほど、前記光沢度がより高いインクを吐出することが好ましい。
この構成によれば、複数種類の特定の混色用インクに関し、光沢度がより低いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
本発明による第3の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、
前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、前記印刷データ生成部は、(a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、(b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように、前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する。
この第3の印刷装置では、複数種類の特定の混色用インクが所定の順序に従って重ねられ、さらに、所定の順序が最後のインクが、特定の混色用インクのうちの色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるので、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの色材の濃度が最も高いインクが最後となることが無い。この結果、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第3の印刷装置において、前記所定の順序が最後のインクは、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も低いインクであることが好ましい。
この構成によれば、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの重ねる順番が最後となるインクとして、色材の濃度が最も低いインクが用いられるので、効果的に、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第3の印刷装置において、前記所定の順序は、前記色材の濃度が高い順序であることが好ましい。
この構成によれば、複数種類の特定の混色用インクに関し、色材の濃度がより高いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
本発明による第4の印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、
前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、前記印刷データ生成部は、(a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、(b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるように、
前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する。
この第4の印刷装置では、複数種類の特定の混色用インクが所定の順序に従って重ねられ、さらに、所定の順序が最後のインクが、特定の混色用インクのうちの光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるので、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの光沢度が最も低いインクが最後となることが無い。この結果、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第4の印刷装置において、前記所定の順序が最後のインクは、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記光沢度が最も高いインクであることが好ましい。
この構成によれば、複数種類のインクを重ねる場合に、特定の混色用インクのうちの重ねる順番が最後となるインクとして、光沢度が最も高いインクが用いられるので、効果的に、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第4の印刷装置において、前記所定の順序は、前記光沢度が低い順序であることが好ましい。
この構成によれば、複数種類の特定の混色用インクに関し、光沢度がより低いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第3または第4の印刷装置において、前記印刷ヘッドにおいて、前記複数のノズル群は、主走査方向に沿って配列されていることが好ましい。
この構成によれば、印刷ヘッドの副走査方向に沿った大きさが大きくなることを抑制することができる。
上記第1または第3の印刷装置において、前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクを含むことが好ましい。
この構成によれば、複数種類の混色用インクのうちの色材の濃度が最も高いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、効果的に、再現された色の光沢の低下を抑制することができる。
上記第1または第3の印刷装置において、前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、前記色材の濃度が最も高い同色濃インクであってもよい。
色材の濃度がより高いインクは、光沢の低下に対する影響がより大きい。そこで、色がほぼ同じで色材の濃度が異なる複数種類の同色インクを用いる場合には、混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、色材の濃度が最も高い同色濃インクのみに関して重ね順を設定しても、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
ここで、「色が同じ」とは、有彩色に関しては、色相が同じであることを意味している。また、無彩色に関しては、明度の拘わらず色が同じ(無彩色)であることとしている。
上記第2または第4の印刷装置において、前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクのうちの前記光沢度が最も低いインクを含むことが好ましい。
この構成によれば、複数種類の混色用インクのうちの光沢度が最も低いインクが後から重ねられることを抑制することができるので、効果的に、再現された色の光沢の低下を抑制することができる。
上記第2または第4の印刷装置において、前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、前記光沢度が最も低い同色低光沢インクであってもよい。
光沢度がより低いインクは、光沢の低下に対する影響がより大きい。そこで、色がほぼ同じで光沢度が異なる複数種類の同色インクを用いる場合には、混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、光沢度が最も低い同色低光沢インクのみに関して重ね順を設定しても、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
上記第1ないし第4のいずれかの印刷装置において、前記複数種類の特定の混色用インクのそれぞれが含む色材は、顔料であってもよい。
色材としての顔料は、通常は、印刷媒体の中に浸透せずに印刷媒体の表面の留まって色を再現する。従って、再現された色の光沢のインクによる違いは、顔料の方が染料と比べて大きくなる傾向がある。上述した第1ないし第4のいずれかの印刷装置によれば、色材として顔料を用いる場合であっても、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.再現された色の光沢:
C.第1実施例:
D.第2実施例:
E.第3実施例:
F.第4実施例:
G.第5実施例:
H.第6実施例:
I.変形例:
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのプリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示する。
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給するための印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、印刷データ生成モジュール100と、ルックアップテーブルLUTと、が備えられている。印刷データ生成モジュール100は、本発明における印刷データ生成部として機能する。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタドライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュール98は、ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データ(第1の画像データ)を、プリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データ(第2の画像データ)に変換する。
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、インクドットを分散して形成することにより、プリンタ20でこの階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像データは、印刷データ生成モジュール100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含んでいる。
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図2は、プリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド300(図示せず)を有しており、また、利用可能なインクのインクカートリッジ70を搭載可能である。印刷ヘッド300の下面には利用可能なインクを吐出するためのノズルが設けられている(詳細は後述)。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図示せず)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド300が主走査方向に移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
図3は、制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22を駆動して印刷用紙Pを搬送する副走査駆動回路54aと、キャリッジモータ24を駆動してキャリッジ30を往復動させる主走査駆動回路54bとを備えている。
I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。プリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッドユニット60(より具体的には、印刷ヘッド300)を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に画像を形成する。
なお、ヘッド駆動回路52は、本発明における「ヘッド駆動部」に相当し、副走査駆動回路54aは「副走査駆動部」に、主走査駆動回路54bは「主走査駆動部」に、それぞれ、相当する。また、副走査駆動回路54aと主走査駆動回路54bとは、「走査部」に相当する。
B.再現された色の光沢:
図4は、印刷媒体上に再現された色の光沢を説明する概略図である。図4(a)(b)は、それぞれ、印刷媒体PMを横から見た断面図である。図4(a)は、色材の濃度が比較的低いインク(以下、「低濃度インク」と呼ぶ)を用いる場合を示し、図4(b)は、色材の濃度が比較的高いインク(以下、「高濃度インク」と呼ぶ)を用いる場合を示している。ここで、色材の濃度とは、インクに含まれる色材の重量の、インクの総重量に対する割合を意味しており、通常は、重量パーセントで表される(以下、「重量濃度」と呼ぶ)。また、図4(a)では、インクに含まれる色材CM1が白抜きの円で示され、図4(b)では、インクに含まれる色材CM2がハッチングを付した円で示されている。色材CM1、CM2は、それぞれ顔料であり、印刷媒体PMに染みこまずに、印刷媒体PMの表面に残っている。
一般に、色材の重量濃度が低いほど、印刷媒体PMの表面でインクが乾燥するまでの間に色材が流動し易くなる。従って、色材の重量濃度が比較的低い場合には、図4(a)に示すように、インクの乾燥後、色材が残った領域の表面が平坦になり易い傾向がある。逆に、色材の重量濃度が高いほど、印刷媒体PMの表面でインクが乾燥するまでの間に色材が流動しにくく、堆積し易くなる。従って、色材の重量濃度が比較的高い場合には、図4(b)に示すように、インクの乾燥後、色材が残った領域の表面が凸凹になり易い傾向がある。
また、図4(a)(b)には、一定の入射角度θiで入射させた入射光Iと、反射光とが示されている。入射光Iは白抜きの矢印で示され、反射光はハッチングを付した矢印で示されている。矢印の大きさは光の強度を示し、入射角度θiは、印刷媒体PMの表面に対する垂線Lpとの間の角度を意味している。また、図中には、入射光Iが沿って進む直線Liと、入射光Iに対する鏡面反射光(正反射光とも呼ぶ)が沿って進む直線Loとが示されている。ここで、直線Loが示す反射角度θoは、入射角度θiと同じ大きさである。
図4(a)に示すような表面が比較的平坦な領域では、入射光Iに対する鏡面反射光の強度が比較的強くなるので、観察者はより強い光沢を感じることができる。一方、図4(b)に示すような表面が比較的凸凹な領域では、光を入射させても乱反射してしまい、鏡面反射光の強度が比較的弱くなるので、観察者は光沢がより弱いと感じてしまう。また、表面が比較的凸凹な領域では、鏡面反射光が届く角度とは異なる角度から観察する場合でも、乱反射した光が比較的強く観察されるので、再現された色が白っぽく見えてしまう可能性もある。特に明度の低い色を再現する場合には、乱反射が強いと、乱反射した光によって、再現される色の明るさが十分に低くならない可能性もある。
このように、色材の濃度が比較的低い場合には、色材が流動し易く、色材が残った領域の表面が平坦となり易いので、比較的強い光沢を再現することができる。一方、色材の濃度が比較的高い場合には、色材が堆積し易く、色材が残った領域の表面が凸凹になり易いので、光沢が比較的低くなる傾向がある。
図5は、印刷媒体上に複数のインクを重ねて吐出した場合の、再現された色の光沢を説明する概略図である。図5(a)(b)は、それぞれ、図4(a)の低濃度インクと、図4(b)の高濃度インクとを重ねた場合を示している。ただし、図5(a)と図5(b)とでは、インクを重ねる順序が異なっている。具体的には、図5(a)は、高濃度インクを先に吐出した場合を示している。一方、図5(b)は、低濃度インクを先に吐出した場合を示している。
図5(a)の例では、高濃度インクが先に吐出されている。印刷媒体PMの表面に残った色材CM2は、図4(b)と同様に凸凹に堆積している。次に、このように堆積した色材CM2の上に、低濃度インクが重ねて吐出される。上述したように、低濃度インクに含まれる色材CM1は、高濃度インクの色材CM2と比べて流動し易い。従って、色材CM1は、堆積した色材CM2のへこんだ領域に流れ込む。その結果、図5(a)に示すように、色材が残った領域の表面は、高濃度インクのみを吐出した場合(図4(b))と比べて、より平坦になる。このように、重量濃度が比較的低いインクを後から重ねると、色材が残った領域の表面を、より平坦にすることができる。
一方、図5(b)の例では、低濃度インクが先に吐出されている。色材CM1は、図4(a)と同様に、印刷媒体PMの上に平らに残っている。次に、このように残った色材CM1の上に、高濃度インクが重ねて吐出される。上述したように、高濃度インクに含まれる色材CM2は、低濃度インクの色材CM1と比べて流動しにくい。従って、色材CM2は、色材CM1の上に凸凹に堆積することになる。その結果、図5(b)に示すように、色材が残った領域の表面は、高濃度インクのみを吐出した場合(図4(b))と同様に凸凹になってしまう。このように、重量濃度が比較的高いインクを後から重ねると、色材が残った領域の表面が凸凹になり易い傾向がある。
このように、色材の重量濃度が異なるインクを重ねて吐出する場合には、重量濃度が比較的低いインクを後に重ねれば、重量濃度が比較的高いインクによる光沢の低下を抑制することができる。
なお、図5の例では、2種類のインクを重ねる場合について示したが、3種類以上のインクを重ねる場合も同様に考えることができる。一般に、最後に重ねるインクを、重量濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとすれば、光沢の低下を抑制することができる。また、重量濃度が最も低いインクは、凸凹を平らにならす効果が他のインクと比べて大きい。そこで、最後に重ねるインクを、重量濃度が最も低いインクとすれば、より効果的に、光沢の低下を抑制することができる。さらに、重量濃度の高い順にインクを重ねれば、インクを重ねるたびに凸凹がならされるので、光沢の低下を効果的に抑制することができる。
なお、インクの色材の重量濃度は、インクの製造に用いた色材の重量と、インクの総重量とを測定して求めることができる。また、インクの吸光度を測定して求めることもできる。ここで吸光度とは、一定の強度を有する光が一定の厚さのインクを透過する際の、透過前後の光の強度の比率を意味している。一般に、色材の重量濃度が高いほど透過後の光の強度が弱い、すなわち、吸光度が高くなる。そこで、色材の重量濃度がわかっている標準の色材分散液の吸光度を予め測定しておき、重量濃度の測定対象である試料インクの吸光度と、標準色材分散液の吸光度とを比較することによって、試料インクの色材の重量濃度を求めることができる。なお、吸光度は、色材の重量濃度が同じであっても、色材の種類によって異なる値となる場合があるので、色材の種類毎に標準色材分散液を準備することが好ましい。また、顔料のようにインクの溶剤に溶解しない色材を用いている場合には、色材を遠心分離法を用いて分離して、重量濃度を求めることもできる。
なお、インクを重ねる順序は、色材の重量濃度の代わりに、各インクが再現する単色カラーパッチの光沢の強さに基づいて設定してもよい。このようなインクの光沢の強さは、いわゆる鏡面光沢度を用いて評価することができる。鏡面光沢度とは、鏡面反射光の強度を表す指標であり、光沢の強さを評価する際に用いられる。通常は、鏡面光沢度として、入射光の強度を一定とした場合の、予め準備された基準となる面での鏡面反射光の強度に対する、鏡面光沢度の測定対象である試料面での鏡面反射光の強度が用いられる。
このような鏡面光沢度は、一般に市販されている測定装置を用いて測定することができる。例えば、村上色彩技術研究所社製「GP−200」を用い、入射角度を45度とし、標準鏡面板での強度を42.5として、測定してもよい。なお、インクの鏡面光沢度は、そのインクを用いて再現したベタ領域を試料面として用いることによって測定することができる。ここで、ベタ領域とは、インクによって全面が覆われた領域を意味し、例えば、全ての画素にインクを吐出することによって再現することができる。また、鏡面光沢度は、鏡面反射の角度に反射した光の強度で表されるので、色材が残った領域の表面で反射した光の強度、すなわち、色材が残った領域の表面の平滑性の影響を比較的強く受ける。一方、色材が再現する色の明度の影響は比較的弱い。従って、鏡面光沢度は、色材が残った領域の表面の平滑性、すなわち、再現された色の光沢の度合いを示す指標として適している。
このようにして得られた鏡面光沢度を用い、最後に重ねるインクを、鏡面光沢度が最も低いインクとは異なるインクとすれば、光沢の低下を抑制することができる。また、鏡面光沢度が最も高いインクは、光沢を改善する効果が他のインクと比べて大きい。そこで、最後に重ねるインクを、鏡面光沢度が最も高いインクとすれば、より効果的に、光沢の低下を抑制することができる。さらに、鏡面光沢度の低い順にインクを重ねれば、インクを重ねるたびに光沢が改善されるので、光沢の低下を効果的に抑制することができる。
また、上述しように、鏡面光沢度や色材の重量濃度を考慮した順序でインクを重ね、光沢の低下を抑制すれば、再現された色が乱反射した光によって白っぽく見えることを抑制することができる。特に、明度の低い色を複数のインクを重ねて再現する場合でも、乱反射した光によって再現される色の明るさが高くなることを抑制し、より暗い色を再現することが可能となる。
B.第1実施例:
図6は、本発明の第1実施例における印刷ヘッド300の下面のノズル配列を示す説明図である。本実施例で利用可能なインクは、ブラックインクKと、イエロインクYと、マゼンタインクMと、シアンインクCである。これらのインクは色材として顔料を用いており、色材の重量濃度が、それぞれ、ブラックインクK:7.5%、イエロインクY:7%、マゼンタインクM:6%、シアンインクC:4%、であるものとしている。すなわち、色材の重量濃度が濃い順序はKYMCの順である。また、印刷ヘッド300の下面には、これらのインクを吐出するための第1のノズル列NS1と、第2のノズル列NS2とが、主走査方向MSに沿って並ぶように設けられている。
第1のノズル列NS1には、ブラックインクKを吐出するブラックノズル群Kngが設けられている。また、第2のノズル列NS2には、イエロインクYを吐出するイエロノズル群Yngと、マゼンタインクMを吐出するマゼンタノズル群Mngと、シアンインクCを吐出するシアンノズル群Cngとが、この順序で、副走査方向SSの上流側から下流側に向かって(紙送り方向に沿って)配列されている。
各ノズル群Kng、Yng、Mng、Cngでは、複数のノズルNzが副走査方向に沿って配列されている。ここで、複数のノズルの副走査方向SSに沿ったピッチ(以下、「ノズルピッチ」と呼ぶ)はD(副走査方向SSの印刷解像度に相当するドットピッチ)となっている。また、イエロノズル群Yngのノズルとマゼンタノズル群Mngのノズルとの副走査方向SSの最小間隔もDであり、マゼンタノズル群Mngのノズルとシアンノズル群Cngのノズルとの最小間隔もDである。なお、有彩色インクYMCのそれぞれを吐出する各ノズル群Yng、Mng、Cngは、それぞれ、副走査方向の幅が同一であり、同数のノズルを有している。また、第1のノズル列NS1、すなわち、ブラックノズル群Kngは、第2のノズル列NS2と同数のノズルを有しており、各ノズルは、副走査方向の位置が、第2のノズル列NS2のノズルと重なるように配置されている。なお、図6の例では、1つのノズル群の複数のノズルNzは副走査方向SSに沿って一直線上に配列されているが、千鳥状に配列されていてもよい。
第1実施例では、モノクロ印刷時には、第1のノズル列NS1のみが用いられ、カラー印刷時には、第2のノズル列NS2のみが用いられる。カラー印刷時には、3つのインクYMCを組み合わせることによって、色が再現される。このとき、3つのインクYMCは、同一の画素位置に重ねて吐出され得る(詳細は後述)。すなわち、3つのインクYMCのそれぞれが、本発明における「混色用インク」に相当し、3つのノズル群Yng、Mng、Cngのそれぞれが、「混色用ノズル群」に相当する。
第1実施例では、主走査方向MSは副走査方向SSに対して垂直であり、3つの混色用ノズル群Yng、Mng、Cngは、副走査方向SSに沿って1列に配列されている。従って、3つの混色用ノズル群Yng、Mng、Cngは、主走査方向MSに垂直な方向(副走査方向SS)について互いに重ならない位置に配置されることになる。
図7は、第1実施例における印刷ヘッド300を用いたカラー印刷の一例を示す説明図である。図7では、図6の印刷ヘッド300において、3つのノズル群Yng、Mng、Cngのそれぞれのノズルの数が3つである場合の例を示している。
図7の左側には、繰り返し行われる主走査における印刷ヘッド300の副走査方向の位置が示されている。印刷ヘッド300の下に記された「パス」という文字は、主走査の番号を意味している。例えば「パスm+1」はm+1回目の主走査(mは整数)を意味し、「パスm+1」と記された印刷ヘッド300は、m+1回目の主走査における印刷ヘッドの副走査方向の位置を示している。
2つの印刷ヘッド(例えば、パスm+1とパスm+2)をつなぐ矢印に添えられた「F」という文字は、2つの主走査の間に行われる副走査送りの送り量を意味し、その単位はドット(副走査方向の印刷解像度に相当するドットピッチ)である。図7の例では、各主走査が終了する度に、3ドットの送り量Fで副走査送りが実行される。
図7の例では、各主走査において第2のノズル列NS2を構成する全てのノズル群Yng、Mng、Cngを使用した双方向印刷を行っている。双方向印刷とは、印刷ヘッド300が印刷媒体PMに対し往復動する主走査のうち、往動時のみならず復動時にもインクドットを形成する印刷を意味する。また、各ノズルは、1回の主走査において、それぞれのラスタライン上の全ての画素位置の画素を記録対象としている。
図7の右側には、各ラスタライン上の同一の画素に対するインクの種類の吐出順、すなわち、インクの種類の重ね順が記されている。また、各主走査において、ラスタライン(主走査ラインとも呼ぶ)の記録に使用されるノズルとラスタライン番号とが点線でつながれている。例えば、ラスタライン番号がn+2(nは整数)であるラスタラインは、イエロノズル群Yngによってパスm(往動)で記録され、マゼンタノズル群Mngによってパスm+1(復動)で記録され、シアンノズル群Cngによってパスm+2(往動)で記録される。他のラスタラインも、同様に、3回の主走査によって、3つのインクYMCのインクドットが、YMCの順に重ねて形成される。このように、全てのラスタラインのインクの重ね順は、主走査方向MSの上流側から下流側に向かう(紙送り方向に沿った)ノズル群の順序(Yng、Mng、Cngの順)と同じ、YMCの順となる。なお、ラスタライン番号nより上のラスタラインと、ラスタライン番号n+5より下のラスタラインとは、図示を省略している。
このように、第1実施例では、印刷ヘッド300(図6)において、全ての混色用ノズル群Yng、Mng、Cngが、副走査方向SSに沿って互いに重ならない位置に配置されているので、高速な双方向印刷を行いつつ、全てのラスタラインに関して、インクの重ね順を同一のYMCの順とすることができる。また、インクの重ね順YMCは色材の重量濃度の高い順と同じであるので、色材の濃度がより高いインクが後から重ねられることを抑制し、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。さらに、より明度の低い色を再現するために3つのインクYMCをより多く重ねる場合でも、乱反射した光によって再現される色の明るさが高くなることを抑制し、より暗い色を再現することができる。また、全てのラスタラインに関してインクの重ね順が同じであるので、インクの重なる順が異なる領域が生じて、色ムラとして認識されることを防止することができる。
さらに、第1実施例では、全ての混色用ノズル群Yng、Mng、Cngを、副走査方向SSに沿って互いに重ならない位置に配置しているので、1回の主走査で複数種類のインクのインクドットが隣接する画素位置に形成されることを抑制することができる。その結果、インクドットが十分に乾ききらないうちに別の種類のインクドットが隣接する画素位置に形成され、互いのインクが混ざり合うことによって色がにじむことを抑制することができる。
また、図6の例では、全ての混色用ノズル群Yng、Mng、Cngが副走査方向SSに沿って1列に配置されているので、印刷ヘッド300の主走査方向MSの大きさが大きくなることを抑制することができる。
なお、第1実施例においては、3つの混色用インクYMCの全てが、本発明における「特定の混色用インク」に相当する。また、これら複数の特定の混色用インクYMCのそれぞれを吐出する複数のノズル群のうち、副走査方向SSの最も下流側までノズルが配置されたノズル群Cngが、「下端混色用ノズル群」に相当する。
なお、3つの混色用インクYMCの重ね順は、図7に示したもの以外の種々のものを採用することができる。例えば、MYC順にインクを重ねてもよく、YCM順に重ねてもよい。一般には、図5で説明したように、重ね順が最後となるインクが最も濃度が高いインク(図6の例では、イエロインクY)とは異なる他のインク(図6の例では、シアンインクC、マゼンタインクM)である順序が好ましく、重ね順が最後となるインクが最も重量濃度が低いインク(図6の例では、シアンインクC)である順序が特に好ましく、重量濃度の高い順序(図6の例では、YMC順)が最も好ましい。これは、後述する他の実施例においても同様である。
また、第1実施例では、逆向きの副走査送りをしないので、インクの重ね順は、印刷ヘッドにおける混色用ノズル群Yng、Mng、Cngの副走査方向SSの上流側から下流側へ向かう配置の順序と一致している。ここで、混色用ノズル群の配置の順序は、図6に示した順序に限らず、インクの重ね順に合わせた種々の順序を採用することができる。
また、図6、7に示す実施例において、3つのインクYMCとブラックインクKとを組み合わせて色を再現することとしてもよい。このとき、ブラックインクKを吐出するノズルを、シアンノズル群Cngを構成するノズルよりも、副走査方向の上流側に位置するノズル(図6中で点線で囲まれている)の中から選択して用いることが好ましい。こうすれば、重ね順が最後となるインクが、最も色材の重量濃度の高いブラックインクKではなく、最も色材の重量濃度が低いシアンインクCとなるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。なお、この場合には、ブラックインクKも本発明における「混色用インク」に相当し、ブラックインクKを吐出するために選択された複数のノズルで構成されるノズル群も「混色用ノズル群」に相当する。ここで、ブラックインクKを吐出するノズルと、他のインク(イエロインクYやマゼンタインクM)を吐出するノズルとの副走査方向の位置が重なっている。従って、主走査の往動時と復動時とで4つの混色用インクKYMCのそれぞれを吐出すると、インクドットの重ねられる順序が異なる複数種類の画素が形成される。ただし、いずれの画素においても、最後に重ねられるインクは、色材の重量濃度が最も低いシアンインクCとなる。
D.第2実施例:
図8は、第2実施例における印刷ヘッド300aの下面のノズル配列を示す説明図である。図6に示す印刷ヘッド300との差異は、第1のノズル列NS11に、ブラックインクKを吐出する第1ブラックノズル群Knga1が追加されている点である。この第1ブラックノズル群Knga1は、モノクロ印刷時とカラー印刷時との両方で使用される。
印刷ヘッド300aの下面には、第1のノズル列NS11と第2のノズル列NS12とが、主走査方向に沿って並ぶように設けられている。第2のノズル列NS12の構成は、図6の例の第2のノズル列NS2の構成と同じである。具体的には、第2のノズル列NS12には、3つの有彩色インクYMCの、各インク用のノズル群Ynga、Mnga、Cngaが配列されている。3つのノズル群Ynga、Mnga、Cngaのノズル配置の構成は、図6の例の3つのノズル群Yng、Mng、Cngと同じである。
第1のノズル列NS11には、第1ブラックノズル群Knga1と、第2ブラックノズル群Knga2とが配列されている。第2ブラックノズル群Knga2は、図6の例のブラックノズル群Kngと同じ構成を有している。また、第1ブラックノズル群Knga1は、各ノズル群Ynga、Mnga、Cngaと同じノズル数とノズルピッチとを有しており、さらに、第2ブラックノズル群Knga2の上流側に配置されている。ここで、第1ブラックノズル群Knga1のノズルと第2ブラックノズル群Knga2のノズルとの副走査方向SSの最小間隔、すなわち、第1ブラックノズル群Knga1のノズルとイエロノズル群Yngaのノズルとの副走査方向SSの最小間隔は、第2のノズル列NS12における副走査方向に隣り合ったノズル群間でのノズルの最小間隔(図8の例ではD)と同じである。
第2実施例では、モノクロ印刷時には、第1のノズル列NS11(2つのブラックノズル群Knga1、Knga2)が用いられる。また、カラー印刷時には、第2のノズル列NS12と第1ブラックノズル群Knga1とが用いられる。カラー印刷時には、4つのインクKYMCを組み合わせることによって、色が再現される。従って、第2実施例では、4つのインクKYMCのそれぞれが、本発明における「混色用インク」に相当し、4つのノズル群Knga1、Ynga、Mnga、Cngahのそれぞれが「混色用ノズル群」に相当する。なお、上述したように、4つの混色用ノズル群Knga1、Ynga、Mnga、Cngaは、主走査方向MSに垂直な方向(副走査方向SS)について互いに重ならない位置に配置されている。
このような4つの混色用ノズル群Knga1、Ynga、Mnga、Cngaを用いて印刷を行う場合も、上述の第1実施例(図6、7)と同様に、全てのラスタラインのインクの重ね順を、主走査方向MSの上流側から下流側に向かう(紙送り方向に沿った)ノズル群の順序(Knga1、Ynga、Mnga、Cngaの順)と同じ、KYMCの順とすることができる。ここで、インクの重ね順KYMCは色材の重量濃度の高い順と同じであるので、色材の濃度がより高いインクが後から重ねられることを抑制し、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。なお、インクの重ね順は、図5で説明したように、これとは異なる他の順序を採用してもよい。
なお、第2実施例では、4つの混色用インクKYMCの全てが「特定の混色用インク」に相当する。また、副走査方向SSの最も下流側までノズルが配置されたシアンノズル群Cngaが「下端混色用ノズル群」に相当する。
ところで、第2実施例においては、ブラックインクKは反射濃度が最も高く、イエロインクYは反射濃度が最も低いインクである。ここで、反射濃度とは、インクによって再現される色の明るさを意味する。複数種類のインクの反射濃度を比較する場合には、同一の印刷媒体に等量ずつインクを吐出し、それぞれについて濃度計を用いて濃度を測定するという方法を用いることができる。その結果、より明度が低い色を再現するインクほど、より高い(濃い)反射濃度が得られる。
このような、反射濃度の差がより大きなインクドットが隣接する画素位置に形成される場合には、色のにじみがより目立ちやすい。第2実施例では、混色用インクのうちの、反射濃度が最も高いインク(この例ではブラックインクK)を吐出するノズル群Yngaと、反射濃度が最も低いインク(この例ではイエロインクY)を吐出するノズル群Knga1とが、副走査方向SSについて互いに重ならない位置に配置されている。その結果、反射濃度の差が最大となる2つのインク(この例ではブラックインクKとイエロインクY)のインクドットが、1回の主走査で隣接する画素位置に形成されることを抑制することができるので、色がにじむことを、効果的に抑制することができる。
E.第3実施例:
図9は、第3実施例における印刷ヘッド300bの下面のノズル配列を示す説明図である。上述した第1実施例の印刷ヘッド300(図6)との差異は、第3のノズル列NS23が設けられている点である。
印刷ヘッド300bの下面には、第1のノズル列NS21と、第2のノズル列NS22と、第3のノズル列NS23とが、主走査方向に沿って並ぶように設けられている。第1のノズル列NS21は、印刷ヘッド300(図6)の第1のノズル列NS1と同じ構成を有し、第2のノズル列NS22は、図6の第2のノズル列NS2と同じ構成を有している。すなわち、第1のノズル列NS21は、図6の第1のノズル列NS1のブラックノズル群Kngと同じ構成を有するブラックノズル群Kngbを有し、さらに、第2のノズル列NS22は、図6の第2のノズル列NS2の3つのノズル群Yng、Mng、Cngの各ノズル群と同じ構成を有する3つのノズル群Yngb、Mngb、Cngbを有している。
第3のノズル列NS23には、淡マゼンタノズル群LMngbと、淡シアンノズル群LCngbとが、この順序に、副走査方向SSの上流側から下流側に向かって(紙送り方向に沿って)配列されている。
淡マゼンタノズル群LMngbは、色材がマゼンタインクMと同じで重量濃度がより低い淡マゼンタインクLMを吐出し、淡シアンノズル群LCngbは、色材がシアンインクCと同じで重量濃度がより低い淡シアンインクLCを吐出する。ここで、2つの淡インクLM、LCの重量濃度は、同じ色材を用いたインクM、Cの半分(LM:3%、LC:2%)であることとしている。
また、2つのノズル群LMngb、LCngbは、第2のノズル列NS22の2つのノズル群Mngb、Cngbと、それぞれ、同数のノズルを有している。また、淡マゼンタノズル群LMngbの各ノズルは、副走査方向の位置がマゼンタノズル群Mngbのノズルと重なるように配置され、淡シアンノズル群LCngbの各ノズルは、副走査方向の位置がシアンノズル群Cngbのノズルと重なるように配置されている。その結果、淡マゼンタノズル群LMngbとマゼンタノズル群Mngbとは、ノズル群の副走査方向の位置が互いに重なることになり、さらに、淡シアンノズル群LCngbとシアンノズル群Cngbとは、ノズル群の副走査方向の位置が互いに重なることになる。
第3実施例では、カラー印刷時には、第2のノズル列NS22と第3のノズル列NS23とが用いられる。すなわち、カラー印刷時には、5つのインクY、M、LM、C、LCを組み合わせることによって、色が再現される。従って、第3実施例では、これら5つのインクのそれぞれが、本発明における「混色用インク」に相当し、これら5つのインクを吐出する5つのノズル群(Yngb、Mngb、LMngb、Cngb、LCngb)のそれぞれが、「混色用ノズル群」に相当する。
このような5つの混色用ノズル群を用いて印刷する場合も、上述の第1実施例(図6、7)と同様に、主走査の往動時と復動時とで、全ての混色用ノズル群を用いた双方向印刷を行うことができる。ただし、第3実施例では、混色用ノズル群の一部(ノズル群LMngb、Mngbの組み合わせと、ノズル群LCngb、Cngbの組み合わせ)が、副走査方向SSについて互いに重なる位置に配置されている。従って、全てのノズルが、1回の主走査において、それぞれのラスタライン上の全ての画素位置の画素を記録対象とする場合には、インクの重ね順が異なる2種類のラスタラインが記録されることになる。第1の重ね順は、淡マゼンタノズル群LMngbが往動時にインクを吐出し、淡シアンノズル群LCngbが復動時にインクを吐出する重ね順(Y、LM、M、C、LC)である。2つ目の重ね順は、第1の重ね順とは逆に、淡マゼンタノズル群LMngbが復動時にインクを吐出し、淡シアンノズル群LCngbが往動時にインクを吐出する重ね順(Y、M、LM、LC、C)である。
このように、第3実施例では、副走査方向SSの最も下流側までノズルが配置されたノズル群Cngb、LCngbが吐出するインクが、混色用インクの中の最も重量濃度が高いイエロインクYとは異なるインク(シアンインクCまたは淡シアンインクLC)である。従って、重ね順が最後となるインクを、シアンインクCまたは淡シアンインクLCとすることができるので、光沢の低下を抑制することができる。
また、図9の例では、複数の混色用ノズル群が副走査方向に沿って配列された2つのノズル列NS22、NS23において、ほぼ同一の色相を有するインクを吐出するノズル群同士(ノズル群LMngb、Mngbの組み合わせと、ノズル群LCngb、Cngbの組み合わせ)が、副走査方向について互いに重なるように配置されている。従って、主走査の往動時と復動時とでインクの重ね順が変わる場合であっても、色相がほぼ同じインクドット同士の重なる順序が往動時と復動時とで変わるだけである。その結果、重ね順が変わることによって色相が変化することを抑制することができる。
なお、図9の例では、5つの混色用インクの全てが「特定の混色用インク」に相当する。また、副走査方向SSの最も下流側までノズルが配置されたシアンノズル群Cngbと淡シアンノズル群LCngbとが、「下端混色用ノズル群」に相当する。従って、特定の混色用インクのうちの色材の重量濃度が最も低い淡シアンインクLCは、下端混色用ノズル群LCngbによって吐出されることになる。
ところで、上述の第1、第2、第3実施例(図6、8、9)においては、複数の混色用ノズル群が副走査方向に沿って配列されてノズル列を構成しているが、このようなノズル列を構成していなくてもよい。但し、複数の混色用ノズル群のうちの少なくとも一部を、ノズル列を構成するように配置すれば、印刷ヘッドの主走査方向に沿った大きさが大きくなることを抑制することができる。また、ノズル列の数を2以上とする場合には、ほぼ同一の色相を有するインクを吐出するノズル群同士が、副走査方向について互いに重なるように配置されることが好ましい。
また、複数の混色用ノズル群のうちの少なくとも一部が、副走査方向SSについて互いに重ならない位置に配置されていれば、主走査の往動時と復動時とで全ての混色用ノズル群を用いる場合でも、往動時と復動時とのインクを重ねる順序の変化が大きくなることを抑制することができる。このとき、副走査方向のより下流側までノズルが配置されたノズル群ほど、インクドットを後から重ねることができる。そこで、光沢の低下を抑制するためには、一般に、最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群(図6の例では、ノズル群Cng)が吐出するインクが、混色用インクの中の最も濃度が高いインク(図6の例では、イエロインクY)とは異なる他のインク(図6の例では、シアンインクC、マゼンタインクM)であることが好ましく、下端混色用ノズル群が吐出するインクが、最も重量濃度が低いインク(図6の例では、シアンインクC)であることが特に好ましく、上流側から下流側へ向かう配置順序が、吐出するインクの色材の重量濃度の高い順であることが最も好ましい。なお、これらは、後述する他の実施例においても同様である。
また、上述の第1、第2、第3実施例(図6、8、9)では、複数の混色用インクの全てを「特定の混色用インク」として採用しているが、この代わりに、他の組み合わせを「特定の混色用インク」として採用して、重ね順を設定することとしてもよい。
例えば、図9の例では、混色用インクとして、色がほぼ同じで、色材の重量濃度が異なる複数種類の同色インクを用いている。具体的には、シアンに関しては、シアンインクCと淡シアンインクLCとの2つの同色インクを用い、また、マゼンタに関しては、マゼンタインクMと淡マゼンタインクLMとの2つの同色インクを用いている。
ここで、混色用インクが有する複数の色(図9の例では、イエロ、マゼンタ、シアン)のそれぞれにおける、重量濃度が最も高いインク(図9の例では、イエロインクY、マゼンタインクM、シアンインクC。以下、「同色濃インク」と呼ぶ)を、「特定の混色用インク」として採用して、重ね順を設定することとしてもよい。色材の重量濃度がより高いインクは、光沢の低下に対する影響がより大きい。そこで、このような同色濃インクYMCのみについて、インクを重ねる順序を設定しても、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。
このように、同色濃インクのみについて重ね順を設定する場合には、同色濃インクの重量濃度のみに基づいて、重ね順を設定することができる。例えば、図9の例では、3つの同色濃インクYMCの重ね順を、3つの同色濃インクYMCの重量濃度のみに基づいて設定すればよい。ここで、重ね順としては、図5や第1実施例で説明したように、種々の順序を採用することができる。例えば、重ね順を、重量濃度の高い順YMCとしてもよく、YCMの順としてもよい。このとき、同色濃インクと異なる他のインク(図9の例では、淡シアンインクLCと淡マゼンタインクLM)に関しては、任意の順序で重ねることができる。
同様に、印刷ヘッド上でのノズル群の配置を設定する場合も、同色濃インクの重量濃度のみに基づいて、同色濃インクを吐出する混色用ノズル群(以下「同色濃ノズル群」と呼ぶ)の配置を設定することができる。例えば、図9の例では、3つの同色濃ノズル群Yngb、Mngb、Cngbの配列順序を、3つの同色濃インクYMCの重量濃度のみに基づいて設定すればよい。ここで、配列順序としては、第1実施例で説明したように、インクの重ね順に合わせた種々の順序を採用することができる。例えば、副走査方向SSの上流側から下流側へ向かうノズル群の順序を、「Yngb、Mngb、Cngb」としてもよく、「Mngb、Yngb、Cngb」としてもよい。このとき、他のインクを吐出するノズル群(図9の例では、淡マゼンタノズル群LMngbと淡シアンノズル群LCngb)に関しては、任意の位置に配置することができる。
なお、このような複数の同色濃インクは、混色用インクのうちの最も色材の重量濃度が高いインク(以下、「混色用最高濃度インク」と呼ぶ。図9の例では、イエロインクY)を含んでいる。その結果、同色濃インクについてのみ重ね順を設定しても、混色用最高濃度インクが後から重ねられることを抑制し、再現された色の光沢の低下を効果的に抑制することができる。
一般に、再現された色の光沢の低下を抑制するためには、混色用インクの少なくとも一部を構成する複数の特定の混色用インクの重ね順を設定することが好ましい。このとき、特定の混色用インクの重量濃度のみに基づいて、重ね順を設定することができる。また、特定の混色用インクが、複数の混色用インクのうちの重量濃度が最も高い混色用最高濃度インクを含む構成とすれば、混色用最高濃度インクが後から重ねられることを抑制し、再現された色の光沢の低下を効果的に抑制することができる。なお、これらは、後述する他の実施例でも同様である。
F.第4実施例:
図10は、第4実施例における印刷ヘッド300cの下面のノズル配列を示す説明図である。上述した第1〜第3の実施例の各印刷ヘッド300、300a、300b(図6、8、9)との差異は、双方向の主走査の復動時に用いる第1ノズル群セットNGS11と、往動時に用いる第2ノズル群セットNGS12とを備えている点である。
印刷ヘッド300cの右側には、第1ノズル群セットNGS11を構成する2つのノズル群Mngc、Cngcが、主走査の往動方向に沿って、この順序で配列されている。マゼンタノズル群MngcはマゼンタインクMを吐出し、シアンノズル群CngcはシアンインクCを吐出する。また、印刷ヘッド300cの左側には、第2ノズル群セットNGS12を構成する2つのノズル群Kngc、Yngcが、主走査の往動方向に沿って、この順序で配列されている。ブラックノズル群KngcはブラックインクKを吐出し、イエロノズル群YngcはイエロインクYを吐出する。また、第1ノズル群セットNGS11は、第2ノズル群セットNGS12が形成したインクドットの上からインクドットを形成する(詳細は後述)。
4つのノズル群Kngc、Yngc、Mngc、Cngcは、それぞれ、ノズル数とノズルピッチ(図10の例ではD)とが同じである。また、4つのノズル群Kngc、Yngc、Mngc、Cngcは、主走査の往動方向に沿って、この順に一列に配置されており、また、各ノズル群のノズルの副走査方向の位置が同じとなるように配置されている。
図11は、第4実施例における印刷ヘッド300cを用いた双方向印刷の一例を示す説明図である。第4実施例では、4つのインクKYMCの組み合わせによって色を再現している。従って、4つのインクKYMCのそれぞれが、本発明における「混色用インク」に相当し、4つのノズル群Kngc、Yngc、Mngc、Cngcのそれぞれが、「混色用ノズル群」に相当する。また、図11では、図10の印刷ヘッド300cにおいて、4つのノズル群Kngc、Yngc、Mngc、Cngcのそれぞれのノズル数が3つである場合の例を示している。
図11の例では、主走査の往動時には、ブラックノズル群Kngcとイエロノズル群Yngcとのみがインクドットを形成し、主走査の復動時には、マゼンタノズル群Mngcとシアンノズル群Cngcとのみがインクドットを形成する。また、主走査の往動の後には副走査が実行されず、主走査の復動の後にのみ副走査が実行される。その結果、それぞれのラスタラインは、2回の主走査(往動と復動)で記録されることとなる。なお、図11において、各パスでの印刷ヘッド300cには、使用されるノズル群のみが記されている。
m回目の主走査(往動)においては、ブラックノズル群Kngcとイエロノズル群Yngcとによって、ラスタライン番号n〜n+2のラスタラインの記録が行われる。このとき、インクドットが重ねられる順序はYKの順となる。m回目の主走査の後、副走査送りが実行されずに、m+1回目の主走査(復動)が実行される。m+1回目の主走査では、マゼンタノズル群Mngcとシアンノズル群Cngcとによって、同じラスタライン番号n〜n+2のラスタラインの記録が行われる。このとき、インクドットが重ねられる順序はMCの順となる。従って、ラスタライン番号n〜n+2のラスタラインにおいて、インクドットが重ねられる順序は、YKMCとなる。m+1回目の主走査の後、3ドットの送り量Fで副走査送りが実行され、m+2回目の主走査が実行される。以下、同様の動作を繰り返すことによって、画像の印刷を実行する。
このように、第4実施例では、印刷ヘッド300cが、主走査の復動時に使用する第1ノズル群セットNGS11と、往動時に使用する第2ノズル群セットNGS12とを備えているので、双方向印刷を行う場合でも、インクドットの重ね順を容易に設定することができる。また、第4実施例では、同じ画素位置に対して、第2ノズル群セットNGS12が先にインクを吐出し、第1ノズル群セットNGS11は後からインクを吐出する。ここで、混色用インクのうちの最も色材の重量濃度が高いインク(図10の例では、ブラックインクK)を吐出するブラックノズル群Kngcは、先にインクを吐出する第2ノズル群セットNGS12のみに設けられている。従って、インクの重ね順が最後となるインクは、最も重量濃度が高いインク(ブラックインクK)とは異なる他のインク(図11の例では、シアンインクC)となるので、再現された色の光沢の低下を抑制することができる。特に、図11の例では、重ね順が最後となるインクが、重量濃度が最も低いシアンインクCであるので、効果的に、光沢の低下を抑制することができる。
また、4つの混色用インクKYMCは、主走査の往動時と復動時とに分けて吐出されるので、1回の主走査で全ての混色用インクKYMCが共通のラスタライン上に吐出される場合と比べて、色がにじむことを抑制することができる。
なお、4つの混色用インクKYMCの重ね順は、図5で説明したように、図11に示したもの以外の種々のものを採用することができる。また、主走査の往動時に使用するノズル群と復動時に使用するノズル群との組み合わせや、印刷ヘッド300cにおける主走査方向に沿ったノズル群の配置順も、図11に示したもの以外の、インクの重ね順に合わせた種々のものを採用することができる。なお、第4実施例では、4つの混色用インクKYMCの全てが「特定の混色用インク」に相当する。
G.第5実施例:
図12は、第5実施例における印刷ヘッド300dの下面のノズル配列を示す説明図である。図10に示す印刷ヘッド300cとの差異は、2つのノズル群セットNGS1、NGS2のそれぞれが、4つの混色用インクKYMCの、各インク用の4つのノズル群を有している点である。
図12の印刷ヘッド300dの右側には、4つの混色インクKYMCの、各インク用のノズル群Kngd1、Yngd1、Mngd1、Cngd1が、主走査の往動方向に沿って、この順序に配列されている。これら4つのノズル群は、第1ノズル群セットNGS1を構成し、主走査の復動時にのみインクを吐出する。また、印刷ヘッド300dの左側には、4つの混色インクCMYKの、各インク用のノズル群Cngd2、Mngd2、Yngd2、Kngd2が、主走査の往動方向に沿って、この順序に配列されている。これら4つのノズル群は、第2ノズル群セットNGS2を構成し、主走査の往動時にのみインクを吐出する。
また、第1ノズル群セットNGS1と第2ノズル群セットNGS2とでは、主走査の往動方向に沿ったノズル群の順序、すなわち、混色用インクの種類の順序が逆となっている。さらに、これら8つのノズル群はそれぞれ、ノズル数とノズルピッチ(図12の例ではD)が同じである。さらに、8つのノズル群は、主走査方向にそって一列に配置されており、また、各ノズル群のノズルの副走査方向の位置が同じとなるように配置されている。また、第1ノズル群セットNGS1と第2ノズル群セットNGS2との8つのノズル群は、それぞれ「混色用ノズル群」に相当する。
第2ノズル群セットNGS2は、1回の主走査の往動時に、共通のラスタラインを記録する。従って、第2ノズル群セットNGS2によって記録されるラスタラインでは、インクドットの重ね順がKYMCの順となる。一方、第1ノズル群セットNGS1は、1回の主走査の復動時に、共通のラスタラインを記録する。従って、第1ノズル群セットNGS1によって記録されるラスタラインでは、インクドットの重ね順がKYMCの順となる。なお、印刷媒体上の各ラスタラインは、主走査の復動時の第1ノズル群セットNGS1と、往動時の第2ノズル群セットNGS2との、いずれかによって記録される。
このように、第5実施例では、第1と第2のノズル群セットNGS1、NGS2が、それぞれ、4つの混色用ノズル群を備えているので、高速な双方向印刷を行うことができる。また、全てのラスタラインでのインクドットの重ね順が、色材の重量濃度の高い順(KYMC)となるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。なお、インクの重ね順としては、図5で説明したように、他の順序を採用してもよい。
また、復動時にインクを吐出する第1ノズル群セットNGS1では、復動方向の上流側から下流側に向かう混色用ノズル群の配置の順序が、吐出するインクの色材の重量濃度の高い順であるので、インクドットの重ね順を容易に重量濃度の高い順に設定することができる。但し、ノズル群の配置の順序は、図12に示した以外の種々のものを採用することができる。ここで、第1実施例(図6)においては、副走査方向SSの上流側から下流側に向かう混色用ノズル群の配置の順序を色材濃度に基づいて設定しているが、これと同様に、復動方向の上流側から下流側に向かう混色用ノズル群の配置の順序を設定することができる。こうすれば、再現された色の光沢の低下を抑制するインクドットの重ね順を容易に実現することができる。また、往動時にインクを吐出する第2ノズル群セットNGS2についても同様に、往動方向の上流側から下流側に向かう混色用ノズル群の配置の順序を設定することができる。ここで、第2ノズル群セットNGS2での混色用ノズル群の往動方向に沿った配列の順序を、第1ノズル群セットNGS1での同じ方向(往動方向)に沿った順序と逆の順序とすることが好ましい。こうすれば、全てのラスタラインにおけるインクの重ね順を同じとすることができるので、インクの重なる順が異なる領域が生じて、色ムラとして認識されることを防止することができる。
なお、図12の印刷ヘッド300dにおいて、2つのブラックノズル群Kngd1、Kngd2の一方を省略し、他方を、2つのノズル群セットNGS1、NGS2で共通に用いることとしてもよい。この場合も、図12の例と同じ印刷を行うことができる。このように、第1と第2のノズル群セットで、一部のノズル群を共通に用いることとしてもよい。
また、印刷ヘッド300dにおいて、第1ノズル群セットNGS1の複数のノズル群は、主走査方向MSに沿って隣り合っていなくてもよく、同様に、第2ノズル群セットNGS2の複数のノズル群についても、主走査方向MSに沿って隣り合っていなくてもよい。例えば、第1ノズル群セットNGS1のノズル群と、第2ノズル群セットNGS2のノズル群とが、主走査方向MSに沿って、交互に並ぶ構成としてもよい。また、第1ノズル群セットNGS1と第2ノズル群セットNGS2とで、ノズルの副走査方向SSの位置が異なっていてもよい。なお、第5実施例では、4つの混色用インクKYMCの全てが「特定の混色用インク」に相当する。
H.第6実施例:
図13は、第6実施例における印刷ヘッド300eの下面のノズル配列を示す説明図である。上述の図10、11、12の例との差異は、2つのノズル群セットを設ける代わりに、4つの混色用インクMYKCの、各インク用の混色用ノズル群Mnge、Ynge、Knge、Cngeを設け、これら4つのノズル群を主走査の往動時と復動時とで、共通に用いている点である。
印刷ヘッド300eには、4つの混色用ノズル群Mnge、Ynge、Knge、Cngeが、主走査の往動方向に沿って、この順序に一列に配列されている。4つのノズル群のノズル配置の構成は、図10の印刷ヘッド300cと同じである。印刷ヘッド300cとの差異は、ノズル群の主走査方向に沿った配置の順序、すなわち、吐出するインクの配置順序が異なる点のみである。
図14は、第6実施例における印刷ヘッド300eを用いた双方向印刷の一例を示す説明図である。図14では、図13の印刷ヘッド300eにおいて、4つのノズル群Mnge、Ynge、Knge、Cngeのそれぞれのノズル数が3つである場合の例を示している。
図14の例では、主走査の往動時と復動時とで、全ての混色用ノズル群がインクドットを形成する。m回目の主走査(往動)においては、4つのノズル群Mnge、Ynge、Knge、Cngeによって、ラスタライン番号n〜n+2のラスタラインの記録が行われる。このとき、インクドットの重ね順はCKYMの順となる。m回目の主走査の後、3ドットの送り量での副走査送りが実行され、m+1回目の主走査(復動)が実行される。m+1回目の主走査においては、4つのノズル群Mnge、Ynge、Knge、Cngeによって、ラスタライン番号n+3〜n+5のラスタラインの記録が行われる。このとき、インクドットの重ね順は、往動時での順序とは逆の、MYKC順となる。m+1回目の主走査の後、3ドットの送り量での副走査送りが実行される。以下、同様の動作を繰り返すことによって、画像の印刷を実行する。
このように、第6実施例では、印刷ヘッド300eにおいて、4つの混色用インクMYKCのそれぞれが、主走査の往動時と復動時とで吐出されるので、高速な双方向印刷を行うことができる。また、インクドットの重ね順が異なる2種類のラスタラインが記録されるが、いずれの重ね順においても、重ね順が最後となるインクが、重量濃度が最も低い2つのインクC、Mのいずれかとなるので、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。ここで、印刷ヘッド300eにおいて、主走査方向に沿って配列された4つのノズル群のうちの両端に位置する2つのノズル群(Mnge、Cnge)が、重量濃度が最も低い2つのインクC、Mのいずれかを吐出するので、このようなインクの重ね順を容易に実現することができる。なお、第6実施例では、4つの混色用インクMYKCの全てが「特定の混色用インク」に相当する。
一般に、双方向の主走査の往動時と復動時とで利用する複数の混色用ノズル群が主走査方向にそって一列に配列されている場合には、両端に位置する2つのノズル群のそれぞれが、重量濃度が最も高いインク(図14の例では、ブラックインクK)とは異なる他のインクを吐出することが好ましい。こうすれば、重ね順が最後となるインクが重量濃度の最も高いインクとは異なる他のインクである重ね順を容易に実現することができる。さらに、重量濃度が最も低い2つのインク(図14の例では、シアンインクCとマゼンタインクM)が、両端に位置する2つのノズル群によって吐出される構成であれば、重ね順が最後となるインクを、最も重量濃度が低い2つのインクのいずれかとすることが容易となる。
なお、上述した各実施例のような、種々のインクドットの記録状態や、重ねられる順序は、印刷データ生成モジュール100(図1)が生成する印刷データPDによって制御されている。また、インクドットを重ねる順序は、印刷データ生成モジュール100内に予め設定されている。すなわち、印刷データ生成モジュール100は、インクドットを重ねる順序が予め設定された順となるように印刷データを生成し、プリンタ20が、印刷データに従って印刷を実行することによって、上述したような種々の色再現が行われる。
I.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
I1.変形例1:
上述の第4、5、6実施例(図10、12、13)においては、複数の混色用ノズル群が主走査方向に沿って1列に配列されているが、1列の配列されていなくてもよい。換言すれば、各ノズル群を構成する複数のノズルの副走査方向に沿った位置が、ノズル群毎に異なっていても良い。但し、複数の混色用ノズル群のうちの少なくとも一部が、主走査方向に沿って1列に配置されていれば、印刷ヘッドの副走査方向に沿った大きさの小型化を図ることができる。また、インクドットの重ね順としても、図5で説明したように、種々の順序を採用することができる。また、図9で説明したように、複数の混色用インクの全てとは異なる他の組み合わせを「特定の混色用インク」として採用して、重ね順を設定することとしてもよい。ここで、図12のように、第1と第2のノズル群セットを備える印刷ヘッドを用いる場合には、第1と第2のノズル群セットのそれぞれが、複数の特定の混色用インクの、各インク用のノズル群を備えることが好ましい。
I2.変形例2:
上述の各実施例において、各ノズル群が有するノズル数や、各ノズル群における副走査方向SSに沿ったノズルピッチ、副走査送り量F、副走査方向に隣り合ったノズル群間でのノズルの最小間隔は、例示に過ぎず、これとは異なる値を採用してもよい。また、1つのラスタライン内の複数の画素に関し、同一のインクのインクドットを複数のノズルで分担して形成するオーバーラップ印刷を行ってもよい。
I3.変形例3:
上述の各実施例では、インクを重ねる順を色材の重量濃度に基づいて設定しているが、この代わりに、インクの鏡面光沢度に基づいて重ねる順を設定してもよい。この場合には、図4、5で説明したように、鏡面光沢度の高いインクを優先的に後から重ねるようにすれば、再現された色の光沢が低下することを抑制することができる。例えば、以下のような鏡面光沢度を有する4つの混色用インクを用いる場合を考える。
(i)ブラックインク:0.61。
(ii)イエロインク:5.31。
(iii)マゼンタインク:2.03。
(iv)シアンインク:8.84。
この場合には、重ね順が最後となるインクを、鏡面光沢度の最も低いブラックインクとは異なる他のインクとすることが好ましく、鏡面光沢度の最も高いシアンインクとすることが特に好ましい。さらに、重ね順を、鏡面光沢度の低い順である「ブラック、マゼンタ、イエロ、シアン」とすれば、効果的に光沢の低下を抑制することができる。
また、上述の各実施例のように、印刷ヘッドにおける複数の混色用ノズル群の配置を、複数の混色用インクのそれぞれの鏡面光沢度に基づいて決定してもよい。このとき、混色用インクの重量濃度に基づいた混色用ノズル群の配置と同様に、鏡面光沢度に基づいて混色用ノズル群の配置を決めることができる。
また、混色用インクとして、色がほぼ同じで鏡面光沢度が異なる複数種類の同色インクを用いる場合がある。例えば、以下のような鏡面光沢度を有する5つの混色用インクを用いる場合を考える。
(i)ブラックインク:0.61。
(ii)イエロインク:5.31。
(iii)マゼンタインク:2.03。
(iv)淡マゼンタインク:3.00。
(v)シアンインク:8.84。
ここで、淡マゼンタインクは、色相がマゼンタインクとほぼ同じで、反射濃度がマゼンタインクよりも低い(明るい)インクである。この場合には、混色用インクが有する複数の色(この例では、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)のそれぞれにおける、光沢度が最も低い同色低光沢インク(この例では、ブラックインク、イエロインク、マゼンタインク、シアンインク)のみを「特定の混色用インク」として採用し、これらの同色低光沢インクのみについて、インクの重ね順やノズル群の配置順を設定することとしてもよい。なお、「特定の混色用インク」が、複数の混色用インクのうちの鏡面光沢度が最も低い混色用最低光沢度インク(この例ではブラックインク)を含む構成とすれば、混色用最低光沢度インクが後から重ねられることを抑制し、再現された色の光沢の低下を効果的に抑制することができる。
I4.変形例4:
上述の各実施例において、インクドットが重ねて形成され得る混色用インクとしては、K、Y、M、C、LM、LCに限定されるものではなく、他の種類のインクを用いてもよい。例えば、レッドインクRやブルーインクB、バイオレットインクV等の複数種類のインクを組み合わせて色を再現することとしてもよい。また、混色用インクの種類数を、より多くしてもよく、逆に、より少なくしてもよい。また、上述の各実施例におけるインクの重量濃度や鏡面光沢度は、例示に過ぎず、これとは異なる重量濃度や鏡面光沢度を有するインクを用いてもよい。
I5.変形例5:
上述の各実施例では、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成される場合には、これらのインクドットが同一の画素位置に形成されているが、必ずしも、同一の画素位置に形成されている必要はない。例えば、1つのインクドットの少なくとも一部が、異なる画素位置に形成された他のインクのインクドットと重なっていてもよい。このように、インクドットの一部を重ねて色を再現する場合も、インクドットの重ね順を鏡面光沢度や色材の重量濃度を考慮して設定すれば、光沢の低下を抑制することができる。ただし、インクドットが重なる順序が光沢に与える影響は、インクドットが同一の画素位置に重ねて形成される場合が最も強い。従って、2種類以上のインクのインクドットが同一の画素位置に重ねて形成される場合のインクドットが重なる順序を、鏡面光沢度や色材の重量濃度を考慮して設定すれば、光沢の低下を、効果的に抑制することができる。
I6.変形例6:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、プリンタドライバ96(図1)の機能の一部を、プリンタ20内の制御回路40(図3)が実行するようにすることも可能である。
I7.変形例7:
色材としての染料は、通常は、印刷媒体の中に浸透するので、インクが吐出された領域の表面が凸凹になりにくい。ところが、染料の重量濃度が高くなると、印刷媒体の表面でインクが乾燥するまでの間に染料が凝集し、印刷媒体の中に浸透せずに印刷媒体の表面の留まる場合がある。従って、色材として染料を用いる場合にも、本発明を適用することができる。
I8.変形例8:
上述の各実施例において、複数の混色用ノズル群は、それぞれ、副走査方向の幅が同一であり、同数のノズルを有していることが好ましい。こうすれば、複数種類のインクドットを重ねて形成する場合でも、各インクドットの形成に用いるノズルを、容易に決定することができる。
本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。 プリンタ20の概略構成図である。 制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。 印刷媒体上に再現された色の光沢を説明する概略図である。 印刷媒体上に複数のインクを重ねて吐出した場合の再現された色の光沢を説明する概略図である。 第1実施例における印刷ヘッド300の下面のノズル配列を示す説明図である。 第1実施例における印刷ヘッド300を用いたカラー印刷の一例を示す説明図である。 第2実施例における印刷ヘッド300aの下面のノズル配列を示す説明図である。 第3実施例における印刷ヘッド300bの下面のノズル配列を示す説明図である。 第4実施例における印刷ヘッド300cの下面のノズル配列を示す説明図である。 第4実施例における印刷ヘッド300cを用いた双方向印刷の一例を示す説明図である。 第5実施例における印刷ヘッド300dの下面のノズル配列を示す説明図である。 第6実施例における印刷ヘッド300eの下面のノズル配列を示す説明図である。 第6実施例における印刷ヘッド300eを用いた双方向印刷の一例を示す説明図である。
符号の説明
20...プリンタ
22...紙送りモータ
24...キャリッジモータ
26...プラテン
30...キャリッジ
32...操作パネル
34...摺動軸
36...駆動ベルト
38...プーリ
39...位置センサ
40...制御回路
41...CPU
43...プログラマブルROM(PROM)
44...RAM
45...キャラクタジェネレータ
50...I/F専用回路
52...ヘッド駆動回路
54a...副走査駆動回路
54b...主走査駆動回路
56...コネクタ
60...印刷ヘッドユニット
70...インクカートリッジ
90...コンピュータ
91...ビデオドライバ
95...アプリケーションプログラム
96...プリンタドライバ
97...解像度変換モジュール
98...色変換モジュール
99...ハーフトーンモジュール
100...印刷データ生成モジュール
LUT...ルックアップテーブル
300、300a、300b、300c、300d、300e...印刷ヘッド
I...入射光
CM1...色材
CM2...色材
Nz...ノズル
P...印刷用紙
PD...印刷データ
PM...印刷媒体
K...ブラックインク
Y...イエロインク
M...マゼンタインク
C...シアンインク
LM...淡マゼンタインク
LC...淡シアンインク
NS1...第1のノズル列
NS2...第2のノズル列
Kng、Kngb、Kngc、Kngd1、Kngd2、Knge...ブラックノズル群
Knga1...第1ブラックノズル群
Knga2...第2ブラックノズル群
Yng、Ynga、Yngb、Yngc、Yngd1、Yngd2、Ynge...イエロノズル群
Mng、Mnga、Mngb、Mngc、Mngd1、Mngd2、Mnge...マゼンタノズル群
Cng、Cnga、Cngb、Cngc、Cngd1、Cngd2、Cnge...シアンノズル群
LMngb...淡マゼンタノズル群
LCngb...淡シアンノズル群
NS11、NS21...第1のノズル列
NS12、NS22...第2のノズル列
NS23...第3のノズル列

Claims (24)

  1. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、
    前記主走査の最中に前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、
    を備え、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (a)前記複数のノズル群のうちの、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクのそれぞれを吐出する複数の混色用ノズル群の少なくとも一部は、主走査方向に垂直な方向について互いに重ならない位置に配置されており、
    (b)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群は、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクを吐出する、
    印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (c)前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も低いインクは、前記下端混色用ノズル群によって吐出される、印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (d)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群は、副走査方向のより下流側までノズルが配置されたノズル群ほど、前記色材の濃度がより低いインクを吐出する、印刷装置。
  4. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、
    前記主走査の最中に前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、
    を備え、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (a)前記複数のノズル群のうちの、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクのそれぞれを吐出する複数の混色用ノズル群の少なくとも一部は、主走査方向に垂直な方向について互いに重ならない位置に配置されており、
    (b)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群のうちの、副走査方向の最も下流側までノズルが配置された下端混色用ノズル群は、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクを吐出する、
    印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (c)前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記光沢度が最も高いインクは、前記下端混色用ノズル群によって吐出される、印刷装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドにおいて、
    (d)前記複数種類の特定の混色用インクを吐出する複数の混色用ノズル群は、副走査方向のより下流側までノズルが配置されたノズル群ほど、前記光沢度がより高いインクを吐出する、印刷装置。
  7. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、
    前記印刷データ生成部は、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、
    (b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する、
    印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記所定の順序が最後のインクは、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も低いインクである、
    印刷装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の印刷装置であって、
    前記所定の順序は、前記色材の濃度が高い順序である、
    印刷装置。
  10. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷装置であって、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、
    前記印刷データ生成部は、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、
    (b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるように、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する、
    印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置であって、
    前記所定の順序が最後のインクは、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記光沢度が最も高いインクである、
    印刷装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の印刷装置であって、
    前記所定の順序は、前記光沢度が低い順序である、
    印刷装置。
  13. 請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドにおいて、前記複数のノズル群は、主走査方向に沿って配列されている、
    印刷装置。
  14. 請求項1ないし請求項3、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクを含む、
    印刷装置。
  15. 請求項14に記載の印刷装置であって、
    前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、前記色材の濃度が最も高い同色濃インクである、
    印刷装置。
  16. 請求項4ないし請求項6、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクのうちの前記光沢度が最も低いインクを含む、
    印刷装置。
  17. 請求項16に記載の印刷装置であって、
    前記複数種類の特定の混色用インクは、前記複数種類の混色用インクが有する複数の色のそれぞれにおける、前記光沢度が最も低い同色低光沢インクである、
    印刷装置。
  18. 請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記複数種類の特定の混色用インクのそれぞれが含む色材は、顔料である、印刷装置。
  19. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷部に供給する印刷データを生成する印刷制御装置であって、
    前記印刷部は、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、を備え、
    前記印刷制御装置は、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部を備え、
    前記印刷データ生成部は、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、
    (b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する、
    印刷制御装置。
  20. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷部に供給する印刷データを生成する印刷制御装置であって、
    前記印刷部は、
    色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
    前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動部と、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えるために前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を移動させる走査部と、を備え、
    前記印刷制御装置は、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御するための印刷データを生成する印刷データ生成部を備え、
    前記印刷データ生成部は、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、
    (b)さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるように、
    前記ヘッド駆動部と前記走査部との動作を制御する印刷データを生成する、
    印刷制御装置。
  21. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷方法であって、
    (a)色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドを準備する工程と、
    (b)前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えつつ、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させる工程と、
    を備え、
    前記工程(b)では、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように、インクが吐出される、
    印刷方法。
  22. 印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷方法であって、
    (a)色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドを準備する工程と、
    (b)前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との相対的な位置を変えつつ、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動してインクを吐出させる工程と、
    を備え、
    前記工程(b)では、インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるように、インクが吐出される、
    印刷方法。
  23. 色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドと印刷媒体との相対的な位置を変えつつ、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動して前記印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷部に、供給すべき印刷データを生成するための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの前記色材の濃度が最も高いインクとは異なる他のインクとなるように前記印刷部にインクドットを形成させる印刷データを生成する機能を、
    前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
  24. 色材を含む複数種類のインクのそれぞれを吐出する複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドと印刷媒体との相対的な位置を変えつつ、前記複数のノズル群を構成する複数のノズルの少なくとも一部を駆動して前記印刷媒体上にインクを吐出してインクドットを形成することによって画像を再現する印刷部に、供給すべき印刷データを生成するための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)インクドットが他のインクのインクドットと重ねて形成され得る複数種類の混色用インクの少なくとも一部の複数種類の特定の混色用インクが、所定の順序に従って重ねられ、さらに、前記所定の順序が最後のインクが、前記複数種類の特定の混色用インクのうちの、前記印刷媒体上にインクを吐出した領域の光沢の強さを示す光沢度が最も低いインクとは異なる他のインクとなるように前記印刷部にインクドットを形成させる印刷データを生成する機能を、
    前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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