JP3502321B2 - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクジェット画像形成装置

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JP3502321B2
JP3502321B2 JP2000041283A JP2000041283A JP3502321B2 JP 3502321 B2 JP3502321 B2 JP 3502321B2 JP 2000041283 A JP2000041283 A JP 2000041283A JP 2000041283 A JP2000041283 A JP 2000041283A JP 3502321 B2 JP3502321 B2 JP 3502321B2
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drying
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速乾性インク及び
遅乾性インクを併用したインクジェット画像形成装置に
係る。特に、本発明は、連続給紙される記録用紙に対し
て順に画像形成を行う場合に、画像形成後の記録用紙同
士の接触による汚れの発生を防止するための改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、インクジェット方式の画像形
成装置(以下、インクジェットプリンタと称す)では、
画質向上や乾燥時間短縮のために、種々のドット形成方
法の改善が検討されている。
【0003】例えば特開平5−330086号公報に
は、黒色の再現性は高いが乾燥に時間がかかる遅乾性の
黒インクと、乾燥は速いが印字濃度が薄い速乾性の黒イ
ンクとを併用して画像形成を行う場合のドット形成方法
の改良について開示されている。つまり、黒ドットを形
成すべき領域に隣接してカラードットが形成される場合
には、その境界領域を速乾性の黒インク、またはC(シ
アン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のインクを重
ねて形成し、他の領域を遅乾性の黒インクで形成するよ
うにしている。これにより、黒色の再現性の向上と、黒
ドットとカラードットとの境界で発生するにじみの抑制
を実現している。
【0004】また、特開平7−149036号公報に
は、記録用紙への浸透性が低い黒インクと、浸透性が高
い上記C,M,Yの各インクとを用いた技術が開示され
ている。 すなわち、黒ドットを形成すべき領域に隣接し
てカラードットの領域が形成される場合に、黒ドット領
域内の黒ドットを間引いて、代わりにカラードットを形
成する(千鳥ドット)ようにしている。また、カラード
ットを黒ドット領域の下地に形成しておいて、黒ドット
をカラードットに重ねて形成することも示されている。
これにより、黒ドット領域とカラードット領域との境界
で発生するにじみを防止するとともに、黒ドットの乾燥
時間を短縮している。また、特開平8−197831号
公報にも同様の技術が開示されている。
【0005】更に、特開平5−338136号公報に
は、形成する画像における黒ドットが占める割合と、画
像形成時の周囲温度とを検知し、それらに基づいてイン
クが付与された記録用紙の搬送速度を変化させることに
より、記録用紙でのインクの乾燥を確実に行うようにし
た技術が開示されている。
【0006】一方、上記のようなプリント方法の改善と
は別に、ハロゲンランプによる加熱などの乾燥手段を設
けることにより、インクの乾燥時間を短縮する技術も多
数提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
5−330086号公報に開示された技術では、黒ドッ
ト密度が大きくなる領域(以下、黒べた領域と称す)の
形成において、次の様な課題がある。
【0008】すなわち、画質の向上のために、黒の再現
性が高い遅乾性の黒インクによって黒べた領域を形成し
ているため、黒インクの乾燥不足によりプリント物に汚
れや裏移りなどを生じさせてしまう。これは、黒ドット
密度と乾燥時間との間には相関があり、例えば10ポイ
ント以上の文字や0.5ポイント以上の線や点のよう
に、黒ドット密度が大きく、かつ、その面積がある程度
を越える黒べた領域では乾燥時間が長くなるためであ
る。
【0009】特に、インクジェットプリンタでは、プリ
ント後に各記録用紙を排紙トレイ上に重ね合わせて排出
しているため、排紙トレイ上で記録用紙上のインクが他
の記録用紙に擦れ合って汚れが発生してしまう可能性が
ある。画像の乾燥を早めるためには、黒べた領域を速乾
性の黒インクで形成することが考えられるが、これで
は、黒の再現性が低いために画質の低下を招いてしま
う。
【0010】また、特開平7−149036号公報およ
び特開平8−197831号公報に開示された技術で
は、上記の不具合に加えて、黒ドット領域内の境界領域
にカラードット、すなわちY,M,Cの単色が混在する
ことによる、黒色の画質劣化といった課題が生じる。ま
た、この公報には黒ドット密度が高い場合に乾燥時間を
短縮する方法についての開示はない。
【0011】また、特開平5−338136号公報に開
示された技術では、黒ドット密度と周囲温度を考慮して
いるものの、それらに基づいて乾燥時間を調整するにと
どまっており、形成する画像や周囲温度によって、画像
形成速度が低下することがあるという不具合が生じる。
つまり、この技術は、乾燥時間を積極的に短縮するもの
ではない。
【0012】ここで、ドット面積率と乾燥時間とは相関
があり、画質確保のため遅乾性の黒インクを用いると、
黒ドットの面積率が高いとき(黒べた印字のとき)乾燥
不足により汚れや裏移りが発生し画質が劣化する。
【0013】以上のように、上記の従来技術において
は、画像形成において、黒べた領域の乾燥に関して上記
の不具合が生じてしまい、未だ改善の余地が残されてい
る。
【0014】一方、上記の乾燥手段を設ける技術にあっ
ては、装置構成が複雑になることに加えて、乾燥手段で
消費される電力が大きく、消費電力が増大するという課
題がある。
【0015】 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、乾燥手段を必要と
することなしに、画質劣化を抑制しつつ、ドット密度の
高い領域を効率良く乾燥させることができるインクジェ
ット方式の画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するために、本発明は、速乾性インクと
遅乾性インクとを併用して画像形成を行う際に、各イン
クの比率によってインク全体の乾燥時間が異なることに
着目し、先に排出された記録用紙上のインクが乾燥した
後に次の記録用紙が排出されるように、各インクの比率
を調整するものである。
【0017】
【0018】
【0019】 −解決手段− 具体的に、本発明は、速乾性のカラーインク及び遅乾性
の黒インクを併用し、連続給紙される複数枚の記録用紙
上面に上記各インクによる所定の画像形成を連続して行
い、先に排出された記録用紙上に次の記録用紙を重ねて
排出するインクジェット画像形成装置として、乾燥時間
認識手段、画像形成時間認識手段及び比率調整手段を備
えさせている。先ず、印字速度を優先するモード、画質
を優先するモード、これら各モードの中間的なモードが
設定可能であり、乾燥時間認識手段は、設定されたモー
ドと1枚の記録用紙の印字面積率とに基づき、先に排出
される記録用紙上のインクの乾燥時間を認識するもので
ある。画像形成時間認識手段は、先に排出される記録用
紙の画像形成に続いて画像形成される次の記録用紙の画
像形成に要する時間を認識するものである。比率調整手
段は、上記乾燥時間認識手段及び画像形成時間認識手段
の出力を受け、上記乾燥時間が上記画像形成に要する時
間以下になるように、記録用紙上における画像形成の速
乾性のカラーインクと遅乾性の黒インクとの面積比率を
調整するものである。
【0020】この特定事項により、乾燥時間認識手段に
よって得られたインクの乾燥時間と、画像形成時間認識
手段によって得られた次の記録用紙の画像形成時間とに
より、比率調整手段は、先に排出された記録用紙上のイ
ンクが完全に乾燥した後に、次の記録用紙の排出が行わ
れるように各インクの比率を調整する。このため、本装
置で画像形成される各記録用紙は、他の記録用紙との接
触によって汚れてしまうことがない。
【0021】各インクによるドットの形成状態として、
記録用紙上に速乾性インクが付された後、その同一位置
に遅乾性インクが付されて画像形成が行われるようにし
ている。
【0022】このように、先に速乾性インクを記録用紙
上に付した場合、遅乾性インクの記録用紙への浸透性が
高まり、ドットを形成するインクの乾燥時間が短縮され
ることになる。このため、上記乾燥時間認識手段で認識
される記録用紙上のインクの乾燥時間が短縮し、画像形
成時間を短くしても、先に排出された記録用紙上のイン
クが完全に乾燥した後に、次の記録用紙の排出を行うこ
とができる。その結果、単位時間当たりの画像形成を行
うことができる記録用紙の枚数を増加させることがで
き、画像形成装置の高速化を図ることができる。
【0023】
【0024】また、比率調整手段による各インクの比率
調整の最適化を図ったものとして、乾燥時間と画像形成
に要する時間とが一致するように速乾性インクと遅乾性
インクとの比率を調整することが掲げられる。
【0025】この特定事項によれば、先に排出された記
録用紙上のインクが完全に乾燥した後に次の記録用紙の
排出を行うといった動作を確保しながらも、できるだけ
遅乾性インクの比率を大きくすることができる。この遅
乾性インクは速乾性インクに比べて色の再現性が良い。
つまり、この特定事項により記録用紙の汚れ防止と色の
再現性の確保とを両立することができる。
【0026】具体的な記録用紙に対する画像形成動作と
して、連続給紙される複数枚の記録用紙に対して同一の
画像を形成する場合と、連続給紙される複数枚の記録用
紙に対して互いに異なる画像を形成する場合とが掲げら
れる。前者の場合、比率調整手段は、各記録用紙に対し
て画像形成の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調
整することになる。一方、後者の場合、比率調整手段
は、先に排出される記録用紙上のインクの乾燥時間が、
次の記録用紙の画像形成に要する時間以下になるよう
に、上記先に排出される記録用紙に対する画像形成の速
乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整することにな
る。
【0027】前者の場合、連続給紙される記録用紙の画
像形成時間は不変である。このため、各記録用紙が一定
時間間隔で排紙されるように、各記録用紙に対する速乾
性インクと遅乾性インクとの比率を調整している。一
方、後者の場合、連続給紙される記録用紙の画像形成に
要する時間は形成される画像に応じて記録用紙毎に異な
っている。このため、先に排出される記録用紙上のイン
クの乾燥時間が、次の記録用紙の画像形成時間以下にな
るように、上記先に排出される記録用紙に対する画像形
成の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整してい
る。言い換えると、次の記録用紙に形成される画像の情
報を予め認識しておき、この情報に基づいて次の記録用
紙の画像形成時間を認識する。そして、この記録用紙が
排出される前に、先に排出された記録用紙上のインクが
乾燥するように、この先に排出される記録用紙に対する
速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整している。
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】−装置の全体構成− 先ず、本実施形態に係るカラーインクジェットプリンタ
1の構成を図1および図2に基づいて説明する。図1は
カラーインクジェットプリンタ1の外観を示す斜視図で
ある。図2はカラーインクジェットプリンタ1の内部構
造を示す図である。
【0032】本カラーインクジェットプリンタ1は、キ
ャビネット2の前面側(図1における右側の面)に給紙
トレイ3が備えられ、また、この前面側における給紙ト
レイ3の上方に排紙トレイ4が備えられている。給紙ト
レイ3上には、載置された記録用紙Pの給紙位置を位置
決めするための位置決め部材31が設けられている。
【0033】一方、図2に示すように、キャビネット2
の内部には、給紙トレイ3から排紙トレイ4に亘って、
ピックアップローラ11、給紙ローラ12、略U型の搬
送路13、PSローラ14、インクタンク15及びイン
クヘッド16を備えたインクキャリッジ17、排紙ロー
ラ18が順に設けられている。また、本カラーインクジ
ェットプリンタ1は各部を制御する制御装置5を有して
いる。尚、以下に説明するカラーインクジェットプリン
タ1での処理および動作は、特に断らない限り制御装置
5が制御するものとする。
【0034】プリント動作が開始されると、先ず、給紙
トレイ3に収納されている記録用紙Pの1枚がピックア
ップローラ11により取り出され、給紙ローラ12によ
り搬送路13に導かれる。その後、この記録用紙Pは、
インクキャリッジ17に対向する画像形成位置19に搬
送される。そして、記録用紙Pが画像形成位置19を通
過する際に、記録用紙Pの位置および後述するプリント
データに基づいてインクキャリッジ17のインクヘッド
16からインクが吐出されることにより、記録用紙Pに
対して画像形成が行われる。具体的には、記録用紙Pが
画像形成位置19まで搬送されると、インクキャリッジ
17が、図2の紙面鉛直方向に移動しながらインクヘッ
ド16からインクを吐出し、これによって記録用紙Pへ
の画像形成を行っていく。インクキャリッジ17が記録
用紙Pの一端部まで移動すると、記録用紙Pを所定量だ
け移動(搬送)させた後、停止させる。そして、再びイ
ンクキャリッジ17が図2の紙面鉛直方向に移動しなが
ら画像形成が行われる。このようにして、インクキャリ
ッジ17による画像形成動作と、記録用紙Pの送り動作
とが交互に行われて記録用紙P全体への画像形成が行わ
れる。
【0035】表面に画像が形成された記録用紙Pは、排
紙ローラ18によって排紙トレイ4に向かって排出され
る。これにより、所定の画像形成が行われた記録用紙P
が排紙トレイ4にフェースアップ状態(画像形成面が上
向きの状態)で排出される。
【0036】次に、図3に基づいて、本カラーインクジ
ェットプリンタ1における方向を定義する。図3に示す
ように、画像形成位置19における記録用紙Pに対する
法線方向をz方向、画像形成位置19における記録用紙
Pの移動方向(図中矢印A方向)をy方向、これらz方
向およびy方向に対して直交する方向をx方向とする。
これらの各方向は、図2および図3において共通の方向
を指すものとする。
【0037】−インクヘッド構成及びドットの定義− 次に、インクヘッド16の構成を図3に基づいて説明す
る。図3は、インクヘッド16を上から見たとき(イン
クヘッド16から記録用紙Pに向かう方向に見たとき)
のノズル16a,16a,…の配置を示す配置図である。
【0038】インクヘッド16は、ブラックヘッド・ブ
ロック16A及びカラーヘッド・ブロック16Bから構
成されている。カラーヘッド・ブロック16Bには、シ
アン(C) 、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各
色にそれぞれ対応するシアンヘッド16C、マゼンタヘ
ッド16Mおよびイエローヘツド16Yが設けられてい
る。
【0039】そして、各ヘッド16A,16C,16M,
16Yは、例えば、それぞれのインクを吐出するための
64個のノズル16a,16a,…を有しており、600
dpiの解像度となっている。
【0040】各ブロック16A,16Bにおけるインク
吐出量およびインク濃度、並びにプロセス条件は、例え
ば表1に示すものである。また、各インクとしては、例
えば表2に示す組成のものを用いることができる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】上記インクキャリッジ17は、用紙搬送方
向であるA方向に対して直角する方向をヘッド移動方向
(図中矢印B方向)として移動可能となるように、駆動
機構(図示せず)に搭載されている。そして、後述する
プリントデータ、記録用紙Pの位置、インクヘッド16
の位置に基づいて、ノズル16a,16a,…からのイン
クの吐出がオン・オフされることにより、上記した画像
形成が行われる。
【0044】次に、上記インクヘッド16により記録用
紙P上に形成(印刷、印字)されるドットの密度につい
て説明する。
【0045】ここで、ドットとは、上記ノズル16aか
らのインク吐出により、記録用紙P上に形成される画像
の最小単位を指すものである。つまり、1つのノズル1
6aからの1回のインク吐出により(インクを重ねる場
合を除く)、記録用紙P上にインクが付与される領域が
1つのドットに対応する。このドットの直径(ドット
径)を示す値をドットサイズとする。
【0046】また、ドット形成位置およびドットピッチ
を次のように定義する。すなわち、ドット形成位置とは
ドットが形成され得る位置を指すものとし、ドットピッ
チとは最も近接しているドット形成位置間の距離を指す
ものとする。
【0047】以下においては、ドット形成位置が行列状
に配置されており、各ドット形成位置に対して、行方向
および列方向に隣接するドット形成位置との距離(ドッ
トピッチ)が全て等しい場合について説明する。
【0048】−印字面積率− 本実施形態では、各ドットのドットサイズが同一である
(ドットサイズが固定されている)ものとする。そこ
で、この場合において、m行×n列のドット形成位置に
よって構成される所定領域のドットの密度(ドット密
度)を示す値として、面積率So1(印字面積率)を式
(1)により定義する。
【0049】 (印字面積率So1)=p0/(m×n) …(1) なお、p0は、所定領域内に形成されるドット数、つま
り、所定領域内のドット形成位置に対して実際に形成さ
れるドット数を指している。また、mは所定領域を構成
するドット形成位置の行数、nは所定領域を構成するド
ット形成位置の列数を指しており、したがって、m×n
は所定領域内のドット形成位置の数となる。以下では印
字面積率So1を適宜パーセンテージで表すものとす
る。
【0050】上記印字面積率So1の具体例を図4から
図7に示す。図4から図7は、記録用紙P上でのドット
の配置を示す平面図であり、印字面積率So1がそれぞ
れ、25%、50%、75%、100%の場合を示して
いる。つまり、図4から図7は、それぞれドット形成位
置の1/4,1/2,3/4、および全てに対してドッ
トが形成されている場合である。
【0051】各図において、ドットを円、ドット形成位
置を格子点で表しており、ドット形成位置の数は5行×
8列=40である。また、各ドットのドットサイズは、
理想ドットサイズに設定されている。
【0052】これらの例では、印字面積率So1が50
%を越える場合(図6および図7の場合)においては、
隣接するドット同士が重なり合っている。
【0053】ここで、黒ドットのみに注目する黒ドット
面積率SK1(ドット面積率)を考えると、上記の印字
面積率So1に基づくことにより式(2)のように定義
できる。
【0054】 (黒ドット面積率SK1)=p1/(m×n) …(2) なお、p1は、所定領域内に形成される黒ドット数、つ
まり、所定領域内のドット形成位置に対して実際に形成
される黒ドット数を指している。
【0055】−黒ドット面積率と乾燥速度− 本実施形態において黒ドットを形成する黒インクは顔料
インクである。この顔料インクは、C,M,Yの各カラ
ーインク(染料インク(速乾性インク))に比べて色の
再現性は高いが乾燥に時間がかかる遅乾性のインクであ
る。このため、画質向上のために遅乾性の黒インクを用
いると、黒ドット密度が高い領域、 すなわち黒ドット面
積率SK1が高い領域ではインクの乾燥時間が長くな
る。
【0056】特に、黒ドット面積率SK1が50%を越
えて隣接するドット同士が重なり合うようになると、イ
ンクの乾燥に要する時間が極端に長くなる。インクは、
記録用紙Pの厚み方向より、記録用紙Pを構成する紙の
繊維方向(すなわち面方向)に広がって浸透しやすいの
で、ドット同士の重なり合いは乾燥時間に多大な影響を
与える。
【0057】このことを示すデータを図8および図9に
示す。図8および図9は、黒ドット面積率SK1に対す
る乾燥(浸透)時間およびプリント枚数の関係を示すグ
ラフである。
【0058】図8の乾燥(浸透)時間は、遅乾性の黒イ
ンクを用いて黒ドット面積率SK1が50,75,10
0%となるように平均的に黒ドットを形成した場合(図
5、図6、図7のように黒ドットを形成した場合)にお
ける乾燥(浸透)時間(実測値)を求めたものである。
【0059】また、図9のプリント枚数は、上記で得ら
れた乾燥(浸透)時間の逆数をとることにより、1分間
におけるA4サイズの記録用紙Pのプリント枚数を表し
ている。
【0060】−プリントデータ− 次に、上記ドットにより画像を形成するためのプリント
データ(画像情報)について説明する。
【0061】先ず、プリントデータの流れを図10に基
づいて説明する。図10は、プリントデ一夕のデータ処
理回路30を示すブロック図である。このデータ処理回
路30は、例えば制御装置5内に設けられている。尚、
図10において、R、G、B、およびY、M、C、K
は、それぞれレッド、グリーン、ブルー、およびイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各プリントデータ
(各色データ)を表している。また、各ブロック間を結
ぶラインにおいて「//」とともに付与した「3」または
「4」の数字は、その部分のデータ数(データライン
数)を表している。
【0062】RGB系のプリントデータは、フレームメ
モリ32を経てRGB/YMCK変換回路34にてYM
CK系のプリントデータに変換される。そして各色デー
タ(画像データ)に対応するラインメモリ36Y,36
M,36C,36Kに入力される。尚、元のプリントデー
タがYMCK系のデータであれば、RGB/YMCK変
換回路34は不要である。
【0063】ラインメモリ36Y,36M,36C,36
Kに入力された各色データは、順次、面積率処理回路3
8に送られ、黒ドット面積率SK1が計算される。
【0064】上記のようにして適宜データ変換された各
色データは、各ラインメモリ36Y,36M,36C,3
6Kに再度入力される。面積率処理回路38から各ライ
ンメモリ36Y,36M,36C,36Kに再度入力され
た各色データは、それぞれに対応するヘッドドライバ4
0Y,40M,40C,40Kに入力される。これらのヘ
ッドドライバ40Y,40M,40C,40Kは、入力さ
れたプリントデータに基づいてそれぞれイエローヘツド
16Y、マゼンタヘッド16M、シアンヘッド16C、
ブラックヘッド16A(図3参照)を駆動する。そし
て、各ヘッド16A,16Y,16M,16Cにより記録
用紙P上にドットが形成される。
【0065】−メモリ(ラインメモリ)構造− ここで、各ラインメモリ36Y,36M,36C,36K
について、図11に基づいて説明する。なお、各ライン
メモリ36Y,36M,36C,36Kは、同一のメモリ
構成を有しているため、以下では、説明の便宜上これら
を重ね合わせて1つのラインメモリ36として説明す
る。すなわち、各ラインメモリ36Y,36M,36C,
36Kにおいて、以下で説明するアドレスが等しいセル
Coを1つとして考え、このセルCoには、各色データの
情報が格納されているものとする。図11は、ラインメ
モリ36のメモリ構造を示す説明図である。
【0066】ラインメモリ36は、プリントデータ領域
(記録画像領域)50と、第1および第2補正用データ
領域52a,52bと、第1および第2ダミーデータ領
域54a,54bと、各領域の行・列に対して付与され
ているアドレスとから構成されている。
【0067】プリントデータ領域50は、プリントデー
タの一部を格納するためのm行×n列のセルCo…から
構成されたメモリマップからなっている。このプリント
データ領域50を構成する各セルCoは、上記のドット
形成位置と1対1に対応しており、各セルCoによって
各ドット形成位置に形成すべきドットの情報であるデー
タDが格納されている。
【0068】このデータDは、ドットを形成するか否か
に応じて、それぞれ1か0かの値を有している。具体的
にi行j列のセルCoであるセルCoijに格納されてい
るデータDijに関しては、セルCoijに対応するドット
形成位置にドットを形成する場合はデータDij=1であ
り、セルCoijに対応するドット形成位置にドットを形
成しない場合はデータDij=0である。なお、添字「i
j」は、i行j列を示すものとし、以下では、特に行列
上の位置を特定する場合にのみ付記するものとする。ま
た、データDは各色データを区別しない一般的な説明の
場合に用い、各色データを区別するデータDを表す場合
は、それぞれデータY・M・C・Kと表すことにする。
【0069】ここで、プリントデータ領域50の行方向
および列方向は、それぞれインクヘッド16の主走査方
向(ヘッド移動方向、図3におけるB方向)および副走
査方向(用紙搬送方向、図3におけるA方向)に対応し
ている。
【0070】また、プリントデータ領域50は、プリン
トデータを上記副走査方向に分割して順次記憶するよう
に構成されている。つまり、プリントデータ領域50の
1行に含まれるセルCo…は、上記主走査方向(記録用
紙P(図3参照)の幅方向)における1行分の全データ
Dを格納可能となっており、プリントデータ領域50の
1列に含まれるセルCo…は、上記副走査方向における
分割されたデータDの1列分を格納可能となっている。
【0071】また、プリントデータ領域50内のm行×
n列のセルCo…には、先頭行から最終行にそれぞれ1
からmの行No.(チャンネル、row. )、先頭列か
ら最終列にそれぞれ1からnの列No.(col.)が
付与されている。
【0072】第1および第2補正用データ領域52a,
52bと第1および第2ダミーデータ領域54a,54
bとは、実際のプリント画像において、プリントデータ
領域50に対応する部分の周辺部に対応しているデータ
領域である。これらは、プリントデータ領域50の最外
周において、後述する黒ドット面積率SK1を算出する
際に用いられるデータDを格納している。
【0073】まず、第1および第2補正用データ領域5
2a,52bは、それぞれプリントデータ領域50の先
頭行の直前(図中、上側)の行および最終行の直後(図
中、下側)の行を成すセルCo…から構成されおり、0
〜m+1の行No.が付与されている。
【0074】そして、第1および第2補正用データ領域
52a,52bには、それぞれその直前にプリントデー
タ領域50に記憶されていたrow=mのデータ(チャ
ンネル1補正用データ) 、およびその直後にプリントデ
ータ領域50に記憶されるrow=1のデータ(チャン
ネルm補正用データ)が格納される。
【0075】また、第1および第2ダミーデータ領域5
4a,54bは、それぞれプリントデータ領域50の先
頭列の直前(図中、左側)の列および最終列の直後(図
中、右側)の列を成すセルCo…から構成されており、
それぞれ0〜n+1の列No.が付与されている。これ
ら第1および第2ダミーデータ領域54a,54bは、
記録用紙P(図3参照)の両端部において画像が形成さ
れない領域(プリントデータが存在しない領域、余白
部)に対応しているため、全セルCo…にデータD=0
が格納されている。
【0076】以上の各領域を構成する各行および各列に
対して、それぞれアドレスRadおよびアドレスCad
が付与されている。このアドレスRadおよびアドレス
Cadは、それぞれ行No.および列No.を2進数で
表したものである。なお、説明の便宜上、アドレスRa
dおよびアドレスCadを下位ビットから順に(1桁
目、2桁目…) 、それぞれアドレスRad20 、Rad21 …、
およびアドレスCad20 、Cad21 …と表している。
【0077】−本発明の原理説明− 次に、本発明の原理について説明する。本発明は、連続
給紙される記録用紙P、P、…に対して順に画像形成を
行う場合に、画像形成後の記録用紙P、P同士の接触に
よる汚れの発生を防止するために速乾性インク(染料イ
ンク)と遅乾性インク(顔料インク)との比率を調整す
ることを特徴としている。以下、この原理について詳述
する。尚、以下の表3〜表6及び図12〜図15は、黒
ドット面積率SK1が100%、つまり、黒単色で記録
用紙Pの略全体に亘って画像形成が行われた場合のデー
タである。
【0078】表3は、各印字モードについて記録用紙P
の1枚の印字に要する時間(以下、印字時間と呼ぶ)を
印字面積率So1毎について表している。
【0079】
【表3】
【0080】この印字モードとしては、印字速度を優先
する「ノーマル印字モード」、画質を優先する「ベスト
印字モード」、これら各モードの中間的なモードである
「グッド印字モード」がある。図12は、この表3のデ
ータをグラフ化したものである。この表3及び図12に
示すように、画質を優先する印字モード程、印字時間を
長く要し、且つ印字面積率So1が高いほど(印字量が
多いほど)印字時間を長く要している。
【0081】表4は、各印字モードについて単位時間
(1分間)当たりの印字枚数を印字面積率So1毎につ
いて表している。
【0082】
【表4】
【0083】図13は、この表4のデータをグラフ化し
たものである。この表4及び図13に示すように、画質
を優先する印字モード程、単位時間当たりの印字枚数は
少なくなり、且つ印字面積率So1が高いほど(印字量
が多いほど)印字枚数は少なくなる。
【0084】表5は、上記表3にインクの乾燥(浸透)
時間を併記したものである。
【0085】
【表5】
【0086】図14は、この表5のデータをグラフ化し
たものである。この図14において、乾燥(浸透)時間
よりも下側の領域では、印字時間が乾燥時間よりも短く
なっており、排紙トレイ4に排紙された記録用紙P上の
インクが未乾燥の状態で、次の記録用紙Pが排紙トレイ
4に排紙されてしまう状態である。例えば、「ノーマル
印字モード」で印字面積率So1が90%の印字条件で
画像形成が行われている場合には、図14上の点Aとな
り、乾燥時間よりも下側に位置している。この状態で
は、排紙トレイ4上の記録用紙Pのインクが未乾燥の状
態で次の記録用紙Pが排紙される状況となり、排紙トレ
イ4上で記録用紙P、P同士の接触による汚れが発生し
てしまう。つまり、上記の印字条件での印字時間は表5
によれば8.2secであるのに対し、その際の乾燥時間
は12.7secを必要とする。つまり、乾燥時間の1
2.7secが経過する前に次の記録用紙Pが排出されて
しまい、記録用紙P、P同士の接触による汚れが発生す
る。
【0087】表6は、上記表4に単位時間(1分間)当
たりの印字枚数(プリント可能枚数)を併記したもので
ある。
【0088】
【表6】
【0089】図15は、この表6のデータをグラフ化し
たものである。この図15において、プリント可能枚数
よりも上側の領域では、排紙トレイ4に排紙された記録
用紙P上のインクが未乾燥の状態で、次の記録用紙Pが
排紙トレイ4に排紙されてしまう状態である。例えば、
「ノーマル印字モード」で印字面積率So1が90%の
印字条件で画像形成が行われている場合には、図15上
の点Bとなり、印字枚数よりも上側に位置している。こ
の状態では、印字枚数に対して記録用紙Pのインクの乾
燥時間が未達成の状態であり、排紙トレイ4上で記録用
紙P、P同士の接触による汚れが発生してしまう。
【0090】印字時間を遅くすることなく(単位時間当
たりの印字枚数を減少させることなく)、この汚れを防
止するためには、乾燥時間を短縮する必要がある。本発
明は、この乾燥時間を短縮する手段として、速乾性イン
ク(カラーインク)を利用して黒ドット面積率SK1を
調整するものである。つまり、上記印字条件(「ノーマ
ル印字モード」で印字面積率So1が90%の場合)
で、排紙トレイ4上の記録用紙Pのインクが乾燥した状
態で次の記録用紙Pが排紙されるようにするためには、
図8より黒ドット面積率SK1を70%まで低下させて
乾燥時間を8.2sec以下にする必要がある。そこで、
本発明では、この場合の遅乾性インク(黒インク)の黒
ドット面積率SK1が70%となるように、記録用紙P
上における速乾性インクと遅乾性インクとの面積比率を
調整している。また、具体的な各インクの打ち込み手法
としては、同一ドット上に速乾性インクを打ち込んだ後
に遅乾性インクを打ち込んでいる。
【0091】図16は、印字面積率が100%である場
合における速乾性インクに対する遅乾性インクの比率と
乾燥時間との関係を示すグラフである。例えば、速乾性
インクに対する遅乾性インクの比率が100%である場
合には乾燥時間に15secを要しているのに対し、この
比率を50%にした場合には乾燥時間は5secに短縮さ
れる。
【0092】一方、図17は、速乾性インクに対する遅
乾性インクの比率と画像の濃度との関係を示すグラフで
ある。このグラフに示すように、速乾性インクに対する
遅乾性インクの比率を小さくしていくに従って画質の濃
度は低下していく。一般に、この濃度低下の許容範囲は
−0.15程度とされている。このため、速乾性インク
に対する遅乾性インクの比率は、60%程度まで低下さ
せても十分な画質の濃度が得られることになる。
【0093】このように、本形態では、黒ドット面積率
SK1を調整することにより、排紙トレイ4上の記録用
紙Pのインクが乾燥した状態で次の記録用紙Pが排紙さ
れるようにしている。
【0094】−インク比率調整の具体構成− 以下、上記の原理を利用して各記録用紙P、P…への画
像形成を行うための複数の実施形態について説明する。
【0095】(第1実施形態)本形態は、連続給紙され
る複数枚の記録用紙P、P…に対して同一の画像を連続
して形成する場合に適用したものである。
【0096】具体的には、図2に示すように、制御装置
5に、乾燥時間認識手段55、画像形成時間認識手段5
6及び比率調整手段57を備えさせている。乾燥時間認
識手段55は、先に排出された記録用紙P上のインクの
乾燥時間を認識するものである。この乾燥時間の認識
は、記録用紙Pにおける印字面積率So1及び黒ドット
面積率SK1に基づいて算出される。画像形成時間認識
手段56は、この先に排出された記録用紙Pの画像形成
に続いて画像形成される次の記録用紙Pの画像形成に要
する時間を認識するものである。この画像形成時間は、
記録用紙Pにおける印字面積率So1及び印字モードに
基づいて算出される。比率調整手段57は、上記乾燥時
間認識手段55及び画像形成時間認識手段56の出力を
受け、上記乾燥時間が画像形成時間以下になるように各
記録用紙Pに対する画像形成の速乾性インクと遅乾性イ
ンクとの比率を調整するものである。
【0097】つまり、上述した如く、連続給紙される複
数枚の記録用紙P、P…に対して同一の画像を連続して
形成する場合、各記録用紙P、P…の画像形成に要する
時間は不変である。このため、各記録用紙が一定時間間
隔で排紙される。この排紙時間間隔よりもインクの乾燥
時間が短くなるか、または同一になるように速乾性イン
クと遅乾性インクとの比率を調整している。
【0098】具体的な一例を掲げると、上述したよう
に、「ノーマル印字モード」で印字面積率So1が90
%の印字条件で画像形成を行う場合には、黒ドット面積
率SK1を70%まで低下させるように、記録用紙P上
における速乾性インクと遅乾性インクとの面積比率を調
整している。つまり、上記条件における印字時間である
8.2secの経過と同時に、記録用紙P上のインクが完
全に乾燥するように各インクの面積比率を調整してい
る。このように、印字時間の経過と同時に記録用紙P上
のインクが完全に乾燥するように設定した場合、先に排
出された記録用紙P上のインクが完全に乾燥した後に次
の記録用紙Pの排出を行うといった動作を確保しながら
も、できるだけ遅乾性インクの比率を大きくすることが
できる。この遅乾性インクは速乾性インクに比べて色の
再現性が良い。つまり、このような設定より記録用紙P
の汚れ防止と色の再現性の確保とを両立することが可能
になる。
【0099】本例の場合、黒単色で画像形成が行われて
いるので、速乾性インクに対する遅乾性インクの比率も
70%になっている(図16参照)。また、各インクの
打ち込み手法としては、同一ドット上に速乾性インクを
打ち込んだ直後に遅乾性インクを打ち込む。このよう
に、先に速乾性インクを打ち込むことにより、遅乾性イ
ンクの記録用紙Pへの浸透性が高まり、ドットを形成す
るインクの乾燥時間を短縮することができる。この際、
先に打ち込まれる速乾性インクとしては、C、M、Yの
うちの何れのインクであってもよいが、遅乾性インクを
打ち込んだ際の黒色の再現性を考慮して選択することが
好ましい。
【0100】(第2実施形態)本形態は、連続給紙され
る複数枚の記録用紙P、P…に対して互いに異なる画像
を形成する場合に適用したものである。
【0101】具体的には、上記と同様に、制御装置5
に、上記第1実施形態の場合と同様の乾燥時間認識手段
55、画像形成時間認識手段56及び比率調整手段57
を備えさせている。特に、本形態における比率調整手段
57は、上記乾燥時間認識手段55及び画像形成時間認
識手段56の出力を受け、先に排出される記録用紙P上
のインクの乾燥時間が、次の記録用紙Pの画像形成時間
以下になるように、上記先に排出される記録用紙に対す
る画像形成の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調
整するものである。
【0102】つまり、上述した如く、連続給紙される複
数枚の記録用紙P、P…に対して互いに異なる画像を形
成する場合、連続給紙される記録用紙P、P…の画像形
成時間は形成される画像に応じて記録用紙毎に異なって
いる。このため、先に排出される記録用紙P上のインク
の乾燥時間が、次の記録用紙Pの画像形成時間以下にな
るように、上記先に排出される記録用紙Pに対する画像
形成の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を比率調整
手段57が調整する構成となっている。言い換えると、
次の記録用紙Pに形成される画像の情報(プリントデー
タ)を予め認識しておき、この情報に基づいて次の記録
用紙Pの画像形成時間を画像形成時間認識手段56が認
識する。そして、この記録用紙Pが排出される前に、先
に排出された記録用紙P上のインクが乾燥するように、
この先に排出される記録用紙に対する速乾性インクと遅
乾性インクとの比率を調整している。
【0103】具体的な一例を掲げると、上記次の記録用
紙Pが「ノーマル印字モード」で印字面積率So1が9
0%の印字条件で画像形成が行われる場合、記録用紙P
の画像形成に要する時間は8.2secである。この記録
用紙Pが排紙トレイ4に排出されるまでに上記先に排出
されている記録用紙P上のインクが完全に乾燥するよう
に、この先に排出される記録用紙Pに画像形成を行う際
の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整してい
る。つまり、上記乾燥時間が8.2sec以下になるよう
に速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整して、黒
ドット面積率SK1を70%まで低下させている。
【0104】(第3実施形態)本形態は、先に排出され
た記録用紙P上のインクの乾燥時間が次の記録用紙Pの
画像形成時間よりも長いときには、先の記録用紙Pの排
出後に、この乾燥時間と画像形成時間との差である待機
時間だけ次の記録用紙Pの画像形成動作の開始を遅延さ
せるようにしたものである。
【0105】つまり、制御手段5に、乾燥時間認識手段
55、画像形成時間認識手段56及び待機調整手段58
(図2の破線)を備えさせている。乾燥時間認識手段5
5及び画像形成時間認識手段56は、上述した各実施形
態のものと同構成である。待機調整手段58は、上記乾
燥時間認識手段55及び画像形成時間認識手段56の出
力を受け、上記乾燥時間が画像形成時間よりも長いと
き、この両時間の差を待機時間とし、先の記録用紙Pの
排出後に、この待機時間の経過後に次の記録用紙Pの画
像形成を開始させるものである。
【0106】記録用紙Pの排出直後に次の記録用紙Pの
画像形成動作を行った場合に、先に排出された記録用紙
P上のインクが未乾燥の状態で次の記録用紙Pが重ね合
わされる状況であるときは、上記待機時間だけ次の記録
用紙Pの画像形成動作を遅延させる。これにより、先に
排出された記録用紙P上のインクが完全に乾燥した後
に、次の記録用紙Pの排出が行われ、記録用紙P、P同
士が接触した際の汚れの発生を防止することができる。
【0107】(他の実施形態)上述した各実施形態で
は、各インクの打ち込み手法として、同一ドット上に速
乾性インクを打ち込んだ直後に遅乾性インクを打ち込む
ようにした。本発明は、これに限らず、各インクを異な
るドット上に打ち込んで、記録用紙P上の速乾性インク
と遅乾性インクとによる黒ドット面積率SK1を調整す
るようにしてもよい。
【0108】また、上述した第1〜第3の実施形態に限
らず、速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整する
ことによって印字時間が変化する場合には、先に排出さ
れた記録用紙P上のインクが完全に乾燥した後に、次の
記録用紙Pの排出が行われるように、この次の記録用紙
Pの画像形成時の速乾性インクと遅乾性インクとの比率
を調整して印字時間を調整するようにしてもよい。
【0109】更に、上記各実施形態では、速乾性インク
としてカラーインクを、遅乾性インクとして黒色インク
をそれぞれ適用したが、本発明はこれに限らず、速乾性
インクとしてカラーインクに加えて黒色の染料インクを
適用してもよい。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明は、速乾性インク
と遅乾性インクとを併用して画像形成を行う際に、各イ
ンクの比率によってインク全体の乾燥時間が異なること
に着目し、先に排出された記録用紙上のインクが乾燥し
た後に次の記録用紙が排出されるように、各インクの比
率を調整している。このため、インクを乾燥させるため
の特別な手段を用いることなしに、画像形成後の記録用
紙同士の接触による汚れの発生を防止することができ
る。また、遅乾性インクを使用したことにより、色(特
に黒色)の再現性は良好であり、画質劣化を回避でき
る。これにより、特にドット密度の高い領域を効率良く
乾燥させることができるインクジェット方式の画像形成
装置を提供することができる。
【0111】また、各インクによるドットの形成状態と
して、記録用紙上に速乾性インクが付された後、その同
一位置に遅乾性インクを付すようにした場合には、遅乾
性インクの記録用紙への浸透性が高まり、ドットを形成
するインクの乾燥時間が短縮されることになる。このた
め、記録用紙上のインクの乾燥時間が短縮し、画像形成
時間を短くしても、先に排出された記録用紙上のインク
が完全に乾燥した後に、次の記録用紙の排出を行うこと
ができる。その結果、単位時間当たりの画像形成を行う
ことができる記録用紙の枚数を増加させることができ、
画像形成装置の高速化に伴う高性能化を図ることができ
る。
【0112】また、乾燥時間と画像形成時間とが一致す
るように速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整し
た場合には、先に排出された記録用紙上のインクが完全
に乾燥した後に次の記録用紙の排出を行うといった動作
を確保しながらも、色の再現性が良い遅乾性インクの比
率をできるだけ大きくすることができる。その結果、記
録用紙の汚れ防止と色の再現性の確保とを両立すること
ができ、装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るカラーインクジェットプリンタ
の外観を示す斜視図である。
【図2】カラーインクジェットプリンタの内部構造を示
す図である。
【図3】インクヘッドから記録用紙に向かう方向を見た
際のノズルの配置状態を示す図である。
【図4】印字面積率25%のドットの配置の一例を示す
図である。
【図5】印字面積率50%のドットの配置の一例を示す
図である。
【図6】印字面積率75%のドットの配置の一例を示す
図である。
【図7】印字面積率100%のドットの配置の一例を示
す図である。
【図8】遅乾性黒インクの黒ドット面積率と乾燥時間と
の関係を示す図である。
【図9】遅乾性黒インクの黒ドット面積率とプリント枚
数との関係を示す図である。
【図10】プリントデ一夕のデータ処理回路を示すブロ
ック図である。
【図11】ラインメモリのメモリ構造を示す説明図であ
る。
【図12】各印字モードにおける印字面積率と印字時間
との関係を示す図である。
【図13】各印字モードにおける印字面積率と単位時間
当たりの印字枚数との関係を示す図である。
【図14】図12に乾燥時間を併記した図である。
【図15】図13に印字枚数を併記した図である。
【図16】印字面積率が100%である場合における速
乾性インクに対する遅乾性インクの比率と乾燥時間との
関係を示す図である。
【図17】速乾性インクに対する遅乾性インクの比率と
画像の濃度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 カラーインクジェットプリンタ 55 乾燥時間認識手段 56 画像形成認識手段 57 比率調整手段 58 待機調整手段 P 記録用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−76591(JP,A) 特開 平6−135125(JP,A) 特開 平11−240184(JP,A) 特開 平11−227178(JP,A) 特開 平6−136310(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速乾性のカラーインク及び遅乾性の黒
    ンクを併用し、連続給紙される複数枚の記録用紙上面に
    上記各インクによる所定の画像形成を連続して行い、先
    に排出された記録用紙上に次の記録用紙を重ねて排出す
    るインクジェット画像形成装置において、印字速度を優先するモード、画質を優先するモード、こ
    れら各モードの中間的なモードが設定可能であり、設定
    されたモードと1枚の記録用紙の印字面積率とに基づ
    き、 先に排出される記録用紙上のインクの乾燥時間を認
    識する乾燥時間認識手段と、 この先に排出される記録用紙の画像形成に続いて画像形
    成される次の記録用紙の画像形成に要する時間を認識す
    る画像形成時間認識手段と、 上記乾燥時間認識手段及び画像形成時間認識手段の出力
    を受け、上記乾燥時間が上記画像形成に要する時間以下
    になるように、記録用紙上における画像形成の速乾性
    カラーインクと遅乾性の黒インクとの面積比率を調整す
    る比率調整手段とを備えていることを特徴とするインク
    ジェット画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載のインクジェット画像形成
    装置において、 記録用紙上に速乾性インクが付された後、その同一位置
    に遅乾性インクが付されて画像形成が行われるように構
    成されていることを特徴とするインクジェット画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載のインクジェット画像形成
    装置において、 比率調整手段は、乾燥時間と画像形成に要する時間とが
    一致するように速乾性インクと遅乾性インクとの比率を
    調整する構成とされていることを特徴とするインクジェ
    ット画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項記載のインクジェット画像形成
    装置において、 連続給紙される複数枚の記録用紙に対して同一の画像を
    形成する場合において、 比率調整手段は、各記録用紙に対して画像形成の速乾性
    インクと遅乾性インクとの比率を調整することを特徴と
    するインクジェット画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項記載のインクジェット画像形成
    装置において、 連続給紙される複数枚の記録用紙に対して互いに異なる
    画像を形成する場合において、 比率調整手段は、先に排出される記録用紙上のインクの
    乾燥時間が、次の記録用紙の画像形成に要する時間以下
    になるように、上記先に排出される記録用紙に対する画
    像形成の速乾性インクと遅乾性インクとの比率を調整す
    ることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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