JP3497252B2 - 一方向クラッチの係合部材の製造方法 - Google Patents

一方向クラッチの係合部材の製造方法

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shear
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一方向クラッチの係
合部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、一方向クラッチは、
周方向に配列された複数の係合部材71,71,71…
を備え、この係合部材71を図示しない内輪と外輪に係
合させて、内輪から外輪もしくは外輪から内輪に動力を
伝達することができるものである。上記係合部材71の
形状を図8に示す。上記係合部材71のカム面71a,
71aが上記外輪,内輪に係合させられるようになって
いる。
【0003】従来、この種の一方向クラッチの係合部材
の製造方法としては、まず、素材を引き抜き加工してカ
ム面71aを含む周面を形成し、次に、上記引き抜き加
工によって周面が成形された長尺素材を、砥石で所定寸
法毎に切断して、切断面71b,71bを形成し、次
に、この成形されて切断された素材をバレル加工して表
面仕上げし、次に、熱処理してから、もう一度、バレル
加工するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、引き抜き加工時に、素材のカム面7
1aを含む周面に傷が生じ、この傷のための特別な管理
が必要になるから、コスト高を招くという問題がある。
【0005】また、引き抜き加工の後に、素材を砥石で
切断するときの切断寸法および、図8に示すカム面71
aに対する切断面71bの直角度に対する特別な管理が
必要になるから、コスト高を招くという問題もある。
【0006】そこで、この発明の目的は、カム面と側面
との直角度,傷,切断寸法に対する特別な管理が不必要
であり、低いコストで一方向クラッチの係合部材を作製
できる一方向クラッチの係合部材の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、内輪と外輪の間に配置されて上
記内輪と外輪にカム面が係合する一方向クラッチの係合
部材の製造方法において、素材をプレスでせん断して、
所定の寸法のせん断部材を作製するせん断工程と、上記
せん断部材を金型内に配置して、カム面となる周面以外
の側面を打撃部材で叩いて冷間鍛造し、上記側面および
上記カム面を所定の形状に成形する鍛造工程とを備える
ことを特徴としている。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を第1の金型内に配置し
て、上記せん断部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上
記せん断部材を上記第1の金型から取り出し、上記せん
断部材を反転させて第2の金型内に配置して、上記せん
断部材の他方の側面を打撃部材で叩く反転工程を備えて
いることを特徴としている。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を第1の金型内に配置し
て、上記せん断部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上
記せん断部材を上記第1の金型から取り出し、上記せん
断部材を平行移動させて、上記せん断部材を第2の金型
内に配置して、上記せん断部材の上記一方の側面を打撃
部材で叩く非反転工程を備えていることを特徴としてい
る。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を別の金型の間を移動させ
ると共に、この移動時に上記せん断部材を反転させて、
上記反転の前後の2つの金型において上記せん断部材の
異なる側面を打撃部材で叩く工程からなることを特徴と
している。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を別の金型の間を移動させ
ると共にこの移動時に上記せん断部材を平行移動させ
て、上記平行移動の前後の2つの金型において上記せん
断部材の同じ側面を打撃部材で叩く工程からなることを
特徴としている。
【0012】また、請求項6の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を別の金型の間を移動させ
ると共に、この移動時に上記せん断部材を反転させて、
上記反転の前後の2つの金型において上記せん断部材の
異なる側面を打撃部材で叩く工程と、上記せん断部材を
別の金型の間を移動させると共にこの移動時に上記せん
断部材を平行移動させて、上記平行移動の前後の2つの
金型において上記せん断部材の同じ側面を打撃部材で叩
く工程とからなることを特徴としている。
【0013】また、請求項7の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を第1の金型内に配置し
て、上記せん断部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上
記せん断部材を上記第1の金型から取り出し、上記せん
断部材を反転させて第2の金型内に配置して、上記せん
断部材の他方の側面を打撃部材で叩く反転工程と、上記
せん断部材を上記第2の金型から取り出して、上記せん
断部材を平行移動させて第3の金型内に配置して、上記
せん断部材の上記他方の側面を打撃部材で叩く非反転工
程と、上記せん断部材を上記第3の金型から取り出し
て、上記せん断部材を反転させて第4の金型内に配置し
て、上記せん断部材の上記一方の側面を打撃部材で叩く
反転工程とを備えていることを特徴としている。
【0014】また、請求項8の発明は、請求項1に記載
の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、上記
鍛造工程は、上記せん断部材を第1の金型内に配置し
て、上記せん断部材の一方の側面を打撃部材で叩く第1
工程と、上記せん断部材を上記第1の金型から取り出し
て、上記せん断部材を反転させてから第2の金型内に配
置して、上記せん断部材の他方の側面を打撃部材で叩く
第2工程と、上記せん断部材を上記第2の金型から取り
出して、上記せん断部材を反転させてから第3の金型内
に配置して、上記せん断部材の上記一方の側面を打撃部
材で叩く第3工程と、上記せん断部材を上記第3の金型
から取り出して、上記せん断部材を反転させてから第4
の金型内に置いて、上記せん断部材の上記他方の側面を
打撃部材で叩く第4工程とを備えることを特徴としてい
る。
【0015】また、請求項9の発明は、請求項2乃至8
のいづれか1つに記載の一方向クラッチの係合部材の製
造方法において、上記金型のうちの少なくとも1つの金
型は、上記せん断部材が上記金型内に配置され、上記せ
ん断部材の一方の側面を打撃部材で叩いたときに、上記
せん断部材の他方の側面の縁部に面取りが施されるよう
な形状になっており、その後、上記せん断部材を上記金
型から取り出して、上記せん断部材を反転もしくは平行
移動させて、上記せん断部材を別の金型内に配置して、
上記せん断部材の他方もしくは一方の側面を打撃部材で
叩く工程を含んでいることを特徴としている。
【0016】また、請求項10の発明は、請求項1乃至
9のいづれか1つに記載の一方向クラッチの係合部材の
製造方法において、上記せん断部材の側面は、せん断に
よって形成された面であることを特徴としている。
【0017】
【作用】請求項1の発明の一方向クラッチの係合部材の
製造方法によれば、素材をプレスでせん断した後に、せ
ん断部材のカム面となる周面以外の側面を叩く冷間鍛造
工程を備えているので、せん断部材の側面およびこの側
面に隣接するカム面を所定の形状に成形して、上記せん
断部材のカム面と、カム面に隣接する側面との直角度を
向上させることができる。したがって、請求項1の発明
によれば、引き抜き加工後に切断する従来例に比べて、
係合部材のカム面と係合部材の側面との直角度を向上さ
せることが可能である。
【0018】また、上記係合部材の側面を叩いて鍛造す
るので、金型から係合部材を容易に取り出すことができ
る。もし、係合部材すなわちスプラグの周面を叩くよう
にすると係合部材を金型から取り出すことができなくな
るか、カム面に継ぎ目が生じる。
【0019】また、請求項1の発明によれば、鍛造によ
って係合部材のカム面を成形できるから、引き抜き加工
によって係合部材のカム面が成形される従来例と異な
り、成形時に係合部材のカム面に傷が着くことが防がれ
る。しかも、上記カム面を高い精度で成形することがで
きる。
【0020】また、請求項1の発明によれば、素材をプ
レスでせん断してから、冷間鍛造によってせん断部材を
係合部材に成形するから、冷間鍛造時に寸法を調整する
ことができる。したがって、上記せん断時の切断寸法に
対する特別な管理が不必要である。
【0021】このように、請求項1の発明によれば、係
合部材のカム面とカム面に隣接する側面との直角度を向
上させることができる。さらに、成形時に係合部材のカ
ム面に傷が着くことが防ぐことができる。さらに、カム
面を高い精度で成形することができる。さらに、係合部
材の切断寸法に対する特別な管理が不必要になる。した
がって、請求項1の発明によれば、従来例に比べて、精
度面での管理が大幅に削減され、結果的に、係合部材の
コストが安くなる。
【0022】さらに、請求項1の発明は、プレスでせん
断してから鍛造するから、引き抜き加工してから砥石切
断する従来例に比べて、サイクルタイムが比較的早い。
したがって、請求項1の発明は、従来例に比べて、係合
部材の加工能率を向上でき、結果的に加工コストが安く
なる。
【0023】また、請求項2の発明によれば、上記せん
断部材の側面を反転させてから、第2の金型に置いて、
第1の金型と第2の金型とで、上記せん断部材の別の側
面を叩く。つまり、カム面に隣接する両方の側面を叩く
から、両方の側面の平坦度を向上させることができると
同時に、両方の側面が挟むカム面のカム形状を高精度に
成形することができる。さらには、2つの側面に対する
加工が均一化されるから、カム面に対する2つの側面の
直角度を一層向上させることができる。
【0024】また、第1の金型と第2の金型とで別の側
面を叩くから、一方の側面とカム面とがなす角部と、他
方の側面とカム面とがなす角部との両方を、欠けた形状
ではなく略完全な直角形状に形成することができる。
【0025】また、上記第1の金型で上記せん断部材の
一方の側面を叩いたときに、上記せん断部材の他方の側
面の縁部に面取りを施すようにすれば、上記他方の側面
のバリをなくすることができる。したがって、上記第1
の金型から上記せん断部材を取り出し易くなる。この取
り出し後、上記せん断部材は反転させられて第2の金型
に置かれて、上記他方の側面が叩かれるから、上記他方
の側面に形成された面取りはなくなる。
【0026】また、請求項3の発明によれば、上記非反
転工程を有し、上記せん断部材を第1の金型から第2の
金型へ平行移動させるから、せん断部材の金型間移動を
容易かつ高速にすることができる。したがって、生産性
が向上する。また、第1の金型と第2の金型との間でせ
ん断部材を平行移動させるから、第1の金型と第2の金
型とでせん断部材の同じ側面を叩くことになる。したが
って、第1の金型と第2の金型とを類似の相似な形状に
することができるから、金型製作が容易になり、コスト
ダウンを図ることができる。
【0027】また、請求項3の発明によれば、上記非反
転工程を複数段設けてさらに高精度の加工を行う場合
に、金型間のせん断部材の移動が平行移動だけで済むの
で、せん断部材を移動させるための複数のトランスファ
手段を共用できる。従って、トランスファ手段のための
金型製作費を軽減でき、コストダウンを図ることができ
る。
【0028】また、請求項4の発明によれば、複数の金
型間移動時に、必ずせん断部材を反転させて、上記反転
の前後の2つの金型でせん断部材の異なる側面を叩くか
ら、請求項2の発明が有している4つの効果を一層高め
ることができる。この4つの効果とは、両側面の平坦
度の向上効果と、カム形状を高精度に成形できる効果
と、カム面に対する2つの側面の直角度向上効果と、
一方の側面とカム面とがなす角部と、他方の側面とカ
ム面とがなす角部との両方を、欠けた形状ではなく略完
全な直角形状に形成することができる効果である。
【0029】また、請求項5の発明によれば、複数の金
型間移動時に、せん断部材を必ず平行移動させて、すべ
ての金型において上記せん断部材の同じ側面を叩くか
ら、請求項3の発明が有している3つの効果を一層高め
ることができる。この3つの効果とは、(1)せん断部材
の金型間移動を容易かつ高速にすることができ、生産性
が向上する効果と、(2)金型間でせん断部材を平行移動
させるから、各金型を類似の相似な形状にすることがで
き、金型製作が容易になり、コストダウンを図ることが
できる効果と、(3)金型間のせん断部材の移動が平行移
動だけで済むので、せん断部材を移動させるための複数
のトランスファ手段を共用でき、トランスファ手段のた
めの金型製作費を軽減できる効果である。
【0030】また、請求項6の発明によれば、次々に別
の金型に移動させると共に、上記移動としては、反転移
動と平行移動とを有し、上記反転移動の前後では上記せ
ん断部材の異なる側面を叩き、上記平行移動の前後では
上記せん断部材の同じ側面を叩く。したがって、請求項
6の発明によれば、請求項2の発明の4つの効果と請求
項3の発明の3つの効果を合わせ持つことができる。つ
まり、両側面の平坦度の向上効果と、カム形状を高
精度に成形できる効果と、カム面に対する2つの側面
の直角度向上効果と、一方の側面とカム面とがなす角
部と、他方の側面とカム面とがなす角部との両方を、略
完全な直角形状に形成することができる効果を奏するこ
とができる上に、(1)せん断部材の金型間移動を容易に
高速にでき、生産性が向上する効果と、(2)平行移動の
前後の金型を類似の相似な形状にすることができ、金型
製作が容易になる効果と、(3)金型間でせん断部材を平
行移動させる工程において、トランスファ手段を共用で
き、トランスファ手段の金型製作費を軽減できる効果を
奏することができる。
【0031】また、請求項7の発明によれば、第1の金
型から第2の金型へ移動させるまでに上記せん断部材の
側面を反転させる反転工程と、第2の金型から第3の金
型へ上記せん断部材を平行移動させる非反転工程と、第
3の金型から第4の金型へせん断部材を反転移動させる
工程とを有している。
【0032】したがって、請求項7の発明によれば、上
記反転工程で、カム面に隣接する両方の側面を叩くか
ら、請求項2の発明と同様に次の5つの効果を有する。
両方の側面の平坦度を向上させることができる。
両方の側面が挟むカム面のカム形状を高精度に成形する
ことができる。 2つの側面に対する加工が均一化さ
れるから、カム面に対する2つの側面の直角度を向上さ
せることができる。一方の側面とカム面とがなす角部
と、他方の側面とカム面とがなす角部との両方を、欠け
た形状ではなく略完全な直角形状に形成することができ
る。 上記第1の金型で上記せん断部材の一方の側面
を叩いたときに、上記せん断部材の他方の側面の縁部に
面取りを施すようにすれば、上記他方の側面のバリをな
くすることができる。したがって、上記第1の金型から
上記せん断部材を取り出し易くなる。
【0033】また、請求項7の発明によれば、上記非反
転工程で、上記せん断部材を第2の金型から第3の金型
へ平行移動させるから、せん断部材の金型間移動を容易
かつ高速にすることができる。また、第2の金型と第3
の金型とを相似な形状にすることができるから、金型製
作が容易になる。したがって、請求項7の発明によれ
ば、製造コストの増大を抑制しつつ、鍛造工程数を増や
して、加工の精密化を図ることができる。
【0034】また、請求項8の発明によれば、上記4つ
の工程において、交互に別の側面を叩くから、両方の側
面の平坦度を特に向上させることができると同時に、両
方の側面が挟むカム面のカム形状を特に高精度に成形す
ることができる。さらには、2つの側面に対する加工が
均一化されるから、カム面に対する2つの側面の直角度
を一層向上させることができる。
【0035】また、4つの金型で交互に別の側面を叩く
から、一方の側面とカム面とがなす角部と、他方の側面
とカム面とがなす角部との両方を、欠けた形状ではなく
略完全な直角形状に形成することができる。
【0036】また、請求項9の発明によれば、請求項2
乃至8のいづれか1つに記載の発明において、上記金型
のうちの少なくとも1つの金型は、上記せん断部材が上
記金型内に配置されて、上記せん断部材の一方の側面を
叩いたときに上記せん断部材の他方の側面の縁部に面取
りが施される形状になっており、その後、上記せん断部
材を上記金型から取り出して、上記せん断部材を反転も
しくは平行移動させて、上記せん断部材を別の金型内に
配置して、上記せん断部材の他方もしくは一方のせん断
面を叩く工程を含んでいる。
【0037】したがって、上記金型において上記せん断
部材の他方の側面のバリを無くすることができるから、
上記金型から上記せん断部材を取り出し易くすることが
できる。また、その後、上記他方もしくは一方の側面を
叩いたときに、他方の側面の縁部の面取りは無くなる。
【0038】また、請求項10の発明によれば、上記せ
ん断部材の側面は、せん断によって形成されたせん断面
である。したがって、上記カム面はせん断面ではない。
したがって、上記カム面を構成する繊維組織が切断され
ないから、カム面を強靭かつ滑らかにすることができ
る。
【0039】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0040】この発明の一方向クラッチの係合部材の製
造方法の第1実施例は、まず、素材をプレスでせん断し
て、所定の寸法のせん断部材を作製してから、図2に示
す冷間鍛造工程に入る。
【0041】この冷間鍛造工程は、まず、第1工程で、
上記せん断部材10は、トランスファ装置20によって
平行移動されて第1プレス機21に運ばれる。図2にお
いて、せん断部材10のカム面10cの一方のせん断面
10aに近いところに小さな丸印R1が描かれている
が、この小さな丸印R1はせん断部材10の向きを図2
において示すためのマークであり、実際のせん断部材1
0には描かれていない。そして、図2に示すように、上
記せん断部材10は、一方のせん断面10aを上にして
プレス機21のベッド21a上に置かれ、フレーム21
c内に配置される。すると、上記プレス機21の打撃部
材としてのスライド21bが下方へスライドして、上記
せん断部材10の一方のせん断面10aを所定の力で叩
く。スライド21bで、せん断面10aを叩くことによ
って、上記せん断面10aが平坦に成形されると同時
に、せん断部材10のカム面10cを含む周面が、フレ
ーム21cに押し付けられて湾曲させられる。その結
果、せん断面10aは、図1(A)に示すようにヒョウタ
ン型になる。図1(A)に上記ベッド21aの上方から見
たせん断面10aを示し、図1(a)に上記ベッド21a
上のせん断部材10を側方から見たカム面10cを示
す。
【0042】次に、第2工程に進み、上記せん断部材1
0は上記第1プレス機21から取り出されて、トランス
ファ装置20によって反転させられてから、上記第2プ
レス機22に運ばれ、他方のせん断面10bを上にして
第2プレス機22のベッド22a上に置かれ、フレーム
22c内に配置される。すると、上記プレス機22の打
撃部材としてのスライド22bが下方ヘスライドして、
上記せん断部材10の他方のせん断面10bを所定の力
で叩く。したがって、上記他方のせん断面10bの平坦
度が向上させられると同時に、カム面10cがフレーム
22cに押圧されて成形され、所定のカム形状に近づけ
られる。
【0043】同時に、上記せん断部材10の一方のせん
断面10aおよびその縁部は上記ベッド22aおよびベ
ッド22aに設けられたテーパ部に押し付けられる。そ
して、上記一方のせん断面10aの縁部に面取り部50
が形成される。従って、せん断面10aの縁部のバリを
なくすることができる。したがって、トランスファ装置
20によって、上記せん断部材10を上記第2プレス機
22から容易に取り出すことができる。なお、この面取
り部50の大きさは誇張して示されている。図1(B)に
上記ベッド22aの上方から見たせん断面10bを示
し、図1(b)に上記ベッド22a上のせん断部材10を
側方から見たカム面10cを示す。
【0044】次に、第3工程に進み、上記せん断部材1
0は上記第2プレス機22から取り出され、トランスフ
ァ装置20によって反転させられてから、第3プレス機
23に運ばれ、一方のせん断面10aを上にして第3プ
レス機23のベッド23a上に置かれる。すると、上記
プレス機23の打撃部材としてのスライド23bが下方
ヘスライドして、上記せん断部材10の一方のせん断面
10aを所定の力で叩く。したがって、面取り部50は
叩かれてなくなり、上記一方のせん断面10aの平坦度
が向上させられる。同時に、カム面10cがフレーム2
3cに押圧されて成形され、所定のカム形状に近づけら
れる。同時に、上記せん断部材10の他方のせん断面1
0bおよびその縁部は上記ベッド23aおよびベッド2
3aに設けられたテーパ部に押し付けられる。そして、
上記他方のせん断面10bの縁部に面取り部60が形成
される。この面取り部60の大きさも誇張されて示され
ている。したがって、せん断面10bの縁部のバリをな
くすることができる。したがって、トランスファ装置2
0によって、上記せん断部材10を上記第3プレス機2
3から容易に取り出すことができる。
【0045】図1(C)に上記ベッド23aの上方から見
たせん断面10aを示し、図1(c)に上記ベッド23a
上のせん断部材10を側方から見たカム面10cを示
す。
【0046】次に、第4工程に進み、上記せん断部材1
0は、上記第3プレス機23から取り出され、トランス
ファ装置20によって反転させられてから、第4プレス
機24に運ばれ、他方のせん断面10bを上にして第4
プレス機24のベッド24a上に置かれる。すると、上
記プレス機24の打撃部材としてのスライド24bが下
方ヘスライドして、上記せん断部材10の他方のせん断
面10bを所定の力で叩く。したがって、面取り部60
は叩かれてなくなり、上記他方のせん断面10bの平坦
度が向上させられる。また、上記せん断部材10の他方
のせん断面10aが上記ベッド24aに押圧される。し
たがって、せん断面10aの縁を、図6に実線で示す角
が欠けた形状から、図6に破線で示す角張った略直角形
状に成形することができる。つまり、上記せん断部材1
0の縁を係合部材として望ましいエッジが立った直角形
状にすることができる。
【0047】同時に、カム面10cがフレーム24cに
押圧されて成形され、所定のカム形状になされる。
【0048】図5に、上記第3プレス機23および第4
プレス機24の要部と、上記せん断部材10を斜め前方
から見た様子を示す。また、図1(D)に上記ベッド24
aの上方から見たせん断面10bを示し、図1(d)に上
記ベッド24a上のせん断部材10を側方から見たカム
面10cを示す。
【0049】次に、上記鍛造工程を経て成形されたせん
断部材10は、バレル加工されて表面仕上げされ、次
に、熱処理してから、もう一度、バレル加工される。以
上の工程によって、一方向クラッチの係合部材が作製さ
れる。
【0050】上記第1実施例によれば、素材をプレスで
せん断した後に、冷間鍛造によってせん断部材10のせ
ん断面10a,10bを叩いて成形するから、引き抜き
加工後に切断する従来例に比べて、係合部材のカム面1
0cと係合部材のせん断面10a,10bとの直角度を
向上させることができる。
【0051】また、上記せん断部材10のカム面10c
を叩かず、カム面とならないせん断面10a,10bを
叩いて鍛造するので、せん断部材10を各プレス機21
〜24のフレーム21c〜24cから容易に取り出すこ
とができる。もし、せん断部材10すなわちスプラグの
カム面10cを叩くようにすると、せん断部材10をフ
レームから取り出すことができなくなるか、カム面に継
ぎ目が生じる。
【0052】また、上記第1実施例によれば、素材をせ
ん断したときにできたせん断面以外の面をカム面10c
としているので、カム面10cを構成する繊維組織はせ
ん断によって切断されず、滑らかで強い面になる。
【0053】また、上記第1実施例によれば、鍛造によ
ってせん断部材10のせん断面10a,10bを叩いて
せん断部材10の周面をプレス機21,22,23,24
のフレーム21c,22c,23c,24cに押し付け
て、4回にわたってカム面10cを段階的に成形する。
したがって、カム面10cを所定のカム形状に高い精度
で成形することができる上に、引き抜き加工によって係
合部材のカム面が成形される従来例と異なり、成形時に
係合部材のカム面に傷が着くことがない。
【0054】また、上記第1実施例によれば、素材をプ
レスでせん断してから、冷間鍛造によってせん断部材1
0のせん断面10a,10bを叩いて成形するから、鍛
造時に寸法を調整できる。したがって、従来例と異な
り、せん断部材10の切断寸法に対する特別な管理が不
必要になる。
【0055】このように、上記第1実施例によれば、係
合部材のカム面10cと切断面10a,10bとの直角
度を向上させることができ、かつ、カム面10cを高精
度に成形することができる。さらに、成形時に係合部材
のカム面10cに傷が着くことがなく、かつ、係合部材
の切断寸法に対する特別な管理が不必要になる。したが
って、上記実施例によれば、従来例に比べて、精度面で
の管理を大幅に削減でき、結果的に、係合部材のコスト
を低減させることができる。
【0056】更に、上記第1実施例は、プレスでせん断
してから鍛造するから、引き抜き加工してから砥石切断
する従来例に比べて、サイクルタイムが比較的早い。し
たがって、上記実施例は、従来例に比べて、係合部材の
加工能率を向上させることができ、結果的に加工コスト
を安くできる。
【0057】また、上記第1実施例によれば、4つの工
程において、交互に別のせん断面10aと10bを叩く
から、せん断面10aと10bの両方の平坦度を向上さ
せることができる。さらに、2つのせん断面10a,1
0bに対して均等に加工することができるから、上記せ
ん断部材10をせん断面10aとせん断面10bとの間
の中心を平行に延びる面に対して面対称で歪みが無い正
確な形状に成形することができる。
【0058】また、上記第1実施例によれば、鍛造工程
の第2,第3工程で、上記せん断部材10のせん断面1
0a,10bの縁部に面取り部50,60を施すから、第
2,第3工程での鍛造時に、せん断面10a,10bに
バリが発生することを防止できる。したがって、第2,
第3プレス機22,23からせん断部材10を取り出し
易くなる。
【0059】また、上記第1実施例は、せん断部材10
を鍛造で成形するから、加工硬化によって係合部材の強
度を向上させることができる。また、せん断部材10を
反転させながら鍛造するから、組織の片よりが生じるこ
とを防止できる。
【0060】次に、この発明の第2実施例を、図3に示
す。この第2実施例は、まず、素材をプレスでせん断し
て、所定の寸法のせん断部材を作製してから、図3に示
す冷間鍛造工程に入る。
【0061】図3に示す冷間鍛造工程は、まず、第1工
程で、上記せん断部材30は、トランスファ装置T1に
よって、平行移動で第1プレス機31に運ばれる。図3
において、せん断部材30のカム面30cの一方のせん
断面30aに近いところに小さな丸印R2が描かれてい
るが、この小さな丸印R2はせん断部材30の向きを図
3において示すためのマークであり、実際のせん断部材
30には描かれていない。そして、図3に示すように、
上記せん断部材30は、一方のせん断面30aを上にし
てプレス機31のベッド31a上に置かれ、フレーム3
1c内に配置される。すると、上記プレス機31の打撃
部材としてのスライド31bが下方へスライドして、上
記せん断部材30の一方のせん断面30aを所定の力で
叩く。スライド31bで、せん断面30aを叩くことに
よって、上記せん断面30aが平坦に成形されると同時
に、せん断部材30のカム面30cを含む周面が、フレ
ーム31cに押し付けられて湾曲させられる。その結
果、せん断面30aは、ヒョウタン型になる。
【0062】次に、第2工程に進み、上記せん断部材3
0は上記第1プレス機31から取り出されて、トランス
ファ装置T1によって平行移動されて、上記第2プレス
機32に運ばれ、一方のせん断面30aを上にして第2
プレス機32のベッド32a上に置かれ、フレーム32
c内に配置される。すると、上記プレス機32の打撃部
材としてのスライド32bが下方ヘスライドして、上記
一方のせん断面30aを所定の力で叩く。したがって、
上記一方のせん断面30aの平坦度が向上させられると
同時に、カム面30cがフレーム32cに押圧されて成
形され、所定のカム形状に近づけられる。
【0063】同時に、上記せん断部材30の他方のせん
断面30bおよびその縁部は上記ベッド32aおよびベ
ッド32aに設けられたテーパ部に押し付けられる。そ
して、上記他方のせん断面30bの縁部に面取り部M1
が形成される。したがって、せん断面30bの縁部のバ
リをなくすることができる。したがって、トランスファ
装置T1によって、上記せん断部材30を上記第2プレ
ス機32から容易に取り出すことができる。
【0064】次に、第3工程に進み、上記せん断部材3
0は上記第2プレス機32から取り出され、トランスフ
ァ装置T1によって平行移動させられて、第3プレス機
33に運ばれ、一方のせん断面10aを上にして第3プ
レス機33のベッド33a上に置かれ、フレーム33c
内に配置される。このとき、せん断面30bの縁部に面
取りM1が形成されているから、せん断面30bの縁部
がフレーム33cに引っ掛かることを防止でき、せん断
部材30をフレーム33c内にスムーズに入れることが
できる。そして、上記プレス機33の打撃部材としての
スライド33bが下方ヘスライドして、上記せん断部材
30の一方のせん断面30aを所定の力で叩く。したが
って、上記一方のせん断面30aの平坦度が向上させら
れる。同時に、カム面30cがフレーム33cに押圧さ
れて成形され、所定のカム形状に近づけられる。このと
き、上記せん断部材30の他方のせん断面30bの縁部
に形成されている面取り部M1は、ベッド33aに設け
られたテーパ部に押し付けられるから、そのテーパ形状
を維持する。したがって、せん断面30bの縁部にバリ
が発生しないから、上記せん断部材30を上記第3プレ
ス機33から容易に取り出すことができる。
【0065】次に、第4工程に進み、上記せん断部材3
0は、上記第3プレス機33から取り出され、トランス
ファ装置T1によって平行移動させられて、第4プレス
機34に運ばれ、一方のせん断面30aを上にして第4
プレス機34のベッド34a上に置かれ、フレーム34
c内に配置される。このとき、せん断面30bの縁部に
面取りM1が形成されているから、せん断面30bの縁
部がフレーム34cに引っ掛かることを防止でき、せん
断部材30をフレーム34c内にスムーズに入れること
ができる。そして、上記プレス機34の打撃部材として
のスライド34bが下方ヘスライドして、上記せん断部
材30の一方のせん断面30aを所定の力で叩く。した
がって、一方のせん断面30aの平坦度が向上させられ
る。また、上記せん断部材30の他方のせん断面30b
が上記ベッド34aに押圧され、せん断面30bの縁
を、角が欠けた形状から、角張った略直角形状に成形す
ることができる。つまり、上記せん断部材30の縁を係
合部材として望ましいエッジが立った直角形状にするこ
とができる。
【0066】同時に、カム面30cがフレーム34cに
押圧されて成形され、所定のカム形状になされる。同時
に、他方のせん断面30bの縁に形成されていた面取り
部M1がベッド34aに押し付けられて平坦になるか
ら、上記面取り部M1が無くなる。
【0067】次に、上記鍛造工程を経て成形されたせん
断部材30は、バレル加工されて表面仕上げされ、次
に、熱処理してから、もう一度、バレル加工される。以
上の工程によって、一方向クラッチの係合部材が作製さ
れる。
【0068】上記第2実施例によれば、素材をプレスで
せん断した後に、冷間鍛造によってせん断部材30のせ
ん断面30aを叩いて成形するから、引き抜き加工後に
切断する従来例に比べて、係合部材のカム面30cと係
合部材のせん断面30aとの直角度を向上させることが
できる。
【0069】また、上記せん断部材30のカム面30c
を叩かず、カム面とならないせん断面30a,30bを
叩いて鍛造するので、せん断部材30を各プレス機31
〜34のフレーム31c〜34cから容易に取り出すこ
とができる。もし、せん断部材30すなわちスプラグの
カム面30cを叩くようにすると、せん断部材30をフ
レームから取り出すことができなくなるか、カム面に継
ぎ目が生じる。
【0070】また、上記第2実施例によれば、素材をせ
ん断したときに出来たせん断面以外の面をカム面30c
にしているので、カム面30cはせん断によって組織が
荒らされず、滑らかで強い面になる。
【0071】また、上記第2実施例によれば、鍛造によ
ってせん断部材30のせん断面30aを叩いてせん断部
材30の周面をプレス機31,32,33,34のフレー
ム31c,32c,33c,34cに押し付けて、4回に
わたってカム面30cを段階的に成形する。したがっ
て、カム面30cを所定のカム形状に高い精度で成形す
ることができる上に、引き抜き加工によって係合部材の
カム面が成形される従来例と異なり、成形時に係合部材
のカム面30cに傷が着くことがない。
【0072】また、上記第2実施例によれば、素材をプ
レスでせん断してから、冷間鍛造によってせん断部材3
0のせん断面30aを叩いて成形するから、鍛造時に寸
法を調整できる。したがって、従来例と異なり、せん断
部材30の切断寸法に対する特別な管理が不必要にな
る。
【0073】このように、第2実施例によれば、係合部
材のカム面30cとせん断面30aとの直角度を向上さ
せることができ、かつ、カム面30cを高精度に成形す
ることができる。さらに、成形時に係合部材のカム面3
0cに傷が着くことがなく、かつ、係合部材の切断寸法
に対する特別な管理が不必要になる。したがって、上記
実施例によれば、従来例に比べて、精度面での管理を大
幅に削減でき、結果的に、係合部材のコストを低減させ
ることができる。
【0074】更に、第2実施例は、プレスでせん断して
から鍛造するから、引き抜き加工してから砥石切断する
従来例に比べて、サイクルタイムが比較的早い。従っ
て、第2実施例は、従来例に比べて、係合部材の加工能
率を向上させることができ、結果的に加工コストを安く
できる。
【0075】また、第2実施例によれば、せん断部材3
0を、平行移動させて、各プレス機間を移動させるか
ら、せん断部材30の金型間移動を高速かつ容易にする
ことができる。したがって、生産性が向上する。また、
各プレス機で上記せん断部材30の同じせん断面30a
を叩くから、各プレス機の金型を相似形状にすることが
でき、金型製作が容易になり、コストダウンを図ること
ができる。
【0076】また、第2実施例によれば、各プレス機間
のせん断部材30の移動が平行移動だけで済むので、第
1実施例に比べて、トランスファ装置T1の構造が簡単
になり、トランスファ装置のための金型製作費を軽減で
き、コストダウンを図ることができる。
【0077】また、第2実施例によれば、鍛造工程の第
2,第3工程で、上記せん断部材30のせん断面30b
の縁部に面取り部M1を施すから、第2,第3工程での
鍛造時に、せん断面30bにバリが発生することを防止
できる。したがって、第2,第3プレス機32,33から
せん断部材30を取り出し易くなる。
【0078】また、第2実施例は、せん断部材30を鍛
造で成形するから、加工硬化によって係合部材の強度を
向上させることができる。
【0079】次に、第3実施例を図4に示す。この第3
実施例は、まず、素材をプレスでせん断して、所定の寸
法のせん断部材を作製してから、図4に示す冷間鍛造工
程に入る。
【0080】この冷間鍛造工程は、まず、第1工程で、
せん断部材40は、トランスファ装置T2によって平行
移動されて、第1プレス機41に運ばれる。図4におい
て、せん断部材40のカム面40cの一方のせん断面4
0aに近いところに小さな丸印R3が描かれているが、
この小さな丸印R3はせん断部材40の向きを図4にお
いて示すためのマークであり、実際のせん断部材40に
は描かれていない。図4に示すように、せん断部材40
は、一方のせん断面40aを上にしてプレス機41のベ
ッド41a上に置かれ、フレーム41c内に配置され
る。すると、プレス機41の打撃部材としてのスライド
41bが下方へスライドして、せん断部材40の一方の
せん断面10aを所定の力で叩く。スライド41bで、
せん断面40aを叩くことによって、せん断面40aが
平坦に成形されると同時に、せん断部材40のカム面4
0cを含む周面がフレーム41cに押し付けられて湾曲
させられる。その結果、せん断面40aはヒョウタン型
になる。
【0081】次に、第2工程に進み、せん断部材40は
第1プレス機41から取り出されて、トランスファ装置
T2によって反転させられてから、第2プレス機42に
運ばれ、他方のせん断面40bを上にして第2プレス機
42のベッド42a上に置かれ、フレーム42c内に配
置される。すると、プレス機42の打撃部材としてのス
ライド42bが下方ヘスライドして、せん断部材40の
他方のせん断面40bを所定の力で叩く。したがって、
他方のせん断面40bの平坦度が向上させられると同時
に、カム面40cがフレーム42cに押圧されて成形さ
れ、所定のカム形状に近づけられる。
【0082】同時に、せん断部材40の一方のせん断面
40aおよびその縁部はベッド42aおよびベッド42
aに設けられたテーパ部に押し付けられる。そして、一
方のせん断面40aの縁部に面取り部M2が形成され
る。したがって、せん断面40aの縁部のバリをなくす
ることができる。したがって、トランスファ装置T2に
よって、せん断部材40を第2プレス機42から容易に
取り出すことができる。
【0083】次に、第3工程に進み、せん断部材40は
第2プレス機42から取り出され、トランスファ装置T
2によって平行移動させられて、第3プレス機43に運
ばれ、他方のせん断面40bを上にして第3プレス機4
3のベッド43a上に置かれる。すると、プレス機43
の打撃部材としてのスライド43bが下方ヘスライドし
て、せん断部材40の一方のせん断面40bを所定の力
で叩く。従って、他方のせん断面40bの平坦度がさら
に向上させられると同時に、カム面40cがフレーム4
2cに押圧されて成形され、所定のカム形状にさらに近
づけられる。同時に、せん断部材40の一方のせん断面
40aおよびその縁部はベッド43aおよびベッド43
aに設けられた図示しないテーパ部に押し付けられる。
したがって、一方のせん断面40aの縁部の面取り部M
2は維持される。したがって、せん断面40aの縁部に
バリが発生することがない。したがって、トランスファ
装置T2によって、せん断部材40を第3プレス機42
から容易に取り出すことができる。
【0084】次に、第4工程に進み、せん断部材40
は、第3プレス機43から取り出され、トランスファ装
置T2によって反転させられてから、第4プレス機44
に運ばれ、一方のせん断面40aを上にして第4プレス
機44のベッド44a上に置かれる。すると、プレス機
44の打撃部材としてのスライド44bが下方ヘスライ
ドして、せん断部材40の一方のせん断面40aを所定
の力で叩く。したがって、面取り部M2は叩かれてなく
なり、一方のせん断面40aの平坦度が向上させられ
る。また、せん断部材40の他方のせん断面40bがベ
ッド44aに押圧される。したがって、せん断面40b
の縁を、角が欠けた形状から、角張った略直角形状に成
形することができる。つまり、せん断部材40の縁を係
合部材として望ましいエッジが立った直角形状にするこ
とができる。同時に、カム面40cがフレーム44cに
押圧されて成形され、所定のカム形状に近づけられる。
【0085】次に、上記鍛造工程を経て成形されたせん
断部材40は、バレル加工されて表面仕上げされ、次
に、熱処理してから、もう一度、バレル加工される。以
上の工程によって、一方向クラッチの係合部材が作製さ
れる。
【0086】この第3実施例によれば、素材をプレスで
せん断した後に、冷間鍛造によってせん断部材40のせ
ん断面40aおよび40bを叩いて成形するから、引き
抜き加工後に切断する従来例に比べて、係合部材のカム
面40cと係合部材のせん断面40a,40bとの直角
度を向上させることができる。
【0087】また、上記第3実施例によれば、素材をせ
ん断したときに出来たせん断面以外の面をカム面40c
にしているので、カム面40cはせん断によって組織が
荒らされず、滑らかで強い面になる。
【0088】また、この第3実施例によれば、鍛造によ
ってせん断部材40のせん断面40a,40bを叩いて
せん断部材40の周面をプレス機41,42,43,44
のフレーム41c,42c,43c,44cに押し付け
て、4回にわたってカム面40cを段階的に成形する。
したがって、カム面40cを所定のカム形状に高い精度
で成形することができる上に、引き抜き加工によって係
合部材のカム面が成形される従来例と異なり、成形時に
係合部材のカム面に傷が着くことがない。
【0089】また、第3実施例によれば、素材をプレス
でせん断してから、冷間鍛造によってせん断部材40の
せん断面40a,40bを叩いて成形するから、鍛造時
に寸法を調整できる。したがって、従来例と異なり、せ
ん断部材40の切断寸法に対する特別な管理が不必要に
なる。
【0090】このように、第3実施例によれば、係合部
材のカム面40cと切断面40a,40bとの直角度を
向上させることができ、かつ、カム面40cを高精度に
成形することができる。さらに、成形時に係合部材のカ
ム面40cに傷が着くことがなく、かつ、係合部材の切
断寸法に対する特別な管理が不必要になる。したがっ
て、第3実施例によれば、従来例に比べて、精度面での
管理を大幅に削減でき、結果的に、係合部材のコストを
低減させることができる。
【0091】更に、第3実施例は、プレスでせん断して
から鍛造するから、引き抜き加工してから砥石切断する
従来例に比べて、サイクルタイムが比較的早い。従っ
て、第3実施例は、従来例に比べて、係合部材の加工能
率を向上させることができ、結果的に加工コストを安く
できる。
【0092】また、第3実施例によれば、第1工程と第
2工程の2つの工程において、互いに異なるせん断面4
0aと40bを叩き、かつ、第3工程と第4工程の2つ
の工程において、互いに異なるせん断面40aと40b
を叩く。したがって、両方のせん断面40aと40bの
平坦度を向上させることができる。さらに、2つのせん
断面40a,40bに対してほぼ均等に加工することが
できるから、せん断部材40をせん断面40aとせん断
面40bとの間の中心を平行に延びる面に対して面対称
で歪みが無い正確な形状に成形することができる。
【0093】また、第3実施例によれば、鍛造工程の第
2,第3工程で、せん断部材40のせん断面40aの縁
部に面取り部M2を形成するから、第2,第3工程での
鍛造時に、せん断面40aにバリが発生することを防止
できる。したがって、第2,第3プレス機42,43から
せん断部材40を取り出し易くなる。
【0094】また、第3実施例は、せん断部材40を鍛
造で成形するから、加工硬化によって係合部材の強度を
向上させることができる。また、せん断部材40を反転
させながら鍛造するから、組織の片よりが生じることを
防止できる。
【0095】また、この第3実施例は、第2プレス機4
2から第3プレス機43へせん断部材40を移動させる
ときにせん断部材40を平行移動させるので、第2プレ
ス機42から第3プレス機43へせん断部材40を高速
かつ容易に移動させることができる。また、第2プレス
機42の金型と第3プレス機43の金型とを相似な形状
にすることができるから、金型製作が容易になる。した
がって、この第3実施例によれば、製造コストの増大を
抑制しつつ、鍛造工程数を増やして、加工の高精度化を
図ることができる。
【0096】尚、上記第1,第2,第3実施例では、冷間
鍛造工程を4つの工程で構成したが、4つ以上の工程で
構成してもよく、また、4つ以下の工程で構成してもよ
い。また、上記第1,第2,第3実施例では、第2および
第3工程で面取り加工を行ったが、第1,第2,第3工程
のうちの少なくとも1つの工程で面取り加工を行っても
よく、面取り加工を省略してもよい。
【0097】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の一方向クラッチの係合部材の製造方法によれば、素
材をプレスでせん断した後に、せん断部材のカム面とな
る周面以外の側面を叩く冷間鍛造工程を備えているの
で、せん断部材の側面およびこの側面に隣接するカム面
を所定の形状に成形して、上記せん断部材のカム面と、
カム面に隣接する側面との直角度を向上させることがで
きる。したがって、請求項1の発明によれば、引き抜き
加工後に切断する従来例に比べて、係合部材のカム面と
係合部材の側面との直角度を向上させることが可能であ
る。
【0098】また、上記係合部材の側面を叩いて鍛造す
るので、金型から係合部材を容易に取り出すことができ
る。もし、係合部材すなわちスプラグの周面を叩くよう
にすると係合部材を金型から取り出すことができなくな
るか、カム面に継ぎ目が生じる。
【0099】また、請求項1の発明によれば、鍛造によ
って係合部材のカム面を成形できるから、引き抜き加工
によって係合部材のカム面が成形される従来例と異な
り、成形時に係合部材のカム面に傷が着くことが防がれ
る。しかも、上記カム面を高い精度で成形することがで
きる。
【0100】また、請求項1の発明によれば、素材をプ
レスでせん断してから、冷間鍛造によってせん断部材を
係合部材に成形するから、冷間鍛造時に寸法を調整する
ことができる。したがって、上記せん断時の切断寸法に
対する特別な管理が不必要である。
【0101】このように、請求項1の発明によれば、係
合部材のカム面とカム面に隣接する側面との直角度を向
上させることができる。さらに、成形時に係合部材のカ
ム面に傷が着くことが防ぐことができる。さらに、カム
面を高い精度で成形することができる。さらに、係合部
材の切断寸法に対する特別な管理が不必要になる。した
がって、請求項1の発明によれば、従来例に比べて、精
度面での管理が大幅に削減され、結果的に、係合部材の
コストが安くなる。
【0102】さらに、請求項1の発明は、プレスでせん
断してから鍛造するから、引き抜き加工してから砥石切
断する従来例に比べて、サイクルタイムが比較的早い。
したがって、請求項1の発明は、従来例に比べて、係合
部材の加工能率を向上でき、結果的に加工コストが安く
なる。
【0103】また、請求項2の発明によれば、上記せん
断部材の側面を反転させてから、第2の金型に置いて、
第1の金型と第2の金型とで、上記せん断部材の別の側
面を叩く。つまり、カム面に隣接する両方の側面を叩く
から、両方の側面の平坦度を向上させることができると
同時に、両方の側面が挟むカム面のカム形状を高精度に
成形することができる。さらには、2つの側面に対する
加工が均一化されるから、カム面に対する2つの側面の
直角度を一層向上させることができる。
【0104】また、第1の金型と第2の金型とで別の側
面を叩くから、一方の側面とカム面とがなす角部と、他
方の側面とカム面とがなす角部との両方を、欠けた形状
ではなく略完全な直角形状に形成することができる。
【0105】また、上記第1の金型で上記せん断部材の
一方の側面を叩いたときに、上記せん断部材の他方の側
面の縁部に面取りを施すようにすれば、上記他方の側面
のバリをなくすることができる。したがって、上記第1
の金型から上記せん断部材を取り出し易くなる。この取
り出し後、上記せん断部材は反転させられて第2の金型
に置かれて、上記他方の側面が叩かれるから、上記他方
の側面に形成された面取りはなくなる。
【0106】また、請求項3の発明によれば、上記非反
転工程を有し、上記せん断部材を第1の金型から第2の
金型へ平行移動させるから、せん断部材の金型間移動を
容易かつ高速にすることができる。したがって、生産性
が向上する。また、第1の金型と第2の金型との間でせ
ん断部材を平行移動させるから、第1の金型と第2の金
型とでせん断部材の同じ側面を叩くことになる。従っ
て、第1の金型と第2の金型とを類似の相似な形状にす
ることができるから、金型製作が容易になり、コストダ
ウンを図ることができる。
【0107】また、請求項3の発明によれば、上記非反
転工程を複数段設けてさらに高精度の加工を行う場合
に、金型間のせん断部材の移動が平行移動だけで済むの
で、せん断部材を移動させるための複数のトランスファ
手段を共用できる。したがって、トランスファ手段のた
めの金型製作費を軽減でき、コストダウンを図ることが
できる。
【0108】また、請求項4の発明によれば、複数の金
型間移動時に、必ずせん断部材を反転させて、上記反転
の前後の2つの金型でせん断部材の異なる側面を叩くか
ら、請求項2の発明が有している4つの効果を一層高め
ることができる。この4つの効果とは、両側面の平坦
度の向上効果と、カム形状を高精度に成形できる効果
と、カム面に対する2つの側面の直角度向上効果と、
一方の側面とカム面とがなす角部と、他方の側面とカ
ム面とがなす角部との両方を、欠けた形状ではなく略完
全な直角形状に形成することができる効果である。
【0109】また、請求項5の発明によれば、複数の金
型間移動時に、せん断部材を必ず平行移動させて、すべ
ての金型において上記せん断部材の同じ側面を叩くか
ら、請求項3の発明が有している3つの効果を一層高め
ることができる。この3つの効果とは、(1)せん断部材
の金型間移動を容易かつ高速にすることができ、生産性
が向上する効果と、(2)金型間でせん断部材を平行移動
させるから、各金型を類似の相似な形状にすることがで
き、金型製作が容易になり、コストダウンを図ることが
できる効果と、(3)金型間のせん断部材の移動が平行移
動だけで済むので、せん断部材を移動させるための複数
のトランスファ手段を共用でき、トランスファ手段のた
めの金型製作費を軽減できる効果である。
【0110】また、請求項6の発明によれば、次々に別
の金型に移動させると共に、上記移動としては、反転移
動と平行移動とを有し、上記反転移動の前後では上記せ
ん断部材の異なる側面を叩き、上記平行移動の前後では
上記せん断部材の同じ側面を叩く。したがって、請求項
6の発明によれば、請求項2の発明の4つの効果と請求
項3の発明の3つの効果を合わせ持つことができる。つ
まり、両側面の平坦度の向上効果と、カム形状を高
精度に成形できる効果と、カム面に対する2つの側面
の直角度向上効果と、一方の側面とカム面とがなす角
部と、他方の側面とカム面とがなす角部との両方を、略
完全な直角形状に形成することができる効果を奏するこ
とができる上に、(1)せん断部材の金型間移動を容易に
高速にでき、生産性が向上する効果と、(2)平行移動の
前後の金型を類似の相似な形状にすることができ、金型
製作が容易になる効果と、(3)金型間でせん断部材を平
行移動させる工程において、トランスファ手段を共用で
き、トランスファ手段の金型製作費を軽減できる効果を
奏することができる。
【0111】また、請求項7の発明によれば、第1の金
型から第2の金型へ移動させるまでに上記せん断部材の
側面を反転させる反転工程と、第2の金型から第3の金
型へ上記せん断部材を平行移動させる非反転工程と、第
3の金型から第4の金型へせん断部材を反転移動させる
反転工程とを有している。
【0112】したがって、請求項7の発明によれば、上
記反転工程で、カム面に隣接する両方の側面を叩くか
ら、請求項2の発明と同様に次の5つの効果を有する。
両方の側面の平坦度を向上させることができる。
両方の側面が挟むカム面のカム形状を高精度に成形する
ことができる。 2つの側面に対する加工が均一化さ
れるから、カム面に対する2つの側面の直角度を向上さ
せることができる。一方の側面とカム面とがなす角部
と、他方の側面とカム面とがなす角部との両方を、欠け
た形状ではなく略完全な直角形状に形成することができ
る。 上記第1の金型で上記せん断部材の一方の側面
を叩いたときに、上記せん断部材の他方の側面の縁部に
面取りを施すようにすれば、上記他方の側面のバリをな
くすることができる。したがって、上記第1の金型から
上記せん断部材を取り出し易くなる。
【0113】また、請求項7の発明によれば、上記非反
転工程で、上記せん断部材を第2の金型から第3の金型
へ平行移動させるから、せん断部材の金型間移動を容易
かつ高速にすることができる。また、第2の金型と第3
の金型とを相似な形状にすることができるから、金型製
作が容易になる。したがって、請求項7の発明によれ
ば、製造コストの増大を抑制しつつ、鍛造工程数を増や
して、加工の精密化を図ることができる。
【0114】また、請求項8の発明によれば、上記4つ
の工程において、交互に別の側面を叩くから、両方の側
面の平坦度を特に向上させることができると同時に、両
方の側面が挟むカム面のカム形状を特に高精度に成形す
ることができる。さらには、2つの側面に対する加工が
均一化されるから、カム面に対する2つの側面の直角度
を一層向上させることができる。
【0115】また、4つの金型で交互に別の側面を叩く
から、一方の側面とカム面とがなす角部と、他方の側面
とカム面とがなす角部との両方を、欠けた形状ではなく
略完全な直角形状に形成することができる。
【0116】また、請求項9の発明によれば、請求項2
乃至8のいづれか1つに記載の発明において、上記金型
のうちの少なくとも1つの金型は、上記せん断部材が上
記金型内に配置されて、上記せん断部材の一方の側面を
叩いたときに上記せん断部材の他方の側面の縁部に面取
りが施される形状になっており、その後、上記せん断部
材を上記金型から取り出して、上記せん断部材を反転も
しくは平行移動させて、上記せん断部材を別の金型内に
配置して、上記せん断部材の他方もしくは一方のせん断
面を叩く工程を含んでいる。
【0117】したがって、上記金型において上記せん断
部材の他方の側面のバリを無くすることができるから、
上記金型から上記せん断部材を取り出し易くすることが
できる。また、その後、上記他方もしくは一方の側面を
叩いたときに、他方の側面の縁部の面取りは無くなる。
【0118】また、請求項10の発明によれば、上記せ
ん断部材の側面は、せん断によって形成されたせん断面
である。したがって、上記カム面はせん断面ではない。
したがって、上記カム面を構成する繊維組織が切断され
ないから、カム面を強靭かつ滑らかにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(D)はこの発明の一方向クラッチ
の係合部材の製造方法の第1実施例におけるせん断面を
示す平面図であり、図1(a)〜(d)は上記係合部材のカ
ム面を示す側面図である。
【図2】 上記第1実施例の冷間鍛造工程を説明する模
式図である。
【図3】 第2実施例の冷間鍛造工程を説明する模式図
である。
【図4】 第3実施例の冷間鍛造工程を説明する模式図
である。
【図5】 第1実施例の第3プレス機と第4プレス機の
斜視図である。
【図6】 係合部材の角部の形状を示す図である。
【図7】 一方向クラッチを示す平面図である。
【図8】 一方向クラッチの係合部材の斜視図である。
【符号の説明】
10,30,40…せん断部材、10a,10b,30a,
30b,40a,40b…せん断面、10c,30c,40
c…カム面、20,T1,T2…トランスファ装置、2
1,31,41…第1プレス機、22,32,42…第2プ
レス機、23,33,43…第3プレス機、24,34,4
4…第4プレス機、21a,22a,23a,24a,31
a,32a,33a,34a,41a,42 a,43a,4
4a,…ベッド、21b,22b,23b,24b,31b,
32b,33b,34b,41b,42 b,43b,44b
…スライド、50,60,M1,M2…面取り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−15609(JP,A) 特開 平4−59147(JP,A) 特開 平6−339742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00 F16D 41/07

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪の間に配置されて上記内輪と
    外輪にカム面が係合する一方向クラッチの係合部材の製
    造方法において、 素材をプレスでせん断して、所定の寸法のせん断部材を
    作製するせん断工程と、 上記せん断部材を金型内に配置して、カム面となる周面
    以外の側面を打撃部材で叩いて冷間鍛造し、上記側面お
    よび上記カム面を所定の形状に成形する鍛造工程とを備
    えることを特徴とする一方向クラッチの係合部材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、 上記せん断部材を第1の金型内に配置して、上記せん断
    部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上記せん断部材を
    上記第1の金型から取り出し、上記せん断部材を反転さ
    せて第2の金型内に配置して、上記せん断部材の他方の
    側面を打撃部材で叩く反転工程を備えていることを特徴
    とする一方向クラッチの係合部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、 上記せん断部材を第1の金型内に配置して、上記せん断
    部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上記せん断部材を
    上記第1の金型から取り出し、上記せん断部材を平行移
    動させて、上記せん断部材を第2の金型内に配置して、
    上記せん断部材の上記一方の側面を打撃部材で叩く非反
    転工程を備えていることを特徴とする一方向クラッチの
    係合部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、上記せん断部材を別の金型の間を移動
    させると共に、この移動時に上記せん断部材を反転させ
    て、上記反転の前後の2つの金型において上記せん断部
    材の異なる側面を打撃部材で叩く工程からなることを特
    徴とする一方向クラッチの係合部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、上記せん断部材を別の金型の間を移動
    させると共にこの移動時に上記せん断部材を平行移動さ
    せて、上記平行移動の前後の2つの金型において上記せ
    ん断部材の同じ側面を打撃部材で叩く工程からなること
    を特徴とする一方向クラッチの係合部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、 上記せん断部材を別の金型の間を移動させると共に、こ
    の移動時に上記せん断部材を反転させて、上記反転の前
    後の2つの金型において上記せん断部材の異なる側面を
    打撃部材で叩く工程と、 上記せん断部材を別の金型の間を移動させると共にこの
    移動時に上記せん断部材を平行移動させて、上記平行移
    動の前後の2つの金型において上記せん断部材の同じ側
    面を打撃部材で叩く工程とからなることを特徴とする一
    方向クラッチの係合部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、 上記せん断部材を第1の金型内に配置して、上記せん断
    部材の一方の側面を打撃部材で叩き、上記せん断部材を
    上記第1の金型から取り出し、上記せん断部材を反転さ
    せて第2の金型内に配置して、上記せん断部材の他方の
    側面を打撃部材で叩く反転工程と、 上記せん断部材を上記第2の金型から取り出して、上記
    せん断部材を平行移動させて第3の金型内に配置して、
    上記せん断部材の上記他方の側面を打撃部材で叩く非反
    転工程と、 上記せん断部材を上記第3の金型から取り出して、上記
    せん断部材を反転させて第4の金型内に配置して、上記
    せん断部材の上記一方の側面を打撃部材で叩く反転工程
    とを備えていることを特徴とする一方向クラッチの係合
    部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の一方向クラッチの係合
    部材の製造方法において、 上記鍛造工程は、 上記せん断部材を第1の金型内に配置して、上記せん断
    部材の一方の側面を打撃部材で叩く第1工程と、 上記せん断部材を上記第1の金型から取り出して、上記
    せん断部材を反転させてから第2の金型内に配置して、
    上記せん断部材の他方の側面を打撃部材で叩く第2工程
    と、 上記せん断部材を上記第2の金型から取り出して、上記
    せん断部材を反転させてから第3の金型内に配置して、
    上記せん断部材の上記一方の側面を打撃部材で叩く第3
    工程と、 上記せん断部材を上記第3の金型から取り出して、上記
    せん断部材を反転させてから第4の金型内に置いて、上
    記せん断部材の上記他方の側面を打撃部材で叩く第4工
    程とを備えることを特徴とする一方向クラッチの係合部
    材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至8のいづれか1つに記載の
    一方向クラッチの係合部材の製造方法において、 上記金型のうちの少なくとも1つの金型は、上記せん断
    部材が上記金型内に配置され、上記せん断部材の一方の
    側面を打撃部材で叩いたときに、上記せん断部材の他方
    の側面の縁部に面取りが施されるような形状になってお
    り、その後、上記せん断部材を上記金型から取り出し
    て、上記せん断部材を反転もしくは平行移動させて、上
    記せん断部材を別の金型内に配置して、上記せん断部材
    の他方もしくは一方の側面を打撃部材で叩く工程を含ん
    でいることを特徴とする一方向クラッチの係合部材の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいづれか1つに記載
    の一方向クラッチの係合部材の製造方法において、 上記せん断部材の側面は、せん断によって形成された面
    であることを特徴とする一方向クラッチの係合部材の製
    造方法。
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