JP2002126849A - 座金の製造装置 - Google Patents

座金の製造装置

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JP2002126849A
JP2002126849A JP2000326496A JP2000326496A JP2002126849A JP 2002126849 A JP2002126849 A JP 2002126849A JP 2000326496 A JP2000326496 A JP 2000326496A JP 2000326496 A JP2000326496 A JP 2000326496A JP 2002126849 A JP2002126849 A JP 2002126849A
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die
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punching
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JP2000326496A
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English (en)
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Tadashi Akazawa
忠 赤沢
Takashi Ohara
尚 大原
Sadao Asakawa
貞夫 浅川
Kazufumi Kageyama
和文 影山
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NIPPON FASTENER KOGYO KK
Daido Machinery Ltd
Original Assignee
NIPPON FASTENER KOGYO KK
Daido Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1つの金属素材から複数の座金を製造する装置
であって、座金に割れを生じさせず廃棄されるスクラッ
プ量を少なくできる座金製造装置を提供する。 【解決手段】金属素材28に圧造成形の工程(b、d、
f)で座金部40を形成し、打ち抜きの工程(c、e、
g)で座金14を打ち抜く。この一対の工程を3回繰り
返して加工終了となる。打ち抜き後の金属素材28を反
転して次の圧造成形の工程に移送する。2番目の成形工
程(d)では、座金部40を形成すると同時に、打ち抜
かれた破断端部42を面取り状態44に加工する。この
面取り状態の破断端部44が、3番目の成形工程(f)
で圧造成形されるが、破断履歴を有する素材は座金部4
0にほとんど含まれることがなく、座金14となった時
に割れ等を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状の金属素材か
ら複数の座金を製造する座金の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの被締結部材をボルトとナットで締
結する場合、ボルト頭部と被締結部材との間やナットと
被締結部材との間に座金を介在させてボルトやナットの
弛み止めを行う。このような座金は、板材を冷間で座金
形状に打ち抜いて製造するのが一般的であるが、座金外
周縁には打ち抜き刃による大きな荷重が作用するため、
図14のように座金14外周縁が中央に比して陥没して
しまい、座金断面がいわゆる蒲鉾状断面となっていた。
図15のように座金14を表裏逆にして使用すると、座
金14の被締結部材16に接触している最外端がナット
12外周縁よりもボルト10軸側になってしまい、座金
14がナット12と共回りして締め付けトルクが変化し
て締結がゆるむ恐れがある。
【0003】この問題を解決するために、特開平8−4
2551号公報には、座金の表面及び裏面をボルト挿通
穴中心から半径方向外方に向かって厚肉となるよう等テ
ーパー角に傾斜したテーパー状の座金が提案されてい
る。
【0004】一方、座金を平板の打ち抜きによって製造
するのではなく、一つの素材から圧造成形・打ち抜きに
よって複数の座金を製造する方法及び装置が、特開平1
0−216889号公報に記載されている。この方法及
び装置は、平板打ち抜きに比べて廃棄されるスクラップ
の量を少なくできる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら後者の公
開公報に開示された技術では、座金が打ち抜かれた素材
の破断端部の処理については何ら考慮されていない。即
ち、座金が打ち抜かれたままの破断端部は、変形して細
かな傷や歪みなどを有している。そのため、打ち抜かれ
たままの破断端部を再度次の座金の材料として圧造成形
すると、座金に割れが発生し易くなり、割れの発生によ
る不良品のもととなる。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、1つの金属素材
から座金を複数個製造する装置であって、座金に割れを
生じさせることなく廃棄されるスクラップの量を少なく
できる座金の製造装置を提供することである。また、ボ
ルトやナットとの共回りを防ぐ傾斜面を有する座金を製
造する上記の製造装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、打ち抜かれた端部を面取りされた形状に加工して
から次の圧造成形を行う構成とした。
【0008】具体的には、請求項1に係る発明は、棒状
の金属素材から複数の座金を製造する座金の製造装置で
あって、金属素材を保持する成形用ダイスと、該ダイス
に対して進退移動し該ダイスに保持されている金属素材
の端部に打撃を加えて座金部を圧造成形する成形用パン
チとを備えた成形用金型と、該成形用金型により端部に
座金部が形成された金属素材を保持する打ち抜き用ダイ
スと、該ダイスに対して進退移動し該ダイスに保持され
ている金属素材の座金部を金属素材から打ち抜いて分離
する打ち抜き用パンチとを備えた打ち抜き用金型とが、
交互に複数ずつ配置されているとともに、隣接する上記
金型間において金属素材を移送する移送手段を備え、該
移送手段は、打ち抜き用金型から成形用金型への移送の
際に打ち抜かれた端部が逆向きになるよう金属素材を反
転させる反転手段を有すると共に、該反転手段で反転さ
れた金属素材を成形する成形用金型の少なくとも一つに
は該成形用金型により座金部が圧造成形される金属素材
の端部とは反対側の端部を面取り状態に加工する手段が
設けられていることを特徴とする座金の製造装置であ
る。
【0009】このような構成であれば、打ち抜き用金型
から成形用金型へ金属素材を反転させて送るので、成形
用金型では打ち抜かれたままの破断端部とは反対側の端
部が圧造成形される。そして、反転された金属素材を成
形する成形用金型の少なくとも一つが、その打ち抜かれ
たままの端部を面取り状態に加工する。そして、面取り
状態となった端部が次の成形用金型で圧造成形を受ける
ので、打ち抜きにより小さい傷や歪みの生じた破断履歴
を有する部分は座金部にはほとんど含まれることがな
く、破断履歴を有する部分は打ち抜かれて次の工程に行
き、あるいはスクラップとなる。
【0010】面取りというのは一般的には、工作物の角
又は隅を斜めに削ることであるが、ここでいう面取り状
態とは、面取りをされた形状になっている状態のことを
言い、破断端部を面取り状態に加工する方法は、切削の
他に圧造や研磨等を挙げることができ、特に限定はされ
ない。
【0011】本発明では、棒状の金属素材から複数の座
金を製造できて、廃棄するスクラップ量を削減できる。
そして、複数のパンチを複数のダイスに向かって一回進
退移動させて成形・打ち抜きを行うと、複数の座金を製
造することができて製造効率が上がる。
【0012】次に、請求項2に係る発明は、請求項1に
おいて、上記座金の座面は、該座金のボルト挿通穴中心
から径方向外方に向かうに従って肉厚になるように傾斜
した傾斜面に形成されていて、上記打ち抜き用ダイス及
び打ち抜き用パンチのうち少なくとも一方の上記座金傾
斜面を形成する金型面は、打ち抜き用パンチの進退移動
方向と直交する面に対して上記座金傾斜面に対応した傾
斜面に形成されていることを特徴とする座金の製造装置
である。
【0013】このような構成であれば、ボルトやナット
との共回りを防ぐことのできる、径方向外方に向かうに
従って肉厚となるよう傾斜している傾斜面を有した座金
を、傾斜した成形面を有する打ち抜き用金型を用いると
いう簡単な方法で製造することができる。
【0014】次に、請求項3に係る発明は、請求項2に
おいて、上記成形用ダイス及び成形用パンチのうち少な
くとも一方の上記座金傾斜面を形成する金型面は、成形
用パンチの進退移動方向と直交する面に対して上記座金
傾斜面に対応した傾斜面に形成されていることを特徴と
する座金の製造装置である。
【0015】このような構成であると、座金部を圧造成
形する際に座金部に生じる歪みを小さくでき、座金の傾
斜面も容易に形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】−第一の実施の形態− 本実施の形態について、まず製造装置の概略を説明し、
次に金属素材の加工の流れに関して概略の説明を行い、
それから主要な加工工程に関して詳細な説明をする。
【0018】<製造装置の概略>図1は、第一の実施の
形態に係る座金の製造装置の成形加工部分の概略の横断
面図である。工程の流れは左から右へと進んでいき、左
端には図示していないが、棒状の金属素材の供給装置、
例えば線材を切断して供給する装置が設置されていて、
本装置に複数の座金を製造しうる長さの金属素材を供給
している。
【0019】図の上側にはダイスが6基、左端から順に
成形用ダイス20と打ち抜き用ダイス22とが交互に3
基ずつ並んでいる。図の下側にはパンチが6基、上側の
ダイスと同様に左端から成形用パンチ24と打ち抜き用
パンチ26とが交互に3基ずつ並んでいる。パンチ2
4、26は、ダイス20、22に対して、水平方向に進
退移動して往復運動を行い、ダイス20、22と共に座
金を製造する。
【0020】図中の向かい合っている上側のダイスと下
側のパンチとで一つの金型を構成していて、A1、A
2、A3は成形用金型であり、B1、B2、B3は打ち
抜き用金型である。隣接する2組の金型A1とB1、A
2とB2、A3とB3でそれぞれ一つの座金を製造し、
最後の金型B3からスクラップが廃棄される。すなわ
ち、本実施の形態では一つの金属素材28から3つの座
金が製造される。金属素材28は、左から右へと工程に
沿って進むに連れて短くなっていき、それに対応して金
属素材28を保持するダイス20、22の形状が変わっ
ていく。
【0021】棒状の金属素材の材料や形状は、特に限定
されないが、炭素鋼等の線材や棒材等を好ましく挙げる
ことができる。なお、供給する金属素材の長さは、製造
する座金のために必要な量と最後にスクラップとして廃
棄する量との和として適当な長さを設定できる。
【0022】図2は、本実施の形態に係る座金の製造装
置のダイブロックの前側に配置される移送手段30の概
略を示す正面図である。揺動装置39が金属素材を掴む
6つのチャック32〜37を図の左右の方向に移動させ
る。図2では左側に移動している図であって、次には全
体が右側に移動して、第一チャック32が金属素材供給
装置38から受け取った金属素材を1番目の成形用ダイ
ス20に受け渡し、第二チャック33が1番目の成形用
ダイス20から受け取った金属素材を一番目の打ち抜き
用ダイス22に受け渡し、といった具合に順に金属素材
を右隣に受け渡していく。この受け渡しの際に、打ち抜
き用金型から成形用金型へと金属素材を移送する第三チ
ャック34と第五チャック36は、金属素材の向きを反
転させて受け渡す反転手段を備えている。反転手段は、
金属素材の向きを反転させるようにチャック34、36
を回転させる装置や機構等であればどのようなものでも
よい。受け渡しが終わったら、チャック32〜37は開
いて何も掴まずに左側に移動し、それから金属素材を掴
んで再び図2の状態となる。
【0023】<金属素材の加工工程>次に金属素材の加
工の流れについて説明する。
【0024】図3は、金属素材28がどのように加工さ
れていくかを示した圧造工程図である。金属素材28の
一方の端部に(図中の上側の端部)、1番目の成形用金
型によって座金部40が圧造成形される(b)。これが
第二チャックに掴まれて1番目の打ち抜き用金型に移送
され、そこで座金14と打ち抜かれて分離された金属素
材28とになる(c)。座金14は製品として機外に排
出され、金属素材28は、一端が打ち抜きによってメタ
ルフローが切れて細かな傷や歪みを有する破断端部42
となる。
【0025】破断端部42を有する金属素材28が、第
三チャックに掴まれて向きを変えられて、破断端部42
とは逆側の端部がパンチ側を向くように2番目の成形用
ダイスに挿入され保持される。そして、打ち抜かれてい
ない未加工の端部側に座金部40が圧造成形され、破断
端部42側が面取り状態44に圧造成形される(d)。
ここで破断端部42を面取り状態44に加工する手段
は、圧造成形としたが、切削等でも良い。
【0026】この座金部40と面取り状態の破断端部4
4を有する金属素材28は、第四チャックに掴まれて2
番目の打ち抜き金型に移送され、そこで打ち抜かれて、
座金14と一端が破断端部42、他端が面取り状態の破
断端部44の金属素材28となる(e)。座金14は、
製品として機外に排出される。
【0027】一端が破断端部42、他端が面取り状態の
破断端部44の金属素材28は、第五チャックに掴まれ
て向きを変えられて、面取り状態の破断端部44がパン
チ側を向くように3番目の成形用ダイスに挿入される。
そして、面取り状態の破断端部44側に座金部40が圧
造成形される(f)。この座金部40を有する金属素材
28が、第六チャックに掴まれて3番目の打ち抜き金型
に移送され、打ち抜かれて座金14とスクラップ46と
になり(g)、aに示した一つの金属素材28による座
金14の製造が終了する。
【0028】破断端部42を面取り状態に加工する必要
があるのは、後の工程で該破断端部42を圧造成形する
場合であって、本実施の形態では、最初に打ち抜かれた
破断端部42がそれに該当する。それで、2番目の成形
用金型で破断端部42を面取り状態に加工している。な
お、本実施の形態では、成形・打ち抜きを3回しか行わ
ないので、破断端部42を面取り状態にする加工するの
は1回だけであるが、成形・打ち抜きを4回以上行うと
きには、破断端部42を面取り状態にする加工は2回以
上行う。
【0029】<主要な加工工程の詳細>次に、図3の主
要工程をさらに別の図を用いて詳細に説明する。図3の
bを図4、5で、cを図6で、dを図7で、fを図8〜
11で説明する。
【0030】図4、5は、ダイスとパンチとからなる1
番目の成形用金型の断面図である。ダイス50は、イン
サートダイ52とノックアウトピン54とを備えてい
る。図4は、インサートダイ52の通孔53に金属素材
28が挿入され保持されて、パンチ56、58は、金属
素材28から離れている状態の図である。図5は、図4
の状態からパンチ56、58がダイス50の方に移動し
て、ノックアウトピン54で一方の端部が固定された金
属素材28が、固定されたのとは反対側の端部にパンチ
56、58による打撃を受けて、座金部40が形成され
た状態の図である。パンチの中央部は穴面付けパンチ5
6であり、座金部40の内周縁側に面取りをするための
面付け部57を設けている。また、インサートダイ52
の通孔53終端部にも面取りのための面付け部57を設
けている。座金の面取り部は、ボルトの頭部と軸との結
合部に設けられたR部に対応する部分である。穴面付け
パンチ56の周囲には端面パンチ58が設けられてい
て、座金部40の面を形成する。
【0031】図5のように圧造成形が行われた後、パン
チ56、58が左側に退避移動し、ノックアウトピン5
4が左側に移動して金属素材28を通孔53から押し出
して、1番目の成形工程が終了する。
【0032】ここで、インサートダイ52と端面パンチ
58のうち、少なくとも一方の座金部40の面を形成す
る面は、パンチ56、58の進退移動方向と直交する面
に対して外径側より内径側の方が座金部40側に接近し
ているような傾斜面であることが好ましい。但し、ダイ
やパンチがこのような傾斜面を有していても、座金部4
0にこれに対応した傾斜が形成されるとは限らない。ダ
イやパンチがこのような傾斜面を有していると、座金部
40が反ったり歪んだりすることが抑えられて好まし
い。パンチ56、58の進退移動方向と直交する面とな
す傾斜の角度は、1度以下が好ましく、座金部40の面
には傾斜が生じない程度のインサートダイ52あるいは
/および端面パンチ58の傾斜で構わない。
【0033】なお、以上説明した成形用金型の構造及び
工程は、3番目の成形用金型に関しても基本的には同じ
であるので、3番目については説明を省略する。2番目
の成形用金型については後述する。
【0034】図6は、ダイスとパンチとからなる1番目
の打ち抜き用金型の断面図である。中心部の一点鎖線の
上側が打ち抜き前、下側が打ち抜き後の図である。
【0035】図の上側では、穴抜き面付けパンチ60が
金属素材28を押さえ、端面パンチ58は金属素材28
から離れた状態である。通孔53に挿入保持された金属
素材28の座金部40とは反対側の端部とノックアウト
ピン54との間には、隙間59が存して、打ち抜き時に
金属素材28が後退する空間となっている。この状態か
らパンチ58、60がダイス50側(図の右方)へ移動
して座金14を打ち抜く(図の下側の状態)。この時、
端面パンチ58は、座金14を押さえつけていて、金属
素材28が穴抜き面付けパンチ60により打ち抜かれ
て、右方に後退している。そして、金属素材28の座金
部40が打ち抜かれた部分には、破断端部42が生成し
ている。
【0036】打ち抜き金型にも成形金型と同様に、面付
け部57を穴抜き面付けパンチ60と端面ダイ51に設
けている。
【0037】図6の下側のように打ち抜きが行われた
後、パンチ58、60が左側に退避移動し、ノックアウ
トピン54が左側に移動して金属素材28を通孔53か
ら押し出し、座金14は製品として機外に排出される。
【0038】ここで、端面ダイ51と端面パンチ58の
うち少なくとも一方の、座金部40の面と当接する面
は、パンチ58、60の進退移動方向と直交する面に対
して外径側より内径側の方が座金部40側に接近してい
るような傾斜面であることが好ましい。但し、ダイやパ
ンチがこのような傾斜面を有していても、打ち抜かれた
座金14にこれに対応した傾斜が形成されるとは限らな
い。ダイやパンチがこのような傾斜面を有していると、
打ち抜かれた座金14が反ったり歪んだりすることが抑
えられて好ましい。パンチ58、60の進退移動方向に
垂直な面となす傾斜の角度は、1度以下が好ましく、座
金14の面には傾斜が生じない程度の端面ダイ51ある
いは/および端面パンチ58の傾斜で構わない。
【0039】なお、以上説明した打ち抜き用金型の構造
及び工程は、2番目、3番目の打ち抜き用金型に関して
も基本的には同じであるので、2番目、3番目について
は説明を省略する。
【0040】図6に示す1番目の打ち抜きが終了した
後、ノックアウトピン54によって押し出された金属素
材28は、第三チャックに掴まれて反転して次の2番目
の成形用金型へと移送される。反転することにより、破
断端部42とは反対側の未加工の端部が、2番目の成形
用金型で圧造成形されることになる。そのため、破断端
部42の小さな傷や歪みが製品の座金に入らない。一
方、破断端部42は、2番目の成形用金型で面取り状態
に加工されて、次の成形に備えることになる。ここでの
破断端部42を面取り状態に加工する手段は圧造成形で
ある。以上の加工が行われる2番目の成形金型の断面図
を図7に示す。
【0041】図7の金型は図5の金型と構造が大部分同
じであるので、異なっている部分のみを説明する。
【0042】金属素材28は、図5に比べて座金1個分
短くなっている。一方、破断端部を面取り状態にするた
めに、インサートダイ52の通孔53の中間部に通孔5
3の径が徐々に小さくなっている面取り部62が設けら
れている。パンチ56、58の打撃によって、破断端部
は面取り部62で圧造されて面取り状態となる。本実施
の形態では、面取り状態の形状がなだらかな曲面となっ
ているが、直線的な斜面であっても良い。
【0043】次に、3番目の成形工程について説明す
る。図10は、本実施の形態の3番目の成形金型に金属
素材28がセットされた図であり、図11は、図10の
金属素材28を圧造成形した図である。また、図8は、
圧造される側の破断端部42を面取り状態にしないで3
番目の成形金型に金属素材28をセットした図であり、
図9は、図8の金属素材28を圧造成形した図である。
【0044】図9及び図11では、座金部40が成形さ
れているが、図11の方では、破断された部分が圧造変
形を受けた破断履歴部72がスクラップとなる中央部分
に集まって、座金部40にはほとんど含まれていない。
一方図9では、破断履歴部72が座金部40の中に入り
込み、座金部40の内周縁と外周縁の中間辺りまで入り
込んでいる。
【0045】破断端部は小さな傷や歪みを有していて、
それが圧造されて破断履歴部72になるとその傷や歪み
が拡大される。特に座金部40の外周縁に近いほど素材
の変形度合いが大きいので、外周縁近くまで入り込んで
いる破断履歴部72は、傷や歪みの拡大度合いが大きく
なる。そのため、面取り状態にしないで圧造した図9の
状態から座金を打ち抜くと、打ち抜き直後、或いは焼き
入れ後に破断履歴部、特に座金外周縁に近いところまで
入り込んでいる破断履歴部にひびや割れが生じて不良品
となり、製品価値がなくなる。しかし、本実施の形態に
係る図11の座金部40から打ち抜かれた座金は、破断
履歴部を含まないか、含んでいても内周縁の極近辺だけ
なので、ひびや割れが生じることはない。
【0046】図8、10に示すように穴面付けパンチ5
6の金属素材28との接触面には、金属素材28が接触
面を滑って外側に広がっていかないように滑り止め溝7
0を設けている。この滑り止め溝70には、破断履歴部
72が座金部40の中に入り込まないようにする働きを
有している。
【0047】以上説明した第一の実施の形態は、室温で
行う冷間鍛造であるが、金属素材を加熱して加工を行っ
ても構わない。また、本実施の形態は、一つの金属素材
から3つの座金を製造しているが、座金を4つ以上製造
できるように金型を配置しても構わない。また、本実施
の形態で製造される座金は、平座金として説明してきた
が、本実施の形態で製造される座金は、バネ座金等であ
っても良く、特に限定されない。
【0048】−第二の実施の形態− 第二の実施の形態に係る打ち抜き用金型の断面図を図1
2に示す。第二の実施の形態は、第一の実施の形態で説
明した座金の製造装置を用いる。第一の実施の形態と異
なる点は、その打ち抜き用金型の端面ダイ51の端面8
0が打ち抜き用の穴抜き面付けパンチ60の進退移動方
向と直交する面となす角が圧造される座金がボルト挿通
孔中心から径方向外方に向かうに従って肉厚になるよう
に、及び端面パンチ58の端面82が打ち抜き用の穴抜
き面付けパンチ60の進退移動方向と直交する面となす
角が圧造される座金がボルト挿通孔中心から径方向外方
に向かうに従って肉厚になるように、それぞれの端面8
0、82が傾斜した傾斜面に形成されている点である。
このようにダイやパンチの端面を傾斜面とすることで、
打ち抜かれる座金も図13(B)に示すように、座金が
径方向外方に向かうに従って肉厚となるように、ボルト
やナット或いは被締結物と当たる面がボルト軸と直交す
る面に対して角度θで傾斜するようになる。こうして、
ボルトやナットとの共回りを防止する傾斜面84付きの
座金を簡単に製造することができる。図13(A)は従
来の座金14であり、86は面取り部である。
【0049】なお、本実施の形態では座金の両面に傾斜
を付けるようにしているが、端面ダイ51、或いは端面
パンチ58のいずれか一方に傾斜を付けて、座金の片面
のみに傾斜を付けるようにしてもよい。
【0050】ここで、端面80、82が穴抜き面付けパ
ンチ60の進退移動方向と直交する面となす角α、β
は、0.5〜2度が好ましく、より好ましくは0.7〜
1.5度である。α、βの値は、同じであっても良い
し、異なっていても良い。
【0051】なお、本実施の形態では端面ダイ51と端
面パンチ58の両方に傾斜を付けているが、傾斜を付け
るのはいずれか一方であっても構わない。座金の少なく
とも片方の面が、径方向外方に向かうに従って肉厚にな
るように傾斜していれば、ボルトやナットとの共回りを
防止できるからである。
【0052】−第三の実施の形態− 第三の実施の形態は、第二の実施の形態に加えて、成形
用金型のインサートダイ及び端面パンチの端面が、第二
の実施の形態の端面ダイ及び端面パンチの端面と同様の
傾斜面に形成されているものである。このようにすれ
ば、ボルトやナットとの共回りを防止する傾斜面付きの
座金を安定的により簡単に製造することができる。
【0053】本実施の形態も第二の実施の形態と同様
に、インサートダイ及び端面パンチの端面が穴面付けパ
ンチの進退移動方向と直交する面となす傾斜角は、0.
5〜2度が好ましく、より好ましくは0.7〜1.5度
である。インサートダイと端面パンチの傾斜角の値は、
同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0054】なお、本実施の形態ではインサートダイと
端面パンチの両方に傾斜を付けているが、傾斜を付ける
のはいずれか一方であっても構わない。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に述べる効果を奏する。
【0056】棒状の金属素材から複数の座金を製造する
ので、廃棄される金属の量が少なくて済み、材料歩留ま
りが上がってコストダウンできる。
【0057】複数の金型を並べて複数の座金を製造する
ので、装置の圧造・抜き打ちの一回の動きで複数の座金
が製造され、生産性が上がってコストが下がる。
【0058】成形と打ち抜きの2段階で座金を製造する
ので、反りやバリのない精度の高い座金を製造できる。
【0059】破断端部を面取り状態にして、その後で面
取り状態の破断端部を座金に圧造成形するので、製品座
金に破断履歴を有する金属材料がほとんど又は全く入ら
ない。それで、座金に割れが入って不良品となることが
なく、製品歩留まりが上がる。
【0060】ダイスやパンチの金型面である端面に傾斜
を設けているので、ボルトやナットと共回りしない傾斜
面を有する座金を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態に係る座金製造装置の成形加
工部分の概略横断面図
【図2】座金製造装置のダイブロックの前側に配置され
る移送手段の概略正面図
【図3】金属素材の圧造工程図
【図4】1番目の成形用金型のパンチが金属素材より離
間している断面図
【図5】1番目の成形用金型の圧造成形終了断面図
【図6】1番目の打ち抜き用金型の断面図
【図7】2番目の成形用金型の断面図
【図8】3番目の成形用金型に面取り状態にしなかった
金属素材をセットした断面図
【図9】3番目の成形用金型で面取り状態にしなかった
金属素材を圧造成形した断面図
【図10】3番目の成形用金型に面取り状態にした金属
素材をセットした断面図
【図11】3番目の成形用金型で面取り状態にした金属
素材を圧造成形した断面図
【図12】第二の実施の形態に係る打ち抜き用金型の断
面図
【図13】(A)従来の座金の図、(B)第二の実施の
形態に係る座金の図
【図14】従来の座金を用いた締結部の断面図
【図15】従来の座金を裏返しにして用いた締結部の断
面図
【符号の説明】
10 ボルト 12 ナット 14 座金 16 被締結部材 20 成形用ダイス 22 打ち抜き用ダイス 24 成形用パンチ 26 打ち抜き用パンチ 28 金属素材 30 移送手段 32 第一チャック 33 第二チャック 34 第三チャック 35 第四チャック 36 第五チャック 37 第六チャック 38 金属素材供給装置 39 揺動装置 40 座金部 42 破断端部 44 面取り状態の破断端部 46 スクラップ 50 ダイス 51 端面ダイ 52 インサートダイ 53 通孔 54 ノックアウトピン 56 穴面付けパンチ 57 面付け部 58 端面パンチ 59 隙間 60 穴抜き面付けパンチ 62 面取り部 70 滑り止め溝 72 破断履歴部 80 端面ダイの端面 82 端面パンチの端面 84 傾斜面 86 面取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 尚 愛知県名古屋市南区滝春町9番地 株式会 社大同機械製作所内 (72)発明者 浅川 貞夫 大阪府大阪市鶴見区今津北4丁目7番18号 日本ファスナー工業株式会社内 (72)発明者 影山 和文 大阪府大阪市鶴見区今津北4丁目7番18号 日本ファスナー工業株式会社内 Fターム(参考) 4E087 AA10 CA28 CA33 CC01 EA37 EC19 EC27 FA03 HA59

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の金属素材から複数の座金を製造す
    る座金の製造装置であって、 金属素材を保持する成形用ダイスと、該ダイスに対して
    進退移動し該ダイスに保持されている金属素材の端部に
    打撃を加えて座金部を圧造成形する成形用パンチとを備
    えた成形用金型と、 該成形用金型により端部に座金部が形成された金属素材
    を保持する打ち抜き用ダイスと、該ダイスに対して進退
    移動し該ダイスに保持されている金属素材の座金部を金
    属素材から打ち抜いて分離する打ち抜き用パンチとを備
    えた打ち抜き用金型とが、交互に複数ずつ配置されてい
    るとともに、 隣接する上記金型間において金属素材を移送する移送手
    段を備え、 該移送手段は、打ち抜き用金型から成形用金型への移送
    の際に打ち抜かれた端部が逆向きになるよう金属素材を
    反転させる反転手段を有すると共に、該反転手段で反転
    された金属素材を成形する成形用金型の少なくとも一つ
    には該成形用金型により座金部が圧造成形される金属素
    材の端部とは反対側の端部を面取り状態に加工する手段
    が設けられていることを特徴とする座金の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記座金の座面は、該座金のボルト挿通穴中心から径方
    向外方に向かうに従って肉厚になるように傾斜した傾斜
    面に形成されていて、 上記打ち抜き用ダイス及び打ち抜き用パンチのうち少な
    くとも一方の上記座金傾斜面を形成する金型面は、打ち
    抜き用パンチの進退移動方向と直交する面に対して上記
    座金傾斜面に対応した傾斜面に形成されていることを特
    徴とする座金の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記成形用ダイス及び成形用パンチのうち少なくとも一
    方の上記座金傾斜面を形成する金型面は、成形用パンチ
    の進退移動方向と直交する面に対して上記座金傾斜面に
    対応した傾斜面に形成されていることを特徴とする座金
    の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006255778A (ja) * 2005-03-14 2006-09-28 Sakamura Mach Co Ltd 座金とボルトの同時圧造方法
KR101142135B1 (ko) 2010-03-04 2012-05-10 주식회사 프론텍 너트 제조 과정에서 남은 배출 부재의 재활용 방법
CN113732239A (zh) * 2021-09-22 2021-12-03 冯一鸣 少废料、多数量产出的垫圈制造方法

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