JP3497046B2 - 化粧板用複合基材及びそれを用いた化粧板の製造方法 - Google Patents
化粧板用複合基材及びそれを用いた化粧板の製造方法Info
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Description
製造方法及び該製造方法により製造された複合基材を用
いた化粧板の製造方法に関し、特に、1尺×6尺のよう
な長尺ものの化粧板を谷反りのない状態で製造すること
のできる化粧板用複合基材及びそれを用いた化粧板の製
造方法に関する。
を用いその表面に化粧単板を貼り付け積層した化粧板は
知られている。通常、単板の持つ方向性を相殺して強度
を持たせるために5プライ以上の合板が用いられる。ま
た、施工後に基材が吸湿して膨潤するのを防止するため
に、裏面にクラフト紙のような防湿性のあるシートを張
り付ける場合も多い。さらに、合板を基材とする場合
に、単板表面はざら付いたものとなりがちであり、その
ままで薄手の化粧単板等を接着剤により貼り付けると、
化粧単板等の表面に微細凹凸が現れて意匠性を低下させ
る恐れがあることから、通常、貼り付け前に、基材単板
表面のサンディング等、表面を平滑にするための処理が
行われる。
面及び裏面にMDF(中質繊維板)薄板を積層したもの
が用いられるようになってきている。MDFは、適度の
軽量さと曲げ強さを持つと共に、表面が平滑でありまた
方向性を持たないことから、3プライ合板の表裏面に適
宜の厚さのMDF薄板を積層したもので十分な機械的強
度が得られ、また、表面側への化粧単板の張り付け時
に、合板基材ほどサンディング等の表面処理を必要とせ
ず、化粧板の基材として有効なものとなりつつある。
板と比較して吸放湿による膨張・収縮率が高く、合板の
一面にのみMDFを積層したものは反りが生じやすい。
例えば、合板に水性接着剤を介してMDF薄板を積層
し、それを熱圧プレスにより圧着する場合には、加熱に
よる含水率の低下により、MDFが合板よりも大きく収
縮し、解圧後に、MDF薄板側を表面としたいわゆる谷
反り現象が生じやすい。そのために、図2(A)に示す
ように、合板1の表裏両面に同じ条件でMDF2、2を
積層接着して応力のバランスを図り、反りの発生を防止
することが行われる。
基材として、化粧板を製造する場合に、図2(B)に示
すように、MDF複合材の裏面側に水性接着剤4により
クラフト紙のように防湿効果のあるシート3が先ず貼り
付けられる。これは、化粧材の基材としてMDF複合材
用いた場合に、吸放湿によってMDFが膨張収縮し化粧
板に反りが生じるのを回避するためであり、特に、化粧
板を床材として用いる場合には、この防湿効果のあるシ
ートの貼り付けは必須となる。
重ね合わせた状態で、冷圧用圧締装置で40〜60分程
度仮圧締され、一端解圧した後、防湿シート3を積層し
たとは反対面側のMDF薄板表面に、接着剤を介して突
板のような化粧単板5が重ねられ、その状態で1分程度
熱圧圧締することにより、化粧板が製造される。仮圧締
後の化粧板用基材を観察すると、特に、該基材が1尺×
6尺もののように長尺物の場合に、MDF複合材の時点
では反りのない平坦なものであったにもかかわらず、仮
圧締後に、防湿シート3側を凸とした反りが生じている
ものがあることが知見される。これは、接着剤に含まれ
る水分が裏面側のMDF薄板に移行し、該MDFの膨潤
を引き起し、それにより、長さ方向の寸法変化が大きく
なり、湾曲(反り)が生じたものと解される。
の状態(含水率20〜30%程度)のものが用いられる
(低乾燥状態の化粧単板は追従性に乏しいと共に平滑度
が低く、また、熱圧の過程でクラックが生じる恐れがあ
る)が、熱圧による含水率の低下によって化粧単板5に
収縮が起こり、図2(C)に示すように、さらに谷反り
が増加する方向に湾曲することも経験する。
す化粧板は、それを床下地面上等に連続配置した場合
に、継ぎ目の部分が非連続的な様相を示し意匠性が低下
することから、施工者は上から押圧して反りを無くすよ
うにするが、谷反りのものを平坦にするのはきわめて困
難であり、そのために、そのような反りの発生した化粧
板は商品としての価値が大きく低下する。本発明の目的
は、前記のように従来の製造方法では生じがちであった
谷反りを生じさせない化粧板用複合基材の製造方法及び
該複合基材を用いた化粧板の製造方法を提供することに
ある。
めの本発明による化粧板用複合基材の製造方法は、基本
的に、MDF薄板、1枚以上の合板用単板、MDF薄
板、防湿シートとを、それぞれの間に未硬化状態の接着
剤層を介してこの順に積層し、該積層物を所定時間仮圧
締した後、同時熱圧により一体化することを特徴とす
る。すなわち、従来は、表裏両面にMDF薄板を一体に
積層した既存のMDF複合板を基材として用い、該既存
のMDF複合板の一面に接着剤層を介してクラフト紙の
ような防湿シートを配置した積層物を所定時間仮圧締し
た後、熱圧により一体化して化粧板用基材を製造してい
たものを、本発明では、MDF複合板の製造と防湿シー
トの貼り付け一体化とを同じ工程で行うものであり、そ
れにより、前記課題は解決される。
板、合板用単板、防湿シート等は従来のMDF複合板及
び化粧板用複合基材に用いられているものをそのまま用
いればよく、特に変更する必要はない。用いる接着剤に
ついても同様である。合板用単板は一枚であってもよい
が、機械的強度を得るために層構造とすることが望まし
く、木目方向を直交させた状態であるいは平行状態で3
枚あるいは5枚程度積層する。各合板用単板の間には未
硬化状態の接着剤層を介在させる。
従来知られた圧締装置により先ず冷圧、すなわち仮圧締
する。仮圧締の間に、接着剤中の水分は上下に位置する
部材(合板用単板、MDF、防湿シート)に浸潤する。
前記のように吸湿による寸法変化率はMDFが最も大き
く、長手方向に伸びようとする。2枚のMDF薄板のう
ち、防湿シートに接する方のMDF薄板は防湿シートに
より挙動が規制されることから、反対面に位置するMD
F薄板に比較してその伸び量は小さく抑えられる。その
ために、冷圧時での化粧板用複合基材は前記防湿シート
側を凹面とした姿勢となるような応力下におかれること
となり、その後の熱圧によって一体成形された化粧板用
複合基材は、解圧後に、露出したMDF薄板側を基準と
して山反り状態となったものが得られる確率が高く、従
来のように谷反り姿勢のものが生じることはほぼ回避さ
れる。
板用複合基材を用いて化粧板を製造する方法をも開示す
る。すなわち、製造された化粧板用複合基材の該防湿シ
ートと反対側に位置するMDF薄板の表面に未硬化状態
の接着剤層を介して化粧単板を配置し、必要に応じて仮
圧締した後、熱圧により一体化して化粧板を製造する。
前記したように、化粧単板は通常ウエット(含水率20
〜30%程度)のものが用いられるが、熱圧時での含水
率の低下により化粧単板は長手方向に収縮しようとする
応力が働き、その応力は山反り姿勢にある化粧板用複合
基材を平坦化する方向に作用し、製造される化粧板を平
坦化する。本発明において、用いる接着剤が水性接着剤
である場合に、初期の目的は一層達成可能となる。
明をより詳細に説明する。図1は本発明に基づき化粧板
用複合基材を製造する場合の一例を模式的に説明するも
のであり、次のような積層構成を持つ。
のMDF薄板11であり、その上に、両面に尿素系接着
剤、尿素・メラミン系接着剤、フェノール系接着剤のよ
うな接着剤が塗布され未硬化状態にある第1の合板用単
板12がその木目方向を製造する化粧板用複合基材10
の長手方向に直交する方向として積層される。前記第1
の合板用単板12の上には、第2の合板用単板14が、
その木目方向を製造する化粧板用複合基材10の長手方
向と同じ方向として積層され、該第2の合板用単板の上
には、第1の合板用単板11と同じ態様の第3の合板用
単板16が、その木目方向を製造する化粧板用複合基材
10の長手方向に直交する方向としかつ両面に尿素系接
着剤、尿素・メラミン系接着剤、フェノール系接着剤の
ような接着剤のような接着剤15、15が塗布され未硬
化状態で配置される。さらにその上に、前記第1のMD
F薄板11と同じ第2のMDF薄板17が配置され、そ
の上面側には尿素・酢酸ビニル系接着剤、水性ビニル系
接着剤のような接着剤18が塗布され、該接着剤が未硬
化状態で、最後に、例えばクラフト紙のような防湿シー
ト19が積層配置される。
圧締装置の平板30に載せ、冷圧状態で所要時間仮圧締
し、その後、熱圧用圧締装置により熱圧し、全体を一体
成形することにより、実質上、3プライ合板の両面にM
DF単板を貼合わせ、その一方の面に防湿シートを貼り
合わせた層構造を持つ化粧板用複合基材10が得られ
る。次に図1(B)に示すように、得られた化粧板用複
合基材10のMDF薄板11の表面に尿素系接着剤、水
性ビニル系接着剤のような接着剤20を塗布した後、ウ
エット状態の化粧単板21を積層し、熱圧用圧締装置に
より熱圧することにより、本発明による化粧板が製造さ
れる。
層したが、5枚積層していわゆる5プライ合板の両面に
MDF薄板を貼り合わせた形態のものとしてもよい。1
枚の合板用単板であってもよい。また、各層の間に接着
剤層を形成する方法も任意であり、合板用単板の表裏両
面に予め塗布しておく方法ではなく、積層直前あるいは
直後にその表面に接着剤を逐一塗布していくように態様
であってもよい。
ず、防湿機能を持つあるいは付与されるシートであれば
任意であり、例えば、ポリオレフィン系樹脂シート、塩
ビシート、樹脂含浸紙のようにそれ自体が防湿機能を持
つものに限らず、クラフト紙、和紙あるいは不織布等の
ように、それ自体では防湿性はないかあまり期待できな
いが、接する接着剤の該シートへの付着あるいは含浸硬
化により樹脂化し、防湿効果を有するようになるもので
あってもよい。
厚さ2.7mmで1尺×6尺のMDF薄板11を置き、
その上に、両面に尿素系接着剤13を300g/m2 で
塗布した、同じ大きさであり厚さが1.5mmのラワン
単板12を、該接着剤が未硬化の状態で、その木目方向
を短手方向として積層した。次に、該単板12の上に、
同じ大きさであり厚さが1.0mmのラワン単板14
を、その木目方向を長手方向として積層した。さらに、
該ラワン単板14の上に、両面に尿素系接着剤15を3
00g/m2 で塗布した、同じ大きさであり厚さが1.
5mmのラワン単板16を、該接着剤が未硬化の状態
で、その木目方向を短手方向として積層した。
板17を積層し、その上面側に酢酸ビニル系接着剤18
を100g/m2 で塗布し、該接着剤が未硬化状態で、
その上に、防湿シートとして厚さ0.04mmのクラフ
ト紙19を積層配置した。上記の積層体を冷圧用圧締装
置の平板30に載せ、圧力8kg/cm2 で45分間に
わたり冷圧し、仮圧締した。次いで、ホットプレスに移
し、圧締装置を加熱して、8〜9.5kg/cm2 、温
度115〜120℃で5分間熱圧した後、解圧して化粧
板用複合基材10を得た。解圧状態で少しの時間放置し
た後、観察すると、クラフト紙19を貼り付けた面側を
凹面とする姿勢で幾分湾曲したものが見られたが、逆方
向に湾曲したものに見られなかった。
材10のMDF薄板11の表面(すなわち、山反りとな
った面)に水性ウレタン系接着剤を塗布し、ウエット状
態(含水率25%)の厚さ0.25mmのミズナラ材の
化粧単板を積層し、7kg/cm2 、120℃で1分
間、圧締装置により熱圧し、解圧して化粧板を得た。得
られた化粧板は谷反りのものはなく、ほとんどが平坦で
あり、床面への施工は容易であった。
を用いた化粧板の製造方法によれば、いわゆる谷反りの
ない化粧板を得ることができ、例えば、化粧板を床材と
して用いる場合等において、反りを直すために上から押
し付ける作業が不要となることから、施工がきわめて容
易となる。そのために、化粧板としての商品価値が低下
するのを回避できる。
造過程を模式的に説明する図。
を模式的に説明する図。
板、19…防湿シート、13、15、18、20…接着
剤層、21…化粧単板。
Claims (3)
- 【請求項1】 MDF薄板、1枚以上の合板用単板、M
DF薄板、防湿シートとを、それぞれの間に未硬化状態
の接着剤層を介してこの順に積層し、該積層物を所定時
間仮圧締した後、熱圧により一体化することを特徴とす
る化粧板用複合基材の製造方法。 - 【請求項2】 前記防湿シートとしてクラフト紙を用い
ることを特徴とする請求項1記載の化粧板用基材の製造
方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法により製
造された化粧板用複合基材の該防湿シートと反対側に位
置するMDF薄板の表面に未硬化状態の接着剤層を介し
て化粧単板を配置し、必要に応じて仮圧締した後、熱圧
により一体化することを特徴とする化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP21019896A JP3497046B2 (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 化粧板用複合基材及びそれを用いた化粧板の製造方法 |
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JPH1044102A JPH1044102A (ja) | 1998-02-17 |
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1996
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