JP5567700B2 - 木質複合板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合板に接着剤を介して木質繊維板が接着一体化された木質複合板の製造方法に関し、特に、その木質複合板の反りを調整する技術に関する。
従来より、合板製基材の表面に突板や化粧シートを接着した床材が一般に用いられているが、キャスター等による傷が問題となっていた。これを防止するため、合板表面に硬い木質繊維板(特に中比重繊維板:MDF)を接着した木質複合板を基材として用いた床材が使用されるようになっている。
この木質複合板の製造方法(合板基材と木質繊維板との貼り合わせ)において、最近はシックハウスの問題が大きく取り上げられていることから、接着剤として溶剤系ではなく水系接着剤が用いられるようになっている。
接着剤を塗布後に貼り合わせのためにプレス装置で圧締するが、このプレス方法としては、コールドプレス装置を用いた冷圧とホットプレス装置を用いる熱圧との2種類の方法が設備状況に応じて用いられる(例えば特許文献1,2参照)。
冷圧時においては、接着剤の水分を合板と木質繊維板とが吸収した際に、木質繊維板の吸水膨張率が合板よりも大きいために、表面側(木質繊維板側)が伸びて中央部が表面側に向かって膨らむ凸反りが発生する。一方、熱圧時には、木質繊維板表面から強制加熱によって多量の水分が急速に蒸発して該木質繊維板が収縮することで、中央部が裏面側に向かって凹む大きな凹反り(裏面側へ凸反り)が発生する。
反りの発生する要因としては、その他、合板と木質繊維板との含水率の差により、貼り合わせた瞬間から低い含水率側へ水分の移行が開始されるというものもある。一般的には、合板よりも木質繊維板の方が含水率が低く、この場合、貼り合わせ後に木質繊維板の含水率が上昇することとなり、木質繊維板の寸法の伸びが発生して凸反りとなる。また、圧締直後に複数枚を堆積して養生することにより、毎葉で養生するのに比べ、木質繊維板の上下に位置する合板からの水分移行により寸法変化が大きくなり、反りが大きくなる。
特開2006−224626号公報 特開2010−228141号公報
ところで、このような合板と木質繊維板との複合板においては、可能な限り反りの発生を防止することが望ましいが、ある程度の反りが残存することは避けられない。その前提では、木質複合板からなる基材に突板を貼着して突板化粧の床材を製造する場合、突板貼り工程での突板側の収縮が発生するため、基材の反り状態としては中央部が表面側に膨らむ凸反りが好ましい。
一方、基材に化粧シートを貼着して化粧シート貼りの床材を製造する場合には、化粧シート貼りがラミネートにより貼られることが多く、そのときには中央部が裏面側に凹む凹反りが好ましい。
このように床材における化粧材の種類により基材の反りをコントロールすることが要求されるが、従来の製造方法では反りのコントロールが困難であった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホットプレス装置で合板と木質繊維板とを圧締して貼り合わせる場合に、既存の設備を利用しつつ、木質複合板の反りを容易に調整できるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、ホットプレス装置により圧締されて合板と木質繊維板とが貼り合わせられると、その時点から両者間(或いは水系接着剤との間)で水分の移行が始まって反りが進行することに着目し、ホットプレス装置により圧締された後の時間に基づいて反りをコントロールするようにした。
具体的には、請求項1の発明では、合板に接着剤を介して木質繊維板が積層された積層体をホットプレス装置により熱圧することで、上記合板に木質繊維板を接着一体化して木質複合板を製造する方法であって、上記ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から、該木質複合板がホットプレス装置から搬出されて堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間を変化させて、合板と木質繊維板との間の水分の移行量を調整することにより、木質複合板の反りの方向及び量を調整することを特徴とする。
この請求項1の発明では、合板に接着剤を介して木質繊維板を積層した積層体がホットプレス装置で圧締されて木質複合板が製造される。そのとき、ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から木質複合板が堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間が変化して、合板と木質繊維板との間の水分の移行量が調整され、木質複合板の反りの方向及び量が調整される。
すなわち、例えばホットプレス装置の解圧後の反り調整時間を、木質複合板がホットプレス装置から搬出された後の時間とした場合、その反り調整時間が長くなるほど木質複合板の合板側の蒸気化した水分が発散する。そのため、木質複合板の反りを凹反りにするときには、解圧時点から養生開始時点までの反り調整時間を長くして、その合板側の蒸気化した水分をより発散させてから堆積することで、堆積後の木質繊維板への水分移行を少なくする。一方、逆に、木質複合板の反りを凸反りにするときには、反り調整時間を短くして、合板側の蒸気化した水分が発散しないうちに堆積することで、堆積後の木質繊維板への水分移行を多くすればよい。
尚、堆積装置での堆積後は、木質複合板は凹反り又は凸反りとなったままで養生中に接着剤の硬化が作用し、その反りが維持される。
このようにして、ホットプレス装置の解圧から堆積装置での養生開始までの反り調整時間の調整により、ホットプレス装置や堆積装置等の既存の設備を利用しつつ、木質複合板の反りを容易に調整することができる。
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、上記ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から、該木質複合板がホットプレス装置から搬出されるまでの待機時間を変化させることで、上記反り調整時間を変化させることを特徴とする。
この請求項2の発明では、ホットプレス装置において合板及び木質繊維板の積層体が加熱状態で圧締されて木質複合板が形成されたとき、そのホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から該ホットプレス装置から木質複合板が搬出されるまでの待機時間が変化する。この解圧から搬出までの待機時間中は、木質複合板の木質繊維板側はホットプレス装置の上側熱盤から離れるために、時間の経過と共に冷却されて大きく降温するが、合板側は下側熱盤に載置されて接触したままであるので、時間が経過しても冷却されず、さほど温度が降下しない。このことで、合板の温度が木質繊維板よりも高くなる温度差が生じ、この温度差により合板の水分が木質繊維板に移行し、木質繊維板の伸長度合いが大きくなり、木質複合板の凸反りが生じる。待機時間が長くなるほど水分の移行量が多くなるので、その待機時間を調整することで、凸反りの度合いをコントロールすることができる。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、上記ホットプレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送速度を一定とした上で、該木質複合板のホットプレス装置から堆積装置までの搬送距離を変化させることで、上記反り調整時間を変化させることを特徴とする。
この請求項3の発明では、ホットプレス装置から搬出された木質複合板が堆積装置まで一定の搬送速度で搬送されるが、その搬送距離は変更され、その木質複合板の搬送距離に基づいて反り調整時間が変化される。すなわち、搬送距離が長いほど反り調整時間が長くなって、合板側の水分がより発散し、木質繊維板への水分移行が少なくなり、木質複合板の凹反りが大きくなる。一方、搬送距離が短いほど反り調整時間が短くなって、合板側の水分がより一層木質繊維板へ移行し、木質複合板の凸反りが大きくなる。このように、搬送距離を調整することで、木質複合板の反りの方向及び量を容易にコントロールすることができる。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、上記ホットブレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送距離を一定とした上で、該木質複合板のホットブレス装置から堆積装置までの搬送速度を変化させることで、上記反り調整時間を変化させることを特徴とする。
この請求項4の発明では、ホットプレス装置から搬出された木質複合板が堆積装置までの搬送距離は一定であるが、その搬送速度が変更され、その木質複合板の搬送速度に基づいて反り調整時間が変化される。すなわち、搬送速度が遅いほど反り調整時間が長くなって、合板側の水分がより発散し、木質繊維板への水分移行が少なくなり、木質複合板の凹反りが大きくなる。一方、搬送速度が速いほど反り調整時間が短くなって、合板側の水分がより一層木質繊維板へ移行し、木質複合板の凸反りが大きくなる。このように、搬送速度を調整することで、木質複合板の反りの方向及び量を容易にコントロールすることができる。
請求項5の発明では、請求項1の発明において、上記ホットブレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送距離及び搬送速度を変化させることで、上記反り調整時間を変化させることを特徴とする。
この請求項5の発明では、ホットプレス装置から搬出された木質複合板が堆積装置まで搬送される搬送距離及び搬送速度の双方が共に変更され、その木質複合板の搬送距離及び搬送速度に基づいて反り調整時間が変化される。すなわち、搬送距離が長いほどかつ搬送速度が遅いほど反り調整時間が長くなって、合板側の水分がより一層発散し、木質繊維板への水分移行が少なくなり、木質複合板の凹反りが大きくなる。一方、搬送距離が短いほどかつ搬送速度が速いほど反り調整時間が短くなって、合板側の水分がより一層木質繊維板へ移行し、木質複合板の凸反りが大きくなる。このように、搬送距離及び搬送速度を調整することで、木質複合板の反りの方向及び量を容易にコントロールすることができる。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1つの発明において、上記接着剤は水系接着剤であることを特徴とする。
この請求項6の発明では、合板に木質繊維板を接着する接着剤が水系接着剤であり、木質複合板がホットプレス装置で解圧されて堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間の経過中に、この接着剤の水分も木質繊維板に移行するので、この接着剤中水分の利用により木質複合板の反りの調整代を大に確保することができる。
以上説明したように、請求項1の発明によると、ホットプレス装置による圧締により合板に木質繊維板を接着剤で貼り合わせて木質複合板を製造する場合に、ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から木質複合板がホットプレス装置から搬出されて堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間を変化させて、合板と木質繊維板との間の水分の移行量を調整し、木質複合板の反りの方向及び量を調整することにより、ホットプレス装置や堆積装置等の既存の設備を利用しつつ、木質複合板の反りを容易に調整することができる。
請求項2の発明によると、ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から木質複合板がホットプレス装置から搬出されるまでの待機時間を変化させて反り調整時間を変化させることにより、その待機時間中に、合板の温度が木質繊維板よりも高くなる温度差が生じ、待機時間が長くなるほど水分の移行量が多くなり、その待機時間の調整により木質複合板の凸反りをコントロールすることができる。
請求項3の発明では、ホットプレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送速度及び搬送距離のうち、搬送速度を一定とした上で、搬送距離を変えて反り調整時間を変化させることとした。また、請求項4の発明では、搬送距離を一定とした上で、搬送速度を変えて反り調整時間を変化させることとした。さらに、請求項5の発明では、搬送距離及び搬送速度を共に変えて反り調整時間を変化させることとした。これらの発明によれば、搬送距離が長いほど、搬送速度が遅いほど、又は搬送距離が長くかつ搬送速度が遅いほど、それぞれ反り調整時間が長くなって、合板側の水分がより発散し、木質繊維板への水分移行が少なくなり、木質複合板の反りの方向及び量を容易にコントロールすることができる。
請求項6の発明によると、接着剤を水系接着剤としたことにより、木質複合板がホットプレス装置で解圧されて堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間の経過中に、この接着剤の水分も木質繊維板に移行させて、反りの調整代を大に確保することができる。
図1は、本発明の実施形態において、ホットプレス装置から堆積装置までを概略的に示す図である。 図2は、木質複合板の断面図である。 図3は、実施例の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造された木質複合板Aを示し、この木質複合板Aは、合板1に接着剤3を介して木質繊維板2が接着一体化されたものであり、図示しないが、この木質複合板Aの木質繊維板2表面に、木質薄単板等からなる突板や化粧シートを貼ることで、化粧床材等として用いられる。
上記合板1の樹種、プライ数、厚み等は特に限定されるものではないが、資源の枯渇や自然保護による伐採禁止の動きにより、上質の木材が得られ難くなっているので、植林木を利用することが好ましい。例えばファルカタ、カメレレ、ユーカリ、ゴム、エリマ、ターミナリア、キャンプノス、ペルマ、アカシアマンギューム、ラジアータパイン、メルクシパイン、グメリナ、ポプラ等が挙げられる。その他、従来から使用されているラワン、メランティ、セラヤ、アピトン、カポール等の南洋材、スギ、ヒノキ、マツ等の国産材を使用してもよい。
この合板1は密度、曲げ強さ、曲げヤング率のより低いものを用いるのが好ましく、より一層効果がある。また、合板1の含水率は例えば10〜14%であることが好ましい。
一方、上記木質繊維板2は、例えばMDF、インシュレーションボード、ハードボード等が使用される。これらは、そのまま使用されるだけではなく、樹脂を含浸したり塗布したりして強化されたものも使用される。樹脂としては、例えば不飽和ポリエステルやイソシアネート等が使用される。この木質繊維板2の含水率は例えば7〜8%であることが好ましい。
合板1と木質繊維板2とは熱圧により接着一体化されるものであり、そのための接着剤3は、シックハウス等の問題から水性接着剤が好ましい。例えばビニルウレタン系、酢酸ビニル系、オレフィン系等が用いられる。特に、水性ビニルアルコール系、変性酢酸ビニル系等、熱硬化型でないものの方がよく、養生中の木質複合板Aにおける合板1から木質繊維板2への水分移行の時間を確保して、より効果がある。
図1に示すように、上記木質複合板Aは、合板1に接着剤3を介して木質繊維板2が載置された積層体をホットプレス装置6で熱圧することで、合板1に木質繊維板2が貼り合わせられて一体化される。
上記ホットプレス装置6は、下側熱盤7と、この下側熱盤7の上側に昇降可能に配置された上側熱盤8とを備えている。そして、この下側熱盤7上に、合板1に接着剤3を介して木質繊維板2が積層された積層体を合板1が下側熱盤7側に、また木質繊維板2が上側熱盤8側にそれぞれ位置するように載置し、上側熱盤8を下降移動させて下側熱盤7との間で積層体を加熱状態で圧締することにより(例えば温度:115℃、圧力:7kgf/cm、時間:2分間)、合板1に接着剤3を介して木質繊維板2を接着一体化する。
上記ホットプレス装置6の搬出部にはコンベア装置11の始端部が接続されている。コンベア装置11の終端部は、複数枚の木質複合板A,A,…を積み重ねて養生させるための堆積装置12に接続されており、ホットプレス装置6が熱圧後に上側熱盤8が上昇移動して木質複合板Aを解圧すると、そのホットプレス装置6が木質複合板Aをコンベア装置11に搬出してコンベア装置11が木質複合板Aを搬送し、そのコンベア装置11の終端部で木質複合板Aを堆積装置12に搬入して、その堆積装置12で図外の移載装置により複数枚の木質複合板A,A,…を積み重ねるようにしている。
上記ホットプレス装置6や堆積装置12等は従来のものと同じである。そして、本発明の特徴として、上記ホットプレス装置6が木質複合板Aを解圧した解圧時点から、該木質複合板Aがホットプレス装置6から搬出されて堆積装置12で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間を変化させ、そのことで合板1と木質繊維板2との間の水分の移行量を調整して、木質複合板Aの反りの方向及び量を調整する。
その場合、反り調整時間と木質複合板Aの反りの方向及び量との関係を予め試作や実験等により設定しておき、木質複合板Aの希望する反りの方向や量に対応する反り調整時間を目標値として、その目標値となるように実際の反り調整時間を変更する。
具体的には、この実施形態1では、ホットプレス装置6が木質複合板Aを解圧した時点から、該木質複合板Aがホットプレス装置6から搬出されるまでの待機時間を変化させ、この待機時間により上記反り調整時間を変化させる。
すなわち、ホットプレス装置6において合板1及び木質繊維板2の積層体が上下の熱盤7,8間で加熱状態で圧締されて木質複合板Aが形成された後、その上側熱盤8が上昇移動してホットプレス装置6が木質複合板Aを解圧すると、通常はその後に直ちに木質複合板Aをホットプレス装置6から搬出するが、そうせずに、解圧した時点から木質複合板Aがホットプレス装置6から搬出されるまで待機させ、かつその待機時間を変化させる。この解圧から搬出までの待機時間中は、木質複合板Aの木質繊維板2側はホットプレス装置6の上側熱盤8から離れるために、時間の経過と共に冷却されて大きく降温する。これに対し、合板1側は下側熱盤7に載置されて接触したままであるので、時間が経過しても冷却されず、さほど温度が降下しない。このことで、合板1の温度が木質繊維板2よりも高くなる温度差が生じ、この温度差により合板1の水分が木質繊維板2に移行し、木質繊維板2の伸長度合いが大きくなり、木質複合板Aの凸反りが生じる。待機時間が長くなるほど水分の移行量が多くなるので、その待機時間を調整することで、木質複合板Aの凸反りの量をコントロールする。
したがって、この実施形態においては、合板1に接着剤3を介して木質繊維板2が載置された積層体がホットプレス装置6で圧締されて木質複合板Aが製造される。この木質複合板Aは、ホットプレス装置6からコンベア装置11に搬出され、そのコンベア装置11で搬送された後、その終端部でコンベア装置11から堆積装置12に搬入されて、その堆積装置12で先に搬送された木質複合板A上に順に積み重ねられて養生される。
そのとき、上記ホットプレス装置6が木質複合板Aを解圧した時点から該木質複合板Aがホットプレス装置6から搬出されるまでの待機時間が変化するので、木質複合板Aにおいて下側熱盤7の接触したままの合板1側と、上側熱盤8から離れた木質繊維板2側との温度差により、木質複合板Aの凸反りの度合いをコントロールすることができる。よって、ホットプレス装置6や堆積装置12等の既存の設備を利用しつつ、木質複合板Aの反りを容易に調整することができる。
また、上記合板1に木質繊維板2を接着する接着剤3が水系接着剤であり、木質複合板Aがホットプレス装置6で搬出されるまでの待機時間(反り調整時間)の経過中に、この接着剤3の水分も木質繊維板2に移行する。このような接着剤3中の水分の利用により上記反りの調整代を大に確保することができる。
また、木質複合板Aは、圧締後に堆積装置12において複数枚が堆積されて養生されることにより、毎葉(1枚ごと)で養生するのに比べ、木質繊維板Aの上下の少なくとも一方に位置する木質繊維板Aの合板1からの水分移行により寸法変化が大きくなり、反りが大きくなる。
尚、こうして堆積装置12で木質複合板Aが堆積されると、木質複合板Aは凸反りとなったままで養生中に接着剤3の硬化が作用し、その反りが維持される。
(実施形態2)
上記実施形態1では、ホットプレス装置6が木質複合板Aを解圧した時点から、該木質複合板Aがホットプレス装置6から搬出されるまでの待機時間を変化させることで、反り調整時間を変化させている。これに対し、ホットプレス装置6から堆積装置12まで木質複合板Aを搬送する例えばコンベア装置11の搬送速度Vを一定とし、その上で、木質複合板Aのホットプレス装置6から堆積装置12までの例えばコンベア装置11の搬送距離Dを変化させることで、反り調整時間を変化させるようにしてもよい。
すなわち、ホットプレス装置6から搬出された木質複合板Aが堆積装置12までコンベア装置11により一定の搬送速度Vで搬送されるが、そのコンベア装置11の搬送距離Dは変更され、その木質複合板Aの搬送距離Dに基づいて反り調整時間が変化される。そして、コンベア装置11の搬送距離Dが長くなって、ホットプレス装置6の解圧後の反り調整時間が長くなるほど木質複合板Aの合板1側の蒸気化した水分が発散するので、例えば木質複合板Aの反りを凹反りにするときには、コンベア装置11の搬送距離Dを長くして解圧時点から養生開始時点までの反り調整時間を長くし、その合板1側の蒸気化した水分をより発散させてから堆積装置12で堆積する。このことで、搬送距離Dが長いほど反り調整時間が長くなって、木質複合板Aにおける合板1側の水分がより発散し、堆積後の水分移行が少なくなり、木質複合板Aの凹反りが大きくなる。
一方、逆に、木質複合板Aの反りを凸反りにするときには、コンベア装置11の搬送距離Dを短くして反り調整時間を短くし、合板1側の蒸気化した水分が発散しないうちに堆積装置12で堆積することで、堆積後の水分移行を多くする。このことで、搬送距離Dが短いほど反り調整時間が短くなって、木質複合板Aにおける合板1側の発散しない水分が堆積後に多く木質繊維板2側に移行し、木質複合板Aの凸反りが大きくなる。
このように、搬送距離Dを長短に変化させることで、木質複合板Aの凹反り又は凸反りの度合いを容易にコントロールすることができる。
(実施形態3)
上記実施形態2とは逆に、ホットブレス装置から堆積装置12まで木質複合板Aを搬送する例えばコンベア装置11の搬送距離Dを一定とし、その上で、該コンベア装置11の木質複合板Aの搬送速度Vを変化させることで、反り調整時間を変化させるようにしてもよい。
すなわち、ホットプレス装置6から搬出された木質複合板Aが堆積装置12までコンベア装置11により一定の搬送距離Dを搬送されるが、そのコンベア装置11の搬送速度Vは変更され、その木質複合板Aの搬送速度Vに基づいて反り調整時間が変化される。そして、コンベア装置11の搬送速度Vが遅くなって、ホットプレス装置6の解圧後の反り調整時間が長くなるほど木質複合板Aの合板1側の蒸気化した水分が発散するので、木質複合板Aの反りを凹反りにするときには、コンベア装置11の搬送速度Vを遅くして解圧時点から養生開始時点までの反り調整時間を長くし、その合板1側の蒸気化した水分をより発散させてから堆積装置12で堆積する。このことで、搬送速度Vが遅いほど反り調整時間が長くなって、木質複合板Aにおける合板1側の水分がより発散し、堆積後の水分移行が少なくなり、木質複合板Aの凹反りが大きくなる。
一方、逆に、木質複合板Aの反りを凸反りにするときには、コンベア装置11の搬送速度Vを速くして反り調整時間を短くし、合板1側の蒸気化した水分が発散しないうちに堆積装置12で堆積することで、堆積後の水分移行を多くする。このことで、搬送速度Vが速いほど反り調整時間が短くなって、木質複合板Aにおける合板1側の発散しない水分が堆積後に多く木質繊維板2側に移行し、木質複合板Aの凸反りが大きくなる。
このように、搬送速度Vを高低に変化させることで、木質複合板Aの凹反り又は凸反りの度合いを容易にコントロールすることができる。
(実施形態4)
上記実施形態2では、搬送速度Vを一定にして搬送距離Dを変化させるようにし、実施形態3では逆に、搬送距離Dを一定にして搬送速度Vを変化させるようにしているが、搬送距離D及び搬送速度Vの双方を共に変化させることにより、反り調整時間を変化させることもできる。
この実施形態では、ホットプレス装置6から搬出された木質複合板Aが堆積装置12まで搬送されるコンベア装置11の搬送距離D及び搬送速度Vの双方が共に変更され、その木質複合板Aの搬送距離D及び搬送速度Vに基づいて反り調整時間が変化される。すなわち、搬送距離Dが長いほどかつ搬送速度Vが遅いほど反り調整時間が長くなって、合板1側の水分がより一層発散し、木質繊維板2への水分移行が少なくなり、木質複合板Aの凹反りが大きくなる。一方、搬送距離Dが短いほどかつ搬送速度Vが速いほど反り調整時間が短くなって、合板1側の水分がより一層木質繊維板2へ移行し、木質複合板Aの凸反りが大きくなる。このように、搬送距離D及び搬送速度Vを調整することで、木質複合板Aの反りの度合いを容易にコントロールすることができる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
合板としての厚さ9mmのファルカタ合板に接着剤としての変性酢酸ビニル接着剤を塗布し、その上に木質繊維板としての厚さ2.7mmのMDFを積層してホットプレス装置において温度110℃、圧力7kgf/cmで2分間圧締することにより、厚さ11.7mm、幅945mm、長さ1840mmの木質複合板を得た。そのとき、木質複合板をホットプレス装置からコンベアに移載される前にアンローダで待機させることで、ホットプレス装置から排出された後に堆積されるまでの間に待機時間(反り調整時間)を設け、この待機時間により木質複合板の反りを調整した。待機時間は無し(0分)、1分及び2分であり、各待機時間毎に19枚(サンプル番号1〜19)の木質複合板の反りを測定した。その結果を図3に示す。
この図3の結果について考察すると、待機時間無しの木質複合板の反りが凸反りであるのに対し、待機時間を長くすることにより、木質複合板の反りが凹反り方向に矯正されていることが判る。このことによって、木質複合板の反りを容易に調整できることが裏付けられた。
本発明は、合板に接着剤を介して木質繊維板を接着一体化した木質複合板の反りを容易にコントロールできるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
A 木質複合板
1 合板
2 木質繊維板
3 接着剤
6 ホットプレス装置
7 下側熱盤
8 上側熱盤
11 コンベア装置
12 堆積装置
V 搬送速度
D 搬送距離

Claims (6)

  1. 合板に接着剤を介して木質繊維板が積層された積層体をホットプレス装置により熱圧することで、上記合板に木質繊維板を接着一体化して木質複合板を製造する方法であって、
    上記ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から、該木質複合板がホットプレス装置から搬出されて堆積装置で複数枚積み重ねられる養生開始時点までの反り調整時間を変化させて、合板と木質繊維板との間の水分の移行量を調整することにより、木質複合板の反りの方向及び量を調整することを特徴とする木質複合板の製造方法。
  2. 請求項1において、
    ホットプレス装置が木質複合板を解圧した時点から、該木質複合板がホットプレス装置から搬出されるまでの待機時間を変化させることで、反り調整時間を変化させることを特徴とする木質複合板の製造方法。
  3. 請求項1において、
    ホットプレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送速度を一定とした上で、該木質複合板のホットプレス装置から堆積装置までの搬送距離を変化させることで、反り調整時間を変化させることを特徴とする木質複合板の製造方法。
  4. 請求項1において、
    ホットブレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送距離を一定とした上で、該木質複合板のホットプレス装置から堆積装置までの搬送速度を変化させることで、反り調整時間を変化させることを特徴とする木質複合板の製造方法。
  5. 請求項1において、
    ホットブレス装置から堆積装置までの木質複合板の搬送距離及び搬送速度を変化させることで、反り調整時間を変化させることを特徴とする木質複合板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    接着剤は水系接着剤であることを特徴とする木質複合板の製造方法。
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