JP3496899B2 - ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路 - Google Patents

ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路

Info

Publication number
JP3496899B2
JP3496899B2 JP14187795A JP14187795A JP3496899B2 JP 3496899 B2 JP3496899 B2 JP 3496899B2 JP 14187795 A JP14187795 A JP 14187795A JP 14187795 A JP14187795 A JP 14187795A JP 3496899 B2 JP3496899 B2 JP 3496899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
offset
hall element
electrodes
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14187795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08335730A (ja
Inventor
佳苗 藤井
亮司 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP14187795A priority Critical patent/JP3496899B2/ja
Publication of JPH08335730A publication Critical patent/JPH08335730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3496899B2 publication Critical patent/JP3496899B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホール素子及びこれを
用いた電力乗算回路に関し、特にホール素子自体のオフ
セット除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、ホール素子におけるオフセット発
生のメカニズムを、図6に示すホール素子1の内部等価
回路を用いて説明する。ホール素子1におけるT1 ,T
2 は電流入力電極、T3 ,T4 はホール出力電圧を取り
出すための電圧出力電極である。内部等価回路を抵抗ブ
リッジ回路で表わし、電流入力電極T2 を接地して電流
入力電極T1 に電圧E0 を印加したときの各ノードの電
圧をそれぞれE1 ,E2,E3 ,E4 とし、ブリッジ抵
抗をそれぞれR1 ,R2 ,R3 ,R4 とすると、ホール
出力電圧は次の(1)式で与えられる。
【0003】
【数1】 E3 −E4 =〔(E1 −E2 )R2 /(R1 +R2 )〕 −〔(E1 −E2 )・R4 /(R3 +R4 )〕 =(E1 −E2 )・(R2 ・R3 −R1 ・R4 ) /(R1 +R2 )・(R3 +R4 ) …(1) いま、磁界B=0の場合は、 R1 /R2 =R3 /R4 …(2) の関係が成立するので、ホール出力電圧(E3 −E4
=0になる。ところが、例えば抵抗R1 がr1 だけ小さ
い方へ変動すると、
【数2】 E3 −E4 =(E1 −E2 )・〔(R2 ・R3 −(R1 −r1 )R4 〕 /(R1 −r1 +R2 )・(R3 +R4 ) ≠0 …(3) となるので磁界がゼロでも残留電圧によるオフセット電
圧が生じる。
【0004】次に、このようなホール素子を用いて電力
乗算回路の第1の従来例を図7を参照して説明する。P
1 ,P2 は被測定系の電圧を入力する電圧入力端子であ
り、通常100V等の交流電圧が入力される。この入力
電圧は2つの抵抗RA ,RBからなる電圧変換回路3で
内部回路にマッチしたレベルの電圧に降圧される。電圧
変換回路3はトランス等で構成される場合もある。2は
電圧・電流変換回路であり、電圧変換回路3の出力を受
けて被測定系の電圧に正比例した電流をホール素子1の
電流入力電極T1 に印加するようになっている。一方、
被測定系の電流は、図8に示すように、電流コイルにお
ける電流入力端子1S,1Lに被測定系の電流を入力さ
せるとコア4によりその被測定系の電流に比例した磁界
が得られる電流・磁界変換手段で磁界に変換されてホー
ル素子1に印加される。可変抵抗器VR1は、前述のオ
フセット電圧を補償するためのもので、電圧出力電極T
3,T4 間に接続され、可動子が電流入力電極T2 に接
続されている。OUT1,OUT2は出力端子である。
【0005】図9は、磁界が存在する場合のホール出力
電圧とオフセット電圧の関係を示した図である。即ち、
図9は、図6のホール素子1において図示の磁界Ba が
加えられた場合に、抵抗R1 ,R4 の抵抗値が小さくな
り、抵抗R2 ,R3 の抵抗値が大きくなるものとすると
き、磁界の向きに関する「正」、「負」と、電流入力電
極T1 ,T2 間に流れる電流(被測定系の電圧に比例し
た電流)の位相「0度」、「180度」との4つの組み
合わせについて、電流入力電極T1 ,T2 に半波の交流
電流が流れたときの電圧出力電極T3 ,T4 間の電位
差、即ちホール出力電圧を示している。図9において、
上段が磁界強度、中段が被測定系の電圧、下段がホール
出力電圧の波形を表わし、オフセット電圧がない場合を
破線で示している。いま、抵抗R1 のオフセットが抵抗
値を減少させる方向に生じたとすると、同図下段の実線
で示すようにオフセット電圧分だけホール出力電圧が増
減する。そこで、このオフセット電圧によるホール出力
電圧の偏差を解消するために図7に示したように可変抵
抗器VR1が設けられ、磁界が加わっていない状態でホ
ール出力電圧がゼロになるように調整している。しかし
ながら、この電力乗算回路では電力量計として一般需要
家用に使用された場合、このような調整作業を継続的に
することは現実には不可能であることから、誤差の発生
はやむを得ないものという問題があった。また可変抵抗
器VR1のような機械的接触部分を持つ部品を必要とす
ることは信頼性の上から問題があるとともに、電力乗算
回路をLSI化することを困難にしていた。
【0006】図10の(a),(b)は、上記の機械的
接触部分を持つ可変抵抗器及びその調整作業を不要とし
たホール素子及び電力乗算回路を示している。ここで同
図(a)を用いて、前述のオフセット電圧の発生原理を
改めて説明する。ホール素子1における電流入力電極T
1 ,T2 間に電流Ia が流れ、磁界が加えられていない
ときは電流入力電極T1 ,T2 間をキャリアが直進する
が、磁界Ba が加えられるとローレンツ力により進路が
曲げられてキャリアは斜行するようになる。この結果、
両側面での電荷が不平衡になって生じたホール電界が線
積分された結果がホール電圧として電圧出力電極T3
4 間に発生する。このとき生じたホール電界が外部か
ら加えられている磁界Ba とは反対方向のローレンツ力
をキャリアに及ぼすので、キャリアは定常状態としては
直進するようになる。しかし、キャリアは全て同じ速度
で移動せずにある速度分布を持っているので、平均速度
以外のキャリアはローレンツ力が釣り合わず、電流通路
が曲げられて長くなるために電気抵抗が増加する。この
電気抵抗の変化は磁界強度や電流値に依存するほか、製
造過程に基づく残留歪み、温度変化、経年変化等によっ
て発生し、この電気抵抗の変動分が、次式に示すように
ホール出力電圧Va 中にオフセット電圧Voff として現
れる。
【0007】 Va =K・Ia ・Ba +Voff …(4) ここでKはホール素子により決まる係数である。この第
2の従来例では、1対の電流入力電極T1 ,T2 間にお
けるホール素子1の活性層上に接合ゲートからなるゲー
ト電極G1 を設け、そのゲート電極G1 に外部から所定
の電圧を印加することによりキャリアの通路を修正して
オフセット電圧Voff を消去するようにしている。図1
0(b)において、5は被測定系の電圧を電流入力電極
1 へ印加するために電圧変換とインピーダンス変換を
する入力回路、6は電圧出力電極T3 ,T4 から出力さ
れるホール電圧の同相分を除去して差分出力を得る減算
回路、7はオフセット補償回路であって、被測定系の電
圧極性を検出して減算回路6から得られるホール電圧出
力を、その極性が常に被測定系電圧の極性と一致するよ
うに切換えて積分することによりオフセット電圧を取り
出し、そのオフセット電圧Voff が消去されるようにゲ
ート電極G1 に電圧を印加する。
【0008】ところで、ホール素子1の活性層がN型、
ゲート電極G1 がP型の半導体で形成されているとす
る。その場合、ゲート電極G1 に正電圧が印加される
と、ゲート電極G1 と電流入力電極T2 間に順電流が流
れ、ゲート電極G1 はオフセット除去用ゲートとして動
作しなくなってしまう。したがってゲート電極G1 には
負の電圧を印加することが必要である。即ち、いまオフ
セット検出器7からの電圧が0Vから負方向に下がって
いくとすると、活性層のインピーダンスは上がる方向に
変化し、前記(4)式中のオフセット電圧Voff は正方
向に変化する。この結果、ホール素子1自体が持つオフ
セット電圧Voff が負の値のときはオフセットは除去で
きるが、オフセット電圧Voff が正の値の場合はオフセ
ット除去はできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例では、オ
フセット電圧によるホール出力電圧の偏差を解消するた
めに可変抵抗器を設け、磁界が加わっていない状態でホ
ール出力電圧がゼロになるように、この可変抵抗器を調
整している。しかしながら、電力乗算回路を電力量計と
して一般需要家用に使用する場合、このような調整作業
を継続的にすることは現実には不可能であることから、
誤差の発生はやむを得ないものという問題があった。ま
た可変抵抗器のような機械的接触部分を持つ部品を必要
とすることは信頼性の上から問題があるとともに、電力
乗算回路をLSI化することを困難にしていた。
【0010】第2の従来例では、ホール素子の活性層が
n型で、ゲート電極がp型の半導体で形成されている場
合、ホール素子自体が持つ初期オフセット電圧が負の値
のときは、ゲート電極に負の電圧を印加することによ
り、オフセットを除去できるが、オフセット電圧が正の
値の場合はオフセットを除去することができないという
問題があった。
【0011】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
ホール素子自体が持つ初期オフセット電圧の極性の如何
に拘らずオフセットを除去することができるとともに温
度変化、経年変化等によりオフセット電圧の値が変化し
ても自動的にオフセット補償をすることができ、またL
SI化に適したホール素子及びこれを用いた電力乗算回
路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載のホール素子は、1対の電流入力電極
と、印加される磁界の大きさに比例してホール電圧を出
力する1対の電圧出力電極とを有し、前記1対の電流入
力電極間の活性層上に接合ゲートを有する複数のゲート
電極を所要の配置態様で形成し、該接合ゲートを有する
複数のゲート電極の何れかには、前記磁界が印加されて
いないときに前記1対の電圧出力電極間に生ずる初期オ
フセット電圧をゼロにするためのオフセット消去用電圧
として、前記初期オフセット電圧が正のときは正の所要
値の電圧を印加し前記初期オフセット電圧が負のときは
負の所要値の電圧を印加し、前記接合ゲートを有する
数のゲート電極の他の何れかには、前記オフセット消去
用電圧の印加により前記何れかのゲート電極と前記1対
の電流入力電極の一方の電流入力電極間に順電流が流れ
るように前記何れかのゲート電極・前記活性層間がバイ
アスされた順バイアス状態になるのを抑えるバイアス電
圧を印加するように構成してなることを要旨とする。
【0013】請求項2記載のホール素子は、上記請求項
1記載のホール素子において、前記1対の電流入力電極
間を結ぶ線に対し対称となる位置に第1のゲート電極と
第2のゲート電極を形成し、前記第1のゲート電極に前
記オフセット消去用電圧を印加し、前記第2のゲート電
極に前記バイアス電圧を印加するように構成してなるこ
とを要旨とする。
【0014】請求項3記載のホール素子は、上記請求項
1又は2記載のホール素子において、前記活性層はN型
半導体、前記各ゲート電極はP型半導体により当該各ゲ
ート電極は接合ゲートで構成し、前記バイアス電圧は負
電圧としてなることを要旨とする。
【0015】請求項4記載のホール素子は、上記請求項
1又は2記載のホール素子において、前記活性層はP型
半導体、前記各ゲート電極はN型半導体により当該各ゲ
ート電極は接合ゲートで構成し、前記バイアス電圧は正
電圧としてなることを要旨とする。
【0016】請求項5記載の電力乗算回路は、上記請求
項1ないし4の何れかに記載のホール素子の前記1対の
電流入力電極の他方の電流入力電極に被測定系の電圧に
正比例した電流を印加し、前記被測定系の電流に比例し
た前記磁界を前記ホール素子に印加し、前記1対の電圧
出力電極間から前記被測定系の電流と電圧との乗算結果
に正比例した差分電圧を差分電圧検出手段で検出し、検
出された差分電圧に正比例した前記被測定系の電力値を
算出する電力乗算回路であって、前記被測定系の電圧が
正の場合は前記差分電圧検出手段からの差分電圧を負に
切換えて入力し前記被測定系の電圧が負の場合は前記差
分電圧検出手段からの差分電圧を正に切換えて入力し、
該差分電圧を積分することにより当該差分電圧中のオフ
セット電圧を検出し、該オフセット電圧前記正又は負
の所要値のオフセット消去用電圧として出力するオフセ
ット補償手段有することを要旨とする。
【0017】
【作用】請求項1記載のホール素子において、例えば、
活性層がN型半導体、各ゲート電極がP型半導体により
各ゲート電極が接合ゲートで構成されている場合、何れ
かのゲート電極にはオフセット消去用電圧として、初期
オフセット電圧が正のときは、正の所要値の電圧が印加
され、初期オフセット電圧が負のときは、負の所要値の
電圧が印加される。このとき他の何れかのゲート電極に
は予め十分な値の負のバイアス電圧が与えられて活性層
は十分な正の電位に保持される。この結果、上記のよう
に何れかのゲート電極に正の電圧が印加されても、その
何れかのゲート電極・活性層間が順バイアス状態になる
のが抑えられ、初期オフセット電圧の極性が正、負何れ
の場合にもオフセットを除去することが可能となる。
【0018】請求項2記載のホール素子において、活性
層上には、1対の電流入力電極間を結ぶ線に対し対称と
なる位置に第1のゲート電極と第2のゲート電極を形成
し、第1のゲート電極にはオフセット消去用電圧を印加
し、第2のゲート電極にはバイアス電圧を印加すること
で上記と同様の初期オフセット電圧の極性が正、負何れ
の場合にもオフセット除去が可能となる。
【0019】請求項3記載のホール素子において、活性
層はN型半導体、各ゲート電極はP型半導体による接合
ゲートで各ゲート電極を構成した場合、バイアス電圧は
負電圧とすることで、オフセット消去用電圧としてゲー
ト電極に正、負何れの電圧が印加されても、そのゲート
電極・活性層間が順バイアス状態になるのが抑えられ
る。
【0020】請求項4記載のホール素子において、活性
層はP型半導体、各ゲート電極はN型半導体による接合
ゲートで各ゲート電極を構成した場合、バイアス電圧は
正電圧とすることで、オフセット消去用電圧としてゲー
ト電極に正、負何れの電圧が印加されても、そのゲート
電極・活性層間が順バイアス状態になるのが抑えられ
る。
【0021】請求項5記載の電力乗算回路において、ホ
ール素子におけるホール電圧出力用の1対の電圧出力電
極間から被測定系の電流と電圧との乗算結果に正比例し
差分電圧を検出する差分電圧検出手段と、被測定系の
電圧が正の場合は差分電圧検出手段からの差分電圧を負
に切換えて入力し被測定系の電圧が負の場合は差分電圧
検出手段からの差分電圧を正に切換えて入力し、その差
分電圧を積分することにより当該差分電圧中のオフセッ
ト電圧を検出し、このオフセット電圧正又は負の所要
値のオフセット消去用電圧として出力するオフセット補
償手段とを具備させることにより、温度変化、経年変化
等によりオフセット電圧の値が変化しても自動的にオフ
セット補償をすることが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明に係るホール素子の第1実施例を
示す図である。なお図1及び後述の各実施例を示す図に
おいて前記図7、図10における機器及び素子等と同一
ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重
複した説明を省略する。まずホール素子の構成を説明す
ると、本実施例のホール素子10は、1対の電流入力電
極T1 ,T2 を結ぶ線に対し対称となる位置に、第1の
ゲート電極G1 に加えて第2のゲート電極G2 が形成さ
れている。ホール素子10の活性層がN型の場合、両ゲ
ート電極G1,G2 はP型の半導体で形成され、両ゲー
ト電極G1 ,G2 は接合ゲートにより構成されている。
ホール素子10の初期オフセット電圧が正のときは第1
のゲート電極G1 にはオフセット検出器7から正の所要
値の電圧が与えられ、初期オフセット電圧が負のときは
第1のゲート電極G1 にはオフセット検出器7から負の
所要値の電圧が与えられる。このとき第1のゲート電極
1 に正の電圧が与えられてもその接合ゲートが順バイ
アス状態になるのを抑えるため、第2のゲート電極G2
にはバイアス電圧源8から予め十分な値の負のバイアス
電圧が与えられ、ホール素子10の活性層は十分な正の
電位に保持されている。したがってホール素子10自体
が持つ初期オフセット電圧の極性が正、負何れの場合に
も、そのオフセット電圧を除去することが可能となる。
ホール素子10の活性層がP型で、第1、第2のゲート
電極G1 ,G2 がN型の場合は、上記とは逆に、第2の
ゲート電極G2 には予め十分な正のバイアス電圧を与え
ることにより、初期オフセット電圧の極性が正、負何れ
の場合にも、オフセット除去が可能となる。特に、多数
の製品を製造した場合、各ホール素子自体の初期オフセ
ット電圧はバラつく傾向があり、正のオフセット電圧を
示すものもあれば、負のオフセット電圧を示すものも出
てくる。本実施例では、このような初期オフセット電圧
の極性が正、負何れの場合でも、オフセットの除去が可
能である。
【0023】図2には、ホール素子の第2実施例を示
す。本実施例では、第1、第2のゲート電極G1 ,G2
に加えて、1対の電流入力電極T1 ,T2 を結ぶ線に対
し対称となる位置に第3のゲート電極G3 と第4のゲー
ト電極G4 が形成されている。そして第1のゲート電極
1 にオフセット検出器7から初期オフセット電圧消去
用の電圧が与えられ、第2、第3、第4のゲート電極G
2 ,G3 ,G4 に共通に、バイアス電圧源8から、第1
のゲート電極G1 ・活性層間が順バイアスになるのを抑
えるためのバイアス電圧が与えられている。本実施例に
おいても、上記第1実施例と同様に、初期オフセット電
圧の極性が正、負何れの場合にも、オフセット除去が可
能となる。
【0024】図3には、本発明に係る電力乗算回路の第
1実施例を示す。本実施例では、前記図1のホール素子
10が用いられている。図3において、11は電圧出力
電極T3 ,T4 間に発生するホール電圧の差分を出力す
る差分電圧検出手段としての減算回路であり、その出力
は被測定系の電圧、電流の乗算結果に正比例した電圧と
なり、出力端子OUT1,OUT2に出力する。減算回
路11は通常、オペアンプOP1、抵抗器Rd ,Re ,
Rf ,Rg 等で構成されている。12は符号反転増幅器
であり、−1倍のゲインを持っており、減算回路11の
出力電圧の正、負を反転する。13は電圧入力端子
1 ,P2 に入力する被測定系の電圧極性を判定する電
圧極性検出器であり、インバータ14とともに被測定系
の電圧極性が正の場合はスイッチSW1をオン、SW2
をオフし、負の場合にはスイッチSW1をオフ、SW2
をオンする。スイッチSW1の1次側は符号反転増幅器
12の出力に接続され、スイッチSW2の1次側は減算
回路11の出力に接続されている。15は積分器であ
り、電圧極性検出器13の出力タイミングでスイッチS
W1,SW2の2次側から出力される電圧を積分(誤差
増幅)する。積分器15は通常、オペアンプOP2、抵
抗器Rh 、コンデンサCa 等で構成されている。16は
符号反転増幅器であり、−1倍のゲインを持っており、
積分器15の出力電圧の正、負を反転し、ホール素子1
0の第1のゲート電極G1 にオフセット電圧消去用の電
圧を供給する。上記の符号反転増幅器12,16、電圧
極性検出器13、インバータ14、積分器15及びスイ
ッチSW1,SW2によりオフセット補償手段が構成さ
れている。
【0025】次に、上述のように構成された電力乗算回
路の作用を図4を用いて説明する。同図は、正弦波入力
時の各部の代表的な波形を示している。波形(a)はホ
ール素子10に印加される磁界強度を示しており、図8
に示した電流入力端子1S,1L間に流れる被測定系の
電流に正比例する。波形(b)はホール素子10の電流
入力電極T1 に加えられる電圧・電流変換回路2からの
電流波形であり、電圧入力端子P1 ,P2 間に入力され
る被測定系の電圧に正比例する。波形(c)は減算回路
11の出力波形であり、ホール素子10の電圧出力電極
3 ,T4 間の電位差、つまり被測定系の電流(波形
(a))と電圧(波形(b))の乗算結果に正比例した
電圧を波形を示している。オフセットがないときの波形
を破線で、オフセットがあるとき(極性は正)の波形を
実線で示してある。波形(d)は符号反転増幅器12の
出力波形であって波形(c)の正、負を入れ替えた波形
となっている。波形(e)はスイッチSW1,SW2を
通過した後の積分器15の入力電圧波形を示している。
電圧入力端子P1 ,P2 間に入力される被測定系の電圧
が正の場合(図中(イ)の区間)は、(d)の波形が積
分器15に入力され、被測定系の電圧が負の場合(図中
(ロ)の区間)は、(c)の波形が積分器15に入力さ
れる。波形(e)において(イ)、(ロ)の一周期分を
積分すると、破線で示すオフセットがない場合は積分結
果はゼロとなるが、実線で示すオフセットがある場合は
そのオフセット分が積分されていく。積分器15の積分
の様子を波形(f)に示す。さらにこの波形(f)が反
転増幅器16で反転増幅され、ホール素子10の第1の
ゲート電極G1 に与えられる電圧波形を(g)に示す。
この第1のゲート電極G1 への所要値の電圧印加により
オフセットが除去された出力電圧波形を図中(ハ)の区
間に示す。このように本実施例によれば、ホール素子1
0の第1のゲート電極が前記したオフセット分r1 を補
償するように動作するので被測定系の電力に正比例した
誤差の少ない出力電圧を得ることができる。
【0026】図5には、電力乗算回路の第2の実施例を
示す。本実施例では、第1実施例における減算回路に代
えて、オペアンプ17によりホール素子10の電圧出力
電極T4 を接地電位に保持し、他の電圧出力電極T3
生じるホール出力電圧を符号非反転増幅器18と符号反
転増幅器19でピックアップしてスイッチSW1,SW
2を介して積分器15に入力させている。この構成によ
っても上記第1実施例と同様に作用して被測定系の電力
に正比例した誤差の少ない出力電圧を得ることができ
る。
【0027】電力乗算回路の第1、第2の実施例によれ
ば、温度変化、経年変化等によりオフセット電圧の値が
変化しても、これを自動的に補償することができて高精
度の電力量計等を提供することができる。また機械的調
整部分がなくLSI化に適した回路構成とすることがで
きる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のホ
ール素子によれば、1対の電流入力電極間の活性層上に
接合ゲートを有する複数のゲート電極を所要の配置態様
で形成し、該接合ゲートを有する複数のゲート電極の何
れかには、磁界が印加されていないときに前記1対の電
圧出力電極間に生ずる初期オフセット電圧をゼロにする
ためのオフセット消去用電圧として、前記初期オフセッ
ト電圧が正のときは正の所要値の電圧を印加し前記初期
オフセット電圧が負のときは負の所要値の電圧を印加
し、前記接合ゲートを有する複数のゲート電極の他の何
れかには、前記オフセット消去用電圧の印加により前記
何れかのゲート電極と前記1対の電流入力電極の一方の
電流入力電極間に順電流が流れるように前記何れかのゲ
ート電極・前記活性層間がバイアスされた順バイアス状
態になるのを抑えるバイアス電圧を印加するように構成
したため、ホール素子自体が持つ初期オフセット電圧の
極性の如何に拘らずオフセットを除去することができ
る。
【0029】請求項2記載のホール素子によれば、活性
層上には、1対の電流入力電極間を結ぶ線に対し対称と
なる位置に第1のゲート電極と第2のゲート電極を形成
し、前記第1のゲート電極に前記オフセット消去用電圧
を印加し、前記第2のゲート電極に前記バイアス電圧を
印加するように構成したため、2個のゲート電極を形成
することで上記と同様に、初期オフセット電圧の極性が
正、負何れの場合にもオフセットを除去することができ
る。
【0030】請求項3記載のホール素子によれば、前記
活性層はN型半導体、前記各ゲート電極はP型半導体に
より当該各ゲート電極は接合ゲートで構成し、前記バイ
アス電圧は負電圧としたため、オフセット消去用電圧と
してゲート電極に正、負何れの電圧が印加されても、そ
のゲート電極・活性層間が順バイアス状態になるのが抑
えられてホール素子自体が持つ初期オフセット電圧の極
性の如何に拘らずオフセットを除去することができる。
【0031】請求項4記載のホール素子によれば、前記
活性層はP型半導体、前記各ゲート電極はN型半導体に
より当該各ゲート電極は接合ゲートで構成し、前記バイ
アス電圧は正電圧としたため、上記と同様にオフセット
消去用電圧としてゲート電極に正、負何れの電圧が印加
されても、そのゲート電極・活性層間が順バイアス状態
になるのが抑えられてホール素子自体が持つ初期オフセ
ット電圧の極性の如何に拘らずオフセットを除去するこ
とができる。
【0032】請求項5記載の電力乗算回路によれば、ホ
ール素子におけるホール電圧出力用の1対の電圧出力電
極間から被測定系の電流と電圧との乗算結果に正比例し
差分電圧を検出する差分電圧検出手段と、被測定系の
電圧が正の場合は差分電圧検出手段からの差分電圧を負
に切換えて入力し被測定系の電圧が負の場合は差分電圧
検出手段からの差分電圧を正に切換えて入力し、該差分
電圧を積分することにより当該差分電圧中のオフセット
電圧を検出し、該オフセット電圧正又は負の所要値の
オフセット消去用電圧として出力するオフセット補償手
段とを具備させたため、温度変化、経年変化等によりオ
フセット電圧の値が変化しても自動的にオフセット補償
をすることができる。また、可変抵抗器のような機械的
接触部分を持つ部品を必要としないことから信頼性が向
上するとともにLSI化容易性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホール素子の第1実施例を示す平
面図及びオフセット消去用電圧等印加用の回路図であ
る。
【図2】本発明に係るホール素子の第2実施例を示す平
面図及びオフセット消去用電圧等印加用の回路図であ
る。
【図3】本発明に係る電力乗算回路の第1実施例を示す
回路図である。
【図4】上記電力乗算回路の第1実施例の作用を説明す
るための回路各部の波形図である。
【図5】本発明に係る電力乗算回路の第2実施例を示す
回路図である。
【図6】ホール素子の等価回路図である。
【図7】従来の電力乗算回路を示す回路図である。
【図8】磁界発生部の構成図である。
【図9】図6のホール素子におけるホール電圧とオフセ
ット電圧の関係を示す図である。
【図10】従来のホール素子の平面図及びオフセット消
去用電圧印加用の回路図である。
【符号の説明】
8 バイアス電圧源 10 ホール素子 11 減算回路(差分電圧検出手段) 13 電圧極性検出器 15 電圧極性検出器等とともにオフセット補償手段を
構成する積分器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−228760(JP,A) 特開 昭57−190380(JP,A) 特開 平8−220202(JP,A) 特開 平8−330646(JP,A) 特開 平7−193297(JP,A) 実開 昭51−47662(JP,U) 実開 昭52−142379(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/06 G01R 33/07 H01L 27/22 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の電流入力電極と、印加される磁界
    の大きさに比例してホール電圧を出力する1対の電圧出
    力電極とを有し、前記1対の電流入力電極間の活性層上
    接合ゲートを有する複数のゲート電極を所要の配置態
    様で形成し、該接合ゲートを有する複数のゲート電極の
    何れかには、前記磁界が印加されていないときに前記1
    対の電圧出力電極間に生ずる初期オフセット電圧をゼロ
    にするためのオフセット消去用電圧として、前記初期オ
    フセット電圧が正のときは正の所要値の電圧を印加し前
    記初期オフセット電圧が負のときは負の所要値の電圧を
    印加し、前記接合ゲートを有する複数のゲート電極の他
    の何れかには、前記オフセット消去用電圧の印加により
    前記何れかのゲート電極と前記1対の電流入力電極の一
    方の電流入力電極間に順電流が流れるように前記何れか
    のゲート電極・前記活性層間がバイアスされた順バイア
    ス状態になるのを抑えるバイアス電圧を印加するように
    構成してなることを特徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 前記1対の電流入力電極間を結ぶ線に対
    し対称となる位置に第1のゲート電極と第2のゲート電
    極を形成し、前記第1のゲート電極に前記オフセット消
    去用電圧を印加し、前記第2のゲート電極に前記バイア
    ス電圧を印加するように構成してなることを特徴とする
    請求項1記載のホール素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層はN型半導体、前記各ゲート
    電極はP型半導体により当該各ゲート電極は接合ゲート
    で構成し、前記バイアス電圧は負電圧としてなることを
    特徴とする請求項1又は2記載のホール素子。
  4. 【請求項4】 前記活性層はP型半導体、前記各ゲート
    電極はN型半導体により当該各ゲート電極は接合ゲート
    で構成し、前記バイアス電圧は正電圧としてなることを
    特徴とする請求項1又は2記載のホール素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のホー
    ル素子の前記1対の電流入力電極の他方の電流入力電極
    に被測定系の電圧に正比例した電流を印加し、前記被測
    定系の電流に比例した前記磁界を前記ホール素子に印加
    し、前記1対の電圧出力電極間から前記被測定系の電流
    と電圧との乗算結果に正比例した差分電圧を差分電圧検
    出手段で検出し、検出された差分電圧に正比例した前記
    被測定系の電力値を算出する電力乗算回路であって、前
    記被測定系の電圧が正の場合は前記差分電圧検出手段か
    らの差分電圧を負に切換えて入力し前記被測定系の電圧
    が負の場合は前記差分電圧検出手段からの差分電圧を正
    に切換えて入力し、該差分電圧を積分することにより当
    該差分電圧中のオフセット電圧を検出し、該オフセット
    電圧を前記正又は負の所要値のオフセット消去用電圧と
    して出力するオフセット補償手段を有することを特徴と
    する電力乗算回路。
JP14187795A 1995-06-08 1995-06-08 ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路 Expired - Fee Related JP3496899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14187795A JP3496899B2 (ja) 1995-06-08 1995-06-08 ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14187795A JP3496899B2 (ja) 1995-06-08 1995-06-08 ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08335730A JPH08335730A (ja) 1996-12-17
JP3496899B2 true JP3496899B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=15302247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14187795A Expired - Fee Related JP3496899B2 (ja) 1995-06-08 1995-06-08 ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3496899B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5349842B2 (ja) * 2008-05-30 2013-11-20 株式会社日立製作所 低オフセット入力回路およびそれを含む信号伝送システム
CN103529287A (zh) * 2013-10-14 2014-01-22 国家电网公司 一种基于霍尔传感器的用电信息采集系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08335730A (ja) 1996-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3373587B2 (ja) 電気信号生成装置
JP4757260B2 (ja) 連続校正式磁界センサー
CN101680910B (zh) 具有模拟复位的电容式微机械传感器的工作方法和电路结构
US20110025318A1 (en) Magnetic sensor with bridge circuit including magnetoresistance effect elements
JP3011559B2 (ja) 電力乗算回路
JP2015078949A (ja) ホール起電力信号検出回路
JP3496899B2 (ja) ホール素子及びこれを用いた電力乗算回路
US9664753B2 (en) Hall-effect-based magnetic field sensor having an improved output bandwidth
JPH06258384A (ja) 集積回路試験用電流測定装置および集積回路
JP3590679B2 (ja) 浮動直流電源の異常検出装置
US5488301A (en) Electrostatic voltmeter employing a differential cascode
JP2008096213A (ja) ホールセンサ及びホール電圧補正方法
JP3332660B2 (ja) 電気量測定装置
JPS5868615A (ja) 磁気式ロ−タリ・エンコ−ダの出力回路
JP3143036B2 (ja) 抵抗率測定回路
JP3068977B2 (ja) 電力乗算回路
JP3819323B2 (ja) ホール素子及び電気量測定装置
JP3356029B2 (ja) 電気量検出回路
JP3323875B2 (ja) ホール素子および電気量測定装置
JPH0384484A (ja) 磁気センサ
JP6309067B2 (ja) 磁気検出装置
JPS613483A (ja) ホ−ル係数測定装置
JPS641648Y2 (ja)
JP2516205B2 (ja) 電流検出器
JPH063463B2 (ja) 信号源の電気量検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees