JP2008096213A - ホールセンサ及びホール電圧補正方法 - Google Patents

ホールセンサ及びホール電圧補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、オフセット電圧の補正精度を向上させることができる、ホールセンサ及びホール電圧補正方法の提供を目的とする。
【解決手段】制御電流を流した状態で磁界を印加したときにホール電圧を発生するホール素子1を有し、ホール素子1のホール電圧に応じたセンサ値を出力するホールセンサであって、ホール素子1にオフセット検出用電流を流すオフセット検出用電源3と、オフセット検出用電源3からホール素子1にオフセット検出用電流を流した状態でホール素子1の抵抗値を測定し、測定された抵抗値に基づいて前記制御電流を流したときのホール素子1のオフセット電圧を算出する演算回路8とを備え、演算回路8によって算出されたオフセット電圧によってホール素子1に発生したホール電圧を補正することを特徴とする、ホールセンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、印加される磁界に応じたホール電圧を発生するホール素子を有するホールセンサ、及び、ホール電圧の補正方法、に関する。
従来、オフセットの補償がされたホールセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。このホールセンサは、オフセット電圧を補償するために複数のホール素子を使用し、これら複数のホール素子のホール電圧を加算することによって、オフセット電圧の低減を図るものである。
特許3108738号公報
しかしながら、上述の従来技術では、例えばピエゾ効果によってオフセット電圧が発生しても、ホール素子を中心に逆相の均整のとれたオフセット電圧が発生するという方向依存性を有することを前提としているため、ホール素子に加わったストレスによっては、オフセット電圧の影響を完全に取り除くことはできないおそれがある。
そこで、本発明は、オフセット電圧の補正精度を向上させることができる、ホールセンサ及びホール電圧補正方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係るホールセンサは、
制御電流を流した状態で磁界を印加したときにホール電圧を発生するホール素子を有し、
前記ホール素子のホール電圧に応じたセンサ値を出力するホールセンサであって、
前記ホール素子にオフセット検出用電流を流すオフセット検出用電源と、
前記オフセット検出用電源から前記ホール素子に前記オフセット検出用電流を流した状態で前記ホール素子の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
前記抵抗値測定手段によって測定された前記ホール素子の抵抗値に基づいて前記制御電流を流したときの前記ホール素子のオフセット電圧を算出する電圧値算出手段とを備え、
前記電圧値算出手段によって算出されたオフセット電圧によって前記ホール素子に発生したホール電圧を補正することを特徴とする。これによって、オフセット電圧の補正精度が向上して、前記ホール素子のホール電圧に応じた正確なセンサ値を出力することができる。
第2の発明は、第1の発明に係るホールセンサであって、
前記ホール素子に前記制御電流が流れる期間と前記ホール素子に前記オフセット検出用電流が流れる期間を切り替える切替手段を備えることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係るホールセンサであって、
前記オフセット検出用電源は、前記ホール電圧が発生する端子から前記オフセット検出用電流を前記ホール素子に注入することを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3の発明に係るホールセンサであって、
前記オフセット検出量電源は、前記ホール電圧が発生する端子に定電圧を印加することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るホール電圧補正方法は、
制御電流を流した状態で磁界を印加したときにホール電圧を発生するホール素子について、前記ホール素子に発生したホール電圧を補正する、ホール電圧補正方法であって、
前記ホール素子にオフセット検出用電流を流す第1のステップと、
前記第1のステップにより前記オフセット検出用電流を流した状態で前記ホール素子の抵抗値を測定する第2のステップと、
前記第2のステップにより測定された前記ホール素子の抵抗値に基づいて前記制御電流を流したときの前記ホール素子のオフセット電圧を算出する第3のステップと、
前記制御電流を流すことにより前記ホール素子に発生したホール電圧を検出する第4のステップと、
前記第3のステップにより算出されたオフセット電圧によって前記第4のステップにより検出された前記ホール素子に発生したホール電圧を補正する第5のステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、オフセット電圧の補正精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明に係るホールセンサの実施形態を示した全体構成図である。図1に示される本実施形態のホールセンサは、ホールICとも呼ばれ、ホール素子1、制御電流用電流源回路2、オフセット検出用電流源回路3、電圧増幅器4,6、スイッチ回路5、A/D変換器7、演算回路8及び記憶回路9を有する。
ホール素子1は、ホール効果を利用して磁界(磁場)を検出する磁電変換素子であって、半導体基板上に4つの端子A,B,C,Dを設けて形成されたものである。各端子は、端子A−C間を結ぶ直線と端子B−D間を結ぶ直線が直交するように設けられている。ホール効果は、制御電流Iを半導体基板に流し、制御電流Iと垂直な方向に磁界(磁束密度B)を加えると、制御電流と磁界に垂直な方向に電位差が発生する現象をいう。この電位差をホール電圧Vという。ホール電圧Vは、制御電流Iと磁束密度Bに比例する。
スイッチ回路5は、オフセット検出動作とホール電圧検出動作を切り替えるための回路である。オフセット検出動作とは、例えばピエゾ効果により、ホール素子1を構成するICのパッケージ実装時などに発生するストレス等によって生じている電位差(オフセット電圧)を検出するための動作である。ホール電圧検出動作とは、印加磁界に応じてホール素子1に発生するホール電圧を検出するための動作である。スイッチ回路5は、例えば演算回路8や図示しないクロック生成回路から出力される切替信号によって、切り替え動作するように構成されている。スイッチ回路5は、詳細は後述するが、切替信号に従って、ホール素子1の各端子と、制御電流用電流源回路2と、オフセット検出用電流源回路3と、電圧増幅器6と、GNDとの間における接続経路を切り替える。
制御電流用電流源回路2は、スイッチ回路5を介してホール素子1の端子A−C間に電圧を加えて制御電流を流す回路である。オフセット検出用電流源回路3は、オフセット電圧を測定するため、スイッチ回路5を介してホール素子1にオフセット検出用電流を流す回路である。
制御電流用電流源回路2から制御電流を流すことによってホール素子1の端子B−D間に発生したホール電圧は、電圧増幅器6によって増幅された後、A/D変換器7を介して、演算回路8に入力される。また、後述の検出抵抗の両端にオフセット検出用電流源回路3によってオフセット検出用電流が流れることに伴い発生した電圧は、電圧増幅器4によって増幅された後、A/D変換器7を介して、演算回路8に入力される。
演算回路8は、RAM等の記憶回路8を用いて、A/D変換器7を介して取得したデータに基づいて、ホール素子1に発生したホール電圧を補正し、補正されたホール電圧に応じたセンサ出力値を演算する。そのセンサ出力値がホールセンサから出力される。
図11は、ホール素子1に発生したホール電圧の補正方法を示すフローである。以下、図11のフローに従って、図1に示されるホールセンサの詳細動作について説明する。
図11のステップ10において、第1のオフセット検出動作として、ホール素子1の端子Bから端子Cに向けてオフセット検出用電流を流すとともに、ホール素子1の端子Dから端子Cに向けてオフセット検出用電流を流す。図2は、第1のオフセット検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(以下、「スイッチ状態1」という)を示す図である。半導体基板上に形成されたホール素子1のオフセット電圧を演算するため、第1のオフセット検出動作への切替信号を受信したスイッチ回路5は、ホール素子1の4つの端子のうち対角線上に位置する2つの端子B,Dのそれぞれに定電圧V0(GND基準)が印加されるように端子B,Dとオフセット検出用電流源回路3とを接続し、残り2つの端子のうちの1端子CをGNDに接続し(接地し)、残りの端子Aをオープン状態(未接続状態)にする。
定電圧V0は、オフセット検出用電流源回路3によって供給される。図3は、第1のオフセット検出動作時のスイッチ状態1における、ホール素子1とオフセット検出用電流源回路3との接続状態を示した図である。オフセット検出用電流源回路3は、ホール素子1の端子B,Dのそれぞれに定電圧V0を印加するために、ゲート電圧の閾値が同じ4つのトランジスタ17a,17b,18a,18bによって電流源と電流リークパスを構成している。トランジスタ17aと17bは、ホール素子1に注入する注入電流を制御するトランジスタであり、トランジスタ18aと18bは、注入電流のリーク電流を制御するトランジスタである。スイッチ回路5は、トランジスタ17aと18aのゲートを同電位で端子Bに接続するとともに、トランジスタ17bと18bのゲートを同電位で端子Dに接続する。また、オフセット検出用電流源回路3は、ホール素子1に注入する注入電流を検出するための検出抵抗13a,13bと、注入電流のリーク電流を検出するための検出抵抗14a,14bと、を有する。
図3の場合、オフセット検出用電流源回路3は、端子Bの電位がV0に一定になるように、且つ、端子Dの電位がV0に一定になるように、調整する。端子Vcには、定電圧源が接続される。端子Va,Vbには、トランジスタ11,12を介して、端子Vcの定電圧源の電圧から定電圧V0を生成するためのバイアス電圧が印加される。
例えば、端子Bの電位が下がると(すなわち、トランジスタ17aのゲート電位が下がると)、トランジスタ17aのドレイン電位は、トランジスタ17aの出力特性に基づいて上昇する。トランジスタ17aのドレイン電位が上昇すると、トランジスタ17aのドレイン電位が上昇することはトランジスタ12aのゲート電位が上昇することに相当するので、トランジスタ12aを流れるドレイン電流は増加する。トランジスタ12aを流れるドレイン電流が増加すると、そのドレイン電流が検出抵抗14aを流れることによってトランジスタ17aのゲート電位が上昇する。すなわち、端子Bの電位V0が下がる方向に変化したとしても、トランジスタ12aを流れるドレイン電流が増加しV0を上昇させる方向に動作するため、端子Bの電位はV0に固定される。端子Dの電位が下がった場合についても同様である。
一方、端子Bの電位が上昇すると(すなわち、トランジスタ18aのゲート電位が上昇すると)、トランジスタ18aを流れるリーク電流の増加とともに、トランジスタ18aのドレイン−ソース間電圧は小さくなる。リーク電流の増加に伴い検出抵抗14aの両端電圧は増加する一方で、トランジスタ18aのドレイン−ソース間電圧の減少に伴いトランジスタ18aのドレイン電位は低下するが、検出抵抗14aの両端電圧の増加量に比べトランジスタ18aのドレイン電位の低下量が大きい。したがって、端子Bの電位V0が上昇する方向に変化したとしても、トランジスタ18aのドレイン−ソース間電圧が小さくなる方向に動作するため、端子Bの電位はV0に固定される。端子Dの電位が上昇した場合についても同様である。
そして、このように、端子B−C間に定電圧V0を印加し、端子D−C間に定電圧V0を印加した状態において、演算回路8は、ホール素子1の端子Bからホール素子1に流れ込むオフセット検出用電流の電流値IBCとホール素子1の端子Dからホール素子1に流れ込むオフセット検出用電流の電流値IDCを演算するとともに、端子B−C間の抵抗値RBCと端子D−C間の抵抗値RCDを演算する(図11のステップ12)。
図4は、第1のオフセット検出動作時のスイッチ状態1において、ホール素子1、並びに注入電流値検出用抵抗13及びリーク電流値検出用抵抗14に流れる各電流を示した図である。その抵抗値が既知の注入電流値検出用抵抗13a及び13b並びにリーク電流値検出用抵抗14a及び14bが設定され、それらの抵抗による電圧降下量を測定することによって、それらの抵抗に流れる電流値(I13a,I13b,I14a,I14b)が演算可能となる。
検出抵抗13aの両端電圧は、電圧増幅器4によって増幅される。演算回路8は、A/D変換器7を介して検出された検出抵抗13aの両端電圧を記憶回路9に記憶された検出抵抗13aの抵抗値で除算することによって、検出抵抗13aを流れる注入電流I13aを演算する。演算回路8は、注入電流I13bについても、同様に演算する。
検出抵抗14aの両端電圧も、電圧増幅器4によって増幅される。演算回路8は、A/D変換器7を介して検出された検出抵抗14aの両端電圧を記憶回路9に記憶された検出抵抗14aの抵抗値で除算することによって、検出抵抗14aを流れるリーク電流I14aを演算する。演算回路8は、リーク電流I14bについても、同様に演算する。
ホール素子1の端子B−C間を流れる電流値IBCとホール素子1の端子D−C間を流れる電流値IDCは、それぞれ、
BC=I13a−I14a ・・・(1)
DC=I13b−I14b ・・・(2)
という関係が成立する。また、端子B−C間抵抗値RBCと端子D−C間抵抗値RDCは、それぞれ、
BC=V0/IBC ・・・(3)
DC=V0/IDC ・・・(4)
という関係が成立する。したがって、演算回路8は、式(1)〜(4)に従って、端子B−C間抵抗値RBCと端子D−C間抵抗値RDCを演算し、その演算値を記憶回路9に記憶する(図11のステップ12)。
なお、スイッチ状態1においては、磁場が印加されていない状態であることが望ましいが、実際のセンサがおかれる環境では、必ずしも磁場が印加されていない状態であるとは限らない。しかしながら、抵抗値RBCと抵抗値RDCを演算するにあたり、オフセット検出用電流IBC,IDCを流すことによってその磁場によるホール電圧が発生していたとしても、図9に示されるように、ホール効果は各電流方向の対称性により相殺される。すなわち、オフセット検出用電流IBCが流れた状態でホール素子1の半導体基板の面に対して鉛直方向に磁場が印加されると、ローレンツ力により、半導体基板内の電子は進行方向を曲げられ、その分布がオフセット検出用電流IBCの電流方向に垂直な半導体基板の中心方向に偏るので、オフセット検出用電流IBCの電流方向に垂直な方向に電位差(ホール電圧)が生じる。その一方で、オフセット検出用電流IDCが流れた状態でホール素子1の半導体基板の面に対して鉛直方向に磁場が印加されると、ローレンツ力により、半導体基板内の電子は進行方向を曲げられ、その分布がオフセット検出用電流IDCの電流方向に垂直な半導体基板の中心と反対方向(半導体基板の外縁方向)に偏るので、オフセット検出用電流IDCの電流方向に垂直な方向に電位差(ホール電圧)が生じる。つまり、オフセット検出用電流IBCとオフセット検出用電流IDCの電流方向は直交し、オフセット検出用電流IBCとオフセット検出用電流IDCのそれぞれによるホール電圧の帯電状態が半導体基板の中心部において正負反転しているので、ホール効果は相殺される。
図11のステップ14において、第2のオフセット検出動作として、ホール素子1の端子Bから端子Aに向けてオフセット検出用電流を流すとともに、ホール素子1の端子Dから端子Aに向けてオフセット検出用電流を流す。図5は、第2のオフセット検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(以下、「スイッチ状態2」という)を示す図である。半導体基板上に形成されたホール素子1のオフセット電圧を検出するため、第2のオフセット検出動作への切替信号を受信したスイッチ回路5は、端子B,Dのそれぞれに定電圧V0(GND基準)が印加されるように、端子B,Dとオフセット検出用電流源回路3とのスイッチ状態1の接続状態を保ったまま、残り2つの端子のうち1端子AをGNDに接続し、残りの端子Cをオープン状態にする。
定電圧V0は、オフセット検出用電流源回路3によって供給される。図6は、第2のオフセット検出動作時のスイッチ状態2における、ホール素子1とオフセット検出用電流源回路3との接続状態を示した図である。
図6に示されるように、端子B−A間に定電圧V0を印加し、端子D−A間に定電圧V0を印加した状態において、演算回路8は、ホール素子1の端子Bからホール素子1に流れ込むオフセット検出用電流の電流値IBAとホール素子1の端子Dからホール素子1に流れ込むオフセット検出用電流の電流値IDAを演算するとともに、端子A−B間の抵抗値RABと端子D−A間の抵抗値RDAを演算する(図11のステップ16)。
図7は、第2のオフセット検出動作時のスイッチ状態2において、ホール素子1、並びに注入電流値検出用抵抗13及びリーク電流値検出用抵抗14に流れる各電流を示した図である。図4に示される第1のオフセット検出動作時のスイッチ状態2と同様に、電流値(I13a,I13b,I14a,I14b)が演算可能となる。
ホール素子1の端子B−A間を流れる電流値IBAとホール素子1の端子D−A間を流れる電流値IDAは、それぞれ、
BA=I13a−I14a ・・・(5)
DA=I13b−I14b ・・・(6)
という関係が成立する。また、端子B−A間抵抗値RABと端子D−A間抵抗値RDAは、それぞれ、
AB=V0/IBA ・・・(7)
DA=V0/IDA ・・・(8)
という関係が成立する。したがって、演算回路8は、式(5)〜(8)に従って、端子B−A間抵抗値RABと端子D−A間抵抗値RDAを演算し、その演算値を記憶回路9に記憶する(図11のステップ16)。
なお、上述と同様に、スイッチ状態2において磁界が印加されている場合であっても、ホール素子1に流れ込むオフセット検出用電流IBA及びIDAによるホール効果は、図9に示されるように、各電流方向の対称性により相殺される。
ところで、オフセット(ストレスによるピエゾ効果)が発生していない状態では、RBC=RDC=RBA=RDAとなるが、オフセットが発生している状態では、RBC,RDC,RBA,RDAの抵抗値がすべて同じ値になるとは限らない。
そこで、図10に示されるように、ホール素子1を4抵抗RAB,RBC,RCD,RDAによる抵抗ブリッジと考えた場合、オームの法則により、上記のように演算された各抵抗値を用いて、A−C間に定電流を流したと仮定した場合のB−D間の電位差(すなわち、ホール素子1の端子B−D間に発生するオフセット電圧)を演算することができる。演算回路8は、記憶回路9に記憶された、RAB等の各抵抗値とA−C間に流す定電流値に基づいて、オームの法則により、A−C間に定電流を流したと仮定した場合のホール素子1の端子B−D間に発生するオフセット電圧を演算し、その演算値を記憶回路9に記憶する(図11のステップ18)。端子B−D間に発生するオフセット電圧は、端子B−C間の両端電圧と端子D−C間の両端電圧との差に相当する。
図11のステップ20において、ホール電圧検出動作として、ホール素子1の端子Aから端子Cに向けて制御電流を流す。図8は、ホール電圧検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(以下、「スイッチ状態3」という)を示す図である。半導体基板上に形成されたホール素子1のホール電圧を検出するため、ホール電圧検出動作への切替信号を受信したスイッチ回路5は、ホール素子1の4つの端子のうち端子Aに制御電流用電流源回路2を接続し、端子Aに対向する端子CをGNDに接続し、端子B及びDを端子B−D間の電圧を増幅する電圧増幅器6に接続する。
制御電流用電流源回路2が接続されることによって、端子A−C間に制御電流Icが実際に流れる(図11のステップ20)。このときに流す制御電流Icは、上述のステップ18においてA−C間に定電流を流したと仮定した場合の電流値に等しい。演算回路8は、制御電流が流れている状態でホール素子1の端子B−D間に発生するホール電圧を電圧増幅器6とA/D変換回路7を介して検出する(図11のステップ22)。
ステップ22において検出されたホール電圧には、ピエゾ効果等によるオフセット電圧が含まれているため、演算回路8は、記憶回路9からB−D間オフセット電圧を読み出して、ホール電圧の検出値からB−D間オフセット電圧の演算値を減算することによって、端子B−D間に発生するホール電圧についてオフセット電圧の補正を行う(図11のステップ24)。そして、演算回路8は、ホールセンサの出力値として、補正されたホール電圧に対応する信号波や電圧値を出力する(ステップ26)。
したがって、上述の本発明に係る実施形態によれば、ホールセンサのホール素子1に発生しているオフセット電圧の影響を受けずに、ホール電圧のオフセット補償が可能となり、検出された磁場に対応する正確なホール電圧を測定することができる。
また、従来技術では、オフセット電圧がホール素子内に方向依存性を有することを利用して、確率的にオフセット電圧の低減を図っているが、本発明に係る実施形態では直接オフセット量を検出するため、ホール電圧の補正精度を向上させることができる。
また、本発明に係る実施形態によれば、図11に示されるように、ホール電圧の測定サイクル毎に(1サイクル:ステップ10〜26)常にオフセット電圧補償を行うことで、外乱によるオフセット電圧が変動しても速やかに補正することが可能となるとともに、オフセット電圧補償の精度が向上する。すなわち、1サイクルの中で抵抗値を毎回演算することで、外乱による変動があっても速やかに補正することができる。また、ホールセンサの雰囲気温度によって、ホール素子1の抵抗値をはじめ、検出電圧値や検出電流値も変化するが、ホール電圧の1測定サイクル毎にオフセット電圧を検出することによって、温度変動に対してもホール電圧の補正精度が向上する。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
図12は、ホール素子1の各抵抗値を検出するための他の実施例である。ホール素子1の隣り合う端子間に一定電圧で電流を流し、このときのホール素子1の各端子間の抵抗値をそれぞれ算出する。ホール素子1にオフセット電圧が発生していない場合には、4つの抵抗値は等しくなるが、オフセット電圧が発生していると抵抗値は異なってくる。4抵抗の差異とオフセット電圧の関係を予め把握しておけば、これら4抵抗を算出することにより、オフセット電圧を得ることができ、ホール電圧へのオフセット電圧の影響を取り除くことができる。すなわち、4抵抗の抵抗値を算出後、上述のステップ18以降のステップと同様に行えばよい。
本発明に係るホールセンサの実施形態を示した全体構成図である。 第1のオフセット検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(スイッチ状態1)を示す図である。 第1のオフセット検出動作時のスイッチ状態1における、ホール素子1とオフセット検出用電流源回路3との接続状態を示した図である。 第1のオフセット検出動作時のスイッチ状態1において、ホール素子1、並びに注入電流値検出用抵抗13及びリーク電流値検出用抵抗14に流れる各電流を示した図である。 第2のオフセット検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(スイッチ状態2)を示す図である。 第2のオフセット検出動作時のスイッチ状態2における、ホール素子1とオフセット検出用電流源回路3との接続状態を示した図である。 第2のオフセット検出動作時のスイッチ状態2において、ホール素子1、並びに注入電流値検出用抵抗13及びリーク電流値検出用抵抗14に流れる各電流を示した図である。 ホール電圧検出動作時のスイッチ回路5の接続状態(スイッチ状態3)を示す図である。 ホール効果の相殺を説明するための図である。 ホール素子1の4抵抗RAB,RBC,RCD,RDAによって構成された抵抗ブリッジ回路である。 ホール素子1に発生したホール電圧の補正方法を示すフローである。 ホール素子1の各抵抗値を検出するための他の実施例である。
符号の説明
1 ホール素子
2 制御電流用電流源回路
3 オフセット検出用電流源回路
4,6 電圧増幅器
5 スイッチ回路
8 演算回路
13a,13b 注入電流値検出用抵抗
14a,14b リーク電流値検出用抵抗
17a,17b 注入電流制御トランジスタ
18a,18b リーク電流制御トランジスタ

Claims (5)

  1. 制御電流を流した状態で磁界を印加したときにホール電圧を発生するホール素子を有し、
    前記ホール素子のホール電圧に応じたセンサ値を出力するホールセンサであって、
    前記ホール素子にオフセット検出用電流を流すオフセット検出用電源と、
    前記オフセット検出用電源から前記ホール素子に前記オフセット検出用電流を流した状態で前記ホール素子の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
    前記抵抗値測定手段によって測定された前記ホール素子の抵抗値に基づいて前記制御電流を流したときの前記ホール素子のオフセット電圧を算出する電圧値算出手段とを備え、
    前記電圧値算出手段によって算出されたオフセット電圧によって前記ホール素子に発生したホール電圧を補正することを特徴とする、ホールセンサ。
  2. 請求項1に記載のホールセンサであって、
    前記ホール素子に前記制御電流が流れる期間と前記ホール素子に前記オフセット検出用電流が流れる期間を切り替える切替手段を備える、ホールセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載のホールセンサであって、
    前記オフセット検出用電源は、前記ホール電圧が発生する端子から前記オフセット検出用電流を前記ホール素子に注入する、ホールセンサ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のホールセンサであって、
    前記オフセット検出用電源は、前記ホール電圧が発生する端子に定電圧を印加する、ホールセンサ。
  5. 制御電流を流した状態で磁界を印加したときにホール電圧を発生するホール素子について、前記ホール素子に発生したホール電圧を補正する、ホール電圧補正方法であって、
    前記ホール素子にオフセット検出用電流を流す第1のステップと、
    前記第1のステップにより前記オフセット検出用電流を流した状態で前記ホール素子の抵抗値を測定する第2のステップと、
    前記第2のステップにより測定された前記ホール素子の抵抗値に基づいて前記制御電流を流したときの前記ホール素子のオフセット電圧を算出する第3のステップと、
    前記制御電流を流すことにより前記ホール素子に発生したホール電圧を検出する第4のステップと、
    前記第3のステップにより算出されたオフセット電圧によって前記第4のステップにより検出された前記ホール素子に発生したホール電圧を補正する第5のステップとを有することを特徴とする、ホール電圧補正方法。
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