JP3495154B2 - 溶接部材、配管、配管システム及び溶接方法並びにクリーンルーム - Google Patents
溶接部材、配管、配管システム及び溶接方法並びにクリーンルームInfo
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L13/00—Non-disconnectible pipe-joints, e.g. soldered, adhesive or caulked joints
- F16L13/02—Welded joints
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接部材、配管、
配管システム及び溶接方法並びにクリーンルームに関す
る。
配管システム及び溶接方法並びにクリーンルームに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガス供給配管としては、SUS316等
のオーステナイト系ステンレスからなる管の内表面に表
面がクロム酸化物のみからなる(鉄酸化物を含まない)
不動態膜を形成後、管同士を溶接したものが用いられて
いる。
のオーステナイト系ステンレスからなる管の内表面に表
面がクロム酸化物のみからなる(鉄酸化物を含まない)
不動態膜を形成後、管同士を溶接したものが用いられて
いる。
【0003】しかし、かかるガス供給配管を用いた場合
には、管の寿命が極めて短い。従って、極めて短い期間
毎に管の交換を必要とし、そのために多大の作業・費用
を費やさざるを得なかった。また、交換にともないクリ
ーンルーム内の清浄度の低下を招いていた。
には、管の寿命が極めて短い。従って、極めて短い期間
毎に管の交換を必要とし、そのために多大の作業・費用
を費やさざるを得なかった。また、交換にともないクリ
ーンルーム内の清浄度の低下を招いていた。
【0004】本発明者は、管の寿命が短い原因を探った
ところ、溶接部においては鉄酸化物を含む不動態膜が形
成されており、その部分から腐食が発生することを見い
だした。
ところ、溶接部においては鉄酸化物を含む不動態膜が形
成されており、その部分から腐食が発生することを見い
だした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐食性に優
れた溶接部材、配管を提供することを目的とする。本発
明は、寿命が極めて長く、交換をほとんど必要としない
配管システムを提供することを目的とする。
れた溶接部材、配管を提供することを目的とする。本発
明は、寿命が極めて長く、交換をほとんど必要としない
配管システムを提供することを目的とする。
【0006】本発明は、清浄度が高くメインテナンスフ
リーのクリーンルームを提供することを目的とする。本
発明は、耐食性に優れた溶接部材を製造することが可能
な溶接方法を提供することを目的とする。
リーのクリーンルームを提供することを目的とする。本
発明は、耐食性に優れた溶接部材を製造することが可能
な溶接方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶接部材は、フ
ェライト系ステンレス鋼同士を溶接した溶接部の最表面
が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物の表面であること
を特徴とする。
ェライト系ステンレス鋼同士を溶接した溶接部の最表面
が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物の表面であること
を特徴とする。
【0008】本発明の配管は、フェライト系ステンレス
鋼からなる配管同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸
化物を含まないクロム酸化物の表面であることを特徴と
する。
鋼からなる配管同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸
化物を含まないクロム酸化物の表面であることを特徴と
する。
【0009】本発明の配管システムは、フェライト系ス
テンレス鋼からなる配管同士を溶接した溶接部の最表面
が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物の表面である配管
を用いたことを特徴とする。
テンレス鋼からなる配管同士を溶接した溶接部の最表面
が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物の表面である配管
を用いたことを特徴とする。
【0010】本発明の溶接方法は、フェライト系ステン
レス鋼同士を溶接後、酸化性を有するガスを溶接部に流
すとともに、溶接部を溶融しない程度のアークを該溶接
部に照射することを特徴とする。
レス鋼同士を溶接後、酸化性を有するガスを溶接部に流
すとともに、溶接部を溶融しない程度のアークを該溶接
部に照射することを特徴とする。
【0011】本発明のクリーンルームは、内部に配置さ
れたガス供給配管は、フェライト系ステンレス鋼からな
る配管同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸化物を含
まないクロム酸化物の表面である配管であることを特徴
とする。
れたガス供給配管は、フェライト系ステンレス鋼からな
る配管同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸化物を含
まないクロム酸化物の表面である配管であることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において使用するフェライ
ト系ステンレスとしては、クロムを25重量%以上含有
するステンレス鋼が好ましい。
ト系ステンレスとしては、クロムを25重量%以上含有
するステンレス鋼が好ましい。
【0013】溶接後における溶接電流を3〜6Aとする
ことにより鉄酸化物を含まないクロム酸化物からなる不
動態膜をより良好に形成することができる。3A未満の
場合にはアークの発生が充分でないことがありり鉄酸化
物を含まないクロム酸化物からなる不動態膜の形成に時
間がかかることがある。一方、6Aを超えると溶接部が
溶融する可能性がある。従って、3〜6Aが好ましい。
ことにより鉄酸化物を含まないクロム酸化物からなる不
動態膜をより良好に形成することができる。3A未満の
場合にはアークの発生が充分でないことがありり鉄酸化
物を含まないクロム酸化物からなる不動態膜の形成に時
間がかかることがある。一方、6Aを超えると溶接部が
溶融する可能性がある。従って、3〜6Aが好ましい。
【0014】溶接後に流す酸化性を有するガスは、アル
ゴンガス中に酸素を含有するガスが好ましい。
ゴンガス中に酸素を含有するガスが好ましい。
【0015】その際、酸素濃度は5ppm以上50pp
m未満が好ましい。5ppm未満の場合には、条件によ
っては鉄酸化物を含む不動態膜が形成されることがあ
り、条件制御が困難となる。50ppm以上では条件に
よっては酸素過剰となりやはり鉄酸化物を含む不動態膜
が形成されることがある。なお、25ppm〜35pp
mが特に好ましい。
m未満が好ましい。5ppm未満の場合には、条件によ
っては鉄酸化物を含む不動態膜が形成されることがあ
り、条件制御が困難となる。50ppm以上では条件に
よっては酸素過剰となりやはり鉄酸化物を含む不動態膜
が形成されることがある。なお、25ppm〜35pp
mが特に好ましい。
【0016】なお、アルゴンと酸素との混合ガスに水素
を添加してもよい。その場合には、表面粗さが細かくな
るため好ましい。なお、酸化性を有するガスとし、アル
ゴン中に水分を含有するガスを用いてもよい。
を添加してもよい。その場合には、表面粗さが細かくな
るため好ましい。なお、酸化性を有するガスとし、アル
ゴン中に水分を含有するガスを用いてもよい。
【0017】溶接後における回転速度は、例えば1/4
インチ径の管の場合6〜8rpmが好ましい。4rpm
未満では不動態膜が厚くなりすぎ(400オーグストロ
ング以上)剥離を生ずる場合もある。また、8rpmを
超えると不動態膜が形成されないことがある。
インチ径の管の場合6〜8rpmが好ましい。4rpm
未満では不動態膜が厚くなりすぎ(400オーグストロ
ング以上)剥離を生ずる場合もある。また、8rpmを
超えると不動態膜が形成されないことがある。
【0018】
(実験例1)1/4インチ径のフェライト系ステンレス
鋼(FS10:商品名)からなる配管を、水分濃度を1
00ppmとした水素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気
で酸化処理を行い、配管内表面に100%の酸化クロム
不動態膜を形成した。
鋼(FS10:商品名)からなる配管を、水分濃度を1
00ppmとした水素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気
で酸化処理を行い、配管内表面に100%の酸化クロム
不動態膜を形成した。
【0019】次にタングステンイナートガス溶接法によ
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目の1周で溶接スピード
3rpm、電流値3Aの条件で酸化不動態化処理を行っ
た。バックシールガスとしては、アルゴンガスに酸素ガ
スを種々の濃度添加したものを用いて溶接を行った。得
られた溶接配管サンプルは(a);無添加、(b);1
ppm、(c);50ppmとする。
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目の1周で溶接スピード
3rpm、電流値3Aの条件で酸化不動態化処理を行っ
た。バックシールガスとしては、アルゴンガスに酸素ガ
スを種々の濃度添加したものを用いて溶接を行った。得
られた溶接配管サンプルは(a);無添加、(b);1
ppm、(c);50ppmとする。
【0020】溶接終了後、配管を切断し溶接部表面の深
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図1((a)の場合)、図2((b)の場
合)、図3((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図1((a)の場合)、図2((b)の場
合)、図3((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
【0021】図から明らかなように、バックシールガス
に酸素を1ppm添加して溶接した場合(図2)、酸素
を無添加で溶接した場合(図1)とほぼ同じ結果で、酸
素量が酸化クロム不動態膜を形成するには不十分である
ことがわかる。また、酸素濃度を50ppm添加して溶
接した場合(図3)、鉄、クロム混合の酸化不動態膜が
100nm以上形成していて酸素過剰であることがわか
る。
に酸素を1ppm添加して溶接した場合(図2)、酸素
を無添加で溶接した場合(図1)とほぼ同じ結果で、酸
素量が酸化クロム不動態膜を形成するには不十分である
ことがわかる。また、酸素濃度を50ppm添加して溶
接した場合(図3)、鉄、クロム混合の酸化不動態膜が
100nm以上形成していて酸素過剰であることがわか
る。
【0022】(実験例2)1/4インチ径のフェライト
系ステンレス配管を、水分濃度を100ppmとした水
素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気で酸化処理を行い、
配管内表面に100%の酸化クロム不動態膜を形成し
た。
系ステンレス配管を、水分濃度を100ppmとした水
素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気で酸化処理を行い、
配管内表面に100%の酸化クロム不動態膜を形成し
た。
【0023】次にタングステンイナートガス溶接法によ
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目以降で溶接スピード6
rpm、電流値3Aの条件で、0〜3周溶接ヘッドを回
転させて、酸化不動態化処理を行った。バックシールガ
スとしては、アルゴンガスに酸素ガスを30ppm添加
したものを用いて溶接を行った。得られた溶接配管サン
プルを(a);0周、(b);1周、(c);2周、
(d);3周とする。
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目以降で溶接スピード6
rpm、電流値3Aの条件で、0〜3周溶接ヘッドを回
転させて、酸化不動態化処理を行った。バックシールガ
スとしては、アルゴンガスに酸素ガスを30ppm添加
したものを用いて溶接を行った。得られた溶接配管サン
プルを(a);0周、(b);1周、(c);2周、
(d);3周とする。
【0024】溶接終了後、配管を切断し溶接部表面の深
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図4((a)の場合)、図5((b)の場
合)、図6((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図4((a)の場合)、図5((b)の場
合)、図6((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
【0025】図から明らかなように、回転数0〜3周の
どの条件においても酸化膜が形成されていることが分か
る。この条件において、回転数を2周(図6)、3周し
た場合では最表面から約30nm、鉄を全く含まない、
100%の酸化クロム不動態膜が形成されていることが
分かる。
どの条件においても酸化膜が形成されていることが分か
る。この条件において、回転数を2周(図6)、3周し
た場合では最表面から約30nm、鉄を全く含まない、
100%の酸化クロム不動態膜が形成されていることが
分かる。
【0026】(実験例3)1/4インチ径のフェライト
系ステンレス配管を、水分濃度を100ppmとした水
素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気で酸化処理を行い、
配管内表面に100%の酸化クロム不動態膜を形成し
た。
系ステンレス配管を、水分濃度を100ppmとした水
素、酸素及びアルゴンガスの雰囲気で酸化処理を行い、
配管内表面に100%の酸化クロム不動態膜を形成し
た。
【0027】次にタングステンイナートガス溶接法によ
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目以降で溶接スピード6
rpm、電流値3Aの条件で、3周溶接ヘッドを回転さ
せて、酸化不動態化処理を行った。バックシールガスと
しては、アルゴンガスに酸素ガスを種々の濃度添加した
ものを用いて溶接を行った。得られた溶接配管サンプル
を(a);25ppm、(b);30ppm、(c);
35ppmとする。
り、100%酸化クロム不動態膜を形成したフェライト
系ステンレス配管の溶接を行った。溶接方法としては、
最初の1周で溶接を行い、2周目以降で溶接スピード6
rpm、電流値3Aの条件で、3周溶接ヘッドを回転さ
せて、酸化不動態化処理を行った。バックシールガスと
しては、アルゴンガスに酸素ガスを種々の濃度添加した
ものを用いて溶接を行った。得られた溶接配管サンプル
を(a);25ppm、(b);30ppm、(c);
35ppmとする。
【0028】溶接終了後、配管を切断し溶接部表面の深
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図7((a)の場合)、図8((b)の場
合)、図9((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光)により調
べた。結果を図7((a)の場合)、図8((b)の場
合)、図9((c)の場合)に示す。また、図の横軸
は、スパッタによる表面のエッチング時間であり、1分
間のエッチング時間は約7nmの膜厚に対応する。
【0029】図から明らかなように、この条件(電流
値、回転スピード、回転数)において酸素濃度25pp
mから35ppmの領域において最表面から数十nmの
膜厚で鉄を全く含まない100%の酸化クロム不動態膜
が形成されていることが分かる。そして、酸素濃度が増
加すると膜厚が増加する傾向も分かる。
値、回転スピード、回転数)において酸素濃度25pp
mから35ppmの領域において最表面から数十nmの
膜厚で鉄を全く含まない100%の酸化クロム不動態膜
が形成されていることが分かる。そして、酸素濃度が増
加すると膜厚が増加する傾向も分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性に優れた溶接部
材、配管を提供することができる。本発明によれば、寿
命が極めて長く、交換をほとんど必要としない配管シス
テムを提供することができる。
材、配管を提供することができる。本発明によれば、寿
命が極めて長く、交換をほとんど必要としない配管シス
テムを提供することができる。
【0031】本発明によれば、清浄度が高くメインテナ
ンスフリーのクリーンルームを提供することができる。
本発明によれば、耐食性に優れた溶接部材を製造するこ
とが可能な溶接方法を提供することができる。
ンスフリーのクリーンルームを提供することができる。
本発明によれば、耐食性に優れた溶接部材を製造するこ
とが可能な溶接方法を提供することができる。
【図1】実験例1の(a)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図2】実験例1の(b)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図3】実験例1の(c)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図4】実験例2の(a)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図5】実験例2の(b)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図6】実験例2の(c)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図7】実験例2の(d)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図8】実験例3の(a)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図9】実験例3の(b)により形成した不動態膜のX
PS検査結果を示すグラフである。
PS検査結果を示すグラフである。
【図10】実験例3の(c)により形成した不動態膜の
XPS検査結果を示すグラフである。
XPS検査結果を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C22C 38/18 C22C 38/18
// B23K 101:06 B23K 101:06
(56)参考文献 特開 平7−197206(JP,A)
特開 平7−197207(JP,A)
特開 平4−183846(JP,A)
特開 平3−227218(JP,A)
特開 平6−210483(JP,A)
特開 昭61−194168(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 8/14
C23C 8/18
B23K 9/16
B23K 9/23
C22C 38/00 302
C22C 38/18
B23K 101:06
B23K 9/235
B23K 31/00
Claims (16)
- 【請求項1】 フェライト系ステンレス鋼同士を溶接し
た溶接部の最表面が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物
の表面であることを特徴とする溶接部材。 - 【請求項2】 前記フェライト系ステンレス鋼は、クロ
ムを25重量%以上含有するステンレス鋼であることを
特徴とする請求項1記載の溶接部材。 - 【請求項3】 フェライト系ステンレス鋼からなる配管
同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸化物を含まない
クロム酸化物の表面であることを特徴とする配管。 - 【請求項4】 前記フェライト系ステンレス鋼は、クロ
ムを25重量%以上含有するステンレス鋼であることを
特徴とする請求項3記載の配管。 - 【請求項5】 フェライト系ステンレス鋼からなる配管
同士を溶接した溶接部の最表面が、鉄酸化物を含まない
クロム酸化物の表面である配管を用いたことを特徴とす
る配管システム。 - 【請求項6】 前記フェライト系ステンレス鋼は、クロ
ムを25重量%以上含有するステンレス鋼であることを
特徴とする請求項5記載の配管システム。 - 【請求項7】 内部に配置されたガス供給配管は、フェ
ライト系ステンレス鋼からなる配管同士を溶接した溶接
部の最表面が、鉄酸化物を含まないクロム酸化物の表面
である配管であることを特徴とするクリーンルーム。 - 【請求項8】 前記フェライト系ステンレス鋼は、クロ
ムを25重量%以上含有するステンレス鋼であることを
特徴とする請求項7記載のクリーンルーム。 - 【請求項9】 フェライト系ステンレス鋼同士を溶接
後、酸化性を有するガスを溶接部に流すとともに、溶接
部を溶融しない程度のアークを該溶接部に照射すること
を特徴とする溶接方法。 - 【請求項10】 前記フェライト系ステンレス鋼は、ク
ロムを25重量%以上含有するステンレス鋼であること
を特徴とする請求項9記載の溶接方法。 - 【請求項11】 溶接後における溶接電流を3〜6Aと
することを特徴とする請求項9又は10記載の溶接方
法。 - 【請求項12】 酸化性を有するガスは、アルゴンガス
中に酸素を含有するガスであることを特徴とする請求項
9乃至11のいずれか1項記載の溶接方法。 - 【請求項13】 酸素濃度は25ppm以上50ppm
以下であることを特徴とする請求項12記載の溶接方
法。 - 【請求項14】 水素を添加したことを特徴とする請求
項12又は13記載の溶接方法。 - 【請求項15】 酸化性を有するガスは、アルゴン中に
水分を含有するガスであることを特徴とする請求項9乃
至11のいずれか1項記載の溶接方法。 - 【請求項16】 溶接後における回転速度を6〜8rp
mとすることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか
1項記載の溶接方法。
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