JP3494399B2 - 厚膜印刷物および厚膜印刷方法 - Google Patents

厚膜印刷物および厚膜印刷方法

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JP3494399B2
JP3494399B2 JP20618198A JP20618198A JP3494399B2 JP 3494399 B2 JP3494399 B2 JP 3494399B2 JP 20618198 A JP20618198 A JP 20618198A JP 20618198 A JP20618198 A JP 20618198A JP 3494399 B2 JP3494399 B2 JP 3494399B2
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千賀子 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタによって印刷した印刷物および印刷方法に関し、
特に厚膜の印刷物、および印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の分野において厚膜のインキから形
成された印刷物が用いられている。例えば、視覚障害者
用の点字用の印刷物あるいは案内板、プリント配線基板
等の電子部品への品番等の印刷した印刷物において厚膜
の印刷物用いられている。これらの印刷物の作製には、
比較的容易に厚膜の印刷物を得ることが可能なスクリー
ン印刷、グラビア印刷等が広く用いられており、厚膜印
刷を行う際には、溶剤型インキ、紫外線硬化型インキを
用いて印刷物が作製されている。ところが、スクリーン
印刷、グラビア印刷等では、あらかじめ製版を行うこと
が必要であり、少量多品種の印刷等を行う際には効率的
ではなかった。
【0003】そこで、製版を行うことなく印刷物を得る
方法として、電子的に作製した画像形成用のデータを、
インクジェットプリンタ等に出力して画像を形成する印
刷方法が提案されているが、これらの印刷方法では、耐
性のある厚膜印刷を行うことが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットプリン
タは、電子的に作製したデータを各種の被印刷基材へ容
易に印刷をすることが可能な印刷方法であり、広く用い
られている。インクジェットプリンタには、インキの液
滴を帯電して偏向させる連続式、圧電結晶に電圧を印加
して発生する結晶の歪みによって加圧する圧電式、イン
キを加熱によって気泡を形成し、その圧力によって吐出
する加熱式等の方法が知られているが、とくに構造が簡
単で取り扱いが容易な、圧電式あるいは加熱式等のイン
キを機械的に加圧してノズルから吐出する方式のインク
ジェットプリンタでは、インキの粘性等を小さくし、ノ
ズルからインキが吐出し易くすることが必要であった。
【0005】例えば、紫外線硬化型インキからなるイン
クジェットプリンタ用インキは、特開平7−22424
1号公報において記載されているが、インキの分散媒と
して水性媒体を用い、インキ全重量の50%以上の水を
含有し、吐出を容易にしているが、このような紫外線硬
化型インキでは、厚膜印刷をすることはできなかった。
このように、従来のインクジェットプリンタ用の紫外線
硬化型インキはノズルから容易に吐出されるように、イ
ンキの粘性等を小さくすると取り扱い易くなるものの、
充分な厚みの印刷物が得られないという問題点があり、
点字等の用途には使用することができないものであっ
た。本発明は、紫外線硬化型インキからなる厚膜の印刷
物、およびその印刷方法を提供することを課題とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上にイン
クジェットプリンタによって印刷を施した印刷物におい
て、被印刷基材上に、被印刷基材の濡れ指数以上の表面
張力を有する紫外線硬化型インキによって印刷の後に硬
化されたものである印刷物である。粘度が10cPs以
上の紫外線硬化型インキである前記の印刷物である。紫
外線硬化型インキが希釈剤として、光重合性モノマー以
外の溶剤、分散媒を添加していないものである前記の印
刷物である。印刷物が合成樹脂、金属、ガラス、セラミ
ックスを基材としたものである前記の印刷物である。
【0007】基材上にインクジェットプリンタによって
印刷する印刷方法において、被印刷基材上に、被印刷基
材の濡れ指数以上の表面張力を有する紫外線硬化型イン
キを用いてインクジェットプリンタによって印刷の後に
紫外線照射によって硬化する前記の印刷方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、インクジェットプリン
タ用インキを用いて印刷する場合に、インキとして表面
張力が被印刷基材の濡れ指数よりも大きなものを用いる
ことによって、被印刷基材上に厚膜の印刷が可能である
ことを見出したものである。すなわち、インキジェット
プリンタ用インキとして、表面張力が大きなインキを用
いることによって、被印刷基材の表面において厚膜状の
印刷画像が形成されるが、とくにインキの表面張力が被
印刷基材の濡れ指数よりも大きな場合に大きな効果が得
られることを見いだしたものである。
【0009】本発明の印刷物の形成に用いる紫外線硬化
型のインクジェットプリンタ用インキは、光重合性プレ
ポリマー、光重合性モノマー、および光重合開始剤を含
有する組成物であって、それぞれの含有比を変えて調製
することによって所定の表面張力を示すインキを得るこ
とができる。本発明の印刷物の形成に使用する紫外線硬
化型のインクジェットプリンタ用インキは、表面張力が
33mN/m以上のものであることが好ましく、35m
N/m以上とすることがより好ましい。また、本発明の
印刷物の形成に用いる紫外線硬化型のインクジェットプ
リンタ用インキは、6回転/分によって測定した、25
℃における粘度が10cPs以上のものであることが好
ましい。
【0010】本発明において、光重合性は、紫外線、電
子線、その他の放射線等によって重合する特性を意味
し、光は、そのような反応を起こすことができる紫外
線、電子線、その他の放射線をも意味する。
【0011】本発明に使用することが可能な光重合性プ
レポリマーとしては、紫外線硬化樹脂の製造に使用され
る光重合性プレポリマーを使用することができる。具体
的には、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノール系エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルA系エポキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキ
シド変性ビスフェノールA系エポキシ(メタ)アクリレ
ート、アルカリ可溶エポキシ(メタ)アクリレート、ア
クリル変成エポキシ(メタ)アクリレート、リン酸変成
エポキシ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート系ウ
レタン(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン
(メタ)アクリレート、脂環式ウレタン(メタ)アクリ
レート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブ
タジエン(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。
【0012】具体的には、ダイヤビームUK6105、
ダイヤビームUK6038(いずれも三菱レイヨン製
エポキシ系アクリレート)、ダイヤビームUK605
5、ダイヤビームUK6063(いずれも三菱レイヨン
製 ウレタン系アクリレート)、ダイヤビームUK42
03(三菱レイヨン製 エステル系アクリレート 分子
量1282)、カヤラッドR300、カヤラッドR13
0、カヤラッドR190、カヤラッドR280(いずれ
も日本化薬製 エポキシ系アクリレート)、カヤラッド
UX2201、カヤラッドUX3204、カヤラッドU
X6101、カヤラッドUX8101(いずれも日本化
薬製 ウレタン系アクリレート)、オレスターRA15
74(三井化学製 エポキシ系、エステル系、ウレタン
系のアクリレートの混合物)を挙げることができる。
【0013】本発明においては、これら光重合性プレポ
リマーの1種または複数を用いることができる。特にこ
れらの中でも、エポキシ系アクリレートの光重合性プレ
ポリマーは、表面張力を高める効果が大きい。
【0014】本発明において、(メタ)アクリレート
は、アクリレートおよびメタアクリレートを意味し、両
者を含むものであっても良い。
【0015】また、本発明のインキに使用する光重合性
モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、脂
環式(メタ)アクリレート、アルキレングリコール型
(メタ)アクリレート、エステル型(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパン型(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトール型(メタ)アクリレート、イソシ
アヌレート型(メタ)アクリレート、フェニル型(メ
タ)アクリレート、ベンジル型(メタ)アクリレート、
フェノキシ型(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
型(メタ)アクリレート、アルコール型(メタ)アクリ
レート、エポキシ型(メタ)アクリレート、アリル型
(メタ)アクリレート、グリシジル型(メタ)アクリレ
ート、カルボキシル型(メタ)アクリレート、ビニル型
(メタ)アクリレート、エーテル型(メタ)アクリレー
ト等を挙げることができる。
【0016】具体的には、ブタンジオールモノ(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−アク
リロイルモルホリン、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、N−
ビニルピロリドン、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールメタクリレート、イソボ
ニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。これらの光
重合性モノマーは、1種または複数を用いることができ
る。特にこれらの中でも、N−アクリロイルモルホリン
を挙げることができる。
【0017】また、重合開始剤としては、アセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチル
アミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェ
ノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p
p′−ジクロロベンゾフェン、pp′−ビスジエチルア
ミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール、テトラメチルチウラムモノスルフィド、
チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチ
ルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベン
ゾインパーオキサイド、ジ−ter−ブチルパーオキシ
ド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォ
ーメートが挙げられる。
【0018】また、カチオン重合型の場合には、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩、メタロセン化合物等の光開始剤が用いられる。
その具体例としてトリフェニルスルホニウムヘキサフル
オロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフル
オロアンチモネート等が挙げられる。光重合開始剤は、
1種または複数を使用することができ、光重合開始剤
は、増感剤と併用しても良い。増感剤としては、脂肪族
アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン等のアミン
系増感剤、アリル系、o−トリルチオ尿素等の尿素系増
感剤、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族
スルフィン酸の可溶性塩等のイオウ化合物系増感剤、
N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル等のニトリ
ル系増感剤、トリn−ブチルホスフィン、ナトリウムジ
エチルジチオホスフィード等のリン系増感剤、ミヒラー
ケトン、N−ニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキ
サゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン
化合物、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとジ
アミンの縮合物等の窒素化合物系増感剤等を挙げること
ができる。
【0019】光重合性プレポリマーと光重合性モノマー
は、光重合性プレポリマー100重量部に対して、光重
合性モノマー2000重量部までの量であることが好ま
しく、100重量部ないし800重量部であることが好
ましい。光重合開始剤と増感剤は、紫外線硬化性樹脂の
総量に対して0.1〜20重量%の量を用いることが好
ましい。
【0020】また、本発明の紫外線硬化型インキを着色
する場合には、染料、顔料等の着色剤を混合する。使用
可能な染料としては、従来からインクジェット用イン
キ、あるいは紫外線硬化型インキにおいて使用されてい
る各種の染料を用いることができ、アゾ染料、フタロシ
アニン染料等の直接染料、アントラキノン系染料等の酸
性染料等が挙げられる。
【0021】また、顔料としては、従来からインクジェ
ット用インキ、あるいは紫外線硬化型インキにおいて使
用されている各種の有機及び無機顔料を使用することが
できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合ア
ゾ顔料及びキレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシア
ニン顔料、ペリレン顔料、アントセキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料
や、塩基性染料型レーキ及び酸性染料型レーキ等の染料
レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラッ
ク、昼光蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄
系及びカーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。
これらの染料、および顔料は併用して用いても良い。
【0022】また、本発明の紫外線硬化型インクジェッ
ト用インキには、粘度等の物性の調整や、顔料の分散安
定化のために、アクリル系樹脂、シリコン樹脂、アセチ
レングリコール系化合物、アミン類、塩類、酸類等を添
加剤として用いても良い。また、粘度等の調整の目的
で、溶剤を用いても良い。使用することができる溶剤と
しては、ケトン、エステル、エーテル、アルコール等の
溶剤を挙げることができる。
【0023】しかしながら、厚膜の印刷物を得るために
は、溶剤、分散媒等を添加せず、インキの製造工程にお
いて原料の調合の際に随伴する溶剤等を除き実質的に、
光重合性モノマー以外に希釈用の溶剤が含まれないイン
キであることが好ましい。
【0024】本発明の印刷物の製造に使用する紫外線硬
化型インクジェットプリンタ用インキは、光重合性プレ
ポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤、色材等を
所定の割合で混合した後に、混練して調製することがで
きる。混練は、分散機を用いて行うことができる。分散
機は、ボールミル、ロールミル、サンドミル等が挙げら
れる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例
えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミ
ル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パー
ルミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられ
る。
【0025】本発明の印刷物は、インキの液滴を帯電し
て偏向させる連続式、圧電結晶に電圧を印加して発生す
る結晶の歪みによって加圧する圧電式、インキを加熱に
よって気泡を形成し、その圧力によって吐出する加熱式
等のいずれの方法のインクジェットプリンタによっても
製造することができるが、インキに熱が加わらない方式
のインキジェットプリンタの方がインキの安定性の点か
らは好ましい。
【0026】また、インキとして、色材を含有したもの
を用いることによってカラー画像からなる印刷物を形成
することができる。
【0027】点字のように1ドットの大きさがおよび厚
みに所定の大きさが必要である場合には、インクジェッ
トプリンタのノズルから形成すべきドットに対応した量
のインキを吐出することが必要である。吐出量の少ない
ノズルの場合には、同一の箇所に複数回のインキの吐出
を行い所定の大きさのドットを形成する。
【0028】本発明の印刷物に使用可能な被印刷基材
は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、アクリルブタジエンスチレン共重合体、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂基材、ガラ
ス、金属、セラミック等の基材を挙げることができる。
そして、被印刷基材の濡れ指数に対応して、表面張力が
好適なインキを選択することによって厚膜の印刷物を得
ることができる。
【0029】また、本発明の印刷物は、紫外線硬化型樹
脂で形成されているので、耐溶剤性、耐薬品性が大きい
ので、プリント基板のような製造工程において有機溶剤
等によって洗浄処理をされるような各種の電子材料への
印刷に好適である。また、本発明のインキが付着した被
印刷基材は、紫外線、電子線等によって硬化させるが、
複数色のインキを用いて印刷を行う場合には、複数の色
のインキを付着させた後に印刷基材に紫外線等を照射し
ても、あるいは1色毎に紫外線を照射させる工程を色毎
に繰り返しても良い。
【0030】紫外線等の照射においては、紫外線ランプ
の発する熱によって、被印刷基材が熱的な変形を起こす
可能性があるので、紫外線のみが照射されて熱線が照射
されないような照射装置を用いることが必要である。
【0031】図1は、本発明の印刷物を説明する図であ
る。被印刷基材1上に、インクジェットプリンタのノズ
ル2から、インキの液滴3を吐出する。液滴は、被印刷
基材1上に付着すると、インキの表面張力が被印刷基材
の濡れ性よりも大きい場合には、付着したインキは、図
1(A)で示すように、インキの表面張力と被印刷基材
の濡れ性の相違によって膜厚の大きなインキによる画像
4が形成される。得られたインキ画像に紫外線等を照射
することによって紫外線硬化型インキを硬化処理し、印
刷物を形成することができる。一方、インキの表面張力
が被印刷基材のぬれ性と同じ、もしくはインキの表面張
力が被印刷基材のぬれ性よりも小さい場合には、図1
(B)で示すように、インキは被印刷基材上で広がり、
インキの画像は膜厚が薄いものとなる。
【0032】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示し本発明を
説明する。 (インクジェットプリンタ用インキの製造例)表1に種
類と使用量を重量部で記載した光重合性プレポリマー、
光重合性モノマー、光重合開始剤を調合後、ボールミル
を用いて5分間混練してインクジェット用インキを作製
した。得られたインキの粘度を、25℃±2℃の条件
で、粘度計(芝浦システム製VDA−K型)によって、
6回転/分の条件で測定し、同様に表面張力を25℃±
2℃の条件で、表面張力測定装置(協和界面科学製 C
BVP−Z)によって測定し、それらの測定結果を表1
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】ただし、表1において、光重合性プレポリ
マーAないしD、光重合性モノマーaないしc、光重合
開始剤は以下のものを示す。 光重合性プレポリマーAないしN A:ダイヤビームUK6105(三菱レイヨン製 エポ
キシ系アクリレート 分子量763) B:ダイヤビームUK6038(三菱レイヨン製 ウレ
タン系アクリレート 分子量3600ないし3700) C:オルスターRA1574(三井化学製 エポキシ
系、エステル系、ウレタン系のアクリレートの混合物) D:ダイヤビームUK6074(三菱レイヨン製 ウレ
タン系アクリレート 分子量300ないし900) 光重合性モノマーaないしc a:アクリロイルモルホリン b:1,6−ヘキサンジオールアクリレート c:2−エチルヘキシルアクリレート 光重合開始剤 イルガキュア1700(チバスペシャリティケミカルズ
製)
【0035】実施例1ないし6および比較例1ないし4 被印刷基材として、合成樹脂板A:アクリルブタジエン
スチレン共重合樹脂板(宇部サイコン社製 サイコラッ
クEX−21IL) ぬれ指数34mN/mを用い、表
面処理を行わずに、表1に記載のインクジェットプリン
ター(FOXJET社製 Quantum8)によっ
て、1ドットのインキ量が2μlとなるように1ドット
に対して複数回のインキの吐出をおこなって印刷を行っ
た後に、紫外線を300mW/cm2 の照射強度で、積
算光量が1500mJ/cm2 となるように照射し、イ
ンキを硬化させて印刷物を得た。なお、合成樹脂板のぬ
れ指数は、日本工業規格 ポリエチレン及びポリプロピ
レンフィルムのぬれ試験方法(JIS K6768)に
したがって測定した。
【0036】得られた印刷物のインキの膜厚を、膜厚計
(東京プロセスサービス社製 デジタル膜厚計MG−
4)によって測定し、測定結果を表2に示す。被印刷基
材のぬれ指数よりも大きな表面張力を有するインキの場
合には膜厚が大きな印刷物が得られた。得られたドット
状の印刷物は、点字用に好適な大きさと高さを備えてい
た。
【0037】
【表2】 インキ種類 表面 粘度 印刷膜厚(μm) 張力 合成樹脂板A mN/m cPs ぬれ指数 34mN/m 実施例1 インキ1 47 96.6 494 実施例2 インキ2 42.5 28.8 432 実施例3 インキ3 37.3 96.8 424 実施例4 インキ4 39 69.3 367 実施例5 インキ5 42.9 55.3 433 実施例6 インキ6 42.7 50.5 416 比較例1 インキ7 32.6 11.9 252 比較例2 インキ8 32.9 19.2 252 比較例3 インキ9 32.3 22.4 255 比較例4 インキ10 31.6 48.5 213
【0038】実施例7ないし12および比較例5ないし
8 被印刷基材として、合成樹脂板B:ポリカーボネート
(三菱エンジニアリングプラスティックス製ユーピロン
NF2000)、ぬれ指数36mN/mを用いた点を除
き、実施例1と同様に表1のインキを用いて印刷物を作
製して、印刷膜厚を測定し、その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】 インキ種類 表面 粘度 印刷膜厚(μm) 張力 合成樹脂板B mN/m cPs ぬれ指数36 mN/m 実施例7 インキ1 47 96.6 213 実施例8 インキ2 42.5 28.8 202 実施例9 インキ3 37.3 96.8 233 実施例10 インキ4 39 69.3 200 実施例11 インキ5 42.9 55.3 200 実施例12 インキ6 42.7 50.5 198 比較例5 インキ7 32.6 11.9 139 比較例6 インキ8 32.9 19.2 120 比較例7 インキ9 32.3 22.4 138 比較例8 インキ10 31.6 48.5 105
【0040】実施例13ないし16および比較例9ない
し比較例14 被印刷基材として、合成樹脂板C:ポリエチレンテレフ
タレート(帝人製 HP−7)、ぬれ指数42mN/m
を用いた点を除き、実施例1と同様に表1に記載のイン
キを使用して印刷物を作製して印刷膜厚を測定し、その
結果を表4に示す。
【0041】
【表4】 インキ種類 表面 粘度 印刷膜厚(μm) 張力 合成樹脂板C mN/m cPs ぬれ指数42 mN/m 実施例13 インキ1 47 96.6 160 実施例14 インキ2 42.5 28.8 107 実施例15 インキ5 42.9 55.3 150 実施例16 インキ6 42.7 50.5 123 比較例9 インキ3 37.3 96.8 53 比較例10 インキ4 39 69.3 52 比較例11 インキ7 32.6 11.9 15 比較例12 インキ8 32.9 19.2 15 比較例13 インキ9 32.3 22.4 31 比較例14 インキ10 31.6 48.5 27
【0042】
【発明の効果】本発明の印刷物は、被印刷基材のぬれ指
数よりも表面張力が大きな紫外線硬化型のインクジェッ
トプリンタ用インキによって印刷したので、厚膜印刷物
を容易に形成することができ、また得られる印刷物は、
耐水性、耐薬品性、耐磨耗性、耐光性等が良好なもので
あり、視力障害者用の点字による印刷物や案内板、各種
の電子部品等の印刷にも好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷物の製造方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…被印刷基材、2…ノズル、3…液滴、4…画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷基材上にインクジェットプリンタ
    によって印刷を施した印刷物において、被印刷基材上
    に、被印刷基材の濡れ指数以上の表面張力を有し、粘度
    が28.8cPs以上の紫外線硬化型インキによって印
    刷の後に硬化されたものであることを特徴とする厚膜印
    刷物。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化型インキが希釈剤として、光
    重合性モノマー以外の溶剤、分散媒を添加していないも
    のであることを特徴とする請求項1記載の厚膜印刷物。
  3. 【請求項3】 印刷物が合成樹脂、金属、ガラス、セラ
    ミックスを被印刷基材としたものであることを特徴とす
    る請求項1ないし2のいずれかに記載の厚膜印刷物。
  4. 【請求項4】 印刷物が点字印刷物、もしくはプリント
    基板を被印刷基材とした印刷物であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の厚膜印刷物。
  5. 【請求項5】 被印刷基材上にインクジェットプリンタ
    によって印刷する厚膜印刷方法において、被印刷基材上
    に、被印刷基材の濡れ指数以上の表面張力を有し、粘度
    が28.8cPs以上の表面張力を有する紫外線硬化型
    インキを用いてインクジェットプリンタによって印刷の
    後に紫外線照射によって硬化することを特徴とする厚膜
    印刷方法。
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