JP2006036932A - インクジェット記録用インク、及び、それを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期保存安定性に優れた、滲みや隣接する噴射インクの打滴干渉が抑制され、高画質の画像形成が可能であり、被記録媒体と画像との定着性に優れたインクジェット記録用インク及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】 被記録媒体に、複数の液体を噴射して画像を形成するインクジェット記録用インクであって、複数の液体中に、例えば、(A’)酸成分を含有する化合物と(B’)塩基成分を含有する化合物の如き、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物をそれぞれ独立して含有し、複数の液体中に、重合性化合物と重合開始剤とを時に、又はそれぞれ独立して含有し、且つ、複数の液体の少なくとも一つに(E)着色剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク及び画像形成方法に関し、詳細には、画像再現性に優れた多液凝集型のインクジェット記録用インク及びそれを用いた画像形成方法に関する。
ノズル等のインク吐出口からインクを吐出するインクジェット方式は、小型で安価であり、印字媒体に非接触で画像形成が可能である等の理由から多くのプリンターに用いられている。これらインクジェット方式の中でも、圧電素子の変形を利用しインクを吐出させるピエゾインクジェット方式、及び、熱エネルギーによるインクの沸騰現象を利用しインクを吐出する熱インクジェット方式は高解像度、高速印字性に優れるという特徴を有する。
現在、インクジェットプリンターにより、普通紙或いはプラスチックなど非吸水性の被記録媒体に印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっている。特に、印字後の液滴の乾燥に時間が掛かると、画像の滲みが生じやすく、また、隣接するインク液滴間の混合による打滴干渉が生じ、鮮鋭な画像形成の妨げとなるばかりでなく、非吸水性被記録媒体を用いた場合、溶剤の乾燥が極めて遅いために印字直後には記録物を重ねずに乾燥させる必要があるなど、実用上の問題があった。
画像のにじみや打滴干渉の抑制のため、インクの硬化を促進する方法の一つとして、インク溶媒の揮発ではなく放射線によって硬化し固着するインクジェッ用インクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし着色成分として顔料分散物を用いているために、顔料の凝集によりノズルが目詰りし安定してインクを吐出させることが困難であった。
このため、顔料を用いずに透明性や色調に優れた画像形成を行うため、着色剤に染料を用いた紫外線硬化型インクも開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このインクは、保存中に好ましくない重合反応が起こりやすく、保存安定性が十分ではないといった問題点を有していた。更には、導電性塩類を含んでおり、それらのインク中での溶解性が悪い場合があるため、長期保存状態での析出による印字不良の懸念があった。
保存性と高速乾燥性との両立を目的として、2液式のインクを用いて、被記録媒体上で両者を反応させる技術が提案され、例えば、塩基性ポリマーを有する液体を付着させた後、アニオン染料を含有するインクを記録する方法(例えば、特許文献3参照。)、カチオン性物質を含む液体組成物を適用した後、アニオン性化合物と色材を含有するインクを適用する方法(例えば、特許文献4参照。)などが開示されているが、これらの方法は、染料自体の析出により画像のにじみを抑制させようとするものであり、打滴干渉を抑制しうるものではなく、また、水性溶媒を含むため、乾燥速度が遅く、さらに、析出した染料が被記録媒体上に不均一に分布しやすく、画質の低下を招く懸念もあった。
特開平5−214279号公報 米国特許第4303924号明細書 特開昭63−60783号公報 特開平8−174997号公報
本発明は、長期保存安定性に優れた、滲みや隣接する噴射インクの打滴干渉が抑制され、高画質の画像形成が可能であり、被記録媒体と画像との定着性に優れたインクジェット記録用インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明のインクジェット記録用インクを用いた、高画質で、被記録媒体への定着性に優れた画像を形成しうる画像形成方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定の反応性成分を含む複数の液体からなるインクにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明のインクジェット記録用インクは、被記録媒体に、複数の液体を噴射して画像を形成するインクジェット記録用インクであって、複数の液体中に、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物をそれぞれ独立して含有し、複数の液体中に、重合性化合物と重合開始剤とを同時に、又はそれぞれ独立して含有し、且つ、複数の液体のうち、少なくとも一つの液体に着色剤を含有することを特徴とする。
このように、本発明のインクジェット記録用インクは、1組の互いに反応する化合物同士を、異なる液体に担持させ、且つ、反応して硬化する化合物同士をさらに含有させることで、被記録媒体上に2種以上の液体を同時に又は順次適用し、被記録媒体上でこれらの化合物をそれぞれ反応させ、画像形成を行うものである。
ここで、1組の反応性成分である、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物は、それぞれ、常温で液体であるか、又は、同一液体中に共存する重合性化合物又は重合開始剤に常温で可溶であることが好ましい態様である。このような、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物としては、酸成分を含む化合物と塩基成分を含む化合物であるの組み合わせを代表的なものとして挙げることができる。
本発明のインクに含まれる着色剤は、染料であっても顔料であってもよい。
また、本発明のインクジェット記録用インクを構成する複数の液体が、いずれも非水溶性の液体であり、水性溶媒を含有しないことが、インク打滴安定性の観点から好ましい。
また、本発明の請求項6に係る画像形成方法は、前記本発明のインクジェット記録用インクを、被記録媒体に噴射して画像を形成する工程と、形成された画像にエネルギーを付与して画像を硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、画像硬化を目的としたエネルギーの付与は、活性光線の照射及び加熱の少なくとも1つによって行われることが好ましい。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定される。インクジェット記録用インクにおいて異なる液体に含まれる、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する1組の化合物が、被記録媒体上における混合により瞬時に凝集体を生成するか増粘するため、打滴干渉のないインク液滴による画像形成が可能となる。その後、重合性化合物と重合開始剤がエネルギーの付与により、重合反応を生起し、該反応が進行してインク液滴が硬化することで、安定で且つ被記録媒体との定着性に優れた画像が形成できるものと考えられる。
このように、反応速度の早い一組の化合物、例えば、酸化合物と塩基化合物との機能により、瞬時に凝集体を形成するか、増粘することで、隣接するインク液滴同士の打滴干渉を効果的に抑制するとともに、その後、生起、進行する重合性化合物の重合反応により、安定な画像形成が可能となり、互いに反応する2組の化合物同士を組み合わせることで、本発明の効果が発現するものと推定される。
さらに、互いに反応する2組の成分、即ち、例えば、酸化合物と塩基化合物の如き、凝集あるいは増粘する1組の化合物を、複数の液体にそれぞれ独立して含有させることにより、インク液経時安定性が確保されたものと考えられる。また、重合性化合物と重合開始剤とを別の液体に含有させることで、さらなる安定性の向上が期待できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、インク液経時安定性に優れ、打滴干渉のない高品質の画像形成が可能で、更に重合硬化による画像の安定性及び媒体との定着を達成しうるという効果を奏する。
また、本発明の画像形成方法によれば、被記録媒体との定着性に優れ、滲み、打滴干渉のない高品質の画像を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔インクジェット記録用インク〕
まず、本発明のインクジェット記録用インクについて述べる。本発明のインクは、少なくとも第1の液体及び第2の液体を含む複数の液体からなり、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する1組の化合物をそれぞれ独立して含有し、複数の液体中に、重合性化合物と重合開始剤とを同時に、又はそれぞれ独立して含有し、且つ、複数の液体の少なくとも一つに着色剤を含有することを特徴とする。言い換えれば、「混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する1組の化合物である反応性化合物(A)と反応性化合物(B)」、さらに、「(C)重合性化合物と(D)重合開始剤」という、2組の反応性成分のうち、短時間で凝集又は増粘する化合物「反応性化合物(A)と反応性化合物(B)」同士が互いに異なる液体に含有されていることを要し、その他の組み合わせは任意である。
本明細書中では、多液式のインクとして、主として2液式のものを例示して説明するが、3液以上の構成を有していてもよく、その場合には、前記の如く、1組の反応性化合物が異なる液体にそれぞれ独立に含有されていればよく、重合性化合物と重合開始剤とは、同一の液体に含有されていても、それぞれ独立に異なる液体に含有されててもよいが、安定性の観点からは独立に異なる液体に含まれることが好ましい。
また、いずれの場合でも、これらの液体のいずれかにインクの着色成分としての着色剤を含有することを要する。
本発明においては、少なくとも2種の液体を混合し、滲みや打滴干渉のない優れた画像を形成させるためには、以下の二つの作用が重要である。
(a) 第1の液体と第2の液体の混合により、着色剤を含む凝集体を急速に形成させるか、或いは、着色剤を含む液体を急速に増粘させ、隣接する液滴との打滴干渉の発生を抑制させる。
(b) 該凝集体又は増粘された液体中に含まれる重合性化合物を、重合開始剤の機能により重合硬化させ、安定性及び被記録媒体との定着性に優れた画像を形成させる。
このとき、液体に溶媒として有機溶剤を含むと硬化性に影響を与える懸念があり、水性溶剤を含むと揮発除去に時間がかかる虞があるため、溶剤を使用しないでこれらの液体を構成することが好ましく、この観点からは、前記酸化合物及び塩基化合物に代表される1組の反応性化合物はそれ自体常温で液状であるか、又は、共存する重合性化合物又は重合開始剤に常温で可溶性であることが好ましい。
また、重合、硬化反応の促進のため、活性光線の照射や加熱などのエネルギー付与を行ってもよい。
本発明において、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する1組の化合物である反応性化合物(A)と反応性化合物(B)との反応例としては、酸/塩基反応、カルボン酸/アミド基含有化合物による水素結合反応、ボロン酸/ジオールに代表される架橋反応、カチオン/アニオンによる静電的相互作用による反応等が挙げられる。ここでは、酸/塩基反応による例を挙げて説明する。この反応を利用する場合、反応性化合物(A)として(A’)酸成分を含有する化合物、反応性化合物(B)として(B’)塩基成分を含有する化合物を用いる。
〔(A’)酸成分を含有する化合物〕
本発明者において用いられる酸成分を有する化合物は、分子内に酸基を有するものであれば、低分子化合物でもあっても高分子化合物であってもよく、これらから目的に応じて適宜選択して使用することができるが、前記した理由により、常温で液体であるか、共存する重合性化合物或いは重合開始剤(以下に詳述する)に常温で可溶性のものを選択することが好ましい。
酸化合物中に含まれる酸基としては、下記(1)〜(6)に挙げる酸基が好ましい。
(1)フェノール基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2 NHCOR、−SO2 NHSO2 R、−CONHSO2 R〕
(4)カルボン酸基(−CO2 H)
(5)スルホン酸基(−SO3 H)
(6)リン酸基(−OPO3 2
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
上記(1)〜(6)より選ばれる酸基を有する化合物の中でも、効果の観点から、(4)カルボン酸基、(2)スルホン酸基を有する化合物が、塩基成分との反応性の観点から好ましく、(4)カルボン酸基が特に好ましい。
本発明に用いられる酸化合物としては、インクの定着性の観点から、高分子化合物の主鎖又は側鎖にこれらの酸基を有する化合物が好ましい。
また、本発明に用いられる酸化合物の好ましい態様として、分子内に酸基と、下記一般式(I)で表される重合可能な不飽和結合を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2006036932
(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R2、R3は、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。Xは、酸素原子、硫黄原子、または、−NR4−を表す。R4は水素原子または1価の置換基を表す。)
このような高分子化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2006036932
Figure 2006036932
Figure 2006036932
前記酸基と重合性基とを有する高分子化合物は、本願出願人が先に提出した特願2002−237511明細書に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明における酸化合物として好適に使用しうる。
なお、このようなカルボン酸基と重合性基とを含む化合物を用いる場合、後述する(C)重合性化合物としての機能を併せもつ化合物となる。この化合物は、分子内に存在する酸基であるカルボン酸基の解離度が小さいため、塩基化合物との接触による凝集が効果的に促進され、且つ、それ自体が安定な高分子であるため、打滴干渉抑制効果の観点から好適である。このような化合物を用いる場合、安定性の観点から、後述する(D)重合開始剤とは異なる液体に含まれることが好ましい。
第1の液体又は第2の液体に含まれる酸化合物の含有量は、固形分濃度で0.5〜40質量%であることが、反応性、粘度の観点から好ましく、1〜20質量%の範囲であることがさらに好ましい。
〔(B’)塩基成分をを含有する化合物〕
次に、(B’)塩基成分を含有する化合物について述べる。この(B’)塩基化合物は、前記(A’)酸化合物とは別の液体に含有され、被記録媒体上で(A’)酸化合物と反応して凝集体を形成する。
本発明に用いられる(B’)塩基化合物には特に制限はなく、前記(A’)酸化合物と反応して速やかに凝集体を形成しうるものであれば、適宜、選択して用いることができる。
例えば、以下に詳述するアミン化合物、下記化合物(1)の如きアンモニウム塩、下記化合物(2)の如きヒドラジン化合物、下記化合物(3)の如きアミジン化合物、下記化合物(4)、(5)の如きグアニンジン化合物、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリン、カルバゾールの如き含窒素ヘテロ環化合物などが挙げられる。
Figure 2006036932
なかでも、酸化合物との凝集性の強さと、常温で液状又は共存する重合性化合物又は重合開始剤に可溶性であるといった物性を考慮すれば、アミン化合物が好ましく、第1級アミン、又は、第2級アミンがさらに好ましい。
以下、本発明に好適に使用される塩基化合物としてのアミン化合物〔例示化合物(B−1)〜(B−10)〕を挙げるが本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2006036932
この(B’)塩基化合物は、多液式のインクにおいて、前記(A’)酸化合物が含まれる液体とは別の液体中に含まれることを要する。複数の液体のいずれか1つに含まれる(B’)塩基化合物の含有量は、固形分濃度で50〜99質量%であることが、粘度、反応性の観点から好ましく、60〜98質量%の範囲であることがさらに好ましい。
〔(C)重合性化合物〕
本発明においては、複数の液体のいずれか一つに(C)重合性化合物を含有することを要する。この(C)重合性化合物は、後述する(D)重合開始剤から発生するラジカルなどの開始種により、重合反応を生起し、硬化する機能を有する。
このような(C)重合性化合物としては、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることが好ましく、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する多官能化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態を持つものを包含する。
重合性化合物は、分子内に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)などの重合性基を有することが好ましく、なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する化合物が低エネルギーで硬化反応を生起させることができるので好ましい。
本発明に用いうる多官能の重合性化合物としては、ビニル基含芳香族化合物、2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルである(メタ)アクリレート、2価以上のアミンと(メタ)アクリル酸とのアミドである(メタ)アクリルアミド、多塩基酸と2価アルコールの結合で得られるエステルまたはポリカプロラクトンに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステル(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイドと多価アルコールの結合で得られるエーテルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入するか、あるいは2価以上のアルコールとエポシキ含有モノマーを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン結合をもったウレタンアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アクリル樹脂アクリレート、アルキッド樹脂アクリレート、スピラン樹脂アクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、不飽和ポリエステルと前記光重合性モノマーの反応生成物およびワックス類と前記重合性モノマーの反応生成物などが挙げられ、(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、不飽和ポリエステルと前記光重合性モノマーの反応生成物が好ましく、アクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートが特に好ましい。
なお、本明細書では、アクリル酸、メタアクリル酸のいずれか、又は、双方を指すとき、「(メタ)アクリル酸」と表記することがある。
多官能重合性化合物の具体例としては、例えば、ジビニルベンゼン、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,6−アクリロイルアミノヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、2塩基酸と2価アルコールからなる分子量500〜30000のポリエステルの分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基をもつポリエステルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノール(AあるいはS、F)骨格を含有する分子量450〜30000のエポキシアクリレート、フェノールノボラック樹脂の骨格を含有する分子量600〜30000のエポキシアクリレート、分子量350〜30000の多価イソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリル酸モノマーとの反応物、また分子内にウレタン結合を有するウレタン変性物などが挙げられる。
また、本発明に用いうる単官能の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート、スチレン、アクリルアミド、ビニル基含有モノマー(ビニルエステル類、ビニルエーテル類、N−ビニルアミドなど)、(メタ)アクリル酸などが挙げられ、(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ビニルエステル類、ビニルエーテル類が好ましく、(メタ)アクリレート、アクリルアミドが特に好ましい。これらの重合性モノマーは、置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミド基、カルボン酸基などが挙げられる。
単官能重合性モノマーとしては、具体的には、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、アリルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、2−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチルアクリレート、エステルにポリブチルアクリレート部位を含有するアクリレート、エステルにポリジメチルシロキサン部位を含有するアクリレートなどが挙げられる。
なお、(A’)酸化合物として、先に詳述したカルボン酸基と重合性基とを有する高分子化合物を用いる場合には、この(A’)酸化合物が(C)重合性化合物としての機能を有するため、別の(C)重合性化合物を必ずしも必要としないが、効果の観点からは他の(C)重合性化合物を含有することが好ましい。
(C)重合性化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
複数の液体の少なくとも1つの液体中における(C)重合性化合物の含有量は、固形分換算で、50〜99.6質量%の範囲が好ましく、70〜99.0質量%の範囲がより好ましく、80〜99.0質量%の範囲がさらに好ましい。
〔(D)重合性開始剤〕
本発明においては、前記(C)重合性化合物が含まれる液体と同一の液体又は別の液体中に(D)重合開始剤を含有することを要する。前記(C)重合性化合物と(D)重合開始剤とは、経時安定性の観点から異なる液体中に含まれることが好ましく、被記録媒体上において両者がエネルギーを付与されることで重合・硬化反応が生起する。
本発明で用いられる重合開始剤は、光、熱、或いはその両方のエネルギーによりラジカルなどの開始種を発生し、前記(C)重合性化合物の重合を開始、促進させる化合物を指す。本発明における重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを選択して使用することができる。
そのようなラジカル発生剤としては、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物等が挙げられる。
本発明における重合開始剤の好ましい例として以下に示す光重合開始剤が挙げられる。例えば、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジル誘導体、ベンゾイン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキルケタール誘導体、チオキサントン誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、金属錯体、p−ジアルキルアミノ安息香酸、アゾ化合物、パーオキシド化合物等の光重合開始剤が挙げられ、アセトフェノン誘導体、ベンジル誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキルケタール誘導体、チオキサントン誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体が好ましく、アセトフェノン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキルケタール誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体が特に好ましい。
このような光重合開始剤の具体的化合物としての例を挙げれば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、p,p′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,2−ジメチルプロピオイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,3,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリクロロベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル ナフチルフォスフォネート、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フィニル)チタニウム、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、アゾビスイソブチロニトリル、1,1‘−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
また、他の好ましい光重合開始剤の例として、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている光重合開始剤を挙げることができる。
なお、重合開始剤としては、感度に優れるものが好ましいが、例えば、80℃以下の温度で熱分解を起こすものを用いることは、保存安定性の観点から好ましくなく、80℃までの温度では熱分解を起こさない重合開始剤を選択することが好ましい。
(D)重合開始剤は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、感度向上の目的で公知の増感剤と併用することもできる。
(D)重合開始剤は、多液式のインクにおいて、前記(C)重合性化合物とは別の液体中に含まれることが好ましいが、当該液体中の添加量は、経時安定性と硬化性、硬化速度との観点から0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%が更に好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。なお、この含有量が多すぎる場合には、経時による析出や分離が生じたり、硬化後のインクの強度や擦り耐性などの性能が悪化したりする場合があるので好ましくない。
〔(E)着色剤〕
本発明の多液式のインクジェット記録用インクには、複数の液体の少なくとも1つに着色剤を含有する。ここで用いられる着色剤には特に制限はなく、インクの使用目的に適合する色相、色濃度を達成できるものであれば、公知の水溶性染料、油溶性染料及び顔料から適宜選択して用いることができる。なかでも、先に述べたように、本発明のインクジェット記録用インクを構成する液体は、非水溶性の液体であって水性溶媒を含有しないことがインク打滴安定性の観点から好ましく、そのような観点からは、非水溶性の液体に均一に分散、溶解しやすい油溶性染料や顔料を用いることが好ましい。
(油溶性染料)
本発明に使用可能な油溶性染料には特に制限はなく、任意のものを使用することができる。以下、本発明に使用しうる油溶性染料を色相別に例示する。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などが挙げられ、その他の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、ジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
前記の各染料は、発色原子団(クロモフォア)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
着色剤として油溶性染料を用いる場合の染料の含有量は、インクを構成する一つの液体中に、固形分換算で0.05〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜15質量%が更に好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。
着色剤として顔料を用いる態様もまた、複数の液体の混合時に凝集が生じやすいという観点から好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できるが、黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、及び、シアン、マゼンタ、イエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、赤、緑、青、茶、白等の色相を有する顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
また、シリカ、アルミナ、樹脂などの粒子を芯材とし、表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することができる。
さらに、樹脂被覆された顔料を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などから市販品としても入手可能である。
本発明のインクにおいて、液体中に含まれる顔料粒子の体積平均粒子径は、光学濃度と保存安定性とのバランスといった観点からは、30〜250nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは50〜200nmである。ここで、顔料粒子の体積平均粒子径は、例えば、LB−500(HORIBA(株)製)などの測定装置により測定することができる。
着色剤として顔料を用いる場合の含有量は、光学濃度と噴射安定性の観点から、それが含まれる一つの液体に対し、固形分換算で0.1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下の範囲であることがより好ましい。
着色剤は1種のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。
また、着色剤は多液式のインクにおいて、少なくとも1つの液体に含まれればよいが、目的に応じて2以上の液体のそれぞれに含まれていてもよく、その際、着色剤は液体毎に異なっていても、同じであってもよい。
このように、本発明では多液式インクにおいて、上記反応性化合物の2つの組み合わせ「(A’)酸化合物と(B’)塩基化合物に代表される、反応性化合物(A)と反応性化合物(B)」がそれぞれ異なった液体に含まれ、「(C)重合性化合物と(D)重合開始剤」が同一の液体又はそれぞれ異なった液体に含まれればよく、また、(E)着色剤は多液式インクのいずれの液に含まれていてもよい。
2液式を例に挙げて説明すれば、(1)第1の液体に(A)と(C)と(E)が、第2の液に(B)と(D)が含まれる組み合わせ、(2)第1の液体に(A)と(D)と(E)が、第2の液に(B)と(C)が含まれる組み合わせ、(3)第1の液体に(B)と(C)と(E)が、第2の液に(A)と(D)が含まれる組み合わせ、(4)第1の液体に(B)と(D)と(E)が、第2の液に(A)と(C)が含まれる組み合わせ、(5)第1の液体に(A)と(C)と(D)と(E)が、第2の液体に(B)と(E)が含まれる組み合わせ、などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。
インクを構成する複数の液体には、上記必須成分〔(A)〜(E)〕の他、インクに添加される公知の添加剤を目的に応じて併用することができる。
〔その他の成分〕
(貯蔵安定剤)
本発明においては、インクの保存中の好ましくない重合を抑制する目的で、貯蔵安定剤を添加することができる。貯蔵安定剤は、重合性化合物と同じ液体に共存させて用いることが好ましく、また、該液体或いは共存する他の成分に可溶性のものを用いることが好ましい。
貯蔵安定剤としては、4級アンモニウム塩、ヒドロキシアミン類、環状アミド類、ニトリル類、置換尿素類、複素環化合物、有機酸、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエーテル類、有機ホスフィン類、銅化合物などが挙げられ、具体的にはベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシルアミン、ベンゾチアゾール、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、クエン酸、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、ナフテン酸銅などが挙げられる。
貯蔵安定剤の添加量は、用いる重合開始剤の活性や重合性化合物の重合性、貯蔵安定剤の種類に基づいて適宜調整するのが好ましいが、保存安定性と液体混合時のインクの硬化性とのバランスといった観点からは、液体を構成する1つの液体中に、固形分換算で0.005〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がさらに好ましい。
(導電性塩類)
導電性塩類は、インクに溶解させて導電性を向上させる固体の化合物である。本発明においては、保存時に析出する懸念が大きいために実質的に使用しないことが好ましいが、導電性塩類の溶解性を上げたり、インクの液体成分に溶解性の高いものを用いたりすることで、溶解性が良い場合には、適当綾添加しても良い。導電性塩類の例としては、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などが挙げられる。
本発明のインクを構成する各液体には、実質的に水を含有しないことが好ましい。インクを中に水を含有すると、経時による不均一化、染料の析出等に起因するインクの濁りが生じるという経時安定性の点、及び、非吸水性の被記録媒体を用いた場合のインク乾燥性の観点から好ましくない。
本発明のインクジェット記録用インクには、その他の添加剤として、溶剤やポリマー、表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤等の公知の添加剤を併用することができる。
溶剤は、インクの極性や、粘度、表面張力、着色材料の溶解性・分散性の向上、導電性の調整および印字性能の調整などのために使用できる。前記溶剤としては、水、低沸点有機溶剤、高沸点有機溶媒が挙げられるが、先に述べた理由により、溶剤を用いる場合においても非水系の溶剤を用いることが好ましい。
低沸点有機溶剤は沸点が100℃以下の有機溶剤である。低沸点有機溶剤は環境汚染を考慮すると使用しないことが望ましいが、使用する場合は安全性の高いものを用いることが好ましい。安全性が高い溶剤とは、管理濃度(作業環境評価基準で示される指標)が高い溶剤であり、100ppm以上のものが好ましく、200ppm以上が更に好ましい。具体的には、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素などが挙げられ、具体的には、メタノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
高沸点有機溶媒は沸点が100℃より高い有機溶剤である。高沸点有機溶媒は沸点が150℃以上のものが好ましく、170℃以上のものがより好ましい。例えば、多価アルコール類、脂肪族カルボン酸のエステル類、リン酸エステル類、炭化水素などが挙げられ、具体的には、ジエチレングルコール、トリメチロールプロパン、フタル酸ジブチル、安息香酸−2−エチルヘキシル、アルキルナフタレンなどが挙げられる。これらは、目的に応じ、常温で液体、固体の何れのものも使用できる。
溶剤は一種類でも複数組み合わせて使用しても良い、使用量は0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%が更に好ましく、実質的に含まないのが特に好ましい。ここで実質的に含まないとは、不可避不純物の存在を容認することを意味する。
表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤に関しては、公知の化合物を適宜選択して用いればよいが、具体的には例えば、特開2001−181549号公報に記載されている添加剤などを用いることができる。
ここで多液式のインクジェット記録用インクを構成する各液体の好ましい物性は、印字装置により異なるが、一般的には、各液体の粘度は5〜100mPa・sが好ましく、10〜80mPa・sがより好ましい。インク組成物の表面張力は20〜60mN/mが好ましく、30〜50mN/mがより好ましい。
このようにして得られた複数の液体、好ましくは、第1の液体と第2の液体とを被記録媒体上に噴射して両者が混合すると、まず、酸化合物と塩基化合物との反応により凝集体が形成され、その際に着色剤も同時に取り込まれる。このように着色剤を含んでなる凝集体の存在により、隣接する液滴との打滴干渉や着色剤の滲みの発生が抑制され、結果として光学濃度に優れた、滲みや打滴干渉のないドットが形成される。
また、この凝集体内部では、重合開始剤から発生したラジカルなどの活性種が共存する重合性化合物に作用して重合性化合物の重合反応が生起、進行し、硬化することで、被記録媒体への定着性に優れた、安定な画像が形成される。
〔画像形成方法〕
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、前記本発明のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とする。
本方法は、本発明のインクジェット記録用インクを被記録媒体に噴射して画像を形成する工程と、形成された画像にエネルギーを付与して画像を硬化させる工程と、を含む。
前記の如く、インクジェット記録用インクは、被記録媒体上で複数の液体が混合され、着色剤を含む凝集体中で、重合性化合物の重合硬化反応が進行して画像形成されるが、このとき、エネルギーを付与することで、凝集体中の重合、硬化反応を促進させ、より強固な画像をより効率よく形成することができる。このようなエネルギー付与はね光照射又は加熱により行われることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記インクジェット記録用インクを用いて、公知の記録方法を用いて画像形成できるが、特にインクジェト記録方法に使用する場合は、使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のインクは、公知の被記録媒体に好適に適用して画像形成することができる。被記録媒体としては、例えば、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。被記録媒体に関しては、特開2001−181549号公報など「被記録材」として記載され、ここに記載のものを本発明においても使用することができる。
本発明のインクジェット記録用インクは、いかなるインクジェット記録方式にも適用できる。例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式、等に好適に使用される。
なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
このようなインクジェット記録方式により、2以上の液体が同時に又は順次、被記録媒体に適用され、画像が形成される。このとき、被記録媒体上にインクを付与する場合、複数の液体が互いに接触するように付与される。複数の液体が接触する態様には特に制限はなく、互いに隣接するよう噴射されてもよく、一方の液体の付与領域と同じ領域になるように噴射されてもよい。
噴射のタイミングは任意であり、同時であっても順次であってもよいが、順次噴射される場合には、最初の液体を噴射した後、1秒以下で、次の液体を噴射することが好ましい。また、液滴の質量には特に制限はなく、形成される画像の鮮鋭度により選択されるが、一般的には1つの液体の1液滴あたりの質量は0.5pl〜10pl程度であることが好ましい。
本発明において、1つの打滴により画像を形成するための複数の液体の付与量のバランスとしては、2液式の場合、第1の液体付与量と第2の液体付与量との質量比は、0.5:5〜5:0.5の範囲であることが反応性、粘度の観点から好ましい。
次に、その後の工程において施されるエネルギー付与方法について説明する。露光、加熱などのエネルギー付与により、混合された液滴中の(D)重合開始剤の分解による活性種の発生が促進されるとともに、活性種の増加や温度の上昇により、活性種に起因する(C)重合性化合物の重合硬化反応が促進される。
本発明においてモノマーの重合を進行させるための露光光源としては、紫外線、可視光線などを使用することができる。また、光以外の放射線、例えば、α線、γ線、X線、電子線などを照射してエネルギー付与を行うこともできるが、これらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及び安全性の点から好ましく、紫外線を用いることが更に好ましい。硬化反応に必要なエネルギー量は、重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、一般的には、1〜500mJ/cm2程度である。
また、加熱によりエネルギー付与を行う場合には、被記録媒体表面の温度が40〜80℃の温度範囲となる条件で、0.1s〜1s間、加熱することが好ましい。
この加熱は、非接触型の加熱手段を使用して行われ、オーブン等の加熱炉内を通過させる加熱手段や紫外光〜可視光〜赤外光等による全面露光を行う加熱手段などが好ましく用いられる。ここで、加熱手段としての露光に用いられる光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、カーボンアーク灯、水銀灯等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクセットは、第1、第2の2つの液体からなり、特に凝集剤を含む第2の液体の安定性に優れ、2つの液体が記録媒体上に付与されると色材が速やかに凝集して画像を形成するため、光学濃度が充分で、滲みや色間滲みのない画像を、短い乾燥時間で形成でき、且つ、記録装置内において安定であり、長期噴射性を満足しうるという特徴を有し、その応用範囲は広い。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(酸化合物を含有するインクジェット記録用インクの液体(I−1)の調製)
・(A)酸化合物〔前記例示化合物(A−1)) 3.56g
・(C)モノマー:DPCA60(日本化薬製) 1.07g
・(C)モノマー:1,6ヘキサンジオールジアクリレート
(HDDA ダイセル・ユーシービー製) 8.53g
・N−エチルジエタノールアミン 0.29g
・(E)着色剤〔以下に示す化合物(M−1)〕 0.46g
以上の成分を撹拌混合溶解し、マゼンタインク用液体(I−1)を得た。
液体(I)の粘度(25℃、以下、粘度は25℃にて測定した値を記載する。)は19・6cpであった。
Figure 2006036932
(塩基化合物を含有インクジェット記録用インクの液体(II−1)の調製)
・(B)塩基化合物〔例示化合物(B−1)〕 5.0g
・(D)重合開始剤〔TPO−L(例示化合物−開始剤−1) 0.75g
液体(II)の粘度は10.3cpであった。
Figure 2006036932
<酸化合物を含有インクジェット記録用インクの液体(I−2)〜(I−3)の作製>
前記インク組成物用液体(I−1)の調整において、酸化合物A−1を下記表1の如く変更した以外は、インク用液体(I−1)と同じ様にして本発明の酸化合物を含有するインクジェット記録用インクの液体(I−2)〜(I−3)を作製した。
表1に、I液の調製に用いた酸化合物と、液体の粘度とを示す。
Figure 2006036932
<塩基化合物を含有するインクジェット記録用インクの液体(II−2)〜(II−10)の作製>
インク組成物(II−1)の調整において、塩基成分B−1を下記表2の如く変更した以外は、インク組成物(II−1)と同じ様にして、本発明に用いうる塩基化合物を含有するインクジェット記録用インクの液体(II−2)〜(II−10)を作製した。
表2に、II液の調製に用いた塩基化合物と、液体の粘度とを示す。
Figure 2006036932
<酸化合物を有しないインクジェット記録用比較インクの液体(I−C)の作製>
インク用の液体(I−1)の調整において、酸化合物A−1を加えなかった以外は、インク用液体(I−1)と同じ様にしてインクジェット記録用比較インクの液体(I−C)を作製した。
液体(I−C)の粘度は13.6cpであった。
<酸化合物及び塩基化合物を含有しないインクジェット記録用比較インク組成物Dの調製>
・(C)モノマー:DPCA60(日本化薬製) 1.0g
・(C):1,6ヘキサンジオールジアクリレート
(HDDA ダイセル・ユーシービー製) 16.0g
・N−エチルジエタノールアミン 0.6g
・(E)着色剤:M−1 0.46g
・(D)開始剤:TPO−L 0.5g
以上の成分を撹拌混合溶解し、比較例のマゼンタインク組成物を得た。
組成物Dの粘度は20.2cpであった。
<評価>
作製したインク用液体(I−1)〜(I−3)、(I−C)、インク用液体(II−1)〜(II−10)及び比較例のインク組成物Dを、インクジェットプリンター(マイクロジェット社製実験機、印字密度:300dpi、打滴周波数:4KHz、ノズル数:64、2列配列系)で、被記録媒体上にI液(又はI−C液)、II液が重なるように印字た。インク組成物Dは単独で印字した。
被記録媒体としては、厚さ60μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート、及びアート紙を用いた。
印字後、メタルハライドランプで365nm波長のものを使い、紫外線光量〜200mJ/cm2で紫外線照射を行い、画像を形成した。
用いたI液とII液の種類は下記表3に示すとおりである。得られた画像について以下の項目で評価を行った。結果を表3に併記する。
<打滴干渉性能評価>
(ライン品質)
I液、II液をライン状に重ね打ち、打滴形状の重なり具合を下記基準で評価した。
A:印字ドットの大きな重なりがなく(打滴干渉が殆どない)、印字の乱れが無かった。
B:印字ドットの多少の重なりが観察され、ライン品質が多少劣る。
C:印字ドットの大きな重なりが観察され、ライン品質が劣る。
(ベタ画像品質)
I液、II液をベタ画像状に重ね打ち、濃度ムラ具合を下記基準で評価した。
A:ベタ画像濃度ムラが殆ど観察されない。
C:ベタ画像濃度ムラがあり、品質が劣る。
<ベタツキ評価>
印刷面を指で触り、
ベタツキが無いものを(A)
若干べたつくものを (B)
著しくべたつくものを(C)
と三段階で官能評価した。
<耐擦過性評価>
前記画像を形成したPET、アート紙を、画像印字後、30分間経時した画像について、消しゴムで10往復擦り、変化を観察した。
濃度の低下がまったくないものを(A)
濃度の低下が僅かに生じたものを(B)
濃度の低下が多いものを(C)
として、三段階で評価した。
<耐光性評価>
前記画像を形成したアート紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を4日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、〜1.0で測定した。
色素残存率が90%以上の場合を(A)
色素残存率が89〜80%を(B)
色素残存率が79〜70%を(C)
色素残存率が69〜50%を(D)
色素残存率が49%未満を(E)
として五段階で評価した。
<オゾン耐性>
耐オゾン性については、オゾン濃度5.0ppmの条件下に試料を3日間保存する前後での濃度を、X−rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。
色素残存率が90%以上の場合をA、89〜80%をB、79〜70%未満をC、69〜50%をD、49%未満をEとして五段階で評価した。
色素残存率が90%以上の場合を(A)
色素残存率が89〜80%を(B)
色素残存率が79〜70%を(C)
色素残存率が69〜50%を(D)
色素残存率が49%未満を(E)
として五段階で評価した。
Figure 2006036932
表3の結果から明らかなように、インクジェット記録用インクにおける第1の液体である液体(I−1)〜(I−3)と、第2の液体である液体(II−1)〜(II−10)をI液、II液が重なるように印字すると、インク非吸収性のPETシート上、又はアート紙上で、打滴干渉なく画像形成がすばやく起こり、更にメタルハライドランプで365nm波長のものを使い、紫外線光量〜200mJ/cm2で紫外線照射を行うことで、効率的にすばやく硬化反応が進行し、印刷性能に優れ、ベタツキがなく、高度の耐擦過性、耐光性、オゾン耐性を有する画像を得られることがわかる。
一方、酸成分を含有していない液体(I−C)は、II液と混合するように適用した場合、ベタツキがなく、高度の耐擦過性、耐光性、オゾン耐性を有する安定な画像品質は得られるが、PETシート上、又はアート紙上で打滴干渉が起こり、画像形成性が十分でなく、高品質画像の観点からは問題があることがわかる。
また、1液式で、(C)重合性化合物と(D)重合開始剤とを含むインクD液のみを印字した場合、ベタツキがなく、高度の耐擦過性、耐光性、オゾン耐性を有する画像品質は得られるが、PETシート上、又はアート紙上で打滴干渉がわずかに観察され、画像形成性が十分でなく、高品質画像の観点から問題があることがわかる。

Claims (7)

  1. 被記録媒体に、複数の液体を噴射して画像を形成するインクジェット記録用インクであって、
    複数の液体中に、混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物をそれぞれ独立して含有し、
    複数の液体中に、重合性化合物と重合開始剤とを同時に、又はそれぞれ独立して含有し、
    且つ、複数の液体のうち、少なくとも一つの液体に着色剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物が、それぞれ常温で液体であるか、又は、同一液体中に共存する重合性化合物又は重合開始剤に常温で可溶であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記混合により反応して凝集物を生成するか、増粘する一組の化合物が、酸成分を含む化合物と塩基成分を含む化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記着色剤が、染料又は顔料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記インクジェット記録用インクを構成する複数の液体が、それぞれ非水溶性であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを、被記録媒体に噴射して画像を形成する工程と、形成された画像にエネルギーを付与して画像を硬化させる工程と、を含む画像形成方法。
  7. 前記エネルギーの付与が光照射又は加熱により行われることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
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