JP3492364B2 - 過剰増殖性細胞の複製阻害方法 - Google Patents

過剰増殖性細胞の複製阻害方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一部米国国立衛生研究所(NIH)認可7−R
29−GM44573−03および研究所援助許可基金番号第1−1
7071−6460からの援助でなされた。合衆国政府は本発明
において特定の権利を有する。
発明の背景 アデノウイルスは、ヒト細胞が天然の宿主である大き
なDNAウイルスである。実際に大抵の成人はある時期に
アデノウイルスに感染したことがあり、主要な影響は風
邪に似た症状である。アデノウイルスは、げっ歯類にお
いてその腫瘍遺伝子作用のために、単に「DNA腫瘍ウイ
ルス」と呼ばれる。アデノウイルスゲノムの発現は2段
階で起こる。まず、E1AおよびE1B遺伝子をコードする初
期遺伝子産物が発現される。これらの産物は、後期遺伝
子産物の発現に必要である。後期遺伝子産物は、複製に
必要なタンパク質およびウイルス構造タンパク質をコー
ドする。
アデノウイルスのE1A遺伝子によりコードされるタン
パク質は、主に2つの観点から研究されている。第1
に、E1Aの243アミノ酸および289アミノ酸形態(243アミ
ノ酸タンパク質は289アミノ酸タンパク質のサブセット
であるようにRNA前駆体の別のスプライシングから生じ
る)は、両者とも転写制御タンパク質である(J.Flin
t、T.Shenk、Ann.Rev.Gen.23:141−161(1989))。第
2に、これらのタンパク質は、他の腫瘍遺伝子により特
定のげっ歯類細胞の腫瘍遺伝子形質転換を促進し(H.E.
Ruley、Nature304:602−606(1983))、そして、この
ようにE1Aは、一般に腫瘍遺伝子として分類される。E1A
タンパク質と種々の定義された細胞性タンパク質との相
互作用は、げっ歯細胞において、その腫瘍遺伝子作用を
仲介すると信じられている(J.M.Howeら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.87:5883−5887(1990))。
ヒト細胞において、E1Aは、細胞系を形質転換するた
めに他の腫瘍遺伝子と協同するようには見えないが、し
かし、弱い腫瘍形成性作用が2つの例でのみ報告されて
いる。例えば、胎児腎臓(F.Graham、J.Smiley、W.Russ
ell、R.Nairn、J.Gen.Virol.36:59−72(1977))およ
び胎児網膜芽細胞系(P.J.Byrd、K.W.Brown、P.H.Galli
more、Nature 298:67−71(1982)は安定にE1Aを発現
し、マウス中に注射されるとき弱い腫瘍形成性を有す
る。さらに、これらの形質転換体は、E1Aと別の腫瘍遺
伝子との同時トランスフェクション後に非常にまれに生
ずる。
細胞の正常および形質転換表現型は、腫瘍遺伝子およ
び抗腫瘍遺伝子(腫瘍抑制遺伝子)によりコードされる
活性のバランスにより維持されると考えられる。機能的
な腫瘍抑制遺伝子産物の非存在は発癌に寄与する。逆
に、これらの産物の置換または過剰発現は、腫瘍細胞の
成長を調節することにおいて有用であることが考えられ
る。現在のところ、限られた数の腫瘍抑制遺伝子が特徴
付けられているに過ぎず、著名には、網膜芽細胞腫タン
パク質(Huangら、Science 24:1563−1566(1988))お
よびp53(Chenら、Science 250:1566−1570(1990))
がある。しかし、腫瘍細胞に再導入されたとき、これら
の両遺伝子産物は単に細胞を死滅させるのみである。
文献中の2つの報告がE1Aの腫瘍抑制作用を述べてい
る。しかし、これらの作用は両方とも、E1A発現の調節
作用に関連しない付帯現象から生じた。E1Aで安定にト
ランスフェクトされたラット肉腫細胞は、ヌードラット
において、それらのトランスフェクトされない相当物よ
り腫瘍形成性でない(T.A.Walker、B.A.Wilson、A.M.Le
wis、J.L.Cook、Proc.Natl.Acad.Sci.,88:6491−6495
(1991))。E1A発現細胞の腫瘍形成性の低下は、これ
らの細胞をナチュラルキラー細胞による細胞溶解に感作
させた結果であり、そしてこれらの細胞はなおヌードマ
ウスにおいて腫瘍形成性であった。第2の報告(D.Yu,
K.Scorsone、M.C.Huang、Molec.Cell Biol.11:1745−17
50(1991))は、E1Aがneuとして知られる腫瘍遺伝子が
マウス細胞系3T3の形質転換を妨げることを示した。E1A
はこのことを、単にneuの発現を転写レベルで阻害する
ことにより達成した。E1A耐性遺伝子プロモーターを利
用するキメラneu遺伝子でトランスフェクトされた3T3細
胞は、E1Aの存在下でさえ、なおneuにより形質転換され
た。上記の観察により示される様式で腫瘍増殖を抑制す
るE1Aの使用は、腫瘍中のすべての細胞においてE1A発現
を必要とし得る。この要求は、所望の遺伝子を細胞集団
の100%中に導入するための技術が存在しないので、治
療のための腫瘍抑制遺伝子の使用では実施を極度に制限
する。これらの欠点を考慮すると、腫瘍抑制遺伝子を用
いて過剰増殖性(hyperproliferative)細胞の非調節的
な複製を阻害する戦略は、まだ浮かび上がらない。
このように、優勢に細胞成長に影響を及ぼす能力を付
与された細胞の小サブ集団によって細胞集団の過剰増殖
を制御する必要性がある。本発明は、この必要性を満足
しそして関連する良好な利点を提供する。
発明の要旨 本発明は、異常過剰増殖性(pathologic hyperprolif
erative)ヒト細胞をその非悪性の表現型に転換する方
法に関する。この作用は、neu以外の腫瘍遺伝子により
形質転換される細胞中でさえ生じる。この方法は、細胞
に、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコ
ードする核酸を導入する工程、およびこのポリペプチド
が生産されるような条件下で上記細胞を生育させる工程
を包含する。本発明はまた、この過剰増殖性細胞のすべ
てではなくいくつかにおいて、被験体中の異常過剰増殖
性細胞集団の成長を、アデノウイルスE1A活性を有する
ポリペプチドをコードする単離された核酸配列を発現さ
せることにより、阻害する方法に関する。さらなる局面
では、本発明は、異常過剰増殖性細胞の分化の促進に関
する。
図面の簡単な説明 図1。E1Aがトランスフェクトされた腫瘍細胞で安定
に発現され得ることを示す。安定にトランスフェクトさ
れた細胞および親の細胞系からのE1Aタンパク質の免疫
沈降を示す。HT1080細胞(レーン1−5)、HeLa細胞
(レーン6−8)、またはA2058細胞(レーン9−11)
に由来するE1A発現クローンからの[35S]メチオニン標
識タンパク質を、抗E1A抗体(E)またはコントロール
抗体(C)で免疫沈降した。レーン:1−5、それぞれ、
HT1080、p2AHT2a、plAneo3、plAneo15、およびplAneo1
6:6−8、それぞれ、HeLa、Medg18、およびMedg28:9−1
1、それぞれ、A2058、1A58c8−1、および1A58c11−
1。E1Aタンパク質種に相当するバンドを括弧内に示
す。
図2。E1A発現細胞が、平坦な接触阻害された形態に
転換することを示す。親ヒト腫瘍細胞(上列)、ネオマ
イシン耐性トランスフェクトヒト腫瘍細胞(中列)、お
よびE1A発現ヒト腫瘍細胞(下列)の位相差顕微鏡写真
を示す。下列は、HT1080neorおよびE1A発現HT1080の軟
寒天上のコロニーの光学顕微鏡写真である。
図3。E1A発現が、トランスフェクト腫瘍細胞におい
て、足場非依存性成長(軟寒天コロニー形成)の損失を
引き起こすことを示す。親ヒト腫瘍細胞、ネオマイシン
耐性トランスフェクトヒト腫瘍細胞、およびE1A発現ヒ
ト腫瘍細胞の軟寒天コロニー形成アッセイを示す。
図4。E1Aがヒト腫瘍細胞の腫瘍形成性を低下させる
ことを示す。ヌードマウスにおける親腫瘍細胞(HT108
0、A2058、およびHeLa)およびE1A誘導体の腫瘍形成性
を示す。
図5。図5は、243アミノ酸配列およびより長い289ア
ミノ酸配列(追加のコード配列は核酸427〜564に示され
る)を含むE1Aコード配列のDNA配列(cDNA)を提供す
る。
図6。逆形質転換(reverse−transforming)レトロ
ウイルス構築物の構造。E1A(12S cDNA)の243アミノ酸
形態を、アデノウイルス地図位置610で、BstX1を用いて
切断し、そして5'末端を2本鎖オリゴヌクレオチドで再
構築し、このように、すべてのE1A 5'非コード配列を除
去した。このオリゴヌクレオチドのHind III末端を平滑
末端としそしてE1Aの3'末端をHpa I(地図位置1575)で
切断してポリA付加部位を除去した。得られたE1A配列
をレトロウイルスベクターLNSX中にサブクローニングし
た(MillerおよびRosman、Biotechniques 7:980−990
(1989))。次いで、レトロウイルスを上記テキストに
記載のようにパッケージングした。
発明の詳細な説明 本発明は、アデノウイルスE1A遺伝子が、予想に反し
て、ヒト腫瘍細胞の表現型に対して、それらの接触阻害
特性を回復し、そしてそれらの分化を促進するように作
用するという観察から得られる。この作用は、neu以外
の腫瘍遺伝子によって形質転換した細胞でさえ起こる。
アデノウイルス5 E1A遺伝子の安定した発現は、足場非
依存性成長および腫瘍形成活性を減少させ、再組織化を
促進し、平坦形態を誘導し、そしてヒト腫瘍細胞系で接
触阻害を回復する。これらの基準により、E1Aは、この
ヒトの系(context)で腫瘍抑制遺伝子として機能す
る。E1Aが他の腫瘍遺伝子として協同してげっ歯類細胞
を形質転換することができるという観察により与えられ
た明らかな逆説は、E1Aが上記の特定の形質転換および
抗腫瘍遺伝子活性を有するあるクラスの成長制御タンパ
ク質の始原型であり得ることを示唆する。
これらの予期されない観察は本発明の基礎を提供し、
この観察は、1つの実施態様で、異常過剰増殖性哺乳動
物細胞を逆形質転換するための方法を提供する。細胞
を、E1A活性を有するポリペプチドをコードする有効量
の核酸と、その核酸がこの細胞に導入されるような条件
下で接触させる。次いで細胞を、ポリペプチドを発現さ
せるような条件下で生育させる。この方法は、インビト
ロまたはインビボで実施され得る。
本発明により、異常な組織中に位置する過剰増殖性細
胞の形質転換表現型を、例えば、E1A活性を有する単離
された核酸であるレトロウイルスベクターを用いて形質
移入することにより逆転させる方法が提供される。形質
移入ベクターは、直接注入または他の適切な適用により
導入され得る。このような逆形質転換細胞は、近隣の非
形質移入細胞の成長を阻止し得る。
あるいは、本発明により、被験体において異常過剰増
殖性細胞の集団を逆形質転換する方法が提供され、この
方法は、被験体から適切な細胞試料を得る工程、この細
胞を、E1A活性を有するポリペプチドをコードする核酸
を含む適切なレトロウイルスベクターと、核酸を細胞に
トランスフェクトさせる間接触させる工程を包含する。
次いで、これらの細胞を上記核酸が発現されるような適
切な条件下で生育させる。次いで、活性発現細胞を被験
体中に再注入する。
本明細書で使用する用語「過剰増殖性」は、細胞に関
して言えば、自律成長能力、即ち、正常の制御メカニズ
ムとは独立に存在しそして増殖する能力を有するこれら
の細胞を含むが、これらに限定されない。過剰増殖性疾
患は、病原性、即ち、疾患状態を特徴付けまたは構成す
るとして分類され得るか、または、非病原性、即ち、疾
患状態を伴わないが正常から逸脱しているとして分類さ
れ得る。「異常過剰増殖性」細胞は、乳癌、肉腫および
他の新生物、膀胱癌、大腸癌、肺癌、種々の白血病およ
びリンパ腫を含むがこれらに限定されない悪性の腫瘍成
長により特徴付けられる疾患状態で生じる。さらに、こ
の用語は、甲状腺肥厚および良性前立腺肥大のような状
態に適用され得る。非異常過剰増殖性細胞の例は、例え
ば、胎児組織中、乳汁分泌の進展の間の乳管上皮細胞中
で見い出され、そしてまた創傷修復を伴う細胞に見い出
される。異常過剰増殖性細胞は、特徴的に接触阻害の損
失、ならびに細胞の表面特性の変化および細胞間伝達の
さらなる破壊を示すそれらの選択粘着能の低下を示す。
E1Aの配列は図5に提供される(配列番号1〜4)。E
1A遺伝子産物は、悪性細胞で発現するとき、得られる細
胞が近隣の腫瘍細胞の成長を阻害し得るような表現型に
転換する能力を有する。そのような能力を本明細書では
E1A活性と呼ぶ。本発明は、E1A、E1A活性を保持する天
然配列に対するその機能的なサブユニットおよびフラグ
メントおよび改変体を意図する。
本明細書で使用される用語「核酸」は、DNA、RNA、ま
たはcDNAを意味する。用語「E1A活性を有するポリペプ
チド」は、アデノウイルスE1A遺伝子産物の生物学的活
性を有する任意のアミノ酸配列を包含する。本発明の好
ましい実施態様では、このアミノ酸配列は、図5に示さ
れるように、アデノウイルスE1A遺伝子の243アミノ酸ポ
リペプチド産物(配列番号1および2)である。この24
3アミノ酸ポリペプチドの機能的等価物はまた、本明細
書で提供されるような接触阻害の促進に特異的に影響し
得るポリペプチドである。
本明細書で使用される用語「導入する」は、細胞中に
外因性核酸分子を挿入する任意の方法を包含し、そして
宿主細胞の形質移入、トランスフェクション、マイクロ
インジェクション、およびウイルス感染を含む。これら
の手法を実施する方法は当業者に公知である。本発明の
好ましい実施態様では、上記核酸は、細胞と上記核酸を
含むレトロウイルスベクターとを、上記核酸が細胞中に
挿入されるような条件下で接触させることにより細胞中
に導入される。本発明の最も好ましい実施態様では、上
記ウイルスは複製不能レトロウイルスである。複製不能
レトロウイルスは、ウイルスタンパク質を生産する能力
を有さず、感染宿主細胞中でこのベクターの拡散を妨害
するウイルスとして定義される。本発明の実施に有用な
ベクターの例は、当業者に周知であり、容易に入手可能
である。
本発明で有用な単離された核酸は、アデノウイルスゲ
ノムのE1A領域によりコードされるポリペプチドと機能
的に等価なポリペプチドをコードする核酸である。本発
明の好ましい実施態様では、上記単離された核酸はアデ
ノウイルスE1A領域である。この領域は、当業者により
ヌクレオチド560からヌクレオチド1542までであると定
義される。
本発明はまた、新規な形態の癌治療を提供する。以前
であれば、腫瘍細胞を死滅させるための標的の抗癌遺伝
子または薬剤が、100%の細胞が薬剤に曝され、遺伝子
を発現させるようにされる場合のみ、腫瘍を根絶するの
に有効であった。この一定した曝露は、インビボであっ
てもまれにしか達成されない。本発明の単離された核酸
を発現するようにトランスフェクトされた悪性細胞は、
優勢に近隣の腫瘍細胞の成長を妨害し得る。このよう
に、小部分の悪性細胞を転換することにより、腫瘍が効
果的に根絶されまたは阻害され得る。
以下の実施例は例示を意図しており、本発明を制限す
る意図はない。
実施例I 材料および方法 A2058黒色腫細胞およびHT1080線維肉腫細胞からの安
定なE1A発現細胞系を、本明細書に参考として援用され
るFrischら、Oncogene 5:75−83(1990)中に記載され
るように、プラスミドplAneoを用いて構築した。本明細
書に参考として援用されるBrunetおよびBerk、Mol.Cel
l.Biol.8:4799−4807(1988)に記載されるように、E1A
発現HeLa細胞は、L.BrunetおよびA.Berk(University o
f California、Los Angeles)から得た。標識されたHT1
080neorおよびA2058neor細胞は、シミアンウイルス40初
期エンハンサー促進aph遺伝子(G418耐性をコードす
る)を含むBluescriptプラスミド(Stratagene、La Jol
la、CA)を用いたトランスフェクションから得られた。
本明細書に参考として援用されるFreedmanら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 72:4435−4439(1972)およびTucker
ら、Cancer Res.37:1571−1579(1977)に記載のよう
に、細胞を、60mmプレートあたりの細胞数、4×104
(A2058および誘導体)、3×104個(HeLaおよび誘導
体)、または2×105個(HT1080および誘導体)で塗抹
し、そして14〜17日インキュベートした後、p−インド
ニトロテトラゾリウムバイオレット(0.5mg/ml)を用い
て16時間染色した。
細胞を、4〜5週齢の無胸腺症ヌードマウス(Harian
−Sprague−Dawley)に、0.25mlのリン酸緩衝生理食塩
水中で、示された細胞数で注入した。細胞系あたり9匹
のマウスに注入し、そして腫瘍を、示されたインキュベ
ーション時間で解剖した。
細胞系の集密培養(2×106個の細胞を含む)を、5
%(vol/vol)透析ウシ胎児血清を含有する無メチオニ
ンダルベッコ改変イーグル培地中で、0.4mCi(1 Ci=37
GBq)の[35S]メチオニン(Tran35S−ラベル、ICN)
を用いて、35mmウェルで5時間標識した。細胞をリン酸
緩衝生理食塩水で2回洗浄し、そして1.0mlのPIPA−1
[50 mM Tris−HCl、pH 7.5/0.1%Nonidet P−40/250mM
NaCl/アプロチニン(10μg/ml)ロイペプチン(5μg/
ml)1mMフェニルメチルスルホニルフルオライド/5 mM E
DTA/ダイズトリプシンインヒビター(10μg/ml)]中に
かきとった。ウシ血清アルブミンを0.5mg/mlまで添加し
た後、溶解液を、100μlの50%(wt/vol)プロテイン
A−セファロース(Pharmacia)スラリー(ウシ血清ア
ルブミンを0.5mg/mlで含むRIPA−1中で調製)を用いて
4℃で30分間混合しそしてエッペンドルフ微量遠心分離
器中で14,000rpmで10分間遠心分離することにより予備
吸収し、次いで0.5mlの試料を、1.5μgの抗E1Aモノク
ローナル抗体M73(12)またはコントロール抗体[抗fos
Ab−1(Oncogene Sciences、Mineola、NY)]と0℃で
2時間インキュベートした。次いで、25μlの50%プロ
テインA−セファローススラリーを添加し、そしてこの
チューブを4℃で20分間混合し、その後2分間遠心分離
し、0.5mlのRIPA−1を用いて5回洗浄した。次いで、
ペレットを60μlの試料緩衝液中に再懸濁し、そしてSD
S/PAGEを用いて分析した。
実施齢II 悪性細胞の逆形質転換 E1A遺伝子の発現を、本明細書に参考として援用され
るFrischら、Oncogene 5:75−83(1990)ならびにBrune
tおよびBerk、Mol.Cell.Biol.8:4799−4807(1988)に
記載のように、ノーザンブロット分析によりRNAレベル
で立証した。そして、本研究では、タンパク質発現を、
E1A特異的モノクローナル抗体を用いた免疫沈降により
立証した(図1)。複数種のE1Aタンパク質がゲル上で
検出された。
各場合において、E1Aトランスフェクト細胞は、それ
ぞれの親細胞系またはaph遺伝子単独でトランスフェク
トされた細胞系と比較すると、比較的平坦であり、「上
皮様」である(図2A)。これらの形態変化は、Edelman
およびYahara、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 73:2047−2051
(1976)に記載されるように、形質転換細胞は、正常細
胞に比べてより屈折性であり、そしてより基質付着性で
はない傾向があるという広く報告された観察と一致す
る。この形態変化は、コロニーが最初G418選択プレート
上で同定されたときに観察され、表現型変化の誘導には
ゲノム中の2次的な確率的な変化を必要としないことを
示唆する。
インビボでの細胞の腫瘍形成性は、一般に、足場非依
存性コロニーを形成するそれらの能力と相関する(Shin
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72:4435−4439(1972)お
よびTuckerら、Cancer Res.37:1571−1579(1977)、こ
れらは本明細書に参考として援用されている)。足場非
依存性成長を試験するために、細胞系を軟寒天中に固定
細胞数で塗抹し、そしてコロニー形成をモニターした。
親腫瘍細胞系は軟寒天中でコロニーを形成したが(=1
%効率)、これらの細胞系に由来するE1A発現クローン
はコロニーを形成しなかった(図3)。事実、顕微鏡検
査により、E1A発現クローンは軟寒天上でコロニー形成
の開始さえ行わないことが明らかとなり、成長速度の影
響であることは除外される。コロニー抑制表現型は、ap
h遺伝子単独でトランスフェクトされそしてG418耐性に
対して選択された15の別個のHT1080クローン間では決し
て観察されなかった;これらの結果は、軟寒天コロニー
抑制は、E1A遺伝子の影響であって、選択過程の影響で
はないことを示す。これらの観察は、E1A発現が、ヒト
腫瘍細胞を成長について足場依存性の表現型に転換し得
ることを示す。
E1A発現がヒト腫瘍細胞系をインビボで非腫瘍形成性
にするか否かを試験するために、それらを無胸腺症ヌー
ドマウスに皮下的に注入し、そして腫瘍形成をモニター
した(図4)。親細胞系は、15〜17日のインキュベーシ
ョン時間で大きな腫瘍を形成した。対照的に、E1A発現A
2058およびHT1080細胞は、検出不能または非常に小さな
腫瘍を生成した。E1Aのみでは、HeLa細胞において腫瘍
形成性を部分的に抑制したが(4倍)、これはおそら
く、E1A遺伝子を駆動していたグルココルチコイド依存
性のネズミ乳房腫瘍ウイルスプロモーターからの転写
が、皮下環境で補償されたためである。
さらに、E1Aが単に成長速度を遅延することによっ
て、短時間では軟寒天コロニーおよび腫瘍が検出不能と
なったという可能性を排除するために、成長曲線を作図
した。E1Aは、集密以下の腫瘍細胞の成長速度に実質的
に影響しなかった。
腫瘍壊死因子αによる溶解に対しE1Aが特定の細胞を
感作できることにより、腫瘍抑制が増大された可能性も
また考えられた。しかし、51Cr標識p2AHT2a細胞は、500
単位/ml(感受性げっ歯類細胞のほぼ100%を死滅させる
に十分な用量)の腫瘍壊死因子αで、親HT1080細胞より
18%だけ多い溶解が与えられただけであり、これはあり
得そうになかった。
このことは、ヒト細胞におけるE1Aの表現型への影響
が記載された最初である。本明細書で報告された実験
は、E1Aが3つの別個のタイプのヒト腫瘍細胞を、表現
型では非形質転換状態に転換することを立証した。逆説
的に言えば、アデノウイルスE1Aの表現型への影響は、
主要なげっ歯類細胞を形質転換する、ras腫瘍遺伝子と
の共同である。特定のげっ歯類細胞型がE1Aにより抗腫
瘍遺伝子的に影響されるようになり得るので、この不一
致を種の違いのみによるとするのは、特に、自然に形質
転換されたげっ歯類細胞系におけるE1A発現の影響が報
告されていないので早計であり得る。
実施例III 接触阻害による腫瘍細胞成長の阻害 本実施例は、E1A発現により逆形質転換細胞との接触
阻害によって、ヒト腫瘍細胞の非調節的複製を阻害する
方法を記載する。
E1Aウイルス発現ベクターの構築は、アデノウイルス
タイプ5の243アミノ酸(配列番号1および2)または2
89アミノ酸(配列番号3および4)E1Aタンパク質をコ
ードするcDNAをレトロウイルスベクター:LNCX、LNSX中
にサブクローニングすることにより達成した。(ベクタ
ーの記載については、MillerおよびRosman、Biotechniq
ues 7:980−990(1989)を参照のこと;プラスミド構築
の詳細については図6に記載している)。これらプラス
ミドDNAの10μgを、実施例IIと同様にして、エコトロ
ピック(ecotropic)パッケージング細胞系gpE86(ヒグ
ロマイシン/ミコフェノール酸選択培地中に維持)にト
ランスフェクトした。トランスフェクションの48時間
後、非選択のウイルスストックを、調製培地を集め、遠
心分離および凍結により清澄化することにより調製し
た。これらのウイルスストックを、35mmウェル中で、4
μg/mlのポリブレンを含むDME/10%ウシ胎児血清培地中
で12時間インキュベートすることにより、両栄養性(am
photropic)パッケージング細胞系gpEam12(細胞はATCC
から入手可能)を感染させるために用いた。感染後24時
間で、細胞を1:100〜1:300の比に分割し、そして感染細
胞を500μg/ml G418中で3週間の間選択した。ウイルス
生産細胞系を35mmウェル中に広げ、そしてウイルスを含
む調製培地を各系について調製した。ウイルスストック
を、ベクターLNCXおよびLNSX(これらは内部CMVまたはS
V40初期エンハンサーを用いる転写をそれぞれ促進す
る)において、243アミノ酸E1Aまたは289アミノ酸E1Aの
いずれかを含む生産細胞系から調製した。
0.4mlのウイルスストックを、ポリブレンを含む培地
中で35mmウェル中のHT1080細胞と8時間インキュベート
することにより、これらのストックをヒト線維肉腫系HT
1080を感染させるために用いた;感染後24時間で、感染
細胞を種々の比に分割し、そしてG418耐性クローンまた
は感染細胞の混合集団のいずれかをさらに分析した。
この結果は以下のようであった。ウイルスストックの
いくつかで感染させた培養物においては、非感染のコン
トロールと比べ形態的に変化はなかった。ウエスタンブ
ロットは、おそらく生産細胞系中のレトロウイルスDNA
配列の再配置の結果として、これらの感染培養物がE1A
発現については陰性であることを示した。
LNSXベクターにおけるE1Aの243アミノ酸型をコードす
るウイルスストックの1つ(特に4/LNSX8)では、本質
的に100%の細胞が、E1Aトランスフェクト細胞の形態に
非常に似た形態に転換した(図2参照)。インキュベー
ションを延長すると、これらの細胞は、その上皮様形態
を維持し、そして単層ステージを超えては成長せず、成
長の接触阻害を示唆した。これらの細胞は、リン酸カル
シウムトランスフェクト細胞系で見られるレベルに匹敵
する細胞あたりのE1Aタンパク質量を発現したが、このE
1Aのすべてが、期待されたように243アミノ酸型であっ
た。
他のウイルスストックでは、G418選択後、「形質転換
形態」および「E1A形態」クローンの混合物が注目され
た。重要なことに、より長いインキュベーションでは、
これらの培養物は、結果的に(感染後2〜3週)ほぼ10
0%で「E1A形態」;即ち、上皮様の接触阻害細胞に転換
した。
後者の現象は、E1Aを発現する細胞が互いに接触阻害
することを示す。それらはまた、腫瘍細胞を接触阻害す
る。腫瘍細胞は、期待されたように接触阻害信号を「送
信」し得ないが、「受信」し得そしてそれらに反応し得
ることは、この観察に一致する。これらの分化信号応答
は、結果的に上段落中に記載された結論を生じる。この
ように、細胞の一部分(そして全集団内でない)でE1A
を発現させることにより、接触阻害が過剰増殖性細胞集
団内で達成され得る。
癌治療の重要な分岐を担う概念の進歩は以下のようで
ある。腫瘍細胞を死滅させるための標的の遺伝子または
薬剤は、100%の細胞が薬剤に曝されるか、またはこの
遺伝子を発現させるようにされる場合にのみ、腫瘍を根
絶するのに効果的である。この条件は、インビボであっ
ても、まれにしか満足されない。E1A発現細胞は、近接
する腫瘍細胞の成長を優勢に阻害し得、そして腫瘍にお
いて細胞の小部分にE1Aを発現させるようにすることに
より、腫瘍を根絶し得る。レトロウイルスベクターによ
るE1Aの送達がこの効果を達成し得る。E1Aは、現在特徴
付けられている腫瘍抑制遺伝子の中で、唯一、それが導
入される細胞の生存を維持し、そしてこの特性は、腫瘍
成長を根絶するために利用され得る。
実施例IV 分化におけるE1Aの影響 野生型243アミノ酸E1A遺伝子を有するレトロウイルス
を以下のように構築した。プラスミド12Swt(Moranら、
Mol.Cell.Biol.6:3470−3480(1986))からのBstX I−
Pst I部位消化フラグメント(アデノウイルス地図位置6
10−1835を含む)を、アデノウイルス地図位置555−610
を含む合成オリゴヌクレオチド(合成5'Hind III末端を
有する)ならびにHind IIIおよびPst Iで切断したBlues
criptと、3方向連結した(three−way ligated)。こ
れにより、アデノウイルス由来の上流配列なしで、完全
243アミノ酸コード配列を含むプラスミドが生成され
た。次いで、このプラスミド由来のHind III−Hpa Iフ
ラグメント(555−1575)(これはElaから3'ポリアデニ
ル化配列を除去)をKlenow酵素で平滑末端とし、そして
レトロウイルスベクターLNSX(MillerおよびRosman、前
出、この文献は参照により本明細書に援用されている)
のStu I部位にサブクローニングした。パッケージング
細胞系gpE86を、このプラスミドで一時的にトランスフ
ェクトし、そして得られたウイルスストックを、両栄養
性パッケージング細胞系gpEam12を感染させるために用
いた。G418(500μg/ml)耐性生産細胞系を、感染HT108
0細胞にE1A発現を与える能力についてウエスタンブロッ
トによりスクリーニングした。
H88T1080線維肉腫細胞の同種性サブクローンであるH4
を、4μg/mlポリブレンを含む成長培地中で、ウイルス
上清液で8時間感染させることにより、アデノウイルス
5遺伝子を発現するようにした。感染24時間後、細胞を
再塗抹し、そして2〜3週間500μg/ml G418で選択し
た。コロニーを釣り上げ、増殖させ、そして抗体M73(O
ncogene Science)を用いるウエスタンブロットによりE
1a発現についてスクリーニングした。
他の腫瘍細胞系を、同様の方法で、E1aを発現するよ
うにした。位相差顕微鏡観察は、HT1080細胞(ATCC受託
番号CCL121)、A2058黒色腫細胞、Saos2骨肉腫細胞、お
よび正常線維芽細胞のすべてが、Ela遺伝子の導入およ
び発現後、上皮型の形態をとったことを示した。
電子顕微鏡観察をE1a発現H4細胞において行い、そし
てそれらが、固い結合およびデスモソームのような上皮
特異的結合構造を含むことが見い出された。
免疫蛍光法をまた、カバーグラス上で成長させたアセ
トン固定化細胞において実行した。抗デスモプラキン
(desmoplakin)抗体NW6(K.Green、Northwestern Univ
ersity)との反応後、細胞をローダミン標識抗マウス抗
体と反応させ、そしてZeiss Axiovert蛍光顕微鏡で観察
した。真性の上皮細胞のデスモソームに非常に似た、抗
体で標識された構造が、H4細胞のE1a発現誘導体で観察
されたが、親H4細胞では観察されなかった。
本発明を開示される実施態様を参照して記載したが、
当業者は、詳細に記載した特定の実験は本発明の例示の
ためだけであることを容易に認識し得る。本発明の意図
を逸脱することなく種々の改変がなされ得ることが理解
されるべきである。従って、本発明は、以下の請求の範
囲によってのみ限定される。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:ラ ホヤ キャンサー リサーチ フ
ァウンデーション (ii)発明の名称:過剰増殖性細胞の複製阻害方法 (iii)配列数:4 (iv)連絡住所 (A)住所人:キャンベル アンド フローアズ (B)番地:ラ ホヤ ビレッジ ドライブ 437
0,スイート 700 (C)市:サンディエゴ (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:92122 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)OS:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリース#1.
0、バージョン#1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号: (B)出願日:1992年10月12日 (C)分類: (viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:パーキンス,スーザン エム. (B)登録番号:36,405 (C)照会/記録番号:FP−LJ 9770 (ix)電話回線情報: (A)電話:619−535−9001 (B)テレファックス:619−535−8949 (2)配列番号:1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:1000塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル配列:NO (iv)アンチセンス:NO (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:結合部(10..423,678..993) (D)他の情報:/注記=「このタンパク質は、RNA
前駆体の別のスプライシング産物である。この形態のタ
ンパク質は、配列番号3−4に示される、より大きいE1
Aタンパク質のサブセットである。」 (2)配列番号:2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:243アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号:2: (2)配列番号:3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:1000塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル配列:NO (iv)アンチセンス:NO (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:結合部(10..561、678..993) (2)配列番号:4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:289アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07H 21/04 C12N 5/00 B C12Q 1/68 15/00 ZNAA (56)参考文献 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,1991年,Vol.88,P. 9077−9081 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/10 C12N 15/00 - 15/90 C12N 1/00 - 7/08 C07K 14/00 - 19/00 C12P 21/00 - 21/08 A61K 31/00 - 48/00 A61P 1/00 - 43/00 C07H 21/00 - 21/04 C12Q 1/68 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN) PubMed EUROPAT(QUESTEL)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異常過剰増殖性ヒト細胞の分化を促進する
    方法であって、該過剰増殖細胞を、E1A活性を有するポ
    リペプチドをコードする核酸と、該異常過剰増殖性細胞
    中に該核酸が導入されそして該ポリペプチドが発現され
    るような条件下で接触させる工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】単離核酸がアデノウイルスE1Aポリペプチ
    ドをコードする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記接触させる工程がインビトロで行われ
    る、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記接触させる工程がインビボで行われ
    る、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記異常過剰増殖性細胞が悪性細胞であ
    る、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】単離核酸が、前記細胞中に、該細胞を、該
    単離核酸配列を含む適切なレトロウイルスベクターと接
    触させることにより導入される、請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】異常過剰増殖性ヒト細胞のクローン集団の
    成長を阻害する方法であって、以下の工程を包含する、
    方法: (a)該異常過剰増殖性細胞の少なくとも一部分を、E1
    A活性を有するポリペプチドをコードする核酸と、該核
    酸が該異常過剰増殖性細胞のすべてではなく一部分に導
    入されて転換細胞を形成するような条件下で接触させる
    工程; (b)該転換細胞を、非転換細胞と、該異常過剰増殖性
    細胞集団の成長が該転換細胞から接触阻害によって低下
    するように接触させるようにする工程。
  8. 【請求項8】前記接触工程がインビボで行われる、請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記接触工程がインビトロで行われる、請
    求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記異常過剰増殖性細胞のクローン集団
    が悪性腫瘍である、請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記単離核酸が、前記細胞中に、該細胞
    を、該単離核酸配列を含む適切なレトロウイルスベクタ
    ーと接触させることにより導入される、請求項7に記載
    の方法。
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