JPH10179181A - 感染および過剰増殖障害の為の組換え療法 - Google Patents

感染および過剰増殖障害の為の組換え療法

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JPH10179181A
JPH10179181A JP9320199A JP32019997A JPH10179181A JP H10179181 A JPH10179181 A JP H10179181A JP 9320199 A JP9320199 A JP 9320199A JP 32019997 A JP32019997 A JP 32019997A JP H10179181 A JPH10179181 A JP H10179181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感染あるいは過剰増殖障害について宿主細胞
を処置できるようにすること。 【解決手段】 過剰増殖障害または感染性物質による感
染について、宿主細胞を生体外で処置することにより得
られる細胞であって、該感染または過剰増殖障害が、遺
伝子の発現を調節し得るヒト疾患関連トランス作用調節
因子により特徴づけられ、該得られる細胞は、該トラン
ス作用調節因子によりコントロールされ得るシス作用調
節配列;およびその発現が該細胞を防御あるいは破壊に
対して感受性にする、シス作用調節配列のコントロール
下にあるエフェクター遺伝子を含むポリヌクレオチド構
築物を含み、該エフェクター遺伝子が、感染性物質タン
パク質または該過剰増殖障害に特異的なタンパク質のグ
リコシル化、ミリスチル化、またはリン酸化を阻害する
タンパク質;RNase;またはリボザイムである遺伝子産
物をコードする、細胞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
(関連出願)本願は、本明細書に参考としてその全てが
援用されている、1989年1月23日に出願された同時係属
中の米国特許第300,637号の一部継続である。
【0002】(技術分野)本発明は、遺伝子工学に関
し、そして過剰増殖障害および感染の処置に関する。
【0003】
【従来の技術】
(発明の背景)ウィルス感染の療法は、まだ初期の段階
である。細菌感染は、感染生物と宿主の代謝の違いを利
用して、例えば抗生物質のような物質で代表的には処置
される。しかしウィルスは、その複製を行うにあたっ
て、宿主自身の酵素を大いに用いる為、薬理学的介入の
余地があまりない。ウィルスは、強力な調節エレメント
を用いることにより、宿主の遺伝子を犠牲にして、自分
の転写および翻訳を行う。
【0004】哺乳類中では、細胞毒性のTリンパ球が、
ウィルス感染を自然に防いでいる。このTリンパ球は、
宿主細胞の表面に発現したウィルスのタンパク質を認識
し、感染した細胞を溶解する。感染細胞を破壊すること
で、ウィルスの新たな複製は防がれる。他の防御には、
タンパク質の合成とウィルスの出芽を阻害するインター
フェロンの発現、および体液から遊離ウィルス粒子を取
り除く抗生物質の発現が含まれる。しかし、これらの自
然の機構を誘導するには、ウィルスタンパク質を免疫系
に曝す必要がある。例えば単純ヘルペスウィルス1(H
SV−1)のような多くのウィルスは、休止期あるいは
潜伏期があり、その間、タンパク質合成はほとんど、あ
るいは全く行われない。ウィルス感染は、このような時
期においては、実質的に免疫系から認識されない。
【0005】レトロウィルスは、RNA鎖の形で、感染
性のゲノムを有している。感染によって、RNAゲノム
はDNAに逆転写され、次に代表的には、宿主の染色体
DNAの中にランダムに組み込まれる。時によって組み
込みは、必須の細胞レセプターあるいは成長因子をコー
ドする遺伝子を切断する様な部位に起こるか、またはそ
のような遺伝子を、強力なウィルスのシス作用調節エレ
メントの下流に配置するような部位に起こる。後者の場
合、細胞は、悪性の状態へと形質転換される。
【0006】ウィルスはまた、宿主細胞調節配列へのト
ランス作用調節因子の作用によっても、腫瘍形成性であ
り得る。実際、腫瘍形成性は、最初にヒトに感染するこ
とが知られたレトロウィルスの発見の手がかりとなった
特徴であった。HTLV−IおよびHTLV−II(ヒ
トT−リンパ栄養性ウィルスIおよびII)は、成人T
細胞白血病(ATL)の患者の血液細胞の中に確認さ
れ、トランス作用調節因子のリンパ球プロモーター領域
に及ぼす作用によって、腫瘍形成の形質転換を誘発する
と思われている。HTLV−IおよびIIは、ヒトリン
パ球に選択的に感染し、時によって、それを形質転換で
悪性に変える。それ以来、さらに2つのヒトに感染する
レトロウィルス:エイズの原因物質であるHIV−Iお
よびHIV−II、が見つけられた。しかし、HIV−
IおよびIIは、その免疫抑制効果によってのみ、がん
に寄与するようである。
【0007】HIV−IおよびIIは、CD4表面タン
パク質を発現する細胞に感染するようである。このタン
パク質は、胸線細胞およびあるT−リンパ球に豊富に存
在し、ある抗原存在細胞にもある程度存在する。HIV
感染は、インフルエンザ様の症状に始まり、その後5年
から10年続く長い潜伏期に入る。活動期にはいると、
HIV感染は、「ヘルパー」T−リンパ球(TH)の数
の急激な減少を招く。このことは、通常T4+/T8
+(CD4+/CD8+)T−リンパ球の割合の減少によ
って認識される。患者は典型的には、激しい下痢を経験
し、もし中枢神経系に感染したなら、痴呆症になる。T
H細胞の消耗により免疫系が機能しなくなり、患者は、
例えば、P.cariniiあるいはサイトメガロウィルスある
いはカポシ肉腫などのような日和見感染に倒れる。自然
の免疫系は、潜伏期の間、典型的には、中和血清抗体価
が存在するにもかかわらず、HIV感染に対抗すること
は全くできないように見える。
【0008】M.S.HirschのJ Infect Dis(1988)157:427-
31で、GM−CSF(顆粒球単球コロニー刺激因子)あ
るいはαインターフェロンとAZTとの組み合せによる
HIVへの共同作用的な阻害が報告されてはいるが、H
IV感染自体に対する現在の療法は、主にウィルスの進
行を阻害するAZTの投与に限られている。AZT
(3’−アジド−3’−デオキシチミジン)は、ジデオ
キシヌクレオシド(ddN)抗ウィルス物質の群の代表
である。これらの物質は、宿主DNAポリメラーゼがd
dNを拒否する能力、およびウィルスのポリメラーゼが
ddNを受け入れて、複製しているポリヌクレオチド中
に取り込む傾同に依存している。ddNが取り込まれる
と、次のホスホジエステル結合に必要な3’側の水酸基
が欠如しているために、重合反応が停止する。ddN
は、代表的には、投与されるときは不活性型であり、活
性型三リン酸ddNTPへの変換は、宿主細胞の酵素に
よるリン酸化に依存する。
【0009】H.Mitsuyaらは、Nature(1987)325:773-78
で、HIVゲノムの構成を開示し、HIV療法の開発の
ための様々な戦略を提案した。予想される療法には、ウ
ィルスの転写を阻害するためにアンチセンスRNA(遊
離の鎖としてか、あるいは「アンチウィルス」にコード
される)を投与すること、グリコシル化阻害剤を投与す
ること、ウィルスの出芽を阻害するためにインターフェ
ロンを投与すること、およびウィルスの複製を阻害する
ためにジデオキシヌクレオシドのアナローグを投与する
ことが含まれる。HIV療法に有用なジデオキシヌクレ
オシドアナローグ(例えばAZT、ddCなど)は、リ
ン酸化による活性化のための宿主細胞の酵素によって決
まる。D.Baltimoreは、Nature(1988)335:395-96で、骨
髄細胞を、感染している被験体から取り除き、骨髄の抽
出物中の造血細胞に、HIVの増殖を防ぐことのできる
RNAあるいはタンパク質をコードしているDNAある
いはウィルスをトランスフェクションすることによっ
て、エイズを治療することを提案している。このDNA
は、HIV調節タンパク質、アンチセンスRNA、変異
ウィルスポリペプチド、あるいは調節機能の欠如したウ
ィルスDNA結合タンパク質に結合するRNAをコード
し得る。トランスフェクションされた細胞は、次に被験
体に再び導入され、広く行き渡るような選択的な利点を
提供される。
【0010】A.i.Daytonらは、Cell(1986)44:941-47
で、HIVのtat遺伝子が、ウィルスタンパク質の合
成と複製に必須であることを開示した。Daytonは、ある
ものは、tatを妨げることによって、それ以外には宿
主の細胞に影響を与えることなく、HIVを阻害し得る
ことを示した。M.A.Muesingらは、Cell(1987)48:691-70
1で、tatタンパク質(tatのmRNA単独ではな
く)が、トランス活性化に必須であることを開示した。
Muesingはまた、tat−art融合(tatのC末端
に、7個のヌクレオチドを欠失させることによって融合
させた114個のアミノ酸を持つ)は、tatの活性を
完全に持っていることを見つけた。A.D.Frankelらは、S
cience(1988)240:70-73で、tatが、インビトロにお
いて金属に結合したダイマーを形成することを開示し、
エイズの為の司能性のある処置法には、金属イオンのキ
レート化あるいはtatモノマー結合の拮抗を含み得る
ことを提案した。A.D.Frankelらは、Proc Nat Acad Sci
USA(1988)85:6297-30で、tatの金属結合性を保持し
ているHIV−1 tat断片の合成を開示した。この
断片は、原型のtatとヘテロダイマーを形成し、ホモ
ダイマーのtatに置き換わり得る。Frankelは、ta
t断片をtatの二量体形成を阻害するために用いるこ
と、リポソームをペプチドあるいはtat断片遺伝子を
輸送するために用いることを提案した。HIV−1の株
の1つからのtatで報告されているアミノ酸の配列は
以下の通りである: Met Glu Pro Val Asp Pro Arg Leu Glu Pro Trp Lys His Pro Gly Ser Gln Pro Lys Thr Ala Cys Thr Asn Cys Tyr Cys Lys Lys Cys Cys Phe His Cys Gln Val Cys Phe Ile Thr Lys Ala Leu Gly Ile Ser Tyr Gly Arg Lys Lys Arg Arg Gln Arg Arg Arg Pro Pro Gln Gly Ser Gln Thr His Gln Val Ser Leu Ser Lys Gln Pro Thr Ser Gln Ser Arg Gly Asp Pro Thr Gly Pro Lys Glu。 類似のタンパク質が、HIV−2でも見つけられてい
る。
【0011】シスに作用し、HIV tatによって調
節されているtar配列は、HIV−1ゲノムの中のヌ
クレオチドのおよそ+19位から+82位に見つけられ
た。この配列は、二つの広範なインバーテッド繰り返し
を含み、従って、ステムループ構造を形成し得ると予想
される(Muessing,前出)。HIV−2は、類似の領域
を持つ。
【0012】Haseltineは、米国特許第4,738,922号で、
HTLV IおよびII LTRプロモーター領域を開
示し、そしてそれらをトランス活性因子(luk)と共
にベクターに用い、異種のタンパク質の発現を増幅し、
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(C
AT)によって、例証することを開示した。HTLV−
I LTRは、構成的な発現を促進し、そしてこれは更
に、HTLV−I lukの存在によって増幅される一
方、HTLV−II LTRは、発現のためにHTLV
−II lukを必要としているようである。Haseltin
eは、ウィルスのトランス作用因子は、宿主細胞の遺伝
子およびウィルス遺伝子の発現を変え得ると述べた。Ha
seltineはまた、異種の遺伝子に融合したHTLV L
TRを有するベクターを、HTLVゲノムを有する細胞
にいれると、異種遺伝子のトランス活性化およびその産
物の過剰発現が起こるという考えを開示した。Haseltin
eは、空のキャプシドワクチンを産生するために、lu
kの非存在下で、HTLVLTRを利用すること開示
し、そしてモノクローナルあるいはポリクローナル抗体
による細胞の破壊を招くように、抗原の発現にHTLV
LTRを用いることを提案した。
【0013】E.A.Dzierzakらは、Nature(1988)331:35-4
1で、マウスの基本的な遺伝子療法を開示した。Dzierza
kは、マウスから骨髄細胞を取り出し、そのマウスを致
死的な放射線に曝し、そしてヒトβ−グロビン(BG)
遺伝子を、レトロウィルスベクターであるpSV(X)
neoを用いて、その取り出した骨髄に導入した。この
BG遺伝子は、プロウィルスの転写とは逆方向から読ま
れるように挿入され、ウィルスLTRエンハンサー領域
の存在および非存在の両方の構築物が調製された。次に
マウスに造血幹細胞を含む組換え体の骨髄を再導入し
た。Dzierzakは、ヒトβグロビンが、上記の結果生じた
組換えマウスの中で発現されたこと、および発現は、赤
血球系列の細胞の中でのみ見いだされたことを発見し
た。J-K Yeeらは、Proc Nat Acad Sci USA(1987)84:519
7-201で、メタロチオネインプロモーターあるいはヒト
サイトメガロウィルス(hCMV)プロモーターのどち
らの制御のもとでもHPRTをコードするレトロウィル
スベクターの構築について開示した。Yeeは、転写調節
配列がレトロウィルスLTRのU3領域から削られたと
きに、HPRTの発現は2倍になることを見いだした。
【0014】S.-F.Yuらは、Proc Nat Acad Sci USA(198
6)83:3194-98で、自己不活性(self-inactivating、“Sl
N”)レトロウィルス遺伝子伝達ベクターの構築を開示し
た。SINベクターは、3’側LTRのU3領域からプ
ロモーター配列およびエンハンサー配列を取り除くこと
によって構築された。5’側LTRの機能的なU3領域
は、組換えウィルスゲノムが、適当なパッケージング細
胞の中で発現できるようにする。しかし、このゲノムR
NAの発現、およびcDNAへの逆転写によって、もと
のプロウィルスの5’側LTRのU3領域は、削除さ
れ、3’側LTRのU3領域に置き換えられる。従っ
て、SINベクターが組み込みを行うとき、機能しない
3’側LTRのU3領域が、機能的な5’側LTRのU
3領域に置き換わり、ウィルスは、完全な長さのゲノム
転写産物を発現できなくなる。Yuは、Mo−MuLV
LTR領域と、パッケージング(psi)配列を用いて
組換えウィルスを構築した。そして、選択マーカーとし
てネオマイシン耐性(Neo)遺伝子をメタロチオネイ
ンプロモーター(ウィルスMT−N)、HSV tkプ
ロモーター(ウィルスTK−N)、あるいはSV40プ
ロモーター(ウィルスSV−N)のいずれかの制御の下
流に挿入した。Yuはまた、ヒトメタロチオネインプロモ
ーター(hMT)の制御下のヒトc−fos遺伝子をT
K−Nに挿人し、組換えウィルスで感染させた後に、N
IH 3T3細胞のなかでc−fosの転写が誘導され
ることを示した。
【0015】S.L.Mansourらは、Nature(1988)336:348-5
2で、直鎖状トランスフェクションベクターで、相同組
換えの後に細胞を選抜する方法を開示した。直鎖状のベ
クターは、目的の遺伝子と相同性の領域、相同性の領域
のエクソンに挿入したネオマイシン耐性遺伝子、および
相同的な領域以外にHSV−tk遺伝子を持つように調
製した。特異的相同組換えによって、形質転換された細
胞には、目的の領域およびHSV−tkの表現型は現れ
ず、ネオマイシン耐性の表現型は現れる(目的部位への
相同組換えによって、目的部位の遺伝子は中断され、t
k遺伝子の取り込みはできなくなる)。相同組換えを持
つ細胞と非特異的組み込みを持つ細胞との表現型の違い
は、後者は、目的の遺伝子、HSV−tkおよびネオマ
イシン耐性の表現型を示すことである。ネオマイシン耐
性は、ネオマイシンの中で細胞を培養することによって
確かめられ、一方tk+は、ガンシクロビア(tkによ
る毒性の産物におおわれている)の中で培養することに
よって確かめられる。
【0016】R.D.Palmiterらは、Cell(1987)80:435-43
で、エラスターゼプロモーターの制御のもとにあるジフ
テリアA鎖をコードするDNA構築物を有するトランジ
ェニックスマウスの調製を開示した。エステラーゼプロ
モーターは、膵臓線房細胞の中でのみ活性があり、エス
テラーゼの発現を促進する。DNA構築物は、マウス卵
子にマイクロインジェクトされ、できた子供を調べた。
この構築物が活性型であるトランスジェニックマウスで
は、正常な膵臓組織を形成できなかった。
【0017】M.E.Selstedらは、J Clin Invest(1985)7
6:1436-39で、3つの関連した、ヒト好中球抗菌ペプチ
ド(HNPs)と呼ばれる、ヒト細胞毒性エフェクター
ペプチドのアミノ酸一次配列を開示した。3つのHNP
は、29−30個のアミノ酸残基を有し、細菌、菌類お
よび単純ヘルペスウィルスに対抗する活性を持つ(T.Ga
ntzら、J Clin Invest(1985)76:1427-35)。
【0018】T.L.Wasmoenらは、J Biol Chem(1988)263:
12559-63で、ヒト好酸球顆粒主要塩基性タンパク質(M
BP)のアミノ酸一次配列を開示した。MBPは、11
7個のアミノ酸残基を有し、pIが10.9のエフェク
ターポリペプチドで、哺乳類の細胞および寄生体に対し
細胞毒性活性を持つ。
【0019】M.A.Adamらは、J Virol(1988)62:3802-06
で、psi+配列を持ち、効率的なRNAパッケージン
グを行う、レトロウィルスベクターを開示した。R.D.Co
neらは、Mol Cell Biol(1987)7:887-97で、ヒトβ−グ
ロビン遺伝子を含むレトロウィルスベクター(pSV
X)の構築およびヒトβ−グロビンの発現をマウス赤白
血病細胞の中で行わせるための、そのベクターの利用を
開示した。A.D.Millerらは、Mol Cell Biol(1986)6:289
5-902で、不完全複製レトロウィルスベクターのパッケ
ージングに有用な細胞株を開示した。
【0020】Guildらは、J Virol(1988)62:3795-801
で、Mo−MuLV LTRsおよびpsi(パッケー
ジング)配列を用い、遺伝子全体を哺乳類の細胞に移入
するのに有用なレトロウィルスベクターを開示した。Gu
ildは、βアクチンおよびヒストンプロモーター(本質
的に全ての細胞内で活性がある)を用いてneor(選
択マーカーとして)の転写を行なわせた。neorの発
現は、ウィルス感染した骨髄細胞を致死量の放射線を浴
びたマウスの再構成に用いた後、インビボで行われた。
【0021】A.D.Friedmanらは、Nature(1988)335:452-
54で、tk-マウス細胞のHSV−1 tkおよびHS
V−1 VP16発現のプラスミドによる形質転換を開
示した。VP16は、単純ヘルペスウィルス(HSV−
1)の極初期遺伝子の転写の為のトランスアクティベー
ターとして作用する。VP16プラスミド上では、プロ
モーターはMo−MSVプロモーターに置き換えられ、
VP16のC末端は除去された。その結果生じたプラス
ミドは変異VP16タンパク質をコードし、このタンパ
ク質は、野生型のVP16とDNA結合において拮抗す
る。形質転換した細胞は、その後の感染によるHSV−
1の複製に耐性を示す。Friedmanは、HIVトランスア
クチベータータンパク質(tat)の優性変異体の形質
転換によって、HIVへの耐性を誘導し得ることを提案
した。
【0022】J.Sodroskiらは、Science(1985)229:74-77
で、HIV tat遺伝子の位置を開示した。J.Sodros
kiらは、Science(1985)227:171-73で、HIV LTR
の制御のもとにCATを有するプラスミドの構築を開示
した。HIV LTRは、tatによって誘導されるト
ランス活性化領域(tar)遺伝子を含む。Sodroski
は、トランス活性化因子がHIV LTRの制御のもと
にある遺伝子の転写を誘導することを見いだした。B.M.
Peterlinらは、Proc Nat Acad Sci USA(1986)83:9734-
38で、HIVtar遺伝子を持つプラスミド、および、
tatによるトランス活性化に及ぼされるtarの配向
および位置の影響を開示した。Peterlinは、tarは、
プロモーターおよびエフェクターの下流に位置している
時に、最もよく機能することを見いだした。tatの活
性化によって、RNAへの転写が高まった。G.J.Nabel
らは、Science(1988)239:1299-302で、HIV tat
−III−CAT融合プラスミドがHSVおよびアデノ
ウィルストランス作用調節因子によって活性化され得る
ことを開示した。
【0023】B.K.Felberらは、Science(1988)239:184-8
7で、HIV LTRの制御のもとにあるクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子
でトランスフェクションを行ったCD4発現細胞株を用
いたHIVの為のアッセイを開示した。HIVの感染に
よって、トランスフェクションされた細胞株は、ウィル
スの存在量に比例して、CATを発現する。Felberは、
このアッセイを、ウィルス増殖を阻害する能力を持つ可
能性のある抗HIV剤のスクリーニング、および抗ta
t剤の同定の為の手段として用いることを提案した。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、感染ある
いは過剰増殖障害について宿主細胞を処置できるように
することを目的とする。
【0025】
【発明を解決するための手段】本発明の1つは、感染あ
るいは過剰増殖障害の宿主細胞を処置する方法である。
この方法は、DNAの転写を制御し得る調節因子の発
現、調節因子によって活性化される調節領域を持つポリ
ヌクレオチド構築物の宿主細胞への挿入、およびその細
胞を防御あるいは破壊に対して感受性にする、調節領域
の制御のもとにあるエフェクター遺伝子、によって特徴
づけられる。その遺伝子産物は、細胞毒の場合のように
直接細胞を破壊し得るか、あるいは細胞の薬理学的な物
質による破壊への感受性を高め得る。その他には、その
遺伝子産物は、直接、例えば結合部位への拮抗、アンチ
センスRNAの結合、タンパク質阻害剤あるいは抗体の
発現、配列特異的リボザイムの発現、および抗ウィルス
化合物を活性化する酵素の発現等によって、感染性ある
いは悪性の物質を阻害し得る。例えば、活性化領域は、
HIV tar領域に相同であり得、エフェクター遺伝
子は、リシンAあるいはHSV−1チミジンキナーゼを
コードし得る。HIVによる感染で、HIVtatタン
パク質は、tar領域を活性化し、リシンAの転写と発
現を誘導し、結果として細胞が死ぬか、あるいはHSV
−1tkの転写と発現の誘導で、ガンシクロビアのよう
なジデオキシヌクレオシド剤で処置されたとき、結果と
して細胞毒性となる。
【0026】本発明の他の1つは、本発明の方法を成し
遂げるDNA構築物である。
【0027】本発明の他の1つは、本発明のDNA組成
物を宿主細胞に導入するのに有用な構成物である。
【0028】本発明の他の1つは、ある生物の特定の細
胞集団を、その集団の細胞の中に、シス作用調節配列を
含むポリヌクレオチド構築物を挿入することによってウ
ィルス感染から防御する方法である。このシス作用調節
配列は、実質的に選抜された細胞集団にしか見いだされ
ないトランス作用調節因子が存在するときにのみ近くの
遺伝子の発現を促進し、そしてこのシス作用調節配列の
制御のもとには、細胞を防御するかあるいは防御に対し
て感受性にするエフェクター遺伝子が存在する。好まし
くは、このシス作用調節配列は宿主に由来する。このエ
フェクター遺伝子は、好ましくはHSV−1チミジンキ
ナーゼのようなヌクレオシドキナーゼである。
【0029】本発明の他の1つは、選抜された細胞集団
を感染から防御するのに有用なポリヌクレオチド構築物
である。この構築物は、実質的に選抜された細胞集団に
しか見いだされないトランス作用調節因子が存在すると
きにのみ近くの遺伝子の発現を促進するようなシス作用
調節配列を含み、そしてこのシス作用調節配列の制御の
もとには、細胞を防御するかあるいは防御に対して感受
性にするエフェクター遺伝子が存在する。好ましくは、
このシス作用調節配列は宿主に由来する。このエフェク
ター遺伝子は、好ましくはHSV−1チミジンキナーゼ
のようなヌクレオシドキナーゼである。
【0030】
【発明の実施の形態】
A.定義 本明細書の用語「処置」は、被験体の症状を減少あるい
は緩和すること、症状の悪化あるいは進行を防ぐこと、
原因物質の阻害あるいは除去を行うこと、または症状の
ない被験体の感染あるいは障害を防ぐことを意味する。
従って、例えばがん患者の処置とは、腫瘍の大きさを減
少させること、悪性の細胞を除去すること、転移の防止
をすること、あるいは治癒した患者の再発を防ぐことで
あり得る。感染の処置には、感染物質の破壊、成長ある
いは成熟の阻害または妨害、および病的な影響の中和な
どが含まれる。
【0031】本明細書の用語「感染」は、ウィルス、細
菌、菌類、または住血鞭毛虫およびマラリア寄生体のよ
うな他の寄生体による感染を包含する。本発明の範囲で
「感染性物質」とは、HIV−I,HIV−II,HT
LV−I,HTLV−II、単純ヘルペスウィルス(H
SV)、サイトメガロウィルス(CMV)、エプスタイ
ンバールウィルス(EBV)、ヒトパピローマウィルス
(HPV)、B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウ
ィルス(HCV)、およびポリオウィルス等のようなウ
ィルス;B.pertussis、および破傷風、ジフテリア、コ
レラのような細菌;M.tuberculosisのようなマイコバク
テリア、およびらい病の原因物質;C.albicansおよびP.
cariniiの様な酵母および菌類;マラリアのPlasmodia
およびgiardiaの様な寄生体を含む。本発明のある方法
および構築物は、ウィルス、マラリアなどのような細胞
内感染性物質に最も適しており、他の方法および構築物
は、細胞外感染に適している。
【0032】用語「過剰増殖障害」は、例えばがん、乾
せん、過形成等のような細胞の異常な、あるいは病的な
増殖によって特徴付けられる障害を言う。
【0033】用語「シス作用調節配列」は、トランス作
用調節因子に反応し得、シス配置の遺伝子の転写を高め
得るポリヌクレオチド配列のことを言う。最も適当なシ
ス作用調節配列は、これから対抗する感染性の物質の由
来である。例えば、HIV−1 LTRのtar領域
は、HIV−1の処置に適するシス作用調節配列であ
る。細胞の型に特異的な発現が望まれる場合、例えば、
T細胞には、CD2抗原(Genbank HUM A
TCCD2)、IL−2(Genbank HUMIL
2A)、IL−2受容体(Genbank HUMIL
2R1)、CD1抗原(Genbank HUMHTA
1)、CD3抗原(Genbank HUMATCT3
1)、CD4抗原(Genbank HUMATCT
4)、T細胞プロテアーゼ(Genbank MUSS
PTCS);B細胞には、IgG(Genbank H
UMIGCA1)、MHC−1抗原(Genbank
HUMMHA2);マクロファージには、Mac−1抗
原(Genbank HUMLAP)、IL−1(Ge
nbank HUMIL1P)などの様なシス作用調節
配列を用い得る。シス作用調節配列は、内性的なシス作
用調節部位との拮抗性を高めるために、多数の連なった
コピーで用い得る。過剰増殖障害(特にがん)の処置に
適する配列は、知られている腫瘍形成タンパク質の結合
部位から得られるか、あるいは発現が腫瘍形成遺伝子に
よって変更されることが知られているタンパク質の同定
によって得られる。シス作用調節配列は、細胞が、防御
あるいは破壊に感受性になるに十分なエフェクター遺伝
子の発現をさせ得るものである必要がある。この時、こ
の調節配列は、トランス作用調節因子不在下では実質的
な構成的発現を行なわず、トランス作用調節因子によっ
て活性化される。シス作用調節配列の選択は、処置する
べき感染あるいは障害と関連しているトランス作用調節
因子、および選択したエフェクター遺伝子に依存する。
例えば、HIV LTRは、HIV tatに特異性の
高いtar領域および内性的な核因子NF−KBによっ
て活性化される領域(LTRはNF−KB結合領域の連
なりを有する)の両方を含む。tar配列は、tatの
非存在下では、発現を強く抑制している(例えばMue
sing,Peterlin、前出)が、tar配列の
上流にあるシス作用エレメントは、tatの不在中に起
こる構成的発現(漏れ)の程度に影響を与える。tat
不在下における漏れの程度は、HIV−1 LTRの中
のシス作用エレメント(例えばNF−KB結合部位)の
欠失あるいは置換によって制御し得る。tar配列をリ
シンA(細胞内の非常に低い濃度で効果的である)のよ
うなエフェクター遺伝子と共に用いるために、宿主細胞
にベクターを導入する前にNF−KB結合部位を制限酵
素を用いて取り除き得る。これに対して、エフェクター
遺伝子が宿主細胞に対して特に毒性がないような産物を
コードする(例えば、休止期のTリンパ球に見いだされ
たrpt−1タンパク質: Patarca,前出を参照のこ
と)が、ウィルスの阻害に影響するためにはより高い濃
度を必要とする場合、誘導によって強力な発現を行うよ
うなシス作用調節配列を用いる必要があるが、ある程度
の低いレベルの構成的発現は有り得る。
【0034】「防御あるいは破壊に対して感受性があ
る」という言葉は、感染あるいは過剰増殖障害の発生に
おいて、宿主細胞のエフェクター遺伝子の存在が、細胞
を以下のいずれかの状態にする:(a)感染性の物質あ
るいは過剰増殖の状態を阻害し得る、あるいは(b)エ
フェクター遺伝子が宿主細胞を殺すかあるいは細胞を追
加の外来性毒性物質に対して感受性にする。追加の「毒
性物質」には、宿主の免疫系あるいは抗体は含まれな
い。これは、免疫が、感染あるいは過剰増殖の疾患に対
して、抑制されるかあるいは効果がないことが多いから
である。感染の阻害は、感染性物質にとって必要な栄養
あるいは代謝物(たとえばプリンヌクレオチドあるいは
ピリミジンヌクレオチド、炭水化物、リン酸塩など)、
感染性物質に必要な負の調節を行う宿主の酵素(たとえ
ば、リボゾーム群の酵素、内在性プロテアーゼ、タンパ
ク質折りたたみ酵素、輸送タンパク質など)、感染性物
質に用いられる負の調節を行う宿主細胞調節因子(例え
ば、活性化リンパ球に見いだされ、HIV−1転写の正
の調節をするNF−KB核因子)、宿主細胞を有糸分裂
のサイクルにおける静止期にとどめおく(あるウィルス
および過剰増殖障害において)ことによって、ウィルス
遺伝子の発現を抑制するようなウィルスあるいは宿主細
胞の正の調節を行う因子、等の細胞内におけるレベルを
減らすことによってなされ得る。
【0035】阻害はまた、例えば、重要な感染物質調節
因子に結合して阻害あるいは不活性化を起こすような因
子を発現すること、感染物質の発現の負の調節を行うよ
うな宿主調節因子あるいは感染物質調節因子を発現する
こと(例えば、潜伏期のあるウィルスは、強力な調節領
域によって、構成的発現を防ぐ因子を持つ必要があ
る。)、非感染性で、感染性物質のコート、エンベロー
プ、あるいはキャプシドタンパク質の欠陥変異体を発現
すること、ポリヌクレオチド結合配列の多数のコピーを
コードすること(その配列が、感染性物質調節物質と結
合を拮抗し、その結果その物質の転写を制限するよう
に)、感染性物質のタンパク質、脂質、あるいは炭水化
物を破壊するような(好中球好微生物タンパク質、好酸
球顆粒主要塩基性タンパク質など)、または感染性物質
酵素群によるプロセッシングを阻害あるいは防止するよ
うな因子の発現などのような、感染性物質の生活環を妨
害することによってもなされ得る。その他には、感染性
物質を妨害するあるいは阻害し得る、または例えばイン
ターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、コロ
ニー刺激因子、形質転換成長因子(αおよびβ)、表皮
成長因子等のような細胞毒性で有り得るサイトカインを
コードし得る。サイトカインの発現はまた、過剰増殖障
害の処置に有用である。例えば、サイトカインは、腫瘍
を直接阻害あるいは殺し得、または最終(悪性でない)
段階への分化を誘導し得る。過剰増殖障害はまた、適当
な任意の前記の他の方法を用いても処置され得る。例え
ば、細胞機能(例えば有糸分裂のサイクル、蛋白の発現
など)の阻害は、増殖を阻害し得る。
【0036】細胞毒性技術には、リシンA、ジフテリア
毒等のような細胞毒の直接の発現が含まれ得るか、ある
いは前記の方法のいずれかを細胞を死なせる程度に用い
得る(例えば細胞の呼吸の完全な阻害)。その他では、
細胞を、付加する物質に対して感受性にするような酵素
あるいはタンパク質を発現し得るかあるいはAZTのよ
うな抗ウィルス物質の効力を高め得る。前者の例として
は、例えばヌクレオシドキナーゼの発現が高められる
と、宿主細胞は、ガンシクロビアあるいはアシクロビア
の作用に対して感受性になる。AZT、ジデオキシシチ
ヂン、アシクロビア、ガンシクロビアなどのようなジデ
オキシヌクレオシドアナローグ(ddN)は、リン酸化
されていない形では比較的毒性が少ない。しかし、特異
的なウィルスあるいは細胞内酵素は、ddNを対応する
三リン酸化物の形に変え得、その時その物質は、転写あ
るいは複製の途中で、鎖の停止反応を起こす。ddNの
利用は、以下の事実に基づく:(1)ウィルスのポリメ
ラーゼは、哺乳類のポリメラーゼより、ddNに対して
高い親和性を示す;および(2)あるウィルスヌクレオ
シドキナーゼは、哺乳類のキナーゼより、ddNのリン
酸化を高い割合で行う。従って、ウィルス酵素(および
それに一致するウィルス遺伝子)は、哺乳類の酵素およ
び遺伝子よりも鎖の停止反応が起こりやすい。HSV−
1チミジンキナーゼ(HSV−1 tk)は、効率よく
ddNを対応する三リン酸化物に変え、従って、活性型
HSV−1 tkを持つ細胞を、ddNに対してより感
受性に変える。
【0037】用語「エフェクター遺伝子」とは、発現
(トランス作用調節因子のシス作用調節配列上に及ぼす
作用による)すると、上記に定義されているように、宿
主細胞を防御あるいは破壊に対して感受性にするような
ポリヌクレオチド配列のことをいう。本発明の範囲にお
いて、細胞毒性タンパク質とは、通常のウイルス調節領
域によって制御される毒性になり得るウィルスのタンパ
ク質を含まない。エフェクター遺伝子は、使用するシス
作用調節領域に自然には制御されない遺伝子でなければ
ならない。適切なエフェクター遺伝子の一クラスには、
ヌクレオシドキナーゼをコードする遺伝子が含まれる。
このキナーゼは、ジデオキシヌクレオシドアナローグを
リン酸化し得るし、その活性は宿主細胞のヌクレオシド
キナーゼより高い。例としては、HSV−1チミジンキ
ナーゼ、グアニンキナーゼ、植物ヌクレオシドホスホト
ランスフェラーゼ、Leishmania donovaniのプリン2’
−デオキシリボヌクレオシダーゼ、L.donovaniのヒポキ
サンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラー
ゼ、およびヌクレオシド抗ウイルス剤あるいは化学療法
剤を活性化し得るヌクレオシドの代謝に関与している他
の適切な酵素が挙げられる。エフェクター遺伝子の他の
クラスには、アンチセンスmRNA、およびリボザイム
のようなmRNAレベルで機能する遺伝子が含まれる
(V.Walbotら、Nature(1988)334:196-97)。エフェクタ
ー遺伝子の別のクラスには、抗ウイルスあるいは抗過剰
増殖障害に有用なサイトカイン、例えば、腫瘍壊死因
子、αインターフェロン、βインターフェロン、γイン
ターフェロン、トランスフォーミング成長因子−β、阻
害ペプチド、およびインターロイキン2、をコードする
遺伝子が含まれる。本発明における他のエフェクター遺
伝子には、必須タンパク質のプロセシングを阻害し得る
プロテアーゼインヒビター、およびウイルスのタンパク
質におけるグリコシル化、リン酸化、あるいはミリスチ
ル化の阻害剤が含まれる。リボヌクレアーゼも適当であ
る。代わりに、多数のシス作用調節配列を強い終結配列
と共に供給することによってトランス作用調節因子を
「中和」し得る。
【0038】細胞特異的発現という面においては、エフ
ェクター遺伝子は細胞に対し、破壊にではなく防御に対
する感受性を与えなければならない。すなわち、TH
胞クラスのようなクラスの全細胞の削除が避けられる。
この技術がAZTのような特定の抗ウイルスおよび化学
療法剤の治癒比を高めるのに用いられ得る。例えば、A
ZTはHIVの複製を阻害するが、骨髄細胞に対して比
較的毒性である。Tリンパ球はHIV感染で通常感染
し、AZTに対してより耐性である。Tリンパ球中での
み、例えば、HSV−1 tkを発現するポリヌクレオ
チド構築物(例えば、CD4抗原プロモーターの制御下
に)を、骨髄吸引液にトランスフェクションして、これ
らの細胞を被検体へ再導入して、そして通常の投与量よ
り少量のAZTを投与することにより、(骨髄内の)感
受性幹細胞内のリン酸化AZTのレベルを増加させるこ
となく、耐性リンパ球におけるリン酸化AZTの細胞内
濃度を高め得る。
【0039】本発明のポリヌクレオチド構築物は、シス
作用調節配列およびエフェクター遺伝子を用いることに
よって、目己免疫疾患の処置のためにも設計され得る。
用いられるシス作用調節配列は、処置される特定の自己
免疫疾患に関係する特殊な免疫細胞に特徴的なトランス
作用調節因子に応答し、用いられるエフェクター遺伝子
は、これらの細胞の活性を抑制する。
【0040】用語「アンチセンスmRNA」とは、mR
NAの「センス」鎖と相補的であり、それと2本鎖RN
A複合体を形成し得るmRNAのことをいう。mRNA
のハイブリッド形成は、mRNAがタンパク質に翻訳さ
れることを阻害する。従って、アンチセンスmRNA
は、非常に特異的なタンパク質合成の阻害剤として作用
する。アンチセンスmRNAは、例えば、ウィルスタン
パク質のmRNAあるいは活性型腫瘍遺伝子から転写さ
れるmRNAに相補的ならば、防御的に機能し得る。ア
ンチセンスmRNAは、例えば、有効な代替経路を有し
ないハウスキーピング酵素のような宿主細胞の必須の酵
素に相補的である場合、あるいは宿主細胞を代替経路を
阻害する薬剤に対し感受性にする場合、破壊的であり得
る。オリゴデオキシヌクレオチドを用いてレトロウイル
スの複製および腫瘍増殖を阻害することを開示してい
る、G.ZonらのEP288,163も参照。
【0041】用語「リボザイム」とは、特定の配列にお
けるRNA切断を触媒し得る触媒的なRNAポリヌクレ
オチドのことをいう。リボザイムは特殊なmRNA分子
を攻撃するのに有用である。例えば、慢性骨髄性白血病
では、bcrおよびabl遺伝子(フィラデルフィア染
色体)に関係する染色体の転座によって、bcr−ab
l融合タンパク質が発現する。これにより、abl腫瘍
タンパク質が異常に機能する結果となると考えられる。
bcrおよびabl遺伝子の融合が2つのイントロンの
うちの1つに起こるため、スプライシングされたbcr
−abl融合転写産物はbcrとablエキソンの間の
スプライシング接合の所にただ2つの可能な配列を含有
する。bcr−abl mRNAはこの腫瘍形成性染色
体転座が起こったリンパ細胞だけに存在するため、bc
r−abl融合mRNAの2つのスプライシング接合箇
所のいずれかに特異的なリボザイムが調製され、従っ
て、対応する腫瘍タンパク質の発現を阻害し得る。
【0042】本明細書の用語「ベクター」は、シス作用
調節配列および選択されたエフェクター遺伝子をコード
し得、これらの遺伝子を適当な標的細胞に導入し得るポ
リヌクレオチド構築物のことを指す。ベクターは、直鎖
状あるいは環状であり、2本鎖あるいは1本鎖であり得
る。ベクターは、DNA,RNA,DNA/RNAハイ
ブリッド、および化学的に修飾された塩基をもつDNA
および/あるいはRNAポリヌクレオチドを含み得る。
本発明の範囲内の適切なベクターには、直鎖状2本鎖D
NA断片、プラスミド、組換えウイルス(例えば、組換
えワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウ
イルス、など)、複製欠陥レトロウイルスベクター(ヒ
ト、サル、ネズミ、などを含む)、複製能力のあるレト
ロウイルスベクターの適切な非病原性誘導体、その他が
含まれる。複製欠陥レトロウイルスベクターは、ここで
好ましい。
【0043】B.一般的な方法 ポリヌクレオチド構築物の調製は、当分野において一般
的に知られている方法を用いて行われる。感染性物質あ
るいは過剰増殖障害が処置するために選択されたなら
ば、第一の段階は関連のトランス作用調節因子、適当な
シス作用調節配列およびエフェクター遺伝子を同定する
ことである。
【0044】いくつかのウイルスのトランス作用調節因
子は既に知られ、性質が調べられている。他のウイルス
のトランス作用調節因子はクローン化されたウイルスゲ
ノムの欠損解析により同定され得る。例えば、新規のウ
イルスが、標準的な技術を用いてクローン化され、塩基
配列が決定され得、読み取り枠が同定され得る。次に、
欠損突然変異体が制限酵素を用いて調製され、突然変異
ウイルスが適切な宿主細胞における転写能力がアッセイ
される。非常に低いmRNAの転写を示す突然変異体は
おそらく、トランス作用調節因子をコードする遺伝子あ
るいはシス作用調節配列のいずれかを欠損している。欠
損がトランス作用調節因子あるいはシス作用調節配列の
どちらに影響を与えているかは、ゲノム配列の位置およ
び成分を調べることにより一般的に決定され得る(例え
ば、ウイルスのシス作用調節配列は一般的に読み取り枠
の上流に存在する)。ウイルスのシス作用領域の配列は
既知のシス作用領域との相同性が比較され得る。相同の
シス作用調節配列は同一のトランス作用調節因子と作用
し得るので、従って適切な内在性トランス作用調節因子
が同定され得る。あるいはウイルスのタンパク質が適切
な宿主(例えば、バクテリア、酵母、哺乳類動物培養細
胞)で組換え体によって発現し、精製した抽出液を標識
し、そしてウイルスのゲノムライブラリーに対する結合
性を指標にスクリーニングし得る。このようにして、適
切なトランス作用調節因子/シス作用調節配列の組合わ
せが同定され得る。その組合わせの適合性は以下におい
ておよび実施例において詳述されるCAT発現アッセイ
法を用いて評価され得る。これらのアッセイでは、シス
作用調節配列が適切なベクターにクローン化され、そし
て適切なレポーター遺伝子(例えば、CAT、βガラク
トシダーゼ、など)が、シス制御を与えるためにそのシ
ス作用調節配列に連結される。次に、テスト構築物が適
切な宿主細胞(例えば、哺乳類動物培養細胞)に導入さ
れ、トランス作用調節因子の存在下および非存在下にお
いてレポーター遺伝子の発現がアッセイされる。適切な
エフェクター遺伝子は当分野において知られているか、
あるいは標準的な技術を用いてクローン化され得る。
【0045】細胞内寄生体(ウイルスを含む)がインタ
ーフェロンの発現をしばしば誘導する。従って、インタ
ーフェロンのシス作用調節配列の単離によって抗寄生体
応答に関与するトランス作用調節因子の同定、および本
発明の適切なポリヌクレオチド構築物の調製が可能にな
る。
【0046】過剰増殖障害は不適切な遺伝子制御あるい
は遺伝子産物の活性によって特徴づけられる。これらは
代表的には細胞増殖あるいは分化因子を含み、そして時
には構造タンパク質をコードする遺伝子を含む。不適切
な遺伝子制御は、機能不全のトランス作用調節因子(例
えば、先端の切断あるいは突然変異が因子による阻害を
除去した因子、あるいは不可逆的に結合する因子、な
ど)の発現、トランス作用調節因子あるいはレセプター
の大量発現(例えば、転座により強力なプロモーターに
並置されるため)、あるいは他の欠陥により引き起こさ
れ得る。いずれにせよ、この障害の特徴は、トランス作
用調節因子が正常細胞に存在する因子と異なるか、ある
いは異常に大量に存在することにある。過剰増殖障害と
関連するウイルス(例えば、HTLV−I,HTLV−
II,HPV16型および18型のE6およびE7遺伝
子)にコードされているトランス作用調節因子は、ここ
で記述されているように、エフェクター遺伝子の発現を
制御するのにも用いられ得る。影響を受けたシス作用調
節配列が同定されたならば、適切なエフェクター遺伝子
が選択され得る。特徴的なトランス作用調節因子は一般
的に正常なトランス作用調節因子と少なくともある程度
相同であるので、シス作用調節配列は正常細胞の内在性
のトランス作用調節因子によりおそらくある程度制御さ
れる。従って、過剰増殖障害の処置に好ましいエフェク
ター遺伝子は、低濃度では宿主細胞に対し比較的毒性の
ないものである。しかしながら、過剰増殖細胞において
はトランス作用調節因子の活性は構成的に高くなり得る
が、一方正常細胞では活性は(細胞周期の間のように)
より低く、変動し得る。この相違を利用して、エフェク
ター遺伝子産物を過形成細胞中に高レベルに蓄積させ得
る。
【0047】同様にして、多くの細胞型特異的トランス
作用調節因子およびシス作用調節配列は既に発見され、
文献に記載されている。さらに多くのシス作用調節配列
は上記に概略した方法を用いて決定され得る。いくつか
の例においては、過剰増殖障害と関連するトランス作用
調節因子およびそのシス作用調節配列が正常な細胞型特
異的トランス作用調節因子および調節配列と同一であり
得ることに留意されたい。このような場合には、過剰増
殖障害は代表的には過剰濃度のトランス作用調節因子に
よって引き起こされる。従って、エフェクター遺伝子は
注意深く選択されなければならない。
【0048】図1に、本発明の一般的なレトロウイルス
ベクターが示されている。このベクターは、レトロウイ
ルスの5’側LTRおよびプライマー結合部位()、
psiエンキャプシデーション(パッケージング)シグ
ナル配列()、任意の3’RNAプロセシングシグナ
ル配列()、エフェクター遺伝子()、プロモータ
ーを含む5’シス作用調節配列()、任意のプロモー
ター()および選択マーカー遺伝子()、およびレ
トロウイルスの3’側LTRおよびプライマー結合部位
)を包含する。配列はベクターのレトロウイ
ルス部分を構成し、配列は代表的にはプラスミド由来
であり、培養細胞におけるベクターの保持に機能する。
5’側LTR()および3’側LTR()は逆転写
およびベクターの宿主細胞ゲノムヘの挿入に働く。適切
なLTRはモロニーマウス白血病ウイルス(Mo−Mu
LV)(Shinnickら、Nature(1981)293:543)、ハーヴ
ェイマウス肉腫ウイルス(Ha−MSV)(Van Bevera
nら、Cell(1981)27:97)、HTLV−I,HTLV−I
I,HIV−1、およびHIV−2由来のものを含む。
複製欠陥レトロウイルスでは、3’側LTR()のU
3領域が不活性化されている。ベクターがパッケージン
グ細胞株で産生されるウイルスキャプシドに包まれるた
めに、psi配列()は含まれなければならない。そ
の代わりに、一旦宿主ゲノムに組み込まれるとこの配列
は不活性になる。適切なpsi配列は、Cepkoら(Cell(1
984)37:1053-62)、Guildら(前記)およびKrieglerら
Cell(1984)38:483)によって述べられている。ベクタ
ーがレトロウイルス性でなく、感染ではなくトランスフ
ェクションにより挿入される場合、LTR配列およびp
si配列は省略され得る。エフェクター遺伝子()は
上述の通りである。「内部プロモーター」を有する組換
えレトロウイルスベクターにおいては、エフェクター遺
伝子()は自分自身のプロモーター/シス作用調節配
列()および終結配列/ポリアデニル化配列()が
供給されている(ただし、終結配列およびポリアデニル
化配列はエフェクター遺伝子由来であり得る)。
【0049】エフェクター遺伝子はいずれの方向にも配
置され得るが、通常はLTR読み取り枠の反対方向に配
置される。「エンハンサー置換」を有する組換えレトロ
ウイルスベクターにおいては、エフェクター遺伝子
)はLTRと同方向に配置され、別のシス作用調節
配列()あるいは終結配列/ポリアデニル化配列
)が供給されていない。その代わりに、シス作用調
節配列が3’側LTR()のU3領域内に供給され
る。その結果、逆転写の後にのみエフェクター遺伝子は
シス作用調節領域により制御される。
【0050】選択マーカー()が存在する場合、トラ
ンスフェクションされた細胞を選抜する条件下におい
て、そのマーカー配列を発現している細胞の生存を可能
にする形質をコードする。選択マーカーは代表的には抗
生物質、例えば、クロラムフェニコール、ネオマイシン
(Southernら、J Mol Appl Gen(1982)1:327-41)、ある
いはヒグロマイシン(Gritzら、Gene(1983)25:179-88)
に対する耐性を与える酵素をコードする。選択マーカー
は、使用された場合、通常トランスフェクションした/
感染した細胞の選抜時にマーカー遺伝子を発現させる自
分自身のプロモーター()をもつ。適切なマーカー遺
伝子のプロモーターにはヒストンプロモーター、HSV
−1 tkプロモーター、およびメタロチオネインプロ
モーターが含まれる。
【0051】配列は、ポリヌクレオチド保持配列であ
り、産生細胞内でのベクターの安定な保持に働く。代表
的には、配列はプラスミド由来であり、複製起点(例
えば、pBR322 ori、あるいは酵母2μ or
igin)、および(通常)抗生物質耐性マーカーを与
える。適切な保持配列は、pXf3,pBR322,p
UC18,pMLなどを含む。標的挿入に使用される直
鎖状DNA断片の場合、ベクターは配列内の1カ所で
直鎖化され得る。LTR領域およびは、所望の標的
とする組換えの配列と相同な配列で置き換えられる。配
は削除される。配列は、微生物宿主において保持
および複製に機能するポリヌクレオチド配列を含み、さ
らに(非特異的組み込みが起きたトランスフェクション
された宿主細胞を除くように働く)対抗選択マーカーを
含む。
【0052】(薬剤活性化システムの開発)細胞毒性薬
剤の活性化のための原型システムとして、単純ヘルペス
ウイルス1型のチミジンキナーゼ遺伝子(HSV−1
tk)を選んだ。HSV−1 tkは、種々のジデオキ
シヌクレオシドアナローグ(ddN)を(5’)モノホ
スフェート類に変換することで活性化し得る。ddNM
Pは細胞内のヌクレオチドあるいはヌクレオシドキナー
ゼの拮抗阻害剤として働き、細胞内のヌクレオチドプー
ルを枯渇させ得る。ddNMPは細胞内酵素によってト
リホスフェート類に変換された後、ddNTPは合成中
のDNA鎖(および時にはRNA鎖)に取り込まれ、核
酸鎖の伸長の終結を引き起こし得る。
【0053】HSV−1 tkによって活性化される最
もよく調べられたddNの1つはアシクロビア(acy
clo−G)である。アシクロビアの安全性および効能
は、主にHSV−1 tkによる選択的活性化に基づい
ている。細胞内のチミジンキナーゼよりHSV−1チミ
ジンキナーゼ(tk)の方が、数千倍効率よくacyc
lo−Gをacyclo−GMPに変換する(HSV−
1 tkのKm=0.005X Km Vero t
k; Vrel HSV−1 tk:3,000,00
0X Vrel Vero tk)。細胞内酵素は次に
acyclo−GMPをacyclo−GTPに変換
し、acyclo−GTPはHSV−1 DNAポリメ
ラーゼによりDNAに取り込まれ、ウイルスDNA合成
の終結を引き起こす。acyclo−GTPは、細胞内
DNA合成を同様に阻害するのに必要な濃度の約1/2
0の濃度で、HSV−1DNA合成を阻害する(P.A.Fu
rmanら、J Virol(1979)32:72-77)。
【0054】シス作用調節配列が同定されると、その配
列はモデルシステムにおける効果が調べられる。例え
ば、シス作用調節配列は、CATあるいはβガラクトシ
ダーゼのような適切なレポーター遺伝子をもつプラスミ
ドにクローン化され得る。次に、このプラスミドを適切
な細胞株(例えば、CHO細胞、HeLa,HUT7
8、など)にトランスフェクションする。トランス作用
調節因子は、トランス作用調節因子を発現する宿主細胞
株を選抜することによるか、あるいは異なる(誘導的あ
るいは構成的)プロモーターの制御下にトランス作用調
節因子をコードするプラスミドで宿主細胞株を同時にト
ランスフェクションすることによって供給され得る。さ
らに、このトランスフェクションされた宿主細胞はレポ
ーター遺伝子の発現についてアッセイされる。
【0055】HSV−1 tkのようなエフェクター遺
伝子の適合性は、適切なプラスミド内に選択したシス作
用調節領域の制御下にこの遺伝子をクローン化すること
によって評価される。このプラスミドは、好ましくは選
択マーカーも有し、ベクターにより遺伝的に形質転換さ
れた細胞を選抜することを可能にする。
【0056】(チミジンキナーゼベクターの一般的な構
造)組換えレトロウイルスを形成するのに用いられ得
る、シス作用調節エレメントに連結するエフェクター遺
伝子を有するレトロウイルスベクターの一般的な構造は
図1に示されている。HSV−1 tkを発現させるた
めの基礎的なレトロウイルスベクターはモロニーマウス
白血病ウイルス(Mo−MuLV)由来である。完全な
複製欠陥ウイルスを産生するのに、全てのMo−MuL
V遺伝子(gag、polおよびenV)がベクターか
ら除去きれた。残りの成分は、ウイルスRNAの発現お
よびパッケージング、逆転写および組み込み、標的細胞
でのtk遺伝子(および、所望ならばマーカー遺伝子)
の転写のために必要とされる。これらの成分は、Mo−
MuLVのLong Terminal Repeat
s(LTR)、プラスおよびマイナス鎖のプライマー結
合部位、およびRNAエンキャプシデーションシグナル
(Psi配列)からなる。
【0057】HSV−1 tkの細胞型特異的発現を調
節するために、ハイブリッド転写単位が構築される。こ
のハイブリッド転写単位では、細胞型特異的転写単位の
コード配列がHSV−1 tkをコードする配列に置き
換えられている。
【0058】これらのベクターを用いたHSV−1 t
k遺伝子の発現は2通りの方法で達成され得る。最初の
ベクター型は、HSV−1 tkの発現を調節するため
に別のエンハンサー/調節エレメントを用いる。この型
のベクターでは、HSV−1tkの転写がプロウイルス
のプラス−センスに対して逆方向に進行する(図1参
照)。tk遺伝子は目分自身のポリアデニル化シグナル
を有し、そして所望ならば、tkをコードする配列とポ
リアデニル化シグナルの間にイントロンを有することも
可能である。この最初のクラスのベクターにおいて、こ
のベクターの3’側LTRからエンハンサー/調節エレ
メント配列を除去することによって、転写干渉の可能性
が減少され得る。3’側LTRのU3配列のみがウイル
スRNAに転写されるので、これらの配列が結果として
生じるプロウイルスの両方のLTRを形成する。これに
より、プロウイルスcDNAが挿入されるが、プロウイ
ルスの両方のLTRからエンハンサーおよび調節エレメ
ントが欠失する結果となる。
【0059】第2のベクター型(エンハンサー置き換え
ベクター)では、Mo−MLVのLTRは、HSV−1
tk遺伝子の発現を制御するエンハンサーおよび調節
エレメント配列を有する。Mo−MLVのLTRは種々
の細胞型(造血幹細胞を除いて)において異種遺伝子の
発現を起こせるが、T細胞において最も効率が良い。H
SV−1 tkの細胞型特異的遺伝子発現の制御は、
3’側Mo−MLVのLTR内のエンハンサー/調節エ
レメント配列を特定のエンハンサー/調節エレメント配
列で置換することによって達成され得る。5’側Mo−
MLVのLTRは感染性ウイルスを産生するのに用いら
れるパッケージング細胞株でのウイルスRNAの発現を
効率よく行わせるため、ベクターに保持される。
【0060】形質転換細胞のインビトロの選抜を可能に
するために、選択マーカー遺伝子がこれらのベクターの
HSV−1 tk遺伝子の3’側に組み込まれ得る。マ
ーカー遺伝子の発現は自分自身の調節エレメントによっ
て与えられる。一般的に、この調節エレメントは、全て
の組織において構成的に発現する適度の活性を有する細
胞内遺伝子由来のものである。細胞質βアクチンプロモ
ーター、ヒストンプロモーター類、および解糖酵素のプ
ロモーター類はこのような調節エレメントの例である。
【0061】第2のベクター型はHSV−1 tkの発
現を調節するために異なるエンハンサー/調節エレメン
ト配列を用いる。このベクター型では、HSV−1 t
kの転写がプロウイルスのプラス−センスの逆方向に進
行する。このtk遺伝子は自分自身のポリアデニル化シ
グナルを有し、そして所望ならば、tkをコードする配
列とポリアデニル化シグナルとの間にイントロンも有し
得る。この第2クラスのベクターの転写干渉の可能性
を、このベクターの3’側LTRからエンハンサー/調
節エレメント配列を除去することによって、減少させ得
る。これにより、プロウイルスcDNAが組み込まれる
が、プロウイルスの両方のLTRからエンハンサーおよ
び調節エレメントが欠失する結果となる。
【0062】選択マーカーが、最初のベクターのクラス
と同様に、供給され得、HSV−1tkの逆方向に転写
される。従って、組み込まれたプロウイルスの中心から
転写が始まり、ヒトアデノウイルス類のE2/E3遺伝
子の転写と類似する挙動で、逆方向に進行する。
【0063】(調合および投与)本発明のポリヌクレオ
チド構築物は構築物の形態によって調合され得る。例え
ば、ベクターが効力のある(感染性)ウイルスである
時、生ウイルスワクチンと同様に調合され得る。このよ
うな調合物は、代表的には、注射用の緩衝剤で処理した
生理食塩水、あるいは緩衝化剤処理の経口調合物であ
り、いずれも必要に応じて抗生物質を含有し得る。リポ
ソーム調合物は標準的な方法で調製され得る。例えば、
クロロホルム中に脂質を浮遊させ、容器の壁上にこの脂
質を乾燥し、そしてこのポリヌクレオチド構築物の含む
溶液で脂質を水和する。適切な脂質は当分野では知られ
ており、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセ
ロール、レジシン、などが含まれる。ポリヌクレオチド
トランスフェクションのための特に有用な合成脂質はN
−[1−(2,3−ジオレロキシ)プロピル]−N,
N,N−トリメチルアンモニウムクロライドであり、L
ipofectinRという商品名で市販され(BRL,Gai
thersburg,MDから市販されている)、P.L.Felgnerら(Pr
oc Nat Acad Sci USA(1987)84:7413)によって記述され
ている。
【0064】組換えレトロウイルスベクターは、インビ
ボ投与のためにも調合され得る(複製欠陥の場合)。H
IV−1あるいはHIV−2に基づくベクターは、原型
のウイルスと同様の細胞向性(tropism)を示
し、従ってHIV−1あるいはHIV−2による感染の
処置において、適切な細胞集団をインビボ標的にするた
めの効率的な広範囲の手段を供給する。HIVに基づく
ベクターは、異種遺伝子の発現制御のために、HIV
LTRプロモーター、tar配列、およびtat遺伝子
を使用し得る。ベクターの標的細胞特異性は適切なパッ
ケージング構築物(例えば、env遺伝子)の選択によ
って改良され得る。例えば、HIV−1sF162株(M.Qui
rogaら、"Modern Approaches to New Vaccines"(1989,C
old SpringHarbor Laboratories)p.80)は、自然にマク
ロファージに感染し、そのため、HIV−1SF162由来
のエンベロープ内にベクターをパッケージングすること
によって、マクロファージヘのターゲッティングを実行
し得る。同様に、B型肝炎ウイルス(あるいはHAV、
あるいはHCV)由来のエンベロープあるいはキャプシ
ド由来の配列を組み込む組換えエンベロープ遺伝子を用
いて、ベクターをパッケージングすると肝細胞への標的
配達が得られる。HIV−2由来のエンベロープタンパ
ク質を発現するパッケージング細胞株を用いることによ
って、本発明のベクターを、gp160envのCD4+
対する親和性(Smithら、Science(1987)238:1704-06)
により、TH細胞防御の有効な方法に用い得る。
【0065】本発明のポリヌクレオチド構築物の投与形
態はベクターの性質に依存している。例えば、レトロウ
イルスベクターは接種、非経口あるいは経口によって投
与され得る。ベクターが感染性組換えウイルスである場
合、腸管外注射、経口投与あるいは鼻内投与、およびそ
の他によって投与され得る。リポソーム調合物は、好ま
しくは鼻内噴霧あるいは静脈注射によって投与される。
ここで好ましい投与の方法は、欠陥レトロウイルスベク
ターを自己骨髄細胞あるいはTリンパ球吸引液と生体外
(ex vivo)インキュベートした後、処理された細胞を
標準的な技術で再導入することである。簡単に説明する
と、骨髄細胞移植の分野で知られている技術により骨髄
細胞を吸引し、一般的には骨盤から吸引する。所望なら
ば(特に、白血病および他の過形成障害の処置では)、
感染した細胞あるいは過剰増殖細胞による苦しみを軽減
するために、被験体を骨髄吸引の後に化学療法あるいは
放射線療法で処置し得る。好ましくない物質(例えば、
腫瘍細胞、バクテリア、ウイルス粒子、など)を除去す
るため、吸引物を、例えば、免疫沈降法、免疫吸着法、
補体結合免疫反応、蛍光活性化細胞選別(FACS)お
よびその他の方法によってスクリーニングし得る。理想
的には、幹細胞特異的モノクロナール抗体を用いて、造
血幹細胞が標識され、単離される。スクリーニングされ
た吸引物を、次に本発明の構築物によってトランスフェ
クションするか、あるいは感染される。1つの感染の方
法では、吸引した細胞を、効率的な接種が確実に得られ
るのに充分な期間、感染し得る力価の複製欠陥レトロウ
イルスベクターと接触させ培養する。造血細胞の成長因
子(例えば、IL−3)を同時培養中に添加し得る(E.
A.Dzierzak、前記)。マウス細胞で知られているリン酸
カルシウムによるトランスフェクション技術を利用し得
る(例として、E.A.Dzierzak、前記;S-F.Yuら、Proc N
at Acad Sci USA(1986)83:3194-98を参照)。構築物は
エレクトロポレーションによっても導入され得る(S.Ma
nsour、前記)。あるいは、LipofectinRのよ
うなトランスフェクション用薬剤が用いられ得る。ベク
ターがマーカーを含有する時、所望ならば、感染細胞を
スクリーニングあるいは選抜し得る。感染細胞を次に、
自己骨髄移植に用いられる方法、代表的には、静脈注入
あるいは注射によって被験体へ再導入する。本発明の構
築物を用いて、リンパ球をインビボあるいは生体外のい
ずれかでトランスフェクションあるいは感染する。ML
Vに基づく構築物を用いる場合、このウイルスのエンベ
ロープがヒト補体によって不活性化されるため、感染は
好ましく生体外で行われる。モノクローナル抗体を用い
て所望のサブセットを選別するか、あるいは当分野に知
られている他の方法によって、リンパ球細胞集団の特定
のサブセットを選択し得る(P.W.Kantoffら、Proc Nat
Acad Sci USA(1986)83:6563-67を参照)。
【0066】所望ならば、gag−Polおよびenv
をコードするウイルス遺伝子の発現を可能にする独立の
構築物を挿入した後、本発明のベクターを挿入すること
によって、いくつかのリンパ球あるいは骨髄細胞をパッ
ケージング細胞に転換し得る(O.Danosら、Proc Nat Ac
ad Sci USA(1988)85:6460-64)。自己パッケージング細
胞が被験体に再導入される時、複製欠陥レトロウイルス
が細胞の生活環中で連続的に発現し、本発明の治療用の
構築物を多数の宿主細胞に伝達する結果となる。
【0067】
【実施例】
(実施例1;組換えレトロウイルスベクター)組換えD
NA操作の標準技術(T.Maniatisら、Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual(New York,Cold Spring Harbor
Laboratory,1982))を使用して、レトロウイルスを構築
した。レトロウイルスベクターの構築に使用したプラス
ミドは、以下から得た。pMX1112SVNeoは、M.McMann(UCS
F)から譲渡されたものであり、SV-Nは、E. Gilboaから
譲渡されたものである(Yuの前出に記載されている方法
で構築した)。
【0068】neorに連結したSV40初期プロモーターのCl
a-Cla断片をプラスミドpMX1112に挿入することによって
(A.M.C.Brownら、"DNA Cloning": a practical approa
ch,vol.3(D.M.Glover編、IRL Press,1987)の"Retrovira
l Vectors"、pp.189-212に記載されるように)プラスミ
ドpMX1112SVNeoを構築する。SV40-neor遺伝子を、プラ
スミド上のpsiパッケージング配列と3’側 Mo-MuLV LT
R領域との間に配置する。5'側 Mo-MuLV LTRの上流にあ
るEcoRI部位を除去し、XhoI部位にEcoRIリンカーを挿入
し、新しいEcoRI部位とHindIII部位との間にpUC18ポリ
リンカーを加えることによって、プラスミドpMXSVNeo18
をpMX1112SVNeoから調製した。プラスミドpTAR1は、HIV
5'側 LTR(tar配列を含む)、CATをコードする遺伝子、
およびSV40ポリアデニル化シグナルとt イントロンを
含み、HIV-1(SF2)(R.Sanchez-Pescadorら、Science(198
2)227:484-92)のXhoI-NarI断片を pMLにクローニングす
ることにより構築した。合成ポリリンカーをNarI部位に
加え、CAT遺伝子およびSV40 RNAプロセッシングシグナ
ルを含むpSV2CAT(C.M.Gormanら、Proc Nat AcadSci US
A(1982)79:6777-81)のStul-BamHI断片を挿入してpTAR1
を得た。pTAR1をAsp718とXhoIで切断し、得られた断片
をpMXSVNeo18にクローニングして、図2に示したpTB1を
得た。SV40 EPの制御下にHIV tat遺伝子を入れ、SV40ポ
リアデニル化シグナルを側面に配置して、プラスミドpT
AT1を構築した(Peterlinら、前出)。プラスミドpRTは、
HSV-1 tk遺伝子、プロモーター、およびRNAプロセ
ッシングシグナルを含む。プラスミドptar/tkは、CAT遺
伝子の代わりにpRTのBglII-EcoRI断片をpTAR1にクロー
ニングすることによって、調製した。プラスミドpMXSVN
eo-tar/tkは、ptar/tkのAsp718-EcoRI部分をpMXSVNeo18
ポリリンカーにクローニングすることによって、構築し
た(pMXSVNeo-tar/tkは、図3に示される)。
【0069】ヒト細胞に感染し得る両屈性の(amphotrop
ic)レトロウイルスを標準技術(R. Mannら、Cell(1983)3
3:153-59)によって調製した。すなわち、CaPO4共沈技術
(R.Grahamら、Virol(1973)52:456-67)を使用して、両屈
性のパッケージング細胞株PA-317(Millerら、Mol Cell
Biol(1986)6:2895-902;ATCC CRL 9078)をプラスミドベ
クターによってトランスフェクションした。CaPO4との
共沈物として、10μgのプラスミドベクターと25μgのサ
ケの精子DNAキャリアを、60mm織培養皿中の5×105のPA-
317細胞に8から16時間あてがった。沈澱物を除去し、単
層をダルベッコリン酸緩衝溶液で洗浄した。新鮮な培地
(10%の胎児ウシ血清および抗生物質を添加したダルベッ
コ変法イーグル培地、DMEM)を用意し、細胞を増殖させ
て2日後に回収した。次いで、トランスフェクションし
た細胞をトリプシンで処理し、150mm2Tフラスコに移
し、0.8mg/ml G418を含む培地中で10−14日増殖させ
た。得られたG418耐性コロニーをトリプシンで処理し、
96ウェル組織培養プレート中で限界希釈法によってクロ
ーニングした。個々のクローンによって生産された組換
えレトロウイルスを、ウイルス力価を測定するためにヒ
ト細胞株(HeLa,ATCC CCL 2:HUT78, ATCC TIB 161)に感
染させ、そして正確なプロウイルス構造物の生成を行う
ことによって特徴付けた。
【0070】PA-317の代わりに外屈性(Ecotropic)のパ
ッケージング細胞株Psi-2(R.Mann、前出)を使用したこ
と以外は上記と同様に、外屈性の組換えレトロウイルス
を調製した。
【0071】(実施例2;組換えレトロウイルスによる
細胞の感染)標準の手法(R.Mann、前出)を使用して、細
胞株を組換えレトロウイルスで感染した。すなわち、5
×106個の細胞を60mm織培養皿に蒔き、16時間増殖させ
た。プラスミドベクターを含むパッケージング細胞から
得た、細胞を含まない上清を、8μg/mLのポリブレンの
存在下で、6から8時間目的の細胞にあてがった。G418耐
性マーカーを持つウイルスの場合、細胞を増殖させ、選
択し、上記のパッキングクローン調製で記載したように
クローニングした。HSV-1 tkを持つが、G418耐性マーカ
ーを欠くレトロウイルスをtk−細胞株:外屈性ウイルス
にはL-M(tk−)(ATCC CCL 1.3)、両屈性のウイルスに
は143 B細胞(ATCC CRL 8303)を使用して力価を測定
した。HAT培地を使用して、tk+コロニーを選択した。
【0072】(実施例3;HIV tatによるトランス活性
化のアッセイ)HIV tarシス作用調節配列の制御の下で
CATをコードする、プラスミドpTAR1、pTB1およびpTB2(p
TB1とは反対方向のHIV LTR領域を有する)をHeLa細胞に
トランスフェクションした。HIV tatトランス作用物質
を発現するプラスミドpTAT1を、HeLa細胞の半分にトラ
ンスフェクションした。48時間後、細胞を溶解し、14C
−クロラムフェニコールを溶解物とインキュベートし
た。生産物をEtOAcで抽出し、薄層クロマトグラフィー
によって分析した。
【0073】その結果、tarをコードするプラスミドお
よびtatをコードするプラスミドの両方を含むHeLa細胞
中では、CATが発現されたが、pTAT1プラスミドを欠くHe
La細胞中ではCATが発現されなかったことが示された。p
TAR1、pTB1およびpTB2の間では構成的発現(漏れ)レベル
はほとんど差がないが、pTAR1(Mo-MuLV LTRsおよびSV4
0エンハンサーを欠く)細胞中よりもpTB1およびpTB2を含
む細胞中の方が、HIV tatに応答するCAT発現率は高か
った。
【0074】(実施例4;抗ウイルス細胞毒性エフェク
ター遺伝子)両屈性MXSVNeo-tar/tkレトロウイルスを生
産し、HUT78細胞(ATCC TIB 161)を感染するのに使用
した。1mg/mLのG418を使用して形質転換細胞(HUT-tk細
胞)を選択した。大量培養したHUT-tk細胞のアシクロビ
アに対する感受性を、様々な濃度の薬物を含む培地中で
増殖させることによって決定した。PMXSVNeo-tar/tk(HU
T-tk細胞)を含むHUT78細胞を沈澱させ、ポリブレン(2μ
g/ml)に37℃で30分間さらした。次いで、細胞を沈澱さ
せ、1mL当り105個の細胞を再懸濁し、HIV-1(SF2)に37
℃で1.5時間さらした。次いで、細胞を沈澱させ、10%の
ウシ胎児血清および抗生物質を含むRPMI 1640培地中で
50μL当り104個の細胞を再懸濁した。次いで、45、100
または200μM アシクロビアを有する1mLの培地を含む
24ウェルプレートのウェルに、50μLの細胞懸濁液を分
配した。HIV-SF2を(7日間のインキュベーションの後、p
25 gag ELISA中に3 ODを提供するのに十分な量で)
加え、7日間増殖させ、次いで抗p25gag ELISAによっ
てアッセイした。通常のHUT78細胞を、HSV-1 tkの影響
のコントロールとして用いた。これらの実験の結果を図
5に示す。
【0075】HUT78細胞中のHIVの複製は、アシクロビア
によってあまり影響されなかったが、複製は、HUT-tk細
胞中のアシクロビアによってかなり(100μM acyclovir
で約60%)阻害された。細胞変性/細胞毒性効果は、両方
の細胞型において明白であった(データは示されていな
い)。HUT-tkの単一細胞クローンの分析によって、アシ
クロビアに対する感受性の相違を示したが、大量培養さ
れたHUT-tk細胞は、ウイルス複製をかなり制限し得た。
【0076】(実施例5;HIV複製阻害のアッセイ)HSV
-1 tk陽性表現型に形質転換されたHIV感染性細胞は、抗
ウイルス活性および細胞毒性のあるヌクレオチドアナロ
ーグをスクリーニングするために使用され得る(Mitsuy
a、前出)。
【0077】pMXSVNeo-tar/tk(HUT-tk細胞)を含むHUT78
細胞を限界希釈法によってクローニングし、構成的tk発
現の測定として、様々な濃度のアシクロビアに対する感
受性をアッセイした。特に感受性の強いクローンをTK.5
と名付け、高レベルのtkを発現して、AZTを活性化し、H
IV感染に抵抗する細胞の能力をテストするために選択し
た。
【0078】HUT78、大量培養されたHUT-tk(実施例4か
ら得た)、およびTK.5細胞を沈澱させ、ポリブレン(2μ
g/mL)に37℃で30分間さらした。次いで、細胞を沈澱さ
せ、1mL当り105個の細胞を再懸濁し、HIV-1(SF2)に37
℃で1.5時間さらした。次いで、細胞を沈澱させ、血清
および抗生物質を含むRPMI 1640培地中で、50μL当り1
05個の細胞を再懸濁した。次いで、50μLの細胞懸濁液
を、0、1、5または10μMAZTを含む1mLの培地を含む24
ウェルプレートの個々のウェルに分配した。感染細胞を
7日間培養し、次いで、ウイルス複製を抗p25gag ELIS
Aによってアッセイした。結果を図4に示す。
【0079】(実施例6;特異的チミジンキナーゼベク
ターの構築)HSV-1 tkを含む様々なレトロウイルスベク
ターの構造を図1に示す。これらのベクターの機能的特
性および処置上の応用を以下に説明する。
【0080】SIN-tar/tk-H4Neo: このベクターは、HIV
tarシス作用調節配列およびHSV-1tkエフェクター遺伝
子を使用し、H4ヒストンプロモーターの制御下でネオマ
イシン耐性を含む、Yuによって記載されている自己不活
性ベクターを使用する。このプラスミドは、HIVで感染
した細胞のddNsに対する感受性を供与する。
【0081】SIN-CD4/tk(-H4Neo):このベクターは、tar
シス作用調節配列が、TH細胞中のCD4抗原の発現を促進
するシス作用調節配列と置換されていることを除いて、
上記のSIN-tar/tk-H4Neoベクターと同一である。ヒスト
ンプロモーター/ネオマイシン耐性マーカーは、任意で
ある。このベクターは、すべてのCD4 +細胞のddNsに対す
る感受性を供与する。CD4抗原は、現在、HIVへの侵入形
態として重要であると思われるため、このベクターもま
た、HIV感染の処置に有用であり得る。
【0082】SIN-Macl/tk(-H4Neo):このベクターは、HI
V tarシス作用調節配列が、マクロファージにおいてMa
cl抗原発現を調節するシス作用調節配列によって置換さ
れており、SIN-tar/tk-H4Neoと同様である。ヒストンプ
ロモーター/ネオマイシン耐性マーカーは、任意であ
る。このベクターは、HIVに対して宿主細胞としての役
割を果たす、すべてのマクロファージにddNsに対する感
受性を供与する。
【0083】SIN-tar/rA-H4Neo:このベクターは、リシ
ンAエフェクター遺伝子を制御するHIV-1 tarシス作用
調節配列を使用し、選択し得るマーカーとしてneorを使
用する。
【0084】SIN-fos/ppt:このベクターは、Yuによって
記載される自己不活性ベクターを使用し、植物ホスホト
ランスフェラーゼエフェクター遺伝子を使用するfos
瘍形成遺伝子シス作用調節配列(R.Treisman Cell(198
6)46:567-74)を使用する。このベクターは、ddNと組み
合わせると、fos型悪性腫瘍の処置に有用であり得る。
【0085】SIN-pcna/tnf:このベクターは、増殖細胞
核抗原(J.E.Selis,Leukemia(1988)2:561-601)および腫
瘍壊死因子エフェクター遺伝子を調節するシス作用調節
配列を使用する。PCNAは、すべての細胞において発現さ
れるが、この発現は一時的なものであり、細胞分化中に
おいてのみ発生する。従って、ベクターで感染した通常
の細胞は、有毒な濃度のTNFを生産することはないが、
常に細胞分裂の状態である悪性過剰増殖細胞は、有毒な
濃度を発現し得る。
【0086】SIN-acg/ifn:このベクターは、β−インタ
ーフェロンエフェクター遺伝子と共にαコリオゴナドト
ロピン(S.E.Goelz,Science(1985)228:187-90)を発現す
るシス作用調節配列を使用する。このベクターは、前述
のベクターのように、acgが通常細胞においてあまり頻
繁に発現されないという事実に依存しており、がんの処
置には有用であり得る。
【0087】SIN-IgG/Rbz:このベクターは、慢性骨髄性
白血病(CML)において発生するbcl/ablスプライス部位に
特異的なリボザイムエフェクター遺伝子と共に、IgGか
らのシス作用調節配列を使用する。IgGは、B細胞におい
て発現されるため、CMLに対する細胞型の保護が得られ
る。
【0088】SIN-e7/Ld:このベクターは、Leishmania
donovaniプリン2'−デオキシリボヌクレオシダーゼ遺伝
子と共にあるヒトパピローマウイルス16型(HPV16)のE7
遺伝子に応答するシス作用調節配列を使用する。HPV16
E7遺伝子の発現は、子宮頸のがんと関連しており(Phelp
sら、Cell(1988)53:539-47)、このベクターは(薬物6−
メチルプリン 2-デオキシリボシドと組み合わさって)E
7遺伝子が発現される細胞を破壊する。
【0089】HIV-2/tk:このベクターは、HIV-2由来であ
りpsi(キャプシドに包まれた)シグナルおよびenv遺伝子
からのrev応答エレメントと重なるgag遺伝子の部分を除
いて、すべての内部遺伝子が欠失しているHIV-2から得
られる。HSV-1 tk遺伝子をpsi配列の3'側に挿入し、HIV
-2 LTRの制御下で発現させる。所望されるなら、HIV-1
tar配列をHIV-2 tar配列と交換してもよい。このベ
クターは、HIV gag配列ATGコドンを欠失または改変し
(Guildら、前出)、ATG開始コドンからHSV-1 tk遺伝子の
発現を得ることによって、ゲノムの長さのRNAからHSV-1
tkを発現させるのに用い得る。あるいは、gag開始コド
ンを改変させることなく、HSV-1 tk遺伝子の5'側にHIV-
2 envスプライスアクセプターを含み得、このようにし
て、スプライスしたサブゲノムmRNAを介してHSV-1 tkの
発現を得る。いずれの場合においても、HSV-1 tkの発現
は、常在性HIV-1プロウイルスまたは重複感染HIV-1ウイ
ルスからのtatによる相補に依存する。ACVまたはGCVの
投与と組み合わせてtkを発現させると、抗ウイルス剤の
有毒なレベルが活性化され、このようにして感染細胞が
破壊される。これらの構築物は、HIV-2エンベロープま
たはHIV-1SF162エンベロープのいずれかにパッケージン
グされ得、後者は、感染したマクロファージを標的とし
破壊するのに有用である。
【0090】HIV-2/TCR-tk:この構築物は、内部にT細胞
受容体プロモーターを取り入れてHSV-1 tkの発現を促進
し、HIV-2 gag遺伝子の5'末端側にenvおよびpsiシグナ
ルからのRREを含む。グルココルチコイド応答MoMLVの構
築についてのJ.Overhauserら、J.Virol(1985)54:133-34
によって記載される原理に従って、TCR α不変領域エ
ンハンサー配列を(Hoら、Proc Nat Acad Sci USA(1989)
86:6714によって記載されるように)挿入することによっ
て、ベクターの3'側LTRを修飾する。HIV-2/TCR-tkベク
ターは、インビボでCD4 +細胞に感染し、そして遺伝的に
トランスフェクションするのに使用され得る。通常、ベ
クターもT4細胞もtatを含まないため、ウイルスLTR中で
開始する転写産物の発現は、HIVによる感染がなくては
起こらない。転写の開始(tkの発現)は、内部TCRプロモ
ーターから起こる。このプロモーターからの発現は、プ
ロウイルスLTRに導入されたTCRαエンハンサーの存在に
よって促進される。このベクターは、遺伝的に形質転換
されたTHリンパ球においてtkの構成的発現を提供し、
抗ウイルス物質(すなわち、ACV、ddC等)を活性化する。
これによって、ACVおよび細胞中の関連化合物は、それ
らが通常は効力を発揮しない細胞において使用され得
る。図4に示されるように、低濃度でのAZTの効力も高
められる。様々な抗ウイルス剤を使用するには、HIVに
よる薬物耐性の増加の可能性を減少させなければならな
い。類似ベクターは、使用されるHIV配列の代わりにMLV
ウイルス成分を使用し、MLV両屈性パッケジング細胞株
を使用することによって調製され得る。
【0091】(実施例7;構築物のインビボ投与) (A)HIV−べースのベクターのパッケージング細胞株
は、以下のように構築される:gag-polコード配列を、HI
V-1またはHIV-2から単離し、発現ベクターのヒトサイト
メガロウイルス(CMV)主要極初期(MIE)プロモーター制御
下に挿入する。適切なポリアデニル化配列、例えば、SV
40ポリAコード配列のように、gag-pol挿入体の3'側に提
供する。核持ち出しを行うために、gag-polおよびenV配
列は両方とも、envコード領域に存在するrev応答エレメ
ント(RRE)を含んでいなければならない(M.H.Malimら、N
ature(1989)338:254-57)。
【0092】最終的に生じるベクターの最終特異性を決
定するenv配列(RREを含む)を、選択されたHIV-1、HIV-2
またはSIV-1株から得、別々の発現ベクターのCMV MIE
プロモーターの制御下に挿入する。この構築において、
β−グロビンポリA配列を使用する。マーカーまたはリ
ポーター遺伝子(例えば、neor)のコード配列を任意に含
むenvコード配列の5'側にイントロンを挿入する。
【0093】個々の類似ベクターを構築して、SV40初期
プロモーターの制御下に、tat cDNAおよびrev cDNAを
挿入する。これらのベクターは、SV40 ポリA配列を使用
する。gag-pol、env、tatおよびrevのコード配列を分離
することによって、機能HIVウイルスを再生するための
組換えの可能性が最小になる。
【0094】次いで、発現ベクターを使用して、例えば
NIH-3T3、HeLa等の適切な細胞株をトランスフェクショ
ンすることによって、パッケージング細胞株を構築す
る。HIV-2/TCR-tkのような本発明のレトロウイルスベク
ターでトランスフェクションすると、真のHIV感染中(主
として、TH細胞)に感染する宿主細胞の集団を感染し得
る本発明の保護構築物が調製される。AZT、ACV、ddC等
の適切な抗ウイルス物質と共に投与すると、この処置物
は、感染HIV複製から感染細胞を保護する。
【0095】(B)マクロファージ/単球栄養性構築物
を上記のセクションAの手法に従って、但し、envタンパ
クを提供するためにHIV-1SF162 env遺伝子を使用して調
製する。HIV-2/tkのような本発明のベクターでトランス
フェクションすると、HIVと感染の保有宿主細胞、特に
マクロファージおよび単球を重複感染および破壊し得る
除去構築物(ablative construct)が提供される。
【0096】
【発明の効果】本願発明により、感染あるいは過剰増殖
障害について宿主細胞を処置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一般的なポリヌクレオチド構築物の図
である。
【図2】ベクターpTB1の図である。
【図3】ベクターpMXSVNeo−tar/tkの図
である。
【図4】実施例5に記載の実験の結果のグラフである。
【図5】実施例4に記載の実験の結果のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 35/76 A61K 39/395 N 38/55 C12N 5/00 B 39/395 A61K 37/64

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過剰増殖障害または感染性物質による感
    染について、宿主細胞を生体外で処置することにより得
    られる細胞であって、該感染または過剰増殖障害が、遺
    伝子の発現を調節し得るヒト疾患関連トランス作用調節
    因子により特徴づけられ、 該得られる細胞は、該トランス作用調節因子によりコン
    トロールされ得るシス作用調節配列;およびその発現が
    該細胞を防御あるいは破壊に対して感受性にする、該シ
    ス作用調節配列のコントロール下にあるエフェクター遺
    伝子を含むポリヌクレオチド構築物を含み、該エフェク
    ター遺伝子が、 感染性物質タンパク質または該過剰増殖障害に特異的な
    タンパク質のグリコシル化、ミリスチル化、またはリン
    酸化を阻害するタンパク質;RNase;またはリボザイム
    である遺伝子産物をコードする、細胞。
  2. 【請求項2】 前記シス作用調節配列が前記エフェクタ
    ー遺伝子に動作可能に連結された少なくとも2つの連な
    ったコピーで存在する、請求項1に記載の細胞。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の細胞であっ
    て、前記エフェクター遺伝子がポリヌクレオチド配列の
    少なくとも2つのコピーおよび強力な終結領域に動作可
    能に連結され、 該ポリヌクレオチド配列の少なくとも2つのコピーが、
    前記感染性物質または前記過剰増殖障害の調節エレメン
    ト領域に相同であって、そして、該感染性物質または該
    過剰増殖障害に関連するトランス作用調節因子に結合す
    る能力を有し、 該相同なポリヌクレオチド配列が、該トランス作用調節
    因子について、該感染性物質または該過剰増殖障害の該
    調節エレメント領域と拮抗する、細胞。
  4. 【請求項4】 前記感染性物質がHIV−1またはHI
    V−2を含み、そして前記トランス作用調節因子がta
    tを含む、講求項3に記載の細胞。
  5. 【請求項5】 過剰増殖障害または感染性物質による感
    染について、宿主細胞を処置するためのポリヌクレオチ
    ド構築物であって、該感染または該過剰増殖障害が、D
    NAの発現を調節し得るヒト疾患関連トランス作用調節
    因子により特徴づけられ、 該トランス作用調節因子によりコントロールされ得るシ
    ス作用調節配列;およびその発現が該細胞を防御あるい
    は破壊に対して感受性にする、該シス作用調節配列のコ
    ントロール下にあるエフェクター遺伝子を含み、該エフ
    ェクター遺伝子が、 感染性物質タンパク質または該過剰増殖障害に特異的な
    タンパク質のグリコシル化、ミリスチル化、またはリン
    酸化を阻害するタンパク質;RNase;またはリボザイム
    である遺伝子産物をコードする、構築物。
  6. 【請求項6】 哺乳動物細胞内で前記構築物を安定に保
    持するためのポリヌクレオチド保持配列をさらに含む、
    請求項5に記載の構築物。
  7. 【請求項7】 前記保持配列がウイルスベクターまたは
    遺伝子標的ベクターを含む、請求項6に記載の構築物。
  8. 【請求項8】 ワクシニア、HIV−1、HIV−2、
    アデノウイルス、およびアデノ関連ウイルスから選択さ
    れる組み換えウイルスベクターを含む、請求項5から7
    のいずれかに記載の構築物。
  9. 【請求項9】 複製欠陥レトロウイルスベクターを含
    む、請求項5から7のいずれかに記載の構築物。
  10. 【請求項10】 前記複製欠陥レトロウイルスベクター
    が、HIV−1またはHIV−2由来のgp160env
    糖タンパク質コード配列をさらに含む、請求項9に記載
    の構築物。
  11. 【請求項11】 前記シス作用調節配列がHIV ta
    tタンパク質に応答し得る、請求項5から10のいずれ
    かに記載の構築物。
  12. 【請求項12】 前記シス作用調節配列が前記エフェク
    ター遺伝子に動作可能に連結された少なくとも2つの連
    なったコピーで存在する、請求項5から11のいずれか
    に記載の構築物。
  13. 【請求項13】 過剰増殖障害または感染性物質による
    感染について宿主細胞を処置するための組成物であっ
    て、請求項5から12のいずれかに記載のポリヌクレオ
    チド構築物、および薬学的に受容され得るキャリアを含
    有する、組成物。
  14. 【請求項14】 前記薬学的に受容され得るキャリアが
    リポソームを包含する、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記リポソームが処置されるべき宿主
    細胞に特異的な抗体をさらに含有する、請求項14に記
    載の組成物。
  16. 【請求項16】 ヒトまたは動物体の処置または治療方
    法に用いるための、請求項5から12のいずれかに記載
    の構築物または請求項13から15のいずれかに記載の
    組成物。
  17. 【請求項17】 前記治療が、生物内の選択された細胞
    集団を感染または過剰増殖性の形質転換から防御するた
    めである、請求項16に記載の使用のための構築物また
    は組成物。
  18. 【請求項18】 生物内の選択された細胞集団を感染ま
    たは過剰増殖性の形質転換から防御するためのポリヌク
    レオチド構築物であって、 実質的に選択された該細胞集団にのみ見出されるヒト疾
    患関連トランス作用調節因子の存在下でのみエフェクタ
    ー遺伝子の発現を促進させるシス作用調節配列;および
    その発現が該細胞集団の細胞を防御または破壊に対して
    感受性にする、該シス作用調節配列のコントロール下に
    あるエフェクター遺伝子を含み、該エフェクター遺伝子
    が、 感染性物質タンパク質または該過剰増殖障害に特異的な
    タンパク質のグリコシル化、ミリスチル化、またはリン
    酸化を阻害するタンパク質;RNase;またはリボザイム
    である遺伝子産物をコードする、構築物。
  19. 【請求項19】 前記シス作用調節配列が前記エフェク
    ター遺伝子に動作可能に連結された少なくとも2つの連
    なったコピーで存在する、請求項18に記載の構築物。
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