JP3492037B2 - 油性ゲル状組成物および成形体 - Google Patents

油性ゲル状組成物および成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた柔軟性および耐久
性を兼ね備え、冷熱安定性に優れた油性ゲル状組成物お
よびそれを用いた成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、褥創防止用のマットなどの体
圧分散(応力分散)マットや、防音材や衝撃吸収材(ク
ッション材)などに油性ゲル状の成形体が用いられてい
る。一般的には特公昭54−2661号公報や特公昭5
4−4734号公報、特公平2−61496号公報に記
載されているように、このような油性ゲル状の成形体は
ゴム弾性を有する高分子物質と油状成分を均一に溶解混
合し、これを有機過酸化物によって架橋することによっ
て、油状成分の遊離、離脱を防止して安定的に含有保持
してなるゲル状組成からなるものである。
【0003】上記組成からなるものは、優れた応力分散
性や油状成分の保持性、柔軟性に優れるものの、長期間
にわたって連続して応力がかかる場合には、次第に成形
体の型崩れを起こして永久変形してしまうことがある。
特に、大きな荷重を長期間かけた場合にはこのような問
題が生じやすく、場合によってはゲル構造の破壊を伴う
恐れもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の油
性ゲル状組成物が有する課題を解決するためになされた
ものであって、従来の油性ゲル状組成物が有する特性と
共に、長期間にわたる耐久性を有する油性ゲル状組成物
およびそれを用いた成形体を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の
ゴム状弾性体と共に特定の重量平均分子量を有する常温
で液状のゴム成分を配合し、これに油状成分を配合した
組成物を、有機過酸化物によって架橋処理してなるゲル
状物が優れた耐久性を発揮することを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は重量平均分子量が10万以
上の常温で固体状のゴム状弾性体と、重量平均分子量が
1000〜60000の常温で液状のゴム成分と、上記
弾性体およびゴム成分を溶解しうる沸点が常圧で300
℃以上の油状成分とからなる組成物であって、有機過酸
化物による架橋処理が施されていることを特徴とする油
性ゲル状組成物を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上記油性ゲル状組成物を
厚膜状に成形してなる成形体、特には褥創予防用マット
の如き圧力分散用マットを提供するものである。
【0008】本発明の油性ゲル状組成物は、重量平均分
子量が10万以上の常温で固体状のゴム状弾性体をゲル
骨格の一成分とするものである。このゴム状弾性体は高
弾性や油状成分の保持・保形性、柔軟性を付与するゲル
骨格として機能するものであり、重量平均分子量が10
万に満たないものを用いると、成形した場合に各種用途
で使用すると短期間での型崩れを生じて、応力分散性が
充分に発揮しなくなる。このようなゴム状弾性体の材質
としては、具体的には天然ゴムや合成イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム、イソブ
チレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム、
スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソ
プレン−スチレンゴム、アクリルゴムなどの分子内に二
重結合を有するゴム状弾性体を用いることができる。こ
れらの弾性体のうち保形性、柔軟性、材質の安定性の点
から合成ゴム、特にブタジエンゴムやイソプレンゴム、
スチレン−ブタジエンゴムを用いることが好ましい。こ
れらのゴム状弾性体は分子内に有する二重結合が後述す
る有機過酸化物と架橋反応を起こしてゲル化し、良好な
弾性および保形性を有するようになる。
【0009】これらの常温で固体状のゴム状弾性体の配
合量は、後述する油状成分100重量部に対して5〜3
0重量部、好ましくは10〜20重量部程度の範囲とす
る。配合量が5重量%に満たない場合には、架橋処理を
施しても、チキソトロピックな液状体となって保型性に
欠けるために目的とするゲル成形体が得られない恐れが
ある。一方、配合量が30重量%を超えると、高弾性体
となってしまって充分な応力分散性を発揮しない可能性
があり、成形加工も行いにくくなる。
【0010】また、本発明の油性ゲル状組成物に配合す
るゴム成分として重量平均分子量が1000〜6000
0の常温で液状のゴム成分は、本発明の効果である耐久
性に大きく影響する成分である。特に、この液状ゴム成
分の重量平均分子量が60000を超えると、室温下で
の流動性がなくなり作業性や生産性が悪くなって好まし
くない。
【0011】このような常温で液状のゴム成分の材質と
しては、具体的にはポリイソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、1,3−ペンタジエンゴムなどの分子内に官能基を
有さないものや、あるいはこれらのゴムの主鎖中にヒド
ロキシル基やカルボキシル基を導入したものが挙げられ
る。これらのうち、特に好ましいゴムとしては、ポリイ
ソプレンゴムやブタジエンゴムが用いられる。
【0012】これらの常温で液状のゴム成分の配合量
は、後述する油状成分100重量部に対して5〜30重
量部、好ましくは10〜20重量部程度の範囲とする。
配合量が5重量%に満たない場合には、架橋処理を施し
ても保型性を有するだけの充分なゲル強度を得ることが
難しい。一方、配合量が30重量%を超えると、高弾性
体となってしまって充分な応力分散性を発揮しない可能
性があり、成形加工も行いにくくなる。
【0013】また、本発明において上記ゴム状弾性体お
よび液状ゴム成分を溶解し、均一に含有・保持される油
状成分は、沸点が常圧下で300℃以上のも高沸点のも
のである。沸点が300℃に満たないものでは、本発明
の油性ゲル状組成物を調製する際の加熱温度領域で蒸散
してしまい、油状成分を目的量含有しがたくなる。この
ような油状成分としては、具体的にはオリーブ油、ヒマ
シ油などの植物油、流動パラフィン、プロセスオイルな
どの鉱物油、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジオクチ
ル、アジピン酸ジオクチル、桂皮酸エチル、フェニル酢
酸エチル、オレイン酸エチル、安息香酸ベンジルなどの
エステル油、スクワラン、スクワレンなどの動物油、液
状乳化剤などが用いられる。このような油状物質の量
は、所望するゲル強度、柔軟性、弾性率などによって任
意であるが、上記ゴム状弾性体および液状ゴム成分との
配合比率の範囲内に設定することが好ましい。
【0014】本発明では上記ゴム状弾性体と油状物質に
有機過酸化物を含有させ、これらを架橋、ゲル化反応さ
せて油性ゲル状組成物とする。用いる有機過酸化物とし
ては、例えばメチルエチルケトンパーオキシド、シクロ
ヘキサノンパーオキシド、クメンハイドロパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、過酢酸、ビニル系単量体
と酸素との低分子量共重合体過酸化物などが挙げられ
る。有機過酸化物の配合量は、目的とする応力分散性や
柔軟性、耐久性、油状成分の保持性の点から、前記常温
で固体状のゴム状弾性体100重量部に対して0.05
〜40重量部、好ましくは0.3〜10重量部の範囲と
する。また、必要に応じてナフテン酸コバルトやオクテ
ン酸スズなどの架橋反応促進剤をゲル組成液100重量
部に対して0.1〜1.0重量部添加することができ
る。
【0015】上記各成分をゲル化させて本発明の油性ゲ
ル状組成物を得るが、ゲル化には通常、酸素遮断下(ま
たは不活性ガス雰囲気下)で加熱操作を施すことが、架
橋効率の点からは好ましい。また、本発明では上記構成
のように有機過酸化物によって架橋・ゲル化させている
ので、従来の油性ゲル状組成物のように油状成分が遊離
することもなく、従って、取扱い時に汚染して不快感を
与えることもない。
【0016】本発明の油性ゲル状組成物は上記各成分に
加え、必要に応じてカーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、カオリン、シリカ、酸化チタン、クレーなどの無機
充填剤やガラスビーズ、ポリスチレンやポリメタクリル
酸メチルなどのプラスチックビーズ、レーヨン、ポリエ
ステルなどの繊維類などを適宜配合することもできる。
また、本発明ではゴム状弾性体や液状ゴム成分、油状物
質を用いているので、熱劣化や酸化劣化、光劣化などを
起こしやすく、これらを防止する目的で各種老化防止剤
や紫外線吸収剤を添加することが好ましい。さらに、必
要に応じて各種顔料や染料、香料、粘度付与剤などを添
加することもできる。これらの任意成分としての添加剤
は全量に対して約40重量%以内となるように配合する
ことが好ましい。
【0017】このようにして得られる組成物は、加熱操
作を行うと配合している有機過酸化物によって架橋・ゲ
ル化が起こり、冷熱非可逆性の油性ゲル状の組成物とな
る。加熱条件としては配合する液状ゴム成分や油状成分
の種類や量によって任意であり、特に限定されるもので
はないが、実用的には50〜150℃程度とする。
【0018】本発明の油性ゲル状組成物は厚み15m
m、直径47mmの円板状の成形体に成形した場合、レ
オメーター試験機を用いてこれに直径10mmの球状プ
ローブを10mmの深さにまで挿入した際の圧縮応力
(反発応力)が、100〜250g程度の値を示すもの
である。従って、優れた高弾性および応力分散性を発揮
するのである。圧縮応力(反発応力)が100gに満た
ない場合には長期間にわたる連続荷重負荷試験において
ゲル破壊や変形を起こしてしまい、250gを超えると
目的とする応力分散性を充分に発揮しなくなる。
【0019】また、80〜150℃の高温領域に保存し
た場合でも、常温時の弾性率の80%以上の弾性率を有
するものであって、極めて高弾性であると共に、柔軟
性、応力緩和性、機械的強度を有するものである。この
ように、本発明の組成物は高温条件下でも極めて安定で
あるので、加熱滅菌工程が必要となる用途が好ましく、
例えば超音波診断に用いるカプラーなどに極めて有用な
ものである。
【0020】本発明の油性ゲル状組成物は架橋処理を施
す前に、油状成分を透過しないようなポリウレタンフィ
ルムやポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムなど
のプラスチックフィルムからなる袋への充填、密封や、
金型への流延、押出し機による押出し、塗工機を用いた
シートやフィルム上への塗工を行い、これを加熱処理す
ることによって所望形状の成形体とすることができる。
得られた成形体はフィルムやメリヤス布、不織布、織
布、編布などのカバー材で表面をカバーして使用に供す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0022】実施例1 流動パラフィン(沸点300℃/常圧)255gに、ポ
リイソプレンゴム(シス1,4結合98%、ムーニー粘
度〔ML1+4、100℃〕90、重量平均分子量90
万)15gを細かく裁断しながら配合し、窒素ガス雰囲
気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解させたの
ち、40℃以下まで冷却した。
【0023】これを分子内に官能基を有さない液状ポリ
イソプレンゴム(重量平均分子量3万)30gと充分に
攪拌混合し、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシ
ノエート2.0gを加えて、均一に分散混合させた。
【0024】上記のようにして得られた配合物を袋状の
ポリウレタンフィルム(14cm×14cm)に充填
し、脱気処理を施した。脱気処理終了後、袋内に酸素が
残存しないようにして密封し、120℃で120分間加
熱して架橋処理を施し、厚さ20mmの柔軟な油性ゲル
状のマットを作製した。
【0025】実施例2 実施例1と同様にして得た配合物を深さ15mm、直径
47mmの金型内に流し込み、脱気処理を施して酸素不
存在下、120℃で120分間加熱して架橋処理を施
し、厚さ15mmの柔軟な油性ゲル状マットを作製し
た。このマットは褥創予防用マットとして用いたとこ
ろ、良好な応力分散性を示し、1カ月使用中にゲル変形
や破壊を生じることはなかった。
【0026】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約140gであった。
【0027】実施例3 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧)240g
に、スチレン−ブタジエンゴム(スチレン量24%、ム
ーニー粘度〔ML1+4、100℃〕32、重量平均分
子量37万)30gを細かく裁断しながら配合し、窒素
ガス雰囲気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解
させ、粘稠な溶液とした。
【0028】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、分子内に官能基を有さない液状ポリイソプレンゴム
(重量平均分子量3万)30gと充分に攪拌混合し、ベ
ンゾイルパーオキシドをジオクチルフタレート中に分散
させたペースト物0.8gを加えて、均一に分散混合さ
せた。
【0029】上記のようにして得られた配合物を深さ1
5mm、直径47mmの金型内に流し込み、脱気処理を
施して酸素不存在下、120℃で120分間加熱して架
橋処理を施し、厚さ15mmの柔軟な油性ゲル状マット
を作製した。このマットは褥創予防用マットとして用い
たところ、良好な応力分散性を示し、1カ月使用中にゲ
ル変形や破壊を生じることはなかった。
【0030】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約210gであった。
【0031】実施例4 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧)255g
に、ポリイソプレンゴム(シス1,4結合98%、ムー
ニー粘度〔ML1+4、100℃〕90、重量平均分子
量90万)15gを細かく裁断しながら配合し、窒素ガ
ス雰囲気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解さ
せ、粘稠な溶液とした。
【0032】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、分子内に官能基を有さない液状ポリブタジエンゴム
(重量平均分子量2000)30gと充分に攪拌混合
し、ベンゾイルパーオキシドをジオクチルフタレート中
に分散させたペースト物2.0gを加えて、均一に分散
混合させた。
【0033】上記のようにして得られた配合物を実施例
3と同様にして架橋処理を施し、厚さ15mmの柔軟な
油性ゲル状マットを作製した。このマットは褥創予防用
マットとして用いたところ、良好な応力分散性を示し、
1カ月使用中にゲル変形や破壊を生じることはなかっ
た。
【0034】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約200gであった。
【0035】実施例5 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧)255g
に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
ゴム(スチレン含量15%、溶液粘度(25℃)160
0センチポイズ、重量平均分子量25万)20gを細か
く裁断しながら配合し、窒素ガス雰囲気下で100℃に
加熱して攪拌して完全に溶解させ、粘稠な溶液とした。
【0036】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、分子内に官能基を有さない液状ポリイソプレンゴム
(重量平均分子量3万)25gと充分に攪拌混合し、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5
gを加えて、均一に分散混合させた。
【0037】上記のようにして得られた配合物を実施例
1と同様にして袋状フィルム内で架橋処理を施し、厚さ
20mmの柔軟な油性ゲル状マットを作製した。
【0038】実施例6 実施例5と同様にして得た配合物を深さ15mm、直径
47mmの金型内に流し込み、脱気処理を施して酸素不
存在下、120℃で120分間加熱して架橋処理を施
し、厚さ15mmの柔軟な油性ゲル状マットを作製し
た。このマットは褥創予防用マットとして用いたとこ
ろ、良好な応力分散性を示し、1カ月使用中にゲル変形
や破壊を生じることはなかった。
【0039】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約225gであった。
【0040】実施例7 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧)155gと
流動パラフィン(沸点300℃/常圧)100gに、ポ
リイソプレンゴム(シス1,4結合98%、ムーニー粘
度〔ML1+4、100℃〕90、重量平均分子量90
万)15gを細かく裁断しながら配合し、窒素ガス雰囲
気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解させ、粘
稠な溶液とした。
【0041】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、分子内に官能基を有さない液状ポリイソプレンゴム
(重量平均分子量3万)30gと充分に攪拌混合し、ベ
ンゾイルパーオキシドをジオクチルフタレート中に分散
させたペースト物1.8gを加えて、均一に分散混合さ
せた。
【0042】上記のようにして得られた配合物を実施例
3と同様にして架橋処理を施し、厚さ15mmの柔軟な
油性ゲル状マットを作製した。このマットは褥創予防用
マットとして用いたところ、良好な応力分散性を示し、
1カ月使用中にゲル変形や破壊を生じることはなかっ
た。
【0043】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約130gであった。
【0044】比較例1 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧)200g
に、スチレン−ブタジエンゴム(スチレン量24%、ム
ーニー粘度〔ML1+4、100℃〕32、重量平均分
子量37万)20gを細かく裁断しながら配合し、窒素
ガス雰囲気下で100℃に加熱して攪拌して完全に溶解
させ、粘稠な溶液とした。
【0045】得られた粘稠溶液を40℃以下まで冷却
し、ベンゾイルパーオキシドをジオクチルフタレート中
に分散させたペースト物0.4gを加えて、均一に分散
混合させた。
【0046】上記のようにして得られた配合物を深さ1
5mm、直径47mmの金型内に流し込み、脱気処理を
施して酸素不存在下、120℃で120分間加熱して架
橋処理を施し、液状ゴム成分を含有しない厚さ15mm
の柔軟な油性ゲル状マットを作製した。このマットは褥
創予防用マットとして用いたところ、良好な応力分散性
を示したが、1カ月使用後にゲル破損が生じた。
【0047】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約190gであった。
【0048】比較例2 セバシン酸ジエチル(沸点345℃/常圧℃)180g
に、分子内に官能基を有さない液状ポリイソプレンゴム
(重量平均分子量3万)20gを室温下で充分に攪拌混
合し、さらに、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート0.5gを加えて、均一に分散混合させた。
【0049】上記のようにして得られた配合物を深さ1
5mm、直径47mmの金型内に流し込み、脱気処理を
施して酸素不存在下、120℃で120分間加熱して架
橋処理を施し、ゴム弾性体を含有しない厚さ15mmの
柔軟な油性ゲル状マットを作製した。このマットは褥創
予防用マットとして用いたところ、良好な応力分散性を
示したが、1カ月使用後にゲル破損が生じた。
【0050】得られたマットを応力測定機レオメーター
(不動工業社製、NRM−3002D型)を用いて測定
したところ、反発応力は約110gであった。
【0051】
【発明の効果】本発明の油性ゲル状組成物およびその成
形体は上記のような構成からなるので、保形性や柔軟
性、適度な弾性に優れ、含有する油状成分が経日的にブ
ルーミングすることもないのである。特に、本発明品は
特定の液状ゴム成分を配合しているので、従来の油性ゲ
ル状組成物に比べて長期間にわたる応力負荷においても
永久変形やゲル破損が生じないすぐれた特性を発揮する
ものである。
【0052】また、この組成物は人体の軟組織に近い機
械的物性を有するので各種分野の用途に利用できるが、
特に、褥創予防用マットや保温用マット、保冷用マッ
ト、衝撃吸収材、クッション材などに利用することが有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 7/00 - 21/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が10万以上の常温で固
    体状のゴム状弾性体と、重量平均分子量が1000〜6
    0000の常温で液状のゴム成分と、上記弾性体および
    ゴム成分を溶解しうる沸点が常圧で300℃以上の油状
    成分とからなる組成物であって、有機過酸化物による架
    橋処理が施されていることを特徴とする油性ゲル状組成
    物。
  2. 【請求項2】 油状成分100重量部に対して、ゴム状
    弾性体および液状のゴム成分がそれぞれ5〜30重量部
    配合されている請求項1記載の油性ゲル状組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の油性ゲル状組成
    物が厚膜状に成形されていることを特徴とする成形体。
  4. 【請求項4】 厚膜状に成形された成形体が、圧力分散
    用マットである請求項1記載の成形体。
  5. 【請求項5】 圧力分散用マットが褥創予防マットであ
    る請求項4記載の成形体。
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