JP3489152B2 - ホスフィン化合物およびそれを配位子とする遷移金属錯体 - Google Patents

ホスフィン化合物およびそれを配位子とする遷移金属錯体

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JP3489152B2
JP3489152B2 JP26350693A JP26350693A JP3489152B2 JP 3489152 B2 JP3489152 B2 JP 3489152B2 JP 26350693 A JP26350693 A JP 26350693A JP 26350693 A JP26350693 A JP 26350693A JP 3489152 B2 JP3489152 B2 JP 3489152B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なホスフィン化合
物に関し、更に詳しくはルテニウム、パラジウム、ロジ
ウム、イリジウム、ニッケル等の遷移金属と錯体を形成
することによって、様々な不斉合成反応における有用な
触媒となりうるホスフィン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不斉合成反応に用いられる遷移金
属触媒については数多くの報告がなされており、これら
の中でも光学活性なホスフィン化合物を配位子とするル
テニウム、パラジウム、ロジウム等の遷移金属錯体は、
不斉合成の触媒として優れた性能を有することが広く知
られている。(日本化学会編、化学総説32「有機金属
錯体の化学」、PP237 〜238 、昭和57年)。
【0003】更に、軸不斉を有する2,2’−ビスジフ
ェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルは特に優れた
配位子であることが知られており、特開昭55−619
37号公報には、これを配位子としたロジウム錯体が報
告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反応の
種類またはその反応基質によっては、これらのホスフィ
ン錯体を用いても、生成物の選択性、転化率、触媒作用
の持続性等の点で必ずしも充分なものとは言い難いもの
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題点を解決
するために、ホスフィン化合物について種々検討の結
果、全く新しい構造を持つホスフィン化合物を見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1) (式中、Rは、炭素数5〜7のシクロアルキル基;低級
アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基も
しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル
基;または低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級
アルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていても
よいフェニルアルキル基を示す。)で示されるホスフィ
ン化合物および該ホスフィン化合物を配位子とする遷移
金属錯体を提供するものである。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の一般式(1)で示されるホスフィン化合物に於い
て、置換基Rの炭素数5〜7のシクロアルキル基として
は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプ
チル基等が挙げられる。また、ハロゲン原子、低級アル
キル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基で置換
されていてもよいフェニル基のうち、低級アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げられ、ハロ低級
アルキル基としては、トリフルオロメチル基等が挙げら
れる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等
が挙げられ、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキ
シ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。かかる置換基の
数は1から5の間の任意の整数である。フェニルアルキ
ル基としては、ベンジル基、1−フェネチル基、2−フ
ェネチル基、フェニルプロピル基などが挙げられる。フ
ェニルアルキル基のフェニルはハロゲン原子、低級アル
キル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基で置換
されていてもよく、その具体例及び置換基の数は上で説
明したフェニル基の場合と全く同様である。
【0008】また、本発明のホスフィン化合物(1)に
は、光学活性体である(+)体および(−)体が存在
し、本発明はこれらの(+)体、(−)体およびラセミ
体のいずれをも含むものである。
【0009】本発明のホスフィン化合物(1)は、例え
ば次の反応経路に従って製造することができる。 (Rは、前記と同じ意味を有する。)
【0010】すなわち、ホスフィンクロリド(5)はエ
ーテルあるいはテトラヒドロフラン溶媒中マグネシウム
と臭化物から得られるグリニャール試薬(8)とこれに
対し0.5 量以下の3塩化隣を加え、反応させることに
よって容易に合成することができる。 得られたホスフ
ィンクロリド(5)をジクロロメタン溶媒中1量以上
のジメチルスルホキシドを用いて酸化すればホスホニル
クロリド(6)が得られる。 ホスフィンクロリド
(5)およびホスホニルクロリド(6)はそれぞれ必要
により蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等により精製
することができる。
【0011】別途、アセトニトリル溶媒中当量の臭素と
トリフェニルホスフィンを反応させ、つぎに0.5 −1.0
量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ビフェナン
トリル(2)を加え、50℃以上にて加熱、さらに溶媒
を留去したのち200℃以上にて反応が完結するまで加
熱することにより3,3’−ジブロモ−4,4’−ビフ
ェナントリル(3)を得ることができる。必要により再
結晶、クロマトグラフィー等により精製することができ
る。 次に、エーテルあるいはテトラヒドロフラン溶媒
中3,3’−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル
(3)と2当量以上の金属マグネシウムを反応させ一般
式(4)で示されるグリニャール試薬(4)を得た後、
さきに得られたホスフィンクロリド(5)を2当量以上
加え、必要により加熱し、カップリングさせることによ
り3,3’−ビス置換ホスフィニル−4,4’−ビフェ
ナントリル(1)とすることができる。あるいはまた、
一般式(4)で示されるグリニャール試薬と2量以上
のホスホニルクロリド(6)を必要により加熱し、カッ
プリングさせ、3,3’−ビス置換ホスホニル−4,
4’−ビフェナントリル(7)に導いた後、化合物
(7)をトルエン、キシレンあるいはクロルベンゼン溶
媒中トリブチルアミン、トリエチルアミン等の有機アミ
ンを触媒として用い、1量以上、好ましくは5当量以
上のトリクロロシランを加え、加熱下、還元することに
よって3,3’−ビス置換ホスフィニル−4,4’−ビ
フェナントリル(1)とすることができる。さらに必要
により再結晶、クロマトグラフィー等により精製するこ
とができる。なお、上記反応後の後処理、精製は常法に
したがって処理することによって行うことができる。
【0012】この反応で原料として使用される3,3’
−ジヒドロキシ−4,4’−ビフェナントリル(2)が
光学活性であれば得られる3,3’−ビス置換ホスフィ
ニル−4,4’−ビフェナントリル(1)は光学活性化
合物であり、先で説明した反応中ラセミ化は起こらな
い。これは、原料である3,3’−ジヒドロキシ−4,
4’−ビフェナントリル(2)の化学構造上の理由によ
る為であり、上記で説明した各々の反応ではラセミ化せ
ず、軸不斉の環境を保持して進行する。したがって、出
発原料に光学活性なビフェナントロール(2)を用いれ
ば、最終生成物には光学活性な化合物(1)が得られ
る。また、ラセミ体のビフェナントロール(2)を用い
れば、ラセミ体の化合物(1)が得られてくる。よっ
て、使用の目的により、光学活性体およびラセミ体を作
り分けることが可能である。
【0013】ちなみに、従来のビナフチル系、あるいは
ビフェニル系のホスフィン化合物は、たとえ原料に光学
活性体を利用しても、上記各工程の反応でラセミ化する
ため、反応途中で光学分割する必要があり、収率の低下
や操作性で煩雑さが避けられなかった。
【0014】また、本発明によって得られる光学活性な
ホスフィン化合物(1)は、配位子として遷移金属に配
位し、錯体を形成する。この錯体を形成する遷移金属と
しては、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウ
ム、ニッケル等が挙げられる。本発明に係る遷移金属錯
体のうち、例えばパラジウム錯体を製造する方法の例と
しては、日本化学会編「第4版 実験化学講座」、第1
8巻、有機金属錯体、1991年 丸善 P.393に
記載の方法に従い、ジベンゾニトリルパラジウムジクロ
リドと本発明の光学活性なホスフィン化合物(1)を反
応させて製造することができる。
【0015】8さらに他の遷移金属錯体は以下の公知文
献に準じて製造することができる。 J.Am.Chem.Soc.93, 2397(197
1) J.Chem.Soc.Chem.Commun.92
2(1985) J.Med.Chem.31,2277(1988) 特開昭61−63690号公報等。
【0016】金属錯体としては、例えば下記に示すよう
な金属のゼロ価あるいはカチオンの錯体を使用すること
ができる。かかる金属錯体の具体例は、たとえば以下の
ようなものが挙げられる。 [Rh(COD)(ホスフィン化合物(1))]ClO
4 Rh(COD)(ホスフィン化合物(1))Cl [Rh(NBD)(ホスフィン化合物(1))]Cl Rh(CO)Cl(ホスフィン化合物(1)) PdCl2(ホスフィン化合物(1)) RuCl4(ホスフィン化合物(1))2(N(C25
3 ) Ru(acac)2 (ホスフィン化合物(1)) [RuCl(p−シメン)(ホスフィン化合物
(1))]Cl [Ir(COD)(ホスフィン化合物(1))]BF4 [Ir(COD)(ホスフィン化合物(1))]PF6 [Ir(COD)(ホスフィン化合物(1))]ClO
4 NiCl2 (ホスフィン化合物(1) (式中、CODは1,5−シクロオクタジエンを、NB
Dはノルボルナジエンを、acacはアセチルアセトナ
ート示す。)
【0017】遷移金属錯体の製造に用いられる金属化合
物は、例えば下記に示すような金属のゼロ価あるいはカ
チオン化合物であればよく、以下のものが例示される。
Rh(アセチルアセトナート)(NBD)、Rh(アセ
チルアセトナート)(COD)、Rh(アセチルアセト
ナート)2 、[Rh(COD)Cl]2 、 [Rh(N
BD)Cl]2 、[Rh(C2 4 2 Cl]2 、[R
h(OCOCH 3 2 Cl]2 、[Rh(1,5−ヘキ
サジエン)2 Cl]2 、Ru(アセチルアセトナート)
3
【0018】
【発明の効果】本発明によって得られるホスフィン化合
物(1)の光学活性体を配位子とする遷移金属錯体を、
不斉合成反応、例えば、不斉還元反応等の触媒として用
いると、高い収率かつ高い不斉収率で選択的に目的物を
得ることができる。また、本発明のホスフィン化合物
(1)の光学活性体のうち、(+)体または(−)体の
いずれか一方を選択し、これを配位子とする遷移金属錯
体を触媒として使用することにより、不斉合成反応にお
いて目的とする絶対立体配置の生成物を選択的に得るこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0020】(参考例) (光学活性な3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ビフ
ェナントリルの製造)ラセミの3,3’−ジヒドロキシ
−4,4’−ビフェナントリルはJ.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1065(198
5)に記載の方法に従い合成した。 このラセミ混合物
48.8gをHPLC(カラム:Sumichiral
OA−2000(住友化学製)、移動相:n−ヘキサ
ン/1,2−ジクロロエタン/エタノール=80/15
/5、紫外線検出器:波長254nm)により光学分割
し、(R)−(−)−3,3’−ジヒドロキシ−4,
4’−ビフェナントリルと(S)−(+)−3,3’−
ジヒドロキシ−4,4’−ビフェナントリルを各22.
8g得た。光学純度はそれぞれ99.8%ee、99.
6%eeであった。かかる光学活性な3,3’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ビフェナントリルの絶対配位はJ.
Chem.Soc.,Chem.Commun.,10
65(1985)に準じて決定した。
【0021】(実施例1)温度計、滴下漏斗を装着した
フラスコに、トリフェニルホスフィン13.1g(0.
05mol)とアセトニトリル30mlを加え、氷冷
下、臭素8.2g(0.051mol)を、30分かけ
て加えた。つぎに、(R)−(−)−3,3’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ビフェナントリル17.4g(0.
045mol)のアセトニトリル溶液30mlを加え
た。60℃で1時間撹拌後、溶媒を留去した。残渣を2
30〜250℃に昇温、さらに310℃で1時間撹拌
後、50℃まで冷却、トルエン200mlを加えた。不
溶分を濾別して除き、トルエンを減圧下に留去する。粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動
相:ジクロロメタン)で精製し(R)−(−)−3,
3’−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3−
1)10.4gを得た。収率45%。
【0022】次にここで得た(R)−(−)−3,3’
−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3−1)
5.1g(10mmol)と金属マグネシウム1.0g
(40mmol)をテトラヒドロフラン50ml中で反
応させ、グリニャール試薬を調製した。次に、ジフェニ
ルホスホニルクロリド(6−1)5.0g(21mmo
l)のテトラヒドロフラン30ml及びトルエン30m
l溶液を10〜15℃で1時間かけて滴下した。後、6
0〜70℃で3時間撹拌した。反応終了後、10%塩化
アンモニウム水溶液100mlを加え、トルエン200
mlにて抽出した。有機層は分液後、減圧下濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n
−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、(R)−
3,3’−ビス(ジフェニルホスホリル−4,4’−ビ
フェナントリル(7−1)4.1gを得た。収率54
%。
【0023】次に(R)−3,3’−ビス(ジフェニル
ホスホリル−4,4’−ビフェナントリル(7−1)
3.0g(4mmol)、トリブチルアミン11.1g
(60mmol)、トリクロロシラン8.0g(60m
mol)およびトルエン100mlの混合溶液を、還流
下に20時間反応させた。反応終了後冷却し、3N水酸
化ナトリウム水溶液90mlを加え、50℃で1時間撹
拌した。反応液を分液、有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチ
ル)で精製し、(R)−3,3’−ビス(ジフェニルホ
スフィニル−4,4’−ビフェナントリル(1−1)
3.0gを得た。収率69%。
【0024】(実施例2)上で得た(R)−(−)−
3,3’−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3
−1)1.0g(2mmol)と金属マグネシウム0.
2g(8mmol)をテトラヒドロフラン20ml中で
反応させ、グリニャール試薬を調製した。次に、ジー4
ートリルホスフィニルクロリド(5−2)1.5g(6
mmol)のテトラヒドロフラン5ml溶液を10〜1
5℃で1時間かけて滴下した。その後、還流下に5時間
撹拌した。反応終了後、10%塩化アンモニウム水溶液
20mlを加え、トルエン70mlにて抽出した。有機
層は分液後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(移動相:トルエン/酢酸エチル=1
/4)で精製し、(R)−3,3’−ビス(ジ−4−ト
リルホスフィニル−4,4’−ビフェナントリル(1−
2)0.4gを得た。収率25%。
【0025】(実施例3)温度計、滴下漏斗を装着した
フラスコに、トリフェニルホスフィン13.1g(0.
05mol)とアセトニトリル30mlを加え、氷冷
下、臭素8.2g(0.051mol)を、30分かけ
て加えた。つぎに、(S)−(+)−3,3’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ビフェナントリル17.4g(0.
045mol)のアセトニトリル溶液30mlを加え
た。60℃で1時間撹拌後、溶媒を留去した。残渣を2
30〜250℃に昇温、さらに310℃で1時間撹拌
後、50℃まで冷却、トルエン200mlを加えた。不
溶分を濾別して除き、トルエンを減圧下に留去する。粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動
相:ジクロロメタン)で精製し(S)−(+)−3,
3’−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3−
3)10.1gを得た。収率44%。
【0026】次にここで得た(S)−(+)−3,3’
−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3−3)
2.6g(5mmol)と金属マグネシウム0.5g
(20mmol)をテトラヒドロフラン30ml中で反
応させ、グリニャール試薬を調製した。次に、ジシクロ
ヘキシルホスホニルクロリド(6−3)3.0g(12
mmol)のテトラヒドロフラン20ml及びトルエン
30ml溶液を10〜20℃で1時間かけて滴下した。
後、60〜70℃で5時間撹拌した。反応終了後、10
%塩化アンモニウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル
80mlにて抽出した。有機層は分液後、減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動
相:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、
(S)−3,3’−ビス(ジシクロヘキシルホスホリル
−4,4’−ビフェナントリル(7−3)1.5gを得
た。収率38%。
【0027】次に(S)−3,3’−ビス(ジシクロヘ
キシルホスホリル−4,4’−ビフェナントリル(7−
3)1.2g(1.5mmol)、トリエチルアミン
3.0g(30mmol)、トリクロロシラン4.0g
(30mmol)およびトルエン40mlの混合溶液
を、還流下に28時間反応させた。反応終了後冷却し、
3N水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、50℃で
2時間撹拌した。反応液を分液、有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去して粗生成物を得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:
トルエン/酢酸エチル=1/4)で精製し、(S)−
3,3’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィニル−4,
4’−ビフェナントリル(1ー3)0.7gを得た。収
率65%。
【0028】(実施例4)上で得た(S)−(+)−
3,3’−ジブロモ−4,4’−ビフェナントリル(3
−3)2.6g(5mmol)と金属マグネシウム0.
5g(20mmol)をテトラヒドロフラン30ml中
で反応させ、グリニャール試薬を調製した。次に、ジー
4ーメトキシフェニルホスホニルクロリド(6−4)
3.0g(12mmol)のテトラヒドロフラン30m
l溶液を10〜20℃で1時間かけて滴下した。後、還
流下で8時間撹拌した。反応終了後、10%塩化アンモ
ニウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル80mlにて
抽出する。有機層は分液後、減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサ
ン/酢酸エチル=1/3)で精製し、(S)−3,3’
−ビス(ジ−4−メトキシフェニルホスホリル)−4,
4’−ビフェナントリル(7−4)2.6gを得た。収
率65%。
【0029】次に(S)−3,3’−ビス(ジ−4−メ
トキシフェニルホスホリル)−4,4’−ビフェナント
リル(7−4)1.6g(2mmol)、トリエチルア
ミン3.0g(30mmol)、トリクロロシラン4.
0g(30mmol)およびトルエン40mlの混合溶
液を、還流下に30時間反応させた。反応終了後冷却
し、3N水酸化ナトリウム水溶液40mlを加え、50
℃で3時間撹拌した。反応液を分液、有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して粗生成物を得
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動
相:トルエン/酢酸エチル=1/4)で精製し、(S)
−3,3’−ビス(ジ−4−メトキシフェニルホスフィ
ニル)−4,4’−ビフェナントリル(1−4)1.1
gを得た。収率72%。
【0030】(実施例5)実施例1で得られた光学活性
なホスフィン化合物を配位子とする遷移金属錯体を使っ
た不斉還元例を以下に示す。(R)−3,3’−ビス
(ジフェニルホスフィニル−4,4’−ビフェナントリ
ル(1−1)8.3mg(0.011mmol)とRu
(アセチルアセトナート)3 錯体 4.0mg,0.0
1mmol)をオートクレーブに入れ、窒素雰囲気下、
テトラヒドロフラン30mlを加え溶解した。この中に
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−フタ
ルイミド−3−オキソプロピオン酸メチル1.1g
(3.0mmol)を加えた。つぎにオートクレーブを
水素ガスにて置換した後、水素圧100Kg/cm2 ,
100℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し
水素ガスをパージした。反応液はそのまま減圧に濃縮し
た。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(移動相:クロロホルム/メタノール=10/1)で精
製し光学活性な3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフェニル)プロピオン酸メチル1.0gを得
た。収率94%。
【0031】(実施例6)実施例2で得られた光学活性
なホスフィン化合物を配位子とする遷移金属錯体を使っ
た不斉還元例を以下に示す。(R)−3,3’−ビス
(ジ−4−トリルホスフィニル−4,4’−ビフェナン
トリル(1−1)8.6mg(0.011mmol)と
[Rh(COD)Cl]2 錯体 2.2mg(0.00
44mmol)をオートクレーブに入れ、窒素雰囲気
下、メタノール20mlを加え溶解した。この中に、ト
リエチルアミン10.1mg(0.1mmol)と2−
アセタミド−3−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)−3−オキソプロピオン酸メチル0.7g(2.5
mmol)を加えた。つぎにオートクレーブを水素ガス
にて置換した後、水素圧120Kg/cm2 , 70℃で
120時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し水素ガス
をパージした。反応液はそのまま減圧に濃縮した。濃縮
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:
クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し光学活
性な2−アセタミド−3−ヒドロキシ−3−(3,4−
メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸メチル0.7
gを得た。収率97%。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07F 15/00 C07F 15/00 C E 15/04 15/04 (56)参考文献 特開 平5−239076(JP,A) 特開 平5−170780(JP,A) 特開 平4−139192(JP,A) 特開 平3−255090(JP,A) 特開 平3−20290(JP,A) 特開 平1−68386(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/00 C07F 15/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Rは、炭素数5〜7のシクロアルキル基;低級
    アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基も
    しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル
    基;または低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級
    アルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていても
    よいフェニルアルキル基を示す。)で示されるホスフィ
    ン化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のホスフィン化合物を配位
    子とする遷移金属錯体。
  3. 【請求項3】光学活性体である請求項1記載のホスフィ
    ン化合物。
  4. 【請求項4】請求項3記載のホスフィン化合物を配位子
    とする遷移金属錯体。
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