JP3722215B2 - 光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、不斉触媒、及び該光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体又は該不斉触媒を用いた光学活性化合物の製造方法 - Google Patents
光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、不斉触媒、及び該光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体又は該不斉触媒を用いた光学活性化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、農薬、各種機能材料、又はそれらの中間体などの製造において触媒として有用に用いられる光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、不斉触媒、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体及び動的触媒を用いた光学活性化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
エン反応、ディールス・アルダー反応、アルドール反応やグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応等の、有機合成上、基本的かつ重要な炭素−炭素結合形成反応は、現代社会を支える基礎的化学技術として重要なものであり、特に医薬品、農薬や各種機能材料等の製造、又はそれらの中間体などの製造に用いられている。上記反応においては、多段階の反応が用いられるのが通常であるが、近年、触媒の開発が進み、例えばジフェニルホスフィノフェロセン(DPPF)と金属との錯体が上記反応の触媒として用いられ、工程数を少なくすることのできる触媒として注目されている。
【0004】
しかしながら、DPPFと金属との錯体はラセミ体として得られ、その不斉を固定するのは困難であり、この触媒を用いて合成を行う場合、得られる化合物はエナンチオマー混合物(ラセミ体)であり、一方のエナンチオマーのみを得ることは困難であった。医薬品、農薬や各種機能材料等の分野における化学合成においては、高い収率で光学選択性に優れた不斉合成の実現が重要な課題になっている。不斉反応触媒に関しては、以下のような事実が従来知られている。
【0005】
不斉反応触媒として、遷移金属原子と有機配位子とを構成成分とする錯体を利用することは従来より知られており、その有機配位子として光学活性化合物を選択すること、特に軸不斉のジホスフィン配位子化合物を選択することは公知である。しかし、この軸不斉ジホスフィン配位子化合物は非常に高価なものであり、光学分割等を経て工業的に用いるには不利である。
【0006】
ラセミ触媒を何らかの方法で活用することができれば、安価で光学活性化合物を得ることのできる方法となり得る。ラセミ触媒を用いた不斉合成の手法としては、不斉不活性化剤を用いる方法、及び不斉活性化剤を用いる方法の2種類の方法が知られている。
【0007】
上記不斉不活性化剤を用いる方法としては、いわゆる「キラル触媒毒法(chiral poisoning)」と呼ばれる方法が知られている。この方法では、ラセミ触媒の一方の鏡像異性体(エナンチオマー)を選択的に錯形成/不活性化し、残ったエナンチオマー触媒により反応を行う。つまり、不斉不活性化の場合にはエナンチオマー選択的な錯形成が絶対的な要件となる。従来、ラセミ体の不斉配位子又は金属錯体を前駆体として用いる不斉合成がいくつか報告されている。そのようなものとして、例えばラセミ体のCHIRAPHOS(2,3−ビスジフェニルホスフィノブタン)に光学的に純粋な(S)−体のイリジウム錯体を作用させ、(R)−体のCHIRAPHOSとのコンプレックスを作成し、残った(S)−体のCHIRAPHOSをロジウム錯体としてデヒドロアミノ酸の不斉水素化反応に用いたものがある(J.M.Brownら、J.Chem.Soc.,Chem.Commun. (1986) p.1532)。
【0008】
また、ラセミ体のビナフトール−アルミニウム錯体に対しキラルなケトンを加え、(R)−体のビナフトール−アルミニウム錯体とコンプレックスを作成することにより不活性化し、残った(S)−体のアルミニウム錯体を反応に関与させることにより、不斉Diels-Alder反応を行っている例がある(H.Yamamotoら、J.Am.Chem.Soc.,(1989) No.111,p789)。
【0009】
さらに、ラセミ体のロジウム錯体に不活性化剤としてメチオニン由来のホスフィン配位子を加え、一方のエナンチオマーを不活性化することによってデヒドロアミノ酸の不斉水素化を行ったという報告もなされている(J.W.Fallerら、J.Am.Chem.Soc.,(1993) No.115,p804)。
上記論文に報告された方法によっては、不斉収率はそれほど高くなく、不活性化されたエナンチオマー錯体が選択的に生成されていないと考えられる。
【0010】
上記不斉活性化剤を用いる方法は、不斉活性化剤が、ラセミ触媒の一方のエナンチオマーを選択的に錯形成して元の触媒よりも高い触媒活性を付与することにより、ラセミ触媒による触媒的不斉合成を行うというものである。その際、エナンチオマー選択的な錯形成ができなくても、生成する2種類の錯体、例えば(S)−触媒/(S)−活性化剤と(R)−触媒/(S)−活性化剤はジアステレオマーの関係にあり、当然に両者の触媒活性には差があるはずである。従って、その差が大きい場合には高い不斉収率を達成することが可能である。
【0011】
本発明者は、不斉活性化により、ラセミBINAP(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナルチル)−Ru触媒を用いても高い不斉収率を達成し得る触媒的不斉水素化反応を報告している(T.Ohkumaら、J.Am.Chem.Soc.,(1998) No.120, p.1086)。その際、不斉活性化剤はラセミ触媒のいずれのエナンチオマーとも等しく錯形成し、2種類の活性化ジアステレオマー錯体を生成した。しかし、ジアステレオマーの関係にある、これら2種類の活性化錯体は、ケトン基質によっては、触媒活性に大きな差が示され、高い不斉収率が達成される。しかしながら、2種類の活性化錯体の触媒活性に大きな差がない場合は高い不斉収率が達成できず、用いられるケトン基質によって2種類の活性化錯体の触媒活性の差が大きく異なってくるため、ケトン基質においては一般性が低かった。
【0012】
上述した不斉不活性化剤及び不斉活性化剤を用いても、上記炭素−炭素結合形成反応において不斉収率を上げることはできなかった。従って、上記合成反応において不斉触媒反応に優れ、かつ安定性の高い新規触媒が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、不斉触媒反応に優れ、かつ安定性の高い新規触媒を提供することにある。本発明において提供される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体及び不斉触媒は、医薬品、農薬、各種機能材料、又はそれらの中間体などの製造に有用に用いられる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ジメタロセニルホスフ ィン誘導体と光学活性ジアミンとを反応させて得られる光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体及びジメタロセニルホスフィン誘導体を含有する触媒が上記目的を達成し得るという知見を得た。
【0015】
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、下記一般式(I)又は下記一般式(II)で示される、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を提供するものである。
【0016】
【化14】
【0017】
(上記式中、Xは金属類元素を示し、Mは金属類元素を示し、Arは置換基を有していてもよい芳香族置換基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
【0018】
【化15】
【0019】
(上記式中、Xは金属類元素を示し、Mは金属類元素を示し、Arは置換基を有していてもよい芳香族置換基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
【0020】
上記光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は不斉触媒に優れ、安定性の高い触媒である。すなわち、光学異性体の望むもののみを選択的に合成することのできる触媒であり、かつ化学的収率を向上させることのできる触媒である。
【0021】
また、本発明は下記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体と、光学活性ジアミンとを反応させ、上記一般式(I)又は上記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を得ることを特徴とする、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0022】
【化16】
【0023】
(式中、Xは金属類元素を示し、Arは置換基を有していてもよい芳香族置換基を示す。)
上記方法によれば、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を容易に製造することが可能である。
【0024】
また、本発明は、下記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体、及び光学活性ジアミンを含有する、不斉触媒を提供するものである。
【0025】
【化17】
【0026】
(式中、Xは金属類元素を示し、Arは置換基を有していてもよい芳香族置換基を示す。)
上記光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は不斉触媒に優れ、安定性の高い触媒である。すなわち、光学異性体の望むもののみを選択的に合成することのできる触媒であり、かつ化学的収率を向上させることのできる触媒である。
【0027】
また、本発明は、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応からなる群から選択される炭素−炭素結合形成反応を行う際に、触媒として、上記光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、又は上記不斉触媒を用いることを特徴とする、光学活性化合物の製造方法を提供する。
【0028】
本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は、炭素−炭素結合反応の触媒として有用であり、かかる反応において化学的収率と不斉収率を向上させることができる。本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は、特にエン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応に有用である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。先ず、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体について説明する。
本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は下記一般式(I)又は下記一般式(II)で示される。
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
上記一般式(I)及び一般式(II)において、Xは金属類元素を示し、その金属元素としては特に制限はないが、例えば鉄、ルテニウム、マンガン及びクロム等が挙げられ、中でも鉄及びルテニウムが好ましい。
また、Mは金属類元素を示し、その金属類元素としては、例えばパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム、ロジウム及びイソジウム等が挙げられ、中でもパラジウム、白金及びニッケルが好ましい。
【0033】
また、Arは置換基を有していてもよい芳香族置換基を示す。ここで置換基とは例えば低級アルキル基等が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
また、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては分子内にアミノ基を2個有しジアミンとなり得るものであればどのようなものでもよいが、例えば下記一般式で示されるものが例として挙げられる。
【0034】
【化20】
【0035】
上記式中、R1、R2、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、水素又はアルキル基を示す。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
また、上記式中、R5及びR6は置換基を有していてもよい芳香族置換基を示す。ここで置換基とは例えば低級アルキル基等が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0036】
上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体は、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応等の炭素−炭素結合形成反応の触媒となり得るが、上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体はラセミ体となり、合成反応によって得られる化合物もラセミ体となる。本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は、用いるジアミンの選択により、一方の光学異性体に固定されるので、合成反応によって得られる化合物はラセミ体とならず、一方の光学異性体を得ることのできる触媒となる。
なお、本発明の上記一般式(I)又は上記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は、塩の形態として得られ、例えば(SbF6)2塩、(ClO4)2塩、(OTf)2及び(BF4)2等の塩として得られる。
【0037】
次に、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法について説明する。本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法は、下記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体と、光学活性ジアミンとを反応させ、下記一般式(I)又は下記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を得ることを特徴とする。
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
上記一般式(I)、(II)及び(III)における、X、M、Ar及びRは、前述した通りである。
【0042】
本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法においては、上記一般式(I)又は上記一般式(II)のいずれかが得られる。いずれの光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を得るかは、用いるジアミンによって選択することが可能である。すなわち、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応等の炭素−炭素結合形成反応における最終的に目的とする化合物の異性体から、用いるジアミンを選択することができる。
【0043】
本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法の反応条件について以下に説明する。本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法において用いられる反応溶媒としては、有機合成の分野において通常に用いられる溶媒を用いることができ、例えばジクロロメタン、エタン、トルエン及びベンゾトリフルオライド等を用いることができる。
【0044】
本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法においては、上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体と、光学活性ジアミンとを上記溶媒中に混合溶解し、撹拌する。なお、光学活性ジアミンとしては、分子内にアミノ基を2個有するものであればどのようなものでも使用可能であり、例えば下記一般式で示されるものが例として挙げられる。
【0045】
【化24】
【0046】
上記式中、R1、R2、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、水素又はアルキル基を示す。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
また、上記式中、R5及びR6は置換基を有していてもよい芳香族置換基を示す。ここで置換基とは例えば低級アルキル基等が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0047】
反応温度は特に制限はないが、−78℃〜100℃程度の温度で行うことが好ましく、−20〜30℃の温度で行うことが更に好ましい。なお、反応混合液中にAgSbF6等の塩を一緒に混合して撹拌することにより、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は塩の形態として得ることが好ましい。また、反応時間は0.5〜100時間が好ましく、6〜24時間が更に好ましい。
【0048】
反応混合液中のジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体と、光学活性ジアミンとの混合比は、1:1でよいが、いずれか一方が過剰量入っていても特に問題はない。また、金属Mは2価のイオンとなるので、用いるAgSbF6等の塩はジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体の2倍量程度加えることが好ましい。
【0049】
次に、本発明の不斉触媒について説明する。本発明の不斉触媒は、下記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体、及び光学活性ジアミンを含有する。
【0050】
【化25】
【0051】
上記式中におけるX及びArについては上述した通りであり、Mについても上述した通りである。
反応混合液中のジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体と、光学活性ジアミンとの混合比は、1:1であることが好ましいが、いずれか一方が過剰量入っていても特に問題はない。また、本発明の不斉触媒は、上記一般式(I)又は上記一般式(II)の形態で触媒として機能すると考えられ、塩の形態として得ることが好ましい。そのような塩としては、例えば(SbF6)2塩、(ClO4)2塩、(OTf)2及び(BF4)2等の塩が挙げられ、金属Mが価のイオンとなるので、AgSbF6等の塩はジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体の2倍量程度加えることが好ましい。
【0052】
また、光学活性ジアミンとしては、上述したものと同様のものを用いることができる。
【0053】
上述した、本発明の不斉触媒は、光学活性ジアミンの選択により、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応等の炭素−炭素結合形成反応の際の触媒として用いた場合、得られる生成物がラセミ体とならず、一方の光学異性体を得ることのできる触媒として用いることができる。
【0054】
次に、本発明の光学活性化合物の製造方法について説明する。
本発明の光学活性化合物の製造方法は、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応からなる群から選択される炭素−炭素結合形成反応を行う際に、触媒として、上記一般式(I)又は上記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、又は上記不斉触媒を用いることを特徴とする。
【0055】
上述したように、上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属との錯体はラセミ体となるが、上述した方法により、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体(一般式(I)又は一般式(II))が得られ、また光学活性ジアミンと混合して用いることによって、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応等の炭素−炭素結合形成反応において、触媒として用いた際に、光学活性化合物を得ることができる。
【0056】
なお、上述したエン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応は、従来公知の方法とは異なり、特に冷却せずに室温で反応を行うことができる。従来の反応では、例えば−78℃程度の低温で反応を行う必要があったが、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を触媒として用いることにより、例えば室温でも反応を行うことができる。従って、冷却設備等を必要とせず、反応を行うことができる。反応温度は−78℃〜100℃程度の温度で可能である。
【0057】
上記光学活性化合物の製造方法の一例として、光学活性α−ヒドロキシエステル類の製造方法が挙げられる。
具体的に説明すると、光学活性α−ヒドロキシエステル類の製造方法は、α−アルキルオレフィン類とグリオキシラート類との下記に示すエン反応において、触媒として本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を用いる。
【0058】
【化26】
【0059】
上記式において、R7及びR8は水素又は低級アルキル基を示す。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。また、R9は炭素数1〜10のアルキル基を示す。また、*は光学活性の意味である。
【0060】
上記反応において、α−アルキルオレフィン類及びグリオキシラート類の混合比は約1:1であることが好ましい。また、触媒としての光学活性ジフェニルホスフィノ誘導体の使用量については触媒活性を示す量であれば特に制限はないが、α−アルキルオレフィン類及びグリオキシラート類に対し、好ましくは0.0001〜10(モル比)であり、更に好ましくはα−アルキルオレフィン類及びグリオキシラート類1モルに対し、0.05モルである。
【0061】
また、反応温度は好ましくは−78〜100℃であり、更に好ましくは−20〜30℃であり、反応時間は好ましくは0.5〜100時間であり、更に好ましくは6〜24時間である。本発明による光学活性α−ヒドロキシエステル類の製造方法は、上述のように、反応温度は−20〜30℃であり、従来の製造方法においては例えば−78℃程度の低温で反応を行う必要があったが、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を触媒として用いることにより、冷却設備等を必要とせず、反応を行うことができる。
【0062】
また、本発明の光学活性化合物の製造方法は、本発明の不斉触媒の存在下、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応からなる群から選択される炭素−炭素結合形成反応を行うことを特徴とする。
【0063】
すなわち、本発明の光学活性化合物の製造方法は、上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体と、光学活性ジアミンの存在下で上記炭素−炭素結合形成反応を行うことができる。この反応においては、反応系中で上記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体と、光学活性ジアミンとが反応して上記一般式(I)又は上記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体が形成され、触媒として機能し、光学活性化合物を得ることができる。
この場合の反応条件も上述したものと同様である。
【0064】
上記光学活性化合物の製造方法の一例として、光学活性α−ヒドロキシエステル類の製造方法が挙げられる。
具体的に説明すると、光学活性α−ヒドロキシエステル類の製造方法は、α−アルキルオレフィン類とグリオキシラート類との下記に示すエン反応において、触媒として本発明の不斉触媒を用いる。
【0065】
【化27】
【0066】
なお、上記式における、R7及びR8は上述した通りである。また、反応条件等については、上述した本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を触媒として用いる反応と同様である。
【0067】
実施例
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0068】
実施例1
222mg(0.4mmol)のジフェニルホスフィノフェロセン(dppf)リガンドと103.6mg(0.4mmol)のPdCl2(CH3CN)2、を試験管中、Ar雰囲気下、CH2Cl2中、室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧下に留去し、CH3CNに置換した。その後、288.6mg(0.82mmol)のAgSbF6 を室温で加え、2時間撹拌した。その後、セライトろ過し溶媒を留去して、〔Pd(dppf)(CH3CN)2〕(SbF6)2(化合物1)を定量的な収率で得た。
次いで、3.1mg(0.011mmol)の(R)−ジアミノビナフチル( dabn )を12.1mg(0.01mmol)の化合物1のCH2Cl2 1ml溶液に加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、ほぼ定量的に化合物1の結晶を得た。その後ヘキサン/CH2Cl2混合溶媒に代え、室温で再結晶化し、(〔(R)-dppf-Pd(SbF6)2〕(R)- dabn)を得た。得られた(〔(R)-dppf-Pd(SbF6)2〕(R)-dabn)について31P NMRを測定したところ、39.1ppmにピークが見られた。
【0069】
また、得られた(〔(R)-dppf-Pd(SbF6)2〕(R)-dabn)についてX線解析を行った。すなわち、同様にして、AgOTfを用いて錯体の合成を行い、〔Pd{(R)-dppf}{(R)-dabn}〕(OTf)2の結晶についてX線解析を行った。その結果を図1に示す。図1から明らかなように、得られた化合物はラセミ混合物でなく、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった。
【0070】
実施例2
PdCl2(CH3CN)2に代え、PtCl2(CH3CN)2を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、 (〔(R)-dppf-Pt(OTf)2〕(R)-dabn)を得た。得られた化合物についてX線解析を行ったところ、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった(結果は図示せず)。
【0071】
実施例3
(R)−ジアミノ−ビナフチルに代え、(S)−ジフェニルエチレンジアミン(dpen)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、(〔(R)-dppf-Pd(SbF6)2〕(S)-dpen)を得た。得られた化合物についてX線解析を行ったところ、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった(結果は図示せず)。
【0072】
実施例4
(R)−ジアミノ−ビナフチルに代え、(S)−ジフェニルエチレンジアミンを用いた以外は実施例2と同様に操作を行い、(〔(R)-dppf-Pt(OTf)2〕(S)-dpen)を得た。得られた化合物についてX線解析を行ったところ、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった(結果は図示せず)。
【0073】
実施例5
(R)−ジアミノ−ビナフチルに代え、(R)−ジメチルジアミノビナフチル(DM-dabn)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、(〔(R)-dppf-Pd(SbF6)2 〕(R)-DM-dabn)を得た。得られた化合物についてX線解析を行ったところ、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった(結果は図示せず)。
【0074】
実施例6
(R)−ジアミノ−ビナフチルに代え、(R)−ジメチルジアミノビナフチルを用いた以外は実施例2と同様に操作を行い、(〔(R)-dppf-Pt(OTf)2〕(R)-DM-dabn)を得た。得られた化合物についてX線解析を行ったところ、単一の鏡像異性体からなるものであることがわかった(結果は図示せず)。
【0075】
実施例7
0.02ミリモルのNiCl2 (dppf)及び0.04ミリモルのAgSbF6を2mlのCH2Cl2に溶解した溶液に、アルゴン雰囲気中に室温で0.022ミリモルの( R )-dabnを加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、0.5ミリモルのエチルグリオキシレート及び0.04ミリモルの下記式で示されるアルケンを加え24時間撹拌を行った。得られた生成物をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)で溶出し、無色の油状の生成物を得た。
【0076】
【化28】
【0077】
上記反応における収率は84%であり、エナンチオマー比は95:5であった(エナンチオマー過剰率:90%)。なお、エナンチオマー比は、CP-Cyclodextrin-B-2,3,6-M-19カラムを用いたガスクロマトグラフィーにより求めた。
上記反応を式で表わすと以下の通りである。
【0078】
【化29】
【0079】
実施例8
AgSbF6に代え、AgClO4を用いた以外は実施例7と同様に操作を行い、生成物を得た。収率は52%であり、エナンチオマー過剰率は76%であった。
【0080】
実施例9
アルケンとして下記式で示されるものを用いた以外は実施例7と同様に操作を行い生成物を得た。収率は91%であり、エナンチオマー過剰率は92%であった。
上記反応を式で表わすと以下の通りである。
【0081】
【化30】
【0082】
【化31】
【0083】
実施例10
反応温度を0℃とした以外は実施例9と同様に操作を行い生成物を得た。収率は14%であり、エナンチオマー過剰率は91%であった。
【0084】
実施例11
反応温度を60℃とした以外は実施例9と同様に操作を行い生成物を得た。収率は96%であり、エナンチオマー過剰率は87%であった。
【0085】
実施例12
( R )-dabn に代え、 ( R )-DM-dabn ( ( R )-dabn のジメチル化体)を用いた以外は実施例9と同様に操作を行い生成物を得た。収率は43%であり、エナンチオマー過剰率は45%であった。
上記実施例におけるエン反応においては、生成物の収率を高くすることができ、またエナンチオマー過剰率が高かった。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体は、エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応、グリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応において触媒として用いた場合に、不斉触媒反応に優れ、化学収率を向上させることのできるものである。
また、本発明の不斉触媒は、エン反応、ディールス−アルダー反応、ア ルドール反応、グリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応に用いた場合に不斉触媒反応に優れ、化学収率を向上させることのできるものである
また、本発明の光学活性化合物の製造方法によれば、本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体又は本発明の不斉触媒を用いており、光学活性化合物を効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体のX線解析の結果を示す図である。
Claims (16)
- 上記Xが、鉄又はルテニウムである、請求項1又は2に記載の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体。
- 上記Mが、パラジウム、白金又はニッケルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体。
- 下記一般式(III)で示されるジメタロセニルホスフィン誘導体と金属Mとの錯体と、光学活性ジアミンとを反応させ、下記一般式(I)又は下記一般式(II)で示される光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体を得ることを特徴とする、光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法。
- 上記Xが、鉄又はルテニウムである、請求項5又は6に記載の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法。
- 上記Mが、パラジウム、白金又はニッケルである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体の製造方法。
- 上記Xが、鉄又はルテニウムである、請求項9又は10に記載の不斉触媒。
- 上記Mが、パラジウム、白金又はニッケルである、請求項9〜11のいずれか1項に記載の不斉触媒。
- エン反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応及びグリニャール試薬を用いたカルボニル付加反応からなる群から選択される炭素−炭素結合形成反応を行う際に、触媒として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学活性ジメタロセニルホスフィン誘導体、又は請求項9〜12のいずれか1項に記載の不斉触媒を用いることを特徴とする、光学活性化合物の製造方法。
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