JP3488748B2 - 繊維ガイド及びその製造方法 - Google Patents

繊維ガイド及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスからなる
繊維ガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】繊維機械における繊維の案内のためにガ
イドが用いられている。この繊維ガイドの材質として
は、天然繊維に対しては金属やガラス材が用いられてい
るが、合成繊維用の紡糸、巻取り、延伸には、糸にダメ
ージを与えることなく耐摩耗性に優れた素材が求められ
ている。
【0003】具体的な従来の合成繊維用ガイドの材質と
しては、金属または金属に硬質クロムメッキを施したも
の、あるいは特に耐摩耗性の高いアルミナ、チタニア等
のセラミックスが用いられている。
【0004】しかし、近年、繊維機械のめざましい進歩
に伴い、加工糸の糸速はますます高速化され、使用時に
おける糸の通路及び強力制御要素として、上記繊維ガイ
ドの表面状態が問題となっている。つまり、繊維機械の
高速化に伴い、繊維ガイドの表面状態により糸質を劣化
させることが大きな問題として取り上げられているので
ある。そのため、耐摩耗性が高いだけでなく、糸にダメ
ージを与えることがなく糸質を劣化させにくいような材
質の繊維ガイドが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの要求特性に対
し、金属材にクロムメッキを施した繊維ガイドでは、摩
擦係数が低いため糸質を劣化させることは少ないが、ク
ロムメッキが摩耗、剥離しやすいため寿命が短いという
問題があった。
【0006】一方、アルミナセラミックス製の繊維ガイ
ドは硬度が高く摩耗が少ないものの、繊維に対する抵抗
が大きいために糸質を劣化させやすいという問題があっ
た。また、チタニアセラミックスは糸質を劣化させにく
いが、摩耗が生じやすいものであった。
【0007】そこで、特公52−48647号公報に示
すように、アルミナセラミックス製の繊維ガイドを焼成
後に再焼成することによって、結晶を丸くすることも考
えられていたが、実際にはこのような方法により結晶を
丸くすることは困難であり、また得られた焼結体は表面
の凹凸が大きくなって表面が粗くなりすぎるという問題
点があった。
【0008】このように、糸質を劣化させず、かつ耐摩
耗性に優れて寿命を長くできるという両方の特性を兼ね
備えた繊維ガイドは存在していなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
繊維ガイドを90重量%以上のAl2 3 を主成分とす
るセラミックスで形成し、Al2 3 の平均結晶粒径が
10〜40μmで、表面に存在する各Al2 3 結晶
は、中央の平坦部と周囲の丸みを有するようにしたもの
である。
【0010】即ち、アルミナセラミックスは耐摩耗性に
優れ寿命が長いという条件は満たしているため、表面状
態の改良により糸質劣化を防止できれば要求特性を全て
満足することになる。そこで、アルミナセラミックスの
表面状態について種々実験を行った結果、アルミナ等の
多結晶セラミックスには気孔や空孔等のボイドと結晶粒
界が存在し、このボイドと結晶粒界におけるシャープエ
ッジが糸質を劣化させるため、この部分のシャープエッ
ジをなくせば良いことを見出した。
【0011】そのために、まず平均結晶粒径が10〜4
0μmとなるように結晶を大きく成長させた。即ち、結
晶成長させることによって、ボイドを低減し、かつ結晶
の周囲におけるエッジを丸くすることができるため、上
記ボイドと粒界におけるシャープエッジを低減すること
ができるのである。そして、平均結晶粒径が10μm未
満であると上記結晶成長による効果が乏しく、一方40
μmを越えるとセラミックスの強度が低下するため、平
均結晶粒径は10〜40μmの範囲が好ましい。
【0012】また、単に結晶成長させるだけでなく、繊
維ガイドの表面に存在する各結晶は、中央が平坦部とな
り周囲のみに丸みを有する形状としてある。即ち、結晶
の中央が平坦部であるため、全体として繊維ガイド表面
の中心線平均粗さ(Ra)を0.4μm以下の滑らかな
表面とすることができ、繊維を高精度で案内することが
できるのである。また、結晶周囲に丸みを形成すること
によって、結晶粒界部分のシャープエッジをなくし、繊
維へのダメージを防止することができるが、上記平坦部
との関係からこの丸みは曲率半径3μm以下としてあ
る。
【0013】さらに、ボイドについては10μm以上の
ボイドが存在しないようにすることが好ましい。これ
は、10μmよりも大きいボイドが存在すると、上記し
たようにボイドのエッジ部により繊維にダメージを与え
やすいためである。
【0014】また本発明は、このような表面形状の繊維
ガイドを製造するために、90重量%以上のAl2 3
を主成分とするセラミックス原料を所定形状に成形し、
大気雰囲気下1300〜1800℃で焼成した後、得ら
れた焼結体の表面を鏡面研磨し、再度大気雰囲気下13
00〜1800℃で焼成する工程により繊維ガイドを製
造するようにした。
【0015】特に鏡面研磨工程は、焼結体表面の中心線
平均粗さ(Ra)が0.05μm以下となるまで研磨す
ることによって、表面に存在するボイドを完全になくす
ことが重要である。その後、再焼成することによって、
結晶成長させ、上記のような中央に平坦部を有し周囲の
みに丸みを有する形状とすることができるのである。即
ち、一次焼成後の焼結体を鏡面研磨することによって、
表面の各結晶は平坦に研磨され、その後の再焼成工程に
より結晶が成長して周囲のみに丸みが形成されるのであ
る。また、上記鏡面研磨の工程により表面に存在するボ
イドがほとんどなくなるため、再焼成後のボイドを極め
て小さくできる。
【0016】また、一次焼成と再焼成の工程は、ほぼ同
じ温度で焼成することが好ましく、いずれも昇温開始か
ら降温終了までの焼成時間を24時間以上とすることが
好ましい。
【0017】なお、本発明の繊維ガイドを成すセラミッ
クスとしてはAl2 3 を90重量%以上含むアルミナ
セラミックスを主成分とし、焼結助剤としてSiO2
MgO,CaO等を含むものを用いるが、さらに酸化ク
ロム(Cr2 3 )を0.1〜2.0重量%含有させる
ことによってピンク色に着色させれば、繊維の識別を容
易にすることができる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0019】アルミナ原料として純度99.5〜99.
7重量%で、粒度0.6μm、比表面積8m2 /gの粉
末に、酸化クロム粉末として粒度0.6μm、比表面積
8m2 /gのものを0.1〜2.0重量%加えてセラミ
ック原料を得た。この原料粉末は、乾式プレス成形、射
出成形、及び押出成形のそれぞれのプロセスに合わせた
バインダーを加えて処理し、図1(a)に示すような棒
状に成形した。得られた成形体を400〜600℃で仮
焼して脱脂を行い、次に大気雰囲気下1300〜180
0℃で一次焼成を行った。得られた焼結体の表面に対
し、ボイドや結晶脱落がなくなるまで鏡面加工を施した
後、大気雰囲気下1300〜1800℃で再度焼成を行
った。
【0020】一方比較例として、同じ原料を用いて13
00〜1600℃で一度の焼成を行っただけのものを用
意した。
【0021】両者について、各種特性を比較したとこ
ろ、表1に示す通り、本発明の繊維ガイドは平均結晶粒
径が10〜40μmと大きく、10μm以下のボイドが
存在しなった。また、本発明の繊維ガイドの表面状態を
観察したところ、図1(b)(c)に断面を示すよう
に、各結晶2は、中央に平坦部3を有し、周囲に曲率半
径Rが3μm以下の丸み4を有した形状となっており、
各結晶2の結晶粒界5がはっきりと区別できるようにな
っていた。これに対し、比較例では平均結晶粒径が10
μm以下と小さく、10μm以上のボイドが存在してお
り、各結晶の周囲に丸みがなくシャープエッジとなって
いた。
【0022】次に、上記本発明実施例と比較例の繊維ガ
イドを用いて、糸質ポリエステル75デニールフィラメ
ントの繊維を用いて糸速1000m/分で摺動試験を行
ったところ、表2に示すように、本発明実施例の繊維ガ
イドは摺動特性が高く、繊維を削り取る際に生じるスカ
ムの発生量が極めて少ないことから糸質を劣化させにく
いことがわかった。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】また、上記実施例では棒状の繊維ガイド1
を示したが、繊維ガイド1の形状は、公知のさまざまな
ものとできることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、繊維ガイ
ドを90重量%以上のAl2 3 を主成分とするセラミ
ックスで形成し、Al2 3 の平均結晶粒径10〜40
μmで、表面に存在する各Al2 3 結晶は、中央の平
坦部と周囲の丸みを有するようにしたことによって、高
い耐摩耗性を維持したまま、繊維に対するダメージを少
なくし糸質の劣化を防止することができ、繊維を高精度
に案内することができる。
【0027】また、本発明は、90重量%以上のAl2
3 を主成分とするセラミックス原料を所定形状に成形
し、大気雰囲気下1300〜1800℃で焼成した後、
得られた焼結体の表面を鏡面研磨し、再度大気雰囲気下
1300〜1800℃で焼成して繊維ガイドを製造する
ことによって、上記のような表面状態の繊維ガイドを容
易に製造することができ、高性能の繊維ガイドを安価に
大量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の繊維ガイドを示す斜視図、
(b)はその表面部分の断面図、(c)は(b)中のA
部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:繊維ガイド 2:結晶 3:平坦部 4:丸み 5:結晶粒界

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】90重量%以上のAl2 3 を主成分とす
    るセラミックスからなり、Al2 3 の平均結晶粒径が
    10〜40μmで、表面に存在する各Al23 結晶
    は、中央の平坦部と周囲の丸みを有することを特徴とす
    る繊維ガイド。
  2. 【請求項2】90重量%以上のAl2 3 を主成分とす
    るセラミックス原料を所定形状に成形し、大気雰囲気下
    1300〜1800℃で焼成した後、得られた焼結体の
    表面を鏡面研磨し、再度大気雰囲気下1300〜180
    0℃で焼成する工程からなる繊維ガイドの製造方法。
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