JPH07125923A - 糸 道 - Google Patents

糸 道

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JPH07125923A
JPH07125923A JP27239893A JP27239893A JPH07125923A JP H07125923 A JPH07125923 A JP H07125923A JP 27239893 A JP27239893 A JP 27239893A JP 27239893 A JP27239893 A JP 27239893A JP H07125923 A JPH07125923 A JP H07125923A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】遊離炭素を含む複合セラミックスにより糸道1
を形成し、その表面1aを中心線平均粗さ(Ra)0.
4μm以下の平滑な面とする。 【効果】自己潤滑性を有する遊離炭素を含んでいるため
に繊維との摩擦係数が小さく、滑らかな表面であるため
繊維にダメージを与えることがなく白粉の発生や毛羽立
ちを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然繊維や合成繊維等を
案内するための糸道に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維の製造工程や加工工程に於ては、糸
を案内するための糸道が多数使用されている。これらの
糸道には、従来アルミナ等のセラミックスや金属に硬質
Crメッキを施した糸道が一般的に用いられている(特
公62−8527号、特公3−6106号公報等参
照)。
【0003】また近年、繊維は細くなり、その製造・加
工工程における送り速度は速くなる傾向にある。そのた
め、糸道の特性としては、繊維との摩擦係数が低く、か
つ繊維にダメージを与えにくい事が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の糸道のうち、硬
質Crメッキを施した糸道では、その表面を微細な丸み
を持った梨地状に仕上げることによって、特にフィラメ
ント繊維に対する摩擦抵抗を低減させる効果がある。し
かし、その硬度はビッカース硬度(Hv)が9GPa前
後と低く、現在の高速加工機に於いては、糸道の摩耗が
速いという問題を有していた。
【0005】一方、アルミナ等のセラミックス製糸道で
は、例えばアルミナの硬度はビッカース硬度(Hv)1
6GPa以上と、非常に硬いために、硬質Crメッキ品
の様な摩耗の問題は生じない。しかし、セラミックス製
糸道では表面の面粗さの調整が非常に困難であり、面粗
さが粗い場合には、繊維に毛羽立ちを発生したり、繊維
に付着している油剤や繊維の剥離粉により繊維の品質低
下の問題を生じていた。一方、セラミックス糸道の表面
仕上げ状態を上げ、鏡面にすると、繊維と糸道表面との
接触面積が増大し、摩擦抵抗が増加するという問題があ
った。この摩擦抵抗の増加は走行する繊維の張力を増
し、糸切れを生じ、製造工程の高速化の大きな障害とな
っていた。
【0006】つまり、セラミックス製糸道は、表面を粗
くすれば糸品質に悪影響を及ぼし、表面を滑らかにすれ
ば、摩擦抵抗の増大から糸切れを引き起こし、製造工程
の高速化の障害となっていた。
【0007】本発明は上記の状況に鑑み、糸品質の向上
と、摩擦抵抗の低減を同時に満足させ、繊維製造工程の
高速化に効果的な糸道を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、糸道の
材質として自己潤滑性を有する遊離炭素を含む複合セラ
ミックスを用いる事により、繊維との摩擦抵抗を下げ、
さらに糸道表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.4μm
以下と平滑に仕上げる事により、繊維にダメージを与え
にくくし、品質を向上させるようにしたものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0010】図1に示すように、糸道1はピン形状であ
り、全体が遊離炭素を含む複合セラミックスから形成さ
れ、糸を案内する表面1aは中心線平均粗さ(Ra)
0.4μm以下の滑らかな面となっている。そして、こ
の表面1aで繊維2を案内すれば、表面1aが滑らかな
面であることから、繊維に毛羽立ちなどの悪影響を及ぼ
すことはない。また糸道1自体が自己潤滑作用を持った
遊離炭素を含むため、繊維2との摩擦抵抗が低く、糸送
り速度の高速化に対応することができる。
【0011】なお、図1では糸道1の全体を複合セラミ
ックスで形成したものを示したが、糸道1の繊維案内部
分のみを複合セラミックスで形成した構造でも良い。ま
た、糸道1の形状はピン形状に限らず、従来より周知の
さまざまな形状とすることができる。
【0012】ここで、上記遊離炭素を含む複合セラミッ
クスとは、アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(Zr
2 )、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si
3 4 )、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(Ti
N)、ホウ化チタン(TiB2 )等の金属酸化物、金属
炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物等を主成分とするセ
ラミックスからなり、少なくともその表面部分に遊離炭
素が存在するもので有ればよい。例えば、上記セラミッ
クスの原料中に炭素粉末を混入して焼成したり、あるい
は表面に炭素を含浸させて焼成することによって、遊離
炭素を含む複合セラミックスを得ることが出来る。
【0013】また、炭素(C)成形体の一部を珪化させ
て、炭化珪素(SiC)と遊離炭素(C)との複合セラ
ミックスを製作することが出来る。あるいは、炭化珪素
(SiC)質成形体を窒素雰囲気中で焼成させて、窒化
珪素(Si3 4 )と炭素(C)を生成し、炭化珪素
(SiC)、窒化珪素(Si3 4 )、そして遊離炭素
(C)よりなる複合セラミックスを製作することができ
る。
【0014】なお、最終的な複合セラミックス焼結体中
の遊離炭素の含有量は、2重量%より少ないと摩擦抵抗
を減少させる効果に乏しく、一方20重量%より多いと
セラミックスの硬度、強度等を低下させてしまうことか
ら、2〜20重量%の範囲内とすることが望ましい。
【0015】上記のようにして得られた遊離炭素を含む
複合セラミックスに対し、一般的にはタンブリング(バ
レル研磨)等の流体研磨手法でその表面を平滑なものに
することができ、この方法で繊維を案内する表面の中心
線平均粗さ(Ra)を0.4μm以下の平滑な表面とす
る。ここで、中心線平均粗さ(Ra)を0.4μm以下
としたのは、0.4μmよりも粗い面にすると繊維にダ
メージを与えて、毛羽立ち等の悪影響を生じやすいため
であり、好ましくは0.3μm以下とする。
【0016】この様に、糸道の繊維に接触する部分を遊
離炭素を含む複合セラミックスで形成することにより、
炭素の持つ自己潤滑性とセラミックスの持つ耐摩耗性を
充分に発揮することができる。また、遊離炭素により複
合セラミックスが黒色化されるため、白色の繊維を案内
する際の視認性が良いという効果もある。
【0017】さらに、本発明の糸道は、繊維の製造・加
工工程だけでなく、釣糸用の糸道としても使用すること
ができる。
【0018】実施例 本発明の実施例として、以下に述べる複合セラミックス
を用いて、図1に示す糸道1を作成した。寸法は外径5
mm、長さ60mmのピン形状であり、その外周面を繊
維の案内面として、中心線平均粗さ(Ra)0.4μm
以下とした。
【0019】まず、純度が99.7%、平均結晶粒径が
0.4μmのSiC粉末に、成形用バインダーとして熱
分解に依って炭素を生じ得るレゾール型フェノール樹脂
溶液と溶媒としてのアセトンを適当量添加して、混練乾
燥した後、金型プレスを用いて、成形圧1000kg/
cm2 で所定形状に成形する。その成形体を窒素雰囲気
中550℃で仮焼し、フェノール樹脂より炭素を生成さ
せた後、1800℃、2000気圧で1時間焼成するこ
とによって、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3
4 )、遊離炭素(C)よりなる複合セラミックスを得
た。さらに、表面に流体研磨を施して中心線平均粗さ
(Ra)0.4μm以下とした。
【0020】つまり、炭化珪素(SiC)を窒素雰囲気
中で焼成することにより、 SiC+2N2 →Si3 4 +3C の反応が起こり、一部に窒化珪素(Si3 4 )と遊離
炭素(C)が生成し、これらの成分を含む複合セラミッ
クスが形成されるのである。
【0021】この複合セラミックスを炭化珪素質研削材
の化学分析法(JISR6124参照)に基づき、全珪
素量と全炭素量を測定すると、珪素量は50.7重量
%、炭素量は19.4重量%であった。またLECO法
により全窒素量を測定すると28.6重量%であった。
したがって、上記反応式を基に計算すると、この複合セ
ラミックスの最終組成は、炭化珪素(SiC)11.3
重量%、窒化珪素(Si3 4 )72.4重量%、遊離
炭素(C)16.3重量%となる。
【0022】さらに、この複合セラミックスの特性を測
定したところ、かさ比重は2.95、ビッカース硬度
(Hv)は10GPaであった。
【0023】実験例 ここで、上記本発明実施例の糸道を用いて繊維を案内す
る実験を行った。また、比較例として従来のセラミック
スやCrメッキ製の糸道を用意し、同一条件で実験を行
った。
【0024】太さ75d(デニール)のポリエステル製
繊維を用い、テンション20gf、接触角90°、糸速
1200m/分で各糸道の外周面に走らせ、糸道と繊維
との摩擦係数を測定した。また、それぞれ白粉発生の度
合いを評価した。
【0025】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックスか
らなる糸道(No.1〜7)では、表面の中心線平均粗
さ(Ra)を0.4μm以上に大きくすると白粉が発生
し、一方表面粗さを小さくすると摩擦係数が0.3以上
と大きくなってしまうことから、両方を満足させること
ができなかった。また、Crメッキ品(No.8)で
は、白粉の発生が多かった。
【0026】これらに対し、本発明の遊離炭素を含む複
合セラミックスからなる糸道(No.9、10)は、白
粉発生量が少なく摩擦係数も0.3以下と小さかった。
特に表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.1μmとした
もの(No.10)は、白粉の発生がほとんどなく、摩
擦係数も0.25と低いことから、最も優れた結果を示
した。
【0027】
【表1】
【0028】なお、上記実施例では、炭化珪素−窒化珪
素−遊離炭素の複合セラミックスを示したが、この他に
炭化珪素−遊離炭素の複合セラミックス、あるいはアル
ミナやジルコニアに炭素を含有させたセラミックス等を
用いても、ほぼ上記と同様の結果が得られた。
【0029】
【発明の効果】このように本発明によれば、遊離炭素を
含む複合セラミックスにより糸道を形成し、その表面を
中心線平均粗さ(Ra)0.4μm以下の平滑な面とし
たことによって、自己潤滑性を有する遊離炭素を含んで
いるために繊維との摩擦係数が小さく、滑らかな表面で
あるため繊維にダメージを与えることがなく白粉の発生
や毛羽立ちを防止できる。また、糸道の硬度が高いため
耐摩耗性に優れ、さらに炭素により糸道が黒色化される
ため、白色の繊維に対する視認性を高くできる。
【0030】この為、本発明の糸道を繊維の製造工程や
加工工程で用いれば、これらの工程が高速化することに
よって発生する繊維品質の低下や、繊維の走行張力増に
よって生じる糸切れの問題等を解決することができ、実
用上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸道を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:糸道 2:繊維

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸案内部が遊離炭素を含む複合セラミック
    スにより形成され、その表面の中心線平均粗さ(Ra)
    が0.4μm以下であることを特徴とする糸道。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110217646A (zh) * 2019-05-24 2019-09-10 湖北三江航天江北机械工程有限公司 降低碳纤维缠绕过程磨损量的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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