JPH10102330A - スレッドガイド及びその製造方法 - Google Patents

スレッドガイド及びその製造方法

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JPH10102330A
JPH10102330A JP25815896A JP25815896A JPH10102330A JP H10102330 A JPH10102330 A JP H10102330A JP 25815896 A JP25815896 A JP 25815896A JP 25815896 A JP25815896 A JP 25815896A JP H10102330 A JPH10102330 A JP H10102330A
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JP
Japan
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thread guide
fiber
sliding surface
ceramic
sliding
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JP25815896A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Ihara
俊之 井原
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繊維20との摺動性を高め、高速走行させても
繊維20に傷が発生せず、自らの摩耗も少ないスレッド
ガイド10を得る。 【解決手段】繊維20との摺動面11がセラミックスか
らなるスレッドガイド10であって、この摺動面11に
セラミックスの結晶12の形状に依存しない滑らかな凹
凸を備え、この凹凸を含む表面粗さ(Ra)を0.3〜
0.5μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織機、巻取り機、
延伸仮撚機、精紡機等における繊維の案内や、釣糸の案
内等に用いるスレッドガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】スレッドガイドは、各種繊維機械や釣糸
の案内等に広く使用されている。このスレッドガイドに
求められる特性として、繊維の摺動に耐えうる耐摩耗
性を有すること、繊維自身に傷をつけにくいことがあ
り、これらを満たすためにさまざまな材質が用いられて
いる。
【0003】例えば、を満たすために、アルミナ、ジ
ルコニア、窒化珪素、炭化珪素、サーメット等の硬質セ
ラミックスが用いられている(特公平3−6106号、
特公昭63−41532号公報等参照)。一方、を満
たすためには、比較的硬度の低いチタニア系セラミック
スや、金属の表面にクロムコーティングを施して球状結
晶化させたものが用いられている。
【0004】さらに、上記の両方の特性を満たすた
めに、アルミナ等の硬質セラミックスに対し、粗大原料
や球状原料の添加、焼結助剤の添加量の調整、焼成条件
の調整、再焼成等の熱処理等を行うことによって結晶を
丸く成長させたものもある(特公昭52−48647号
等参照)。これは、図5に示すように、スレッドガイド
の摺動面11におけるセラミックスの結晶12を丸く成
長させ、この丸みを帯びた結晶12の表面で繊維20と
摺動することにより、接触面積を小さくして摩擦係数を
低くし、繊維20に傷をつけにくくするようにしたもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年の繊維関連業界で
は、生産の効率化に伴う機械の高速化が進み、また繊維
の高付加価値化に伴う極細化、複合化、異形状化が進ん
でいる。繊維の高付加価値化の具体例としては、生地に
色彩と独特の光沢を与えるために繊維の断面形状を三角
形や星形としたり、繊維に硝子繊維を織り込むこと等な
どが行われている。
【0006】このような摺動速度の高速化と繊維の特殊
化により、これまでは見られなかった急速なスレッドガ
イドの摩耗が発生するようになった。その結果、設備の
メンテナンスやスレッドガイドの交換作業が頻繁にな
り、生産の効率化が進められなくなっている。
【0007】例えば、チタニア系セラミックスやクロム
コーティング等からなるスレッドガイドでは硬度が低い
ために、スレッドガイド自体が摩耗しやすく、上記摺動
速度の高速化に対応できなかった。また、アルミナ、ジ
ルコニア等の硬質セラミックスからなるスレッドガイド
では、摺動する繊維に傷をつけやすく、繊維の特殊化に
対応できなかった。
【0008】また、図5に示すように硬質セラミックス
の結晶12を丸くしたものは、結晶12を異常粒成長さ
せていることから機械的特性が低下したり、焼成が困難
である等の問題があった。しかも、最終的な摺動面11
の形状を製造条件で調整しているため、所定の表面形状
を得ることが困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、繊維と
の摺動面がセラミックスからなるスレッドガイドであっ
て、この摺動面にセラミックスの結晶形状に依存しない
滑らかな凹凸を備え、この凹凸を含む表面粗さ(Ra)
を0.3〜0.5μmとしたことを特徴とする。
【0010】また本発明は、上記スレッドガイドの摺動
面に硬質炭素膜を被着したことを特徴とする。
【0011】即ち、本発明では、耐摩耗性を高めるため
に硬質セラミックスを用いるとともに、その摺動面に滑
らかな凹凸を備えることによって、繊維との摩擦係数を
低下させるようにした。しかも、この凹凸はセラミック
ス結晶を丸くしたものではなく、結晶形状に依存しない
凹凸とすることによって、所定形状の凹凸を確実に形成
し、しかもセラミックスの機械的特性を劣化させないよ
うにしたのである。
【0012】また本発明では、このようなスレッドガイ
ドを製造するために、セラミックス原料を所定形状に成
形した後、その表面に滑らかな凹凸形状を有する金型を
押しあてて凹凸形状を成形体の表面に成形し、得られた
成形体を所定条件で焼成するようにしたことを特徴とす
る。
【0013】即ち、予め滑らかな凹凸形状の表面を持っ
た金型を用意しておき、この金型をセラミックスの焼成
前の成形体の表面に押しつけることで凹凸形状を成形
し、この成形体を焼成すれば、滑らかな凹凸を備えたセ
ラミックスを容易に得られるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0015】図1に示すスレッドガイド10は円柱状で
あり、その側面を摺動面11とし、該摺動面11で繊維
20を摺動させて案内するようになっている。このスレ
ッドガイド10は全体がセラミックスからなり、その摺
動面11は、図2に拡大図を示すように、結晶12の形
状に依存しない滑らかな凹凸を備えている。
【0016】そのため、繊維20は摺動面11の凸部の
みで接触し、接触面積を減らせることから、摩擦係数を
低くすることができる。その結果、高速走行させても、
繊維20に傷をつけることがなく、スレッドガイド10
の摩耗も防止できる。
【0017】なお、摺動面11の凹凸が結晶12の形状
に依存しないとは、結晶12の形状に関わらずに摺動面
11を成すセラミックスの表面が凹凸形状となっている
ことであり、図5のように結晶12の形で摺動円11を
凹凸にしたものではない。また、滑らかな凹凸とは、シ
ャープエッジがなく、丸みを帯びたような凹凸のことで
ある。
【0018】次に、上記摺動面11を有するスレッドガ
イド10の製造方法を説明する。
【0019】まず、図3(a)に示すように、セラミッ
クス原料をプレス成形、押出成形、射出成形、鋳込成形
等の方法で円柱状に成形し、成形体10’を得る。次
に、図3(b)に示すように、表面に滑らかな凹凸形状
の加工面31を備えた金型30を用意し、上記の成形体
10’を加熱して適度に軟化させた状態で、側面を金型
30の加工面31に押しあてながら、回転させ、側面全
体に加工面31の凹凸形状を成形する。最後に、この成
形体10’を所定の条件で焼成すれば、図3(c)に示
すように側面に凹凸状の摺動面11を備えたスレッドガ
イド10を得ることができる。
【0020】なお、この金型30は、シボ加工と呼ばれ
る樹脂の表面を加工するための金型を用いることができ
る。シボ加工用の金型は多数の種類があり、これらの中
から好適な加工面31を有するものを使用すれば良い。
【0021】以上のように製造することによって、金型
30の加工面31を所定の滑らかな凹凸形状としておけ
ば、この形状がそのまま摺動面11に成形されて、図2
に示すような滑らかな凹凸を備えることができる。しか
も、この凹凸はセラミックス自体の表面に形成され、結
晶12の形状に依存しないものであるから、焼成時には
異常結晶成長をさせる必要はなく、セラミックス本来の
細かな結晶のままで焼成することができ、本来有する機
械的特性を維持できる。また、摺動面11の凹凸形状は
金型30の加工面31によって決定されるため、凹凸の
幅や深さ等を自由に調整でき、しかも製造条件に関わら
ず、常に所定の表面状態とできる。
【0022】また、上記摺動面11において、凹凸を含
めた表面粗さ(中心線平均粗さRa)を0.3〜0.5
μmとする。一般に、セラミックス製のスレッドガイド
10の摺動面11の表面粗さ(Ra)と、繊維20を摺
動した時の摩擦係数の関係を図6に示すように、表面粗
さが小さいほど繊維20との接触面積が大きくなって摩
擦係数が大きくなる傾向がある。そして、表面粗さ(R
a)0.1〜0.2μmの領域を超えると摩擦係数は急
激に低下し、0.3μm以上になると安定する。
【0023】したがって、摺動面11の表面粗さ(R
a)は0.3μm以上が良い。一方、表面粗さ(Ra)
が大きくなると繊維20に傷をつけやすくなるため、表
面粗さ(Ra)は0.5μm以下とする。なお、摺動面
11の表面粗さは触針式表面粗さ測定器により測定す
る。
【0024】また、摺動面11の凹凸は、ほぼ規則正し
く並んでおり、各凸部間のピッチは50〜200μmと
することが好ましい。
【0025】さらに、本発明のスレッドガイド10では
摺動面11におけるボイド占有率を2%以下とすること
が好ましい。これは、摺動面11のボイド占有率が2%
を超えると繊維20に傷をつけたり、摺動面11自体が
摩耗しやすくなるためである。なお、摺動面11のボイ
ド占有率は光学式画像解析装置によって測定する。
【0026】また、本発明のスレッドガイド10を成す
セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、炭化珪
素、窒化珪素、窒化アルミニウム等の硬質セラミックス
を用いる。ここで硬質セラミックスとは、500gの荷
重で測定した時のビッカース硬度が1000kg/mm
2 以上のものを言う。
【0027】具体的には、例えばアルミナセラミックス
の場合、Al2 3 を91重量%以上含み、焼結助剤と
してSiO2 、MgO、及び不可避不純物を含む高純度
アルミナセラミックスを用いる。または、ZrO2 を主
成分とし、Y2 3 、MgO、CaO、CeO2 Dy2
3 等を安定化剤として含む部分安定化ジルコニアセラ
ミックス、SiCを主成分とし、焼結助剤として硼素
(B)と炭素(C)、あるいはAl2 3 とY2 3
を含む炭化珪素質セラミックス、Si3 4 を主成分と
し、焼結助剤としてAl2 3 、Y2 3 等を含む窒化
珪素質セラミックス、AlNを主成分とし、焼結助剤と
してY2 3 、CaO、Er2 3 、Yb2 3 等のア
ルカリ金属又は希土類元素の酸化物、窒化物等を含む窒
化アルミニウム質セラミックス等を用いる。
【0028】さらに、本発明の他の実施形態として、図
4に示すように、スレッドガイド10の摺動面11に硬
質炭素膜13を被着することもできる。なお、硬質炭素
膜13とは、ダイヤモンド状硬質炭素膜あるいはダイヤ
モンド膜のことである。
【0029】ダイヤモンド状硬質炭素膜は、非晶質硬質
炭素膜、DLC、I−カーボン等と呼ばれ、CVD法、
PVD法等によって形成することができ、ビッカース硬
度が3000〜5000kg/mm2 と高硬度で、かつ
極めて摩擦係数が低いことから繊維20の摺動性を向上
させることができる。
【0030】このダイヤモンド状硬質炭素膜は、レーザ
ーラマン分光法によるラマンスペクトルのピークが、1
200〜1400cm-1と1500〜1600cm-1
少なくとも一方の範囲にあり、上記ピークは平坦部分に
対する強度比が2倍以上であり、かつ上記ピークにおけ
る最大強度の90%以上の頂部の幅が10cm-1以上で
あることが好ましい。
【0031】また、ダイヤモンド膜は、通常マイクロ波
CVD法等の気相成長法で形成されるものであり、上記
ダイヤモンド状硬質炭素膜よりも高い硬度を有してい
る。特に電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法によ
れば、均一にダイヤモンド膜を形成することができる。
このダイヤモンド膜は、ラマン分光法によるラマンスペ
クトルにおいて、1340±40cm-1と1160±4
0cm-1にピークが存在し、かつ1160±40cm-1
に存在する最も強度の強いピーク強度をH1 、1340
±40cm-1に存在する最も強度の強いピーク強度をH
2 としたとき、H1 /H2 で表されるピーク強度比が
0.05〜2となるものが好ましい。
【0032】以上のダイヤモンド状硬質炭素膜、または
ダイヤモンド膜からなる硬質炭素膜13の厚みtは、
0.2〜1.2μmが好ましい。これは厚みtが0.2
μm未満では膜の密着性が悪くなり一方1.2μmを
超えると成膜に時間がかかりコストが高くなるためであ
る。
【0033】さらに、硬質炭素膜13の密着性を向上さ
せるために、母材であるセラミックスとの間に中間層を
介在させることもできる。
【0034】なお、予めセラミックスの表面に上記のよ
うに滑らかな凹凸を備えておき、この上に上記厚みtの
範囲で硬質炭素膜13を被着すれば、被着後の摺動面1
1も同様に滑らかな凹凸を備えた形状とすることができ
る。
【0035】また以上の実施形態では、最も簡単な例と
して円柱状のスレッドガイド10を示したが、スレッド
ガイド10の形状は公知のさまざまなものとすることが
できる。また、凹凸を備えた摺動面11はスレッドガイ
ド10の全表面に形成する必要はなく、繊維20が摺動
する部分にのみ形成すれば良い。
【0036】さらに、本発明の9スレッドガイド10
は、織機、巻取り機、延伸仮撚機、精紡機等における繊
維の案内や、釣糸の案内等、さまざまな分野に使用する
ことができる。
【0037】
【実施例】実施例1 本発明実施例として、図1に示す円柱状のスレッドガイ
ド1を図3に示す方法で作製した。
【0038】材質はAl2 3 99.7重量%以上のア
ルミナセラミックスを用い、この原料100重量部に対
して有機バインダーを18重量部加え、加圧ニーダーで
60℃にて押出成形し、円柱状の成形体10’を得た。
表1に示すように、各種型番のシボ加工用の金型30を
用意し、上記成形体10’を70℃に加熱して、各金型
30の加工面31に押しあてながら回転させ、側面の約
2/3の領域に凹凸形状を成形した。
【0039】この時、金型30も加熱しておくが、70
℃を超えると成形体10’が付着してしまい、一方60
℃未満になると明瞭な成形ができなくなった。種々実験
の結果、成形体10’の軟化点(本実施例では55〜6
0℃)よりも+10〜20℃の範囲に金型30を加熱し
ておけば良かった。
【0040】この成形体10を脱脂し、焼成して本発明
のスレッドガイド10を得た。このスレッドガイド10
においてさまざまな特性を測定したところ、平均結晶粒
径は2〜3μm、密度は3.95g/cm3 、ボイド占
有率は2%未満であった。
【0041】このスレッドガイド10に対し、摺動面1
1のビッカース硬度、表面粗さ(Ra)を測定した後、
ポリエステル(SD75−36)の繊維20を摺動させ
て、摩擦係数を測定し、繊維20及びスレッドガイド1
0の摩耗評価を行った。摩擦係数の測定は、繊維20の
張力を20gとし、100m/分で摺動させた時に、 μ={ln(TOUT −TIN)}/θ μ:摩擦係数 TOUT :スレッドガイドから出る側の繊維の張力 TIN :スレッドガイドに入る側の繊維の張力 θ:スレッドガイドにおける繊維と摺動する部分の角度 で示されるアモントンの法則式で求めた。また、摩耗評
価は、繊維20の摺動速度を1000m/分とし、70
分間摺動させた後の、繊維20及びスレッドガイド10
の摺動面11の状態を観察した。
【0042】一方、比較例として、同じ材質を用いて摺
動面11を研磨して鏡面としたスレッドガイド10を作
製し、上記と同じ試験を行った。
【0043】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、摺動面11に凹凸形状を有しない比較例(No.
1)では摩擦係数が0.65と高く、そのため繊維20
に毛羽が生じ、スレッドガイド10にスジが発生した。
これに対し、摺動面11に凹凸形状を備えた本発明実施
例では、摩擦係数を0.5以下と低くできることがわか
る。
【0044】ただし、表面粗さ(Ra)が0.2μmの
もの(No.2)では、繊維20の毛羽やスレッドガイ
ド10のスジが生じ、また表面粗さ(Ra)が0.6μ
mのものでは繊維20に毛羽が発生した。したがって、
摺動面11の表面粗さ(Ra)は0.3〜0.5μmの
範囲が良かった。
【0045】なお、本発明実施例であるNo.3の摺動
面11の表面粗さを測定したチャート図を図7に示すよ
うに、滑らかな凹凸がほぼ規則正しく並んでいることが
わかる。
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 次に、上記表1中No.7のスレッドガイド10の摺動
面11に、硬質炭素膜13として、プラズマCVD法で
ダイヤモンド状硬質炭素膜を被着させた。厚みtはスレ
ッドガイド10を破断して走査型電子顕微鏡で観察測定
した結果、平均厚み0.3μmであった。
【0048】このスレッドガイド10について、実施例
1と同様の試験を行った。結果は表2に示す通りであ
る。この結果より、硬質炭素膜13を形成したもの(N
o.8)は、硬度が大きく向上した。また、摩擦係数の
値には差がなかったが、繊維20の表面を観察したとこ
ろ表面の荒れが全くなく、摺動性に優れていることがわ
かる。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、繊維との
摺動面がセラミックスからなるスレッドガイドであっ
て、この摺動面にセラミックスの結晶形状に依存しない
滑らかな凹凸を備え、この凹凸を含む表面粗さ(Ra)
を0.3〜0.5μmであるスレッドガイドとしたこと
によって、繊維との摺動性を高めることができ、高速走
行させても繊維に傷が発生せず、スレッドガイドの摩耗
も極めて少ないことから、長期間良好に使用することが
できる。
【0051】また、上記摺動面に硬質炭素膜を被着した
ことによって、さらに摺動性を良好にし、スレッドガイ
ドの耐摩耗性を向上させることができる。
【0052】さらに、本発明では、セラミックス原料を
所定形状に成形した後、その表面に滑らかな凹凸形状を
有する金型を押しあてて凹凸形状を成形体の表面に成形
し、得られた成形体を所定条件で焼成する工程からスレ
ッドガイドを製造することによって、セラミックスの製
造条件に依存することなく摺動面を所定の凹凸形状とす
ることができる。したがって、セラミックス本来の特性
を維持したまま、所定の凹凸形状を持った摺動面を確実
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスレッドガイドを示す斜視図である。
【図2】本発明のスレッドガイドにおける摺動面の拡大
断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明のスレッドガイドの製
造工程を示す図である。
【図4】本発明のスレッドガイドの他の実施形態におけ
る摺動面の拡大断面図である。
【図5】従来のスレッドガイドにおける摺動面の拡大断
面図である。
【図6】セラミックス製スレッドガイドにおける、表面
粗さと摩擦係数の関係を示すグラフである。
【図7】本発明のスレッドガイドにおける摺動面の表面
粗さを測定したチャート図である。
【符号の説明】
10:スレッドガイド 10’:成形体 11:摺動面 12:結晶 13:硬質炭素膜 20:繊維 30:金型 31:加工面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維との摺動面がセラミックスからなり、
    この摺動面にセラミックスの結晶に依存しない滑らかな
    凹凸を備え、この凹凸を含む摺動面の表面粗さ(Ra)
    を0.3〜0.5μmとしたことを特徴とするスレッド
    ガイド。
  2. 【請求項2】上記摺動面に硬質炭素膜を被着してなる請
    求項1記載のスレッドガイド。
  3. 【請求項3】セラミックス原料を所定形状に成形した
    後、その表面に滑らかな凹凸形状を有する金型を押しあ
    てて凹凸形状を成形体の表面に成形し、得られた成形体
    を焼成する工程からなるスレッドガイドの製造方法。
JP25815896A 1996-09-30 1996-09-30 スレッドガイド及びその製造方法 Pending JPH10102330A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008049825A1 (de) * 2006-10-26 2008-05-02 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Vorrichtung zur führung oder behandlung eines multifilen fadens sowie verfahren zur herstellung einer keramikoberfläche
CN110520558A (zh) * 2017-03-29 2019-11-29 京瓷株式会社 纤维引导器

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