JP3488610B2 - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP3488610B2
JP3488610B2 JP33322697A JP33322697A JP3488610B2 JP 3488610 B2 JP3488610 B2 JP 3488610B2 JP 33322697 A JP33322697 A JP 33322697A JP 33322697 A JP33322697 A JP 33322697A JP 3488610 B2 JP3488610 B2 JP 3488610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突警報、衝突防
止(軽減)、オートクルーズコントロールなどの自動運
転などに用いられるレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車などの自動車を自動運転す
るために用いられるレーダ装置が種々提案されている。
この種のレーダ装置は、送信信号を発生する送信信号発
生手段と、前記送信信号発生手段からの送信信号に基づ
いて送信波を送信するための送信手段と、前記送信手段
から送信された後目標物から反射された反射波を受信す
るための受信手段と、前記受信手段により受信した受信
信号をレーダ信号処理するためのレーダ信号処理手段と
を備え、レーダ信号処理装置は、送信手段から送信した
送信波と受信手段によって受信した受信波との位相差に
基づいて前方目標物との距離を求める。前方目標物との
距離が大きいと、送信波を送信した後目標物に反射され
た反射波を受信するまでの時間的間隔が長く、したがっ
て、送信波と受信波との位相差が大きくなり、一方、前
方目標物との距離が小さいと、上述した目標物からの反
射波を受信するまでの時間的間隔が短く、したがって送
信波と受信波との位相差が小さくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなレーダ装置
では、レーダ装置自体の故障を検出するための故障検出
手段が設けられ、この故障検出手段によって故障を検出
することができる。
【0004】ところが、レーダ装置、特に送信手段およ
び/または受信手段に泥、雪、汚れなどが付着した場
合、受信手段に受信される反射波が泥、雪などによって
減衰され、レーダ装置の検出性能が低下する。このよう
な場合、レーダ装置自体には何ら故障が存在しないの
で、従来の故障検出手段によってはこのような状態を検
知することができず、泥、雪などの付着物による検出性
能低下をも検知することができるレーダ装置の出現が望
まれていた。
【0005】本発明の目的は、付着物による検出性能低
下をも検知することができるレーダ装置を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、送信信号を発
生する送信信号発生手段と、前記送信信号発生手段から
の送信信号に基づいて送信波を送信するための送信手段
と、前記送信手段から送信された後目標物から反射され
た反射波を受信するための受信手段と、前記受信手段に
より受信した受信信号をレーダ信号処理するためのレー
ダ信号処理手段と、前記受信信号の信号レベルを判定す
るための信号レベル判定手段と、前記送信手段および前
記受信手段の測定する目標物の方向を切換えるための目
標物切換手段と、前記受信信号の信号レベルが故障レベ
ル値範囲である受信信号の頻度を判定する頻度判定手段
と、故障信号を生成する故障信号生成手段とを備え、前
記送信手段および前記受信手段は、通常、前方向の目標
物を測定し、前記前方向の目標物を測定する受信信号の
信号レベルが測定切換レベル値より小さくなると、前記
目標物切換手段は、前記送信手段および前記受信手段の
測定方向を切換え、前記送信手段および前記受信手段は
路側方向および/または路面方向の目標物を測定し、前
記路側方向および/または路面方向の目標物を測定する
受信信号の信号レベルが前記故障レベル範囲になると、
前記頻度判定手段が前記故障レベル範囲の受信信号の発
生頻度を判定し、その発生頻度が故障判定範囲になる
と、前記故障信号生成手段が前記故障信号を生成するこ
とを特徴とするレーダ装置である。
【0007】本発明に従えば、送信手段および受信手段
は、通常、前方向の目標物を測定し、レーダ信号処理手
段は送信波および受信波に基づいてこの目的物との間隔
などを求める。そして、このような測定中において、受
信波の信号レベルが測定切換レベル値より小さくなる
と、レーダ装置の性能低下による信号レベル低下か否か
を検知するために、目標物切換手段は送信手段および受
信手段の測定する方向を切換え、送信手段および受信手
段は路側方向および/または路面方向の目標物を測定す
る。路側方向にはガードレール、建物などが存在し、ま
た路面方向には路面が存在するので、泥、雪などの付着
物が付着していない場合、受信手段によって受信される
反射波の減衰が少なく、レーダ装置は目標物を確実に捕
らえることができる。一方、付着物が付着している場
合、受信手段に受信される反射波の減衰が大きく、その
信号レベルが故障レベル範囲まで低下すると、頻度判定
手段が故障レベル範囲の受信信号の発生頻度を判定し、
その発生頻度が故障判定範囲になると故障信号生成手段
は故障信号を生成する。したがって、付着物によって受
信信号の信号レベルが低下すると、レーダ装置による測
定が実質上不能として故障信号が生成される。このよう
なレーダ装置では、レーダ装置自体に故障がある場合に
も受信手段に受信される受信信号の信号レベルが著しく
小さいか、または実質上存在しないので、レーダ装置自
体の故障をも検知することができる。
【0008】また本発明は、前記送信手段は送信波を送
信する送信アンテナを含み、前記受信手段は反射波を受
信する受信アンテナを含み、前記送信アンテナおよび/
または前記受信アンテナは、路側方向および/または路
面方向の目標物を測定するときにその指向性が切換えら
れることを特徴とする。
【0009】本発明に従えば、送信アンテナおよび受信
アンテナの一方または双方は、路側方向および/または
路面方向の目標物を測定するときにその指向性が切換え
られるので、かかる方向の目標物を測定する際の検知感
度を高めることができる。
【0010】また本発明は、前記送信アンテナは、前方
向に向けて送信波を送信する主送信アンテナと、路側方
向および/または路面方向に向けて送信波を送信する副
送信アンテナとを含み、また前記受信アンテナは、前方
向からの反射波を受信する主受信アンテナと、路側方向
および/または路面方向からの反射波を受信する副受信
アンテナとを含み、前記目標物切換手段は、前方向の目
標物を測定するときには前記主送信アンテナおよび前記
主受信アンテナを作動状態にし、路側方向および/また
は路面方向の目標物を測定するときには前記副送信アン
テナおよび前記副受信アンテナを作動状態にすることを
特徴とする。
【0011】本発明に従えば、送信アンテナは前方を測
定するための主送信アンテナと路側方向および/または
路面方向を測定するための副送信アンテナとを有し、ま
た受信アンテナは前方向を測定するための主受信アンテ
ナと路側方向および/または路面方向を測定するための
副受信アンテナとを有している。そして、前方向の目標
物を測定するときには主送信アンテナおよび主受信アン
テナが用いられ、また路側方向および/または路面方向
の目標物を測定するときには副送信アンテナおよび副受
信アンテナが用いられるので、前方向の目標物と、路側
方向および/または路面方向の目標物とを所望のとおり
に検知することができる。
【0012】また本発明は、前記送信アンテナおよび前
記受信アンテナはモノパルスアンテナから構成されてい
ることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、送信アンテナおよび受信
アンテナがモノパルスアンテナから構成されているの
で、加える送信信号によってアンテナの指向性を変える
ことができ、比較的簡単な構成かつ容易に送信アンテナ
および受信アンテナの指向性を切換えることができる。
【0014】また本発明は、前記送信アンテナおよび前
記受信アンテナはフェーズドアレイアンテナから構成さ
れていることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、送信アンテナおよび受信
アンテナがフェイズドアレイアンテナから構成されてい
るので、加える送信信号の位相を制御することによって
アンテナの指向性を変えることができ、比較的簡単な構
成かつ容易に送信アンテナおよび受信アンテナの指向性
を切換えることができる。
【0016】また本発明は、前記送信アンテナおよび前
記受信アンテナはデジタルビームフォーミングアンテナ
から構成されていることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、送信アンテナおよび受信
アンテナがデジタルビームフォーミングアンテナから構
成されているので、送信されるデジタルビームの方向を
制御することによってアンテナの指向性を変えることが
でき、比較的簡単な構成かつ容易に送信アンテナおよび
受信アンテナの指向性を切換えることができる。
【0018】また本発明は、前記送信アンテナおよび/
または前記受信アンテナの指向性は、切換スイッチによ
り切換えられることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、送信アンテナおよび受信
アンテナの指向性の切換えがスイッチ手段によって行わ
れるので、その指向性の切換を容易に行うことができ
る。
【0020】また本発明は、前記送信手段は、前方向の
目標物を測定するときには送信信号の周波数が変調され
た周波数変調信号に基づいて送信波を送信し、路側方向
および/または路面方向の目標物を測定するときには送
信信号の周波数が変調されない無変調信号に基づいて送
信波を送信することを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、前方向を目標物を測定す
るときには周波数変調信号が利用され、一方路側方向お
よび/または路面方向の目標物を測定するときには無変
調信号が利用されるので、前方向の目標物と、路側方向
および/または路面方向の目標物とを所望のとおりに測
定することができる。
【0022】また本発明は、前記受信手段と前記レーダ
信号処理手段との間には、選択的に選択されるフィルタ
手段が設けられ、前記フィルタ手段は、路側方向および
/または路面方向の目標物を測定したときに選択されて
車速に対応する周波数帯域の受信信号を前記レーダ信号
処理手段に送給することを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、受信手段とレーダ信号処
理手段との間に介在されたフィルタ手段は、路側方向お
よび/または路面方向の目標物を測定するときに選択さ
れて車速に対応する周波数帯域の受信信号をレーダ信号
処理手段に送給するので、このときの受信信号のノイズ
成分を低減してこの目標物を高精度に測定することがで
きる。
【0024】また本発明は、前記フィルタ手段は、その
フィルタ特性が車速に対応する範囲内にて可変である可
変フィルタから構成されていることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、フィルタ手段は可変フィ
ルタから構成されているので、可変フィルタのフィルタ
特性を可変することによって受信信号に含まれるノイズ
成分を効果的に除去することができる。
【0026】また本発明は、前記可変フィルタはスイッ
チトキャパシタフィルタまたはデジタルフィルタから構
成されていることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、可変フィルタがスイッチ
トキャパシタフィルタまたはデジタルフィルタから構成
されているので、受信信号に含まれるノイズ成分を効果
的に除去することができる。
【0028】また本発明は、前記受信手段と前記レーダ
信号処理手段との間にはフィルタ手段が設けられ、前記
フィルタ手段のフィルタ特性は、前方向の目標物を測定
するときとはその周波数帯域が比較的広く、また路側方
向および/または路面方向の目標物を測定するときはそ
の周波数帯域が比較的狭くなるように切換えられること
を特徴とする。
【0029】本発明に従えば、受信手段とレーダ信号処
理手段との間に介在されたフィルタ手段は、前方向の目
標物を測定するときにはその周波数帯域が比較的広く設
定され、また路側方向および/または路面方向の目標物
を測定するときにはその周波数帯域が比較的狭く設定さ
れるので、各測定方向における受信信号に含まれたノイ
ズ成分を除去することができる。
【0030】また本発明は、前記レーダ信号処理手段
は、路側方向および/または路面方向の目的物からの反
射波による受信信号をFFT処理により信号処理するこ
とを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、レーダ信号処理手段は、
路側方向および/または路面方向の目標物からの受信信
号をFFT処理するので、この目標物を正確に測定する
ことができる。
【0032】また本発明は、前記レーダ信号処理手段
は、FFT処理のサンプリング周期を変えて前記受信信
号をFFT処理することを特徴とする。
【0033】本発明に従えば、FFT処理を行う際のサ
ンプリング周期を変えて信号処理を行うので、このサン
プリング周期を長く設定することによって、信号処理時
間の短縮化を図ることができる。
【0034】また本発明は、前記レーダ信号処理手段
は、FFT処理のサンプリングポイント数を変えて前記
受信信号をFFT処理することを特徴とする。
【0035】本発明に従えば、FFT処理を行う際のサ
ンプリングポイント数を変えて信号処理を行うので、こ
のサンプリングポイント数を多く設定することによっ
て、分解性能の向上を図ることができる。
【0036】また本発明は、前記レーダ信号処理手段
は、路側方向および/または路面方向の目的物からの反
射波による受信信号をMEM処理により信号処理するこ
とを特徴とする。
【0037】本発明に従えば、レーダ信号処理手段は、
路側方向および/路面方向の目標物からの受信信号をM
EM処理するので、この目的物を正確に測定することが
できる。
【0038】また本発明は、前記故障信号の生成を終了
する故障解除手段が設けられ、前記故障解除手段は、前
記故障レベル範囲の受信信号の発生頻度が故障解除判定
範囲になると、前記故障信号生成手段による前記故障信
号の生成を終了することを特徴とする。
【0039】本発明に従えば、故障レベル範囲の受信信
号の発生頻度が低下すると、故障解除手段は故障信号先
生手段による故障信号の生成を終了する。したがって、
故障信号レーダ装置に付着した付着物が除去されて元の
状態になると、故障信号の生成は終了し、レーダ装置は
元の状態に戻って自動的に前方向の目標物の測定を開始
する。
【0040】また本発明は、前記故障解除判定範囲は、
前記故障判定範囲よりも小さく設定されていることを特
徴とする。
【0041】本発明に従えば、故障解除判定範囲は故障
判定範囲よりも小さく設定されているので、故障信号の
生成、この信号の生成終了にヒステリシス特性を持たせ
ることができる。
【0042】また本発明は、前記送信手段および前記受
信手段は、まず前方向の目標物を測定し、前方向の目標
物からの受信信号の信号レベルが前記測定切換レベル値
より小さくなると路側方向の目標物を測定し、路側方向
の目標物からの受信信号の信号レベルが前記測定切換レ
ベル値より小さくなると次に路面方向の目標物を測定す
ることを特徴とする。
【0043】本発明に従えば、送信手段および受信手段
は、測定順序として、まず前方向の目標物を測定し、次
いで路側方向の目標物を測定し、しかる後路面方向の測
定物を測定するので、効率よくかつ確実にレーダ装置の
故障を検知することができる。
【0044】さらに本発明は、前記送信手段および前記
受信手段は、路側方向および路面方向の目標物を測定す
るときその指向性が切換えられることを特徴とする。
【0045】本発明に従えば、路側方向および路面方向
を測定するときに送信手段および受信手段の指向性が切
換えられるので、これらの方向の目標物を所望のとおり
に測定することができる。さらに本発明は、送信信号を
発生する送信信号発生手段と、前記送信信号発生手段か
らの送信信号に基づいて送信波を送信するための送信手
段と、前記送信手段から送信された後目標物から反射さ
れた反射波を受信するための受信手段と、前記受信手段
により受信した受信信号をレーダ信号処理するためのレ
ーダ信号処理手段とを備えるレーダ装置において、レー
ダ装置の故障を検出する故障検出手段を備え、前記送信
手段は、レーダ装置の通常の動作時には送信信号の周波
数が変調された周波数変調信号に基づいて送信電波を送
信し、前記故障検出手段による故障検出時には送信信号
の周波数が変調されない無変調信号に基づいて送信波を
送信することを特徴とするレーダ装置である。さらにま
た本発明は、送信信号を発生する送信信号発生手段と、
前記送信信号発生手段からの送信信号に基づいて送信波
を送信するための送信手段と、前記送信手段から送信さ
れた後目標物から反射された反射波を受信するための受
信手段と、前記受信手段により受信した受信信号をレー
ダ信号処理するためのレーダ信号処理手段とを備えるレ
ーダ装置において、前記信号レベルに基づいてレーダ装
置の故障を検出する故障検出手段を備え、前記送信手段
は、レーダ装置の通常の動作時には送信信号の周波数が
変調された周波数変調信号に基づいて送信電波を送信
し、前記故障検出手段による故障検出時には送信信号の
周波数が変調されない無変調信号に基づいて送信波を送
信することを特徴とするレーダ装置である。本発明に従
えば、通常時は周波数変調された送信電波を用いてFM
−CW方式によって目標物の測定を行うことができる。
故障検出時は周波数変調を行わない無変調信号に基づい
て送信波を送信するので、受信信号に含まれるドップラ
成分の簡素化した信号処理で測定を行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従うレーダ装置の実施形態について説明する。図1
は、本発明に従うレーダ装置を装備した自動車を簡略的
に示す側面図であり、図2は、図1のレーダ装置を簡略
的に示すブロック図であり、図3は、図2のレーダ装置
における故障検出手順を示すフローチャートである。
【0047】図1を参照して、乗用車の如き自動車2
は、本発明に従うレーダ装置4の一実施形態を装備して
いる。このレーダ装置4は、車両本体6に搭載されたレ
ーダ装置本体8を含み、レーダ装置本体8およびこれに
関連する構成要素は、図2に示すとおりである。
【0048】主として図2を参照して、図示のレーダ装
置本体8は、送信信号発生手段を構成する送信信号発生
回路10と、送信信号発生回路10からの送信信号を送
信波として送信するための送信手段12と、目的物から
反射された反射波を受信するための受信手段14と、受
信手段14の受信信号をレーダ信号処理するレーダ信号
処理手段を構成するレーダ信号処理回路16とを備えて
いる。
【0049】この実施形態では、送信信号発生回路10
は、ノコギリ歯状、または三角状であって周波数変調さ
れた周波数変調信号を生成し、生成した周波数変調信号
を送信手段10およびレーダ信号処理手段16に送給す
る。送信手段10は、送信回路18、切換スイッチを構
成する切換回路20および送信アンテナ22を備え、送
信アンテナ22は主送信アンテナ24および副送信アン
テナ26から構成されている。送信回路18は、送信信
号発生回路10からの周波数変調された送信信号に基づ
いて送信波信号を生成し、この送信波信号を切換回路2
0に送給する。切換回路20は、この送信波信号の送給
を切換えるためのものである。主送信アンテナ24から
送信波を送信するとき、切換回路20は送信回路18か
らの送信波信号を主送信アンテナ22に送給し、まら副
送信アンテナ26から送信波を送信するとき、切換回路
20は送信回路18からの送信波信号を副送信アンテナ
26に送給する。
【0050】この実施形態では、図1に示すとおり、自
動車2の前面に主送信アンテナ24が取付けられ、また
自動車2の前部側面に副送信アンテナ26が取付けられ
ている。したがって、送信波信号が主送信アンテナ24
に送給されると、この主送信アンテナ24は前方向に向
けて送信波を送信する。一方、送信信号が副送信アンテ
ナ26に送給されると、この副送信アンテナ26は横方
向、換言すると路側方向に向けて送信波を送信する。
【0051】再び図2を参照して、受信手段14は、送
信アンテナ22から送信された後目標物によって反射さ
れた反射波を受信するための受信アンテナ28、切換回
路30および受信回路32を備え、受信アンテナ28
は、主受信アンテナ34と副受信アンテナ36から構成
され、主受信アンテナ34は、主送信アンテナ24に関
連して自動車2の前面に設けられ、また副受信アンテナ
36は、副送信アンテナ26に関連して自動車2の前部
側面に設けられる。主受信アンテナ34は、主送信アン
テナ24から送信された送信波を受信するためのもので
あり、したがって主送信アンテナ24および主受信アン
テナ34は、自動車2の前方向に存在する目標物、たと
えば前方の自動車などを検知するために用いられ、この
ように構成することによって、前方目標物を高感度で所
望のとおりに測定することができる。これに対して、副
受信アンテナ36は、副送信アンテナ26から送信され
た送信波を受信するためのものであり、したがって副送
信アンテナ26および副受信アンテナ36は、自動車2
の路側方向に存在する目標物、たとえばガードレール、
建物、樹木などを検知するために用いられ、このように
構成することによって、路側方向の目標物を高感度を所
望のとおりに測定することができる。
【0052】切換回路30は、受信アンテナ28にて受
信した受信波を受信回路32に導くものであり、主受信
アンテナ34によって前方向の目標物からの反射波を受
信するときには主受信アンテナ34からの受信波を受信
回路32に導き、また副受信アンテナ36によって路側
方向の目標物からの反射波を受信するときには副受信ア
ンテナ36からの受信波を受信回路32に導く。そし
て、このように送給された受信波は、受信回路32によ
って受信信号となり、この受信信号はレーザ処理回路1
6に送給される。
【0053】レーダ信号処理回路16は、送信信号発生
回路10からの送信信号と受信回路32からの受信信号
に基づいて目標物との間の距離などを測定し、その測定
結果は、自動車2の自動運転などに利用される。この実
施形態では、レーダ装置4は、送信信号発生回路10か
らの周波数変調信号を利用して目標物を測定するので、
レーダ信号処理手段は、所定の周波数変調方式(以下
「FM−CW方式」という)による受信信号の処理でも
って目標物との距離などを演算する。目標物との間隔が
大きくなると、送信アンテナ22から送信される送信波
と受信アンテナ28によって受信される受信波との位相
差が大きくなり、一方目標物との間隔が小さくなると、
送信アンテナ22からの送信波と受信アンテナ36の受
信波との位相差が小さくなり、かかる位相差を利用する
ことによって目標物との間隔が測定される。
【0054】この実施形態では、レーダ装置4の故障を
検出するために、さらに、次のとおりの構成を備えてい
る。受信手段14からの受信信号を利用するために、受
信信号が送給される制御系信号処理手段42が設けられ
ている。制御系信号処理手段42は、たとえば故障診断
用のマイクロプロセッサから構成され、信号レベル判定
手段44、目標物切換手段45、L信号カウンタ46、
タイマ48、故障判定手段50および故障信号生成手段
52を含んでいる。信号レベル判定手段44は、受信手
段14からの受信信号の信号レベルを判定し、前記受信
信号の信号レベルが予め設定される測定切換レベル値よ
り小さくなると、測定切換信号を生成する。目標物切換
手段45は、上記測定切換信号が生成されると、この目
標物切換信号に基づいて切換信号を生成して送信手段1
2の切換回路20および受信手段14の切換回路30に
送給し、これによって切換回路20,30が切換えられ
る。L信号カウンタ46は、路側方向の目標物を測定し
てるときの受信信号の信号レベルが予め設定される故障
レベル範囲になると、L信号としてこの信号の個数をカ
ウントする。この故障レベル範囲は、たとえば上記測定
切換レベル値以下の範囲に設定することもできるが、こ
の測定切換レベル値より異なるレベル値以下の範囲に設
定することもできる。タイマ48は、所定時間を計時す
るものであり、故障レベル範囲の受信信号、すなわちL
信号が生成されると、計時を開始し、故障レベル範囲の
受信信号の発生頻度を判定するための時間を計時する。
なお、このタイマ48の計時開始と同時に、L信号カウ
ンタ46による故障レベル範囲の受信信号のカウントが
開始され、このカウント動作は上記タイマ48が所定時
間計時する間行われる。また、故障判定手段50は、上
記L信号の発生頻度を判定し、上記所定時間の間に故障
判定範囲内になると故障判定信号を生成する。さらに、
故障信号生成手段52は、故障判定手段50にて故障判
定信号が生成されると、この故障判定信号に基づいて故
障信号を生成し、レーダ装置4自体が故障状態となり、
レーダ装置4による測定が実質上停止する。なお、上述
した記載から理解されるとおり、L信号カウンタ46、
タイマ48および故障判定手段50は、故障レベル範囲
の受信信号の発生頻度を判定するためのものであり、頻
度判定手段を構成する。
【0055】制御系信号処理手段42に関連して表示手
段54が設けられている。表示手段54は、警告ランプ
または自動車2の液晶表示装置などから構成することが
でき、故障信号生成手段52にて生成された故障信号が
表示手段54に送給され、この故障信号に基づいて表示
手段54は、レーダ装置4が測定不能状態である旨を表
示する。
【0056】次に、図2とともに図3を参照して、上述
したレーダ装置4の作動について説明する。このような
レーダ装置4においては、通常、送信手段12および受
信手段14は、前方向の目標物の測定を行う(ステップ
S−1)。すなわち、送信信号発生回路10からの送信
信号は送信回路18および切換回路20を介して主送信
アンテナ24に送給され、主送信アンテナ24から前方
向に送信波が送信される。そして、前方向の目標物から
の反射波は主受信アンテナ34によって受信され、主受
信アンテナ34の受信波は切換回路30および受信回路
32を介してレーダ信号処理回路16に送給され、この
レーダ信号処理回路16にて所要のとおりに信号処理さ
れ、前方向の目標物との間の距離などが測定される。そ
して、前方の目標物を捕らえることができる間、送信手
段12および受信手段28は上述したとおりにして前方
目標物を測定する。
【0057】前方向の目標物を測定することが困難とな
る、換言すると受信手段14の受信信号の信号レベルが
所定レベル値、すなわち測定切換レベル値より小さくな
ると、ステップS−2からステップS−3に進み、レー
ダ装置4が正常に作動しているか否か判定動作が遂行さ
れる。すなわち、信号レベル判定手段44は測定切換信
号を生成し、目標物切換手段45は、この測定切換信号
に基づいて作動信号を生成し、この作動信号に基づいて
切換回路20,30が切換えられる。かくすると、送信
信号発生回路10からの送信信号は、送信回路18およ
び切換回路20を介して副送信アンテナ26に送給さ
れ、副送信アンテナ26は路側方向に向けて送信信号を
送信する。また、副受信アンテナ36は、路側方向の目
標物、たとえばガードレールからの反射波を受信し、こ
の受信波は切換回路30および受信回路32を介してレ
ーダ信号処理手段16に送給される。したがって、この
ように送信波の送信方向が切換えられるので、レーダ信
号処理手段16は路側方向の目標物との間隔を測定する
(ステップS−3)。
【0058】そして、ステップS−3の測定動作よって
路側方向の目標物を測定することができた場合、レーダ
装置4は正常に作動しいるとしてステップS−4からス
テップSー1に戻り、再び前方目標物の測定が開始され
る。ステップS−1において前方向の目標物を測定する
ことができないのは、前方目標物との間隔が非常に大き
く、目標物からの反射波の減衰が大きいためであり、こ
のようなことを確認するためにステップS−3およびス
テップS−4が遂行される。
【0059】一方、ステップS−3における測定動作に
よって路側方向の目標物を測定することができない、換
言するとこのときの受信信号の信号レベルが故障レベル
範囲に含まれると、ステップS−4からステップS−5
に進み、タイマ48の作動が開始され、これと実質上同
時に、ステップS−6においてL信号カウンタ46がL
信号の発生個数をカウントする。そして、このようなL
信号のカウントは、タイマ48が所定時間計時する間継
続して行われ、この間送信手段12および受信手段14
は路側方向の目標物を測定する。
【0060】このようにしてタイマ48がタイムアップ
すると、ステップS−7からステップS−8に進み、L
信号カウンタ46のカウント値が所定値、すなわち故障
判定範囲であるか否かが判断される。たとえば、一例と
して、タイマ48の計時時間を1秒とし、この1秒間に
送信手段12および受信手段14によって100回の測
定を遂行する場合、この故障判定範囲としてL信号の発
生個数を50個以上と設定することができる。ステップ
S−8において、L信号カウンタ46の発生個数が故障
判定範囲から外れる、すなわちたとえば50個より少な
いと、レーダ装置4に故障などの測定不能状態が発生し
ていないとしてステップS−1に戻り、再び前方向の目
標物の測定が再開される。
【0061】これに対して、L信号カウンタ46の発生
個数が故障判定範囲に含まれる、すなわち50以上であ
ると、レーダ装置4による目標物の測定が困難であると
して故障判定手段50は故障判定信号を生成し、この故
障判定信号に基づいて故障信号生成手段52は故障信号
を生成する(ステップS−9)。そして、この故障信号
に基づいて表示手段54は、レーダ装置4が測定不能状
態である旨を運転者に知らせる。このような測定不能状
態とは、たとえば、送信手段12および/または受信手
段14に泥、雪などの付着物が付着して受信波の減衰が
大きく、これによって受信波を充分な感度でもって測定
することができないとき、またレーダ装置4自体、たと
えばその構成部品が故障して受信波を受信することがで
きないときなどがあり、このようなときにおける測定不
能状態を確実に検知することができる。そして、L信号
の発生頻度に基づいて測定不能状態を検知しているの
で、誤検知なく正確に検知することができる。
【0062】なお、ステップS−4からステップSー1
に、またはステップS−8からステップS−1に戻る
と、目標物切換手段45は作動信号を生成して送信手段
12の切換回路20および受信手段14の切換回路30
を切換え、送信信号発生回路10からの送信信号は送信
回路18および切換回路20を介して主送信アンテナ2
4に送給され、また目標物からの反射波は主受信アンテ
ナ34にて受信され、この受信波は切換回路30および
受信回路32を介してレーダ信号処理回路16に送給さ
れる。
【0063】上述した実施形態では、送信手段12にお
ける送信アンテナ22および受信手段14における受信
アンテナ28を別個のアンテナから構成しているが、こ
れらのアンテナを共通の送受信アンテナから構成するこ
ともできる。かかる場合、主送信アンテナ24および主
受信アンテナ34を共通の平面アンテナなどから構成す
ることができ、また副送信アンテナ26および副受信ア
ンテナ36を共通のパッチアンテナ、ホーンアンテナな
どから構成することができる。
【0064】また、上述した実施形態では、前方向の目
標物を測定する主アンテナ(主送信アンテナおよび主受
信アンテナ)と路側方向の目標物を測定する副アンテナ
(副送信アンテナおよび副受信アンテナ)とを別個のア
ンテナから構成し、測定する方向によって使用するアン
テナを切換えているが、これに変えて、主アンテナおよ
び副アンテナを共通のアンテナ(主および副送信アンテ
ナならびに主および副受信アンテナ)から構成し、この
共通アンテナに供給される送信信号を変えることによっ
て、共通アンテナの指向性を変え、前方向の目標物を測
定するときにはその指向性を前方向に設定し、また路側
方向の目標物を測定するときにはその指向性を路側方向
に設定するようにすることもできる。
【0065】このような共通アンテナとしては、たとえ
ば、それ自体周知のモノパルスアンテナ、フェーズドア
レイアンテナ、デジタルビームフォーミングアンテナな
どを用いることができる。モノパルスアンテナを用いた
場合、所定の和信号をこのアンテナに送給したときはそ
の指向性が前方向となり、それ故に、前方向の目標物を
高感度で測定することができ、一方、所定の差信号をこ
のアンテナに送給したときにはその指向性が路側方向と
なり、それ故に、路側方向の目標物を高感度に測定する
ことができる。フェーズドアレイアンテナを用いた場
合、このアンテナに送給される送信信号の位相を制御す
ることによってその指向性を変えることができ、所定の
位相の送信信号を加えることによって前方向、路側方向
の目標物を高感度で測定することができる。また、デジ
タルビームフォーミングアンテナを用いた場合、生成さ
れるデジタルビームの方向を制御することによってその
指向性を変えることができ、所定の方向のデジタルビー
ムを生成することによってその指向性を変えることがで
きる。
【0066】また、上述した実施形態では、レーダ装置
4の測定不能状態を診断するために路側方向の目標物を
測定しているが、これに代えて、またはこれとともに路
面方向の目標物、換言すると路面を測定するようにする
こともできる。このような場合、送信手段12の副送信
アンテナ26および受信手段14の副受信アンテナ36
は、路面方向の目標物を測定するように配置される。路
側方向の目標物は、自動車2の近くに必ずしも存在しな
い場合があり、それ故に、路側方向の目標物に加えて路
面方向の目標物を測定するようにするのが望ましい。こ
の場合、測定手順として、まず、主送信アンテナ24お
よび主受信アンテナ24によって前方向の目標物を測定
する。そして、前方向の目標物からの受信信号の信号レ
ベルが測定切換レベル値より小さくなると、次いで副送
信アンテナ26および副受信アンテナ36によって路側
方向の目標物を測定する。さらに、路側方向の目標物か
らの受信信号の信号レベルが前記測定切換レベル値より
小さくなると、副送信アンテナ26および副受信アンテ
ナ36によって路面方向の目標物を測定するようにする
のが望ましく、このような順序でもって測定することに
よって、測定不能状態を効率よくかつ確実に検知するこ
とができる。このとき、副送信アンテナ26および副受
信アンテナ36は、路側方向および路面方向の目標物を
測定するときその指向性が切換えられるようにすること
が望ましく、このように構成することによってこれら目
標物を高感度で測定することができる。なお、前方向、
路側方向および路面方向の目標物を測定する場合でも、
上述した種々の共通アンテナを用いることができる。
【0067】また、上述した実施形態では、前方向の目
標物および路側方向(または路面方向)の目標物を測定
する場合、いずれも、周波数変調された周波数変調信号
を用いてFM−CW方式によって目標物を測定している
が、前方向の目標物を測定する場合にFM−CW方式を
利用し、路側方向(または路面方向)の目標物を測定す
る場合に送信信号の周波数変調が行われていない無変調
信号方式(以下「CW方式」という)を利用するように
することもできる。このように路側方向(または路面方
向)の目標物の測定にCW方式を用いることによって、
信号処理を簡素化することができ、また信号帯域をFM
−CW方式に比して小さくすることができ、ノイズ成分
を小さくしてS/N比を向上することができる。
【0068】このようにFM−CW方式とCW方式とを
組合わせて用いる場合、たとえば図4に示すとおりに構
成することができる。なお、図4において、図2に示す
構成と実質上同一のものには同一の番号を付してその説
明を省略する。
【0069】レーダ装置本体の変形形態を示す図4を参
照して、送信信号発生回路10は、送信信号を周波数す
るための変調器102を含み、前方向の目標物を測定す
るときにはこの変調器102は作動され、したがって周
波数変調された送信信号が送信手段12に送信される。
一方、路側方向(または路面方向)の目標物を測定する
ときにはこの変調器102は作動されず、周波数変調さ
れない無変調の送信信号が送信手段12に送給される。
この変形形態では、目標物からの反射波を受信する受信
手段14とレーダ信号処理手段16との間に、自動車2
(図1参照)の車速に対応する周波数帯域の受信信号を
レーダ信号処理回路16に送給するためのフィルタ手段
104が設けられている。この変形形態では、フィルタ
手段104は、フィルタ特性の異なる複数個の第1〜第
nのフィルタ106a,106b・・106nから構成
され、各フィルタ106a〜106nの一方側の端子が
受信手段14に電気的に接続され、それらの他方側の端
子がそれぞれA/D変換器108a〜108nを介して
メモり110に接続され、このメモリ110がレーダ信
号処理回路16に接続されている。また、受信手段14
とメモリ110との間にはA/D変換器112も介在さ
れている。また、レーダ信号処理回路16に関連して、
たとえば車速センサから構成される車速検出手段114
が設けられ、かかる車速検出手段114からの検出信号
はレーダ信号処理回路16に送給される。
【0070】このような変形形態では、前方向の目標物
を測定する場合、変調器102によって周波数変調され
た送信信号が送信手段12に送給され、送信手段12は
前方向に向けて送信波を送信する。そして、目標物から
の反射波は受信手段14によって受信され、受信手段1
4からの受信信号は、それぞれ、第1〜第nフィルタ1
06a〜106nおよびA/D変換器108a〜108
nを通してメモり110に送給されるとともに、A/D
変換器112を通してメモり110に送給され、これら
受信信号は、メモリ110にそれぞれ記憶される。
【0071】前方の目標物を測定する場合、フィルタ手
段104を通過しない受信信号、換言するとA/D変換
器112によってデジタル変換された受信信号がメモリ
110から読出され、この受信信号がレーダ信号処理回
路16によって所定の信号処理が行われる。このような
信号処理としては、高速フーリエ変換処理(以下「FF
T処理」という)を好都合に用いることができる。
【0072】また、路側方向(または路面方向)の目標
物を測定する場合、変調器102は不作動となって周波
数変調されない送信信号が送信手段2に送給され、送信
信号は路側方向に向けて送信波を送信する。そして、路
側方向の目標物からの反射波は受信手段14によって受
信され、受信手段14からの受信信号は、上述したと同
様に、それぞれ、第1〜第nフィルタ106a〜106
nおよびA/D変換器108a〜108nを通してメモ
り110に送給されるとともに、A/D変換器112を
通してメモり110に送給され、これら受信信号は、メ
モリ110にそれぞれ記憶される。
【0073】路側方向の目標物を測定する場合、フィル
タ手段104を通過した受信信号が利用される。さらに
説明すると、たとえば、第1フィルタ106aのフィル
タ特性は車速が0〜10km/hのときの周波数帯域に
対応し、第2フィルタ106bのフィルタ特性は10〜
20km/hのときの周波数帯域に対応して設定されて
いる。したがって、車速検出手段114が検出した検出
車速(たとえば8km/h)に対応するフィルタ(たと
えば第1フィルタ106a)およびA/D変換器(たと
えばA/D変換器108a)を通過した受信信号がメモ
リ110から読出され、この読出された受信信号がレー
ダ信号処理回路16によって所定の信号処理が行われ
る。この場合にも、前方向の目標物の測定と同様に、F
FT処理が行なわれ、周波数変調を行わない送信波によ
る測定では受信信号はドップラ成分しか持たず、そのた
め、信号処理を簡素化して所望のとおりに測定すること
ができる。このように、自動車2の車速に対応した周波
数帯域の受信信号をレーダ信号処理回路16により信号
処理するようにしたので、ノイズ成分を少なくしてより
正確に測定することができる。
【0074】なお、図4の変形形態では、受信手段14
からの受信信号をメモり110に一旦記憶させている
が、メモリ110を設けることに代えて、たとえば、A
/D変換器108a〜108n,112とレーダ信号処
理回路16との間に切換スイッチ手段を設け、この切換
スイッチ手段の接点を切換えることによって、車速に対
応した周波数帯域の受信信号のみをレーダ信号処理回路
16に送給するようにすることもできる。
【0075】図4に示す変形形態では、フィルタ手段1
04が複数個のフィルタ106a〜106nから構成さ
れ、各フィルタ106a〜106nに対応してA/D変
換器108a〜108nが設けられているが、このよう
に構成することに代えて、図5に示すとおりに構成する
こともできる。図5を参照して、図示の変形形態では、
受信手段14とレーダ信号処理回路16との間に介在さ
れるフィルタ手段122が可変フィルタ124から構成
されている。可変フィルタ124は、そのフィルタ特性
が自動車2(図1)の車速に対応する範囲、たとえば0
〜180km/hの範囲に対応して可変である。可変フ
ィルタ124およびA/D変換器126と、A/D変換
器128とは電気的に並列に配設され、切換手段130
によってレーダ信号処理回路16に送給される受信信号
が選択される。また、レーダ信号処理回路16に関連し
て車速検出手段114が設けられている。
【0076】この変形形態では、前方向の目標物を測定
する場合、切換手段130は、A/D変換器128の信
号をレーダ信号処理回路16に導く。したがって、受信
手段14からの受信信号は、可変フィルタ手段124を
通ることなく、A/D変換器128にてデジタル信号に
変換され、このデジタル変換された受信信号がレーダ信
号処理回路16に送給され、レーダ信号処理回路16
は、たとえばFFT処理によって前方向の目標物を測定
する。
【0077】また、路側方向(または路面方向)の目標
物を測定する場合、切換手段130は、A/D変換器1
26からの信号をレーダ信号処理回路16に導く。した
がって、受信手段14からの受信信号は、可変フィルタ
124を通り、A/D変換器126にてデジタル変換さ
れ、しかる後切換手段130を通してレーダ信号処理回
路16に送給される。このとき、可変フィルタ124
は、車速検出手段114により検出された車速に応じて
そのフィルタ特性が可変され、そのフィルタ特性は、検
出車速に対応した周波数帯域となるように設定される。
したがって、車速検出手段114が検出した検出車速に
対応する周波数帯域の受信信号が可変フィルタ124お
よびA/D変換器126および切換手段130を通して
送給され、この送給された受信信号がレーダ信号処理回
路16によってFFT処理が行われる。この場合にも、
図4の変形形態と同様に、自動車2の車速に対応した周
波数帯域の受信信号がレーダ信号処理回路16により信
号処理されるので、ノイズ成分を少なくしてより正確に
測定することができる。加えて、フィルタ手段122と
して可変フィルタ124を用いたので、フィルタおよび
A/D変換器の数を少なくすることができ、これによっ
て、その回路構成を簡単に、かつ製造コストも低減する
ことができる。
【0078】このような可変フィルタとして、たとえ
ば、スイッチトキャパシタフィルタ、デジタルフィルタ
などを好都合に用いることができる。このようなスイッ
チトキャパシタフィルタ、デジタルフィルタを用いるこ
とによってそのフィルタ特性を可変することができる。
【0079】また、図4または図5に示す変形形態で
は、前方向の目標物を測定する場合にFM−CW方式を
採用し、また路側方向(または路面方向)の目標物を測
定する場合にCW方式を採用しており、このように構成
することによって、レーダ信号処理回路16における信
号処理を共通化することができる。
【0080】このようにFM−CW方式およびCW方式
を採用して受信信号をFFT処理するようにした場合、
FM−CW信号方式の受信信号帯域は数百kHz程度と
なり、一方CW方式の受信信号帯域はドップラ成分しか
含まないので数十kHz程度となる。それ故に、受信信
号をFFT処理する場合、CW方式による、換言すると
路側方向(または路面方向)の目標物を測定するとき、
受信信号の信号帯域が小さくなった分測定のためのサン
プル周期を長くするすることができ、このことに関連し
て、FFT処理の際のサンプリング周期を可変とするこ
とができる。このサンプリング周期の切換は、たとえ
ば、図4または図5の変形形態においてA/D変換器1
08a〜108n,126のサンプリング周波数を可変
することによって行うことができる。このようにサンプ
リング周期を可変として長く設定することによって、観
測期間内のサンプリングポイント数が少なくなり、信号
処理時間の短縮を図ることができる。また、上述したこ
とに関連して、FFT処理の際のサンプリングポイント
数を可変とすることができる。このようにFFT処理の
サンプリングポイント数を可変としてその数を多く設定
することによって、観測期間が長くなり、分解性能の向
上およびノイズ成分の低減を図るとができる。
【0081】上述したように、FM−CW方式では受信
信号、換言すると前方向の目標物を測定する受信信号の
周波数帯域は数百kHz程度と比較的大きく、したがっ
て周波数帯域の比較的広いフィルタ特性を有するフィル
タを用いてかかる周波数帯域を超える周波数をカットす
るのが望ましく、このようにすることによって不要なノ
イズ成分を除去して前方向の目標物の測定の分解能を高
めることができる。また、CW方式では受信信号、換言
すると路側方向(または路面方向)の目標物を測定する
受信信号の周波数は数十kHz程度と比較的狭く、した
がって周波数帯域の比較的狭いフィルタ特性を有するフ
ィルタを用いてかかる周波数帯域を超える周波数をカッ
トするのが望ましく、このようにすることによって不要
なノイズ成分を除去して路側方向(またま路面方向)の
目標物の測定の分解能を高めることができる。
【0082】上述したノイズ成分の除去は、たとえば、
図2の実施形態において、受信手段14とレーザ信号処
理回路16との間に、周波数帯域の比較的広いフィルタ
特性を有する第1フィルタと周波数帯域の比較的狭いフ
ィルタ特性を有する第2フィルタとを有するフィルタ手
段を設け、さらに第1および第2フィルタ手段を切換え
るための切換回路を付加することによって行うことがで
きる。この場合、前方の目標物を測定ときには切換回路
によって第1フィルタが選択され、受信手段14からの
受信信号は第1フィルタを通してレーダ信号処理回路1
6に送給され、また路側方向(または路面方向)の目標
物を測定するときには切換回路によって第2フィルタが
選択され、受信手段14からの受信信号は第2フィルタ
を通してレーダ信号処理回路16に送給される。
【0083】上述した実施形態のレーダ装置4では、レ
ーダ装置4、特に送信手段12および/または受信手段
14に付着物が付着して測定不能状態になると、故障信
号生成手段52が故障信号を生成して故障状態となる
が、この測定不能状態が解消される、換言するとレーダ
装置4に付着した泥、雪などの付着物が落下すると、こ
の故障状態を解除するようにするのが望ましい。
【0084】故障状態の解除を行う場合、図2の実施形
態の制御系信号処理手段42に故障解除手段を含めると
ともに、たとえば図6に示すフローチャートにしたがっ
て動作制御することができる。
【0085】図2および図6を参照して、測定不能状態
においては、レーダ装置4は前方向の目標物の測定は行
わず、路側方向(または路面方向)の目標物を測定して
測定不能状態が解消されたか否かを検知する。すなわ
ち、送信手段12の副送信アンテナ26および受信手段
14の副受信アンテナ36を用いて路側方向の目標物の
測定を行う(ステップS−11)。この測定において
は、図3のフローチャートにおけるステップS−5〜ス
テップS−7と同様に、ステップS−12においてタイ
マ48が作動され、このタイマ48が作動する間、L信
号カウンタ46がL信号の発生個数をカウントする。そ
して、タイマ48がタイムアップすると、ステップS−
14からステップS−15に進み、L信号カウンタ46
のカウント値が第2所定値以下である、すなわち故障解
除判定範囲内であるか否かが判断される。この第2所定
値として、たとえば1秒間に100回の測定を遂行する
場合にたとえば20個と設定することができ、20個以
下の範囲が故障解除判定範囲として設定される。
【0086】ステップS−15において、L信号カウン
タ46のカウント値が20個を超えて故障解除判定範囲
から外れている場合、レーダ装置4の測定不能状態が解
消されていないとしてステップS−11に戻り、再び、
測定不能状態が解消されたか否かを検知する動作が繰返
し遂行される。一方、L信号カウンタ46のカウント値
が20個以下で故障解除判定範囲内になると、ステップ
S−15からステップS−16に進み、故障解除手段
(図示せず)は故障信号生成手段52による故障信号の
生成を終了させる。したがって、レーダ装置4の付着物
が落下して受信手段14に充分な信号レベルの受信信号
が受信されるようになると、故障信号の生成が終了す
る。このようにして受信信号の生成が終了すると、ステ
ップS−17において表示手段54における測定不能状
態の表示が消去され、続いてステップS−18において
レーダ装置14によるレーダ測定、すなわち前方向の目
標物の測定が再開される。かくして、付着物が落下、除
去されると、レーダ装置4による目標物の測定が自動的
に再開される。
【0087】この例では、上述した記載から容易に理解
される如く、故障判定手段50が故障として判定する故
障判定範囲と、故障解除手段(図示せず)が故障解除と
して判定する故障解除判定範囲とが異なり、故障解除判
定範囲が故障判定範囲よりも小さく設定されている。そ
れ故に、通常の状態から測定不能状態と判定するときの
基準と、測定不能状態から解除状態と判定する基準にヒ
ステリシス特性を持たせているので、不安定動作を解消
することができる。
【0088】以上、本発明に従うレーダ装置の実施形態
について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種
々の変形、修正が可能である。
【0089】たとえば、図示の実施形態では、レーダ信
号処理回路16は受信手段14からの受信信号をFFT
処理しているが、この受信信号をMEM処理(最大エン
トロピー法による処理)して目標物を測定するようにす
ることもできる。このMEM処理においては、FFT処
理よりもより低い周波数を検出することができ、自動車
2が低速走行するとになどに好都合に適用することがで
きる。
【0090】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のレーダ装置によ
れば、送信手段および受信手段は、通常、前方向の目標
物を測定し、レーダ信号処理手段は送信波および受信波
に基づいてこの目的物との間隔などを求める。そして、
このような測定中において、受信波の信号レベルが測定
切換レベル値より小さくなると、レーダ装置の性能低下
による信号レベル低下か否かを検知するために、目標物
切換手段は送信手段および受信手段の測定する方向を切
換え、送信手段および受信手段は路側方向および/また
は路面方向の目標物を測定する。路側方向にはガードレ
ール、建物などが存在し、また路面方向には路面が存在
するので、泥、雪などの付着物が付着していない場合、
受信手段によって受信される反射波の減衰が少なく、レ
ーダ装置は目標物を確実に捕らえることができる。一
方、付着物が付着している場合、受信手段に受信される
反射波の減衰が大きく、その信号レベルが故障レベル範
囲まで低下すると、頻度判定手段が故障レベル範囲の受
信信号の発生頻度を判定し、その発生頻度が故障判定範
囲になると故障信号生成手段は故障信号を生成する。し
たがって、付着物によって受信信号の信号レベルが低下
すると、レーダ装置による測定が実質上不能として故障
信号が生成される。このようなレーダ装置では、レーダ
装置自体に故障がある場合にも受信手段に受信される受
信信号の信号レベルが著しく小さいか、または実質上存
在しないので、レーダ装置自体の故障をも検知すること
ができる。
【0091】また本発明の請求項2記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナおよび受信アンテナの一方または
双方は、路側方向および/または路面方向の目標物を測
定するときにその指向性が切換えられるので、かかる方
向の目標物を測定する際の検知感度を高めることができ
る。
【0092】また本発明の請求項3記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナは前方を測定するための主送信ア
ンテナと路側方向および/または路面方向を測定するた
めの副送信アンテナとを有し、また受信アンテナは前方
向を測定するための主受信アンテナと路側方向および/
または路面方向を測定するための副受信アンテナとを有
している。そして、前方向の目標物を測定するときには
主送信アンテナおよび主受信アンテナが用いられ、また
路側方向および/または路面方向の目標物を測定すると
きには副送信アンテナおよび副受信アンテナが用いられ
るので、前方向の目標物と、路側方向および/または路
面方向の目標物とを所望のとおりに検知することができ
る。
【0093】また本発明の請求項4記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナおよび受信アンテナがモノパルス
アンテナから構成されているので、加える送信信号によ
ってアンテナの指向性を変えることができ、比較的簡単
な構成かつ容易に送信アンテナおよび受信アンテナの指
向性を切換えることができる。
【0094】また本発明の請求項5記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナおよび受信アンテナがフェイズド
アレイアンテナから構成されているので、加える送信信
号の位相を制御することによってアンテナの指向性を変
えることができ、比較的簡単な構成かつ容易に送信アン
テナおよび受信アンテナの指向性を切換えることができ
る。
【0095】また本発明の請求項6記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナおよび受信アンテナがデジタルビ
ームフォーミングアンテナから構成されているので、生
成されるデジタルビームの方向を制御することによって
アンテナの指向性を変えることができ、比較的簡単な構
成かつ容易に送信アンテナおよび受信アンテナの指向性
を切換えることができる。
【0096】また本発明の請求項7記載のレーダ装置に
よれば、送信アンテナおよび受信アンテナの指向性の切
換えがスイッチ手段によって行われるので、その指向性
の切換を容易に行うことができる。
【0097】また本発明の請求項8記載のレーダ装置に
よれば、前方向を目標物を測定するときには周波数変調
信号が利用され、一方路側方向および/または路面方向
の目標物を測定するときには無変調信号が利用されるの
で、前方向の目標物と、路側方向および/または路面方
向の目標物とを所望のとおりに測定することができる。
【0098】また本発明の請求項9記載のレーダ装置に
よれば、受信手段とレーダ信号処理手段との間に介在さ
れたフィルタ手段は、路側方向および/または路面方向
の目標物を測定するときに選択されて車速に対応する周
波数帯域の受信信号をレーダ信号処理手段に送給するの
で、このときの受信信号のノイズ成分を低減してこの目
標物を高精度に測定することができる。
【0099】また本発明の請求項10記載のレーダ装置
によれば、フィルタ手段は可変フィルタから構成されて
いるので、可変フィルタのフィルタ特性を可変すること
によって受信信号に含まれるノイズ成分を効果的に除去
することができる。
【0100】また本発明の請求項11記載のレーダ装置
によれば、可変フィルタがスイッチトキャパシタフィル
タまたはデジタルフィルタから構成されているので、受
信信号に含まれるノイズ成分を効果的に除去することが
できる。
【0101】また本発明の請求項12記載のレーダ装置
によれば、受信手段とレーダ信号処理手段との間に介在
されたフィルタ手段は、前方向の目標物を測定するとき
にはその周波数帯域が比較的広く設定され、また路側方
向および/または路面方向の目標物を測定するときには
その周波数帯域が比較的狭く設定されるので、各測定方
向における受信信号に含まれたノイズ成分を除去するこ
とができる。
【0102】また本発明の請求項13記載のレーダ装置
によれば、レーダ信号処理手段は、路側方向および/ま
たは路面方向の目標物からの受信信号をFFT処理する
ので、この目標物を正確に測定することができる。
【0103】また本発明の請求項14記載のレーダ装置
によれば、FFT処理を行う際のサンプリング周期を変
えて信号処理を行うので、このサンプリング周期を長く
設定することによって、信号処理時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0104】また本発明の請求項15記載のレーダ装置
によれば、FFT処理を行う際のサンプリングポイント
数を変えて信号処理を行うので、このサンプリングポイ
ント数を多く設定することによって、分解性能の向上を
図ることができる。
【0105】また本発明の請求項16記載のレーダ装置
によれば、レーダ信号処理手段は、路側方向および/路
面方向の目標物からの受信信号をMEM処理するので、
この目的物を正確に測定することができる。
【0106】また本発明の請求項17記載のレーダ装置
によれば、故障レベル範囲の受信信号の発生頻度が低下
すると、故障解除手段は故障信号先生手段による故障信
号の生成を終了する。したがって、故障信号レーダ装置
に付着した付着物が除去されて元の状態になると、故障
信号の生成は終了し、レーダ装置は元の状態に戻って自
動的に前方向の目標物の測定を開始する。
【0107】また本発明の請求項18記載のレーダ装置
によれば、故障解除判定範囲は故障判定範囲よりも小さ
く設定されているので、故障信号の生成、この信号の生
成終了にヒステリシス特性を持たせることができる。
【0108】また本発明の請求項19記載のレーダ装置
によれば、送信手段および受信手段は、測定順序とし
て、まず前方向の目標物を測定し、次いで路側方向の目
標物を測定し、しかる後路面方向の測定物を測定するの
で、効率よくかつ確実にレーダ装置の故障を検知するこ
とができる。
【0109】さらに本発明の請求項20記載のレーダ装
置によれば、路側方向および路面方向を測定するときに
送信手段および受信手段の指向性が切換えられるので、
これらの方向の目標物を所望のとおりに測定することが
できる。さらに本発明の請求項21または22記載のレ
ーダ装置によれば、通常時は周波数変調された送信波で
目標物の測定を行い、故障検出時は無変調の送信波で簡
素化した測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレーダ装置の一実施形態を装備し
た自動車を簡略的に示す側面図である。
【図2】図1のレーダ装置を簡略化して示すブロック図
である。
【図3】図2のレーダ装置の故障検知手順を示すフロー
チャートである。
【図4】レーダ装置本体の変形形態を簡略的に示すブロ
ック図である。
【図5】レーダ装置本体の他の変形形態の一部を簡略的
に示すブロック図である。
【図6】レーダ装置の故障解除手順を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
2 自動車 4 レーダ装置 8 レーダ装置本体 10 送信信号発生回路 12 送信手段 14 受信手段 16 レーダ信号処理手段 20,30 切換回路 22 送信アンテナ 28 受信アンテナ 42 制御系信号処理手段 44 信号レベル判定手段 45 目標物切換手段 46 L信号カウンタ 50 故障判定手段 52 故障信号生成手段 102 変調器 104 フィルタ手段 114 車速検出手段 122 可変フィルタ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号を発生する送信信号発生手段
    と、前記送信信号発生手段からの送信信号に基づいて送
    信波を送信するための送信手段と、前記送信手段から送
    信された後目標物から反射された反射波を受信するため
    の受信手段と、前記受信手段により受信した受信信号を
    レーダ信号処理するためのレーダ信号処理手段と、前記
    受信信号の信号レベルを判定するための信号レベル判定
    手段と、前記送信手段および前記受信手段の測定する目
    標物の方向を切換えるための目標物切換手段と、前記受
    信信号の信号レベルが故障レベル範囲である受信信号の
    頻度を判定する頻度判定手段と、故障信号を生成する故
    障信号生成手段とを備え、 前記送信手段および前記受信手段は、通常、前方向の目
    標物を測定し、前記前方向の目標物を測定する受信信号
    の信号レベルが測定切換レベル値より小さくなると、前
    記目標物切換手段は、前記送信手段および前記受信手段
    の測定方向を切換え、前記送信手段および前記受信手段
    は路側方向および/または路面方向の目標物を測定し、
    前記路側方向および/または路面方向の目標物を測定す
    る受信信号の信号レベルが前記故障レベル範囲になる
    と、前記頻度判定手段が前記故障レベル範囲の受信信号
    の発生頻度を判定し、その発生頻度が故障判定範囲にな
    ると、前記故障信号生成手段が前記故障信号を生成する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記送信手段は送信波を送信する送信ア
    ンテナを含み、前記受信手段は反射波を受信する受信ア
    ンテナを含み、前記送信アンテナおよび/または前記受
    信アンテナは、路側方向および/または路面方向の目標
    物を測定するときにその指向性が切換えられることを特
    徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記送信アンテナは、前方向に向けて送
    信波を送信する主送信アンテナと、路側方向および/ま
    たは路面方向に向けて送信波を送信する副送信アンテナ
    とを含み、また前記受信アンテナは、前方向からの反射
    波を受信する主受信アンテナと、路側方向および/また
    は路面方向からの反射波を受信する副受信アンテナとを
    含み、前記目標物切換手段は、前方向の目標物を測定す
    るときには前記主送信アンテナおよび前記主受信アンテ
    ナを作動状態にし、路側方向および/または路面方向の
    目標物を測定するときには前記副送信アンテナおよび前
    記副受信アンテナを作動状態にすることを特徴とする請
    求項2記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記送信アンテナおよび前記受信アンテ
    ナはモノパルスアンテナから構成されていることを特徴
    とする請求項2記載のレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記送信アンテナおよび前記受信アンテ
    ナはフェーズドアレイアンテナから構成されていること
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記送信アンテナおよび前記受信アンテ
    ナはデジタルビームフォーミングアンテナから構成され
    ていることを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記送信アンテナおよび/または前記受
    信アンテナの指向性は、切換スイッチにより切換えられ
    ることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のレ
    ーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記送信手段は、前方向の目標物を測定
    するときには送信信号の周波数が変調された周波数変調
    信号に基づいて送信波を送信し、路側方向および/また
    は路面方向の目標物を測定するときには送信信号の周波
    数が変調されない無変調信号に基づいて送信波を送信す
    ることを特徴とする請求項1の記載のレーダ装置。
  9. 【請求項9】 前記受信手段と前記レーダ信号処理手段
    との間には、選択的に選択されるフィルタ手段が設けら
    れ、前記フィルタ手段は、路側方向および/または路面
    方向の目標物を測定したときに選択されて車速に対応す
    る周波数帯域の受信信号を前記レーダ信号処理手段に送
    給することを特徴とする請求項8記載のレーダ装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタ手段は、そのフィルタ特
    性が車速に対応する範囲内にて可変である可変フィルタ
    から構成されていることを特徴とする請求項9記載のレ
    ーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記可変フィルタはスイッチトキャパ
    シタフィルタまたはデジタルフィルタから構成されてい
    ることを特徴とする請求項10記載のレーダ装置。
  12. 【請求項12】 前記受信手段と前記レーダ信号処理手
    段との間にはフィルタ手段が設けられ、前記フィルタ手
    段のフィルタ特性は、前方向の目標物を測定するときと
    はその周波数帯域が比較的広く、また路側方向および/
    または路面方向の目標物を測定するときはその周波数帯
    域が比較的狭くなるように切換えられることを特徴とす
    る請求項8記載のレーダ装置。
  13. 【請求項13】 前記レーダ信号処理手段は、路側方向
    および/または路面方向の目的物からの反射波による受
    信信号をFFT処理により信号処理することを特徴とす
    る請求項8〜12のいずれかに記載のレーダ装置。
  14. 【請求項14】 前記レーダ信号処理手段は、FFT処
    理のサンプリング周期を変えて前記受信信号をFFT処
    理することを特徴とする請求項13記載のレーダ装置。
  15. 【請求項15】 前記レーダ信号処理手段は、FFT処
    理のサンプリングポイント数を変えて前記受信信号をF
    FT処理することを特徴とする請求項13記載のレーダ
    装置。
  16. 【請求項16】 前記レーダ信号処理手段は、路側方向
    および/または路面方向の目的物からの反射波による受
    信信号をMEM処理により信号処理することを特徴とす
    る請求項8〜12のいずれかに記載のレーダ装置。
  17. 【請求項17】 前記故障信号の生成を終了する故障解
    除手段が設けられ、前記故障解除手段は、前記故障レベ
    ル範囲の受信信号の発生頻度が故障解除判定範囲になる
    と、前記故障信号生成手段による前記故障信号の生成を
    終了することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに
    記載のレーダ装置。
  18. 【請求項18】 前記故障解除判定範囲は、前記故障判
    定範囲よりも小さく設定されていることを特徴とする請
    求項17記載のレーダ装置。
  19. 【請求項19】 前記送信手段および前記受信手段は、
    まず前方向の目標物を測定し、前方向の目標物からの受
    信信号の信号レベルが前記測定切換レベル値より小さく
    なると路側方向の目標物を測定し、路側方向の目標物か
    らの受信信号の信号レベルが前記測定切換レベル値より
    小さくなると次に路面方向の目標物を測定することを特
    徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  20. 【請求項20】 前記送信手段および前記受信手段は、
    路側方向および路面方向の目標物を測定するときその指
    向性が切換えられることを特徴とする請求項19記載の
    レーダ装置。
  21. 【請求項21】 送信信号を発生する送信信号発生手段
    と、前記送信信号発生手段からの送信信号に基づいて送
    信波を送信するための送信手段と、前記送信手段から送
    信された後目標物から反射された反射波を受信するため
    の受信手段と、前記受信手段により受信した受信信号を
    レーダ信号処理するためのレーダ信号処理手段とを備え
    るレーダ装置において、 レーダ装置の故障を検出する故障検出手段を備え、 前記送信手段は、レーダ装置の通常の動作時には送信信
    号の周波数が変調された周波数変調信号に基づいて送信
    電波を送信し、前記故障検出手段による故障検出時には
    送信信号の周波数が変調されない無変調信号に基づいて
    送信波を送信することを特徴とするレーダ装置。
  22. 【請求項22】 送信信号を発生する送信信号発生手段
    と、前記送信信号発生手段からの送信信号に基づいて送
    信波を送信するための送信手段と、前記送信手段から送
    信された後目標物から反射された反射波を受信するため
    の受信手段と、前記受信手段により受信した受信信号を
    レーダ信号処理するためのレーダ信号処理手段とを備え
    るレーダ装置において、 前記信号レベルに基づいてレーダ装置の故障を検出する
    故障検出手段を備え、 前記送信手段は、レーダ装置の通常の動作時には送信信
    号の周波数が変調された周波数変調信号に基づいて送信
    電波を送信し、前記故障検出手段による故障検出時には
    送信信号の周波数が変調されない無変調信号に基づいて
    送信波を送信することを特徴とするレーダ装置。
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