JP3487948B2 - ガス射出成形による中空部含有成形品の製造方法およびガス射出成形用の金型 - Google Patents

ガス射出成形による中空部含有成形品の製造方法およびガス射出成形用の金型

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JP3487948B2
JP3487948B2 JP7353995A JP7353995A JP3487948B2 JP 3487948 B2 JP3487948 B2 JP 3487948B2 JP 7353995 A JP7353995 A JP 7353995A JP 7353995 A JP7353995 A JP 7353995A JP 3487948 B2 JP3487948 B2 JP 3487948B2
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shaped
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス射出成形による中
空部含有成形品の製造方法およびガス射出成形用の金型
に係り、自動車のバンパー、ダッシュボードおよびドア
パネル等の内外装品、あるいは、家電製品のケーシング
等の成形品の製造に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、溶融樹脂を充填した金型にガス
を注入して内部に中空部を設けた成形品を成形するガス
注入射出成形が知られている。このガス注入射出成形に
よれば、溶融樹脂の冷却・固化が完了するまでの間、中
空部内のガスが溶融樹脂を金型の型面に押圧し続けるの
で、ひけや反り等の不具合のない、外観品質の良好な成
形品が得られる。ところで、内部の中空部が大きくなる
にしたがい、キャビティの内部には、溶融樹脂が移動で
きる余地がなくなっていく。このため、成形しようとす
る成形品の形状によっては、ガスの流れの下流側に既に
樹脂が充満してしまい、充分な大きさの中空部が形成で
きないことがある。この点を改善するために、成形品に
応じた形状に形成された主キャビティと、この主キャビ
ティと連通する小空間である捨てキャビティとを設けた
金型が提案されている(特開平6-246765号等)。このよ
うな金型では、金型内の主キャビティに溶融樹脂の充填
を開始した後、主キャビティ内に加圧窒素ガス等の不活
性ガスを注入する。これにより、充填された溶融樹脂内
には、ガス圧によりガスの流路である中空部(以下「ガ
スチャンネル」という)が形成され、ガスチャンネル内
のガスによって押圧された溶融樹脂は主キャビティと連
通する捨てキャビティに排出される。このため、樹脂内
部のガスチャンネルが大きくなって、主キャビティの内
部に溶融樹脂が移動できる余地がなくなっても、捨てキ
ャビティに溶融樹脂を排出することが可能なので、所望
のガスチャンネルが形成されるようになり、外観品質の
良好な中空成形品を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、捨てキ
ャビティに溶融樹脂を排出するので、得られる成形品
は、捨てキャビティが成形した不要部分が付いたものと
なってしまう。このため、当該不要部分を切り離す後処
理が必要となるうえ、不要部分を形成する樹脂が無駄と
なるため、製造効率が阻害されるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、製造効率を阻害せずに、
外観品質の良好な成形品が確実に得られるガス射出成形
による中空部含有成形品の製造方法およびガス射出成形
用の金型を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形品の製
造方法は、薄肉成形部と、前記薄肉成形部よりも厚肉の
線状に成形する線状成形部と、前記各成形部よりも厚肉
・幅広に成形するブロック状成形部とを有し、前記線状
成形部および前記ブロック状成形部の各々には、それぞ
れガスを注入するためのガス注入口が開口されるととも
に、前記線状成形部の端部が前記ブロック状成形部と連
続しているキャビティを備えた金型を用い、この金型の
キャビティに溶融樹脂の充填を開始した後に、充填され
た溶融樹脂の内部にガスを注入することにより、前記線
状成形部に充填した溶融樹脂の中空化を開始し、この線
状成形部内の溶融樹脂の中空化に伴って、前記ブロック
状成形部に充填した溶融樹脂の中空化を付随的に開始さ
せ、前記線状成形部内の溶融樹脂の全体が中空化された
後に、前記ブロック状成形部の本格的な中空化を開始さ
せることを特徴とする。以上において、前記線状成形部
に注入されるガスを、前記ブロック状成形部に注入され
るガスの圧力よりも高圧にすることが好ましい。さら
に、前記金型には、前記ブロック状成形部に進退可能な
可動コアを設け、当該ブロック状成形部にガスが注入さ
れるにしたがい、前記ブロック状成形部を拡大するよう
に前記可動コアを退かせることが望ましい。このように
すれば、線状成形部の中空化にともない、当該線状成形
部からブロック状成形部へ溶融樹脂を容易に押し出すこ
とが可能となる。
【0006】 本発明に係るガス射出成形用の金型は、
薄肉成形部と、前記薄肉成形部よりも厚肉の線状に成形
する線状成形部と、前記各成形部よりも厚肉・幅広に成
形するブロック状成形部とを有し、前記線状成形部およ
び前記ブロック状成形部の各々には、それぞれガスを注
入するためのガス注入口が開口されるとともに、前記線
状成形部の端部が前記ブロック状成形部と連続している
キャビティを備えていることを特徴とする。以上におい
て、前記金型には、前記ブロック状成形部の内部に進退
可能な可動コアが設けられていることが望ましい。
【0007】
【作用】このような本発明では、ガスの注入により、金
型に形成した線状成形部およびブロック状成形部に充填
された溶融樹脂の内部に中空部が形成される。ここで、
線状成形部に形成される中空部は、容積的にブロック状
成形部の中空部よりも小さく、ブロック状成形部の中空
部よりも早く形成が完了する。このため、ブロック状成
形部の内部には、中空部の成形時に線状成形部から排出
される溶融樹脂を収納することが可能となる。従って、
線状成形部およびブロック状成形部の各々に注入するガ
スのタイミングおよび圧力を適宜設定するとともに、ブ
ロック状成形部の容積を線状成形部から排出される溶融
樹脂を充分収納可能な大きさに設定しておけば、捨てキ
ャビティを設けなくとも、所望の中空部が形成され、外
観品質の良好な中空成形品が得られ、これにより前記目
的が達成される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1および図2には、本実施例に係る金型1が
示されている。この金型1は、大型面状部分を有する成
形品を成形するインロー構造の金型である。金型1に
は、図中下方の可動金型部10と、図中上方の固定金型部
20と、溶融樹脂2が充填されるキャビティ30とが設けら
れている。可動金型部10は、図示しない射出成形機に移
動可能に設けられるとともに、固定金型部20側に突出し
た凸部11を有する雄型である。可動金型部10の凸部11の
図中上側の面12は、成形を行う平面状の型面となってい
る。
【0009】固定金型部20は、前述の射出成形機に固定
されるとともに、可動金型部10の凸部11と嵌合する凹部
21を備えた雌型である。固定金型部20には、キャビティ
30に充填される溶融樹脂2の通路であるスプル22が設け
られている。可動金型部20の凹部21の底面23は、成形を
行う略四角形状の型面となっている。この底面23の中央
部分には、スプル22に連通するゲート24が開口されてい
る。底面23の周縁には、当該底面23の周縁に沿って延び
る樋状溝25が設けられている。底面23の一辺には、樋状
溝25よりも深く、かつ、幅広の四角形状断面を有すると
ともに、底面23の一辺に沿って延びる箱状溝26が設けら
れている。
【0010】キャビティ30は、可動金型部10および固定
金型部20の間に形成された空間である。キャビティ30に
は、固定金型部20の底面23および可動金型部10の面12の
間に形成された薄肉成形部31と、固定金型部20の樋状溝
25および可動金型部10の面12の間に形成された線状成形
部32と、固定金型部20の箱状溝26および可動金型部10の
面12の間に形成されたブロック状成形部33とが設けられ
ている。薄肉成形部31は、溶融樹脂2を薄肉状に成形す
る空間である。線状成形部32は、溶融樹脂2を薄肉成形
部31よりも厚肉の線状に成形する空間である。ブロック
状成形部33は、溶融樹脂2を前述の各成形部31, 32より
も厚肉・幅広に成形する空間である。線状成形部32の端
部は、ブロック状成形部33と連続している。これによ
り、線状成形部32およびブロック状成形部33は、互いに
連通している。線状成形部32側の型面には、図2中、底
面23の左側の辺に沿った樋状溝25の中央部分に、窒素ガ
ス等の不活性ガスを注入するためのガス注入口34が設け
られている。
【0011】ブロック状成形部33は、線状成形部32に充
填された溶融樹脂2の内部に形成されるガスチャンネル
に比べて充分大きな容積を有する空間である。ブロック
状成形部33の内部には、当該ブロック状成形部33に対し
て進退可能な可動コア35が設けられている。可動コア35
は、箱状溝26の内部を進退する四角柱状の部材である。
可動コア35の背面は、固定金型部20に固定された油圧シ
リンダ装置3の可動ロッドに固定されている。これによ
り、可動コア35は、図2の前進位置イおよび後退位置ロ
の間を左右方向に移動可能となっている。なお、可動コ
ア35の前進位置イと箱状溝26の図中左側の内側面26A の
位置ハとの間隔は、成形条件等に応じた所定寸法tに設
定される。一方、可動コア35の前進位置イと後退位置ロ
との間隔は、成形品の寸法に応じて設定されている。可
動コア35の図中左側の側面35A は、ブロック状成形部33
の型面の一部を構成するものである。一方、箱状溝26の
底面26B には、窒素ガス等の不活性ガスを注入するガス
注入口36が、内側面26A の位置ハと可動コア35の前進位
置イとの中間位置に開口されれている。ここで、ガス注
入口34およびガス注入口36の各々から注入されるガス
は、それぞれ別個に圧力が調節されており、線状成形部
32のガス注入口34から注入されるガスは、ブロック状成
形部33のガス注入口36から注入されるガスの圧力よりも
高圧となっている。
【0012】図3には、金型1でガス注入射出成形を行
って成形した成形品4が示されている。この成形品4
は、金型1の薄肉成形部31内で成形された平板状の面状
部4Aと、線状成形部32内で成形された厚肉の縁部(線状
部)4Bと、ブロック状成形部33内で成形された厚肉・幅
広のブロック部4Cとを有している。成形品4の面状部4A
は、内部に中空部のない中実の部位となっている。一
方、縁部(線状部)4Bおよびブロック部4Cは、内部が中
空となった部位であり、縁部4Bには、細長いガスチャン
ネル5Aが設けられ、ブロック部4Cには、大きな中空部5B
が設けられている。
【0013】以下に、本実施例の金型1の成形動作につ
いて説明する。ガス射出成形を始めるにあたり、ブロッ
ク状成形部33の内部の可動コア35を前進させ、薄肉成形
部31と同等またはその倍の厚みとなるように、ブロック
状成形部33の容積を最小にしておくとともに、金型1を
完全に閉鎖した後、または、金型1を若干開いた状態
で、キャビティ30に溶融樹脂2を充填する。キャビティ
30への溶融樹脂2の充填が完了したら、ガス注入口34,
36にガスを供給し、充填された溶融樹脂2の内部へガス
の注入を開始する。なお、ガス注入口34に注入されるガ
スの圧力は、前述のように、ガス注入口36に注入される
ガスの圧力よりも高圧となっている。このガスの注入の
開始と同時に、ブロック状成形部33の内部の可動コア35
を後退させ、ブロック状成形部33を拡大する。ここで、
ガス注入口34から注入されたガスは、溶融樹脂2の内部
を線状成形部32に沿って進み、溶融樹脂2内の内部にガ
スチャンネル5Aを形成し、これにより、線状成形部32に
充填した溶融樹脂2を中空化していく。一方、ガス注入
口36から注入されたガスは、ガス注入口34に注入される
ガスの圧力よりも低圧なので、ブロック状成形部33に充
填した溶融樹脂2をゆっくり中空化していく。従って、
線状成形部32内の溶融樹脂2の中空化に伴って、ブロッ
ク状成形部33に充填した溶融樹脂2も付随的に中空化さ
れる。
【0014】そして、ガス注入口34のガスは、線状成形
部32側の溶融樹脂2をブロック状成形部33側に排出しな
がら進み、線状成形部32内の溶融樹脂2全体を中空化す
ると、ブロック状成形部33に到達する。すると、ガスチ
ャンネル5Aと、ブロック状成形部33に充填された溶融樹
脂2内の中空部5Bとが連結され、これにより、ブロック
状成形部33側の中空部5Bに、ガス注入口34からより高圧
のガスが注入され始め、ブロック状成形部33側の溶融樹
脂2は、本格的に中空化が開始される。可動コア35は、
後退速度がガスの進行速度に比して遅く、ガスチャンネ
ル5Aがブロック状成形部33に到達した時点では、まだ、
図1中の最上部に達していない。従って、ブロック状成
形部33側の溶融樹脂2の内部にガスが注入されるにした
がい、ブロック状成形部33を徐々に拡大していくように
なる。これにより、ガス注入口34からのガスが注入され
始めても、ブロック状成形部33側の溶融樹脂2内部の中
空部5Bは、急激に膨張せず、樹脂の肉厚が均一となるよ
うにゆっくり膨張するとともに、当該中空部5B内のガス
力の低下が防止されるので、ブロック状成形部33のほぼ
全体にまで確実に拡張される。
【0015】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、金型1のキャビティ30に、薄
肉形成部31、線状成形部32、および、ブロック状成形部
33を設け、ブロック状成形部33の容積を、線状成形部32
側の溶融樹脂2内に形成されるガスチャンネル5Aよりも
著しく大きくし、ブロック状成形部33側の中空部5Bより
も早く線状成形部32側のガスチャンネル5Aが完成するよ
うにしたので、ガスチャンネル5Aの成形時に線状成形部
32から排出される溶融樹脂2がブロック状成形部33の内
部に収納され、捨てキャビティが不要となる。従って、
捨てキャビティが成形する不要部分が発生せず、樹脂の
無駄がなくなるうえ、不要部分を切り離す後処理が不要
となり、成形品4を効率良く製造することができる。
【0016】また、線状成形部32およびブロック状成形
部33の各々にガスを注入するためのガス注入口34, 36を
それぞれ設け、ガス注入口34のガス圧をガス注入口36の
ガス圧よりも高圧にしたので、線状成形部32側のガスチ
ャンネル5Aの形成が迅速に行えるようになるうえ、圧力
差により線状成形部32からブロック状成形部33への溶融
樹脂2の移動が可能となるため、細長い線状成形部32の
全体にわたって、ガスチャンネル5Aが確実に形成される
ようになり、成形品4の外観品質を確実に良好なものと
できる。
【0017】さらに、線状成形部32の端部をブロック状
成形部33に接続し、ガスチャンネル5Aが完成すると、線
状成形部32側のガスチャンネル5Aとブロック状成形部33
側の中空部5Bが互いに連通するようにしたので、ブロッ
ク状成形部33側の中空部5Bへガスが流入するとガス圧力
がバランスされ、中空部は同一圧力となる。従って、容
積の大きいブロック状成形部33側の中空部5Bを速やかに
完成できるうえ、ガス圧力がバランスされるので、タイ
ミングを調節する専用の制御手段を一切不要とできる。
【0018】また、ブロック状成形部33の内部に進退可
能に設けた可動コア35を徐々に後退させ、ブロック状成
形部33側の溶融樹脂2の内部にガスが注入されるにした
がい、ブロック状成形部33が徐々に拡大していくように
したので、高圧のガスが注入され始めても、ブロック状
成形部33側の中空部5Bが急激に膨張しない。これによ
り、樹脂の肉厚が均一となるうえ、中空部5B内のガス力
の低下が防止されるので、ブロック状成形部33のほぼ全
体に中空部5Bが形成され、この点からも、成形品の外観
品質を確実に良好とできる。
【0019】次に、本発明の効果を具体的な実験例に基
づいて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前記実施例の金型1でガス
注入射出成形を行う実験である。この本実験例1で成形
する成形品4の各寸法(図3参照)は、本体の全幅W1が
700mm、奥行きDが700mm、全高Hが50mmとなっ
ている。ブロック部4Cについては、幅W2が50mm、長さ
Lが500mmとなっている。そして、面状部4Aの肉厚t
1 が3.0mm、縁部4Bの半径rが5.0mmとなってい
る。 〔比較例1〕本比較例1は、従来の金型で前記実験例1
と同様の成形品を成形しようとする実験である。本比較
例1では、図4に示されるように、線状形成部42の端部
がブロック状成形部43に接続されず、キャビティ40の外
側に設けられた捨てキャビティ47に接続されていること
以外は、前記実験例1の金型1と同様の金型6を使用す
る。 〔実験例2〕本実験例2は、前記実験例1の金型1に設
けた二つのガス注入口34, 36のうちガス注入口34のみか
らガス注入を行って、前記実験例1と同様の成形品を成
形しようとする実験である。 〔実験例3〕本実験例3は、前記実験例1の二つのガス
注入口34, 36のうちガス注入口36のみからガス注入を行
って、前記実験例1と同様の成形品を成形しようとする
実験である。
【0020】〔射出条件〕実験例1および比較例1〜3
では、互いに共通した材料、装置、および、成形条件が
採用される。これらの材料等は以下のようなものとなっ
ている。 (1)材 料 成形品の材料となる樹脂としては、ポリプロピレン〔出
光石油化学(株)製商品名:出光ポリプロJ-5056H 、M
I: 50g/10分(230℃,2.16kgf)〕。 (2)成形装置 成形装置としては、型締力850tの能力を有するもの
を用いる。 (3)成形条件 成形温度 ; 180℃ 樹脂の射出時間 ; 5.0秒 ガス注入口34のガス圧 ; 10MPa ガス注入口34のガス注入時間 ; 3.0秒 ガス注入口36のガス圧 ; 5MPa ガス注入口36のガス注入時間 ; 5.0秒 樹脂冷却時のガス保持圧力 ; 8MPa 樹脂冷却時間 ; 40秒 ただし、上記は、制御条件として設定したものでな
く、実験結果から得られた数値である。なお、溶融樹脂
を金型に充填するにあたり、予め可動コア35を前進位置
イに移動しておく。この時の可動コア35と可動金型部10
との間隔(図2の寸法t)は、10mmにしておく。
【0021】〔実験結果〕実験例1では、ひけや反り等
の不具合のない外観品質に優れた成形品4を得ることが
できた。比較例1では、溶融樹脂内に所望の量のガスを
注入することはできたが、成形中のガスチャンネル5Aと
中空部5Bとのガスの差圧が大きいため、得られた成形品
には、変形が生じており、外観品質に優れたものを得る
ことはできなかった。実験例2では、ブロック状成形部
33側の溶融樹脂2の内部に、ガス注入口34からの高圧の
ガスが最初から注入されるので、可動コア35が正常に動
作したにもかかわらず、中空部5B内にガスが急激に流入
し、ブロック部4Cの樹脂の肉厚が不均一となり、厚肉部
が生じたため、充分な大きさの中空部5Bを得ることがで
きず、ブロック部4Cの表面にひけが発生し、外観品質に
優れた成形品を得ることはできなかった。実験例3で
は、ガス注入口36からの低圧ガスでは、薄肉形成部31に
充填された溶融樹脂2にガスチャンネル5Aを形成でき
ず、縁部4Bの表面にひけが発生し、外観品質に優れた成
形品を得ることはできなかった。これらの実験例より、
前記実施例で示した成形品のように、大面積の薄肉部、
長い中空部、および、大型ブロック部を有する成形品の
場合には、前記実験例1の条件が好ましいことがわか
る。一方、成形品の大きさ、形状等によっては、前記実
験例2,3で前記実験例1と同様に良好な成形結果が得
られる場合が少なくない。
【0022】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、金型に設け
られる線状成形部およびブロック状成形部は、一つに限
らず、複数設けてもよい。この場合、線状成形部および
ブロック状成形部の一つ一つにガス注入口を設けること
が好ましい。また、ブロック状成形部33の形状として
は、四角い箱型に限らず、円筒形のものや、三角筒状の
ものでもよい。さらに、可動コアを省略する場合には、
曲面のみで形成されるドーム状のものや、紡錘型状のも
のでもよい。また、溶融樹脂の注入は、一点ゲートから
行うものに限らず、コールド式またはホットランナー式
の多点ゲートから行うものも採用できる。
【0023】さらに、ガスを注入するタイミングとして
は、溶融樹脂の充填完了後に限らず、溶融樹脂の充填完
了前でもよく、溶融樹脂の充填開始後であって充填した
樹脂の内部にガス注入できるタイミングであれば、成形
品の形状やガス注入口の位置に応じて適宜設定できる。
【0024】また、加圧ガスとしては、窒素ガスに限ら
ず、アルゴン等の不活性ガスでもよく、要するに、高圧
にしても爆発の危険が少ないガスであればよい。なお、
本発明は、大型面状部品の成形に限らず、例えば、大型
テレビ受像器の箱状のケーシングや、壁掛け空調機等の
家電製品の立体部品の成形等にも適用できる。
【0025】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、製造効率
を阻害せずに、外観品質の良好な成形品を確実に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金型を示す断面図である。
【図2】図1のII─II線における断面図である。
【図3】前期実施例の成形品を示す斜視図および要部断
面図である。
【図4】比較例1で用いる金型を示す図2に相当する図
である。
【符号の説明】
1 金型 2 溶融樹脂 30 キャビティ 31 薄肉成形部 32 線状成形部 33 ブロック状成形部 34, 36 ガス注入口 35 可動コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄肉成形部と、前記薄肉成形部よりも厚肉
    の線状に成形する線状成形部と、前記各成形部よりも厚
    肉・幅広に成形するブロック状成形部とを有し、前記線
    状成形部および前記ブロック状成形部の各々には、それ
    ぞれガスを注入するためのガス注入口が開口されるとと
    もに、前記線状成形部の端部が前記ブロック状成形部と
    連続しているキャビティを備えた金型を用い、この金型
    のキャビティに溶融樹脂の充填を開始した後に、充填さ
    れた溶融樹脂の内部にガスを注入することにより、前記
    線状成形部に充填した溶融樹脂の中空化を開始し、この
    線状成形部内の溶融樹脂の中空化に伴って、前記ブロッ
    ク状成形部に充填した溶融樹脂の中空化を付随的に開始
    させ、前記線状成形部内の溶融樹脂の全体が中空化され
    た後に、前記ブロック状成形部の本格的な中空化を開始
    させることを特徴とするガス射出成形による中空部含有
    成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項に記載のガス射出成形による中空
    部含有成形品の製造方法において、前記線状成形部に注
    入されるガスは、前記ブロック状成形部に注入されるガ
    スの圧力よりも高圧であることを特徴とするガス射出成
    形による中空部含有成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項または請求項に記載のガス射出
    成形による中空部含有成形品の製造方法において、前記
    金型には、前記ブロック状成形部に進退可能な可動コア
    が設けられ、当該ブロック状成形部にガスが注入される
    にしたがい、前記ブロック状成形部を拡大するように前
    記可動コアを退かせることを特徴とするガス射出成形に
    よる中空部含有成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】薄肉成形部と、前記薄肉成形部よりも厚肉
    の線状に成形する線状成形部と、前記各成形部よりも厚
    肉・幅広に成形するブロック状成形部とを有し、前記線
    状成形部および前記ブロック状成形部の各々には、それ
    ぞれガスを注入するためのガス注入口が開口されるとと
    もに、前記線状成形部の端部が前記ブロック状成形部と
    連続しているキャビティを備えていることを特徴とする
    ガス射出成形用の金型。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のガス射出成形用の金型に
    おいて、前記金型には、前記ブロック状成形部の内部に
    進退可能な可動コアが設けられていることを特徴とする
    ガス射出成形用の金型。
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