JP3487907B2 - 調理器用鍋 - Google Patents
調理器用鍋Info
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Description
等の調理器における調理器用鍋に関するものである。
基材のアルミニウム材をエッチング処理しそのエッチン
グ処理面にPTFEをコ−ティングする方法(商標名
スミフロンR)や、基材のアルミニウム材をブラスト処
理しそのブラスト処理表面に接着剤であるプライマ−と
フッ素樹脂からなるトップコ−トとをコ−ティングする
方法(フッ素コ−ティング)が存在している。
は家庭用調理器の中でも使用頻度が極めて高い製品であ
り、そのため内鍋に施されているフッ素コ−ティングに
は熱や水蒸気などの負荷がかかる上、しゃもじによる引
っ掻きや洗浄時に生じる傷、さらには、調理されるご飯
や調味料による腐食作用が徐々にフッ素コ−ティングを
劣化させていき、上記のコ−ティング技術では一般家庭
の使用状況において早いもので数ヵ月でフッ素コ−ティ
ングに腐食が生じたり、剥がれや破れが生じることがあ
る。
素コ−ティングに耐熱水性、耐蒸気性、耐腐食性を付与
し、長期に渡る実使用中に度々見られるフッ素コ−ティ
ングの劣化現象を遅らせ、耐久性を向上させた調理器用
鍋を提供することを目的とする。
本発明は、主剤のフッ素樹脂にフィラ−を添加してなる
塗料を用いて塗装コ−ティングした調理器用鍋であっ
て、該塗料がガラスビ−ズ、ガラスフレ−ク、ガラス粒
子、炭化珪素、マイカ、セラミックス粉体のうち少なく
とも1種のフィラ−をフッ素樹脂で包み込む、または融
着させるマイクロカプセル化処理を行った塗料を用いて
コ−ティングしたことを特徴とする調理器用鍋、を提供
する。
主剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を添加し
てなる塗料であって、該塗料をコ−ティング、焼成後、
コ−ティング膜中にこれらの添加物が5重量%以上、5
0重量%未満存在することを特徴とする塗料を用いてコ
−ティングしたことを特徴とする調理器用鍋、を提供す
る。
ラ−を添加する、或いは主剤のフッ素樹脂とは種類の異
なるフッ素樹脂を添加して成る塗料をコ−ティングする
ことにより耐久性に優れた調理器用鍋が得られるもので
ある。
主剤のフッ素樹脂に添加するフィラ−としては、ガラス
ビ−ズ、ガラスフレ−ク、ガラス粒子、炭化珪素、マイ
カ、セラミックス粉体が挙げられるが、フィラ−を添加
することにより、炊飯器用鍋としては、(1)フッ素コ
−ティングは基材の金属と線膨張係数が接近するため、
炊飯によりフッ素コ−ティングに熱がかかってもフッ素
コ−ティング中の応力が少なくなる、(2)トップコ−
トのプライマへのアンカ−効果が出て密着性が向上す
る、(3)炊飯や保温中に浸透してくる水分をブロック
する、という効果があるため、コ−ティング膜の耐久性
は向上する。
添加量が多くなればなるほど、コ−ティングの表面はザ
ラつき、フッ素コ−ティング本来の性質である非粘着性
が低下していく。
とフィラ−との馴染み、粒子径の違い、密度の違い、特
に粉体塗装では静電特性の違い、さらに、均一に混合す
るために入念に攪拌する必要がある、といった点も考慮
しなければならず、単に主剤のフッ素樹脂とフィラ−を
混合する場合はこれらの点に留意する必要がある。
ル化処理法を用いて、主剤のフッ素樹脂粒子にフィラ−
を包み込む、または融着させる方式を実施した。マイク
ロカプセル化処理は、例えば350℃で溶融したPFA
にガラスビ−ズを添加し、これをスプレ−シンタ−装置
に投入して、空気中へ霧状に噴射して焼結させ,カプセ
ル化した粒子を得る方法、が挙げられる。
用いた場合、主剤とフィラ−の偏析等の分離現象がな
く、安定した均一な添加量の塗膜が得られ、またフィラ
−が樹脂内に包まれているため、コ−ティング表面にも
フィラ−が突き出しにくく、ザラつきは減少し、さら
に、粒子自体の性質も主剤のフッ素樹脂の性質と大差が
なくなるため、コ−ティング時の管理も簡略化されると
いう利点がある。
の異なるフッ素樹脂としてはPFA(テトラフルオロエ
チレン パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合
体),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),FE
P(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体),FTFE(エチレン テトロフルオロエ
チレン共重合体),CTFE(ポリクロロトリフルオロ
エチレン),PVDF(ポリビニリデンフルオライド)
が挙げられるが、例として、主剤のフッ素樹脂にPFA
を用いた場合、これとは種類の異なるPTFEやFEP
を一種類以上添加すれば良い。
種類の異なるフッ素樹脂を添加した塗料を用いて、炊飯
器内鍋にコ−ティングした場合、主剤のフッ素樹脂とは
種類の異なるフッ素樹脂を混合することによりコ−ティ
ング膜の伸び率が低下する、耐水性が向上するといっ
た、フィラ−を添加したときと同様の効果が現れコ−テ
ィング膜の耐久性の向上が見られる。
る異種のフッ素樹脂は、両者の溶融粘度等の諸特性に大
きな差があった方が、お互いが完全に混じり合わずに、
両者が独立に存在するため、構造的にもフィラ−添加の
場合と同じくなり効果が大きい。したがって、主剤のフ
ッ素樹脂とはコ−ティング焼成温度における溶融粘度が
ポイズ単位で1〜1000倍異なる異種のフッ素樹脂
を、1種類以上混合して成る塗料を塗装することが好ま
しい。
フッ素樹脂同志の混合系であるため、非粘着性に大きな
変化が見られないことが優位な点である。
異なるフッ素樹脂を添加する場合、電気的特性、物理的
特性、化学的特性、粒子径などの違いにより、樹脂同志
の馴染みが悪く、コ−ティングに著しい困難を伴う場合
があり、さらに、コ−ティング前に入念に攪拌しても分
離しやすいなど、留意すべき点が多い。
する場合と同様に、2種類以上のフッ素樹脂を互いに融
着、あるいは一方が他方を包み込むマイクロカプセル化
処理法を用いて塗料を作製すると、塗料中の粒子の諸特
性は一定するため、コ−ティング性が向上し、コ−ティ
ング前に攪拌をする必要性もなくなる。
較的低いものを使用した方がフッ素コ−ティングとして
の成膜性がよく、滑らかな表面状態となり、主剤のフッ
素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂には、溶融粘度が比
較的高い、具体的には溶融粘度に1〜1000倍異なる
主剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を1種類
以上選んだ方が、主剤のフッ素樹脂と完全に混じり合わ
ないため効果が大きく耐久性がある。
低い、粒子径10〜50ミクロンのPFA、添加剤を溶
融粘度の高い、粒子径数ミクロン以下のPTFEとして
マイクロカプセル化した。
剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を添加して
成る塗料をコ−ティング、焼成後、コ−ティング膜中に
これらの添加物が5重量%以上、50重量%未満存在す
るように塗料を調整する必要があるが、5重量%未満で
は効果が現れにくく、50重量%以上ではコ−ティング
表面が極端に粗れるといった弊害が生じる。
剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を添加して
成る塗料は粉体塗料でも液体塗料でもよいが、液体塗料
の場合は必要に応じて分散剤、増粘剤、安定剤、たれ防
止剤、防腐剤、顔料を加えてもよい。
主剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を混合し
て添加することも可能である。
製)80重量部に対し、平均粒径5ミクロンのガラスビ
−ズ(東芝バロティ−ニ株式会社製)20重量部をマイ
クロカプセル化処理し、ガラスビ−ズがPFAに包み込
まれた粉体塗料を作製した。マイクロカプセル化処理は
350℃で溶融したPFAにガラスビ−ズを添加し、こ
れをスプレ−シンタ−装置に投入して、空気中へ霧状に
噴射して焼結させる方法でマイクロカプセル化粒子を得
た。調理器用鍋(この例では炊飯器内鍋)の内面のアル
ミニウム材にプライマ(デュポン株式会社製)を塗装
し、乾燥処理した後、マイクロカプセル化処理した粉体
塗料を静電塗装ガンを用いて60kvの電圧をかけ最終
膜厚が約50ミクロンになるように塗装した。続いて内
鍋を焼成炉に投入し、380℃で20分間処理して鍋へ
のコ−ティング処理を完成させた。
コ−ティング層のトップコ−トを構成する主剤のフッ素
樹脂コ−ティング層を示し、2はフッ素樹脂コ−ティン
グ層1に添加したフィラ−である。3はプライマ層で、
鍋を構成するアルミニウム基材4の表面に設けている。
なお、フッ素樹脂コ−ティング層1とプライマ層3の合
計の厚みは、この例では約50μmである。また図2は
主剤のPFAの粒子5にフィラ−6をマイクロカプセル
化させた粒子を示している。
ミカル株式会社製)を用いて実施例1と同様に調理器用
鍋にコ−ティング処理した。
た後、PTFEのエナメル塗料(ダイキン工業株式会社
製)を塗装コ−ティングし、380℃で20分間焼成し
て鍋へのコ−ティング処理を完成させた。
った結果を(表1)に示す。
に入れ、3合の米を炊飯し、炊飯終了後、約10分間保
温するという操作を繰り返し行い、内鍋内面のコ−ティ
ング膜の膨れや破れ、また、基材のアルミニウムからの
腐食が何回炊飯した時点で生じるかを観測した。
にガラスビ−ズを添加した実施例1では、鍋内面のコ−
ティング膜の膨れや破れ、基材からの腐食の発生が遅
く、コ−ティング膜の耐久性が向上し、より長期の実使
用に耐えうる炊飯器内鍋となっている。
限らず他の一般的な調理鍋としても有効なことはいうま
でもない。
主剤のフッ素樹脂にフィラ−を添加するか、さらに種類
の異なるフッ素樹脂を添加して成る塗料をコ−ティング
して得られるものであり、長期に渡る実使用中に度々見
られるフッ素コ−トの劣化現象を遅らせ、耐久性を向上
させたものである。
ニウム基材にコ−ティングした状態の断面図
プセル化させた粒子を示す図
させた粒子を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 主剤のフッ素樹脂にフィラ−を添加して
なる塗料を用いて塗装コ−ティングした調理器用鍋であ
って、該塗料がガラスビ−ズ、ガラスフレ−ク、ガラス
粒子、炭化珪素、マイカ、セラミックス粉体のうち少な
くとも1種のフィラ−をフッ素樹脂で包み込む、または
融着させるマイクロカプセル化処理を行った塗料を用い
てコ−ティングしたことを特徴とする調理器用鍋。 - 【請求項2】 塗料が、主剤のフッ素樹脂に、フィラ−
及び主剤のフッ素樹脂とは種類の異なるフッ素樹脂を添
加してなる塗料であって、該塗料をコ−ティング、焼成
後、コ−ティング膜中にこれらの添加物が5重量%以
上、50重量%未満存在することを特徴とする請求項1
記載の調理器用鍋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14919994A JP3487907B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 調理器用鍋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14919994A JP3487907B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 調理器用鍋 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002349657A Division JP2003199675A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 炊飯器内鍋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0810141A JPH0810141A (ja) | 1996-01-16 |
JP3487907B2 true JP3487907B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=15469996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14919994A Expired - Lifetime JP3487907B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 調理器用鍋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (4)
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CN100473310C (zh) * | 2004-05-31 | 2009-04-01 | 松下电器产业株式会社 | 电饭煲 |
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JP2011200727A (ja) * | 2011-07-19 | 2011-10-13 | Hitachi Appliances Inc | ジャー炊飯器の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP14919994A patent/JP3487907B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0810141A (ja) | 1996-01-16 |
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