JP3486848B2 - 排水立て管継手 - Google Patents

排水立て管継手

Info

Publication number
JP3486848B2
JP3486848B2 JP2002112485A JP2002112485A JP3486848B2 JP 3486848 B2 JP3486848 B2 JP 3486848B2 JP 2002112485 A JP2002112485 A JP 2002112485A JP 2002112485 A JP2002112485 A JP 2002112485A JP 3486848 B2 JP3486848 B2 JP 3486848B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drainage
pipe
vertical pipe
connection port
protrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002112485A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002371607A (ja
Inventor
徳厚 小島
Original Assignee
徳厚 小島
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 徳厚 小島 filed Critical 徳厚 小島
Priority to JP2002112485A priority Critical patent/JP3486848B2/ja
Publication of JP2002371607A publication Critical patent/JP2002371607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3486848B2 publication Critical patent/JP3486848B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Branch Pipes, Bends, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、排水立て管継手に関
し、詳しくは、例えば高層集合住宅の各戸の排水器具か
らの排水を排出するための排水横走り管と排水立て管と
を接続する排水立て管継手(以下、「管継手」とも言
う。)内で、排水を流下させる排水立て管継手に関す
る。
【0002】
【従来の技術】−発明の背景− 集合住宅の排水立て管(以下、「立て管」または単に
「管」とも言う。)系においては、接続されている排水
器具のいわゆる同時使用が生じやすく、これが過大な排
水負荷となる。このため、管内の通気は阻害され、大き
な圧力変動が発生する。そしてこれが原因となって、誘
導サイホン作用や、下層階におけるトラップ封水の吹き
出し等のトラップ封水の破壊が生じ、室内に悪臭を侵入
させる等の問題を発生させる。
【0003】とくに、大便器排水のように比較的大流量
の排水を排出するための横走り管が接続される場合に
は、その排水と、立て管内を流下する排水とが管継手内
で直接的に合流衝突を起こす等により、通気が阻害さ
れ、トラップ封水が破壊されやすい。
【0004】とりわけ、超高層の集合住宅においては一
つの立て管系に接続される排水器具も多いので、同時排
水による過大な負荷が生じやすく、問題が多い。
【0005】このような問題を生じさせないため、排水
配管の設計・施工においては、通気管を適切に設けるこ
とが義務付けられている一方で、高負荷の排水時でも管
内の空気圧の変動を小さくし、トラップ封水の保護に効
果的とされる管継手が開発されている。
【0006】−従来例− 上記の問題を解消すべく種々の管継手が解決されてい
る。
【0007】その一例として、特公昭62−3359号
公報記載の技術がある。
【0008】この公報のものは、管継手本体の膨拡部の
側方にある横枝管(横走り管)接続口の内側開口部にほ
ぼ対向するよう、垂下状に舌片を設け、その横枝管接続
口に対向しない部位には、その舌片の側縁を介すること
により空間部を設けた構成としたものである。
【0009】この構成により、その膨拡部内の舌片のあ
る部位とそれのない部位との異なるレベルを基端とし、
立て管排水は分けられて拡散状に落下することになる。
さらに、この舌片の作用により立て管排水と横走り管排
水の直接的な合流衝突を防止して、管内の通気を保持
し、トラップの封水を保護しようとするものである。
【0010】また、他の例として、内部に羽根といわれ
る板材を設けることにより、排水を管継手及び立て管の
内壁に押しつけるようにして旋回させながら落下させ、
立て管排水の中央に積極的に通気芯を形成して排水管系
の空気の連通を図り、圧力変動を抑制しようとする技術
が知られている。(例えば、特開昭61−31539号
公報、特開昭49−68550号公報参照)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前者の公報記載の管継
手は、次のような解決すべき課題がある。
【0012】上記の特公昭62−3359号公報記載の
ものは、立て管排水の拡散状の落下性状、および、この
舌片の作用により立て管排水と横走り管排水の直線的な
合流衝突を防止すること等に基づき、管内の通気の保持
を図ってトラップの封水を保護しようとするものであ
る。したがって、立て管排水の落下速度の低減化を図る
ことにより得られる圧力変動の抑制という点に関して
は、次のようである。
【0013】すなわち、排水の拡散落下によって得られ
る若干の減速作用は期待できるものの、積極的に排水の
落下速度の低下を図るための手段は具備していない。こ
のために、中高層住宅さらには近時多く建設されている
超高層の集合住宅における圧力変動の抑制の一手段とし
て効果的とされる、立て管排水の落下速度を小さくする
という点、つまり、ゆっくり流下させることにより圧力
変動を小さくする、という課題に対しては対応できない
という問題がある。
【0014】一方、特開昭61−31539号公報のも
のは、上部排水立て管より流入する排水を、下降傾斜状
の仕切板により屈曲偏流し減速して集合室の内壁に押し
付け、下方の羽根板により旋回性を与えるようになって
いる。そのため、旋回流形成が不足するとともに内部に
羽根が突起している等、複雑な構造となる。したがっ
て、経年等により該部にスライム等が付着しやすくこれ
が角質化すること等により、排水の旋回性も不十分とな
り易く、長期的性能に問題がある。
【0015】さらに、その複雑な構造に起因し、排泄物
やトイレットペーパーおよび生理用品その他の混入物が
多く排水される汚水配管に使用される場合には、それら
の付着等による詰まり事故が起きる危険性が高いという
欠点がある。
【0016】とりわけ大負荷を生じる可能性の大きい超
高層の集合住宅に使用する場合には、両者ともに問題が
大きい。また、特開昭49−68550号公報のもの
は、偏心した横走り管より流入した排水を、径大部内周
壁に押し付けて落下させ、下方の凸面部で方向を変化さ
せて渦巻状に案内し、上部排水立て管より落下する排水
に対しては、該凸面部で直接受け止めて渦巻状に案内す
るのみであり、上部排水立て管より落下する排水の旋回
流形成は不十分なものであった。
【0017】この発明は、このような解決すべき課題に
鑑み、異物等の通過を円滑にし、排水立て管継手の内部
構造の複雑化を招くことのないような排水立て管継手を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明にかかわる排水
立て管継手では、上記の課題を解撤するために以下のよ
うに構成するものである。すなわち、上部に上部排水立
て管接続口を備えるとともに上部排水立て管の内径より
も大きな内径を有する膨拡部と、前記膨拡部の下部に下
向きに先細り状に形成された漏斗部と、前記漏斗部の下
部に設けられた直管部と、前記膨拡部の側部に設けられ
た少なくとも1個の横走り管接続口とを備え、前記膨拡
部内には、前記上部排水立て管接続口の下方に垂下状に
設けられてほぼ半円弧状をなす舌片を備えた排水立て管
継手であって、前記舌片の内側に、前記上部排水立て管
の内周壁の延長線よりも内側方向に下傾して突出して設
けるとともに該突出端縁が管軸に対してその正面視にお
ける長さ方向に下方に傾斜形成されて、前記上部排水立
て管からの排水流に一次旋回を付与する凸部が形成さ
れ、前記凸部と前記下部排水立て管接続口との間の排水
流路内周壁に突出して形成されるとともに下方に向かっ
て傾斜して延び前記排水流路に落下する排水流に前記一
次旋回と同一旋回方向の二次旋回を付与する突出部とを
具備してなり、前記凸部と前記突出部とが、平面上にお
いて、対向する位置に配置されていることを特徴とする
ものである。
【0019】上部に上部排水立て管接続口を備えるとと
もに上部排水立て管の内径よりも大きな内径を有する膨
拡部と、前記膨拡部の下部に下向きに先細り状に形成さ
れた漏斗部と、前記漏斗部の下部に設けられた直管部
と、前記膨拡部の側部に設けられた少なくとも1個の横
走り管接続口とを備え、前記膨拡部内には、前記上部排
水立て管接続口の下方に垂下状に設けられてほぼ半円弧
状をなす舌片を備えた排水立て管継手であって、前記舌
片の内側に、前記上部排水立て管の内周壁の延長線より
も内側方向に下傾して突出して設けるとともに該突出端
縁が管軸に対してその正面視における長さ方向に下方に
傾斜形成されて、前記上部排水立て管からの排水流に一
次旋回を付与する凸部が形成され、前記凸部と前記下部
排水立て管接続口との間の排水流路内周壁に突出して形
成されるとともに下方に向かって傾斜して延び前記排水
流路に落下する排水流に前記一次旋回と同一旋回方向の
二次旋回を付与する突出部とを具備してなり、前記凸部
と前記突出部とが、平面上において、直交する位置に配
置されていることを特徴とするものである。さらにこの
排水立て管継手は、上部に上部排水立て管接続口を備え
るとともに上部排水立て管の内径よりも大きな内径を有
する膨拡部と、前記膨拡部の下部に下向きに先細り状に
形成された漏斗部と、前記漏斗部の下部に設けられた直
管部と、前記膨拡部の側部に設けられた少なくとも1個
の横走り管接続口とを備え、前記膨拡部内には、前記膨
拡部の側壁部に一体的に形成されほぼ半円弧状をなす
片を備えた排水立て管継手であって、前記舌片の内側
に、前記上部排水立て管の内周壁の延長線よりも内側方
向に下傾して突出して設けるとともに該突出端縁が管軸
に対してその正面視におけるその長さ方向に下方に傾斜
形成されて、前記上部排水立て管からの排水流に一次旋
回を付与する凸部が形成され、前記凸部と前記下部排水
立て管接続口との間の排水流路内周壁に突出して形成さ
れるとともに下方に向かって傾斜して延び前記排水流路
に落下する排水流に前記一次旋回と同一旋回方向の二次
旋回を付与する突出部とを具備してなり、前記凸部と前
記突出部とが、平面上において、対向する位置若しくは
直交する位置に配置されていることを特徴とするもので
ある。
【0020】
【作用】請求項1記載の排水立て管継手によれば、排水
通気の性能上において問題となる大流量の立て管排水が
ある場合、その排水は、この管継手に至り、凸部の下傾
された方向に沿って案内されながら膨拡部内周壁面に向
かって流下され、漏斗部の上部から立ち上がる突出部に
受け渡される。この際、凸部と突出部とは、平面上にお
いて、相互に対向するように配置していることから、凸
部から流下された上方からの排水流は、舌片の内側に傾
斜形成した凸部によって、減速した状態で排水を粗密化
して向かい合う突出部に受け渡されることとなる。従っ
て、排水の凸部から突出部への受け渡しは極めて合理的
に行なわれるとともに、突出部へ受け渡された排水は、
排水流路の内壁面のその傾斜に沿う状態で内壁面に押し
付けられるようにして旋回を付与され、減速されつつ下
方の排水立て管内に落下する。この時、旋回して落下す
る位置で立て管排水の中央部に空気の芯が形成されるこ
とにより、通気が管内に連通する。また、横走り管から
流入する排水は、一次旋回を付与された上方からの排水
とともに突起部に流入され旋回を付与されて下方の排水
立て管内に落下する。
【0021】この結果、管内の圧力変動は有効に抑えら
れ、ひいてはトラップ封水の保護に効果的である。そし
て、漏斗部の上部から立ち上がる突出部には、異物等が
詰まりにくく、しかも構造も複雑にならないので、長期
にわたって安定した性能を保持し得ることとなる。
【0022】また、請求項2記載の発明による排水立て
管継手によれば、凸部で一次旋回を付与され旋回流とな
って漏斗部の上部から立ち上がる突出部に受け渡され
る。この際、上方からの排水は舌片の内側に傾斜形成さ
れ、さらに長さ方向に傾斜する凸部によって、流れの方
向を急激に進路変更されて積極的に一次旋回され、減速
した状態で排水を粗密化して積極的に凸部と直交して形
成される突出部に受け渡される。従って、凸部と突出部
とが直交して配置されていることから、上方からの排水
は、凸部で一次旋回されることによって極めて合理的に
突出部に受け渡さすことができる。そして、凸部で一次
旋回された上方からの排水は、排水流路の内壁面のその
傾斜に沿う状態で内壁面に押し付けられるようにして突
出部に受け渡されて二次旋回を付与され、減速されつつ
下方の排水立て管内に落下する。この時、旋回して落下
する位置で立て管排水の中央部に空気の芯が形成される
ことにより、通気が管内に連通する。また、横走り管か
ら流入する排水は、一次旋回を付与された上方からの排
水とともに突起部に流入され二次旋回を付与されて下方
の排水立て管内に落下する。
【0023】この結果、管内の圧力変動は有効に抑えら
れ、ひいてはトラップ封水の保護に効果的である。そし
て、漏斗部の上部から立ち上がる突出部には、異物等が
詰まりにくく、しかも構造も複雑にならないので、長期
にわたって安定した性能を保持し得ることとなる。
【0024】
【実施例】以下、この発明に係る排水立て管継手の位置
実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。
【0025】図1中、1は、本実施の形態に係る管継手
の本体であって、該本体1は、上部に上部の立て管Pa
接続用の上部排水立て管接続口2(上部立て管接続口と
もいう)を備えるとともに、その下方には、内径が立て
管Paの内径および上部立て管接続口2の内径より大き
な内径の円筒状に形成された膨拡部3を備えている。こ
の膨拡部3の側面には、横走り管Pbを接続するための
横走り管接続口4が設けられ、後述するように、中間継
手5を介在させて横走り管Pbを接続している。なお、
横走り管接続口4は、本形態では平面上約90°間隔で
3か所配設させている。
【0026】この膨拡部3の下には、下方に向かって先
細り約30度のテーパ状に形成された漏斗部6が設けら
れ、さらにその下側には、順次、拡径部7、直管部9が
設けられ、これらにより排水流路Wが構成されている。
そして、この排水流路Wの内周壁には突出部8が突出形
成されている。また、直管部9の下端部には、下部の立
て管Pc接続用の下部排水立て管接続口11(下部立て
管接続口ともいう)が設けられている。
【0027】さて、膨拡部3の内側には、平面上におい
てほぼ半円周の弧状を成す舌片12が上部立て管接続口
2の下縁に沿って垂下状に形成されている。この舌片1
2は、図1に示すように、その上下方向のほぼ中央部位
を基端として、約45度の下傾勾配の傾斜板状で、平面
状において立て管Paの内径より内方向、すなわち中央
よりに突出した円の切片形に形成されてなる凸部13を
備えている。すなわちこの凸部13は、内方向に下傾す
るとともに、立て管Pa内周面の延長線に対して、割線
方向に水平状に横断する円の切片形の板状のものとさ
れ、舌片12の下部において一体的に形成されている。
【0028】しかして、この舌片12の凸部13が後述
するよう、立て管排水の落下における抵抗作用とともに
旋回流れを生じさせる導入部の役割をも果たすよう構成
されている。詳細は後述するが、この作用のもとでも立
て管との通気は充分保たれる。
【0029】なお、本形態において、舌片12は、横走
り管接続口4(図1右側)の内側の開口部4aに対し
て、ほぼ対向する部位に設けられている。
【0030】また、凸部13の内方向への突出量につい
ては管径、排水負荷または該凸部の内方向への水平に対
する傾斜角度等によって適宜選択することとなるが、本
形態では立て管Paの内径の約25%としている。そし
てこの凸部13は膨拡部3内において、その前部(図1
左側)及びその後部(図1右側)に対し、それぞれ立て
管及び横走り管等に対応し得る所要の大きさの排水流路
を構成する空間が保持されるよう、形成されている。
【0031】さて、次に、前記した拡径部7及び突出部
8について詳細に説明する。
【0032】本形態において突出部8は、舌片12の凸
部13の下方で、しかも直管部9と漏斗部6の接合部分
において拡径部7を介在させ、排水流路Wの内周壁に概
略沿う形態の下向き左旋回の螺旋状に形成されている。
この拡径部7は、突出部8の外周縁より垂直状に立設さ
れた壁面を有し、直管部9の上方に拡径状に形成されて
いる。
【0033】なお、突出部8は、その上端部に平面形が
円の切片形状の上端部8aが平面上、舌片12の凸部1
3と向かい合う位置に設けられている。この上端部8a
は、立て管Paの内周面の延長線より約25%程度内側
に食い込み、しかも割線方向において、上下に25度程
度に傾斜する状態で設けられている。この結果、突出部
8は、その上端部8aにおいては、縦断面でV字方に突
出された突出縁8bを備えている。また、突出部8は、
その上端部8aから螺旋の下方に向かうにしたがって、
その幅が次第に狭くなり、本形態においてはほぼ1回旋
回して、しかも下部立て管接続口11の少し上の下端部
8cで収束するような長さで構成されている。
【0034】しかして、舌片12の凸部13の傾斜によ
って振り向けられる立て管排水は、この突出部8に受け
渡され、遠心力作用によって積極的な旋回流れを生じさ
せる。なお、この突出部8の幅は、管径等によって適宜
選定される。
【0035】本形態では横走り管Pbは、筒状に形成さ
れた中間継手5に対して、その端部を差し込み、リング
状のパッキン15を介し、締付けナット16を端部に螺
締することにより、この部分の水蜜を保持しつつ接続さ
れている。この中間継手5は、四隅にねじ孔を備えた、
横走り管接続口4の中間継手の取り付け座4cに対し、
フランジ5a部を、パッキン17を介在させ、ボルト1
9で締めつけることによって、この部分の水密を保持し
つつ取りつけられている。なお、この横走り管接続口4
の数は必要に応じて適宜選定される。
【0036】本形態においては、横走り管Pbの接続を
中間継手5を介して行なっているが、この中間継手を本
体1と一体的に形成してなる態様のものとすることも、
当然可能である。
【0037】また、上部の立て管Pa及び下部立て管P
cは、それぞれ上部立て管接続口2及び下部立て管接続
口11に差し込まれ、ともに形状は異なるがリング状の
パッキン21を環状の締付けフランジ22及びボルト2
3等を介して押圧することにより、水密を保持する状態
で接続されている。
【0038】次に本形態の作用及び効果について説明す
る。
【0039】本形態の管継手を使用して配管した場合に
おいて、上層階の横走り管から排出された大流量の排水
は、上部の立て管Paから本体1に入り、次のような柱
状を示す。
【0040】すなわち、その排水は水塊となって本体1
に至り、図1において実線の矢印で示すように舌片12
の凸部13の上面に衝突し、その凸部13の下傾した突
出方向に案内されるようにして、その方向に急激に進路
を変え、対向する内壁面に衝突する。と同時に、漏斗部
6ないし突出部8に受け渡され、排水流路Wの内周壁の
その螺旋状の傾斜に沿う状態で、同図中、2点鎖線の矢
印及び破線の矢印で示すよう、遠心力作用により内壁面
に押し付けられるようにして旋回し、実線の矢印で示す
よう減速されつつ下方の排水立て管Pc内に落下する。
【0041】この時凸部13に衝突した排水は、膨拡部
3ないし漏斗部6内で飛散するから、該部においては必
然的に排水の流れは粗密となる。また、その粗密部分と
ともに、旋回して落下する立て管排水の中央部に形成さ
れる空気の芯によって、通気が上・下の立て管Pa、P
bに連通する。
【0042】しかして、本形態の管継手によれば、その
凸部13により減速とともに、いわば旋回流れの導入作
用が果たされ、同時に突出部8により旋回作用が果たさ
れる。そしてこの両作用に相侯って、立て管排水の落下
速度を合理的に減速するとともに、旋回性をより向上、
促進させた積極的な旋回流れを生じさせる。この結果、
管内の圧力変動は有効に抑えられる。しかも、構造が単
純であるから、この効果は長期的保存し得ることは明瞭
である。
【0043】なお、本形態では、舌片12が一つの横走
り管接続口4の内側開口部4aに対して、ほぼ対向する
部位に設けられている。従って、この横走り管接続口4
に大流量の排水があっても、本体1内でその排水と、立
て管排水との直接的の合流衝突が回避されるので、管内
の通気の保持及び、トラップの封水の保護に一層有効で
ある。
【0044】以上説明した実施の形態においては舌片の
凸部13を内方向に向かって約45度、直線的に下傾さ
せた場合を示したが、突出部に有効に排水が受け渡され
るものであれば、適宜の曲線形で下傾させてもよい。そ
して、凸部は必ずしも板状に形成する必要はなく、ボス
の形態のものとしてもよい。
【0045】さらに、舌片は、上部立て管接続口の下縁
に沿って垂下状で一体的に形成したものを示したが、こ
れに限定されるものではない。当然、膨拡部の側壁部か
ら一体的に形成することもできる。また、その水平断面
形状も必ずしも円弧状とする必要はない。くの字形や直
線状のものとすることもできる。
【0046】また、上記実施の形態における突出部は、
その上部の部分に前記したように突出縁を備えているも
のを示したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。さらに排水流路の内周壁に沿って傾斜して設けられ
ることにより形成される突出部の螺旋は、旋回流れが有
効に得られる範囲において、その巻き数及びリードは適
宜に選定すればよい。
【0047】図7ないし図10は、この発明の第2実施
の形態を示し、突出端縁がその長さ方向に傾斜した凸部
と、対称的に設けられた複数の突出部とを備えた点に特
徴を有する。なお、以下の説明では、第1実施の形態と
同一あるいは同等な構成要素は同一符号を付してその説
明を省略する。
【0048】この第2実施の形態の本体31は、膨拡部
3、漏斗部6、直管部9からなり、所定位置に上部立て
管接続口2、下部立て管接続口11、横走り管接続口4
を備えて形成されている。なお、本形態の漏斗部6は、
下方へ向かって先細り約15度のテーパ状に形成されて
おり、その下端部は直管部9に連続して形成されてい
る。
【0049】また、本体31の所定位置には、凸部33
を有する舌片12と、1対の突出部38が設けられてい
る。凸部33はほぼ円の切片形に形成されており、舌片
12の内壁より本体31の中心線方向に向かって突設さ
れている。そして、その突出した端縁33aは、外周側
から内側に向かって約45度の下傾勾配を有するととも
に、図7において、その長さ方向に向かって左側へ約5
0度の下傾勾配を有して配設されている。
【0050】したがって、凸部33は、落下する立て管
排水の流れ方向を対向する内壁面に向かうように変える
とともに、流れに積極的な左旋回(一次旋回)を与える
ように形成されている。
【0051】突出部38は、排水流路Wを構成する漏斗
部6、直管部9の内周壁に突出状に形成されており、実
施の形態では2個の突出部38が本体31の中心線を軸
として軸対称的に設けられている。
【0052】この突出部38は、上端部38aが漏斗部
6の上部から立ち上がり、下端部38cが直管部9の上
部で収束するように内周壁より内側へ突出した突出条部
として形成されている。また、突出部38は、約55度
の左下がり勾配を有しており、その長さ方向の中間部位
が最も幅広になるように形成されている。
【0053】さらに、突出部38の突出縁38bは平面
上、立て管Paの内周面の延長線より約20%内側に食
い込み、しかも凸部33の端縁33aと、平面上におい
て直交する関係位置に配設されている(図9参照) また、突出部38が設けられた本体31の外周壁には、
突出部38の内側への突出に対応した条溝部38dが形
成されている。この条溝部38dは、ほぼ突出部38の
長さに対応するとともに、長さ方向の中間部位で最も深
くなるように形成されている。この条溝部38dによっ
て、本体31を高剛性で構成できるとともに、外見上の
差違により取扱上の区別を容易に行なうことができる利
便がえられる。
【0054】このような本体31を有する排水立て管継
手によれば、上層階よりの排水は、上部の立て管Paか
ら本体31内に入り、凸部33に衝突する。
【0055】そして、凸部33の端縁33aの内側向き
下傾及び左下がりの下傾により、流れの方向を急激に進
路を変え、排水流路W内に落下する。すなわち、排水は
粗密化されるとともに左旋回(一次旋回)するように積
極的に案内される。
【0056】排水流路Wに落下した排水は、漏斗部6の
内周壁および1対の突出部38に受けとめられる。そし
て、排水は遠心力作用により内周壁に押し付けられると
ともに、突出部38の左下がり傾斜により案内されて、
左旋回(二次旋回)しながら集約され、減速されつつ排
水立て管Paに落下する。
【0057】一方、横走り管Pbから本体31内に流入
する排水は、舌片12に衝突して減速され、上部の立て
管Paから流下された排水と直接合流衝突することな
く、一次旋回された上方からの排水とともに、突出部3
8の上端部38a内に流入するように受け渡される。
【0058】したがって、この管継手によれば、凸部3
3により流れの旋回案内作用を行なうとともに、複数の
突出部38により一次旋回された上部の立て管Paから
流下されて飛散して粗密化した排水と横走り管Pbから
流入されて飛散して粗密化した排水を的確に受けとめ
て、排水の集約、旋回作用を行なうため、両作用が相侯
って、効果的に排水の落下速度の低減と立て管Pa、P
c管の通気形成を行なうことができる。
【0059】また突出部の形成は3個以上であってもよ
く、各突出部は軸対称的に配設される。
【0060】
【発明の効果】上述のごとく、本発明に係る排水立て管
継手によれば、膨拡部の一体的に配設した凸部の形成に
より、上部排水立て管から流下した排水を減速するとと
もに突出する方向に下傾した方向に積極的に案内して下
方の漏斗部に流下させる。請求項1記載の発明によれ
ば、凸部と漏斗部の上部から立ち上がる突出部とが対向
するように配置されていることから、凸部で案内された
上方からの排水は極めて合理的に突出部に受け渡される
こととなる。そして、突出部に受け渡された排水は膨拡
部から漏斗部の周壁に沿って旋回しながら流下するた
め、旋回流の中心部には空気の芯が形成されることにな
り、通気性能を向上することができる。
【0061】また請求項2記載の発明では、上方からの
排水が、凸部の突出端縁で長さ方向で下傾形成されるこ
とによって一次旋回される。そして、凸部と突出部とは
直交して配置されていることから、一次旋回された排水
は極めて合理的に突出部に受け渡される。そして、突出
部に受け渡された排水は、膨拡部から漏斗部の周壁に沿
って二次旋回を付与されて、旋回しながら下方に流下さ
れる。これによって、旋回流の中心部には空気の芯が形
成されることになり、通気性能を向上することができ
る。そのため、管内の圧力変動は有効に抑えられ、ひい
てはトラップ封水の保護に効果的である。そして、漏斗
部の上部から立ち上がる突出部には、異物等が詰まりに
くく、しかも構造も複雑にならないので、長期に亘って
安定した性能を保持し得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面立て断面図
【図2】図1における本体のみのII−II線断面図
【図3】同III −III 線断面図
【図4】同IV−IV線断面図
【図5】同V −V 線断面図
【図6】図1における平面図
【図7】第2実施形態の正面縦断面図
【図8】図7における本体のみA−A線断面図
【図9】同B−B線断面図
【図10】図1の平面図
【符号の説明】
1、31…本体 2…上部排水立て管接続口 3…膨拡部 4…横走り管接続口 4a…開口部 8、38…突出部 11…下部排水立て管接続口 12…舌片 13、33…凸部 W…排水流路 Pa…上部の排水立て管 Pb…横走り管 Pc…下部の排水立て管

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に上部排水立て管接続口を備えると
    ともに上部排水立て管の内径よりも大きな内径を有する
    膨拡部と、前記膨拡部の下部に下向きに先細り状に形成
    された漏斗部と、前記漏斗部の下部に設けられた直管部
    と、前記膨拡部の側部に設けられた少なくとも1個の横
    走り管接続口とを備え、前記膨拡部内には、前記上部排
    水立て管接続口の下方に垂下状に設けられてほぼ半円弧
    状をなす舌片を備えた排水立て管継手であって、 前記舌片の内側に、前記上部排水立て管の内周壁の延長
    線よりも内側方向に下傾して突出して設けるとともに該
    突出端縁が管軸に対してその正面視における長さ方向に
    下方に傾斜形成されて、前記上部排水立て管からの排水
    流に一次旋回を付与する凸部が形成され、 前記凸部と前記下部排水立て管接続口との間の排水流路
    内周壁に突出して形成されるとともに下方に向かって傾
    斜して延び前記排水流路に落下する排水流に前記一次旋
    回と同一旋回方向の二次旋回を付与する突出部とを具備
    してなり、 前記凸部と前記突出部とが、平面上において、対向する
    位置に配置されていることを特徴とする排水立て管継
    手。
  2. 【請求項2】 上部に上部排水立て管接続口を備えると
    ともに上部排水立て管の内径よりも大きな内径を有する
    膨拡部と、前記膨拡部の下部に下向きに先細り状に形成
    された漏斗部と、前記漏斗部の下部に設けられた直管部
    と、前記膨拡部の側部に設けられた少なくとも1個の横
    走り管接続口とを備え、前記膨拡部内には、前記上部排
    水立て管接続口の下方に垂下状に設けられてほぼ半円弧
    状をなす舌片を備えた排水立て管継手であって、 前記舌片の内側に、前記上部排水立て管の内周壁の延長
    線よりも内側方向に下傾して突出して設けるとともに該
    突出端縁が管軸に対してその正面視における長さ方向に
    下方に傾斜形成されて、前記上部排水立て管からの排水
    流に一次旋回を付与する凸部が形成され、 前記凸部と前記下部排水立て管接続口との間の排水流路
    内周壁に突出して形成されるとともに下方に向かって傾
    斜して延び前記排水流路に落下する排水流に前記一次旋
    回と同一旋回方向の二次旋回を付与する突出部とを具備
    してなり、 前記凸部と前記突出部とが、平面上において、直交する
    位置に配置されていることを特徴とする排水立て管継
    手。
  3. 【請求項3】 上部に上部排水立て管接続口を備えると
    ともに上部排水立て管の内径よりも大きな内径を有する
    膨拡部と、前記膨拡部の下部に下向きに先細り状に形成
    された漏斗部と、前記漏斗部の下部に設けられた直管部
    と、前記膨拡部の側部に設けられた少なくとも1個の横
    走り管接続口とを備え、前記膨拡部内には、前記膨拡部
    の側壁部に一体的に形成されほぼ半円弧状をなす舌片を
    備えた排水立て管継手であって、 前記舌片の内側に、前記上部排水立て管の内周壁の延長
    線よりも内側方向に下傾して突出して設けるとともに該
    突出端縁が管軸に対してその正面視における長さ方向に
    下方に傾斜形成されて、前記上部排水立て管からの排水
    流に一次旋回を付与する凸部が形成され、 前記凸部と前記下部排水立て管接続口との間の排水流路
    内周壁に突出して形成されるとともに下方に向かって傾
    斜して延び前記排水流路に落下する排水流に前記一次旋
    回と同一旋回方向の二次旋回を付与する突出部とを具備
    してなり、 前記凸部と前記突出部とが、平面上において、対向する
    位置若しくは直交する位置に配置されていることを特徴
    とする排水立て管継手。
JP2002112485A 1989-12-15 2002-04-15 排水立て管継手 Expired - Lifetime JP3486848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002112485A JP3486848B2 (ja) 1989-12-15 2002-04-15 排水立て管継手

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-327001 1989-12-15
JP32700189 1989-12-15
JP2002112485A JP3486848B2 (ja) 1989-12-15 2002-04-15 排水立て管継手

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34603399A Division JP3459974B2 (ja) 1989-12-15 1999-12-06 排水の流下方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002371607A JP2002371607A (ja) 2002-12-26
JP3486848B2 true JP3486848B2 (ja) 2004-01-13

Family

ID=26572358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002112485A Expired - Lifetime JP3486848B2 (ja) 1989-12-15 2002-04-15 排水立て管継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3486848B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5060715B2 (ja) * 2005-09-21 2012-10-31 ヤマトプロテック株式会社 住宅用スプリンクラーヘッド接続用の継手
JP5608419B2 (ja) * 2010-05-12 2014-10-15 積水化学工業株式会社 排水管継手
JP5635711B1 (ja) * 2014-02-08 2014-12-03 北開技研工業株式会社 ルーフドレン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002371607A (ja) 2002-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5752548A (en) Coupling for drainage pipings
JP5616568B2 (ja) 脚部継手及びこの脚部継手を用いた排水システム
JPH0658480A (ja) 排水立て管継手
JP3486848B2 (ja) 排水立て管継手
JP2023106603A (ja) 管継手および排水システム
JP3459041B2 (ja) 排水管接続用ソケット
JP3459974B2 (ja) 排水の流下方法
JPH0692666B2 (ja) 排水立て管継手
US4121914A (en) Piping systems for drainage and piping members therefor
JPH08209762A (ja) 排水立て管継手
JP3322963B2 (ja) 排水管路
JPH1129965A (ja) 排水集合管継手
JPH0364756B2 (ja)
JPH0830551B2 (ja) 排水立て管継手
JPH03177692A (ja) 排水立て管継手
JPH01223229A (ja) 排水装置
JPH0252053B2 (ja)
JP2944975B2 (ja) 排水用集合管
JPH0819708B2 (ja) 集合管継手
JP3047875B2 (ja) 排水システム
JPH028427A (ja) 集合管継手
JPS62288795A (ja) 排水用集合管
JPS585745Y2 (ja) 排水曲管
JPH07113227B2 (ja) 集合管継手
JPH0438996A (ja) 曲り管

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030909

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 7