JP3483908B2 - グリセロりん脂質の製造方法 - Google Patents

グリセロりん脂質の製造方法

Info

Publication number
JP3483908B2
JP3483908B2 JP10499093A JP10499093A JP3483908B2 JP 3483908 B2 JP3483908 B2 JP 3483908B2 JP 10499093 A JP10499093 A JP 10499093A JP 10499093 A JP10499093 A JP 10499093A JP 3483908 B2 JP3483908 B2 JP 3483908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
formula
glycerophosphorylcholine
resin
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10499093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07291982A (ja
Inventor
デ フェラ ロレンツォ
ボニファシオ ファースト
シファレリ ガイド
マサァード ピエトロ
ピッコロ オレステ
Original Assignee
ケミ エス.ピー.エイ.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ケミ エス.ピー.エイ. filed Critical ケミ エス.ピー.エイ.
Publication of JPH07291982A publication Critical patent/JPH07291982A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3483908B2 publication Critical patent/JP3483908B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • C07F9/091Esters of phosphoric acids with hydroxyalkyl compounds with further substituents on alkyl
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱アシル化りん脂質の
製造方法に関する。詳しくは、式(I)で表される脱ア
シル燐脂質(以下、化合物Iと記すこともある)の製
方法であって、
【化3】 (式(I)中、Rは式(II)、(III)または(I
V)の残基であり、Rが(II)または(IV)のと
き、XはOHであって、Rが式(III)であるとき、
XはO である。)天然または合成の式(V)で表さ
れる対応アシル化誘導体出発物質(以下、化合物Vと記
すこともある)として、
【化4】 (式(V)中、XとRは上記と同じであり、R 、R
は同一またはそれぞれ相違する、C13−25 のア
ルキル基またはC13−25 のモノまたはポリ不飽和
アルケニル基である。)塩基性イオン交換樹脂を充填し
た反応器中で1段階でアルコーリシスおよび分別により
脱アシル化する脱アシルりん脂質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脱アシルりん脂質の重要性は公知であ
り、また二つの面がある。事実、この化合物は、最近、
治療上の重要性、特に異なる原因による退縮性脳症候群
(involutive cerebral syndromes)および老年性退縮(s
enile involution) に対する治療上の重要性が見だされ
た。この目的に関しては、多くの文献を引用することが
できる。例えば、L−α−グリセロホスホリルエタノー
ルアミン(以下,GPEと記す)に関する国際特許出願
WO88/07860、L−α−グリセロホスホリル
コリン(以後 GPC と記す)に関する欧州特許02
01623号、L−α−グリセロホスホリル−O−L−
セリン(以後 GPSと記す)に関する欧州特許025
6069号がある。更に、前記式(I)の誘導体は、他
のりん脂質、特に特定のR1 およびR2 を有する前記式
(V)のアシル化誘導体の合成の有用な中間体として用
いられており、本来の治療活動のための薬学の分野の中
で、および/または活性成分に組み込むことができるリ
ポソームとして、更に、化粧品、エレクトロニクス、そ
の他への応用が記載されている。
【0003】従来、化学的および光学的に高純度の化合
物(I)の製造に主に使用されている方法は、 a)高価な鏡像性的に高純度(enantiomerically pure)
の原料物質から出発する合成。例えば、(S)−2、2
−ジメチル−1、3−ジオキソラン−4メタノ−ルまた
は(L)−グリセロール−3−ホスフエート(例えば;
a) J. Org. chem. 26 608(1961); b) Bull. Chem. So
c. France 2326 (1975);c) Biochem. J. 43, 157 (194
8)) b)通常、化合物Vの水性若しくはアルコール性アルカ
リ性条件での脱アシル化反応および得られた化合物Iの
精製、より成る。化学的に高純度の化合物Vを原料とし
て用いることは、高コストおよび或いは入手可能性の困
難さから、工業的観点からできない。従って、脱アシル
化反応を、植物原料または動物器官から抽出して得られ
る化合物Vの多少のコンプレックス混合物に対して行わ
れ、そのコンプレックスは、ホスホリパーゼDを触媒と
する“トランスホスファチィジレイション”(transphos
phatidylation)反応により得られる(Biochim. Biophy
s. Acta 488 , 36(1977) および Biochim. Biophys.Act
a 1003 ,277(1989))。またこの混合物は他の非りん脂
質の物質を含むことがる(Kirk-Othmer,ECT, 3°ed., v
ol.14 page 261)。脱アシル化反応は、反応条件(反応
時間、温度、塩基および溶媒の種類)によっては、例え
ばD−1、2−グリセロホスフフエート(E.H.Pryde, "
Lecithins" ed. B.F.Szuhay &G,R,List, AOCS Champaig
n IL, 1985,Cap. 11, pp 222-226)のような副生物を生
じ、得られる化合物Iの収量損失および精製上の問題を
生ずる。
【0004】化合物(I)を得るためのb)の方法を工
業的規模で適用することは、厳しい問題、特に精製に関
して厳しい問題がある。例えば、GPCは文献(N.H,Ta
ttrie, C.S.McArthur, Biochmical Preparations, 6 ,1
6 (1958)) に述べられているように、例えばカドミウム
のような金属塩と錯塩を形成し、次いで酸型のイオン交
換樹脂を通して金属を除去することにより精製されてい
る。このような処理によってのみ結晶GPCを得ること
ができるが、高純度でない場合は結晶化しない。しかし
ながら、強毒な金属が微量に存在していても、その工業
的適応の妨げになる。欧州特許217765号において
は、脱脂大豆レシチンの脱アシル化反応後、GPC−G
PE混合物を亜鉛塩との錯塩形成により不純物を除き、
次いでピリジン誘導体を用いて錯塩を分解して、精製G
PC−GPE混合物を強塩基性イオン交換樹脂を用い、
まずGPCを水で溶出して分離し、つづいて希酢酸水溶
液でGPEを回収する。同様な方法が、イタリア特許出
願19895A/90号にあり、GPSを含む混合物を
分離することが述べられている。この場合、そのGPS
錯塩の錯体分解を酸イオン交換樹脂を用い、水性溶媒で
処理して行っている。しかし、この方法は、多段階の処
理を要し、複雑であり、また収量および光学純度も満足
なものではない。さらに、その発明者自身が述べている
ように、イタリア特許1,229,238号で脱アシル
化反応および亜鉛錯塩の形成に用いるアルコール溶媒の
選択とがその収量と光学純度に影響する。
【0005】シリカのような高価な充填剤を用いるクロ
マトグラフ法(Chem.Phys.Lipids,6 ,31 (1971))は大
規模な分離には不適当であるが、イオン交換樹脂を用い
るクロマトグラフ法は便利で工業的に可能である。例え
ば、欧州特許願259495号によれば、アシル化グリ
セロりん脂質の部分的若しくは全フラクションを、アル
コール性溶媒若しくはアルコール性非極性溶媒の混合溶
媒中で酸および塩基イオン交換樹脂単独または混合使用
して得ることができる。強塩基イオン交換樹脂上で脱ア
シル化グリセロりん脂質フラクションは、J.N.Hawthorn
e により勾配溶出法が開示されている。さらに、脱アシ
ル化グリセロりん脂質フラクションにイオン交換樹脂を
用いることは、イタリア特許1,229,238号に開
示されており、メタノール中でナトリウムメチラートに
よる大豆レシチンの脱アシル化により得られたGPCお
よびGPEは、まず酸イオン交換樹脂で吸着し、次いで
有機溶媒での溶離により他の物質を分離し、つづいて該
樹脂を水で処理して脱離させ、塩基性イオン交換樹脂
で、上記と同様にして、分別した。
【0006】発明者等により述べられているように、酸
樹脂上での操作はコントロールされた条件で、かつ、特
に短時間で行われる必要がある(イタリア特許願198
95A/90号 例1、19ぺージに、同じ発明者によ
り類似の方法において開示されている)。カラム内の滞
留時間は文献(J,Biol.Chem. 175 ,79(1948 ))から予
見されるように、そのGPCとGPEの分解を避けるた
めに1時間より長くあってはならない。この制限は、工
業的規模に適用するときは、さらに明白になる。脱アシ
ル化反応に関し、りん脂質/アルコール混合物から出発
する脂肪酸の調製について得られた方法が、特開昭62
−215549号に開示されている。その方法は、塩基
性イオン交換樹脂を触媒とするトランスエステル反応を
用いる方法であり、既に中性脂肪について述べられてい
ること( J.Am.Oil Chem.Soc.30,103(1953))に類似し
ている。しかし、該特開昭は、その処理の過程で形成さ
れる化合物Iの分離について開示していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、化合物
Iを、工業的規模で製造することは、極めて困難とされ
ている。しかしながら、本発明者等の研究によると、驚
くべきことに、化合物V、さらにホスファチジルコリン
(以後PCと記す)、ホスファチジルエタノールアミン
(以後PEと記す)および/またはホスファチジルセリ
ン(以後PSと記す)のアルコール性混合物を、塩基性
イオン交換樹脂を充填した反応器中で、下記の方法によ
り溶離するとその相当するフラクション化合物I、即
ち、GPC、GPE、および/またはGPSが1段階で
得ることができる。従って、本発明は、対応するアシル
化グリセロりん脂質(化合物V)より脱アシル化グリセ
ロりん脂質(化合物I)を1段階の処理で製造する方法
を提供するこ課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の構成上の特徴
は、式(I)で表される脱アシルグリセロりん脂質の製
造方法であって、
【化5】 (式(I)中、Rは式(II)、(III)または(I
V)の残基であり、Rが(II)または(IV)のと
き、XはOHであって、Rが式(III)であるとき、
XはO である。)天然または合成の式(V)で表さ
れる対応アシル化誘導体(化合物V)を出発物質とし
て、
【化6】 (式(V)中、XとRは上記と同じであり、R 、R
は同一またはそれぞれ異なった、C13−25 のア
ルキル基またはC13−25 のモノまたはポリ不飽和
アルケニル基である。)塩基性イオン交換樹脂を充填し
た反応器中でワンステップでアルコーリシスおよび分別
処理(fractionation) を行うことにより脱アシル化する
単一脱アシル化りん脂質を製造する方法にある。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。りん脂質
混合物は、トランスエステル化反応(アルコーリシス)
に用いられるアルコール性溶媒に可溶であり、塩基性イ
オン交換樹脂上の原料として用いる。本発明において、
原料となるりん脂質混合物としては天然または合成の対
応するするりん脂質を用いることができる。例えば、脱
脂大豆レシチン(広く入手可能な低価格市販品)をアル
コールに溶解し、不溶物を濾過分離したものを用いるこ
とができる。他の例としては、ホスホリパーゼDを触媒
としたトランスホスファティジレーション反応によって
得られるりん脂質混合物、例えばセリンで処理した後に
回収されたPSとPCの混合物を用いることができる。
【0010】本発明は、このようなりん脂質を、アルコ
ールに溶解して、アルコールの存在下に塩基性に調製さ
れたイオン交換樹脂を充填したカラムに仕込み、アルコ
ーリシスと溶離液による分別を1段階で行う。アルコー
リシス反応で試薬としておよび樹脂上の溶離剤として用
いるアルコール溶媒は、C1-C4 のアルコール、好まし
くは含水量10容量%以下のメタノールまたはエタノー
ルである。
【0011】本発明の方法に適した塩基性イオン交換樹
脂は、市販のものを用いることができるし、また容易に
調整できる。例えば、AmberliteXAD 1600 、Amberlite
IRA93SP、Amberlite IRA365 あるいはDuolite A 147
(ローム&ハース社製)を用いることができる。またこ
れらイオン交換樹脂は試薬および溶離剤として用いるア
ルコールの存在下に塩基性型に調製されねばならない
が、容易に調製することができる。イオン交換樹脂のリ
ットルで表す使用量は、化合物Vのkg量の3−10
倍、好ましくは4−5倍である。本発明の実施に当たっ
ては、化合物Vのアルコール溶液をカラムに仕込んだ
後、その溶離は同じアルコールを用いて、0.1〜0.
4ベッド容積/時間、好ましくは0.2〜0.3ベッド
容積/時間の流速で行う。そうして得られる溶離液のG
PC,脂肪酸エステル、非りん脂質不純物を含むアルコ
ール溶液は、無機酸または有機酸、好ましくは酢酸で中
和し、つづいてその容積を当初の25%(1/4)にま
で濃縮する。そうすることにより、よく分離した2相が
得られ、上相は脂肪酸エステルと他の親油性不純物を含
み、下方のアルコール相はGPCを含んでいる。
【0012】このようにして、塩基性イオン交換樹脂か
ら溶離後、GPCは、相分離抽出、或いは吸着樹脂によ
る処理により、脂肪酸エステルのような非りん脂質の不
純物や他の親油性不純物から精製することができる。G
PCは、さらに例えばn−ブタノールから結晶化により
微結晶として得ることができる。得られるGPCの種類
により、結晶化方法は異なった2つの方法が行われる。
即ち、a)先のアルコール相を、C1 −C6 の炭化水素
混合物でさらに抽出した後、或いは代わりに無極性吸着
樹脂(例えばAmberlite XAD 1600, ローム&ハース社
品)を通して親油性不純物除いた後、少量にまで濃縮
し、C2 −C6 のアルコール、好ましくはC4 のアルコ
ールで置き換え、そしてGPCを無水の微結晶を得る。
または、b)同じアルコール相を、無機酸または有機
酸、好ましくは塩酸または硫酸で弱塩基性樹脂を塩化し
たイオン交換樹脂上に仕込み、次いで該相をアルコール
性溶媒で溶出する。この条件によれば、樹脂はGPCの
みを保持し、つづいて水で溶出し、高純度のGPCを含
む水溶液を所望の含水量まで真空蒸発によるか、または
適当な重合濾過膜で濾過して一部濃縮する。
【0013】GPEおよび/またはGPSは、有機酸例
えば酢酸を含む溶媒で樹脂から溶離して回収することが
できる。上記のGPCの場合と同様の精製過程を経て、
それぞれの化合物をが結晶として得ることができる。G
PEおよび/またはGPSの始発樹脂からの回収は、G
PCの完全な溶出の後、有機酸、例えば酢酸を含む溶媒
で樹脂から溶離して回収することができる。次のような
類似の精製過程の後、該化合物が結晶として得ることが
できる。GPEの回収 GPCを完全に溶離した樹脂を、さらに有機酸、好まし
くは酢酸を1乃至10容量%含むアルコール性(好まし
くはメタノール性)溶液で溶出し、その溶離液を濃縮
し、固形不純物を濾別し、また親油性不純物をC6 −C
12の脂肪族炭化水素で、または無極性樹脂を通して抽出
し、少量に濃縮後、高濃度にGPEを含む残渣を容量比
3:8の水−エタノール水溶液から結晶化する。GPSの回収 GPE除去後、その樹脂を、有機酸、好ましくは酢酸を
1乃至10容量%含む水溶液で溶出する。溶出溶液は濃
縮乾固して、その残渣GPSを容量比1:0.4:0.
7の水−エタノール−アセトン混合液からカルシウム塩
として結晶化させる。
【0014】
【実施例】次に実施例をあげてさらに本発明を説明す
る。本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ホスファティジルコリン強化燐脂質混合物の市販混合物
(ホスファティジルコリン含有量:53重量%)500
gをメタノール1.5lに溶かし、メタノール中で調整
された、塩基型(basic formal)のイオン交換樹脂 Duoli
te A147 (ローム&ハース社製)2lを充填したカラム
に仕込んだ。カラムはメタノールで溶離し、つづいて出
口溶液を酢酸で中和した。GPCを含む溶離液(3.3
l)を0.75lに濃縮して、下方のメタノール相を分
離し、メタノール100mlで希釈して、800mlのヘプ
タンで2回抽出した。n−ブタノール2lをこのメタノ
ール溶液に加え、減圧下に溶媒を留出させて、0.8l
にし、0℃に冷却して濾過した。乾燥後、GPCの微結
晶66.7gを得た。GPEを回収するため、 Duolite
A147 を充填したカラムを、つづいて5容量%酢酸−メ
タノール溶液5lで溶出させた。溶出液を0.5lに真
空濃縮して、固形物を濾別し、濾液は0.15lに真空
濃縮した。この溶液を、水で調整されたAmberlite XAD
1600(ローム&ハース社製)吸着樹脂を500ml充填し
たクロマトグラフィーカラムに仕込み、カラムは1.5
lの水で溶離した。溶離液は真空濃縮し、得られた粘稠
な油をエタノール−水(8:3)混合溶媒から結晶化さ
せてGPE18.5gを得た。りん脂質混合物の溶解お
よび Duolite A147 樹脂の溶離に用いるメタノールに代
えてエタノールを用いた以外は同様にして、上記と類似
の組成の混合物を得た。
【0015】実施例2 ホスファティジルコリン強化燐脂質混合物の市販混合物
(ホスファティジルコリン含有量:53重量%)500
gをメタノール1.5lに溶解し、メタノール中で調整
された、塩基型(basic formal)のイオン交換樹脂 Duoli
te A147(ロース&ハース社製)2lを充填したカラムに
仕込んだ。カラムはメタノールで溶出させ、つづいて出
口溶液を酢酸で中和した。GPCを含む溶出液(3.3
l)を0.75lに濃縮して、下方のメタノール相を分
離し、吸着樹脂 Amberlite XAD 1600 1l充填したクロ
マトグラフカラムに仕込み、メタノールでGPCを完全
に溶出させた。残渣の油性物質はメタノールで溶出しな
かった。GPCメタノール溶液は350mlに真空濃縮し
て、イソプロパノール中でCl-型に調製されたイオン
交換樹脂 Amberlite IRA 93SP (ローム&ハース社製)
2lを充填したクロマトグラフィーカラムに仕込んだ。
不純物はイソプロパノールで完全に溶出した。溶離は脱
ミネラル水で行った。得られたGPC溶液は弱塩基性樹
脂で中和し、木炭(charcoal)処理および真空濃縮して、
水15%含む粘稠な液としてGPC84.5gを得た。
Cl-型アンバーライト IRA 365に代えて、Cl- 型 Du
olite A365 (ローム&ハース社製)を用いた以外は同
様にして、GPC溶液を得、弱塩基性イオン交換樹脂で
中和、木炭処理した後、ナノ濾過膜による濾過をした。
真空濃縮により濃縮し、水16%を含む粘稠な液として
GPC85.2gを得た。
【0016】実施例3 脱脂大豆レシチン(deoleated soy lecithin)100gに
メタノール1lを加え、その懸濁液を室温で2時間撹拌
した。不溶固形物を濾別し、溶液は、メタノール中で塩
基性に調製した、塩基型のイオン交換樹脂 Duolite A14
7 A147 を充填したカラムに仕込んだ。カラムはGPC
が完全に溶出するまでメタノールで溶出し、そのメタノ
ール溶液を酢酸で中和した。清澄な層が分離されるまで
濃縮した。メタノール層はヘキサン350mlで2度抽出
して、イソプロパノール中でCl-型に調製したイオン
交換樹脂 Amberlite IRA93SPを充填したカラムに仕込ん
だ。不純物はイソプロパノールで完全に溶出した。溶離
は脱ミネラル水で行った。得られたGPCを含む溶離液
は弱塩基性樹脂で中和、木炭処理およびナノ濾過膜によ
る濾過をした。溶剤を真空蒸発させて濃縮した。高純度
のGPCが粘稠な液として得られた。
【0017】実施例4 大豆レシチン(エタノールに可溶、ホスティジルコリン
強化フラクション)100gを300mlのメタノールに
溶かし、メタノール中で塩基型に調製された弱塩基イオ
ン交換樹脂 Amberlite IRA 94S 400mlを充填したカ
ラムに仕込んだ。溶離はメタノールで行った。GPCを
含む溶離液を集め、真空濃縮し、実施例1の方法によ
り、結晶GPC13.5gを得た。
【0018】実施例5 ホスファテイ ジルセリンが41%のりん脂質混合物7g
を含むエタノール400mlを、メタノール中調製され
た、塩基型のイオン交換樹脂 Duolite A147 を充填した
クロマトグラフカラムに仕込んだ。溶離は、メタノール
で行い、メタノール溶出性化合物が完全に溶出するまで
行った。ついで、他の化合物は、5容量%酢酸−メタノ
ールで溶出した。最後に、GPSは5%酢酸水溶液で溶
出し、GPSを含む溶出液は真空濃縮し、残渣は水8ml
に戻し、pHを炭酸カルシウムで4に調整し、エタノー
ル3.2ml加え、さらに5.6mlのアセトンを4分かけ
て滴下した。結晶生成物を濾別して、0.65gの(G
PS)2 Caを白色結晶として得た。
【0019】
【発明の効果】公知の方法と比較して、本発明の方法
は、より少ない工程数で高純度の脱アシルりん脂質得る
ことができ、より高い収率で、かつ、上記した先行技術
の問題回避できる。更に、本発明の利点は、化合物A、
特にGPCを結晶として得られることにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピエトロ マサァード イタリー国シニセッロ バルサモ ヴィ アレ フルヴィオ テスティ 117 (72)発明者 オレステ ピッコロ イタリー国シニセッロ バルサモ ヴィ アレ フルヴィオ テスティ 117 (56)参考文献 特開 昭62−215549(JP,A) 特開 昭49−56989(JP,A) 国際公開90/013552(WO,A1) J.Chem.Soc., Che m.Commun., 1981,No. 15,760−761 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表される脱アシル燐脂質の製
    造方法において、 【化1】 (式(I)中、Rは式(II)、(III)または(I
    V)の残基であり、Rが(II)または(IV)のと
    き、XはOHであって、Rが式(III)であるとき、
    XはO である。)天然または合成の式(V)で表さ
    れるアシル化誘導体を、 【化2】 (式(V)中、XとRは上記と同じであり、R 、R
    は同一またはそれぞれ異なったC13−25 のアル
    キル基またはC13−25 のモノまたはポリ不飽和ア
    ルケニル基である。)塩基性イオン交換樹脂を充填した
    反応器中でワンステップでアルコーリシスによる脱アシ
    ル化反応および分別することを特徴とする単一高純度脱
    アシル化りん脂質の製造方法。
  2. 【請求項2】 該樹脂がアルコーリシスに用いるアルコ
    ールの存在下で塩基型に調製されている請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】該イオン交換樹脂の使用量はリットル表示
    で、キログラム表示の式(V)のアシル化誘導体の3〜1
    0倍量である請求項1または2の方法。
  4. 【請求項4】 該アルコールが含水率が10容量%以下
    のC1-4 のアルコールである請求項1〜3のいずれかに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 該アルコールが、含水率が10容量%以
    下のメタノールまたはエタノールである請求項4の方
    法。
  6. 【請求項6】該樹脂の溶離を、グリセロホスホリルコリ
    ンを完全に溶出するまではアルコーリシスに用いたのと
    同じアルコールで、0.1〜0.4ベッド容量/時間の範囲の
    流量で行った後、有機酸を1〜10容量%含有する同じア
    ルコールでグリセロホスホリルエタノールアミンを完全
    に溶出させて後、最後に有機酸を1〜10容量%含む水で
    グリセロホスホリルリンを溶出させる請求項1〜5のい
    ずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 有機酸が、酢酸である請求項6の方法。
  8. 【請求項8】グリセロホスホリルコリンを含む溶出液
    を、容積で当初の1/4まで濃縮し、分離したアルコール
    層を、C6-12のアルカン混合物で抽出もしくは非極性吸
    着樹脂に通して存在する親油性不純物を除いた後、少量
    に濃縮してから、グリセロホスホリルコリンをC2-6
    アルコールから結晶化する請求項6の方法。
  9. 【請求項9】 結晶化に使用するアルコールが、n−ブ
    タノールである請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 グリセロホスホリルコリンの無水結晶
    を得る前記請求項の方法。
  11. 【請求項11】 グリセロホスホリルコリンを含む溶出
    液を、a)有機酸または無機酸で塩化した弱塩基性イオ
    ン交換樹脂に仕込み、b)前記のアルコール溶媒で非り
    ん脂質不純物を溶出除去し、c)グリセロホスホリルコ
    リンを水で溶出し、d)グリセロホスホリルコリンを含
    む水相を真空蒸発およびナノ濾過膜による濾過により所
    望の含水量に濃縮することを特徴とする請求項6の方
    法。
  12. 【請求項12】 グリセロホスホリルエタノールアミン
    を含む溶出液を、C6-12のアルカン混合物で抽出もしく
    は非極性吸着樹脂で処理して存在する親油性不純物を除
    いた後、少量に濃縮し、最後に結晶化させる請求項6の
    方法。
  13. 【請求項13】 グリセロホスホリルセリンを含む溶出
    液を、濃縮乾固し、グリセロホスホリルセリンをカルシ
    ュウム塩として結晶化させる請求項6の方法。
JP10499093A 1992-06-24 1993-04-07 グリセロりん脂質の製造方法 Expired - Lifetime JP3483908B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT92A001552 1992-06-24
ITMI921552A IT1254991B (it) 1992-06-24 1992-06-24 Procedimento per la preparazione di glicerofosfolipidi

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07291982A JPH07291982A (ja) 1995-11-07
JP3483908B2 true JP3483908B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=11363572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10499093A Expired - Lifetime JP3483908B2 (ja) 1992-06-24 1993-04-07 グリセロりん脂質の製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US5315023A (ja)
EP (1) EP0575717B1 (ja)
JP (1) JP3483908B2 (ja)
KR (1) KR100262281B1 (ja)
AT (1) ATE169628T1 (ja)
CA (1) CA2092005A1 (ja)
DE (1) DE69320262T2 (ja)
ES (1) ES2118851T3 (ja)
IT (1) IT1254991B (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH683671A5 (it) * 1992-03-30 1994-04-29 Golgi Sa Uso topico di glicerofosfolipidi deacilati.
IT1265647B1 (it) * 1992-11-18 1996-11-22 Farmin Srl Composizione farmaceutiche topiche per le allergie respiratorie
DE4402492A1 (de) * 1994-01-28 1995-08-03 Boehringer Mannheim Gmbh Verfahren zur Herstellung von unsymmetrischen Phosphorsäurediestern
IT1274027B (it) * 1994-03-03 1997-07-14 Zambon Spa Processo per la preparazione e purificazione di mezzi di contrasto iodurati
US5904697A (en) * 1995-02-24 1999-05-18 Heartport, Inc. Devices and methods for performing a vascular anastomosis
FR2818967A1 (fr) * 2001-01-04 2002-07-05 Evatex Dispositif de recyclage des eaux chargees en saumure et en polluants organiques
US6878532B1 (en) 2003-04-28 2005-04-12 Sioux Biochemical, Inc. Method of producing phosphatidylserine
JP5420848B2 (ja) * 2008-02-28 2014-02-19 株式会社コーセー 美白剤及び美白用皮膚外用剤
KR101616945B1 (ko) 2014-02-10 2016-04-29 엔자이텍 주식회사 라세믹 또는 광학적으로 활성이 있는 α―글리세로포스포릴 콜린의 제조방법
CA2951365C (en) * 2014-06-10 2022-05-17 Chemi Spa Process for the purification of l-.alpha.-glycerophosphorylcholine
KR20160037031A (ko) 2014-09-26 2016-04-05 엔자이텍 주식회사 라세믹 또는 광학적으로 활성이 있는 D 또는 L-α-글리세로포스포릴콜린 고체의 제조방법
KR20160116463A (ko) 2015-03-30 2016-10-10 주식회사 한서켐 L-α-글리세릴 포스포릴 콜린의 III형 결정 및 그 제조방법
RU2685238C1 (ru) * 2016-07-01 2019-04-17 Общество с ограниченной ответственностью "ФАРМАЦЕЛЬ" Способ получения кристаллического глицерофосфатидилхолина
KR102202757B1 (ko) 2018-08-31 2021-01-13 롯데첨단소재(주) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 형성된 성형품
CN114106036A (zh) * 2021-11-08 2022-03-01 云南开放大学(云南国防工业职业技术学院) 一种L-α-甘油磷脂酰胆碱的分离提取方法
KR102531373B1 (ko) 2022-02-21 2023-05-12 이광미 난황 레시틴으로부터 콜린 알포세레이트를 제조하는 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1229238B (it) * 1989-05-08 1991-07-26 Istituto Chemioterapico Procedimento per la preparazione di l-alfa-glicerilfosforilcolina e l alfa glicerilfosforiletanolammina.
JPH0387191A (ja) * 1989-08-30 1991-04-11 Nisshin Oil Mills Ltd:The ホスファチジルイノシトールの製造方法
IT1240614B (it) * 1990-03-30 1993-12-17 Istituto Chemioterapico Italiano Fine Chimicals Procedimento per la separazione dei principali componenti di una miscela di fosfolipidi grezzi deacilati

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J.Chem.Soc., Chem.Commun., 1981,No.15,760−761

Also Published As

Publication number Publication date
ITMI921552A1 (it) 1993-12-24
EP0575717A1 (en) 1993-12-29
KR100262281B1 (ko) 2000-07-15
DE69320262D1 (de) 1998-09-17
EP0575717B1 (en) 1998-08-12
ITMI921552A0 (it) 1992-06-24
ES2118851T3 (es) 1998-10-01
KR940005645A (ko) 1994-03-22
CA2092005A1 (en) 1993-12-25
JPH07291982A (ja) 1995-11-07
DE69320262T2 (de) 1999-01-07
ATE169628T1 (de) 1998-08-15
US5315023A (en) 1994-05-24
IT1254991B (it) 1995-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3483908B2 (ja) グリセロりん脂質の製造方法
ES2165115T5 (es) Un procedimiento para la purificacion de fosfatidinilserina.
JP4792154B2 (ja) ホスファチジルセリンの製造方法
JP2883202B2 (ja) L―アルファ―グリセリルホスホリルコリンおよびl―アルファ―グリセリルホスホリルエタノールアミンの製造法
US4425276A (en) Process for the separation of oil and/or phosphatidylethanolamine from alcohol soluble phosphatidylcholine products containing the same
EP2431020B1 (en) Processes for the separation and purification of phosphatidylserine
EP0486100A1 (en) Process for preparing alpha-glycerophosphorylcholine
JP2003515346A (ja) リゾホスファチジルエタノールアミンの製造方法
EP1213294B2 (en) Purifying process for phosphatidylserine
EP2007710A1 (en) Preparation of gabapentin by liquid-liquid extraction
JP3032357B2 (ja) リン脂質画分の分画精製方法
JPH08311085A (ja) 分岐二量化アルキルリン酸塩基性アミノ酸塩の製造方法
KR830000794B1 (ko) 유(油)함유 고순도 포스파티딜콜린의 제조방법
JPH03206891A (ja) 高度不飽和脂肪酸の分取方法
JPH06211782A (ja) アルコールとその誘導体の分離法
JPS62215549A (ja) 脂肪酸エステルの製造法
JPH0613537B2 (ja) グリセリルリン酸エステル化合物誘導体の分離精製方法
JPS63185990A (ja) リン脂質の製造方法
EP0583468A1 (en) Process for making pure phosphatidylethanolamine and phosphatidylmyoinositol

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 10