JP3482922B2 - 電気貯湯容器 - Google Patents

電気貯湯容器

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JP3482922B2
JP3482922B2 JP30630499A JP30630499A JP3482922B2 JP 3482922 B2 JP3482922 B2 JP 3482922B2 JP 30630499 A JP30630499 A JP 30630499A JP 30630499 A JP30630499 A JP 30630499A JP 3482922 B2 JP3482922 B2 JP 3482922B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、湯沸かし機能と保
温機能とを有する電気貯湯容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記のような電気貯湯容器、いわゆる電
気ポットの一例を図13(a)に示している。この電気
ポットは、内部に貯湯用の内容器81を備えた容器本体
82と、容器本体82の上部に着脱自在に取付けられる
蓋体83とを設けて構成されている。なお、同図に示す
内容器81は、有底筒状の内筒84の側壁面と、底壁面
の外周側とを囲う外筒85を設け、これら内筒84と外
筒85との間を真空断熱空間とした真空二重構造で形成
されている。 【0003】上記内筒84における底板部84aは、そ
の外周側における外筒85との接合部位よりも内側が、
上方へ段差状に凹入するように形成されている。その中
央部下面に、サーミスタ等からなる底センサ86が下側
から当接するように配置され、この底センサ86によっ
て、内容器81内に貯留される湯水の温度が検出され
る。この底センサ86を囲う形状で、ヒータユニット8
7が上記した段差状の凹入部内に設けられている。 【0004】このヒータユニット87は、同図(b)に
示すように、上層側から、薄板状のカバー板88・電熱
ヒータ89・伝熱板90・押え板91を順次積層して構
成されている。電熱ヒータ89は、抵抗加熱式のヒータ
線を雲母板(マイカ板)に挟んだ構造のマイカヒータに
より形成されている。 【0005】ヒータユニット87の下側には、内筒84
の底板部84aにおける前記段差状凹部を下側から覆う
底遮熱板92が配置されている。この底遮熱板92は、
その周縁側が前記外筒85の下面に固定され、この底遮
熱板92の内方端には上方に向けて折曲された短寸の筒
状部が設けられている。この筒状部の外周に径方向外方
に広がるバネ部材92aが取付けられ、このバネ部材9
2aを前記押え板91の下面に当接させて組立てること
により、ヒータユニット87にバネ部材92aによる上
方への押圧力が作用し、これによって、カバー板88が
内筒84の底板部84aの下面に密着するように、この
ヒータユニット87が組込まれている。 【0006】上記底遮熱板92の下側には、同図(a)
に示すように、前面側にポンプ装置93が設けられ、こ
のポンプ装置93に接続された注湯配管94を通して内
容器81内の湯が注湯される。なお、この注湯配管94
には、容器本体82の前面側を上方に延びる液量管94
aが介装され、この液量管94aに水目盛りを形成し
て、これを容器本体82の前面側から視認し得るように
構成されている。一方、底遮熱板91の下側空間におけ
る背面側に電装品箱95が設置され、この電装品箱95
内に、この電気ポットの運転を制御するマイコン等が搭
載された制御回路基板96が収納されている。 【0007】上記電装品箱95の上面には、同図(b)
に示すように、ヒータユニット87からの下方への放熱
を遮断するための基板遮熱板97がさらに設けられてい
る。また、前記底遮熱板91には、その中央側に、底セ
ンサ86の上端面が内筒84の底板部84aに密着する
ようにこの底センサ86を上方に押圧するバネ部材98
が取付けられている。さらにその外側に、ヒータユニッ
ト87から底センサ86に向かう放熱を遮断するための
遮熱リング99が設けられている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、湯水を加熱
保温するための電熱ヒータ89がマイカヒータから成る
上記の電気ポットでは、この電熱ヒータ89の取付けに
当たり、これをカバー板88や伝熱板90・押え板91
で挟み込んでユニット化し、このヒータユニット87
を、底遮熱板92に取り付けたバネ部材92aで内筒8
4の底板部84aに密着させるような構造となってお
り、構成が複雑で、このためにヒータユニット87の厚
さが厚く、また重量も重くなって、全体的なコンパクト
化や軽量化を充分には図れないという問題を有してい
る。 【0009】特に、電熱ヒータ89におけるヒータ線と
内筒84の底板部84aとの間には、絶縁層としてのマ
イカ板に加え、さらにカバー板88が介在し、また、こ
れらの間には微小な空隙層も介在していることから、こ
の間の熱貫流抵抗が比較的大きなものとなる。したがっ
て、加熱保温時に内筒84の底板部84aに充分な熱量
を付与するためには、上記ヒータ線に通電発熱させたと
きのこのヒータ線の温度がより高くなるようにすること
が必要となる。 【0010】この結果、電熱ヒータ89から下方に向か
う放熱量も大きくなるため、その下側に配置されている
電装品箱95との間の空間距離を大きくし、かつ、基板
遮熱板97を設けることによって、電装品箱95内の各
電気部品に熱的な悪影響が生じないようにすることが必
要となっている。したがって、これによっても全体的な
コンパクト化や軽量化が図れず、このために、例えばこ
の電気ポットの持ち運びに比較的大きな労力が必要とな
って、ユーザーが充分に満足し得るような使い勝手が得
難いものとなっている。 【0011】一方、上記のような電気ポットでは、内容
器81内の湯水はその底部の電熱ヒータ89への通電に
よって所定の保温温度に保持されるものの、この電熱ヒ
ータ89による加熱効果は前記注湯配管94内の湯水に
は殆ど及ばない。したがって、例えば長時間保温の後で
注湯しようとすると、注湯配管94内で温度が低下した
湯が先に注がれることになって、一杯目は所望の高温湯
が得られず、したがって、これによってもユーザーにと
って充分な使い勝手が得られないという問題を有してい
る。 【0012】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、使い勝手の向上した電気貯
湯容器を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】容器本体内に、貯湯用の
内容器と、この内容器内の水を加熱保温すべく通電され
る電熱ヒータとを備える電気貯湯容器において、内容器
の底部に、上向きに凹入する断差部を形成し、底部にお
ける段差部の上側に電熱ヒータを配置し、かつ、段差部
内に断熱材を配備するとともに、電熱ヒータを、通電に
より発熱するヒータエレメント層をヒータ基材の表面に
所定のパターンで印刷し焼成することにより形成された
印刷ヒータから構成してあり、このような構成によれ
ば、電熱ヒータが、ヒータ基材表面に印刷されて一体化
した印刷ヒータよりなることから、ヒータ基材が所定の
箇所への配置構造とすれば、電熱ヒータ専用の取付部材
を別途必要としない。したがって、電熱ヒータの取付け
に必要な部材が従来よりも少なくなり、これによってコ
ンパクト化や軽量化を図ることができるので、持ち運び
等が楽になって使い勝手が向上する。 【0014】そして、内容器の底部に形成される上向き
に凹入した段差部に断熱材を配備し、その段差部の上側
に電熱ヒータを配置してあるので、断熱材の存在によっ
て、電熱ヒータから下方への放熱が抑えられ、これによ
り、内容器の加熱効率がさらに向上する。 【0015】また、断熱材によって騒音も防止される。
すなわち、湯沸かし運転で内容器内の湯が沸騰状態にな
ると、底板表面で生じる多数の気泡に伴って音が発生
し、これが、その下側の空間に共鳴し外部に漏れて騒音
が発生する。この場合に、底板の下側に設けられた断熱
材が吸音材としても機能し、これによって、騒音の発生
を防止することが可能となるのである。 【0016】内容器を、金属板製の内筒と、これとの間
に空間部を形成する金属板製の外筒とから成り、かつ、
空間部が真空断熱空間とされた二重構造に構成し、底部
を、外筒の底部分を上方に折曲げて内筒の底部分の外側
面に気密状に接合することで形成してある構成によれ
ば、金属板製で内外の筒とその間の真空断熱層とによっ
て、真空二重構造に内容器が形成されているので、優れ
た保温性能を発揮することができる。 【0017】請求項1の構成は、容器本体内に、貯湯用
の内容器と、この内容器内の水を加熱保温すべく通電さ
れる電熱ヒータとを備える電気貯湯容器において、内容
器を、金属板製の内筒と、これとの間に空間部を形成す
る金属板製の外筒とから成り、かつ、空間部が真空又は
ほぼ真空状態とされた二重構造に構成し、電熱ヒータ
が、通電により発熱するヒータエレメント層を内容器の
底部で成るヒータ基材の表面に所定のパターンで印刷し
焼成することによって形成された印刷ヒータに構成され
るとともに、底部の下面に絶縁層を形成した後、ヒータ
エレメント層と保護絶縁層とを順次印刷して乾燥させる
焼成工程が、内筒と外筒との間を真空断熱空間として形
成する工程と同時に行われるように構成されていること
を特徴とする。 【0018】請求項1の構成によれば、電熱ヒータが、
ヒータ基材表面に印刷されて一体化した印刷ヒータより
なることから、ヒータ基材が所定の箇所への配置構造と
すれば、電熱ヒータ専用の取付部材を別途必要としな
い。したがって、電熱ヒータの取付けに必要な部材が従
来よりも少なくなり、これによってコンパクト化や軽量
化を図ることができるので、持ち運び等が楽になって使
い勝手が向上する。 【0019】そして、内容器は、金属板製で内外の筒と
その間の真空断熱層とによって、真空二重構造のものに
形成されているので、優れた保温性能を発揮することが
できる。 【0020】また、底板に形成したヒータエレメント層
と保護絶縁層との焼成が、内筒と外筒との間を真空断熱
空間として形成する工程と同時に行われて、電熱ヒータ
を備える内容器が製造されているので、真空排気処理工
程で電熱ヒータの焼成が同時に行われて工程数が少なく
なり、これによって、全体の製作費をより安価にするこ
とが可能となっている。 【0021】 【発明の実施の形態】〔実施形態1〕 次に、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳
細に説明する。図1(a)に、本実施形態に係る電気貯
湯容器としての電気ポットを示している。この電気ポッ
トは、内部に上方から凹入する貯湯用空間1aが形成さ
れた容器本体1と、上記空間1aの上方を覆う蓋体2と
を設けて構成されている。 【0022】容器本体1は、有底筒状の外ケース3と、
貯湯用空間1aを囲う内容器4と、これら外ケース3と
内容器4との各上端側を相互に連接する肩ケース5とを
備え、外ケース3と肩ケース5とはそれぞれ合成樹脂に
て作製されている。なお、肩ケース5は、その外周側
を、外ケース3の上端に連なる断面形状として容器本体
1の上部側外装体を構成するように形成されている。ま
た、その前面側(同図において左側)上方は、前方に膨
出した注湯部5aとして形成され、この注湯部5a内の
下端側に、後述する注湯口管23eが取付けられてい
る。 【0023】内容器4は、それぞれステンレス鋼板を用
いて形成された金属製の内筒6と外筒7と底板8とを設
けて構成されている。内筒6は、円筒状の胴部6aと、
この胴部6aの下端から径方向内方に折曲された底部折
曲部6bとを有する形状に形成されている。この底部折
曲部6bの内側に、略円板状の底板8が、その上面を底
部折曲部6bの上面とほぼ面一状にして溶接されてい
る。これら内筒6と、この内筒6の底部開口を塞ぐ底板
8とによって囲われる空間が上記した貯湯用空間1aと
なっている。 【0024】なお、胴部6aの上端側には、断面台形状
に径方向内側に凹入する絞り部6cが設けられている。
また、この絞り部6cよりもやや下側における後面側
(図において右側)内面に、満水目盛り6dが形成され
ている。上記のような絞り部6cを設け、この部位での
開口面積をその下側の貯湯用空間1aよりも小さくする
ことによって上方への放熱が抑えられ、保温性が向上す
る。 【0025】外筒7は、内筒6の胴部6aを外側から囲
う円筒状の胴部7aと、内筒6の底部折曲部6bよりも
下側の位置で、胴部7aの下端から径方向内方に折曲さ
れた底部折曲部7bとを有する形状に形成されている。
この底部折曲部7bの内端側は、内筒6における底部折
曲部6aの内端に下側から密着するように階段状に曲げ
成形され、各内端領域が溶接によって気密に接合されて
いる。 【0026】一方、外筒7における胴部7aの上端も、
内筒6の胴部6aの上端に上記同様に気密に接合されて
いる。これにより、内筒6と外筒7の各胴部6a・7a
間、および、各底部折曲部6b・7b間に密閉空間9が
形成され、この密閉空間9を真空排気する組立てが行わ
れて、この空間が真空断熱空間となっている。このよう
に本実施形態の電気ポットは、特に真空二重構造で内容
器4が形成されていることによって、優れた保温性能を
備えている。 【0027】底板8は、その中央に、上方に段差状に突
出するセンサ取付部8aを備え、このセンサ取付部8a
の周縁から、内筒6や外筒7の各底部折曲部6b・7b
との接合箇所まで、平坦な平面部8bとして形成されて
いる。センサ取付部8aの下側には、サーミスタ等から
なる底センサ(温度センサ)11が、このセンサ取付部
8aの下面に下側から当接するように設けられている。
この底センサ11によって、底板8の温度、すなわち、
貯湯用空間1aに貯留されている湯水の温度が検出され
る。 【0028】一方、同図(b)に示すように、底板8に
おける上記平面部8bの下面に沿って、電熱ヒータ12
が設けられている。この電熱ヒータ12は、図2にその
断面を拡大して示すように、それぞれ結晶化ガラスから
成る絶縁層13と保護絶縁層14との間に、例えばAg
/Pd合金よりなるヒータエレメント層15を所定のパ
ターンで設けて形成されている。さらに詳細には、厚さ
1mm程度のステンレス製の底板8の表面に、まず、ガ
ラスペーストを印刷し、これを乾燥させた後に850℃
程度で焼成して絶縁層13が形成される。その後、これ
と同様に、ヒータエレメント層15と保護絶縁層14と
が印刷、乾燥、焼成される。このように底板8の下面に
一体形成された印刷ヒータにより、この電熱ヒータ12
が形成されている。なお、各層の厚さは、絶縁層13が
70〜100μm程度、保護絶縁層14とヒータエレメ
ント層15とがそれぞれ10〜20μm程度で、全体の
厚さは0.15mm以下であり、極めて薄型に形成され
ている。 【0029】図3に、上記ヒータエレメント層15のパ
ターン形状の一例を示している。同図において16aは
共通電極部であり、この共通電極部16aの近傍に、第
1電極部16bと第2電極部16cとが設けられてい
る。これら電極部16a〜16cは、それぞれAgを、
ヒータエレメント層15形成時に同様に印刷して乾燥、
焼成して形成されている。ヒータエレメント層15は、
底板8中央のセンサ取付部8aを帯状に二重に囲う形状
に形成され、両端が共通電極部16aと第1電極部16
bとに接続された内側の層は例えば100V−85W程
度の保温ヒータ15aとして、また、両端が共通電極部
16aと第2電極部16cとに接続された外側の層は例
えば100V−840W程度の湯沸かし用ヒータ15b
として形成されている。 【0030】なお、前記絶縁層13と保護絶縁層14と
は、湯沸かし用ヒータ15bの外側に図示している細線
Seと底板8のセンサ取付部8aの周縁との間の領域に
形成されている。また、同図において8cは、後述する
ポンプ装置19に接続された第1注出管21が貫通する
貫通孔である。 【0031】上記のように電熱ヒータ12が下面に形成
された底板8の下側には、図1(b)に示すように、上
記電熱ヒータ12から下方に向かう熱を遮るための底遮
熱板17が配置されている。なお、この底遮熱板17の
中央には、底センサ11の上端面が底板8のセンサ取付
部8aに密着するようにこの底センサ11を上方に押圧
するバネ部材18が取付けられている。 【0032】上記底遮熱板17の下側には、同図(a)
に示すように、前面側にポンプ装置19が設けられ、ま
た、背面側に、後述するマイコン50等が搭載された制
御回路基板21が収納された電装品箱22が設置されて
いる。 【0033】ポンプ装置19の吸引口19aには、底遮
熱板17と底板8とを貫通してこの底板8に上端が接合
された第1注出管23aが接続されている。また、ポン
プ装置19の吐出口19bには、容器本体1の前面側に
向かう第2注出管23bが接続されている。この第2注
出管23bに、外ケース3と内容器4との間の前面側の
空間を上方に向かって延びる液量管23cが接続されて
いる。 【0034】この液量管23cの上端に、前記肩ケース
5の注湯部5a内を下方から前方に向かうような屈曲形
状の第3注出管23dが接続され、この第3注出管23
dの先端に、上記注湯部5aの下面にこの面を下方に向
かって貫通するように取付けられた注湯口管23eが接
続されている。これにより、図中矢印で示すように、貯
湯用空間1aの底部から上記注湯口管23eに至る注湯
用通路が形成され、ポンプ装置19が作動されることに
よって、貯湯用空間1a内の湯が、上記注湯用通路を通
して注湯口管23eから注湯されるようになっている。
なお、上記第3注出管23d内には転倒止水弁24が装
着されている。 【0035】上記液量管23cは透明なガラス管から成
り、また、外ケース3は、この液量管23cに沿う一部
領域が透明に形成されている。そして、液量管23cの
外周面には、その後方側の面に、図4に示すようなパタ
ーン、いわゆるゼブラ模様に形成されたガラス管ヒータ
(注湯配管加熱用ヒータ)25が設けられている。この
ガラス管ヒータ25は、前記電熱ヒータ12とほぼ同様
に形成された印刷ヒータより成るもので、ガラス管表面
に上記パターンでAg/Pdより成るヒータエレメント
層25aを形成した後、その表面に結晶化ガラスより成
る保護絶縁層を設けて形成されている。なお、このガラ
ス管ヒータ25は、消費電力が2W程度となるように、
両リード線26・26間の抵抗値が設定されている。こ
のガラス管ヒータ25には、後述するように常時通電さ
れ、これにより、液量管23c内の湯水の加熱保温が行
われる。 【0036】しかも、このガラス管ヒータ25を液量管
23cの上下方向のほぼ全体にわたって延びるゼブラ模
様としているので、これは水量目盛りとしても機能す
る。すなわち、液量管23cを通してヒータエレメント
層25aを前方から見たとき、このヒータエレメント層
25aは、湯水のレンズ作用で湯面より下側で幅が大き
くなる。これによって、内容器4内の湯量が視認され
る。 【0037】前記蓋体2は、図1(a)に示すように、
合成樹脂製の上板31と、この上板31に対して外周縁
が嵌め合いにより結合された合成樹脂製の下板32とを
設けて構成され、肩ケース5の後端側(図において右端
側)に設けられたヒンジ受け33にヒンジピン34を介
して開閉自在かつ着脱自在に支持されている。一方、上
板31における前端側には、この蓋体2を内容器4の上
面開口を覆う閉位置(図示の位置)で容器本体1にロッ
クするためのロック機構35が設けられている。 【0037】上板31の中央には略円形状の開口が形成
され、この開口に押し板36が嵌挿されている。この押
し板36の下側にエアー型ベローズ37が配置され、押
し板36を上方から押すことによってベローズ37が収
縮変形し、これに伴い、ベローズ37内で加圧された空
気が空気経路38を通して貯湯用空間1a内に供給され
る。これにより、前記したポンプ装置19の作動に代え
て、この押し板36を操作することによっても、貯湯用
空間1a内の湯を前記注湯口管23eを通して注湯し得
るようになっている。 【0038】なお、上記空気経路38における貯湯用空
間1a側は、この貯湯用空間1aを蓋体2の上方に連通
させる蒸気排出通路39との共通経路として形成され、
この共通経路の領域にも転倒止水弁40が装着されてい
る。また、貯湯用空間1aへの空気経路38と蒸気排出
通路39との連通状態は、ベローズ37の動作に応じて
自動的に切換わるように構成されている。 【0039】一方、前記肩ケース5の注湯部5aの上面
側は操作表示部41として形成され、この操作表示部4
1の下側にスイッチ基板42が配置されている。このス
イッチ基板42には、注湯部5aの壁面を通してそれぞ
れ押下操作される操作スイッチがさらに取付けられてい
る。これら操作スイッチとして、図5に示すように、給
湯スイッチ43・ロック解除スイッチ44・保温選択ス
イッチ45・再沸騰スイッチ46・カップメンタイマー
スイッチ47等が設けられている。 【0040】図6に、上記電気ポットの制御ブロック図
を示している。前記制御回路基板21に、運転制御装置
としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記
する)50が設けられている。このマイコン50には、
交流100Vの商用電源51から安定化電源回路52を
通して変換された所定の定電圧直流電源が供給される。
この安定化電源回路52の前段に前記ガラス管ヒータ2
5が接続され、このガラス管ヒータ25が、商用電源5
1の電圧を所定の電圧に降圧させて安定化電源回路52
に入力するための分圧抵抗としても機能するように構成
されている。また、マイコン50には、所定のクロック
信号を発生する発振回路53、図示しないプラグがコン
セントに接続されて給電が開始される毎にマイコン50
を初期状態にリセットするリセット回路54が接続され
ている。 【0041】上記マイコン50に、前記したスイッチ基
板42に取付けられている各操作スイッチ43〜47が
接続され、また、底センサ11が接続されている。各操
作スイッチが操作されたときの操作信号、および底セン
サ11での検出水温に応じて、前記電熱ヒータ12の湯
沸かし用ヒータ15bへの通電がリレー駆動回路55と
リレー56とを介して、また、保温ヒータ15aへの通
電がトライアック駆動回路57とトライアック58とを
介してそれぞれマイコン50によって制御される。ま
た、ポンプ装置19の作動が給湯ロック回路59と給湯
回路60とを介して制御される。 【0042】なお、電源周波数を監視して上記リレー5
6の開閉が交流商用電源51のゼロクロス点にタイミン
グを合わせて行われるようにするためのIRQ回路がさ
らに設けられ、また、リレーの開閉状態を検出する接点
信号回路62が設けられている。また、例えば沸騰加熱
を完了して所定の保温状態に移る時などに、これを音で
報知するための圧電ブザー63がマイコン50に接続さ
れている。また、同図において64は温度ヒューズであ
る。図7に、上記制御ブロック図に対応する具体的な回
路構成の一例を示している。 【0043】上記構成の電気ポットにおいては、内容器
4内に注水し、蓋体2を閉じてプラグがコンセントに接
続されると、湯沸かし用ヒータ15bへの通電が開始さ
れる。そして、沸騰が検出されると、カルキ抜きのため
に所定の時間だけ沸騰状態を継続し、その後、湯沸かし
用ヒータ15bから保温ヒータ15aへの通電に切換え
られて、所定の保温温度に保持する運転が行われる。こ
のとき、ロック解除スイッチ44を押した後に給湯スイ
ッチ43を押すことでポンプ装置19に通電され、これ
によって、保温中のお湯が前記注湯口管23eを通して
給湯される。なお、この間、前記ガラス管ヒータ25に
は常時通電され、これによって、液量管23c内の湯水
も加熱保温される。 【0044】以上の説明のように、本実施形態における
電気ポットでは、特に、電熱ヒータ12が内容器4の底
板8に直接設けられた印刷ヒータから成っており、保温
ヒータ15aおよび湯沸かし用ヒータ15bと底板8と
の間には、結晶化ガラスから成る極めて薄い絶縁層13
しか介在しておらず、大きな熱貫流抵抗となる空隙層等
は存在していない。したがって、各ヒータ15a・15
bに通電して発熱させたときの底板8への伝熱が効率良
く行われる。このため、湯沸かし用ヒータ15bへの通
電でより短時間で沸騰させることができ、また、保温ヒ
ータ15aへの通電量も極力小さくして所定の保温温度
に保持することが可能となる。 【0045】また、上記の電熱ヒータ12を底板8に取
付けるための取付部材を別途必要としないので構成が簡
素になり、これによって全体的な製作費をより安価なも
のとすることができ、また、全体的な重量が小さくなっ
て軽量化を図ることができる。この結果、例えばこの電
気ポットの持ち運び等を楽に行うことができ、これによ
って、使い勝手が向上する。 【0046】さらに、上記のように熱貫流抵抗が小さい
ことによって、各ヒータ15a・15bと底板8との温
度差が小さくとも、各ヒータ15a・15bから底板8
への単位時間当たりの伝熱量も充分に確保することがで
きる。すなわち、各ヒータ15a・15bの温度自体も
より低い状態で湯沸かしや保温が可能になることから、
このときの電熱ヒータ12からの下側への放熱量も小さ
くなる。この結果、前記図13を参照して説明した従来
の電気ポットにおいて底センサ86を囲う遮熱リング9
9や、電装品箱95の上面を覆う基板遮熱板97等が、
本実施形態の電気ポットでは不要になっており、これに
よっても、全体の製作費をより安価なものとすることが
できる。 【0047】また、内容器4の底壁は、底板8中央のセ
ンサ取付部8aを除いて平坦な形状となっているので、
手入れが簡単になる。また、底部側の内容積が増加する
ことによっても、全体形状をより小形化することが可能
となっている。 【0048】一方、本実施形態の電気ポットでは、液量
管23cにガラス管ヒータ25が設けられていることに
より、この液量管23c内の湯水も加熱保温される。こ
の結果、例えば長時間保温状態の後での注湯時でも、一
杯目から充分に高温の湯が供給されるので、これによっ
ても使い勝手が向上する。しかも、上記ガラス管ヒータ
25は水位目盛りを兼用するパターンで液量管23cに
設けられているので、このような目盛りを液量管23c
の表面に別途印刷する必要がなく、これによっても全体
の製作費がより安価となる。 【0049】さらに、上記ガラス管ヒータ25は、マイ
コン50に直流電源を供給する安定化電源回路52の前
段で分圧抵抗として機能するように構成されている。従
来は、酸化皮膜抵抗などの専用の抵抗体が、マイコン5
0の取付けられた制御回路基板21に設けられており、
この場合には、この抵抗体での発熱量をも考慮して、電
装品箱22内の温度が過大にならないようにする必要が
生じていた。これに対し、本実施形態の電気ポットで
は、分圧抵抗での発熱を利用して液量管23c内の湯水
の加熱保温が行われるので、無駄な電力消費が抑えられ
てエネルギー効率が向上し、また、電装品箱22内にお
いても分圧抵抗に起因する温度上昇が生じないので、電
気的な信頼性も向上する。 【0050】〔実施形態2〕 次に、本発明の他の実施形態について、図8を参照して
説明する。なお、説明の便宜上、図1〜図7を参照して
説明した実施形態1の電気ポットと同一の機能を有する
部材には同一の符号を付記して、詳細な説明を省略す
る。後述するさらに他の実施形態でも同様とする。 【0051】図8に示す電気ポットでは、内容器4にお
ける外筒7の底部折曲部7bよりも径方向内側の空間、
すなわち、底板8と底遮熱板17との間で、底センサ1
1の周囲、およびポンプ装置19に接続された第1注出
管23eの周囲を除く空間に、耐熱性断熱材65が充填
されている。このような断熱材65を設けることによっ
て、電熱ヒータ12から下方への放熱が抑えられ、これ
により、内容器4の加熱効率がさらに向上する。 【0052】また、上記のような断熱材65によって騒
音も防止される。すなわち、湯沸かし運転で内容器4内
の湯が沸騰状態になると、底板8表面で生じる多数の気
泡に伴って音が発生する。これが、その下側の空間に共
鳴し外部に漏れて騒音が発生する。この場合に、底板8
の下側に設けられた断熱材65が吸音材としても機能
し、これによって、騒音の発生を防止することが可能と
なっている。 【0053】〔実施形態3〕 次に、図9を参照して本発明のさらに他の実施形態につ
いて説明する。同図に示す電気ポットは、内容器4の外
筒7における底部折曲部7bが平坦に形成され、この折
曲部7bの内端に底板8が溶接されている。これによっ
て、底板8に前記同様に形成された電熱ヒータ12の外
側には、下方に突出する突出部が存在しない構造となっ
ている。 【0054】なおこの場合、内筒6の底部折曲部6bの
内端側が、下方へ段差状に折曲されて外筒7の底部折曲
部7bに溶接されている。これにより、前記実施形態1
・2と同様に、内容器4の底壁外周側にも、内筒6と外
筒7との各底部折曲部6b・7bで挟まれる空間が設け
られ、この空間が真空断熱空間9として形成されてい
る。 【0055】上記構造の内容器4においては、内筒6と
外筒7、および底板8を順次溶接して組立てた後、底板
8の下面に印刷ヒータより成る電熱ヒータ12を形成す
るという製造工程を採用することが可能となる。つま
り、前記実施形態1・2においては、底板8のヒータ印
刷面よりも外側には外筒7の底部折曲部7bが下方に突
出した形状であるため、例えばスクリーン印刷で絶縁層
13や保護絶縁層14、ヒータエレメント層15を印刷
しようとしても、スクリーンを底板8の表面に密着させ
ることができない。したがって、底板8を内筒6に溶接
する前に、底板8の表面に電熱ヒータ12を形成し、そ
の後にこの底板8を内筒6に溶接するという工程で内容
器4を製造することが必要となる。 【0056】これに対し本実施形態では、底板8を外筒
7に溶接した後も電熱ヒータ12の形成領域より外側に
は、上記のように突出する部分が無いので、この底板8
にスクリーンを密着させて所定のパターンでヒータエレ
メント層15等を印刷することが可能となる。 【0057】そこで、本実施形態では、前記のように内
筒6および外筒7と底板8との溶接を先に行い、次い
で、底板8の下面に絶縁層13を形成した後、ヒータエ
レメント層15と保護絶縁層14とを順次印刷して乾燥
させる。さらに、これらの焼成が、内筒6と外筒7との
間を真空断熱空間8として形成する工程で同時に行われ
るようになっている。 【0058】すなわち、内筒6と外筒7との間を真空断
熱空間9とするために、外筒7の底部折曲部7bには、
排気穴(図示せず)が形成されており、この排気穴に例
えばガラス材等から成る封口材を嵌挿した状態で、内容
器4が真空室に送り込まれる。これにより、排気穴を通
して上記空間9内の空気が吸い出され、そして、この状
態で全体を加熱して封口材を溶融させることによって排
気穴が封止されて、上記空間9が真空断熱空間として形
成される。 【0059】そこで、本実施形態では、底板8に形成し
たヒータエレメント層15と保護絶縁層14との焼成
が、上記のように封口材を加熱溶融させるための加熱処
理時に同時に行われて、電熱ヒータ12を備える内容器
が製造されている。このように、真空排気処理工程で電
熱ヒータ12の焼成が同時に行われるので工程数が少な
くなり、これによっても、全体の製作費をより安価にす
ることが可能となる。 【0060】〔実施形態4〕 次に、図10を参照して本発明のさらに他の実施形態に
ついて説明する。本実施形態の電気ポットにおいては、
同図(a)に示すように、内容器4は真空二重構造では
なく一重構造で形成されている。そして、円筒状の胴部
の外周に、前面側の一部領域を除いて普通断熱材66を
巻装し、また、胴部における下端側の外周面と底部とに
沿って耐熱性断熱材67を設けることによって、内容器
4内の湯の保温を行うように構成されている。なお、蓋
体2には、前記各実施形態におけるベローズ37も設け
られておらず、容器本体1の底部に配置されているポン
プ装置19によって、注湯が行われるようになってい
る。 【0061】上記内容器4における底部を覆う底板8
は、同図(b)に示すように、その中央部に、前記同様
に上方に突出するセンサ取付部8aを設ける一方、外周
側に、下方に凹入する湯溜まり部8dを設け、この湯溜
まり部8dの外縁から上方に円筒状に延びる底部側壁部
8eの上端を、その上方の円筒状の胴部4aの下端に突
き合わせ溶接して形成されている。なお、この胴部4a
は厚さ例えば0.5mm、底板8は厚さ例えば1mm程
度のステンレス鋼板で形成されている。 【0062】そして、上記底部側壁部8eの外周に沿っ
て、前記各実施形態と同様に印刷ヒータから成る電熱ヒ
ータ12が形成されている。なおこの場合に、電熱ヒー
タ12は、その上端の位置を、内容器4内に残留する湯
の液面高さにほぼ合致させて、これよりも下側の領域に
設けられている。 【0063】すなわち、上記湯溜まり部8d内の湯は出
湯されずに残留する。さらに詳細には、底板8における
センサ取付部8aと湯溜まり部8dとの間の平坦部8f
には、前記第1注出管23aの上端側が貫通する部位
に、これを囲うように上方に立ち上げた短寸の円管状接
合部8gが設けられている。この接合部8gに第1注出
管23aの上端を嵌挿させて底板8に第1注出管23a
が接合されている。この接合部の上端面よりも下側の湯
が残留することになり、したがって、図中一点鎖線で示
すように、上記接合部の上端面の高さ位置に電熱ヒータ
12の上端がほぼ合致するように、この電熱ヒータ12
が底板8の底部側壁部8eの外面に形成され、これによ
って、後述するように、空焚き時等での電熱ヒータ12
の過熱が防止されるようになっている。 【0064】このような構成によれば、電熱ヒータ12
が内容器4の底部側外周に設けられているので、この内
容器4の下側に配置されているポンプ装置19や電装品
箱22への熱影響がさらに少なくなる。この結果、内容
器4よりも下側の上記各部品19・22の配設空間を極
力小さくすることが可能となり、これによって、全体の
形状をさらにコンパクトにすることが可能となる。ま
た、底センサ11に対する熱影響も小さくなるので、よ
り安定した水温検知が可能となる。 【0065】また、伝熱効率の良好な印刷ヒータから成
る電熱ヒータ12の形成領域の面積は、これが内容器4
の外周面に沿って設けられることで、高さ方向の寸法を
極力小さくすることができる。したがって、上記した湯
溜まり部8d内の空間容積も極力小さなものとすること
が可能となる。 【0066】つまり、内容器4内に湯が無くなった状態
で電熱ヒータ12への通電が継続されて空焚き状態にな
ると、この電熱ヒータ12の過熱・断線のおそれが生じ
る。そこで、電熱ヒータ12の内側に、上記した湯溜ま
り部8dを設けて電熱ヒータ12の過熱を抑える構成と
する必要があるが、この場合の湯溜まり部8d内の空間
容積を極力小さくし得ることで、この空間部に残る湯量
も少なくなり、その分、内容器4内から出湯し得る湯量
が増加するので、これによっても使い勝手が向上する。 【0066】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記各形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能
である。例えば上記では内容器4の外面に直接印刷する
ことによって印刷ヒータから成る電熱ヒータ12を設け
た構成を示したが、図11に示すように、内容器4とは
別体のヒータ基板68を設け、その表面に電熱ヒータ1
2を形成した後、このヒータ基板68を、例えば内容器
4の外筒7における底部折曲部7bの下面に設けた取付
アングル69にビス70によって固定し、これにより、
電熱ヒータ12の形成面が内容器4の底壁に密着するよ
うな構成とすることも可能である。 【0067】この場合でも、電熱ヒータ12がヒータ基
板68に一体形成されているので、この電熱ヒータ12
の取付に当たってはヒータ基板68を上記のように取付
けるだけで良く、したがって、その取付構造が簡単にな
る。 【0068】一方、上記各実施形態では、内容器4内の
湯を加熱保温するための電熱ヒータ12と共に、液量管
23c内の湯水を加熱保温するガラス管ヒータ25を注
湯配管加熱用ヒータとして設けた電気ポットを例に挙げ
たが、これら電熱ヒータ12と注湯配管加熱用ヒータと
のいずれか一方のみを設けた構成とすることも可能であ
る。 【0069】また、上記のような注湯配管加熱用ヒータ
を設けて液量管23c内の湯水を加熱保温する構成で
は、液量管23cに設ける構成に代えて、液量管23c
よりも下側で、この液量管23cと、ポンプ装置19の
吐出口19bとを接続する接続配管の外周等に設ける構
成とすることも可能である。この場合でも、液量管23
c内の湯水はその全体が対流によって加熱され保温され
る。 【0070】またこの場合には、印刷ヒータから成る上
記のようなガラス管ヒータ25に代えて、例えば図12
(a)(b)に示すように、ワイヤー状の抵抗発熱体か
ら成るコードヒータ71を巻装した構成としても良い。
なお、同図(a)は、ポンプ装置19の吐出口19bと
液量管23cとの間の第2注出管23bの外周にコード
ヒータ71を巻装した構成例を示している。この第2注
出管23bは、例えばシリコンゴム製のチューブ状パッ
キンで構成されている。一方、同図(b)は、ポンプ装
置19の吐出口19bと液量管23cとの間にステンレ
ス製の接続配管72をさらに設け、この接続配管72の
外周にコードヒータ71を設けた構成例を示している。
なお、これらの図において73はコードヒータ71を固
定するための固定テープである。 【0071】一方、上記では、ポンプ装置19とエアー
型ベローズ37とを設けた電気ポットとポンプ装置19
のみを設けた電気ポットとを例に挙げたが、エアー型ベ
ローズのみを設けた電気ポットにも、上記各実施形態で
説明した印刷ヒータからなる電熱ヒータ12や、注湯配
管加熱用ヒータを設けて構成することが可能である。 【0072】 【発明の効果】以上のように、電気貯湯容器において
は、内容器の底部に、上向きに凹入する断差部を形成
し、底部における段差部の上側に電熱ヒータを配置し、
かつ、段差部内に断熱材を配備するとともに、電熱ヒー
タを、通電により発熱するヒータエレメント層をヒータ
基材の表面に所定のパターンで印刷し焼成することによ
り形成された印刷ヒータから構成してあるから、ヒータ
基材が所定の箇所への配置構造であれば、電熱ヒータ専
用の取付部材を別途必要としない。これによってコンパ
クト化や軽量化を図ることができるので、持ち運び等が
楽になって使い勝手が向上する。 【0073】そして、内容器の底部に形成される上向き
に凹入した段差部に断熱材を配備し、その段差部の上側
に電熱ヒータを配置してあるので、断熱材の存在によっ
て、電熱ヒータから下方への放熱が抑えられ、内容器の
加熱効率がさらに向上する。また、沸騰時の底板での気
泡発生の音が底板下方の空間に共鳴して生じる騒音を、
断熱材が吸音材としても機能して防止することが可能と
なる利点もある。 【0074】電気貯湯容器においては、前記効果を奏す
るとともに、金属板製で内外の筒とその間の真空断熱層
とによって、真空二重構造に内容器が形成されているの
で、優れた保温性能を発揮することができる。 【0075】請求項1の電気貯湯容器においては、内容
器を、金属板製の内筒と、これとの間に空間部を形成す
る金属板製の外筒とから成り、かつ、空間部が真空又は
ほぼ真空状態とされた二重構造に構成し、電熱ヒータ
が、通電により発熱するヒータエレメント層を内容器の
底部で成るヒータ基材の表面に所定のパターンで印刷し
焼成することによって形成された印刷ヒータに構成され
るとともに、底部の下面に絶縁層を形成した後、ヒータ
エレメント層と保護絶縁層とを順次印刷して乾燥させる
焼成工程が、内筒と外筒との間を真空断熱空間として形
成する工程と同時に行われるように構成したので、電熱
ヒータが、ヒータ基材表面に印刷されて一体化した印刷
ヒータよりなることから、ヒータ基材が所定の箇所への
配置構造とすれば、電熱ヒータ専用の取付部材を別途必
要としない。したがって、電熱ヒータの取付けに必要な
部材が従来よりも少なくなり、これによってコンパクト
化や軽量化を図ることができるので、持ち運び等が楽に
なって使い勝手が向上する。 【0076】そして、内容器は、金属板製で内外の筒と
その間の真空断熱層とによって、真空二重構造のものに
形成されているので、優れた保温性能を発揮することが
できる。また、底板に形成したヒータエレメント層と保
護絶縁層との焼成が、内筒と外筒との間を真空断熱空間
として形成する工程と同時に行われて、電熱ヒータを備
える内容器が製造されているので、真空排気処理工程で
電熱ヒータの焼成が同時に行われて工程数が少なくな
り、これによって、全体の製作費をより安価にすること
が可能となっている。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態における電気ポットを示す
もので、同図(a)は全体構成を示す縦断面図、同図
(b)は内容器の底板周辺の背面側の構成を示す拡大断
面図である。 【図2】上記底板に形成されている電熱ヒータを示す拡
大断面模式図である。 【図3】上記電熱ヒータのパターン形状を説明するため
の底板の平面図である。 【図4】上記電気ポットに設けられている液量管の背面
図である。 【図5】上記電気ポットを上方から見た平面図である。 【図6】上記電気ポットの制御ブロック図である。 【図7】上記電気ポットの制御回路図である。 【図8】本発明の他の実施形態における電気ポットの底
部側の構成を示す要部断面図である。 【図9】本発明のさらに他の実施形態における電気ポッ
トの底部側の構成を示す要部断面図である。 【図10】本発明のさらに他の実施形態における電気ポ
ットを示すもので、同図(a)は縦断面図、同図(b)
は底部前面側を示す拡大断面図である。 【図11】本発明のさらに他の実施形態における電気ポ
ットの底部背面側を示す要部断面図である。 【図12】本発明のさらに他の実施形態における注湯配
管加熱用ヒータの取付状態を示すもので、同図(a)は
液量管の下側の第2注出管に上記ヒータを設けた例を示
す断面図、同図(b)は液量管の下側に接続配管をさら
に設けて上記ヒータを取付けた例を示す断面図である。 【図13】従来の電気ポットを示すもので、同図(a)
は全体構成を示す縦断面図、同図(b)は底部背面側の
構成を示す拡大断面図である。 【符号の説明】 1 容器本体 4 内容器 8 底板(ヒータ基材) 8c 平坦部(平坦領域) 8d 湯溜まり部 11 底センサ(温度センサ) 12 電熱ヒータ 13 絶縁層 14 保護絶縁層 15 ヒータエレメント層 23c 液量管 25 ガラス管ヒータ(注湯配管加熱用ヒ
ータ) 25a ヒータエレメント層 50 マイコン(運転制御装置) 51 商用電源 52 安定化電源回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 容器本体内に、貯湯用の内容器と、この
    内容器内の水を加熱保温すべく通電される電熱ヒータと
    を備える電気貯湯容器であって、 前記内容器を、金属板製の内筒と、これとの間に空間部
    を形成する金属板製の外筒とから成り、かつ、前記空間
    部が真空又はほぼ真空状態とされた二重構造に構成し、
    前記電熱ヒータが、通電により発熱するヒータエレメン
    ト層を前記内容器の底部で成るヒータ基材の表面に所定
    のパターンで印刷し焼成することによって形成された印
    刷ヒータに構成されるとともに、 前記底部の下面に絶縁層を形成した後、前記ヒータエレ
    メント層と保護絶縁層とを順次印刷して乾燥させる焼成
    工程が、前記内筒と前記外筒との間を真空断熱空間とし
    て形成する工程と同時に行われるように構成されている
    電気貯湯容器。
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