JP3482721B2 - プライマー組成物 - Google Patents
プライマー組成物Info
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- JP3482721B2 JP3482721B2 JP00090395A JP90395A JP3482721B2 JP 3482721 B2 JP3482721 B2 JP 3482721B2 JP 00090395 A JP00090395 A JP 00090395A JP 90395 A JP90395 A JP 90395A JP 3482721 B2 JP3482721 B2 JP 3482721B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐擦傷性、耐水
性、耐衝撃性、反射防止性、耐候性、耐薬品性、硬化被
膜層との付着性などの特性を有し、米国FDA規格を満
足するプラスチックレンズのプライマー組成物に関す
る。
性、耐衝撃性、反射防止性、耐候性、耐薬品性、硬化被
膜層との付着性などの特性を有し、米国FDA規格を満
足するプラスチックレンズのプライマー組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは軽量、耐衝撃性、
簡易加工性、染色性などの長所があり、光学材料、特に
眼鏡レンズの分野で近年急速に普及している。しかし、
一般にプラスチックレンズは非常に傷つきやすいという
欠点を有する。そのため、通常は表面硬度の向上を目的
にレンズの表面にシリコン系の硬化膜が設けられてい
る。また、像のチラツキの原因である表面反射を抑える
目的で、無機物質を蒸着した反射防止膜を設けることに
より、プラスチックレンズに高付加価値を付与してい
る。
簡易加工性、染色性などの長所があり、光学材料、特に
眼鏡レンズの分野で近年急速に普及している。しかし、
一般にプラスチックレンズは非常に傷つきやすいという
欠点を有する。そのため、通常は表面硬度の向上を目的
にレンズの表面にシリコン系の硬化膜が設けられてい
る。また、像のチラツキの原因である表面反射を抑える
目的で、無機物質を蒸着した反射防止膜を設けることに
より、プラスチックレンズに高付加価値を付与してい
る。
【0003】しかしながら、ハードコート層と反射防止
膜双方を設けたプラスチックレンズは、膜を一切設けて
いないプラスチックレンズやハードコート層のみを設け
たプラスチックレンズに比べて耐衝撃性が著しく低下す
るという欠点がある。それでも、プラスレンズの場合は
中心厚が十分に厚いため米国のFDA規格に合格する
が、マイナスレンズの場合は中心厚が薄いためFDA規
格には合格しない場合がでてくる。特に最近の傾向は外
観上の問題としてマイナスレンズの中心厚は薄くする方
向にあり、耐衝撃性の点では大きな問題となっている。
膜双方を設けたプラスチックレンズは、膜を一切設けて
いないプラスチックレンズやハードコート層のみを設け
たプラスチックレンズに比べて耐衝撃性が著しく低下す
るという欠点がある。それでも、プラスレンズの場合は
中心厚が十分に厚いため米国のFDA規格に合格する
が、マイナスレンズの場合は中心厚が薄いためFDA規
格には合格しない場合がでてくる。特に最近の傾向は外
観上の問題としてマイナスレンズの中心厚は薄くする方
向にあり、耐衝撃性の点では大きな問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】ハードコートおよび
反射防止コート等の表面処理の行われたプラスチックレ
ンズにおいて、米国のFDA規格の耐衝撃性試験に合格
させるためのいくつかの手法が既に提案されている。そ
の一つが、マイナスレンズの中心厚を厚くすることによ
り耐衝撃性を向上させようとするものである。しかしな
がら、これはレンズのコバ厚を増加させるため外観が損
なわれるほか、レンズの重量も増加するなど実用上も好
ましくない。また、プラスチックレンズの素材によって
は、中心厚の増加だけではFDA規格の耐衝撃性試験に
合格するレンズを提供できない場合もある。
反射防止コート等の表面処理の行われたプラスチックレ
ンズにおいて、米国のFDA規格の耐衝撃性試験に合格
させるためのいくつかの手法が既に提案されている。そ
の一つが、マイナスレンズの中心厚を厚くすることによ
り耐衝撃性を向上させようとするものである。しかしな
がら、これはレンズのコバ厚を増加させるため外観が損
なわれるほか、レンズの重量も増加するなど実用上も好
ましくない。また、プラスチックレンズの素材によって
は、中心厚の増加だけではFDA規格の耐衝撃性試験に
合格するレンズを提供できない場合もある。
【0005】また、耐衝撃性が非常に優れ、ハードコー
ト層および反射防止膜双方を設けていることによる耐衝
撃性の低下があっても、米国FDA規格の耐衝撃性試験
に合格する程度の耐衝撃性を示すプラスチックレンズ素
材の提案もかなりなされている。米国FDA規格の耐衝
撃性試験を合格可能な耐衝撃性の優れた新規のプラスチ
ックレンズ素材に関する発明は近年多くの開示がなされ
ている。例えば、特開昭61−170701号公報、特
開平1−244401号公報、特開平2−36216号
公報、特開平4−159309号公報、特開平4−16
1412号公報、特開平4−126710号公報、特開
平5−5011号公報、特開平4−142315号公
報、特開平4−161410号公報、特開平4−161
411号公報、特開平4−202308号公報、特開平
4−202309号公報などである。しかし、いずれの
提案もハードコート層および反射防止膜双方とも施して
いない状態でのFDA規格合格であり、レンズの最低中
心厚に関しても1.5ミリメートルもしくは2ミリメー
トルと厚く、実用上十分な耐衝撃性を示すプラスチック
レンズ素材はまだ提案されていないのが現状である。
ト層および反射防止膜双方を設けていることによる耐衝
撃性の低下があっても、米国FDA規格の耐衝撃性試験
に合格する程度の耐衝撃性を示すプラスチックレンズ素
材の提案もかなりなされている。米国FDA規格の耐衝
撃性試験を合格可能な耐衝撃性の優れた新規のプラスチ
ックレンズ素材に関する発明は近年多くの開示がなされ
ている。例えば、特開昭61−170701号公報、特
開平1−244401号公報、特開平2−36216号
公報、特開平4−159309号公報、特開平4−16
1412号公報、特開平4−126710号公報、特開
平5−5011号公報、特開平4−142315号公
報、特開平4−161410号公報、特開平4−161
411号公報、特開平4−202308号公報、特開平
4−202309号公報などである。しかし、いずれの
提案もハードコート層および反射防止膜双方とも施して
いない状態でのFDA規格合格であり、レンズの最低中
心厚に関しても1.5ミリメートルもしくは2ミリメー
トルと厚く、実用上十分な耐衝撃性を示すプラスチック
レンズ素材はまだ提案されていないのが現状である。
【0006】耐衝撃性の向上に関してのもう一つの手法
は、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
樹脂組成物よりなるプライマー層を設けるというもので
ある。図1には、プラスチックレンズ基材とハードコー
ト層の間にプライマー層を設け、さらにその上に反射防
止膜を形成したプラスチックレンズの一例が示してあ
る。図中、4はプラスチック基材、3および5はプライ
マー層、2および6はハードコート層、1および7は反
射防止膜である。
は、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
樹脂組成物よりなるプライマー層を設けるというもので
ある。図1には、プラスチックレンズ基材とハードコー
ト層の間にプライマー層を設け、さらにその上に反射防
止膜を形成したプラスチックレンズの一例が示してあ
る。図中、4はプラスチック基材、3および5はプライ
マー層、2および6はハードコート層、1および7は反
射防止膜である。
【0007】元来プライマー層は、プラスチックレンズ
基材とハードコート層との密着性改善の一手法として提
案されたものであり、ケン化、プラズマ照射によるエッ
チングなどの表面改質手法と同様、密着性の改善が主目
的であった。この目的として提案されているプライマー
層の先行技術としては、エポキシ化合物を用いる方法
(特開昭60−214301号公報)、アクリル系およ
び/またはメタクリル系化合物と芳香族ビニル化合物を
主成分とする方法(特開昭60−214302号公
報)、アクリルポリオールと多官能有機イソシアネート
化合物からなるプライマー組成物を用いる方法(特開昭
61−114203号公報)などがある。いずれの場合
も主目的の密着性の改善は達成され、耐薬品性等の特性
も得られているものの、耐衝撃性の向上はなされていな
い。
基材とハードコート層との密着性改善の一手法として提
案されたものであり、ケン化、プラズマ照射によるエッ
チングなどの表面改質手法と同様、密着性の改善が主目
的であった。この目的として提案されているプライマー
層の先行技術としては、エポキシ化合物を用いる方法
(特開昭60−214301号公報)、アクリル系およ
び/またはメタクリル系化合物と芳香族ビニル化合物を
主成分とする方法(特開昭60−214302号公
報)、アクリルポリオールと多官能有機イソシアネート
化合物からなるプライマー組成物を用いる方法(特開昭
61−114203号公報)などがある。いずれの場合
も主目的の密着性の改善は達成され、耐薬品性等の特性
も得られているものの、耐衝撃性の向上はなされていな
い。
【0008】耐衝撃性の向上を目的としたプライマー層
として、ポリウレタン樹脂を用いる方法が最近になって
提案されている。例えば、特開昭63−14001号公
報、特開昭63−87223号公報、特開平3−109
50号公報、特開平4−366801号公報、特開平5
−25299号公報。特開昭63−14001号公報、
特開昭63−8722に開示された方法は、ポリウレタ
ン樹脂溶液をプラスチックレンズに塗布したのち、溶剤
を揮発させてポリウレタン樹脂層を得る方法で、得られ
るポリウレタンは架橋構造を有していないいわゆる熱可
塑性の樹脂である。このポリウレタンの層を有するプラ
スチックレンズをハードコート層を設けるためにレンズ
をハードコート液に浸すと、プライマー層のポリウレタ
ンがハードコート液の溶剤に溶解し、ハードコート液中
に溶出してハードコート液をしばしば汚染する。また、
溶剤により侵食を受けプライマー層の透明性が失われ、
白濁化することが多い。また、特開昭61−11420
3号公報にはアクリルポリオールと多官能有機イソシア
ネート化合物からなるプライマー組成物を塗布し、硬化
させた架橋構造をもつポリウレタン層を形成することが
開示されているが、常温で活性水素と反応し得るイソシ
アネート化合物を用いるため、ポリオールの水酸基とイ
ソシアネート基の反応がプライマー塗布液の保存中にも
進行する。
として、ポリウレタン樹脂を用いる方法が最近になって
提案されている。例えば、特開昭63−14001号公
報、特開昭63−87223号公報、特開平3−109
50号公報、特開平4−366801号公報、特開平5
−25299号公報。特開昭63−14001号公報、
特開昭63−8722に開示された方法は、ポリウレタ
ン樹脂溶液をプラスチックレンズに塗布したのち、溶剤
を揮発させてポリウレタン樹脂層を得る方法で、得られ
るポリウレタンは架橋構造を有していないいわゆる熱可
塑性の樹脂である。このポリウレタンの層を有するプラ
スチックレンズをハードコート層を設けるためにレンズ
をハードコート液に浸すと、プライマー層のポリウレタ
ンがハードコート液の溶剤に溶解し、ハードコート液中
に溶出してハードコート液をしばしば汚染する。また、
溶剤により侵食を受けプライマー層の透明性が失われ、
白濁化することが多い。また、特開昭61−11420
3号公報にはアクリルポリオールと多官能有機イソシア
ネート化合物からなるプライマー組成物を塗布し、硬化
させた架橋構造をもつポリウレタン層を形成することが
開示されているが、常温で活性水素と反応し得るイソシ
アネート化合物を用いるため、ポリオールの水酸基とイ
ソシアネート基の反応がプライマー塗布液の保存中にも
進行する。
【0009】そのためプライマー塗布液のポットライフ
はあまり長くできない欠点を有する。プライマー塗布液
のポットライフを改善したポリウレタン系プライマー層
に関しては、特開平3−109502号公報、特開平4
−366801号公報、特開平5−25299号公報に
おいては、多官能有機イソシアネート化合物とポリオー
ル化合物を用いて架橋構造をもつ熱硬化性ポリウレタン
樹脂のプライマーを形成させる際に、多官能有機イソシ
アネート中のイソシアネート基に加熱により脱離するブ
ロック剤に結合させ、室温以下で保存する場合は、ポリ
オール側の活性水素と有機イソシアネート化合物側のイ
ソシアネート基との反応が進行しないよう制御してい
る。しかし、ブロック剤の完全な脱離には120度を越
える高温が必要である。高温処理では耐熱性の弱いプラ
スチックレンズに対しては大きな問題となる。また、プ
ラスチックレンズの特性の一つとして、任意色調への容
易な染色体があるが、最も一般に行われているプラスチ
ックレンズ基材へ有機染料で染色したプラスチックレン
ズに、ブロック型多官能有機イソシアネート化合物とポ
リオール化合物を主成分とするプライマー樹脂液を塗布
し、120度を越える温度に加熱した場合染料の脱離が
起こり外観上、また加工上大きな問題となる。
はあまり長くできない欠点を有する。プライマー塗布液
のポットライフを改善したポリウレタン系プライマー層
に関しては、特開平3−109502号公報、特開平4
−366801号公報、特開平5−25299号公報に
おいては、多官能有機イソシアネート化合物とポリオー
ル化合物を用いて架橋構造をもつ熱硬化性ポリウレタン
樹脂のプライマーを形成させる際に、多官能有機イソシ
アネート中のイソシアネート基に加熱により脱離するブ
ロック剤に結合させ、室温以下で保存する場合は、ポリ
オール側の活性水素と有機イソシアネート化合物側のイ
ソシアネート基との反応が進行しないよう制御してい
る。しかし、ブロック剤の完全な脱離には120度を越
える高温が必要である。高温処理では耐熱性の弱いプラ
スチックレンズに対しては大きな問題となる。また、プ
ラスチックレンズの特性の一つとして、任意色調への容
易な染色体があるが、最も一般に行われているプラスチ
ックレンズ基材へ有機染料で染色したプラスチックレン
ズに、ブロック型多官能有機イソシアネート化合物とポ
リオール化合物を主成分とするプライマー樹脂液を塗布
し、120度を越える温度に加熱した場合染料の脱離が
起こり外観上、また加工上大きな問題となる。
【0010】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ハードコート層、あるいはハードコー
ト層および反射防止膜を有するプラスチックレンズにお
いて、比較的低温かつ短時間で加熱処理することにより
硬化可能なポリビニルアセタールからなるプライマー層
を、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
設けた、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを提供す
ることを目的とした。
なされたもので、ハードコート層、あるいはハードコー
ト層および反射防止膜を有するプラスチックレンズにお
いて、比較的低温かつ短時間で加熱処理することにより
硬化可能なポリビニルアセタールからなるプライマー層
を、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
設けた、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを提供す
ることを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決のため
に鋭意検討を重ねた結果、本発明は第一に「少なくと
も、一般式中ののアセタール基を有する構成単位の分率
(a)(分率とは特定の構成単位の重合体中の総構成単
位数に対する割合である)が10〜90、OH基を有す
る構成単位の分率(b)が10〜90であり、またa+
b≦100である共重合体(A)と、(B)一般式(I
I)
に鋭意検討を重ねた結果、本発明は第一に「少なくと
も、一般式中ののアセタール基を有する構成単位の分率
(a)(分率とは特定の構成単位の重合体中の総構成単
位数に対する割合である)が10〜90、OH基を有す
る構成単位の分率(b)が10〜90であり、またa+
b≦100である共重合体(A)と、(B)一般式(I
I)
【0012】
【化10】
【0013】(ただし、式中、R2、R3は置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水
分解基であり、d、eは0から3までの整数である。)
で表される加水分解性オルガノシラン化合物若しくはそ
の加水分解物、又は、一般式(III)
非置換の炭素数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水
分解基であり、d、eは0から3までの整数である。)
で表される加水分解性オルガノシラン化合物若しくはそ
の加水分解物、又は、一般式(III)
【0014】
【化11】
【0015】(ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の
有機基であり、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数
1〜8の1価炭化水素基であり、X2は加水分解基であ
り、f、gは0から2までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、又は、一般式(IV)
有機基であり、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数
1〜8の1価炭化水素基であり、X2は加水分解基であ
り、f、gは0から2までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、又は、一般式(IV)
【0016】
【化12】
【0017】(ただし式中R7は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表されるジアル
デヒド化合物若しくはグリオキサール、又は、一般式
(V)
炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表されるジアル
デヒド化合物若しくはグリオキサール、又は、一般式
(V)
【0018】
【化13】
【0019】(ただし式中R8は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4
の飽和炭化水素基である。)で表されるジアルデヒドの
アセタール化合物、の中から選択される少なくとも1種
類の架橋剤と、(C)有機溶媒および水とからなるプラ
イマー組成物であって、前記(A)成分の含有率は1〜
30重量%であり、(B)成分である架橋剤の含有率は
0.01〜30重量%であることを特徴とするプライマ
ー組成物(請求項1)」を提供する。また、本発明は第
二に、「(A)一般式(I)
炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4
の飽和炭化水素基である。)で表されるジアルデヒドの
アセタール化合物、の中から選択される少なくとも1種
類の架橋剤と、(C)有機溶媒および水とからなるプラ
イマー組成物であって、前記(A)成分の含有率は1〜
30重量%であり、(B)成分である架橋剤の含有率は
0.01〜30重量%であることを特徴とするプライマ
ー組成物(請求項1)」を提供する。また、本発明は第
二に、「(A)一般式(I)
【0020】
【化14】
【0021】(ただし、式中、R1は水素原子または炭
素数1〜20の飽和炭化水素基であり、aはアセタール
基を有する構成単位の分率であり10〜90、bはOH
基を有する構成単位の分率であり10〜90、cはアセ
チル基を有する構成単位の分率であり0〜10、またa
+b+c=100である。)で表されるポリビニルアセ
タールと、(B)一般式(II)
素数1〜20の飽和炭化水素基であり、aはアセタール
基を有する構成単位の分率であり10〜90、bはOH
基を有する構成単位の分率であり10〜90、cはアセ
チル基を有する構成単位の分率であり0〜10、またa
+b+c=100である。)で表されるポリビニルアセ
タールと、(B)一般式(II)
【0022】
【化15】
【0023】(ただし、式中、R2、R3は置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水
分解基であり、d、eは0から3までの整数である。)
で表される加水分解性オルガノシラン化合物若しくはそ
の加水分解物、又は、一般式(III)
非置換の炭素数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水
分解基であり、d、eは0から3までの整数である。)
で表される加水分解性オルガノシラン化合物若しくはそ
の加水分解物、又は、一般式(III)
【0024】
【化16】
【0025】(ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の
有機基であり、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数
1〜8の1価炭化水素基であり、X2は加水分解基であ
り、f、gは0から2までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、又は、一般式(IV)
有機基であり、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数
1〜8の1価炭化水素基であり、X2は加水分解基であ
り、f、gは0から2までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、又は、一般式(IV)
【0026】
【化17】
【0027】(ただし式中R7は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表されるジアル
デヒド化合物若しくはグリオキサール、又は、一般式
(V)
炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表されるジアル
デヒド化合物若しくはグリオキサール、又は、一般式
(V)
【0028】
【化18】
【0029】(ただし式中R8は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4
の飽和炭化水素基である。)で表されるジアルデヒドの
アセタール化合物、の中から選択される少なくとも1種
類の架橋剤と、(C)有機溶媒および水とからなるプラ
イマー組成物であって、前記(A)成分であるポリビニ
ルアセタールの含有率は1〜30重量%であり、(B)
成分である架橋剤の含有率は0.01〜30重量%であ
ることを特徴とするプライマー組成物(請求項2)」を
提供する。
炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4
の飽和炭化水素基である。)で表されるジアルデヒドの
アセタール化合物、の中から選択される少なくとも1種
類の架橋剤と、(C)有機溶媒および水とからなるプラ
イマー組成物であって、前記(A)成分であるポリビニ
ルアセタールの含有率は1〜30重量%であり、(B)
成分である架橋剤の含有率は0.01〜30重量%であ
ることを特徴とするプライマー組成物(請求項2)」を
提供する。
【0030】また、本発明は第三に、「前記プライマー
組成物に、0.002〜10重量%の硬化触媒を含有し
てなることを特徴するプライマー組成物(請求項3)」
を提供する。また、本発明は第四に、「前記ポリビニル
アセタールがポリビニルブチラールであることを特徴と
する請求項1又は請求項3記載のプライマー組成物(請
求項4)」を提供する。
組成物に、0.002〜10重量%の硬化触媒を含有し
てなることを特徴するプライマー組成物(請求項3)」
を提供する。また、本発明は第四に、「前記ポリビニル
アセタールがポリビニルブチラールであることを特徴と
する請求項1又は請求項3記載のプライマー組成物(請
求項4)」を提供する。
【0031】また、本発明は第五に、「前記加水分解性
オルガノシランが、加水分解基が炭素数1〜4のアルコ
キシ基であるアルコキシシラン化合物である請求項1〜
4のいずれか1項に記載のプライマー組成物(請求項
5)」を提供する。以下、本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明におけるプライマー組成物の主成分であり、
一般式(I)で示されるポリビニルアセタールは、アセ
タール部の飽和炭化水素基の炭素数が0から20のもの
が利用でき、好ましくは0から10のものであり、また
飽和炭化水素部分の炭素鎖は直鎖構造でなくてもかまわ
ず枝分かれがあってもよい。特に好ましくはアルキル基
の炭素数が3であるポリビニルブチラールである。ポリ
ビニルアセタールのアセタール化度は10から90%の
ものが使用でき、好ましくは20から80%のアセター
ル化度のポリビニルアセタールである。ポリビニルアセ
タールのアセタール化度が10%未満では耐候性が低下
し、衝撃強度の改善が不十分である。またアセタール化
度が90%以上のポリビニルアセタールは合成が困難で
あり、合成できたとしてもプラスチック基材との密着性
の低下が予測される。
オルガノシランが、加水分解基が炭素数1〜4のアルコ
キシ基であるアルコキシシラン化合物である請求項1〜
4のいずれか1項に記載のプライマー組成物(請求項
5)」を提供する。以下、本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明におけるプライマー組成物の主成分であり、
一般式(I)で示されるポリビニルアセタールは、アセ
タール部の飽和炭化水素基の炭素数が0から20のもの
が利用でき、好ましくは0から10のものであり、また
飽和炭化水素部分の炭素鎖は直鎖構造でなくてもかまわ
ず枝分かれがあってもよい。特に好ましくはアルキル基
の炭素数が3であるポリビニルブチラールである。ポリ
ビニルアセタールのアセタール化度は10から90%の
ものが使用でき、好ましくは20から80%のアセター
ル化度のポリビニルアセタールである。ポリビニルアセ
タールのアセタール化度が10%未満では耐候性が低下
し、衝撃強度の改善が不十分である。またアセタール化
度が90%以上のポリビニルアセタールは合成が困難で
あり、合成できたとしてもプラスチック基材との密着性
の低下が予測される。
【0032】ポリビニルアセタールの重合度は好ましく
は5,000以下のものであるが、より好ましくは10
0から3,000である。ポリビニルアセタールの平均
重合度が5,000より大きくなると、溶媒に溶解しに
くくなると共に、最適アセタール化度のポリビニルアセ
タールを合成するのが困難である。またポリビニルアセ
タールの平均重合度が100より小さくなると、衝撃強
度の改善が不十分となる。なお、式(I)記載のポリビ
ニルアセタール中のアセチル基は本発明においては必須
成分ではないが、ポリビニルアセタールの原料であるポ
リビニルアルコールがポリ酢酸ビニルの加水分解によっ
て合成されるため、少量残存するものである。
は5,000以下のものであるが、より好ましくは10
0から3,000である。ポリビニルアセタールの平均
重合度が5,000より大きくなると、溶媒に溶解しに
くくなると共に、最適アセタール化度のポリビニルアセ
タールを合成するのが困難である。またポリビニルアセ
タールの平均重合度が100より小さくなると、衝撃強
度の改善が不十分となる。なお、式(I)記載のポリビ
ニルアセタール中のアセチル基は本発明においては必須
成分ではないが、ポリビニルアセタールの原料であるポ
リビニルアルコールがポリ酢酸ビニルの加水分解によっ
て合成されるため、少量残存するものである。
【0033】プライマー組成物中のポリビニルアセター
ルの含有量は1〜30重量%が好ましく、2〜20重量
%がより好ましい。ポリビニルアセタールの含有量が3
0重量%より大きくなると、ポリビニルアセタール樹脂
溶液の粘度が高くなりすぎ、プラスチックレンズへの塗
布が困難になり、塗布されたプライマー層が厚くなった
り、塗布面の均一性が失われたりする。また、ポリビニ
ルアセタールの含有量が1重量%より小さくなると、塗
布されたプライマー層が薄いため耐衝撃性が不十分とな
る。
ルの含有量は1〜30重量%が好ましく、2〜20重量
%がより好ましい。ポリビニルアセタールの含有量が3
0重量%より大きくなると、ポリビニルアセタール樹脂
溶液の粘度が高くなりすぎ、プラスチックレンズへの塗
布が困難になり、塗布されたプライマー層が厚くなった
り、塗布面の均一性が失われたりする。また、ポリビニ
ルアセタールの含有量が1重量%より小さくなると、塗
布されたプライマー層が薄いため耐衝撃性が不十分とな
る。
【0034】式(II)または式(III)記載のオルガノ
シラン化合物は架橋剤として用いられる。オルガノシラ
ン化合物中の加水分解基が加水分解してシラノール基が
生成し、触媒の作用と熱によりポリビニルアセタール中
の水酸基と脱水縮合することにより分子間もしくは分子
内で架橋が行われる。架橋にあずかる分子は、オルガノ
シラン化合物の加水分解物またはその縮合物である。オ
ルガノシラン化合物はそのまま添加されてもよいし、あ
らかじめ加水分解されたものが添加されてもよい。ま
た、1種類のオルガノシラン化合物を単独で用いてもよ
いし、2種類以上のオルガノシラン化合物を混合して用
いてもよい。オルガノシラン化合物としては、加水分解
基がハロゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解
基がアルコキシ基であるアルコキシシラン化合物類、加
水分解基がカルボキシ基であるカルボキシシラン化合物
類、もしくは加水分解基がケトオキシム基であるケトオ
キシムシラン化合物類などが好ましく、アルコキシシラ
ン化合物類がより好ましい。一般式(II)で示される加
水分解性オルガノシラン化合物を例示すると、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラ
ン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポ
キシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、プロピルトリメトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルト
リメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメト
キシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、などがあげられる。また、一般式(III)で示され
る加水分解性オルガノシラン化合物を例示すると、1,
1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1−ビス
(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメ
トキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシ
リル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プ
ロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、
2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、などが
あげられる。プライマー組成物中のオルガノシラン化合
物の添加量としては0.01〜30重量%が好ましく、
0.1〜20重量%がより好ましい。
シラン化合物は架橋剤として用いられる。オルガノシラ
ン化合物中の加水分解基が加水分解してシラノール基が
生成し、触媒の作用と熱によりポリビニルアセタール中
の水酸基と脱水縮合することにより分子間もしくは分子
内で架橋が行われる。架橋にあずかる分子は、オルガノ
シラン化合物の加水分解物またはその縮合物である。オ
ルガノシラン化合物はそのまま添加されてもよいし、あ
らかじめ加水分解されたものが添加されてもよい。ま
た、1種類のオルガノシラン化合物を単独で用いてもよ
いし、2種類以上のオルガノシラン化合物を混合して用
いてもよい。オルガノシラン化合物としては、加水分解
基がハロゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解
基がアルコキシ基であるアルコキシシラン化合物類、加
水分解基がカルボキシ基であるカルボキシシラン化合物
類、もしくは加水分解基がケトオキシム基であるケトオ
キシムシラン化合物類などが好ましく、アルコキシシラ
ン化合物類がより好ましい。一般式(II)で示される加
水分解性オルガノシラン化合物を例示すると、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラ
ン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポ
キシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、プロピルトリメトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルト
リメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメト
キシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、などがあげられる。また、一般式(III)で示され
る加水分解性オルガノシラン化合物を例示すると、1,
1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1−ビス
(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメ
トキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシ
リル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プ
ロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、
2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、などが
あげられる。プライマー組成物中のオルガノシラン化合
物の添加量としては0.01〜30重量%が好ましく、
0.1〜20重量%がより好ましい。
【0035】一般式(IV)のジアルデヒド化合物または
一般式(V)のジアルデヒドのアセタール化合物も架橋
剤として用いられる。ジアルデヒド化合物の場合はアル
デヒド基が触媒の作用によりポリビニルアセタール中の
水酸基と反応するか、もしくはアルキルアセタール基と
の間のアセタール交換反応により新たにアセタール結合
を形成する。ジアルデヒド化合物は分子内に2つのアル
デヒド基を有しているため、ポリビニルアセタールの分
子間もしくは分子内での架橋が行われる。すなわち3次
元的に架橋することが可能である。ジアルデヒドのアセ
タール化合物の場合は、水および酸性触媒との共存下で
は対応するジアルデヒドとの平衡関係にあるため、架橋
反応機構としてはジアルデヒドの場合と全く同様である
と考えられる。ジアルデヒド化合物またはジアルデヒド
のアセタール化合物は単独で用いてもよいし、2種類以
上の化合物を混合して用いてもよい。一般式(IV)で示
されるジアルデヒド化合物の具体的な例としては、グル
タルアルデヒド、ヘキサンジアール、2−ヒドロキシヘ
キサンジアール、などがあげられる。また、一般式
(V)で示されるジアルデヒドのアセタール化合物を例
示すると、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール、
マロンアルデヒドテトラエチルアセタール、グルタルア
ルデヒドテトラメチルアセタール、グルタルアルデヒド
テトラエチルアセタールなどがあげられる。プライマー
組成物中のジアルデヒド化合物またはアセタール化合物
の添加量としては0.01〜30重量%が好ましく、
0.1〜20重量%が好ましい。
一般式(V)のジアルデヒドのアセタール化合物も架橋
剤として用いられる。ジアルデヒド化合物の場合はアル
デヒド基が触媒の作用によりポリビニルアセタール中の
水酸基と反応するか、もしくはアルキルアセタール基と
の間のアセタール交換反応により新たにアセタール結合
を形成する。ジアルデヒド化合物は分子内に2つのアル
デヒド基を有しているため、ポリビニルアセタールの分
子間もしくは分子内での架橋が行われる。すなわち3次
元的に架橋することが可能である。ジアルデヒドのアセ
タール化合物の場合は、水および酸性触媒との共存下で
は対応するジアルデヒドとの平衡関係にあるため、架橋
反応機構としてはジアルデヒドの場合と全く同様である
と考えられる。ジアルデヒド化合物またはジアルデヒド
のアセタール化合物は単独で用いてもよいし、2種類以
上の化合物を混合して用いてもよい。一般式(IV)で示
されるジアルデヒド化合物の具体的な例としては、グル
タルアルデヒド、ヘキサンジアール、2−ヒドロキシヘ
キサンジアール、などがあげられる。また、一般式
(V)で示されるジアルデヒドのアセタール化合物を例
示すると、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール、
マロンアルデヒドテトラエチルアセタール、グルタルア
ルデヒドテトラメチルアセタール、グルタルアルデヒド
テトラエチルアセタールなどがあげられる。プライマー
組成物中のジアルデヒド化合物またはアセタール化合物
の添加量としては0.01〜30重量%が好ましく、
0.1〜20重量%が好ましい。
【0036】加水分解性オルガノシラン化合物とジアル
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系の
場合は、前記記載のジアルデヒド化合物またはジアルデ
ヒドのアセタール化合物の反応と加水分解性オルガノシ
ランの反応と同様な反応が混合系でおこる。プライマー
組成物のジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物の添加量としては0.01〜30重量%で
あるが、オルガノシラン化合物の50モル%以下が好ま
しい。ジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセタ
ール化合物の添加量がオルガノシラン化合物の添加量の
50モル%を越えると耐衝撃性が低下する。
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系の
場合は、前記記載のジアルデヒド化合物またはジアルデ
ヒドのアセタール化合物の反応と加水分解性オルガノシ
ランの反応と同様な反応が混合系でおこる。プライマー
組成物のジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物の添加量としては0.01〜30重量%で
あるが、オルガノシラン化合物の50モル%以下が好ま
しい。ジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセタ
ール化合物の添加量がオルガノシラン化合物の添加量の
50モル%を越えると耐衝撃性が低下する。
【0037】硬化触媒としては、加水分解性オルガノシ
ラン化合物を架橋剤とする系においては、加水分解して
生成したシラノール基とポリビニルアセタール中の水酸
基との脱水縮合を促進するものであれば特に制限はな
い。またジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物を架橋剤とする系においては、アルデヒド
基とポリビニルアセタール中の水酸基とのアセタール化
反応を促進するものであれば特に制限はない。
ラン化合物を架橋剤とする系においては、加水分解して
生成したシラノール基とポリビニルアセタール中の水酸
基との脱水縮合を促進するものであれば特に制限はな
い。またジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物を架橋剤とする系においては、アルデヒド
基とポリビニルアセタール中の水酸基とのアセタール化
反応を促進するものであれば特に制限はない。
【0038】加水分解性オルガノシラン化合物とジアル
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系に
おいては、加水分解性オルガノシラン化合物が加水分解
して生成したシラノール基とポリビニルアセタール中の
水酸基との脱水縮合、およびジアルデヒド化合物または
ジアルデヒドのアセタール化合物とポリビニルアセター
ル中の水酸基とのアセタール化反応を促進するものであ
れば特に制限はない。
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系に
おいては、加水分解性オルガノシラン化合物が加水分解
して生成したシラノール基とポリビニルアセタール中の
水酸基との脱水縮合、およびジアルデヒド化合物または
ジアルデヒドのアセタール化合物とポリビニルアセター
ル中の水酸基とのアセタール化反応を促進するものであ
れば特に制限はない。
【0039】いずれの架橋剤系においても、酸性触媒が
有効である。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの
無機酸、ギ酸、酢酸、安息香酸、フタル酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル基の炭素数が1
〜18のアルキルベンゼンスルホン酸などの有機酸、あ
るいはジブチルスズラウレート、ジブチルスズオクテー
ト、ジブチルスズアセテートなどの有機スズ化合物を用
いることができる。特に好ましいのは、塩酸、硝酸など
の無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸などの有機酸、および有機スズ化
合物である。これらは単独で用いてもよいし、2種類以
上の触媒を混合して用いてもよい。プライマー組成物中
の硬化触媒の添加量としては、0.002〜10重量%
が好ましく、0.005〜5重量%がより好ましい。
有効である。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの
無機酸、ギ酸、酢酸、安息香酸、フタル酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル基の炭素数が1
〜18のアルキルベンゼンスルホン酸などの有機酸、あ
るいはジブチルスズラウレート、ジブチルスズオクテー
ト、ジブチルスズアセテートなどの有機スズ化合物を用
いることができる。特に好ましいのは、塩酸、硝酸など
の無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸などの有機酸、および有機スズ化
合物である。これらは単独で用いてもよいし、2種類以
上の触媒を混合して用いてもよい。プライマー組成物中
の硬化触媒の添加量としては、0.002〜10重量%
が好ましく、0.005〜5重量%がより好ましい。
【0040】プライマー組成物中の有機溶媒としては、
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類があり、その他公知の溶
媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解するものが好ま
しい。特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、が好ましく、これ
らは単独で用いてもよいし、2種類以上の混合溶剤とし
て用いてもよい。
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類があり、その他公知の溶
媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解するものが好ま
しい。特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、が好ましく、これ
らは単独で用いてもよいし、2種類以上の混合溶剤とし
て用いてもよい。
【0041】ポリビニルアセタール樹脂溶液の水の含有
量は、架橋剤にオルガノシラン化合物が含まれる場合は
オルガノシラン化合物の加水分解に必要な量として0.
1〜20重量%である。また、架橋剤がジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物の場合で
も、水を添加してもよい。水の含有量が20重量%より
大きくなると、ポリビニルアセタール樹脂溶液中の有機
溶媒の種類により、塗布されたプライマー面の平滑性が
失われる。また、水の含有量が0.1重量%より小さく
なるとポリビニルアセタール樹脂溶液のポットライフが
短くなる。
量は、架橋剤にオルガノシラン化合物が含まれる場合は
オルガノシラン化合物の加水分解に必要な量として0.
1〜20重量%である。また、架橋剤がジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物の場合で
も、水を添加してもよい。水の含有量が20重量%より
大きくなると、ポリビニルアセタール樹脂溶液中の有機
溶媒の種類により、塗布されたプライマー面の平滑性が
失われる。また、水の含有量が0.1重量%より小さく
なるとポリビニルアセタール樹脂溶液のポットライフが
短くなる。
【0042】本発明におけるプライマー組成物はさら
に、塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤あるい
は耐候性の向上を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止
剤、さらに染料や顔料、フォトクロミック染料やフォト
クロミック顔料、その他膜性能を高め、機能を付加する
公知の添加剤を併用することができる。プラスチックレ
ンズ上へのプライマー組成物の塗布方法は、スピンコー
ト法、ディッピング法など公知の方法であれば特に制限
はない。また、プラスチックレンズ基材表面は必要に応
じてアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の前処
理を行っておくことが好ましい。
に、塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤あるい
は耐候性の向上を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止
剤、さらに染料や顔料、フォトクロミック染料やフォト
クロミック顔料、その他膜性能を高め、機能を付加する
公知の添加剤を併用することができる。プラスチックレ
ンズ上へのプライマー組成物の塗布方法は、スピンコー
ト法、ディッピング法など公知の方法であれば特に制限
はない。また、プラスチックレンズ基材表面は必要に応
じてアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の前処
理を行っておくことが好ましい。
【0043】プラスチックレンズはその素材、成型方法
ともに特に制限はない。プラスチックレンズ表面に塗布
したプライマーコート膜を硬化させるには、50〜12
0℃、好ましくは70〜110℃で1〜60分加熱すれ
ばよい。加熱処理により塗布されたプライマー組成物中
の加水分解されたオルガノシラン化合物、ジアルデヒド
化合物またはジアルデヒドのアセタール化合物とポリビ
ニルアセタール中に含まれる水酸基とが脱水縮合してポ
リビニルアセタール分子が架橋されるとともに、縮合反
応により生成した水およびあらかじめポリビニルアセタ
ール樹脂溶液中に含まれていた有機溶媒と水が蒸発す
る。こうしてプラスチックレンズ表面に3次元的に架橋
されたポリビニルアセタールのプライマー層が形成され
る。
ともに特に制限はない。プラスチックレンズ表面に塗布
したプライマーコート膜を硬化させるには、50〜12
0℃、好ましくは70〜110℃で1〜60分加熱すれ
ばよい。加熱処理により塗布されたプライマー組成物中
の加水分解されたオルガノシラン化合物、ジアルデヒド
化合物またはジアルデヒドのアセタール化合物とポリビ
ニルアセタール中に含まれる水酸基とが脱水縮合してポ
リビニルアセタール分子が架橋されるとともに、縮合反
応により生成した水およびあらかじめポリビニルアセタ
ール樹脂溶液中に含まれていた有機溶媒と水が蒸発す
る。こうしてプラスチックレンズ表面に3次元的に架橋
されたポリビニルアセタールのプライマー層が形成され
る。
【0044】プライマー層として必要な厚さは、0.0
5から5μmである。0.05μmより薄いと耐衝撃性
は著しく劣り、5μmより厚いと面精度が低下する。プ
ライマー層を設けたプラスチックレンズは、その表面硬
度を向上させるために公知の方法で、ハードコート層を
成膜することができる。ハードコート層の成膜方法に
は、オルガノアルコキシシランの加水分解物、金属酸化
物微粒子、及び金属錯体触媒を溶解したハードコート液
に、レンズをディッピングするか、あるいはスピンコー
トするかにより塗布し、その後加熱硬化する湿式法や、
プラズマCVDなどの乾式法がある。
5から5μmである。0.05μmより薄いと耐衝撃性
は著しく劣り、5μmより厚いと面精度が低下する。プ
ライマー層を設けたプラスチックレンズは、その表面硬
度を向上させるために公知の方法で、ハードコート層を
成膜することができる。ハードコート層の成膜方法に
は、オルガノアルコキシシランの加水分解物、金属酸化
物微粒子、及び金属錯体触媒を溶解したハードコート液
に、レンズをディッピングするか、あるいはスピンコー
トするかにより塗布し、その後加熱硬化する湿式法や、
プラズマCVDなどの乾式法がある。
【0045】湿式法でハードコート層を形成する際に使
用するハードコート液中のオルガノアルコキシシランの
化合物には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンな
どがある。アルコキシシランの加水分解物は、オルガノ
アルコキシシラン化合物の少なくとも1種類以上を、塩
酸などの酸性水溶液に溶解し、加水分解反応させること
によって調製される。
用するハードコート液中のオルガノアルコキシシランの
化合物には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンな
どがある。アルコキシシランの加水分解物は、オルガノ
アルコキシシラン化合物の少なくとも1種類以上を、塩
酸などの酸性水溶液に溶解し、加水分解反応させること
によって調製される。
【0046】金属酸化物微粒子は、市販の水または有機
溶媒に分散した金属酸化物微粒子ゾルが用いられる。金
属酸化物微粒子ゾルには、例えば、酸化亜鉛、二酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化
タングステン、酸化セリウムなどのゾルがある。これら
のゾルは、少なくとも1種類以上を混合して用いること
が可能である。
溶媒に分散した金属酸化物微粒子ゾルが用いられる。金
属酸化物微粒子ゾルには、例えば、酸化亜鉛、二酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化
タングステン、酸化セリウムなどのゾルがある。これら
のゾルは、少なくとも1種類以上を混合して用いること
が可能である。
【0047】金属錯体触媒には、アセチルアセトン金属
塩、エチレンジアミン四酢酸金属塩が用いられる。さら
に必要に応じて、界面活性剤、着色剤、溶媒などを添加
してハードコート液が調製される。ハードコート層の膜
厚は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2
〜3μmである。
塩、エチレンジアミン四酢酸金属塩が用いられる。さら
に必要に応じて、界面活性剤、着色剤、溶媒などを添加
してハードコート液が調製される。ハードコート層の膜
厚は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2
〜3μmである。
【0048】さらに、ハードコート層上に反射防止能を
有する無機化合物の蒸着膜を公知の方法で成膜すること
ができる。反射防止膜は、光学理論に基づいた単層もし
くは多層構造膜が採用される。反射防止膜の形成には、
一般に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、CVDなどの手法が利用される。膜材料には、Si
O、SiO2、Al2O3、Y2O3、Yb2O3、CeO2、
ZrO2、Ta2O3、TiO2、MgF2などの無機誘電
体を用いることができる。
有する無機化合物の蒸着膜を公知の方法で成膜すること
ができる。反射防止膜は、光学理論に基づいた単層もし
くは多層構造膜が採用される。反射防止膜の形成には、
一般に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、CVDなどの手法が利用される。膜材料には、Si
O、SiO2、Al2O3、Y2O3、Yb2O3、CeO2、
ZrO2、Ta2O3、TiO2、MgF2などの無機誘電
体を用いることができる。
【0049】さらに必要に応じて、反射防止膜の上に反
射防止膜の汚れ防止、水ヤケ防止を目的として、側鎖に
アルキル基、フェニル基、ポリフルオロアルキル基など
の疎水性基を有する有機ケイ素化合物またはフッ素含有
炭化水素化合物の超薄膜を形成することも可能である。
射防止膜の汚れ防止、水ヤケ防止を目的として、側鎖に
アルキル基、フェニル基、ポリフルオロアルキル基など
の疎水性基を有する有機ケイ素化合物またはフッ素含有
炭化水素化合物の超薄膜を形成することも可能である。
【0050】
【作用】本発明におけるプライマー組成物が、使用可能
時間(ポットライフ)が長く、比較的低温かつ短時間で
加熱処理することにより硬化可能で、密着性、平滑性に
優れた被膜を形成することができる。プライマー層は高
度な弾性率と高度な柔軟性を合わせ持つため、プラスチ
ックレンズにたいして何らかの衝撃があった際にそのエ
ネルギーを吸収する役割を担っている。
時間(ポットライフ)が長く、比較的低温かつ短時間で
加熱処理することにより硬化可能で、密着性、平滑性に
優れた被膜を形成することができる。プライマー層は高
度な弾性率と高度な柔軟性を合わせ持つため、プラスチ
ックレンズにたいして何らかの衝撃があった際にそのエ
ネルギーを吸収する役割を担っている。
【0051】また、プライマー層は3次元的な架橋構造
をとっているため、湿式法によりハードコート層を形成
する際に、ポリビニルアセタールその他の物質がハード
コート液に溶解し、ハードコート液を汚染することもな
い。さらに、本発明におけるプライマー組成物の主剤で
あるポリビニルアセタールの適度な水酸基と、プラスチ
ックレンズ表面の極性基との水素結合によりプライマー
層とプラスチックレンズとの十分な密着性を達成し、ポ
リビニルアセタールの適度な水酸基と、ハードコート層
中のシラノール基との反応によりプライマー層とハード
コート層との十分な密着性を達成しているものと考えら
れる。
をとっているため、湿式法によりハードコート層を形成
する際に、ポリビニルアセタールその他の物質がハード
コート液に溶解し、ハードコート液を汚染することもな
い。さらに、本発明におけるプライマー組成物の主剤で
あるポリビニルアセタールの適度な水酸基と、プラスチ
ックレンズ表面の極性基との水素結合によりプライマー
層とプラスチックレンズとの十分な密着性を達成し、ポ
リビニルアセタールの適度な水酸基と、ハードコート層
中のシラノール基との反応によりプライマー層とハード
コート層との十分な密着性を達成しているものと考えら
れる。
【0052】アセタール基の分率が10〜90、OH基
の分率が10〜90である共重合体についても同様であ
る。
の分率が10〜90である共重合体についても同様であ
る。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらによって限定されるものではない。本発明の実
施例1〜4及び比較例1のプラスチックレンズを評価し
た結果を表1に示す。
はこれらによって限定されるものではない。本発明の実
施例1〜4及び比較例1のプラスチックレンズを評価し
た結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】[実施例1]
(1)プラスチックレンズ基材の製造
モノマーとしてジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート(CR39)を使用し、ラジカル開始剤としてジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)を用
い通常のプラスチックレンズ製造法と同様の操作を行
い、度数が−3.00ジオプタ、中心厚が1.00mm
の内部歪みのない光学用のプラスチックレンズを製造し
た。これをプラスチックレンズ基材とした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販のブチラール化度が70%のポリビニルブチラール
樹脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gをn−ブタノ
ール17gに溶解し、メタノール10ml、水5ml、
50%グルタルアルデヒド水溶液1.2g、2規定塩酸
2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調製し
た。このプライマー層用塗布溶液を、前処理としてアル
カリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材の両
表面に、ディピング法(引き上げ速度2.0mm/秒)
にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で4時間
熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチックレン
ズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成させ
た。 (3)ハードコート層および反射防止膜の形成 通常用いられている方法と同様に、(2)のプライマー
層の形成されたプラスチックレンズ表面上に湿式法によ
り1.5ミクロンの膜厚のハードコート層を形成させ、
更にその表面に、通常用いられている方法と同様な操作
により、蒸着法により無機物質の多層膜からなる反射防
止膜を形成させ、プライマー層を有し更にハードコート
層および反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズ
を作成した。 (4)試験および評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズの性能の
評価は、次に示す方法で行った。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちカッター
ナイフを用いてプラスチックレンズの膜形成面上に1m
mのマス目を100個形成し、その上にセロハンテープ
を貼り付けた後、このセロハンテープを勢い良くプラス
チックレンズの面に対して垂直方向に引き剥し、プラス
チックレンズ上の膜の付着状況を目視により観察し、定
められた評価基準にしたがって評価した。 評価点数:10 切り傷1本ごとが、細くて両側が滑ら
かで、切り傷の交点と正方形の1目1目にはがれがな
い。 評価点数:8 切り傷の交点にわずかな剥がれがあっ
て、正方形の1目1目に剥がれがなく、欠損部のの面積
は全正方形の面積の5%以内。 評価点数:6 切り傷の両側の交点に剥がれがあって、
欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。 評価点数:4 切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部
の面積は全正方形面積の15〜35%。 評価点数:2 切り傷による剥がれの幅は4点よりも広
く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。 評価点数:0 剥がれの面積は、全正方形面積の65%
以上。 (B)耐擦傷性 反射防止膜まで施したプラスチックレンズの表面を#0
000のスチールウールにて摩擦して傷つきにくさを調
べ、次のように評価した。 A:強く摩擦しても傷がつかない。 B:強く摩擦すると少し傷がつく。 C:弱く摩擦しても傷がつく。 (C)耐衝撃性 米国FDA規格の耐衝撃性試験に基づき、鋼球落下試験
を行った。すなわち、約16.4gの綱球を127cm
の高さから、レンズ中心部へ向かって自然落下させ、試
験を行った。結果の評価もFDA規格に基づき合格かあ
るいは不合格かで結果を評価した。 (D)外観 肉眼観察で透明度、レンズの面精度が良好でかつ塗膜に
欠陥がないものを合格とした。 [実施例2]実施例1においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑剤と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行いプラスチックレンズを作成し、各性
能評価法も実施例1と同様に行った。 [実施例3] (1)プラスチックレンズ基材の製造 実施例1と同様にした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販の平均重合度が1500のポリビニルアルコール樹
脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gを水17gに溶
解し、メタノール20ml、50%グルタルアルデヒド
水溶液0.68g、ブチルアルデヒド2.3ml、2規
定塩酸2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調
製した。このプライマー層用塗布溶液を、前処理として
アルカリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材
の両表面に、ディッピング法(引き上げ速度2.0mm
/秒)にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で
4時間熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチッ
クレンズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成
させた。
ネート(CR39)を使用し、ラジカル開始剤としてジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)を用
い通常のプラスチックレンズ製造法と同様の操作を行
い、度数が−3.00ジオプタ、中心厚が1.00mm
の内部歪みのない光学用のプラスチックレンズを製造し
た。これをプラスチックレンズ基材とした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販のブチラール化度が70%のポリビニルブチラール
樹脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gをn−ブタノ
ール17gに溶解し、メタノール10ml、水5ml、
50%グルタルアルデヒド水溶液1.2g、2規定塩酸
2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調製し
た。このプライマー層用塗布溶液を、前処理としてアル
カリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材の両
表面に、ディピング法(引き上げ速度2.0mm/秒)
にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で4時間
熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチックレン
ズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成させ
た。 (3)ハードコート層および反射防止膜の形成 通常用いられている方法と同様に、(2)のプライマー
層の形成されたプラスチックレンズ表面上に湿式法によ
り1.5ミクロンの膜厚のハードコート層を形成させ、
更にその表面に、通常用いられている方法と同様な操作
により、蒸着法により無機物質の多層膜からなる反射防
止膜を形成させ、プライマー層を有し更にハードコート
層および反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズ
を作成した。 (4)試験および評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズの性能の
評価は、次に示す方法で行った。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちカッター
ナイフを用いてプラスチックレンズの膜形成面上に1m
mのマス目を100個形成し、その上にセロハンテープ
を貼り付けた後、このセロハンテープを勢い良くプラス
チックレンズの面に対して垂直方向に引き剥し、プラス
チックレンズ上の膜の付着状況を目視により観察し、定
められた評価基準にしたがって評価した。 評価点数:10 切り傷1本ごとが、細くて両側が滑ら
かで、切り傷の交点と正方形の1目1目にはがれがな
い。 評価点数:8 切り傷の交点にわずかな剥がれがあっ
て、正方形の1目1目に剥がれがなく、欠損部のの面積
は全正方形の面積の5%以内。 評価点数:6 切り傷の両側の交点に剥がれがあって、
欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。 評価点数:4 切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部
の面積は全正方形面積の15〜35%。 評価点数:2 切り傷による剥がれの幅は4点よりも広
く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。 評価点数:0 剥がれの面積は、全正方形面積の65%
以上。 (B)耐擦傷性 反射防止膜まで施したプラスチックレンズの表面を#0
000のスチールウールにて摩擦して傷つきにくさを調
べ、次のように評価した。 A:強く摩擦しても傷がつかない。 B:強く摩擦すると少し傷がつく。 C:弱く摩擦しても傷がつく。 (C)耐衝撃性 米国FDA規格の耐衝撃性試験に基づき、鋼球落下試験
を行った。すなわち、約16.4gの綱球を127cm
の高さから、レンズ中心部へ向かって自然落下させ、試
験を行った。結果の評価もFDA規格に基づき合格かあ
るいは不合格かで結果を評価した。 (D)外観 肉眼観察で透明度、レンズの面精度が良好でかつ塗膜に
欠陥がないものを合格とした。 [実施例2]実施例1においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑剤と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行いプラスチックレンズを作成し、各性
能評価法も実施例1と同様に行った。 [実施例3] (1)プラスチックレンズ基材の製造 実施例1と同様にした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販の平均重合度が1500のポリビニルアルコール樹
脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gを水17gに溶
解し、メタノール20ml、50%グルタルアルデヒド
水溶液0.68g、ブチルアルデヒド2.3ml、2規
定塩酸2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調
製した。このプライマー層用塗布溶液を、前処理として
アルカリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材
の両表面に、ディッピング法(引き上げ速度2.0mm
/秒)にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で
4時間熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチッ
クレンズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成
させた。
【0056】以下の操作はすべて実施例1と同様に行
い、プライマー層を有し更にハードコート層および反射
防止膜の双方を有するプラスチックレンズを作成した。
更にその性能評価を実施例1と同様に行った。 [実施例4]実施例3においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑材と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行ないプラスチックレンズを作成し、各
性能評価法も実施例1と同様に行った。
い、プライマー層を有し更にハードコート層および反射
防止膜の双方を有するプラスチックレンズを作成した。
更にその性能評価を実施例1と同様に行った。 [実施例4]実施例3においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑材と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行ないプラスチックレンズを作成し、各
性能評価法も実施例1と同様に行った。
【0057】[比較例1]実施例1と同様のプラスチッ
クレンズ基材を使用し、プライマー層の成膜は行わず、
実施例1と同様な操作にてハードコート層および反射防
止膜を施して比較用のプラスチックレンズを作成し、実
施例1を同様な性能評価を行った。本発明の実施例5〜
32及び比較例2〜4のプラスチックレンズを評価した
結果を表2、3、4に示す。
クレンズ基材を使用し、プライマー層の成膜は行わず、
実施例1と同様な操作にてハードコート層および反射防
止膜を施して比較用のプラスチックレンズを作成し、実
施例1を同様な性能評価を行った。本発明の実施例5〜
32及び比較例2〜4のプラスチックレンズを評価した
結果を表2、3、4に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】[実施例5]
(5−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)70重
量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタノー
ル400重量部、水100重量部と、架橋剤としてテト
ラメトキシシラン4.2重量部と、硬化触媒としてp−
トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤とし
てフッ素系界面活性剤フロラードFC430(住友スリ
ーエム(株)製)1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (5−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの凹面上にスピン
コート法(1,500RPM)にて(5−1)で調製し
たプライマー層用塗布溶液を塗布し、100℃で15分
間加熱処理してプライマー層を形成させた。 (5−3)シリコン系ハードコート液の調製 反応容器中に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン180重量部を入れ、マグネチックスターラーを
用いて激しく攪拌しながら、0.01規定塩酸水溶液4
0重量部を一度に添加し、1時間加水分解反応をおこさ
せ、部分的に縮合した加水分解物を作製した。
ビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)70重
量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタノー
ル400重量部、水100重量部と、架橋剤としてテト
ラメトキシシラン4.2重量部と、硬化触媒としてp−
トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤とし
てフッ素系界面活性剤フロラードFC430(住友スリ
ーエム(株)製)1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (5−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの凹面上にスピン
コート法(1,500RPM)にて(5−1)で調製し
たプライマー層用塗布溶液を塗布し、100℃で15分
間加熱処理してプライマー層を形成させた。 (5−3)シリコン系ハードコート液の調製 反応容器中に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン180重量部を入れ、マグネチックスターラーを
用いて激しく攪拌しながら、0.01規定塩酸水溶液4
0重量部を一度に添加し、1時間加水分解反応をおこさ
せ、部分的に縮合した加水分解物を作製した。
【0062】前記の加水分解物に市販のメタノールシリ
カゾル(日産化学(株)製、平均粒子径10〜20n
m)を630重量部と、硬化触媒としてアセチルアセト
ン鉄(II)4重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 0.45重量部を順次加え、十分に攪拌混
合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しハー
ドコート液を調製した。 (5−4)シリコン系ハードコート液の塗布およびハー
ドコート層の形成 (5−2)で形成されたプライマー層の両面に、(5−
3)のシリコン系ハードコート液をディッピング法(引
き上げ速度100cm/min)を用いて塗布した。塗
布したレンズを100℃で4時間加熱処理してハードコ
ート層を形成させた。 (5−5)反射防止膜の形成 (5−4)で形成されたハードコート層の両面に、Si
O2/ZrO2系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形
成させた。 (5−6)試験及び評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止層の双方を有する(以下、「複合膜」と呼ぶ)
プラスチックレンズの性能の評価は次に示す方法で行っ
た。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちコーティ
ング層表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目(10
0マス)を作り、その後セロハン粘着テープ(商品名
「セロテープ」ニチバン(株)製)を強く張り付けた
後、テープの一端を持ち、90゜方向に勢いよく剥がす
ことを10回繰り返した。
カゾル(日産化学(株)製、平均粒子径10〜20n
m)を630重量部と、硬化触媒としてアセチルアセト
ン鉄(II)4重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 0.45重量部を順次加え、十分に攪拌混
合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しハー
ドコート液を調製した。 (5−4)シリコン系ハードコート液の塗布およびハー
ドコート層の形成 (5−2)で形成されたプライマー層の両面に、(5−
3)のシリコン系ハードコート液をディッピング法(引
き上げ速度100cm/min)を用いて塗布した。塗
布したレンズを100℃で4時間加熱処理してハードコ
ート層を形成させた。 (5−5)反射防止膜の形成 (5−4)で形成されたハードコート層の両面に、Si
O2/ZrO2系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形
成させた。 (5−6)試験及び評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止層の双方を有する(以下、「複合膜」と呼ぶ)
プラスチックレンズの性能の評価は次に示す方法で行っ
た。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちコーティ
ング層表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目(10
0マス)を作り、その後セロハン粘着テープ(商品名
「セロテープ」ニチバン(株)製)を強く張り付けた
後、テープの一端を持ち、90゜方向に勢いよく剥がす
ことを10回繰り返した。
【0063】その後、コーティング層表面の碁盤の目が
レンズから何個剥ぎ取られずに残っているかを調べ、剥
がれなかった碁盤の目の数をXとしてX/100で表し
た。この場合、Xか大きいほど密着性がよいということ
になる。即ち、クロスハッチテープテストの結果が「1
00/100」であれば、膜が全く剥がれなかったこと
を示している。 (B)耐擦傷性 複合膜を有するプラスチックレンズの反射防止膜の表面
を、スチールウール(#0000)で600gの荷重を
作用させて30回こすったときの傷の入り具合を、次の
ような基準で評価した。
レンズから何個剥ぎ取られずに残っているかを調べ、剥
がれなかった碁盤の目の数をXとしてX/100で表し
た。この場合、Xか大きいほど密着性がよいということ
になる。即ち、クロスハッチテープテストの結果が「1
00/100」であれば、膜が全く剥がれなかったこと
を示している。 (B)耐擦傷性 複合膜を有するプラスチックレンズの反射防止膜の表面
を、スチールウール(#0000)で600gの荷重を
作用させて30回こすったときの傷の入り具合を、次の
ような基準で評価した。
【0064】A:傷の入った面積が10%以内。
B:傷の入った面積が10%を越え30%以内。
C:傷の入った面積が30%を越える。
(C)耐衝撃性
米国FDA規格の耐衝撃性試験に基づき、鋼球落下試験
を行った。
を行った。
【0065】すなわち、約20.0gの鋼球を127c
mの高さからプラスチックレンズの中心部に向かって自
然落下させ、プラスチックレンズが割れるかまたはクラ
ックが入る一回前の回数をレンズの耐衝撃性とし、最高
5回まで落下させた。 (D)耐候性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐候性は、紫外線
ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)
を用いて300時間の耐候性試験を行い、その後の黄変
度を測定した。評価は次のような基準で行った。
mの高さからプラスチックレンズの中心部に向かって自
然落下させ、プラスチックレンズが割れるかまたはクラ
ックが入る一回前の回数をレンズの耐衝撃性とし、最高
5回まで落下させた。 (D)耐候性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐候性は、紫外線
ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)
を用いて300時間の耐候性試験を行い、その後の黄変
度を測定した。評価は次のような基準で行った。
【0066】A:300時間後の黄変度 2.0未満
B:300時間後の黄変度 2.0以上2.5未満
C:300時間後の黄変度 2.5以上
(E)耐薬品性
複合膜を有するプラスチックレンズの耐薬品性は、pH
1の塩酸水溶液およびpH12の水酸化ナトリウム水溶
液を用い、各溶液に8時間浸漬し、その後のプラスチッ
クレンズの変化を調べた。評価は次のような基準で行っ
た。
1の塩酸水溶液およびpH12の水酸化ナトリウム水溶
液を用い、各溶液に8時間浸漬し、その後のプラスチッ
クレンズの変化を調べた。評価は次のような基準で行っ
た。
【0067】A:酸性、アルカリ性双方に侵されない
B:酸性、アルカリ性どちらか一方に侵される
C:酸性、アルカリ性双方に侵される
(F)外観
複合膜を有するプラスチックレンズの外観性は、暗室に
て蛍光灯の光を当て、目視で透明度を観察した。評価は
次のような基準で行った。
て蛍光灯の光を当て、目視で透明度を観察した。評価は
次のような基準で行った。
【0068】A:クモリなし
B:クモリがすこし目立つ
C:クモリがはっきり目立つ
(G)プライマー組成物の使用可能時間の評価
(5−1)で調製したプライマー組成物を5℃に保存
し、粘度変化を追跡した。粘度増加量が調製時の粘度の
5%以内である期間をプラマー組成物の使用可能時間と
して評価した。 (H)染色レンズの色調変化の評価 CR−39眼鏡用プラスチックレンズを、一般的な分散
染料であるニコンライトブラウン7重量部を水1,00
0重量部に添加した染浴中で90℃、10分間の条件で
浸漬処理にて染色した。染色したプラスチックレンズは
LUV3次元座標系における刺激値Yを、高速積分球式
分光透過率測定器DOT−3((株)村上色彩技術研究
所製)で測定した。また、染色したプラスチックレンズ
に(5−2)と同じ手順で(5−1)で調製したプライ
マー組成物を塗布し、硬化した後再び刺激値Yを測定
し、プライマー塗布前後の色差DEを求めた。染色レン
ズの色調変化は次のような基準で評価した。
し、粘度変化を追跡した。粘度増加量が調製時の粘度の
5%以内である期間をプラマー組成物の使用可能時間と
して評価した。 (H)染色レンズの色調変化の評価 CR−39眼鏡用プラスチックレンズを、一般的な分散
染料であるニコンライトブラウン7重量部を水1,00
0重量部に添加した染浴中で90℃、10分間の条件で
浸漬処理にて染色した。染色したプラスチックレンズは
LUV3次元座標系における刺激値Yを、高速積分球式
分光透過率測定器DOT−3((株)村上色彩技術研究
所製)で測定した。また、染色したプラスチックレンズ
に(5−2)と同じ手順で(5−1)で調製したプライ
マー組成物を塗布し、硬化した後再び刺激値Yを測定
し、プライマー塗布前後の色差DEを求めた。染色レン
ズの色調変化は次のような基準で評価した。
【0069】A:色差DEが1.5未満
B:色差DEが1.5以上、2.5未満
C:色差DEが2.5以上
[実施例6]
(6−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)7
0重量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタ
ノール400重量部、水100重量部と、架橋剤として
テトラメトキシシラン8.5重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (6−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (6−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (6−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)7
0重量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタ
ノール400重量部、水100重量部と、架橋剤として
テトラメトキシシラン8.5重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (6−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (6−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (6−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0070】[実施例7]
(7−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン
6.3重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン
酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (7−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてヤ
マト科学(株)製「プラズマリアクターPR501A」
を用い、酸素ガス圧力0.4Torr、出力200Wの
条件で10秒間プラズマ処理を行った。このプラスチッ
クレンズの凹面上にスピンコート法(1,500RP
M)にて(7−1)で調製したプライマー層用塗布溶液
を塗布し、100℃で15分間加熱処理してプライマー
層を形成させた。 (7−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例1と同様に行っ
た。 (7−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン
6.3重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン
酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (7−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてヤ
マト科学(株)製「プラズマリアクターPR501A」
を用い、酸素ガス圧力0.4Torr、出力200Wの
条件で10秒間プラズマ処理を行った。このプラスチッ
クレンズの凹面上にスピンコート法(1,500RP
M)にて(7−1)で調製したプライマー層用塗布溶液
を塗布し、100℃で15分間加熱処理してプライマー
層を形成させた。 (7−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例1と同様に行っ
た。 (7−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0071】[実施例8]
(8−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン6.6重量部と、硬化触媒としてp−ト
ルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤として
フロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合
物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメ
ンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を
調製した。 (8−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (8−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン6.6重量部と、硬化触媒としてp−ト
ルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤として
フロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合
物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメ
ンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を
調製した。 (8−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (8−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0072】[実施例9]
(9−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン9.9重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (9−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (9−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (9−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン9.9重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (9−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (9−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (9−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0073】[実施例10]
(10−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン6.6重量部を0.01N塩酸水
溶液3重量部であらかじめ加水分解を行った溶液と、硬
化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量部と、
レベリング剤としてフロラードFC430 1重量部を
順次加え、この混合物が均一状態になるまで十分に攪拌
した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しプライ
マー層用塗布溶液を調製した。 (10−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (10−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン6.6重量部を0.01N塩酸水
溶液3重量部であらかじめ加水分解を行った溶液と、硬
化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量部と、
レベリング剤としてフロラードFC430 1重量部を
順次加え、この混合物が均一状態になるまで十分に攪拌
した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しプライ
マー層用塗布溶液を調製した。 (10−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (10−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0074】[実施例11]
(11−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (11−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (11−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (11−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (11−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (11−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (11−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0075】[実施例12]
(12−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (12−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (12−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (12−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (12−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (12−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (12−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0076】[実施例13]
(13−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラ
ン15.2重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (13−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (13−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (13−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラ
ン15.2重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (13−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (13−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (13−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0077】[実施例14]
(14−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (14−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプラ
イマー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてプ
ラズマリアクターPR501Aを用い、酸素ガス圧力
0.4Torr、出力200Wの条件で10秒間プラズ
マ処理を行った。このプラスチックレンズの両面上にデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/min)にて
(10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布
し、塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間
加熱処理してプライマー層を形成させた。 (14−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (14−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (14−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプラ
イマー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてプ
ラズマリアクターPR501Aを用い、酸素ガス圧力
0.4Torr、出力200Wの条件で10秒間プラズ
マ処理を行った。このプラスチックレンズの両面上にデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/min)にて
(10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布
し、塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間
加熱処理してプライマー層を形成させた。 (14−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (14−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0078】[実施例15]
(15−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液(関東化学(株)製)22.3重量部と、硬化触媒と
して2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラ
ードFC430 1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (15−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (15−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (15−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液(関東化学(株)製)22.3重量部と、硬化触媒と
して2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラ
ードFC430 1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (15−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (15−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (15−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0079】[実施例16]
(16−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (16−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (16−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (16−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (16−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (16−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (16−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0080】[実施例17]
(17−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%
水溶液27.8重量部と、硬化触媒として2規定塩酸7
mlと、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (17−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (17−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (17−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%
水溶液27.8重量部と、硬化触媒として2規定塩酸7
mlと、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (17−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (17−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (17−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0081】[実施例18]
(18−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.4重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (18−2)プライマー層用塗布溶液の塗布および硬化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの両面上にディッ
ピング法(引き上げ速度100cm/min)にて(1
8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布し、
塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間加熱
処理してプライマー層を形成させた。 (18−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (18−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (18−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.4重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (18−2)プライマー層用塗布溶液の塗布および硬化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの両面上にディッ
ピング法(引き上げ速度100cm/min)にて(1
8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布し、
塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間加熱
処理してプライマー層を形成させた。 (18−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (18−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (18−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0082】[実施例19]
(19−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメチル
アセタール9.1重量部と、硬化触媒として2規定塩酸
70mlと、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (19−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (19−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメチル
アセタール9.1重量部と、硬化触媒として2規定塩酸
70mlと、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (19−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (19−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0083】[実施例20]
(20−1)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (20−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (20−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0084】[実施例21]
(21−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメ
チルアセタール18.3重量部と、硬化触媒として2規
定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (21−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (21−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)と全く同様の手順により、
プライマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と
全く同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を
形成し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成し
た。各性能評価も実施例5と同様に行った。 (21−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメ
チルアセタール18.3重量部と、硬化触媒として2規
定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (21−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (21−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)と全く同様の手順により、
プライマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と
全く同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を
形成し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成し
た。各性能評価も実施例5と同様に行った。 (21−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0085】[実施例22]
(22−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグリオキサール1.6重量部お
よびグルタルアルデヒド50%水溶液5.6重量部と、
硬化触媒2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフ
ロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合物
が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメン
ブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調
製した。 (22−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (22−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (22−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグリオキサール1.6重量部お
よびグルタルアルデヒド50%水溶液5.6重量部と、
硬化触媒2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフ
ロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合物
が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメン
ブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調
製した。 (22−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (22−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (22−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0086】[実施例23]
(23−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤フロラー
ドFC430 1重量部とを順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (23−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (23−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (23−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤フロラー
ドFC430 1重量部とを順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (23−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (23−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (23−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0087】[実施例24]
(24−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液2.8重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフロラードFC430、1重
量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (24−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (24−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (24−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液2.8重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフロラードFC430、1重
量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (24−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (24−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (24−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0088】[実施例25]
(25−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、重合度2,400のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (25−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (25−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (25−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (25−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (25−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (25−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0089】[実施例26]
(26−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (26−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (26−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例(18−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と全く
同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成
し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (26−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (26−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (26−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例(18−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と全く
同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成
し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (26−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0090】[実施例27]
(27−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (27−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (27−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (27−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (27−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (27−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (27−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0091】[実施例28]
(28−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (28−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (28−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (28−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (28−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (28−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (28−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0092】[実施例29]
(29−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (29−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (29−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (29−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (29−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (29−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (29−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0093】[実施例30]
(30−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とグルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸0.5重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (30−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (30−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (30−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とグルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸0.5重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (30−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (30−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (30−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0094】[実施例31]
(31−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン
7.6重量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセター
ル0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (31−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (31−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (31−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン
7.6重量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセター
ル0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (31−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (31−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (31−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0095】[実施例32]
(32−1)プライマー層用塗布溶液の調製
市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とマロンアルデヒドテトラメチルアセタール
0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C4301重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (32−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (32−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)以下と全く同様の手順によ
り、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (32−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とマロンアルデヒドテトラメチルアセタール
0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C4301重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (32−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (32−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)以下と全く同様の手順によ
り、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (32−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0096】[比較例2]プライマー層用塗布溶液とし
て、ヘキサメチレンジイソシアネートタイプの非ブロッ
ク型ポリイソシアネート(商品名「コロネートHX」日
本ポリウレタン工業(株)製)100重量部と、ポリエ
ステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン12
5」日本ポリウレタン工業(株)製)167重量部と、
硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリング
剤としてフロラードFC430を0.1重量部、溶媒と
して酢酸エチル500重量部およびメチルエチルケトン
250重量部を均一に混合した溶液を用い、プライマー
の硬化条件が60℃で30分であること以外は、実施例
5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレンズを
作成した。各性能評価も実施例5と同様に行った。
て、ヘキサメチレンジイソシアネートタイプの非ブロッ
ク型ポリイソシアネート(商品名「コロネートHX」日
本ポリウレタン工業(株)製)100重量部と、ポリエ
ステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン12
5」日本ポリウレタン工業(株)製)167重量部と、
硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリング
剤としてフロラードFC430を0.1重量部、溶媒と
して酢酸エチル500重量部およびメチルエチルケトン
250重量部を均一に混合した溶液を用い、プライマー
の硬化条件が60℃で30分であること以外は、実施例
5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレンズを
作成した。各性能評価も実施例5と同様に行った。
【0097】プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例3]プライマー層用塗布溶液として、ブロック
型ポリイソシアネート(商品名「コロネート2529」
日本ポリウレタン工業(株)製)250重量部と、ポリ
エステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン11
00」日本ポリウレタン工業(株)製)180重量部
と、硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリ
ング剤としてシリコン系界面活性剤1.5重量部、溶媒
としてエチルセロソルブ1000重量部およびメタノー
ル1500重量部を均一に混合した溶液を用い、プライ
マーの硬化条件が130℃で60分であること以外は、
実施例5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレ
ンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例3]プライマー層用塗布溶液として、ブロック
型ポリイソシアネート(商品名「コロネート2529」
日本ポリウレタン工業(株)製)250重量部と、ポリ
エステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン11
00」日本ポリウレタン工業(株)製)180重量部
と、硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリ
ング剤としてシリコン系界面活性剤1.5重量部、溶媒
としてエチルセロソルブ1000重量部およびメタノー
ル1500重量部を均一に混合した溶液を用い、プライ
マーの硬化条件が130℃で60分であること以外は、
実施例5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレ
ンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。
【0098】プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例4]実施例5において、プライマー層を形成せ
ず、ハードコート層および反射防止コート層を有するプ
ラスチックレンズを作成し、実施例5と同様の性能評価
を行った。
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例4]実施例5において、プライマー層を形成せ
ず、ハードコート層および反射防止コート層を有するプ
ラスチックレンズを作成し、実施例5と同様の性能評価
を行った。
【0099】
【発明の効果】以上本発明によれば、プラスチックレン
ズ基材とハードコート層との間に、架橋されたポリビニ
ルアセタール樹脂からなるプライマー層を設けることに
より、ハードコート層と反射防止膜の双方が設けられた
プラスチックレンズであっても優れた耐衝撃性を有し、
米国のFDA規格の耐衝撃性試験に十分合格する。
ズ基材とハードコート層との間に、架橋されたポリビニ
ルアセタール樹脂からなるプライマー層を設けることに
より、ハードコート層と反射防止膜の双方が設けられた
プラスチックレンズであっても優れた耐衝撃性を有し、
米国のFDA規格の耐衝撃性試験に十分合格する。
【図1】プラスチックレンズの一例を示す断面図であ
る。
る。
1,7・・・反射防止膜
2,6・・・ハードコート層
3,5・・・プライマー層
4・・・プラスチックレンズ基材
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C09J 129/04
C09D 129/04
C09D 129/14
C09J 129/14
G02B 1/10
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも、一般式中ののアセタール基
を有する構成単位の分率(a)(分率とは特定の構成単
位の重合体中の総構成単位数に対する割合である)が1
0〜90、OH基を有する構成単位の分率(b)が10
〜90であり、またa+b≦100である重合体(A)
と、(B)一般式(II) 【化1】 (ただし、式中、R2、R3は置換もしくは非置換の炭素
数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水分解基であ
り、d、eは0から3までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、 又は一般式(III) 【化2】 (ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の有機基であ
り、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭
化水素基であり、X2は加水分解基であり、f、gは0
から2までの整数である。)で表される加水分解性オル
ガノシラン化合物若しくはその加水分解物、 又は一般式(IV) 【化3】 (ただし式中R7は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
の炭化水素基である。)で表されるジアルデヒド化合物
若しくはグリオキサール、 又は一般式(V) 【化4】 (ただし式中R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4の飽和炭化水
素基である。)で表されるジアルデヒドのアセタール化
合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
と、(C)有機溶媒および水とからなるプライマー組成
物であって、 前記(A)成分の含有率は1〜30重量%であり、
(B)成分である架橋剤の含有率は0.01〜30重量
%であることを特徴とするプライマー組成物。 - 【請求項2】 少なくとも、(A)一般式(I) 【化5】 (ただし、式中、R1は水素原子または炭素数1〜20
の飽和炭化水素基であり、aはアセタール基を有する構
成単位の分率であり10〜90、bはOH基を有する構
成単位の分率であり10〜90、cはアセチル基を有す
る構成単位の分率であり0〜10、またa+b+c=1
00である。)で表されるポリビニルアセタールと、
(B)一般式(II) 【化6】 (ただし、式中、R2、R3は置換もしくは非置換の炭素
数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水分解基であ
り、d、eは0から3までの整数である。)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
物、 又は、一般式(III) 【化7】 (ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の有機基であ
り、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭
化水素基であり、X2は加水分解基であり、f、gは0
から2までの整数である。)で表される加水分解性オル
ガノシラン化合物若しくはその加水分解物、 又は、一般式(IV) 【化8】 (ただし式中R7は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
の炭化水素基である。)で表されるジアルデヒド化合物
若しくはグリオキサール、 又は、一般式(V) 【化9】 (ただし式中R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4の飽和炭化水
素基である。)で表されるジアルデヒドのアセタール化
合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
と、(C)有機溶媒および水とからなるプライマー組成
物であって、 前記(A)成分であるポリビニルアセタールの含有率は
1〜30重量%であり、(B)成分である架橋剤の含有
率は0.01〜30重量%であることを特徴とするプラ
イマー組成物。 - 【請求項3】 前記プライマー組成物に、0.002〜
10重量%の硬化触媒を含有してなることを特徴とする
請求項1又は請求項2記載のプライマー組成物。 - 【請求項4】 前記ポリビニルアセタールがポリビニル
ブチラールであることを特徴とする請求項1又は請求項
3記載のプライマー組成物。 - 【請求項5】 前記加水分解性オルガノシランが、加水
分解基が炭素数1〜4のアルコキシ基であるアルコキシ
シラン化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載
のプライマー組成物。
Priority Applications (5)
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JP00090395A JP3482721B2 (ja) | 1995-01-06 | 1995-01-06 | プライマー組成物 |
EP95912426A EP0699926B1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-16 | Plastic lens with primer layer |
DE69529034T DE69529034T2 (de) | 1994-03-18 | 1995-03-16 | Kunststofflinse mit haftschicht |
PCT/JP1995/000442 WO1995025968A1 (fr) | 1994-03-18 | 1995-03-16 | Lentille en matiere plastique et composition pour couche de base |
CA002162692A CA2162692A1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-16 | Plastic lens and primer composition |
Applications Claiming Priority (1)
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JP00090395A JP3482721B2 (ja) | 1995-01-06 | 1995-01-06 | プライマー組成物 |
Publications (2)
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JPH08188762A JPH08188762A (ja) | 1996-07-23 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3482721B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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-
1995
- 1995-01-06 JP JP00090395A patent/JP3482721B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08188762A (ja) | 1996-07-23 |
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