JP3482202B2 - 高圧放電ランプ - Google Patents
高圧放電ランプInfo
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Description
よびその製造方法に関する。特に、一般照明や、反射鏡
と組み合わせてプロジェクター、自動車の前照灯などの
用途に使用される高圧放電ランプに関する。
して液晶プロジェクタやDMDプロジェクタなどの画像
投影装置が広く用いられており、このような画像投影装
置には、高い輝度を示す高圧放電ランプが一般的に広く
使用されている。従来の高圧放電ランプ1000の構成
を図14に模式的に示す。図14に示したランプ100
0は、いわゆる超高圧水銀ランプである。
れた発光管(バルブ)110と、発光管110の両端か
ら延在する一対の封止部(シール部)120とを有して
いる。発光管110の内部(放電空間)には、発光物質
(水銀)118が封入されており、そして、タングステ
ンを材料とする一対のタングステン電極(W電極)11
2が一定の間隔をおいて互いに対向して配置されてい
る。W電極112の一端は、封止部120内のモリブデ
ン箔(Mo箔)124と溶接されており、W電極112
とMo箔124とは電気的に接続されている。Mo箔1
24の一端には、モリブデンから構成された外部リード
(Mo棒)126が電気的に接続されている。なお、発
光管110内には、水銀118の他に、アルゴン(A
r)および少量のハロゲンも封入されている。
ると、外部リード126およびMo箔124を介してW
電極112、112間に始動電圧が印加されると、アル
ゴン(Ar)の放電が起こり、この放電によって発光管
110の放電空間内の温度が上昇し、それによって水銀
118が加熱・気化される。その後、W電極112、1
12間のアーク中心部で水銀原子が励起されて発光す
る。ランプ1000の水銀蒸気圧が高いほど画像投影装
置の光源として適しているが、発光管110の物理的耐
圧強度の観点から、15〜20MPa(150〜200
気圧)の範囲の水銀蒸気圧でランプ1000は使用され
ている。
00は、20MPa程度の耐圧強度を有するものである
が、ランプ特性をさらに向上させるべく、耐圧強度をよ
り高める研究・開発が行われている。しかしながら、極
めて高い耐圧強度(例えば、30MPa程度以上)で、
実用化可能な高圧放電ランプは、まだ実現されていな
い。また、ランプの長寿命化も望まれており、発光管1
10内で生じる黒化を効果的に防止できる高圧放電ラン
プであることが好ましい。
であり、その主な目的は、従来の高圧放電ランプよりも
優れた特性(例えば、高耐圧強度、長寿命)を示す高圧
放電ランプを提供することにある。
放電ランプは、管内に一対の電極が対向して配置された
発光管と、前記発光管から延在し、前記電極の一部が埋
め込まれた封止部とを備え、前記封止部内に埋め込まれ
ている前記電極の前記一部の表面には、下層がAu層、
上層がPt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選
択される少なくとも1種の金属から構成された層からな
る多層構造を有している、金属膜が形成されている。
記封止部内に設けられた金属箔に溶接により接続されて
おり、前記金属膜は、前記金属箔との接続箇所には形成
されておらず、前記封止部内に埋め込まれている前記電
極の表面に形成されている。
が、前記発光管内に存在していることが好ましい。
は、Ptから構成された膜である。
層からなる多層構造を有していてもよい。
内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電
極に溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延
在し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止
部内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込ま
れており、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の
前記一部の表面には、下層がAu層、上層がPt、I
r、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なく
とも1種の金属から構成された層からなる多層構造を有
している、金属膜が形成されており、前記金属箔と前記
電極との溶接箇所における前記金属膜の厚さをAとし、
前記溶接箇所以外の前記金属膜の厚さをBとしたとき、
A<Bであることを特徴とする。
内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電
極に溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延
在し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止
部内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込ま
れており、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の
前記一部の表面には、下層がAu層、上層がPt、I
r、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なく
とも1種の金属から構成された層からなる多層構造を有
している、金属膜が形成されており、前記金属箔と前記
電極との溶接箇所における前記金属箔の幅をCとし、前
記溶接箇所における前記電極の外径をDとしたとき、C
<2Dであることを特徴とする。
が、前記発光管内に存在していることが好ましい。
は、Ptから構成された膜である。
層からなる多層構造を有していてもよい。
内に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記発
光管から延在し、前記電極の一部が埋め込まれた封止部
とを備え、下層がAu、上層がPt、Ir、Rh、R
u、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金
属から構成された多層構造を有している金属膜を表面に
有するコイルが、前記封止部内に埋め込まれている前記
電極の前記一部に巻き付けられている。
が、前記発光管内に存在していることが好ましい。
は、その表面に、Ptから構成された金属膜を有してい
る。
は、その表面に、下層がAu層、上層がPt層からなる
多層構造の金属膜を有している。
内には、少なくとも水銀およびハロゲンが含まれてお
り、かつ、前記発光管内に、Pt、Ir、Rh、Ru、
Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属が
存在する。
の単位容積あたりの水銀封入量は230mg/cc以上
である。
は300mg/cc以上であることが好ましい。
内の動作圧力は23MPa以上である。
であることが好ましい。
あることが好ましい。
一種である高圧水銀ランプ(特に、超高圧水銀ランプ)
の特性を向上させるべく、多面的な検討を行っている
際、Pt元素を発光管内に入れると、発光管内に生じる
黒化を効果的に防止できるという知見を実験により見出
した。この知見について更に説明する。
壁の最低温度は、一般に、約900℃になり、このよう
な高温では、どの物質もゲッターとして機能し得ないと
考えられていた。しかし、Ptを発光管に封入した超高
圧水銀ランプの寿命試験を本願発明者が行ったところ、
Ptが酸素ゲッターとして機能し、黒化を抑制できるこ
とが見出された。ランプ動作時の高温下での酸素ゲッタ
ーの機能は、Ptの他、Ir、Rh、Ru、Reのよう
な白金族元素でも発揮し得ることもわかった。なお、A
uは、酸素ゲッターとしての機能は無かったが、黒化を
進行させることもないことも確認された。また、酸素ゲ
ッターとしての機能を持つことがわかったPtを、封止
部に埋まっている部分の電極棒の表面に被覆し、そのラ
ンプの特性を本願発明者が調べたところ、そのランプの
耐圧強度を著しく向上させることができるという別の知
見も見出された。本発明は、これらの新たな知見に基づ
いてなされたものである。
実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡
潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同
一の参照符号で示す。なお、本発明は、以下の実施形態
により、限定的に解釈されるべきものではない。 (実施形態1)図1(a)および(b)は、本実施形態
にかかる高圧放電ランプの断面構成を模式的に示してい
る。図1(a)は、平面図であり、一方、図1(b)は
その側面図である。
2,12’)が対向して配置された発光管(バルブ)1
0と、発光管10に連結された一対の封止部20および
20’とを有している。発光管10は、石英ガラスから
構成されており、封止部(20,20’)のガラス部分
は、発光管10から延在している。電極(12,1
2’)の一部(根本部分)は、封止部(20,20’)
の内部に埋め込まれており、そして、封止部(20,2
0’)内に位置する部分の電極(12,12’)の少な
くとも一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Re
からなる群から選択される少なくとも1種の金属から構
成された金属膜30が形成されている。本実施形態で
は、Ptを含む金属膜30がメッキにより電極(12,
12’)の一部に形成されており、金属膜30中のPt
の一部は、発光管10内に存在している。
程度(例えば、0.6〜1.0mm)の間隔(アーク
長)Dで、発光管10内に配置されており、電極(1
2,12’)のそれぞれは、タングステン(W)の電極
棒16から構成されている。電極棒16の一端は、封止
部(20,20’)内に設けられた金属箔(24,2
4’)に溶接により接続されている。Ptを含む金属膜
30は、電極棒16と金属箔24との溶接箇所(接続箇
所)32には形成されておらず、封止部(20,2
0’)内に埋め込まれている電極棒16の表面に形成さ
れている。なお、電極棒16の他端(先端)には、ラン
プ動作時における電極先端温度を低下させることを目的
として、コイル14が巻かれている。
ングステンとの密着性を向上させるために、金属膜30
は、下層がAu層で、上層がPt層からなる多層構造を
有している。Au層およびPt層は、メッキにより形成
されており、Au層の厚さは、例えば0.01〜0.1
μmであり、Au層の長手方向の長さ(メッキ長)は、
約2mmである。そして、Au層の上に形成されるPt
層の厚さは、約0.01〜約10μm(好ましくは、
0.1μm程度)で、Pt層の長手方向の長さ(メッキ
長)は、Au層のメッキ長と同じく、約2mmである。
メッキ量は、電極棒16の一本あたり、例えば、Auが
約1〜4マイクログラムであり、Ptが約4マイクログ
ラムである。
多層膜でなくても、Ptからなる膜であってもよい。P
tのみから構成した金属膜30の場合、Au層とPt層
との多層膜のときよりも、密着性は若干落ちるものの、
現実の使用では問題が生じないレベルの密着性は十分確
保できることが本願発明者の実験により確認されたから
である。Ptのみからなる金属膜30は、Au層とPt
層との多層膜のものと比べて、形成が容易というメリッ
トが得られる。ここで、Ptから構成した金属膜30の
厚さは、例えば、約0.01μm〜約1.0μmであ
る。
属箔(24,24’)は、例えば、矩形のモリブデン箔
(Mo箔)であり、電極(12,12’)が位置する側
と反対側には、リード線(外部リード)26が溶接によ
り設けられている。この一対のリード線26は、点灯回
路(不図示)に電気的に接続されることになる。封止部
(20,20’)は、封止部のガラス部と金属箔(2
4,24’)とを圧着させて、発光管10内の放電空間
の気密を保持する役割を果たしている。封止部(20,
20’)によるシール機構を簡単に説明すると、次のよ
うである。
する石英ガラスと、金属箔(24,24’)を構成する
モリブデンとは互いに熱膨張係数が異なるので、熱膨張
係数の観点からみると、両者は、一体化された状態には
ならない。ただし、本構成の場合、封止部のガラス部か
らの圧力により、金属箔(24,24’)が塑性変形を
起こして、両者の間に生じる隙間を埋めることができ
る。それによって、金属箔(24,24’)とガラス部
とを互いに圧着させた状態にすることができ、封止部
(20,20’)で発光管10内のシールを行うことが
できる。すなわち、金属箔(24,24’)とガラス部
との圧着による箔封止によって、封止部(20,2
0’)のシールは行われている。
24’)が位置している部分と異なり、電極棒16が埋
め込まれている部分においては、封止部のガラス部と電
極棒16とは互いに密着しておらず、両者の間には目に
見えない程度の隙間が存在している。この隙間は、タン
グステンと石英ガラスとの熱膨張係数の差違によって生
じるものである。すなわち、冷却時において、金属であ
るタングステンの方が、石英ガラスよりも多く収縮する
ことに生じるものである。なお、タングステンは、モリ
ブデンと異なり、ガラス部と電極棒16との間の隙間を
埋めるような塑性変形を起こさない。
内に、少量のPtおよびAuが存在している。これは、
ランプの製造工程中の加熱時において、電極棒16の根
本の表面に形成された金属膜30を構成するPtおよび
Auの一部が蒸発して、封止部のガラス部と電極棒16
との間の隙間を通じて、発光管10内へと飛散したもの
である。従来、Ptなどの金属が発光管10内に存在す
ると、発光管10内の封入物と反応し、それにより、黒
化が促進されて、ランプ寿命が短くなると考えられてい
た。しかしながら、本願発明者がランプ100の特性を
調べたところ、Ptは、発光管10の黒化を促進するど
ころか、黒化を効果的に防止できることを確認した。P
tによって黒化を防止できる機構は、現時点では明確で
はないが、ランプ動作時において、Ptが酸素ゲッター
として機能し、その結果、黒化を抑制できるのではない
かと思われる。なお、この種のランプを動作させると、
発光管10の内壁の最低温度は、一般に、約900℃に
なり、このような高温では、どの物質もゲッターとして
機能し得ないと、従来、考えられていた。
ーとしての機能は無かったが、黒化を進行させることも
ないことを確認した。また、ランプ動作時の高温下での
酸素ゲッターの機能は、Ptの他、Ir、Rh、Ru、
Reのような白金族元素でも発揮し得る。ランプ100
において、金属膜30からPtを飛散させて発光管10
へ導入させた理由は、適量のPtを発光管10内に容易
に封入できるからである。つまり、この手法によれば、
ゲッターとして作用させることができる程度の量のPt
を、発光管10を曇らせない程度だけ発光管10内に入
れることを容易に行うことが可能となる。発光管10を
曇らせないようにすることは、発光管10から出射する
光の量が低下することを防止できるので好適である。
る手法は、上述した手法に限定されず、発光管10内に
Ptを直接導入してもよいし、Ptを含む金属膜や金属
塊を発光管10内に設けるようにしてもよい。また、金
属膜30の形成方法は、メッキに限定されず、スパッ
タ、蒸着でもよく、そして、金属溶液を塗布して焼き付
ける手法を採用しても良い。
た本実施形態のランプ100は、Ptのゲッター作用に
よる黒化防止効果とは別に、従来の約20MPa(約2
00気圧)を超える高耐圧(例えば、23MPaまたは
25MPaまたはそれ以上、あるいは、30〜40MP
aまたはそれ以上、言い換えると、動作圧約230気圧
または250気圧またはそれ以上、あるいは、約300
〜400気圧またはそれ以上)の特性を示すものであ
る。ランプ100では、封止部(20,20’)に埋め
込まれている部分の電極棒16の表面に金属膜30が形
成されているため、電極棒16の周囲に位置するガラス
に、微小なクラックが発生することを防止することがで
きる。以下、このことをさらに詳述する。
0の無いランプの場合、ランプ製造工程における封止部
形成の際に、封止部のガラスと電極棒16とが一度密着
した後、冷却時において、両者の熱膨張係数の差違によ
り、両者は離されることになる。この時に、電極棒16
の周囲の石英ガラスにクラックが生じる。このクラック
の存在により、従来では、動作圧力が200気圧程度を
超えるような耐圧強度を持ったランプを実現することは
非常に困難であった。つまり、200気圧を超えるよう
な動作圧力でランプを使用すると、発光管10のリーク
が生じ、つまり、封止部(20,20’)のシール構造
の破壊が起こる。このため、耐圧強度の観点から、従来
においては、20MPa程度を超えるような超高圧水銀
ランプは、実現されていなかった。
Pt層を有する金属膜30が電極棒16の表面に形成さ
れているので、封止部(20,20’)の石英ガラス
と、電極棒16の表面(Pt層)との間の濡れ性が悪く
なっている。つまり、タングステンと石英ガラスとの組
み合わせの場合よりも、白金と石英ガラスとの組み合わ
せの場合の方が、金属と石英ガラスとの濡れ性が悪くな
るため、両者は引っ付かずに、離れやすくなるのであ
る。その結果、電極棒16と石英ガラスとの濡れ性の悪
さにより、加熱後の冷却時における両者の離れがよくな
り、微細なクラックの発生を防止することが可能とな
る。このような濡れ性の悪さを利用してクラックの発生
を防止するという技術的思想に基づいて作製されたラン
プ100は、従来では実現困難ないし実現不可能であっ
た20MPaを超える、30〜40MPaの動作圧力を
実現できる画期的なランプである。
プ100によると、次のような利点が得られる。近年、
より高出力・高電力の高圧水銀ランプを得るために、ア
ーク長(電極間距離D)が短いショートアーク型の水銀
ランプ(例えば、Dが2mm以下)の開発が進んでいる
ところ、ショートアーク型の場合、電流の増大に伴って
電極の蒸発が早くなることを抑制するために、通常より
も多くの水銀量を封入する必要がある。上述したよう
に、従来の構成においては、耐圧強度に上限があったた
め、封入水銀量にも上限(例えば、200mg/cc程
度以下)があり、さらなる優れた特性を示すようなラン
プの実現化に制限が加えられていた。本実施形態のラン
プ100は、そのような従来における制限を取り除け得
るものであり、従来では実現できなかった優れた特性を
示すランプの開発を促進させることができるものであ
る。本実施形態のランプ100においては、封入水銀量
が200mg/cc程度を超える、300mg/cc程
度またはそれ以上のランプを実現することが可能とな
る。
cc程度またはそれ以上(点灯動作圧30〜40MP
a)を実現できる技術というのは、特に点灯動作圧20
MPaを超えるレベルのランプ(すなわち、今日の15
MPa〜20MPaのランプを超える点灯動作圧を有す
るランプ。例えば、23MPa以上または25MPa以
上のランプ)について、その安全性および信頼性を確保
できる意義も有している。つまり、ランプを大量生産す
る場合には、ランプの特性にどうしてもばらつきが生じ
得るため、点灯動作圧が23MPa程度のランプであっ
ても、マージンを考えた上で耐圧を確保する必要がある
ので、30MPa以上の耐圧を達成できる技術は、30
MPa未満のランプについても、実際に製品を供給でき
るという観点からの利点は大きい。もちろん、30MP
a以上の耐圧を達成できる技術を用いて、23MPaあ
るいはそれ以下の耐圧でもよいランプを作製すれば、安
全性および信頼性の向上を図ることができる。
30をメッキした本実施形態のランプ100と、ランプ
100と同様の構成において金属膜30のメッキのない
比較例のランプとのライフ試験を行った。ライフ試験
は、点灯60分、消灯15分を繰り返すことにより実行
した。ランプ100を30MPaまたはそれ以上で点灯
させたところ、点灯1500時間中にリーク、破損に至
ることはないことを確認した。比較例のランプでは、電
極棒16の周囲にクラックがあるため、30MPaで点
灯させることは無理であることを確認した。
較例のランプとのライフ試験時における光束維持率の変
化を示している。比較例のランプは、30MPaで点灯
させることができないので、水銀量を20MPaに相当
する分(約200mg/cc)にし、そして、電極間距
離Dを調整して、ランプの電気特性をランプ100のも
のと同じにしている。図2からわかるように、ランプ1
00の光束維持率は、1500時間の時点でも、約95
%を維持した。一方、比較例の光束維持率は、比較的早
い時期から低下し始め、1500時間の時点は、90%
を下回る、約85%になった。この結果より、ランプ1
00が優れた特性を示すことが理解できる。
に示すと、次のようである。発光管10は、アルカリ金
属不純物レベルの低い(例えば、1ppm以下)高純度
の石英ガラスから構成されており、略球形をしている。
発光管10の外径は例えば5mm〜20mm程度であ
り、発光管10のガラス厚は例えば1mm〜5mm程度
である。発光管10内の放電空間の容積は、例えば0.
01〜1cc程度(0.01〜1cm3)である。本実
施形態では、外径9mm程度、内径4mm程度、放電空
間の容量0.06cc程度の発光管10が用いられる。
発光物質18として水銀を使用し、300mg/cc程
度またはそれ以上(例えば、300mg〜400mg)
の水銀と、5〜30kPaの希ガス(例えば、アルゴ
ン)と、少量のハロゲンとが発光管10内に封入されて
いる。
極(12、12’)から蒸発したW(タングステン)を
再び電極(12、12’)に戻すハロゲンサイクルの役
割を担っており、例えば、臭素である。封入するハロゲ
ンは、単体の形態だけでなく、ハロゲン前駆体の形態の
ものでもよく、本実施形態では、ハロゲンをCH2Br2
の形態で発光管10内に導入している。また、本実施形
態におけるCH2Br 2の封入量は、0.0017〜0.
17mg/cc程度であり、これは、ランプ動作時のハ
ロゲン原子密度に換算すると、0.01〜1μmol/
cc程度に相当する。なお、ランプ100の耐圧強度
(動作圧力)は、20MPa以上(例えば、30〜40
MPa程度、またはそれ以上)にすることができる。ま
た、管壁負荷は、例えば、60W/cm2程度から、2
00W/cm2程度の範囲(好ましくは、80〜150
W/cm2程度)のランプを実現することができる。な
お、定格電力は、例えば、150W(その場合の管壁負
荷は、約130W/cm2に相当)である。
電極棒16の根本部分の表面が金属膜30で保護されて
いるため、通常の量よりも多くのハロゲンを封入させる
ことが可能となる。その理由を次に述べる。多量のハロ
ゲンを発光管10内に存在させると、ハロゲンサイクル
に寄与する分以外の過剰分のハロゲンが、電極棒16の
根本をアタックし、根本を細らせてしまうという弊害が
生じる。ハロゲンサイクルを良好に継続させて、効果的
に黒化を防止するには、少し過剰な程度くらいのハロゲ
ン量が好ましい場合が多いのであるが、上述したように
過剰なハロゲンの存在は、電極棒16の根本を細らせて
しまい、短寿命化の原因となる。ところが、本実施形態
のランプ100では、その根本部分を金属膜30で保護
しているため、当該電極棒16の根本細りの問題を回避
することが可能となり、それゆえ、通常よりの量も多く
のハロゲンを発光管10内に封入させることができる。
したがって、本実施形態のランプ100では、金属膜3
0を、ハロゲンアタック防止膜として機能させることが
でき、ハロゲン量を従来の100倍程度まで(例えば、
0.17〜17mg/cc程度まで)入れることも可能
である。なお、必要以上にハロゲンを入れることは、ラ
ンプ100においても要求されておらず、具体的なハロ
ゲン量は、所望のランプの特性が得られるように適宜決
定すればよい。
の条件を示すと、次のようである。発光管10の外径お
よび内径は、それぞれ、9mmおよび4mmである。発
光管10の容積は約0.06ccである。電極棒16
は、棒径0.3mmのタングステン電極棒である。金属
箔(24,24’)は、幅1.5mmのモリブデン箔で
あり、リード線26は、モリブデン製リード線である。
金属膜30は、Pt/Auの2層構造からなるメッキ膜
(Au膜厚;0.01〜0.1μm、Pt膜厚;約0.
1μm)で、メッキ長は約2mmである。メッキ量は、
電極一本あたり、Auが約1〜4μgで、Ptが約4μ
gである。なお、水銀量は、18〜24mg(発光管内
容積当たりの水銀量は、300〜400mg/cc)
で、ハロゲンを含んだ希ガス(Ar)の封入圧力は、2
00torrである。そして、CH2Br2の封入量は、
約0.017mg/ccであり、動作時のハロゲン原子
密度は、約0.1μmol/ccである。
棒16と金属箔(24,24’)の溶接部分32に金属
膜30を形成していないのは、金属箔(24,24’)
の箔浮きを防止するためである。さらに具体的に説明す
る。
0を形成したランプを作製し、そのランプを観察したと
ころ、水銀を300mg/cc以上封入したランプで
は、いわゆる「箔浮き」現象が生じることがわかった。
すなわち、ランプ製造段階の封止時の熱によって、メッ
キした金属膜30の一部(Pt、Au)が蒸発して、封
止部(20,20’)のガラス部と金属箔(24,2
4’)との間に入り込み、その結果、金属箔の一部に付
着する。すると、互いに密着していたガラス部と金属箔
の間に、ごく僅かの隙間が形成され、それによって、箔
浮きが生じる。この箔浮きは、リークや破損の原因とな
るために好ましくないが、溶接部分32には金属膜30
を形成しないランプ100の構成の場合には、効果的に
箔浮きを防止することができた。水銀量が300mg/
cc以上の場合に、この箔浮きに起因するリークが顕著
に生じるため、そのような場合、溶接部分32には金属
膜30を形成しないことが好ましい。なお、水銀量が3
00mg/cc未満の場合には、箔浮きの現象はあまり
顕著にはみられないので、溶接部分32まで金属膜30
を形成することも可能である。
形成しない構成に限らず、溶接箇所32の金属膜30の
厚さを他の部分よりも薄くした構成にしても、箔浮き防
止の効果を得ることが可能である。つまり、溶接箇所3
2における金属膜30の厚さをAとし、溶接箇所32以
外の金属膜30の厚さをBとしたとき、A<Bであるよ
うな構成にしてもよく、例えば、Aを、B/2以下、ま
たはB/4以下などにすることができる。本願発明者の
実験によると、Bが1μmのときの構成で、箔浮きを抑
制することができた。それゆえ、Bは1μmとすること
が好ましく、より効果的に箔浮きを抑制する上では、B
は0.1μm以下にすることがより好ましい。
の2層構造としているので、金属膜30(Pt層)と石
英ガラスとの濡れ性を悪くして、石英ガラスに引っ付き
難くすることができるとともに、金属膜30(Au層)
と電極棒(W棒)16との密着性を向上させることがで
きる。金属膜30と電極棒16との密着性が向上する
と、加熱時における金属膜30の蒸発量を効果的に抑え
ることができるため、箔浮きをより確実に抑制すること
ができる。加えて、膜強度が上がるため、保管中や製造
中の電極同士の接触などによる膜剥がれも防止すること
ができる。本実施形態では、金属膜30を2層構造にし
たが、1層構造にしても、3層構造にしてもよい。ま
た、Pt/Auの2層構造を繰り返した構造(4層、6
層など)にしてもよい。ランプ100の構成では、Pt
を含む金属膜30を用いたが、Ptに代えて、またはP
tとともに、Ir、Rh、Ru、Reを含む金属膜30
を用いても良い。
0’)内に埋め込まれて部分の電極棒16の表面の全部
に形成しなくても、一部に形成してもよい。例えば、図
1に示した金属膜30の1/3程度の面積のものでも、
黒化防止およびクラック防止の効果を発揮できることを
実験により確認した。なお、クラック防止効果には寄与
しないが、金属膜30を発光管10内に露出している電
極棒16の表面に形成してもよい。ただし、その場合に
は、Pt等を必要以上に発光管10内に導入することに
ならないように、すなわち、発光管10内が曇ったりし
ないように設計することが望ましい。本願発明者の実験
によれば、金属膜30の厚さを0.01μm以上にする
と、金属膜30による効果が顕著に現れた。0.01μ
m未満では、加熱時の蒸発により金属膜30が飛散し、
その結果、クラック防止の効果が薄れてしまった。一
方、10μmを超える膜厚にすると、発光管10内に飛
ぶ金属の量が多くなってしまい、発光管10内の曇り現
象が生じることとなった。したがって、金属膜30の厚
さは、0.01μm〜10μm程度にすることが好まし
いと言える。
する場合には、図3に示すような構成にしてもよい。図
3に示したランプ200は、溶接箇所32における金属
箔24の幅を狭めて、加熱により金属膜30から蒸発飛
散する金属がなるべく金属箔(24,24’)に付着し
ないようにしたものである。具体的には、溶接箇所32
における金属箔24の幅をCとし、溶接箇所32におけ
る電極の外径をDとしたとき、C<2Dとなるように構
成されている。電極棒16の末端付近に位置する金属膜
30からの蒸発飛散による影響が比較的大きいため、本
実施形態では、溶接箇所32のうち、電極棒16末端の
位置を基準にして、幅Cと、外径Dとを決定した。な
お、図3に示した構成の場合でも、溶接箇所32の金属
膜30の厚さは、上述したように、A<B(A;溶接箇
所32の膜厚、B;溶接箇所32以外の膜厚)にするこ
とが好ましく、さらに、溶接箇所32には金属膜30を
形成しないことがより望ましい。
かかるランプ100の製造方法を説明する。図4は、放
電ランプ用ガラスパイプ50内に、電極12を含む電極
構造体55を挿入した段階における工程断面図である。
と、封止部(20,20’)のガラス部となる一対の側
管部22とを有する放電ランプ用ガラスパイプ50を用
意する。側管部22は、発光管部10から延在してお
り、両者(10,22)は、石英ガラスから構成されて
いる。本実施形態では、石英ガラスとして、アルカリ金
属不純物レベルの低い(例えば、1ppm以下)高純度
の石英ガラスを使用している。ただし、そのようなもの
に限定されず、アルカリ不純物レベルがそれほど低くな
い石英ガラスから構成された放電ランプ用ガラスパイプ
を用意して、それを使用してもよい。用意したガラスパ
イプ50の発光管部10の外径および内径は、それぞ
れ、10mmおよび5mmであり、そして、側管部22
の外径および内径は、それぞれ、6mmおよび2mmで
ある。
16の一端が金属箔24に接続された電極構造体55を
用意する。電極構造体55は、金属箔24(Mo箔)
に、電極棒16(電極12)と、リード線26とが溶接
されたものであり、リード線26の一端には、側管部2
2の内面に電極構造体55を固定するための支持部材2
8が設けられている。図4に示した支持部材28は、モ
リブデンからなるモリブデンテープ(Moテープ)であ
るが、これに代えて、モリブデン製のリング状のバネを
用いてもよい。
けられる部分には金属膜30が形成されている。また、
箔浮き防止のため、Mo箔24との溶接シロとなる部分
32には、金属膜30は形成されていない。ここで、A
<B(A;溶接箇所32の膜厚、B;溶接箇所32以外
の膜厚)の条件を満たす電極構造体55を用いることも
できる。また、ランプ200を作製する場合には、C<
2D(C;溶接箇所32における金属箔24の幅、D;
溶接箇所32における電極棒16の外径)の条件を満た
す電極構造体55を用いればよい。なお、この例におい
ては、発光管10内に露出する部分は、金属膜30は形
成されていない。金属棒16は、例えば直径φ0.3m
mのタングステン棒であり、Mo箔24の幅は、1.5
mmであり、リード線26は、直径φ0.5mmのモリ
ブデン製リード線である。
に位置するように、ガラスパイプ50の側管部22に電
極構造体55を挿入する(電極挿入工程)。この工程を
経ると、図4に示した状態となる。なお、電極棒16の
先端に巻かれるコイルは、図4では省略している。
するように、側管部22を加熱して封止する(封止部形
成工程)。より具体的に述べると、ガラスパイプ50内
を減圧状態(例えば、1気圧未満)にした上で、例えば
バーナーで、側管部22を加熱し軟化させると、側管部
22とMo箔24との両者が密着し、それによって封止
部20が得られる。この工程の際に、側管部22内に位
置していた電極棒16は、封止部20内に埋もれること
になる。本実施形態では、封止部20内の電極棒16の
表面に、石英ガラスとの濡れ性を悪くする金属膜30が
形成されているので、加熱後の冷却時に、電極棒16の
周囲に位置するガラスにおけるクラックの発生を抑制す
ることができる。また、封止部形成工程の時に、金属膜
30を有する電極棒16も加熱され、金属膜30の一部
は蒸発飛散する。
から、水銀18等の封入物を導入し、次いで、当該側管
部22についても、電極挿入工程および封止部形成工程
を行って、封止部20’を得る。最後に、封止部(2
0,20’)を適切な長さで切断して、リード線26を
露出させると、本実施形態のランプ100が得られる。
このランプ100の発光管10内には、封止部形成工程
の加熱時に、金属膜30から蒸発飛散したPtが存在し
ている。なお、封止部形成工程時の加熱によって、Pt
を発光管10内へと導入する場合に限らず、レーザ等に
よって金属膜30を加熱して、Ptの発光管10への導
入を行っても良い。
ら、本実施形態の製造方法をさらに詳細に説明する。
るガラスパイプ50を用意した後、図5(a)に示すよ
うに、一方の側管部22に電極構造体55を挿入する。
電極構造体55の電極12の一部には、金属膜30が形
成されている。ガラスパイプ50は、回転可能なように
チャック52によって支持されている。なお、図5にお
いては、Moテープ28は省略している。
た後、ガラスパイプ50を減圧可能な状態にして、発光
管10内を真空排気し、次いで、200torr程度の
Arを導入する。
イプ50を回転させながら、酸素水素バーナー54で側
管部22を加熱し、シュリンク封止を実行する。一方の
側管部22のシュリンク封止が終わった後、発光管部1
0内に、水銀を18〜24mg(発光管内容積当たりの
水銀量は、300〜400mg/cc)導入する。
に、Mo箔24’を含む電極構造体55を挿入し、所定
位置に固定する。次いで、発光管部10内を真空排気し
た後、臭素を含んだArガスを200torr封入す
る。
冷却しながら、図5(b)の工程のように、残りの側管
部22を加熱して、シュリンク封止を実行する。それに
より、図5(c)に示すように、一対の封止部(20,
20’)が形成されて、放電空間15を有する発光管1
0が得られる。
て、リード線26を露出させると、図5(d)に示すよ
うに、ランプ100が完成する。
r、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なく
とも1種の金属が発光管10内に存在するので、黒化の
発生を効果的に防止した長寿命化を図った高圧放電ラン
プを実現することが可能になる。
る部分の電極(12,12’)の少なくとも一部の表面
に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択
される少なくとも1種の金属から構成された金属膜30
が形成されているので、電極根本周囲に位置するガラス
に生じるクラックの発生を防止することができ、その結
果、従来到達できなかった極めて高い耐圧強度を有する
高圧放電ランプを実現することが可能となる。
成しないことにより、箔浮き防止の効果も得られる。そ
して、A<B(A;溶接箇所32の膜厚、B;溶接箇所
32以外の膜厚)としたり、C<2D(C;溶接箇所3
2における金属箔24の幅、D;溶接箇所32における
電極棒16の外径)とすることによっても、箔浮き防止
の効果を得ることができる。
00では、一対の電極(12,12’)および一対の封
止部(20,20’)の構成が左右対称となるようにし
たが、この構成に限定されない。少なくとも一方の電極
に金属膜30が形成されていれば、従来のランプと比較
して、上述したような効果を得ることが可能だからであ
る。また、一方をランプ100のような封止部とし、他
方をランプ200のような封止部にすることも勿論可能
である。加えて、ランプ100および200は、交流点
灯型の構成をしているため、一対の電極(12,1
2’)の構成を左右対称としているが、直流点灯型の構
成にする場合には、陰極および陽極に応じて電極形状を
変えることも可能である。 (実施形態2)図6を参照しながら、本発明による実施
形態2にかかる高圧放電ランプ300を説明する。図6
は、ランプ300の構成を模式的に示している。
0,20’)内に位置する部分の電極棒16に、Ptで
表面を被覆したコイル40が巻き付けられている点にお
いて、封止部(20,20’)内に位置する部分の電極
棒16の表面をPtで被覆していた上記実施形態1のラ
ンプ100と異なる。なお、他の点は、基本的にランプ
100の構成と同様である。本実施形態および後述の実
施形態の説明を簡潔にするために、以下では、実施形態
1と異なる点を主に説明し、実施形態1と同様の点の説
明は省略または簡略化する。
ばタングステンコイルの表面に、Pt(上層)/Au
(下層)のメッキを施したものである。つまり、コイル
40の表面に、上記実施形態1における金属膜30を形
成したものである。なお、下層にAu層を形成した2層
構造にしたのは、密着性向上のためである。ここで、P
t(上層)/Au(下層)メッキの2層構造にせずに、
Ptメッキだけを施したコイル40でも、実用上の十分
な密着性を確保できることは、上記実施形態1で説明し
た通りである。また、金属層(30)の形成方法は、メ
ッキに限らず、スパッタ、蒸着でもよく、そして、金属
溶液を塗布して焼き付ける手法を採用しても良い。ま
た、コイル表面にメッキを施すのではなく、材料として
Ptを含むコイル(Ptコイルを包含する。)を用いて
も良い。さらに、上記実施形態1と同様に、Ptに代え
て、またはPtとともに、Ir、Rh、Ru、Reの白
金属の元素を用いてもよい。
割れを考慮すると、電極棒16の径の1/2以下にする
ことが好ましい。本実施形態では、直径φ0.3mmの
タングステン棒16に、コイル径0.06mmのタング
ステンコイルを巻いている。図6に示したランプ300
では、コイル間に隙間がないように、20〜50回程度
巻いた構成にしているが、これに限らず、図7に示すよ
うに、コイル間に隙間があくようにして巻いた構成にし
てもよい。
棒16が封止部(20,20’)内に埋まった部分(電
極の根本部分)に、表面にPtメッキを施したコイル4
0を巻くことによっても、上記実施形態1と同様の効果
を得ることができる。すなわち、コイル40の表面のP
tメッキ(金属膜30)からPtを蒸発飛散することに
より、発光管10内に導入させることができる。加え
て、Ptと石英ガラスとの濡れ性の悪さを利用して、電
極棒16の周囲のガラスにクラックが生じないようにす
ることができる。
本実施形態のランプ300は、製造工程上の利点が大き
い。すなわち、ランプ300の場合、予めメッキしたコ
イル40を大量に準備しておくことが可能であるからで
ある。そして、そのコイル40を、通常使用される電極
構造体(図4の電極構造体55において金属膜30が設
けられていないもの)の電極棒16の根本に巻き付けれ
ば良いからである。
ル40を巻き付けた電極構造体(55)を用いて、図5
(a)から(d)の工程を実行すればよい。ここで、
「電極棒にコイルを巻き付ける」とは、コイル用の金属
線を巻いて完成したコイルを電極棒に挿入して、筒状の
コイルの内面が電極棒に接触または近接するように配置
するものの他、コイル用の金属線を電極棒に巻いて、電
極棒の外周に配置されたコイルを直接作製するものも含
む。大量生産を行う場合には、もちろん、予め、完成し
たコイルを用意した上で、そのコイルを電極棒に挿入し
て、電極棒の周囲にコイルを配置させる方が好ましい。
めメッキしたコイル40を大量に準備しておく場合)、
図8(a)に示すように、金属線41を用意した後、図
8(b)に示すように、金属線41から第1段階のコイ
ル42を作製し、次いで、図8(c)に示すように、こ
のコイル42にメッキを施して、少なくとも表面にPt
を有する金属膜30を付与したコイル43を得る。な
お、メッキに限らず、蒸着等によって金属膜30を形成
してもよい。最後に、コイル43を所定の長さに切断す
ると、金属膜30が形成されたコイル40を得ることが
できる。もちろん、図8(a)および(b)に示した工
程の後、図9(a)に示すように、第1段階のコイル4
2を所定の長さに切断してコイル44にし、次いで、図
9(b)に示すように、コイル44にメッキを施して、
金属膜30を有するコイル40を作製してもよい。
電極棒16に挿入されて、その後、ランプの製造工程に
供される。例えば、図10(a)に示すように、電極棒
16および金属箔24等を有する電極構造体55を用意
した後、図10(b)に示すように、電極構造体55の
電極棒16にコイル40を挿入する。その後、必要に応
じて、図10(c)に示すように、コイル40の所定の
箇所(例えば、真ん中の一箇所など)を溶接し、その溶
接部34によってコイル40を電極棒16に固定する。
0を電極棒16に固定した場合には、溶接部34以外
は、コイル40を電極棒16から浮かす(離す)ことが
できるため、コイル40と電極棒16との間に隙間を作
ることができ、コイル40が電極棒16へ与える圧力負
荷を軽減させることが可能になる。特に、光出力で長寿
命の放電ランプを実現する場合、電極棒16として、極
めて高純度のタングステンからなる電極棒を用いること
が多く、この高純度のタングステン棒は、それほど純度
の高くないものと比べると、強度が落ちるので、高純度
のタングステン棒を用いる場合には、当該隙間による圧
力負荷の軽減手段を採用する意義が大きくなる。
と、電極棒に含まれるナトリウム(Na)、カリウム
(K)、およびリチウム(Li)の含有量がそれぞれ1
ppm以下であるものである。なお、このような高純度
の電極棒を用いたランプは、アルカリ金属の存在に起因
して生じ得る黒化を効果的に抑制できるとともに、光色
の黄ばみを抑制することができるという効果を得ること
ができる。この高純度の電極棒は、国際公開WO 01
/29862号パンフレット(対応米国出願;10/1
11,067号)に開示されており、ここで、これらの
明細書を、本願明細書に参考のため援用する。
を示すと、次の通りである。コイル線径は約0.06m
m(約60μm)であり、ピッチ中心間隔(ある線の中
心から隣接する線の中心までの間隔)は約0.1mm
(約100μm)である。そして、互いに隣接する線の
あいだの間隔は、0.04mm(約40μm)である。
間隔をあけてコイルを巻くのは、間隔をあけずにコイル
をきっちりと巻くことは、間隔をかけて巻く場合と比べ
て難しいからである。
属膜30をPtのみから構成すると次のような効果も得
られる。Ptのみから金属膜30の場合、Pt(上層)
/Au(下層)の2層構造の場合よりも、密着性は低下
するものの、実用上の十分な密着性を確保できるとも
に、Ptだけを発光管10内に存在させるようにするこ
とができ、Auを用いてないことから、Auの発光管1
0内への混入を防ぐことができる。上述したように、A
uは黒化を進行させる元素ではないが、Auが発光管1
0内に存在すると、発光管10内の水銀18の粘度が上
がり、場合によっては、水銀18が電極12、12’間
を連結する現象(いわゆる水銀ブリッジ)が生じ易くな
ることが本願発明者の実験によりわかった。Ptのみか
らなる金属膜30の場合には、このような水銀ブリッジ
の発生を緩和することができる。なお、水銀ブリッジの
発生の防止策としては、電極棒と電極棒とを互いにずら
すようにすればよい。具体的には、一対の電極のうちの
一方の電極と他方の電極との配置間隔Dが2mm以下
で、水銀の封入総質量が150mg/cm3以上である
場合の高圧水銀ランプ(ショートアーク型水銀ランプ)
において、一方の電極の先端と他方の電極の先端との最
短距離d(cm)を、水銀の封入総質量がM(g)のと
きに、(6M/13.6π)1/3の数値よりも大きいよ
うにすればよい。この水銀ブリッジの発生の防止策は、
特願2001−149500号明細書(対応米国出願;
09/865,964号)に開示されており、ここで、
これらの明細書を、本願明細書に参考のため援用する。 (実施形態3)図11を参照しながら、本発明による実
施形態3にかかる高圧放電ランプ400を説明する。図
11は、ランプ400の構成を模式的に示している。
と金属箔(24,24’)とが位置する部分にわたっ
て、バイコールガラスを含む領域21が封止部(20,
20’)内に形成されている点において、上記実施形態
1のランプ100と異なる。つまり、本実施形態のラン
プ400は、表面に金属膜30を有する電極棒16の一
部と、金属箔(24,24’)の一部とにかかるよう
に、バイコールガラスを含む領域21が封止部(20,
20’)内に設けられた構成を有するものである。この
構成においては、溶接部位32の周囲も領域21によっ
て覆われている。
名)とは、石英ガラスに添加物を混入させて軟化点を下
げて、石英ガラスよりも加工性を向上させたガラスであ
り、その組成は、例えば、シリカ(SiO2)96.5
重量%、アルミナ(Al2O3)0.5重量%、ホウ素
(B)3重量%である。ランプ製造段階の封止工程中に
おいて、領域21中の組成は、バイコールガラスと石英
ガラスとが混じり合ったものになるのであるが、本実施
形態における領域21中の半分以上(または、大半)
は、バイコールガラスが占めている。図11に示した構
成において、さらに詳述すると、領域21中に含まれる
バイコールガラスは、電極棒16および金属箔(24,
24’)から封止部(20,20’)の外壁に向かって
(つまり、中心から外壁へと)分布し、電極棒および金
属箔近傍の方に(つまり、中心側に)バイコールガラス
は多く含まれている。
実施形態のランプ400の耐圧強度を本願発明者が実験
により調べた結果、驚くべきことに、耐圧強度を、ラン
プ100のものよりも、さらに向上できることがわかっ
た。ランプ100は、高くても20MPa程度の従来の
耐圧強度を、30MPa以上まで引き上げることができ
る構造であったが、本実施形態のランプ400は、それ
よりもさらに上の、40MPa程度またはそれ以上まで
耐圧強度を高めることができるものであった。30MP
a程度の耐圧強度を有するランプが実現されていない
中、40MPaまたはそれ以上の耐圧強度というのは、
まさに、驚異的な耐圧強度であるといえる。
が200mg/cm3(動作圧20MPaに相当)の場
合には、演色評価数Raが60だったものが、封入水銀
量が400mg/cm3(動作圧40MPaに相当)の
場合には、演色評価数Raは70にまで向上した。そし
て、アーク輝度は、200mg/cm3のときを1.0
0とすると、400mg/cm3のときは1.20にま
で向上した。
しながら説明する。図12は、図4で示した構成におい
て、バイコールガラスからなるガラススリーブ21’
を、電極棒16の根本、溶接箇所32、そして金属箔2
4の一部の周囲を覆うように、かぶせたものである。本
実施形態で用意したバイコールガラス製のガラススリー
ブ21’は、円筒形状を有し、その外径は1.9mm、
内径は1.7mm、長さは5mmである。ガラススリー
ブ21’を固定しやすいように、ガラスパイプ50の発
光管10と側管部22との境界付近の側管部22の内径
を狭くしたガラスパイプを用いることもできる。なお、
石英ガラス製のガラススリーブを用意し、その内面に、
バイコールガラス粉末を付着させ、そのバイコールガラ
ス粉末から、領域21を形成することも可能である。
を行った後は、図5(a)から(d)に示したようにし
て、各工程を実行すれば、ランプ400が得られる。
構成だけでなく、ランプ200および300に対しても
適用できる。図6および図7に示したランプ300に適
用する場合には、電極棒16に巻かれたコイル40と、
金属箔(24,24’)とが位置する部分にわたって、
領域21を設ければよい。
て、耐圧強度が向上する理由は、現時点において明確に
はわからない。おそらく、バイコールガラスによって、
封止部(20,20’)内の密着性が高まったのではな
いかと推測される。領域21には、酸化銅または銅の粒
子を分散させた構成にしてもよい。酸化銅または銅の粒
子を領域21に分散させるには、図12に示したガラス
スリーブの内面に酸化銅または銅の粉末を付着させた上
で、封止部形成工程を実行すればよい。バイコールガラ
ス中に酸化銅または銅を含ませることは、耐圧強度上昇
の効果に有利に働き得るものである。領域21中に酸化
銅または銅を混入させると、黒色、あるいは赤色または
茶色の粒子状の部分またはガラス状の部分が、ガラス中
に点々と分散した感じとなる。(実施形態4)上記実施
形態1〜3の高圧放電ランプは、反射鏡と組み合わせ
て、ミラー付きランプないしランプユニットにすること
ができる。図13は、上記実施形態1のランプ100を
備えたミラー付きランプ900の断面を模式的に示して
いる。
10と一対の封止部(20,20’)とを有するランプ
100と、ランプ100から発せられた光を反射する反
射鏡60とを備えている。なお、ランプ100は例示で
あり、上記実施形態のランプ200〜400のいずれで
あってもよい。また、ミラー付ランプ900は、反射鏡
60を保持するランプハウスをさらに備えていてもよ
い。ここで、ランプハウスを備えた構成のものは、ラン
プユニットに包含されるものである。
微小領域に収束する集光光束、または、所定の微小領域
から発散したのと同等の発散光束になるようにランプ1
00からの放射光を反射するように構成されている。反
射鏡60としては、例えば、放物面鏡や楕円面鏡を用い
ることができる。
止部20’に口金56が取り付けられており、封止部2
0’から延びたリード線26と口金56とは電気的に接
続されている。封止部20’と反射鏡60とは、例えば
無機系接着剤(例えばセメントなど)で固着されて一体
化されている。反射鏡60の前面開口部側に位置する封
止部20のリード線26には、引き出しリード線65が
電気的に接続されており、引き出しリード線65は、リ
ード線26から、反射鏡60のリード線用開口部62を
通して反射鏡60の外にまで延ばされている。反射鏡6
0の前面開口部には、例えば前面ガラスを取り付けるこ
とができる。
ニットは、例えば、液晶やDMDを用いたプロジェクタ
等のような画像投影装置に取り付けることができ、画像
投影装置用光源として使用される。上記実施形態の高圧
放電ランプ、およびミラー付ランプないしランプユニッ
トは、画像投影装置用光源の他に、紫外線ステッパ用光
源、または競技スタジアム用光源や自動車のヘッドライ
ト用光源、道路標識を照らす投光器用光源などとしても
使用することができる。 (他の実施形態)上記実施形態では、発光物質として水
銀を使用する水銀ランプを高圧放電ランプの一例として
説明したが、本発明は、封止部(シール部)によって発
光管の気密を保持する構成を有するいずれの高圧放電ラ
ンプにも適用可能である。例えば、金属ハロゲン化物を
封入したメタルハライドランプなどの高圧放電ランプに
も適用することができる。メタルハライドランプにおい
ても、リーク防止やクラック防止を図ることは好適だか
らである。また、近年、水銀を封入しない無水銀メタル
ハライドランプの開発も進んでいるが、そのような無水
銀メタルハライドランプに本発明を適用することも可能
である。
20MPa程度以上の場合(いわゆる超高圧水銀ランプ
の場合)について説明したが、水銀蒸気圧が1MPa程
度の高圧水銀ランプに適用することを排除するものでは
ない。つまり、超高圧水銀ランプおよび高圧水銀ランプ
を含む高圧放電ランプ全般に適用できるものである。さ
らに付け加えて説明すると、動作圧力が極めて高くても
安定して動作できるということは、ランプの信頼性が高
いことを意味する。すなわち、本実施形態の構成を、動
作圧力のそれほど高くないランプ(ランプの動作圧力が
30MPa程度未満、例えば、20MPa程度〜1MP
a程度)に適用した場合、当該動作圧力で動作するラン
プの信頼性を向上させ得ることを意味する。したがっ
て、本実施形態の構成は、信頼性の面からも、ランプ特
性を向上させることができるものである。また、上記実
施形態のランプでは、封止部(20,20’)をシュリ
ンク手法によって作製したが、ピンチング手法によって
作製されたものを排除するものではない。
間隔(アーク長)は、ショートアーク型であってもよい
し、それより長い間隔であってもよい。上記実施形態の
ランプは、交流点灯型および直流点灯型のいずれの点灯
方式でも使用可能である。また、上記実施形態の構成は
相互に採用することが可能であり、つまり、実施形態1
から3のいずれかの構成を組み合わせた構成にすること
もできる。
たが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の
変形が可能である。
において、封止部の構造に工夫をこらした公知の技術と
しては、次のものを挙げることができる。
90気圧(19MPa)程度の超高圧水銀ランプについ
て耐圧性能を向上させるための封止部構造が開示されて
いる。その封止部構造の要部拡大図を図15(a)およ
び(b)に示す。図15(a)は、電極112が封止部
120に埋め込まれている部分(電極根本部分)の平面
図であり、図15(b)は、B−B線に沿った断面図で
ある。同図に示されるように、封止部120のガラス部
と電極112との間には、間隙132があり、間隙13
2側のガラス部の表面には、剥離層134が形成されて
いる。剥離層134は、ランプ製造段階における封止後
の冷却時に電極112表面から剥離して、封止部120
のガラス部と電極112との間に間隙132をつくるも
のである。当該公報によれば、間隙132によって封止
部120の内面での微細クラックの発生を防止できるこ
とが述べられている。
封止部構造は、ガラス部の表面に剥離層134を密着さ
せるものであり、封止部120内に埋め込まれた電極1
12の表面に金属膜が形成された構造のものではない。
また、ガラス部の表面に剥離層134を密着させる構成
にする必要上、ガラス部と濡れ性の悪いような金属膜を
用いることは、同公報の技術とは相容れないものであ
る。
50Wの超高圧水銀ランプにおいて、箔の無い閉塞部構
造体が開示されている。この閉塞構造体の断面構成図を
図16に示す。閉塞構造体121は、発光管110を閉
塞するものであり、導電性成分含有領域(モリブデン含
有領域)と、導電性成分非含有領域(モリブデン非含有
領域)とを有している。電極心棒112は、閉塞部構造
体121の中心孔内に隙間なく焼き締められて配置され
ている。導電性成分非含有領域の中心孔に位置する電極
心棒112の表面は、高融点金属薄膜135で被覆され
ており、そして、導電性成分含有領域の中心孔に位置す
る電極心棒112の表面は、高融点金属粉末136が塗
布されている。なお、導電性成分含有領域には、陰極端
子127が埋設されて固定されている。当該公報による
と、電極芯棒112を閉塞部構造体121の中心孔内に
隙間なく焼き締める際に、強く焼き締めても、高融点金
属薄膜135および高融点金属粉末136により、クラ
ックが発生しないようにできることが述べられている。
閉塞部構造体121は、箔のないものであり、焼き締め
工程により作製されるものである。したがって、本実施
形態のものとは、基本的な構成を異にするものである。
よりも優れた特性(例えば、高耐圧強度、長寿命)を示
す高圧放電ランプを提供することができる。Pt、I
r、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なく
とも1種の金属が発光管内に存在する場合には、黒化の
発生を効果的に防止し、長寿命化を図った高圧放電ラン
プを提供することができる。また、封止部内に位置する
部分の電極の少なくとも一部の表面に、Pt、Ir、R
h、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1
種の金属から構成された金属膜が形成されている場合、
電極周囲に位置する封止部に生じるクラックの発生を抑
制することができ、高耐圧強度を有する高圧放電ランプ
を提供することができる。さらに、溶接箇所に金属膜が
形成されていないときには、箔浮き防止の効果も得るこ
とができる。そして、Pt、Ir、Rh、Ru、Reか
らなる群から選択される少なくとも1種の金属を表面に
有するコイルが、封止部内に位置する部分の前記電極に
巻き付けられている場合でも、クラックの発生を抑制す
ることができる。
電ランプ100の構成を模式的に示す平面断面図であ
る。(b)は、その側面断面図である。
ラフである。
的に示す断面図である。
る。
法の各工程を説明するための工程断面図である。
的に示す断面図である。
成を模式的に示す断面図である。
明するための工程図である。
方法を説明するための工程図である。
へ挿入・固定する工程を説明するための工程図である。
式的に示す断面図である。
ある。
断面図である。
断面図である。
構成を示す断面図である。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】 管内に一対の電極が対向して配置された
発光管と、 前記発光管から延在し、前記電極の一部が埋め込まれた
封止部と を備え、 前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前記一部の
表面には、下層がAu層、上層がPt、Ir、Rh、R
u、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金
属から構成された層からなる多層構造を有している、金
属膜が形成されている、高圧放電ランプ。 - 【請求項2】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在している、請求項1に記載の
高圧放電ランプ。 - 【請求項3】 前記上層は、Ptから構成された層であ
る、請求項1または2に記載の高圧放電ランプ。 - 【請求項4】 管内に一対の電極が対向して配置された
発光管と、 前記電極に溶接により接続された金属箔と、 前記発光管から延在し、前記金属箔を封止する封止部と を備え、 前記封止部内には、前記金属箔および前記電極の一部が
埋め込まれており、 前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前記一部の
表面には、下層がAu層、上層がPt、Ir、Rh、R
u、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金
属から構成された層からなる多層構造を有している、金
属膜が形成されており、 前記金属箔と前記電極との溶接箇所における前記金属膜
の厚さをAとし、前記溶接箇所以外の前記金属膜の厚さ
をBとしたとき、A<Bであることを特徴とする、高圧
放電ランプ。 - 【請求項5】 管内に一対の電極が対向して配置された
発光管と、 前記電極に溶接により接続された金属箔と、 前記発光管から延在し、前記金属箔を封止する封止部と を備え、 前記封止部内には、前記金属箔および前記電極の一部が
埋め込まれており、 前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前記一部の
表面には、下層がAu層、上層がPt、Ir、Rh、R
u、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金
属から構成された層からなる多層構造を有している、金
属膜が形成されており、 前記金属箔と前記電極との溶接箇所における前記金属箔
の幅をCとし、前記溶接箇所における前記電極の外径を
Dとしたとき、C<2Dであることを特徴とする、高圧
放電ランプ。 - 【請求項6】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在している、請求項4または5
に記載の高圧放電ランプ。 - 【請求項7】 前記上層は、Ptから構成された層であ
る、請求項4または5に記載の高圧放電ランプ。 - 【請求項8】 管内に一対の電極が対向して配置された
発光管と、 前記発光管から延在し、前記電極の一部が埋め込まれた
封止部と を備え、 下層がAu、上層がPt、Ir、Rh、Ru、Reから
なる群から選択される少なくとも1種の金属から構成さ
れた多層構造を有している金属膜を表面に有するコイル
が、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前記一
部に巻き付けられている、高圧放電ランプ。 - 【請求項9】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在している、請求項8に記載の
高圧放電ランプ。 - 【請求項10】 前記上層は、Ptから構成された層で
ある、請求項8に記載の高圧放電ランプ。 - 【請求項11】 前記発光管内には水銀が封入されてお
り、 前記発光管の単位容積あたりの水銀封入量が230mg
/cc以上である、請求項1から10までの何れか一つ
に記載の高圧放電ランプ。 - 【請求項12】 前記発光管の単位容積あたりの水銀封
入量が300mg/cc以上である、請求項11に記載
の高圧放電ランプ。
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